丹頂 -冬 17-
鶴居村、阿寒町、February, 1999
子別れ。それは、ある日突然にやって来ます。親には、もうじき繁殖の時期が来るので、その前に子供を突き放ことになります。その伏線は前々からあるですが、子供にとっては、突然の仕打ちです。あんなに、自分を保護していてくれた親鳥が、自分を邪魔にし、追い出しにかかる。子供にとっては、晴天の霹靂、カルチャーショックだと思います。親鳥は、子供たちそっちのけで、求愛ダンスをしたり、鳴き合いを始めたりします。子供はこれに加われず、湿原ではあんなにエサをくれていた親が、今度は、子供の食べようとしているものを狙ったりすることもあるようです。これらは、子別れの予兆です。子供にとっては、何が何だかわからないうちに、段々相手にされなくなり、そして追いやられてしまいます。
幼鳥にとって、辛い試練の季節。
丹頂 秋 1
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