「みんなちがって、みんないい 」(あいだみつを)
…『ガンダムSEED Destiny』最終回のテーマ
ついでに、
レイはテロメアが短いけれど、演説は長い。…クローンだから。
レイはクルーゼと同じクローンだったわけですが、まさか「長演説」の遺伝子まで
コピーされていたとは…いや、予感はありましたね。
え〜と、
「ぼく(レイ)は、遺伝子は同じでもクルーゼとは別人なんだ(ばきゅん)」
なわけですが、議長の計画も杜撰であります。
議長の「デステニー・プラン」は、要するに「遺伝子によって人間を最適配置しよう」
ということで、社会の効率化にはなるけれど、これが「戦争回避」の決め手になど
成らないのは当然のことです。
だって、結局
「劣った遺伝子=ナチュラルは日の目を見ない」
「優れた遺伝子=コーディネーターが世界を征服」
ってことだからね。ナチュラルの憎しみをかき立てるだけ。
そもそもそれまでにやってきた戦争となんの脈絡もない。「ハア?」っ話です。
「郵政民営化」で選挙に勝ったら「憲法九条」を書き換えているようなもの。
一方レイ&クルーゼの論理は単純。要するに競争心の否定ですね。
「究極のコーディネイター」に対する「不完全なクローン」の僻み、でもある。
遺伝子操作は「ある種の病気の撲滅」には役に立つはずなのだけれど、身体能力拡大、
知能強化まで進むと結局は「富める者がより豊かになる」という発散が起きる。
すると、デステニーは「劣った人種は奴隷としてこき使えばいいんだよ」という
議長(南部)と、「ナチュラルにだって人間の権利があるんだ」というキラ(北部)
との「南北戦争」
でもあったわけですね。
「レイ」なんかはコーディネイターのご主人に洗脳されて北部との戦争に
駆り出されていたクローン奴隷が、はたと自分の人権に気が付いて、ご主人を
撃ち殺してしまったみたいなものです。
でも、「デステニー・プラン」が施行されたら、理屈からすれば
究極たるキラが支配者になって、「デステニー・プラン廃止」になりそうな気もする
ですね。
それにしても今度も、「種を持つ者」って何、とか「羽根クジラ」
の謎とか、一つも解決していないんですが。
ていうや、やっぱ「ダブル・デステニー」ですか?
「シン」て、デステニーの主役のような顔で登場したのに、結果的に「議長のコマ」
として無駄な殺生しかしなかったのも情けないですね。
史上最悪に無意味な主人公だったなぁ。