映画館がやってきた!

構築日記・不定期便
- What's NEWを兼ねた日記のような読み物 -
2005年10月
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2005.10.31
  • 「鋼鉄都市」I.アシモフ 読了
    THE CAVES OF STEEL (c)1953 by Isaac Asimov
     アシモフのロボットテーマの長編で、映画『i,robot』公開時、掲示板に 小説「i,robot(われはロボット)」の他に「鋼鉄都市」も原作だというメッセージがあったので 読んでみたというわけ。
     しか〜し、「鋼鉄都市」はテーマが刑事ものであることと、都市の景観の描写が 取り入れられていること以外「原作の一つ」と言うほど関連性は無かった。
     う・そ・つ・き
     …とはいうものの、作品自体は面白かった。
    以下ネタバレ含む
     なにしろ分厚い本で簡単に粗筋を書けるような物でもないのだが、テーマとしては
    • 「ロボットと人間の共存」
    • 「膨れ上がる人口による環境負荷と資源の枯渇」
    • 「高度なシステムと高効率に潜在する脆弱性」
    など、人間とロボットが共存する未来で起きる 様々な問題をシミュレーション…思考実験している内容となっている。
     書かれたのは1953年で、コンピュータとか遺伝子工学、バイオ全般、宇宙開発 など、何もかも未発達な時代なので雰囲気は「レトロ」だが、今から50年も 昔に、人口爆発による環境問題なんかをテーマに作品を書いた事自体が興味深い。
     当時のアメリカ人の大半は、田舎者で、未来都市の描写など 良く分からなかったのではないだろうか?
     アシモフの描く未来都市は、タイトルの通り、鋼鉄の殻の中に 蜂の巣のようにぎっしりと生活機能を詰め込んだもので、生活する人間もハチの ような暮らしぶりだ。
     最低限の家族の寝室とリビングは行き渡っているけれど、 食事や入浴は「公共食堂」での配給制であったり、「公衆浴場」になったりしている。
     そこでは、生活の中で「プライバシー」というものが贅沢品になっていて、市民は 許されるプライベート空間の質、量のクラス社会に生きている。
     娯楽(TV?)も、点数制で公共ライブラリの視聴時間が決まっていたりする。 そして、朝、自分の家で髭剃りができることが幸せなんてことになっている。
     まあ、バブル以前の東京の学生の生活なんて、安く効率的に、「食事は学生食堂」、 「風呂は銭湯」なんて当たり前だったのだから、これこそある意味鋼鉄都市 だったりしたような気もするのだが、アメリカ人に取ってはアンビリーバボーな 描写だったのだろう。
     …贅沢だな、アメリカ人…。

     しかしこういう「生活の恩恵」が「クラス社会」として実現されているところが、 やはり西洋だ。
       普通に考えれば、「出世と生活」が連動するのは当然だとしても、生活のゆとりを どこに回すかは個人の好みに合わせられるはず。つまり、食べるものに贅沢しない 代わりに、他の道楽に金を回したり、スポーツカーに乗っているけれど、住宅は ワンルームだったりね。
     それが配給制や身分制度になってしまうのは、西洋の文化人の心の中に 未来は共産主義社会であり、悪しき物は階級社会でありという、「形」が ガチガチに入り込んでいたということなのかもしれない。

     ともあれ、ハード面では「高速走路」(動く歩道の進化した奴)とか、 食品は皆「培養イースト食品」であったり、レトロフューチャーの 見本市。懐かしいことこの上ない。
     考えてみれば、1960年代の学校給食は「大豆タンパク食品」だとか、 「オキアミ・バーグ」だとか、マジで未来的な合成食品を食べされられて いたものだ。「石油タンパク」なんてものまで有ったんだから凄いよ。 これなんか本気で「鋼鉄都市」の酵母合成食品そのものだからな。
     今「健康食品」で生き残っている「クロレラ」だって、1960年代には 未来の食料調達の手段として研究されていたものだからね。
     当時は、本気で人口爆発と食糧危機が心配されていたのだろう。
     結局、科学技術は「合成食品」よりも、農業技術の改革を推し進めて、 高性能な肥料と殺虫剤、遺伝子工学による品種改良、灌漑技術による、 耕作面積の拡大など、あの手この手で食べ物を確保してきたわけだが。

     本の話に戻る。
     この世界には既存の都市が成長した「鋼鉄都市」の他に、「宇宙移民者の都市」 があり、構図としてはアメリカ建国以前の人口爆発で社会不安なヨーロッパと 新大陸みたいな構図になっている。
     「鋼鉄都市」に住む者はすっかり「殻」に閉じこもってしまっており、 生身で都市の外を歩くことも恐れている。僅かにチューブ上の走路で 隣接する都市とコンタクトを持ってはいるが、屋外での農業などは すっかりロボットが肩代わりしている。
