労働法における労働者労働者とは  
静岡県富士市 社会保険労務士 川口徹
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労働法における労働者性 労働者の取り扱いrodsha\roudousei.htm
多様な労働者 裁判外紛争
これだけは知っておきたいrdhkn.htm

目次1 労働者とは
労働者http://www.jil.go.jp/institute/zassi/backnumber/2007/09/pdf/048-062.pdf

1 労働者について 話をしてみようと思いますはじめに

社会保険法上の労働者 健康保険法 3条1項 http://www.bekkoame.ne.jp/~tk-o/knkh16.htm#h3
厚生年金法第9条http://www.bekkoame.ne.jp/~tk-o/nkk.htm#h9

労働組合法上の労働者 同法3条
労働組合法でいう労働者は 失業者なども労働者に含めています
労働組合法
http://www.houko.com/00/01/S24/174.HTM#s1
(労働者)第3条 この法律で「労働者」とは、職業の種類を問わず、賃金、給料その他これに準ずる収入によつて生活する者をいう。

労働基準法の適用労働者の判断基準
http://homepage3.nifty.com/54321/roudousyatowa.html
労働基準法
第九条http://www.bekkoame.ne.jp/~tk-o/rukh16.htm#h9
(定義)この法律で「労働者」とは、
@職業の種類を問わず
A事業又は事務所(以下「事業」という。)に使用され(使用従属関係)
B賃金を支払われる者 をいいます(労働の対価性)
http://www.roudoukyoku.go.jp/seido/kijunhou/conttop.htm
http://www.roudoukyoku.go.jp/seido/kijunhou/k-aramasi.htm http://www.bekkoame.ne.jp/~tk-o/rukhou.htm#h9

労働基準法の保護を受ける労働者とは、職業の種類を問わず、事業または事務所に使用される人で、賃金を支払われている人をいいます。
パートタイマー、アルバイト、外国人も上の条件に合えば、労働者として労働基準法の保護を受けることになります。
個人事業所や会社の代表者などは、労働者ではありません。

 ※労働基準法以外の労働法のうち、労働組合法については失業者についてもその適用を受けます。

【労働基準法が適用されない事業】
労働基準法は、ほとんどの事業または事務所に適用されますが、一般職の国家公務員(4現業等は除く。)、同居の親族だけで行っている事業、家庭で家事一般に従事する人などには適用されません。
(労働基準法第112条rukh16.htm#h112、116条rukh16.htm#h116
http://www13.plala.or.jp/S-Kawamura/roudo/teigi.html
労働者の判断基準
http://www15.ocn.ne.jp/~rousai/sinhandan.htm

労働保険の労働者の取り扱い

労働保険(労災保険 雇用保険)でいう労働者

雇用保険法の被保険者kyhkh.htm#h5

雇用保険法の労働者
雇用保険法には労働者の定義の規定はありませんが
労働組合法第3条(労働者) の規定と同様に解されています
雇用保険法の事業主(自然人・法人)

労働保険における労働者の取り扱いについて
労災からの保護 所得保障
実態が事業主の指揮命令下にある人
工場で働く人 左官屋さん 大工さん 商人(物を売る人) 事務員 課長次長 取締役 建築士
  (年度更新手続きのパンフッレトから)
法人の役員など
(1)法人の取締役・理事・無限責任社員などの地位にあるものであっても、法令・定款などの規定に基づいて業務施行権を有すると認められる者以外のもので、事実上業務執行権を有する取締役・理事・代表社員などの指揮監督を受けて労働に従事し、その対償として賃金を受けている者は、原則として 労働者として取り扱います 

(2)法令、又は定款の規定によって業務執行権を有しないと認められる取締役であっても 取締役会規則その他内部規定によって業務執行権を有する者と認められる者は 労働者として取り扱いません

