映画館がやってきた! |
今まで見えなかった物が見えてくる?
この説明の中で、パラメータの値は、画面表示の棒グラフを0〜100%で読みとり、 標準状態を50として、表現します。
実際的には、アニメや、TV番組では明るさ=50%でも問題ありませんが、映画では
暗いシーンで潰れがちなので、50%〜75%程度の範囲で持ち上げる必要があると
思います。
上げすぎると、
のいずれかの状態になるので、そうならないポイントを探します。 テストディスクがない場合は、全黒の基準はシネスコ映画の黒枠 で良いでしょう。
ハイライトの白潰れは以下に説明するピクチャーを下げることで 救うことができるので、ここではとにかく、暗部に注目します。
具体的には前の段階で「明るさ」を上げたことで、全体的に明るくなっている
はずなので、白が飛んでいるようならピクチャーを下げ、まだ白に余裕がある
ようならピクチャーを上げます。
私の所では45%〜60%くらいのあいだに落ち着くことが多いです。
ビクチャーと明るさは互いに影響し合うので、これを交互に気の済むまで調整 します。
これを、逆の順序(ピクチャー調整→明るさ調整)でやると、なぜか うまく調整することが出来ません。結局この順でやると、ビクチャーを上げすぎに なりやすいことが、一つの原因のようです。
他の項目との関係では、ピクチャーを上げた状態では、色の濃さは上げること が出来ません。
つまり、明暗のコントラスト(ピクチャー)と、色のコントラスト(濃さ)は 連動していて、片方を上げれば、片方は下げなければならない関係にあります。
具体的な調節の手順としては、色の濃さを上げたければ、単色のグラデーショ
ンや、原色の中の細かい図形に注目し、これが潰れない程度に濃度を上げ、
どうしても潰れるようなら、ピクチャーを下げる。という二つの項目のバランス
を取ります。
場合によっては明るさの調節も必要でしょう。
これで、 明るさ、 ピクチャー、 色の濃さの三つの項目の相互依存の関係が 理解できたことと思います。
●映画
●映画(米国版LD)基本的には、暗い画面をしっかり見るために、明るさをぐっと上げて、 白が飛ばないように、ピクチャーを少しだけ調整します。 色の濃さは、ほとんどいじる必要はないのではないかと思いますが、 これはピクチャーの値との兼ね合いになります。
明るさ 75% ピクチャー 50%〜55% 色の濃さ 45%〜55%
●TV,アニメ米国のNTSC規格が日本と比べて黒が明るい というのは、輸入盤を買っている人にはよく知られていることだと思いますが、先日購入した 『US版ゴジラ』では、上記のような値になりました。
明るさ 50% ピクチャー 80% 色の濃さ 50%〜55%
日本版に比べればもともと黒が浮いたセッティングになっているので、通常とは 全く反対に、明るさを押さえて、ピクチャーでコントラストを付けます。まったく、 あきれるほどの設定の違いですね。
しかし、まず明るさで黒のレベルを決めてからピクチャーで白飛びをコントロール するという順番自体は変わりません。
TV番組やアニメは平均的に画面が明るいことが多いので、あまり明るさを上げ なくても良い場合が多いように思います。
明るさ 65% ピクチャー 65%〜50% 色の濃さ 50%〜60%
色の濃さが欲しいときには、これを上げた分だけピクチャーを下げれば、 色の飽和が避けられます。
・コツは "やわらか画面"
どちらにも共通して言えることは、最暗部をどれだけ見せるかと、最明部を いかに飛ばさないかということ。
そして、明暗両方見せると言うことは結局
「コントラストを欲張らない」ということです。ピクチャーを下げると、一見甘い画調になりますが、それは比較対象がある場合 の問題で、真っ暗な環境では、人間の視覚の柔軟性がカバーしてくれます。
そこで、黒、白が潰れないように調整した画は、一見ぼ〜としていますが、 映画一本通して見るためにはこの方がストレスがありません。
結局、コントラストを欲張らないことが、液晶プロジェクタ調整のコツといえ るでしょう。
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文:唐澤 清彦 映画館がやってきた!