     「宇宙移民者の都市」はもちろん宇宙にあるのだが、どうやら 地球上にも「宇宙市」というのがあり、これが地球と宇宙の接点に なっている。
     対立する構図の中、「宇宙市」で地球人による宇宙人の殺人が起き、 地球人の刑事「ベイリ」と宇宙人…のエージェントとしてのロボット「R.ダニール」 のコンビによる捜査が始まる。
     推理小説としては「未来人のメンタリティ」を理解する必要があり、難しい面もあるし、 主人公の刑事自身が何度も誤った推理でドツボにはまる。
     でも、確かに変に引っ掛けの無いまともな推理小説としても読めるし、動機も意外性も きちんとしているので、主人公が失敗するごとに「では読者はどう推理するか」と ページをめくるのを休んで考えてみるのは面白いかもしれない。答えを知ってから 思い起こしてみると、案外早い段階で必要な情報は開示されているから。

  • ひっかかる2,3のキーワード
    • この世界のロボットには「友情回路」が組み込まれている  ロボット三原則は、漏れなくインストールされているのに、さらに 「友情回路」が無いと人間は彼らと共存していけない…というのは、 示唆に富んでいるような気がする。
       物語の地球の都市は「人口過剰」で瀕死の状態であり、それでも、 人間はロボットに仕事を取られることを危惧して彼らを憎んでいる。
       一方、宇宙市では そもそも人間が少ない上に、人口の半分をロボットにして快適かつ 活性化された社会を運営している。
       「友情回路」というのはつまり、人間より優れた機能を持っていても、 ロボットは人間に気を使ってでしゃばらないとか、そういう社交辞令、 人間を安心させる為の態度を ぎっしり詰め込んだような、とても友情とは呼べない回路だ。
       非人間が人間社会に入り込んで社会を調整する「宇宙市」のあり方は 「士郎正宗」の『アップルシード』の社会に似ている。
    • ロボットのR.ダニールは創造者たるサートン博士に似せて作られた  なんとなく、聖書のエピソード的である。
       神が人を作ったように、人に作られたロボットが地球の代表になりそうな、 ちょっと人類にとっては不吉な響きをはらんでいる。
    • 献辞に「わが妻、ガートルードに」と有り、作品内でベイリの妻はジェゼベル(ジェシイ)という
       「ジェゼベルは聖書に出てくる名前で本人がこだわりを持っている」という描写が 作品中にあるが、「ガートルード」はシェイクスピアに登場する王妃で、ひょっとすると 本人(作者の妻)が名前にこだわっている、というエピソードがあるのかもしれない。
2005.10.30
  • 妻が「XGAでお気に入りを表示していると狭いな」というので、日記レイアウト変更。 リンクを左側に集めて"nowrap"しばりも外した。
  • 右の枠にamazonの検索機能で、気になるグッズを表示して見た
     まずは「ケロロのフィギュア」など。アクセスするたびに、違ったケロログッズが みられて嬉しい。(なにしろ、このページに一番アクセスするのは自分ですから(笑))  しかし、amazonの枠の一番上に黄色いヤツ(クルル)が表示されていると、 なんか気になる(^^;;
     だらけているケロロが表示されていると和む。うむ、好い飾りだ(^^)
  • 最近「goo RSSリーダー」を入れたので、他人のブログが見やすくなった。
     なるほど「世の中のトレンドというのはこういうものか」(^^;
     「今日放送したアニメの話題」なんてのは、爆発的に多い。が、ちょっと古いネタは どこにも無い。大半のブログは初めて数ヶ月しかたっていないものばかりだから。
     皆がブログに夢中になっているということは、従来型の日記サイトばかりか、 掲示板も寂れるわけだ。トラックバックでリンクを 張りまくれば横のつながりもある。けれど、複数のサイトに重複したトラックバック が張ってあるのは、ある意味スパム状態でクリックしてがっかりすることが多い。
     ブログというのはもう定着してしまったわけだが、こいつは徹底的な「個の時代」 だ。「パソ通時代」の濃密な横の繋がりの場が復活するチャンスはもう無いのかなぁ…
  • 米ワーナー、次世代DVD担当(WHV社長)を更迭-日経
     ホームシアター系のニュースサイトじゃあまり取り上げられていないけれど、 米メディアは「ワーナーは規格統一を目指していたが、カードウェル氏の性格的な 問題で交渉がうまくいかず、やむなく両規格支持を打ち出した」と伝えているそうだ。
     つまり、従来からワーナーは「次世代規格は絶対統一すべき」と表明していたけれど、 WHV社長がHD DVDに固執してBDとの統一交渉に失敗した責任を取らされ、しかも 原因は「性格的な問題=もはや技術論争ではなかった」って言われたことになる。
     現在ワーナーは「併売戦略」に転向したところだが、WHVの社長を更迭した ということは最初の「単一のフォーマットでビジネスしたい」という意思を 「非HD DVD=BDで統一したい」と親会社が表明したと見て良いかな?