(3)監査役及び監事は法令上使用人をかねることをえない者とされていますが、事実上一般の労働者と同様に賃金をえて労働に従事している場合には労働者として取り扱います

兼務役員
学生と失業保険HelloWork\situgaku.htm

労働保険(労災保険 雇用保険)でいう労働者 

雇用保険において 
雇用保険の適用事業に雇用される労働者は 
雇用保険法第6条(適用除外)kyhkh.htm#h6各号に定める者を除き被保険者になります
雇用される労働者は 
職業の種類の如何を問わず 事業主の支配を受けてその規律の下に労働の提供し その提供した労働の対償として事業主から賃金給料その他これらに準じるものの支払いを受けこれらの収入によって生活する者を意味します

  労災保険 雇用保険
法人の役員など 法人の取締役・理事・無限責任社員などの地位にある者であっても 法令・定款などの規定に基づいて業務執行権を有すると認められる者以外の者で 事実上業務執行権を有する取締役・理事・代表社員などの指揮監督を受けて労働に従事し その対償として賃金を受けている者は原則として「労働者」として取り扱う

法令又は定款の規定によって業務執行権を有しないと認められる取締役であっても 取締役会規則その他内部規定によって業務執行権を有すると認められるものは労働者」として取り扱いません

監査役及び監事は法令上使用人をかねる事を得ないものとされていますが 事実上一般の労働者と同様に 賃金を得て労働に従事している場合は 労働者として扱う 

原則として被保険者にはなりません
取締役で部長 工場長などの職にあって従業員としての身分があり 給与支払いの面から見ても 労働者的性格が強く雇用関係が明確に存在している場合被保険者にはなります

兼務役員の証明書を提出

法人の代表者と同居の親族については 通常の被保険者の場合の判断と異なるものではありませんが 
事業の規模が零細である場合は 形式的には法人であっても 実質的には代表者の個人事業と認められる場合もあると考えられ このばあいは通常は事業主と利益を一にしていると思われるので個人事業主と同居の場合と同様に原則として被保険者としません

個人経営 同居の親族 同居している親族は原則として被保険者にはなりません 
しかし事業主の指揮命令に従っていることが明確 
就業の実態が他の労働者と同様
賃金を得て労働に従事
している
業主と同居している親族は原則として被保険者にはなりません
パート 短時間労働者 すべて労働者として対象になる 次のいづれかに該当する者で市の労働時間その他の労働条件が就業規則(就業規則の届出事務が課せられていない事業にあってはそれに準ずる規則など)において明確に定められていると認められる場合は 被保険者になります
(1)1週間の労働時間が20時間以上
(2) 反復継続して就労する者(1年以上継続して雇用されることが見込まれる者)
アルバイト すべて労働者として対象になる  アルバイト(反復継続して就労せず、その者の受ける賃金が家計の補助的なもの)などは 被保険者になれません
高年齢労働者 すべて労働者として対象になる 65歳に達した日以降に新たに雇用される者は原則として被保険者になりません(任意加入により高年令継続被保険者となった者短期雇用特例被保険者及び日雇い労働被保険者を除きます)
派遣労働者 すべて労働者として対象になる 登録派遣労働者については同一の派遣元において次のいずれにも該当する者については被保険者となります
(1)1週間の労働時間が20時間以上
(2)反復継続して派遣就業する者[1年以上継続して同一派遣元に雇用されることが見込まれる者など]

雇用保険被保険者

被保険者となる者
抜粋   
雇用保険法 http://www.houko.com/00/BUNR/401.HTM#s060

http://www.lawdata.org/law/htmldata/M32/M32HO048.html  
を参照してください

法人の役職員 労働者的性格が強く雇用関係が明確に存在している場合

25労働保険における親族労働者の取り扱いについて
同居している親族は原則として被保険者にはなりません しかし事業主の指揮命令に従っていることが明確 
就業の実態が他の労働者と同様 賃金を得て労働に従事している
事業主と利益を一にする地位にはないこと

