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たとえば、タイタニックの最後のシーンは実にめまぐるしくロングと
アップが交代して、主人公は200mの斜面をひたすら登りつめていくように
感じるけれど、小分けに安全に撮影されているんでしょうね。
また、そのつもりで見るとばれてしまうけれど、CGIで落下距離を伸ば
している部分も、映画的誇張として許容できる。
確かに過去最大の制作費ではあるけれど、細部の本物らしさに
こだわりながら、頑張ってやりくりしていて、それは単純に「お金を掛けたから凄い」
というのとは違うと思うと言うことで、キャメロンを擁護したいですね。
ついでに、低予算でいい映画を作るのも監督の腕なら、「予算を獲得するパワー」も
また、監督の力量ですよね。
タイタニックを見て「お金のかかった映画だ」
と思ったらそれは失敗なのかも知れないけれど、予算は
「タイタニックは"The Ship of dream"だった」ということを映像化するために
注ぎ込まれているという気がする。これは納得しないわけに行かない。
文:唐澤 清彦 | 映画館がやってきた! |