     より具体的には、HD DVDでは「以前発売予告した作品をリリースしたら以後打ち止め」 ということになるのかなぁ。
     いずれにしても、それは短期間に次世代DVD騒動を終結させそうだ。
2005.10.29
  • amazonのアソシエイトIDを取ってみた。
     リンクからamazonに入って買い物をすると紹介者に紹介料が入るという 仕掛けだが、それより「気兼ねなく商品の写真を張れる」のがちょっと嬉しい。  たとえば、昨日買った「ケロロ軍曹2-2」を紹介するならこんな感じでね→
     でも写真はもっと大きいほうが嬉しいな(笑)
  • コマ送り!ケロロ軍曹…のページを作っていると、他のことが何も出来ない。 何しろ、10分程度の全セリフを起こすだけで、4時間前後、元ネタを研究して仕上げるのには さらに何倍も時間がかかる。
     たとえば、ガンダム関係のネタを確認するためには、ガンダムのビデオを 見直したりしているし、「どこかで聴いた記憶のあるネタ」の確証を得るために、 あの手この手で検索を繰りかえす。
     一話で24時間近くかかるかもしれない(^^;
     疲れるけれど充実感はある。
     懐かしいものを思い出す作業だというところが、骨董趣味に似ているかな(笑)
  • BLOOD+ 第4話
     「ガンダムSEED Destiny」の後番組。昨年「鋼の錬金術師」をやっていた枠であり、 某友人は「なぜ『鋼の錬金術師 2』じゃ無いんだ!」
    …と言っていたが、確かに(笑)
     しかし、スタッフが「鋼」と一緒なので「鋼」のクオリティは期待できる。
     というわけで見始めたのだが、いまだ面白いのか何なのかわからない。
     今わかっているのは「吸血鬼退治の話」だということくらいなもので、こんなことは タイトルを見ただけで解るようなレベル。
     DVDレコーダには残しているけれど、5話以内に面白いと思えるエピソードが無いと そのまま消しちゃうよ〜(^^;
     欲を言えば「第一話」は人物紹介のために使うにしても、「第二話」では ちゃんと話を展開してほしい。だって劇場アニメだったら半分終わってしまうほどの 時間だからね。
  • そういえば、BSでやっている「絶対少年」
     …あれも、面白いのかなんなのか解らないままに見続けてほとんど終盤なのだが、 ようやく話が動き出した。もしかしたら最終回には面白かったと思って終わるかもしれない(^^;
  • コマ送りしない!ケロロ軍曹 第82話
    623 僕のラジオにでない?
     623のラジオにゲスト出演すべく、皆でオーディションに挑戦する話。
     すげ〜くだらない結果に終わるのだが、良く見るとばっちり伏線が引いてある(^^;
     それはそうと、623の色紙「記録より記憶に残る伊香保」の意味が解らない… もやもやするな〜(^^;;
    ケロロvs夏美 1/6ガチンコバトル!
     今回は原作あり。
     おなじみ「万能兵器化飲料ナノラ」を使って、兵器化した「軍曹のプラモ」 を使って侵略を図る。
     ちょうど昨日秋葉原でケロロのプラモデルを見てきたばかりなのだが、 アニメの中のケロロのプラモは良く出来ている。本物のプラモにそっくり(笑)
     特に、ケロロの帽子の耳垂れ部分が、本物は布だけれどプラモは「プラスチック」 なので、垂れ部分に蝶番が有るのだな。
     ケロロ・プラモのテーマ曲が誰が聞いても「スターウォーズ」の帝国マーチ。
     プラモ・ケロロに対抗してプラモ・夏美が登場するのだが、プラモなので、 戦闘中でも表情が変わらず「目が笑っている」のが怖い(^^;
    映画化決定予告編
     音楽が凄い。
     邦画の怪獣映画みたい、ガメラとかゴジラとか。聴いただけで胸躍るものがある(^^)o
  • 機動戦士ガンダム・再放送のこと
     今MXTVの深夜枠で1stの再放送中だが、ひさしぶりに「ルナツー脱出作戦」 を見て悶絶した。妻にも見せて二人で死に掛けた…(^^;;
     とにかく、ど外れて絵がへたくそで、アムロもブライトも「どちら様?」って 感じ。まして背景の避難民の皆さんに至っては、一人だけアメコミから抜け出てきたような 人がいたり、絶対この人は「書き割り」としか見えないようなのばかり。
     もちろん、パースはガタガタ。スケール感メロメロ。
2005.10.28
  • この日記のデザインを「ブログ」っぽく変更してみたぜ!
     もともとのデザインが、オーソドックスな3ペイン構造で、日記本文は「ブログそのもの」。 だからこれまで使っていなかった左右のスペースを活用してみた。
     少しだけ使いやすくなったかな?
     過去ログで、「1996年からホームページ作っている」とさりげなく主張、日記は 途中からしかないのだけれど(笑)
  • コマ送り!ケロロ軍曹第4話(後) ケロロ 雨時々危険な男 であります を登録
     ついに「ケロロのペコポン人皆殺し宣言」今回も、コマ送りしまくりであります。
     ついでに1話からのコマ送りに参考画像も張ってみた。
2005.10.27
  • コマ送り!ケロロ軍曹第4話(前) ギロロ 宇宙で最も危険な男 であります を登録
     今回のこだわりは「オーパーツ」と「爆発のロマン」ですかね
  • ブログ比較中
     先日ウェブリブログ に場所をとって「生もの」のメッセージを書き込んでみたのだが、 ウェブリブログ(BIGLOBE提供)なのは、もともとIDを持っているからと言うだけの理由で あった。
     で、他のブログも調べてみた。
     gooブログはユーザー数が30万以上あって、果たして「大きいことは良いことか?」
          ウェブリブログ / gooブログ
    テキスト容量    無制限 / 無制限
    画像容量   30MB(拡張可能)/ 3GB(1TB(有料)) 
    画像貼り付け     1投稿1枚 / 1投稿複数枚可
    テーマ    3個まで設定可 / 1個のみ設定可
    バックアップ      可 / 不可(有料で可)
    
     その他の機能は大差無いか?