季節労働者 最初から4ヶ月を越えて雇用されるもの

2以上の適用事業所に雇用される者 主たる賃金を受ける事業所において被保険者となる

昼間学生でも卒業前に就職し卒業後も同一事業所に勤務 一般労働者と同様に勤務する場合

雇用保険において 雇用保険の適用事業に雇用される労働者は 
雇用保険法第6条各号に定める者を除き 被保険者になります

雇用保険の被保険者にならない者  抜粋 

法人の代表者 船員 臨時内職的に働く者

65歳以上の者 
アルバイト(反復継続して就労せず、その者の受ける賃金が家計の補助的なもの)などは 
被保険者になれません 雇用保険のしおりより 詳細は
パート

雇用保険法第6条(適用除外)kyhkh.htm#h6
(強制適用被保険者から除外される者
次の各号に掲げる者については、この法律は、適用しない

一 65歳に達した日以後に雇用される者
(同一の事業主の適用事業に同日の前日から引き続いて65歳に達した日以後の日において雇用されている者 及びこの法律を適用することとした場合において
雇用保険法第38条第1項 に規定する短期雇用特例被保険者又は雇用保険法第43条第1項に規定する日雇労働被保険者に該当することとなる者を除く。)

一の二 短時間労働者であつて、第38条第1項各号に掲げる者に該当するもの季節的雇用 短期の雇用(1年未満) この法律を適用することとした場合において雇用保険法第43条第1項に規定する日雇労働被保険者に該当することとなる者を除く。)

※短時間労働者であって、短期雇用特例被保険者になる者に該当する者

一の三 第42条に規定する日雇労働者であつて、第43条第1項各号のいずれにも該当しないもの(労働省令で定めるところにより公共職業安定所長の認可を受けた者を除く。) 

日雇い労働被保険者に該当しない日雇い労働者

二 四箇月以内の期間を予定して行われる季節的事業に雇用される者 
三 船員保険法(昭和14年法律第73号)第17条の規定による船員保険の被保険者 

四 (公務員等 )
国、都道府県、市町村その他これらに準ずるものの事業に雇用される者のうち、離職した場合に、他の法令、条例、規則等に基づいて支給を受けるべき諸給与の内容が、求職者給付及び就職促進給付の内容を超えると認められる者であつて、厚生労働省令で定めるもの

kyhkh.htm#h38
http://www.houko.com/00/01/S49/116.HTM#s3.3
kyhkh.htm#h43kyhkh.htm#h43

http://www.bekkoame.ne.jp/~tk-o/kyhkh.htm#h6

雇用保険法 http://www.houko.com/00/BUNR/401.HTM#s060

参考
健康保険
被保険者とならないパート 適用が除外される者
http://www.bekkoame.ne.jp/~tk-o/knkhou.htm#h3-2 knkhou.htm#h3-2
http://www.bekkoame.ne.jp/~tk-o/knkhou.htm#h3-2

健康保険法第3条-1
1 この法律において「被保険者」とは、適用事業所に使用される者及び任意継続被保険者をいう
ただし、次の各号のいずれかに該当する者は
日雇特例被保険者となる場合を除き、被保険者となることができない。

1.船員保険の被保険者(船員保険法(昭和14年法律第73号)第19条ノ3の規定による被保険者を除く。)
2.臨時に使用される者であって、次に掲げるもの(イに掲げる者にあっては1月を超え、ロに掲げる者にあってはロに掲げる所定の期間を超え、引き続き使用されるに至った場合を除く。)

イ 日々雇い入れられる者
ロ 2月以内の期間を定めて使用される者

3.事業所又は事務所(第88条第1項及び第89条第1項を除き、以下単に「事業所」という。)で所在地が一定しないものに使用される者
4.季節的業務に使用される者(継続して4月を超えて使用されるべき場合を除く。)
5.臨時的事業の事業所に使用される者(継続して6月を超えて使用されるべき場合を除く。)
6.国民健康保険組合の事業所に使用される者
7.保険者又は共済組合の承認を受けた者(健康保険の被保険者でないことにより国民健康保険の被保険者であるべき期間に限る。)

