丹頂 -冬 12-

鶴居村、February, 1999

 年に何回か、エゾシカが丹頂の餌場にひょこり現れることがあります。鹿は朝晩にしか、まず人目に触れる所には来ません。この日も、夕方陽が落ちる寸前にやって来ました。 遅くまでねばっていると、思わぬ拾い物のめずらしい光景に出くわすことがあります。

 この日は、給餌場から塒に帰る丹頂が飛んでいくのを狙おうと、多くのカメラマンたちは、その撮影ポイントに行ってしまった後でした。確かに、それを狙うのに良い天気でした。私ともう一人のカメラマンだけがここに居残っていました。恐らく、夕方日暮れ前までに、ろくな写真が撮れずにいたので、ぐずぐずしていたのでしょう。あたりが暗くなって、もう写真が写らないな、と思い撤収を考えつつ、やっぱり塒に帰る丹頂を撮りに行ったほうが良かったな、などと考えていたと思います。突然、遠くのほうから、四足の動物の群れが出てくるのが見えました。もう薄暗くなりかけていたので、最初は、道産子が入り込んできたのかな、と思いました。それにしては、それほど大きな体つきでもないのがわかり、これは鹿だ、と気付いたのです。5〜6頭ばかりのオスのエゾシカの群れでした。

 残念なことに、それぞれがばらけてしまい、一番角がりっぱな鹿のいる組を狙いました。 もう少し明るかったらな、と思いました。ぜいたくなものです。地元の方にお聞きすると、やはり、年に何回か給餌場に現れることがる、とのことですが、丹頂が居る時に来ることは、そう度々はないとのことです。それというのも、鹿が現れるような日暮れの時間には、丹頂の方が塒に帰ってしまうからです。そのタイミングは、鹿と丹頂にしかわかりません。我々の方は、その偶然性に一喜一憂するするわけです。もちろん、日没の時間や、一日の気温の予想などを前の日に仕込んでおきますが。そして、過去のデータです。どこで、そのような光景が見られたか。地元の方にお聞きすると、ちゃんと教えてくれます。その土地についての情報は、なんと言っても地元の方には適いません。

 

丹頂 春 1 2 3 4 5 6

丹頂 夏 1 2 3 4 5 6

丹頂 秋 1
丹頂 初秋 1 2 3 4 5 6 7 8 9
丹頂 晩秋 1 2
丹頂 冬 1 2 3 4 5 6 7 8 8B 9 10 10B 11 12 13 14 15 16 17 18 19 19B 20 21 22 23 24 25
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Kimimasa Mayama
Photographer
mayama@tokyo.email.ne.jp

uploaded December 3, 1999