     gooブログはとにかく「写真が大容量」
     一枚100KBの写真を貼り付けるとすれば、30MBでは300枚だが、 3GBなら30,000枚貼れる。一日一枚(100KB)貼り付けるとすれば、 30MBなら10ヶ月で一杯だが、3GBなら1000ヶ月(83年)使える。
     サービスが存続しているかどうか分からないが…
     写真を多用したいなら、絶対にgooだ。
     しかし、テーマ(キーワード)が一つしか設定できないというのは貧弱だ。
     なるべく人気のキーワードを使った方が露出度が上がって、大勢に見てもらう 可能性が上がるけれど、逆に他のメッセージに埋没する可能性もある。
     例えば、「アニメ」なら見ている人は多いけれど、「ケロロ軍曹」の 方がより、そのものずばりだ。「ジャズ」「上原ひろみ」でもいい。
     階層的な設定の他に、一つの話題が、複数のテーマに跨ることだって有るよね。 例えば、『踊る大捜査線』は「邦画」であり「ドラマ」である。
     「ウェブリブログ」のテーマを三つ付けられる機能は、適切なテーマを付ける事によって 参加者の書き込みが「掲示板」のように整理して読めるのに対して、 「gooブログ」のテーマが一つだけだと、どうしても「大項目」だけになりがちなので、 結局「全文検索」するとか「RSSリーダー」で自動検索をかけて読むとか、 ツールが必要になる。
     「ウェブリブログ」は読み手にとっては、目に付いたテーマを流し読みしていく 楽しさがある。
     さて、どっちが使えるブログなのか?
     「感想文」にウェブリ、「絵日記」にgooと、両方使いますか?
  • ブログのアクセス解析
     解析って程のことは無いけれど、「ウェブリ」には、デフォルトでログの生データが見える。
     「どこから飛んできたのか」「検索エンジンのキーワードは何か」など。
     この数日で一番多かったのはこの日記からジャンプしたほかには「コンサートのタイトル」 で検索して飛んでくるケースが多かった。コメントも付いた。
     コンサートは一回に2000人程度しか聴いていないのに、その中の3人が メッセージを書いてくれるなんて、世の中凄いな…
2005.10.25
  • 国産牛は環境に厳しい?
     普通の食品は生産地と消費地が近いほどコストも安い理屈だが、 ちょっと考えると肉の輸入は逆になることことが分かる。
     なぜならば国産牛の飼料は輸入穀物だからだ。
     牛肉よりそれを育てる餌のほうが重いので、輸送に伴う石油も余分に 消費される理屈だ。
  • グインサーガ104「湖畔のマリニア」読了
     良い話だ。久しぶりに未来の出来事について想像が広がった。 もしかすると200巻に到達してもおかしくない新たな物語の火が灯ったように 感じてしまった。
    以下ネタバレあり
     104巻は旅を続けるグインとマリウス、そして森の中に宿を貸してもらう ことになった家の主「マリニア」が主要登場人物。
     ところが、このマリニアがかつてアムネリスの侍女であり、 イシュトヴァーンから一夜の愛を受けたフロリーの世を忍ぶ姿だった。そして なんと彼女の育てる幼児「スーティ」はイシュトヴァーンとの間に生まれた 子供だった。
     フロリーというのは、アムネリスのもっともお気に入りの侍女だったのに イシュトの寂しげな様子につい愛を感じてしまってついに出奔する羽目になった 娘だが、本国ではアムネリスの産んだ子が政治の道具として大事にされたり 狙われたりしているところに、「イシュトヴァーンが、一夜とはいえ真心を 込めて愛した女が産んだ子供」の登場は、物語の大きな転換点になる可能性 がある。
     そして、イシュトの知らぬところで、この子とグインが出会う。
     100巻を超えてからおきたイシュトとグインの断絶は、この先イシュトヴァーンが 善人な王として生涯を全うすることは無さそうだと感じさせずにはいられない、 些か悲劇的な流れであったのだけれど、この子供の存在は次の世代での解決を 案じさせる。
     ようするにルークとダースベイダーだよ!って思うね。
     今回グインに会った「スーティ」は、きっとグインをヒーローと心に刻んで すくすくと育ち、親譲りの美貌と才能で出世するだろう。
     して素性も知らされずに成長した「スーティ」はどこかの国の騎士となって 150巻くらいで、イシュトヴァーンと対決。そして、イシュトが言うね、
     No. I'm your Father!