整理すると

@強制適用事業所に使用される者とみなされない者
A船員保険の被保険者

B2ヶ月以内の期間を定めて使用される者
C日々雇い入れられる者
D季節的業務に使用される者
E臨時的事業の事業所に使用される者

F事業所の所在地が一定しない事業の使用される者
G国民健康保険組合の事業所に使用される者

ただし B〜Eに該当する者は健康保険は日雇い特例被保険者

兼務役員

使用人兼務役員とは 

役員のうち、部長、課長、その他法人の使用者としての職制上の地位を有し、且つ常時使用人としての職務に従事している者をいいます

使用人兼務役員の範囲から除外される者

常務 専務 業務執行社員 監査役 監事など

役員は株主総会で選任され 委任関係 商法254条第1項の3
第254条  
取締役は株主総会に於て之を選任す
○2 会社は定款を以てするも取締役が株主たることを要すべき旨を定むることを得ず
○3 会社と取締役との間の関係は委任に関する規定に従ふ

使用人兼務役員になって雇用関係が生じます

監査役は従業員との兼職は商法第276条により禁止されています
第276条  
監査役は会社若は子会社の取締役若は支配人其の他の使用人又は子会社の執行役を兼ぬることを得ず

ただし労働保険では 
商法の監査役となっていても実態(労働者牲)を判断して労災が適用され 雇用保険被保険者になれることもあります

取締役及び社員・監査役 共同組合などの社団又は財団の役員の取り扱いについて

取締役及び社員・監査役共同組合などの社団又は財団の役員の取り扱いについて

一 労働者的性格の判断

  1 役員報酬と賃金を比較して賃金の占める比率が大きいかどうか   賃金>役員報酬
  兼務取締役として被保険者資格が継続されるためには、賃金が役員報酬を上回っていることが条件となります
  2 就業規則などが一般労働者と同様に適用され就業実態から見て労働者的性格が強いもの

二 被保険者になるかどうかの判定方法

1 使用人兼務役員になれるものかどうか
2 定款の規定又は株主総会の決議で使用人分給与を役員報酬の支給限度額の中に含まない旨の定めをしているかどうか 定めていない場合は全額役員報酬になります

3 役員報酬と使用人給与の額がはっきり分けられているかどうか
使用人分給与のほうが多い場合は、被保険者となります

分けられていない場合は、使用人分の適正な給与の額を算定し、その額の方が多いかどうか

http://www.bekkoame.ne.jp/~tk-o/kyhkn.htm#1

請求手続き 業務災害の療養の給付の請求

業務災害の療養の給付の請求
業務災害gyosai.htm
療養補償給付たる療養の給付請求書を会社(事業主)の証明を受けて病院経由で労働基準監督署長へ提出

建設業では 一括して労災加入している元請け事業主が使用者とみなされます

http://www.campus.ne.jp/~labor/hoken/syougai-toukyuu.html rousaitoukyuu

通勤災害tusai.htm

はじめに


p9
労災保険給付

労災給付の種類
http://www.bekkoame.ne.jp/~tk-o/rousaikyu.html

http://www.houko.com/00/01/S22/049.HTM#top

雇用保険被保険者の区分
koyou\koyhhou.htm

労働者http://www.jil.go.jp/institute/zassi/backnumber/2007/09/pdf/048-062.pdf

労働審判法
(平成十六年五月十二日法律第四十五号)

 

 

 

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ADR制度 
パートタイム労働者 2006年 1200万人  23% 4人に1人がパート
パートタイム労働法 2007年5月
パートタイム労働者と法律roudou/pa-tolaw.htm roudou/pa-tolaw.htm
外国人

ADR制度 

ADR 民間の機関等による紛争解決の手段

安いコストで早期解決 原則非公開

民法99条mnpou.htm#h99

労働審判制度は全国の地方裁判所に置かれる、
職業裁判官である労働審判官1人と、
労働関係に関する専門的経験を持つ労働審判員2人により、
紛争当事者一方の申し出で審判手続きが行われる。

当事者双方の合意による調停が成立しない場合は、審判を下す。
審判に異議が申し立てられなければ、審判は裁判上の和解と同一の効果を持つ。
異議がでた場合は、裁判所に訴えの提訴がなされたとみなされ、正式の裁判に移行する。
審理は3回以内で終わらせることとしているので、3ヶ月程度で決着すると思われる。
これにより、労働紛争に求められるスピードと実効性の担保も期待される。

