丹頂 -冬 1-
阿寒町、鶴居村、標茶町、 February, 1999
冬は、丹頂が給餌場に集まってくる季節です。春、夏、秋、と湿原に居る間には、約2km四方の広さを縄張りにしているのに、冬の間は、餌場、塒、共に都会に住む人間と変わりないほどの混雑ぶりです。餌場、塒共に多い時には、それぞれ200羽を越えて、一緒に居る時があります。これだけ密集するのですから、ちょっとしたいざこざはしょっちゅう見られます。力関係に差のある場合は、どちらかが引いてしまうので喧嘩にはなりませんが、双方の力が拮抗していると、空中高く足を蹴上げて、息を吐き出し、争います。時に、この喧嘩で大きな怪我を負うことがあるそうです。エサや幼鳥(ヒナ)をめぐり、そしてもちろん、メスをめぐり、争います。 足を空中高く蹴上げる動作は、求愛の舞いの時にも見られることがありますが、近くで見られるときには、明らかに違いがわかります。それは、喧嘩の時には、相手を威嚇し合うために、激しく息を吐き出すからです。しかし、遠く離れているとこの音は聞こえず、私などには、舞いの一連の行動の中の一つなのかどうか、よくはわかりません。 この季節には、運が良いと、給餌場近くの畑などで、美しい番いだけの求愛ダンスが見られることがあります。その優美さに、写真を撮るのを忘れたことがあります。逆に、給餌場では、丹頂がごちゃごちゃ居過ぎて、写真を撮るのは結構大変です。
丹頂 秋 1
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