     で、200巻くらいで、ついに和解。
     それにしても、色々な登場人物に子供が出来て、二世のサーガに突入すると、 結婚してはいるものの世継ぎが出来そうな気配が無い…というか、 本当に「豹頭」と人類の間に子供が出来るのか分からないけれど、グインは 話の中心にいられなくなってしまうような気がする。
     もしかすると、本人が「不老不死」で永遠に物語の中心にいるという 可能性もあるけれど。
2005.10.24
  • コマ送り!ケロロ軍曹「第3話後編 ケロロ 極秘任務開始 であります」 登録
     「日向家安全保障会議」にケロロの監視が提案され、秘密裏に監視カメラが設置される。
     翌日、秋、夏美、冬樹の三人がそれぞれ異様な気配を感じ、帰宅してケロロを 問い詰めるが、監視カメラは逆にケロロの潔白を証明する。彼らが感じた視線は何だったのか…
     実は地球人は第三のケロン人に監視されていたのである。
2005.10.22
  • Blog「生ものの記録 from からから亭」を公開
     中身はこの日記と同じだけれど、演奏会、演劇、映画についてカテゴリー別に 並べることの出来る機能を利用するためblogに転載という形を取る。
     今日のところは、今月の鑑賞系記事を転載した。
  • AVAC VW100下取り価格改定
     だいぶ下がったが、10HTを出してまだ104万円。100万、切らないかなぁ…
  • 笑える事件: いつか自分で使うつもりで隠し持っていた偽札(=へそくり)を妻がこっそり使って逮捕 - asahi.com
     男は逮捕されたことよりへそくりが発見されたことがショックだったらしい(笑)
       こういう事件は数年後には「トリビア」扱いされているような気がする。
     明日のトリビアをコレクションするのも楽しいかも。
  • HV版『踊る大捜査線 THE MOVIE2 ベイブリッジを封鎖せよ』鑑賞 ★★
     先週に引き続き『踊る』のハイビジョン版放送。
     ハイビジョン度は「明らかにDVDより高解像度だが、1よりもやっとした映像が多い」 と感じた。
     2ではカメラにSONYシネアルタ(1080/24Pカメラ)を使用しており、これは 『スターウォーズエピソード2』などでも使われて実績があるものだが、タイトルバックの スチルカメラで撮影して作りこまれた映像が「カリカリに高解像度」なのに比較すると 明らかにもやもやしている。
     たぶん、ピントが甘いのと、フィルムカメラを意識してガンマをひねり、 低コントラストに加工しすぎたのと二つの原因があるのではないだろうか。
     もとがTVドラマなので映画は違った絵にしたいという欲求があるのかもしれないが、 作品の内容は「パリッ」とした画質を求めているような気がする。
     あるいは、近年の「ギラギラした画質」のTVで正常に見られるように チューンしてしまったのか??
     ストーリーは久しぶりに、1,2たて続けに鑑賞したが、やはり1の方が 骨組みがしっかりしているように思う。2は「派手に豪華に」が第一で 全編に渡って漠然と無理している感じがするなぁ。
2005.10.21
  • ワーナーがBD参入発表
     よかった。これで『ハリポタ』『マトリックス』『2001年』などが 発売される。
  • 今日のお勧めHP...「る」の世界

  • ラ・ヴォーチェ・オルフィカ 第21回公演「モンセラートの朱い本」鑑賞 (東京カテドラル聖マリア大聖堂)
     6月6日の 同曲の演奏会に続いて、同じ指揮者、同じ会場で、編成、構成の違う演奏会。
     「モンセラートの朱い本」は、スペインのバルセロナ近郊の山中に建つ モンセラート寺院に伝わる写本で、朱色の表紙で装丁されていることからこの名前で 呼ばれている。この中には13〜14世紀に成立した作者不詳の宗教的な歌が10曲含まれて いる。
     このオリジナル10曲を、編曲や舞曲の追加で前回は20曲、今回は18曲の構成で演奏。
     今回の編成は歌が合唱団「ラ・ヴォーチェ・オルフィカ」になっている ことが一番の違い。前回は「吟遊詩人」+「民衆を模した女声アンサンブル」+ 「正統的聖歌隊」という編成にダンス(パントマイム?)まで付いて、中世の教会の 状況を再現する試みのように見えたが、今回はずっと演奏会的である。
     濱田芳道氏(音楽監督、指揮、コルネット&リコーダー)の演奏会は、 同じ曲でも毎回新しい発見があって楽しいので、何度でも聞いてみたくなるのだが、 この演奏会に関しては全体的には前回の方が楽しく衝撃的だったと言えるだろう。
     原因は合唱団、特に女声陣が硬く張り詰めた声で「マリア信仰の悦び」を 表現しているとはとても思えなかったからだ。
     もともとこの写本に含まれる楽曲は厳格な賛美歌と比べて俗謡に近く、 説教の後のお楽しみ会のようなシチュエーションで歌われたものでもあったろう。 が、この演奏会での響きは発声こそ地声に近くて「民衆…非専門家的」であるが、 きりきりと神経質に響いて楽しみ、悦びが伝わってこない。
     中世スペインの民衆が、モンセラート寺院に足を運ぶのは、これはまったくの 想像だけれど、日本人でいったら「お伊勢参り」なんじゃないかな。宗教的であると 同時により行楽的である。現代のモンセラート寺院はかなり観光化して山奥のわりに は行きやすくなっているようだが、巡礼で有名な「サンティアゴ・デ・コンポステラ」 にしても、多くのドキュメンタリー番組をみる限り、一握りの止むに止まれぬ 宗教的事情のある人がいるにしても、多くは一生に一度のイベントであったり、 より観光的な訪問であったりして、それは中世でも似たようなものではないかと思う。
     しかるに、今回の合唱は「民衆的な声」であったが、その響きの中からは、 自発的な楽しさが感じられず、よりカルト的な一点集中した必死の音がした。
     男声はかなりの少人数ではあるけれど、比較すれば、より自発的でワイワイした 雰囲気を発していて、女声より断然良い。