裁定制度 労働参審制の代案

労働紛争に裁定制度 参審制度検討会 

労働参審制の案の代わりに民事調停と裁判の中間的な参審制度を新設

労使の代表が裁判官と共に労働紛争の解決を図る制度の実現を目指す

新設が提案されている裁定制度は 

審理回数を制限するなど裁判に比べて手続きを簡略化してスピードアップを狙う

民事調停よりも実行性の有る紛争解決を目指し 

裁定結果には 一定のの法的拘束力を持たせる案が有力で

裁定の結論に不服が有れば 当事者は裁判に移行することも出来る

労働検討会ではすでに労働紛争を扱う民事調停で労使の代表が調停委員に加わる労働調停の導入を合意している

裁定制度の新設とあわせ 
解雇や給与未払い等の労働紛争の法的解決を企業の人事制度や労働形態についての現場の声を反映させる仕組みへ改めるように提案することになる 来春の通常国会に提出する予定

裁定制度見直し議論

労働裁判制度見直し議論

労働問題をめぐる訴訟の急増  地裁扱い2002年労働関係訴訟は2309件

1992年の2.6倍 労働組合と企業の争いから 最近は企業のリストラや倒産の増加 成果主義の導入などの結果 解雇や賃金未払いといった企業と個人の個別労使紛争の割合が増加している

労働者側  裁判制度への不信 判決のぶれが裁判所不信 民事調停を活用

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静岡県富士市 社会保険労務士 川口徹

E-mail:tk-o@bekkoame.ne.jp

 

1 雇 用  1-2雇用と高齢者 2 労働基準法 雇用に関する法律 雇用契約 労働基準法 2(改正労基法 事業場外 裁量労働)

2-2 60歳定年制  3 雇用均等法  4 就業規則  5 労働保険 役員 労働者の取り扱い 6 女性と労働法 労働時間 8時間外労働 休日 年休  賃金  採用から退職まで(給与計算)10 解雇 労働法に関するトラブル  11育児・介護休業法  

12 派遣労働  13パ ー ト雇用を考える10-11雇用と税金 助成金  

労働審判法
(平成十六年五月十二日法律第四十五号)

(目的) 第一条  この法律は、労働契約の存否その他の労働関係に関する事項について個々の労働者と事業主との間に生じた民事に関する紛争(以下「個別労働関係民事紛争」という。)に関し、裁判所において、裁判官及び労働関係に関する専門的な知識経験を有する者で組織する委員会が、当事者の申立てにより、事件を審理し、調停の成立による解決の見込みがある場合にはこれを試み、その解決に至らない場合には、労働審判(個別労働関係民事紛争について当事者間の権利関係を踏まえつつ事案の実情に即した解決をするために必要な審判をいう。以下同じ。)を行う手続(以下「労働審判手続」という。)を設けることにより、紛争の実情に即した迅速、適正かつ実効的な解決を図ることを目的とする。

(管轄) 第二条  労働審判手続に係る事件(以下「労働審判事件」という。)は、相手方の住所、居所、営業所若しくは事務所の所在地を管轄する地方裁判所、個別労働関係民事紛争が生じた労働者と事業主との間の労働関係に基づいて当該労働者が現に就業し若しくは最後に就業した当該事業主の事業所の所在地を管轄する地方裁判所又は当事者が合意で定める地方裁判所の管轄とする。

(移送) 第三条  裁判所は、労働審判事件の全部又は一部がその管轄に属しないと認めるときは、申立てにより又は職権で、これを管轄裁判所に移送する。  裁判所は、労働審判事件がその管轄に属する場合においても、事件を処理するために適当と認めるときは、申立てにより又は職権で、当該労働審判事件の全部又は一部を他の管轄裁判所に移送することができる。