     もうひとつ、表情の振幅が狭いことも問題だろう。全部の曲をきゅ〜っと絞り込んだ ような緊張が支配していたが、贖罪の歌とマリア賛歌ではまったく表現が違っておかしく ないはずだ。「マリア信仰」の柔らかさ「聖母」の優しさが浮かんでこない。
     単一の合唱団が歌うのでも、前回の演奏会での三つの要素の使い分けの面白さに 匹敵する幅は出せるはずだ。
     ソリストに関しては、七条さんは前回より「飛ばしている感じ」は弱かったけれど まあまあ。ソプラノの花井さんは「天上の声」の役割で参加していると思われるのだが、 合唱団に飲み込まれ気味であった。
     このプログラムには器楽曲も4曲あり、前回同様、大きな教会の長い残響の中で聴く ハープは「会場から一歩外に出たら21世紀の日本であることが信じられない」くらいに 中世で美しく、時を忘れた。
     濱田さんによるリコーダーの曲「3つの泉」は昔から好きな曲だが、今日はまた 一段と冴えた技巧をみせて、放浪の楽師もかくやと思われる軽やかさと ドライブ感が両立していた。
     プログラムに対する希望がある。
     濱田さんのアレンジはジャズっぽい。今回の曲目について言えばまるでゴスペル みたいにノリノリな曲もあった。で、基本的には音楽を譜面、紙の上に固定された 姿から解き放ち、「音符」が書きとめられた当時演奏されていた本当の「音」を 再生(rebirth)させたのが氏の音楽の素晴らしいところだと思う。
     今は「朱い本」の本物をインターネットのpdfで見られる時代で、実際、 残された音符から演奏可能な姿の距離は遠く、自由度が大きいともいえる。
     だから「編曲者の狙い」とか「背景」について、解説を読んでみたい。
     たとえば、カタルーニャ地域でのキリスト教音楽と、世俗音楽の中に残る イスラム時代の響きが、教会音楽と俗謡の接点とも言うべき「朱い本」の中で どんなバランスで存在し歌われていたか、についての濱田さんの見解って ものを知りたい。それは「編曲の中に込められている」のではあろうが、 やっぱり、ただ「ゴスペルっぽくってカッコいい」で終わってしまう聴衆も 多いと思うし、聴き手の進歩を促すことにもなると思うのです、良い解説とい うのは。
2005.10.19
  • 今シーズンの「初鍋」
     豚肉の豆乳鍋でした
  • クリップを鎖につないで垂らすと、いくつまで行くか by トリビアの種
     そんな疑問は、一つのクリップを引っ張ってみればわかるので、中学生(=質問者)なら 理科室に行けと思うが、結果は154m,5495個とか。画面に総重量を出さないところが、 TV的だ。
     ちなみに、使用したクリップの重さが一つ0.4gということなので、総重量は、 2198kg
     風が強く長時間の実験だったので、クリップの重量以上の負荷がかかっていたため、 実際はもう少し重くても耐えられそうで、 2Lのペットボトル一本はいけそうだが、二本はギリギリだろうという感覚的なものと も良く一致していると思う。
     ともあれ、こういうものはちょっとしたデータと計算でシミュレーションしてみる 発想がほしい。14才が計算で解けないのは理科教育の問題である。
2005.10.18
  • 「氷の王者ホッキョクグマ」(BShi)を見る
     なんだか映画が溜まって仕方ないのに、BS熊特集を見てしまう。
     白熊は平均輝度が高くて液晶プロジェクター向きの素材だし(笑)
  • HV版『オーシャン・オブ・ファイヤー』鑑賞 ★★
     原題は"HIDALGO"、これは主人公の愛馬の名前で、スペイン系の品種が混血した、 アメリカ原住民が育てる品種の馬。馬の名前がスペイン語系の綴りなところから、 この馬の血筋を感じさせる。
     邦題の『オーシャン・オブ・ファイヤー』は、映画の主な舞台になる砂漠の馬レースの名前。
     このレースで、純血種自慢のアラブ馬と、スペイン系混血品種の「ヒダルゴ」 が名誉をかけて戦うのが映画のテーマなのだから、映画のタイトルは『ヒダルゴ』の方が より本質に近いような気がする。
     馬だけでなく、主人公(ヴィゴ・モーテンセン)も、西部開拓時代にあって、 ネイティブ・アメリカンと白人の間に立って「どちらにもなりきれない」と苦悩する人間だか ら、(米国視点で)外国の香りがする「ヒダルゴ」って名前はとてもいい。
     また、レース(オーシャン・オブ・ファイヤー)に出場するのは、白人に蹂躙された ネイティブ・アメリカンの心の名誉のためであり、レースが始まる前にその経緯で 映画の1/3近くを使って描いている事からも分かるように、レースはその手段であって 目的ではない。
     最近『○○・オブ・××』というタイトルの洋画が多すぎるような気もする。 なんだか重々しい響きで、大作映画の気分が出るのかもしれないけれど、これが 「ヒダルゴ」って馬の名前なら、個人的であれ、民族的なものであれ、テーマは 生き方や心の中の問題だという雰囲気がする。
     ともあれ「邦題」は、押し出しの強さだけでなく、作品の内容を吟味して 繊細にお願いしたいものである。
2005.10.17
  • 携帯電話用にmini-SDメモリ(256MB)を購入
     どうやって使うのかまだ分からないけど、あって困るものではないので(笑)
     とりあえず入れてみたら、あちこちのメニューにmini-SDのフォルダが増えている。
     単純に本体データの「フルバックアップ」が取れれば良いのになぁ…
     (いや、マニュアルが分厚いもので…)
2005.10.16
  • 「ジューリオ・チェーザレ」(二期会オペラ) 鑑賞
     物語は「紀元前48年」あたりのローマ〜エジプト。
     作曲は、ヘンデル。バロックの巨頭である。オペラの歴史的にはかなり古い。
     楽器編成には「アーチ・リュート」「チェンバロ」「リコーダー」なんかが入っている。
     そして、上演時間4時間。長い。本当に長い。
     たぶん、バロック時代の貴族たちは、ひどく退屈していて、オペラは 長ければ長いほど喜ばれたのではないだろうか。推測だが。
     ストーリーは、シーザが政敵を追ってエジプトに入り、そこでエジプト王 「プトレマイオス」と悶着あって命を落としそうになるのだが、最終的には 「クレオパトラ」軍と共に攻撃して王宮を奪取する。というあたり。
     その中に、殺した敵軍の将の「美人未亡人」を巡る不道徳な争いを挟んで 延々すったもんだしたり…(殺したのはエジプト人、殺されたのはローマ人)
     演出は、服装は現代人。ローマは白い服、エジプト(プトレマイオス陣営)は黒い服。 そしてクレオパトラ陣営は赤。
     背景は三面のスクリーンで現代の観光写真のスライド。
     何となく「ローマ軍」=アメリカ帝国、「プトレマイオス」=北朝鮮という 演出がちらちらして、ハーレムの場じゃ北朝鮮美女軍団の写真がサブリミナル的に 挿入されて、ちょっとセンスが古い。 ていうか、ほとんど意味不明、時代錯誤である。
    (でも、チラシによればこれが「ニューウェーブ・オペラ」なんだそうだ)
     音楽はどれもこれも、美しく歌い甲斐のありそうなものばかり。
     ボーカリストとしての妻は絶賛していた。
     出演者の数は多いのだが、合唱曲は最初と最後だけで、本編中はず〜っと ソロばかり。音楽的な「厚み」というのはだから、ソリストの力量に任される ところが有って、ごく数名を除いては物足りないものだった。
     声が悪いということではないが、どうも劇的ではない。平板なのだ。
     古い作品なので、とにかく短い歌詞を何度も何度も、何度も繰り返して、 「良い声で観客を満足させる」 のがソロの主目的だ。歌い手はあの手この手で盛り上げ、観客にアピールしなければ ただ長いだけになってしまう。
     主役はもちろん「シーザー(チェーザレ)」
     オリジナルではカストラートが歌うところを女声が担当している。
     カストラートを使うのは、やっぱり「劇的な効果」を狙っているはずで、 譜面もかなりの超絶技巧を志向して書かれているのに、あれでは宝塚の足元にも 及ばない感じ。
     同じカストラート/女声のプトレマイオスの方がもう少し演じていた。
     一番良かったのは、プトレマイオスの部下の悪人で最後にクレオパトラ軍に 寝返る男。彼は良い声だ。彼が主役で良いな。
     さらに演出。歌わない出演者が、ソロのあいだ「彫像」のように突っ立っている のはつまらない。なんか面白いことをやって見せろと言いたい。
     バロックの作品なので、上演の記録などはあまり残っていないのかもしれないが、 記録が無いからといって「何も無かった」わけじゃ無いだろう。
     今回の演出では「ニューウェーブ・オペラ」とかいって、綿密な時代考証から 逃げてんじゃないかと勘ぐられてもしかた無かろう。
     そういうわけで、音楽の美しさと、それに反する演出のスカスカ感とが心残りな 演奏会であった。
  • 帰宅するとi-Linkの確立に失敗しましたといわれた。
     「イーグルス・ライブ」の録画が〜!(;_;)
     SONYとVicorの相性の悪さには呆れたものだ。
     I/OデータのHDDレコーダとSONYチューナの間に問題が起きたことは無いので、 Victorが悪いような気もするが、逆にVictorとPanasonicチューナーの間で 問題が起きた事もないので、100% Victorのせいとも思えない。まさに「相性」
2005.10.15
  • プチ上映宴会
     一時的に東京で働いている仙台の友人が帰京する前に我が家に招きましょう …ということで宴会実施。
     まだまだスペイン・モードに入りっぱなしの妻が「パエリア」に挑戦。
     飲み物はサングリア。
     あいにく天気が悪くて「高層の見晴らし」は披露できなかったので、程なく 上映会に突入。恒例の「NHK私の夢空間〜ホームシアター」を無理やり見せる のに続いて、『Mr.インクレディブル』を鑑賞。
     (通してちゃんと鑑賞するのは、私も始めてだ)
  • 『Mr.インクレディブル』DVD鑑賞 ★★☆
     「家族の絆」を描くストーリーは、若干「夫婦のすれ違い問題」に力が入りすぎて 午後の奥様劇場の空気が感じられるのがマイナスだが、その分、家族が一致団結して 悪と立ち向かう流れが力強くワクワク出来る。
     お話が良く出来ていることはもちろんだが、CGの出来栄えは「遂にここまで到達したか」 という感慨がある。
     たとえば、『トイストーリー』の時代には、プラスチックな質感だからこそ 高品位な感じが保たれていたのであって、たまに出てくる人間の描写は、 まだまだ操り人形並みのぎこちなさだった。
     これが『モンスターズ・インク』になると、モンスターが人間らしい表情で 活躍するというレベルに到達し、ふさふさの毛並みの主人公が描けるようになった。
     そして『Mr.インクレディブル』の時代。
     ここまでくると、最良の手書きアニメを凌ぐくらい上質なアニメ的アクション や表情とCGのリアルな質感が完全に融合している。
     質感は白人の肌の透明感が描かれているし、髪の毛の一本一本が本物のよう。 さらに濡れた髪の毛まで描けるようになっている。
     表情はベテランの描く手書きアニメと遜色ないし、動きも「モーションキャプチャ」 による作品のように、無駄にグニャグニャした気持ち悪さが無くて、ちゃんと アニメの登場人物らしい整理されて、大胆なデフォルメと両立している。
     「アニメ」ならではの、自由なデフォルメや、カメラ移動が、見事に 超能力の派手な動きを描いている。
     本当に凄い技術だ。
     演出に関しては、古いスパイ映画(例えば『スパイ大作戦』や『007』)の イメージをパロディー化していて、上手く笑いのツボを付いてくる。
     まあ「心憎い演出」と表現するのが適当ではないか?