(代理人) 第四条  労働審判手続については、法令により裁判上の行為をすることができる代理人のほか、弁護士でなければ代理人となることができない。ただし、裁判所は、当事者の権利利益の保護及び労働審判手続の円滑な進行のために必要かつ相当と認めるときは、弁護士でない者を代理人とすることを許可することができる。  裁判所は、前項ただし書の規定による許可を取り消すことができる。

(労働審判手続の申立て) 第五条  当事者は、個別労働関係民事紛争の解決を図るため、裁判所に対し、労働審判手続の申立てをすることができる。  前項の申立ては、その趣旨及び理由を記載した書面でしなければならない。

(不適法な申立ての却下) 第六条  裁判所は、労働審判手続の申立てが不適法であると認めるときは、決定で、その申立てを却下しなければならない。

(労働審判委員会) 第七条  裁判所は、労働審判官一人及び労働審判員二人で組織する労働審判委員会で労働審判手続を行う。

(労働審判官の指定) 第八条  労働審判官は、地方裁判所が当該地方裁判所の裁判官の中から指定する。

(労働審判員) 第九条  労働審判員は、この法律の定めるところにより、労働審判委員会が行う労働審判手続に関与し、中立かつ公正な立場において、労働審判事件を処理するために必要な職務を行う。  労働審判員は、労働関係に関する専門的な知識経験を有する者のうちから任命する。  労働審判員は、非常勤とし、前項に規定するもののほか、その任免に関し必要な事項は、最高裁判所規則で定める。  労働審判員には、別に法律で定めるところにより手当を支給し、並びに最高裁判所規則で定める額の旅費、日当及び宿泊料を支給する。

(労働審判員の指定) 第十条  労働審判委員会を組織する労働審判員は、労働審判事件ごとに、裁判所が指定する。  裁判所は、前項の規定により労働審判員を指定するに当たっては、労働審判員の有する知識経験その他の事情を総合的に勘案し、労働審判委員会における労働審判員の構成について適正を確保するように配慮しなければならない。

(労働審判員の除斥) 第十一条  民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第二十三条、第二十五条及び第二十六条の規定は、労働審判員の除斥について準用する。

(決議等) 第十二条  労働審判委員会の決議は、過半数の意見による。  労働審判委員会の評議は、秘密とする。

(労働審判手続の指揮) 第十三条  労働審判手続は、労働審判官が指揮する。

(労働審判手続の期日) 第十四条  労働審判官は、労働審判手続の期日を定めて、事件の関係人を呼び出さなければならない。

(迅速な手続) 第十五条  労働審判委員会は、速やかに、当事者の陳述を聴いて争点及び証拠の整理をしなければならない。  労働審判手続においては、特別の事情がある場合を除き、三回以内の期日において、審理を終結しなければならない。

(手続の非公開) 第十六条  労働審判手続は、公開しない。ただし、労働審判委員会は、相当と認める者の傍聴を許すことができる。

(証拠調べ等) 第十七条  労働審判委員会は、職権で事実の調査をし、かつ、申立てにより又は職権で、必要と認める証拠調べをすることができる。  証拠調べについては、民事訴訟の例による。

(調停が成立した場合の費用の負担) 第十八条  各当事者は、調停が成立した場合において、その支出した費用のうち調停条項中に費用の負担についての定めがないものを自ら負担するものとする。

(審理の終結) 第十九条  労働審判委員会は、審理を終結するときは、労働審判手続の期日においてその旨を宣言しなければならない。

(労働審判) 第二十条  労働審判委員会は、審理の結果認められる当事者間の権利関係及び労働審判手続の経過を踏まえて、労働審判を行う。  労働審判においては、当事者間の権利関係を確認し、金銭の支払、物の引渡しその他の財産上の給付を命じ、その他個別労働関係民事紛争の解決をするために相当と認める事項を定めることができる。  労働審判は、主文及び理由の要旨を記載した審判書を作成して行わなければならない。  前項の審判書は、当事者に送達しなければならない。この場合においては、労働審判の効力は、当事者に送達された時に生ずる。  前項の規定による審判書の送達については、民事訴訟法第一編第五章第四節(第百四条及び第百十条から第百十三条までを除く。)の規定を準用する。  労働審判委員会は、相当と認めるときは、第三項の規定にかかわらず、審判書の作成に代えて、すべての当事者が出頭する労働審判手続の期日において労働審判の主文及び理由の要旨を口頭で告知する方法により、労働審判を行うことができる。この場合においては、労働審判の効力は、告知された時に生ずる。  裁判所は、前項前段の規定により労働審判が行われたときは、裁判所書記官に、その主文及び理由の要旨を、調書に記載させなければならない。

(異議の申立て等) 第二十一条  当事者は、労働審判に対し、前条第四項の規定による審判書の送達又は同条第六項の規定による労働審判の告知を受けた日から二週間の不変期間内に、裁判所に異議の申立てをすることができる。  裁判所は、異議の申立てが不適法であると認めるときは、決定で、これを却下しなければならない。  適法な異議の申立てがあったときは、労働審判は、その効力を失う。  適法な異議の申立てがないときは、労働審判は、裁判上の和解と同一の効力を有する。  前項の場合において、各当事者は、その支出した費用のうち労働審判に費用の負担についての定めがないものを自ら負担するものとする。

(訴え提起の擬制) 第二十二条  労働審判に対し適法な異議の申立てがあったときは、労働審判手続の申立てに係る請求については、当該労働審判手続の申立ての時に、当該労働審判が行われた際に労働審判事件が係属していた地方裁判所に訴えの提起があったものとみなす。  前項の規定により訴えの提起があったものとみなされる事件は、同項の地方裁判所の管轄に属する。  第一項の規定により訴えの提起があったものとみなされたときは、民事訴訟法第百三十七条、第百三十八条及び第百五十八条の規定の適用については、第五条第二項の書面を訴状とみなす。

(労働審判の取消し) 第二十三条  第二十条第四項の規定により審判書を送達すべき場合において、次に掲げる事由があるときは、裁判所は、決定で、労働審判を取り消さなければならない。  当事者の住所、居所その他送達をすべき場所が知れないこと。  第二十条第五項において準用する民事訴訟法第百七条第一項の規定により送達をすることができないこと。  外国においてすべき送達について、第二十条第五項において準用する民事訴訟法第百八条の規定によることができず、又はこれによっても送達をすることができないと認められること。  第二十条第五項において準用する民事訴訟法第百八条の規定により外国の管轄官庁に嘱託を発した後六月を経過してもその送達を証する書面の送付がないこと。  前条の規定は、前項の規定により労働審判が取り消された場合について準用する。

(労働審判によらない労働審判事件の終了) 第二十四条  労働審判委員会は、事案の性質に照らし、労働審判手続を行うことが紛争の迅速かつ適正な解決のために適当でないと認めるときは、労働審判事件を終了させることができる。  第二十二条の規定は、前項の規定により労働審判事件が終了した場合について準用する。この場合において、同条第一項中「当該労働審判が行われた際に労働審判事件が係属していた」とあるのは、「労働審判事件が終了した際に当該労働審判事件が係属していた」と読み替えるものとする。

(費用の負担) 第二十五条  裁判所は、労働審判事件が終了した場合(第十八条及び第二十一条第五項に規定する場合を除く。)において、必要と認めるときは、申立てにより又は職権で、当該労働審判事件に関する手続の費用の負担を命ずる決定をすることができる。

(事件の記録の閲覧等) 第二十六条  当事者及び利害関係を疎明した第三者は、裁判所書記官に対し、労働審判事件の記録の閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又は労働審判事件に関する事項の証明書の交付を請求することができる。  民事訴訟法第九十一条第四項及び第五項並びに第九十二条の規定は、前項の記録について準用する。

(訴訟手続の中止) 第二十七条  労働審判手続の申立てがあった事件について訴訟が係属するときは、受訴裁判所は、労働審判事件が終了するまで訴訟手続を中止することができる。

(即時抗告) 第二十八条  第三条第一項及び第二項、第六条、第二十一条第二項、第二十三条第一項並びに第二十五条の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。

(非訟事件手続法及び民事調停法の準用) 第二十九条  労働審判事件に関しては、非訟事件手続法(明治三十一年法律第十四号)第一編(第三条、第六条、第七条、第十条中民事訴訟に関する法令の規定中人証及び鑑定に関する規定を準用する部分、第十一条、第十三条、第十五条、第二十一条並びに第三十二条を除く。)並びに民事調停法(昭和二十六年法律第二百二十二号)第十一条、第十二条、第十六条及び第三十六条の規定を準用する。この場合において、非訟事件手続法第二十六条中「裁判前ノ手続及ビ裁判ノ告知ノ費用」とあるのは「労働審判事件ニ関スル手続ノ費用」と、民事調停法第十一条中「調停の」とあるのは「労働審判手続の」と、「調停委員会」とあるのは「労働審判委員会」と、「調停手続」とあるのは「労働審判手続」と、同法第十二条第一項中「調停委員会」とあるのは「労働審判委員会」と、「調停の」とあるのは「調停又は労働審判の」と、「調停前の措置」とあるのは「調停又は労働審判前の措置」と、同法第三十六条第一項中「前二条」とあるのは「労働審判法(平成十六年法律第四十五号)第三十一条及び第三十二条」と読み替えるものとする。

(最高裁判所規則) 第三十条  この法律に定めるもののほか、労働審判手続に関し必要な事項は、最高裁判所規則で定める。

(不出頭に対する制裁) 第三十一条  労働審判官の呼出しを受けた事件の関係人が正当な理由がなく出頭しないときは、裁判所は、五万円以下の過料に処する。

(措置違反に対する制裁) 第三十二条  当事者が正当な理由がなく第二十九条において準用する民事調停法第十二条の規定による措置に従わないときは、裁判所は、十万円以下の過料に処する。

(評議の秘密を漏らす罪) 第三十三条  労働審判員又は労働審判員であった者が正当な理由がなく評議の経過又は労働審判官若しくは労働審判員の意見若しくはその多少の数を漏らしたときは、三十万円以下の罰金に処する。

(人の秘密を漏らす罪) 第三十四条  労働審判員又は労働審判員であった者が正当な理由がなくその職務上取り扱ったことについて知り得た人の秘密を漏らしたときは、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
   附 則 抄

(施行期日) 第一条  この法律は、公布の日から起算して二年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、第九条の規定は、公布の日から起算して一年六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
 静岡県富士市 社会保険労務士 川口徹

 E-mail:tk-o@bekkoame.ne.jp

労働審判法
(平成十六年五月十二日法律第四十五号)

労働審判
http://www.jil.go.jp/kokunai/mm/ym/20040528.html

C:\WINDOWS\Profiles\tk-o\デスクトップ\WWW\rodsinbn.htm

労働三審制の案に代わり民事調停と裁判の中間的な裁定制度を新設予定

http://www.nichibenren.or.jp/jp/katsudo/shihokai/kihonteigen.html

参審制度検討会 労働裁判制度見直し議論

http://www.jtuc-rengo.or.jp/new/download/2001-2003b/2-5.htm 連合

http://www.srkoyanagi.com/news/kakonews/news_1411.htm

ソーシャルキャピタルの形成 地域間の問題解決能力

地域間格差

労働法制上の保護を受ける労働者rodsha2.htm

労働者・労働者性とはrodsha.htm 労働者 rodsha.htm#1
労働保険における労働者 労働者のための労働保険(労働者災害補償保険 雇用保険)
兼務役員 労働保険における役員労働者の取り扱いについて
25労働保険における親族労働者の取り扱いについて
http://www.bekkoame.ne.jp/~tk-o/gaikoku\gaikoku.htm
http://www13.plala.or.jp/S-Kawamura/roudo/teigi.html

http://www.bekkoame.ne.jp/~tk-o/kyhkn.htm#1

gaikoku\gaikoku.htm gaikokujin\gairodo.htm HelloWork/roudouho.htm
http://www.bekkoame.ne.jp/~tk-o/rodsha.htm