     続編があったら見たい作品だ。

     特典映像には、本編には名前しか登場し無いようなさまざまな超能力者の プロフィールがあり、本編では描かれていない「両親と二人の子供が 冒険している間、留守番していた赤ちゃんはどうしていたのか」という 短編映画まであって、サービス満点。
     付いている意味のある特典ディスクになっている。

  • HV版『踊る大捜査線 THE MOVIE』鑑賞(地デジ) ★★
     フジテレビの地上波デジタルで、HV版の『踊る大捜査線 THE MOVIE』が初放送。
     画質のほどは?と思って録画して見たが、なかなか解像感のある画面だった。
     妙に色温度が高く、冷たい色合いなのは従来のDVDと同じ。これは絶対に 不自然だと思うのだが、プロジェクターの色温度を思い切り下げた状態で 見ればなんとか。『千と千尋』の色が赤くておかしいののちょうど逆だ。
     解像度が高いから、タイトルバックのビデオ処理された効果と、フィルムの 落差がよりクッキリ出て面白いとか、ノートパソコンの画面の液晶ドットが パチっと見えるとか、分かりやすいシーンもたくさんある。
     久しぶりに見たけれど、この作品は、TVドラマとTVスペシャルのまとめとして、 本当に良く出来ている。"2"は、これとは別の作品になっているし、今年公開の スピンオフ映画も別の作品。なんだか『ドラマ踊る…』は過去の作品になったなぁ と感じてしまう。

     ところで、この枠はCMが多いな。映画を見ている気分が削がれる。
     大切な作品なんだから、もう少し配慮しても良いと思うのだが。たとえば、 CMを長くまとめて回数を減らすとか。冒頭にまとめて流すとか。
2005.10.14
  • 「誰もが科学に夢を抱けなくなった」…か?
     「吾妻ひでお」に関するbbsを眺めていたらこんな問いかけが展開していた。
     1960〜80年ころにはSFも人気が有ったし、宇宙とコンピュータ、バイオ、もう少し 後にはナノテクなんてキーワードも充実して活気があった。
     たとえば、「日本沈没」なんてSF小説が社会現象になった時代もあった くらいだ。
     それが今や「アポロは月に行っていない」なんてオカルトが流行ったり、 気だとか、水だとか、大衆の思考は中世に逆戻りしてしまったかのようだ。

     ひとつの原因は、「高度に発達した科学は魔法と区別が付かない」 の定理か。
     昔の科学は「電灯」や「蒸気機関」など結果が目に見えたし、もうちょっと 発達して「月ロケット」くらいになっても、あれはまさに力技。中身が先端科学でも 結果は一目瞭然だった。大阪万博には「月の石」も来たし正月には 「NASAの技術が生んだゲイラカイト」で凧揚げをして遊んだ。和凧とゲイラカイトの 性能の差は、あれは科学だった。
     さて、21世紀の科学の成果は…というと、何もかも液晶とソフトウェアとワイアレス で、中身は高度になっても「ブラックボックス」だ。
     ナノテクとかバイオとか、目に見えない世界の科学も多い。
     科学者の研究テーマが専門化・細分化を極めたために、啓蒙活動をする人がいない。 学校教育も、何故か「理科教育」を疎かにしている。
     結果的に、大衆の科学知識と現実の科学の距離が遠くなり、何もかも ブラックボックスと化している。これでは科学に興味がもてなくても不思議は無い。
     「理科教育」が低レベルなのは、明らかに日本の官僚社会が「文系出身者」で 固められているからだろう。会社組織も、どう考えても文系の方が収入が良くて、 生活も安定している。
     つまり「科学を学ぶこと」が役に立つ雰囲気が無い。

     「科学に夢はあるのか」について考える。
     私たちが子供の頃は、未来には「無限のエネルギー」と「ロボット」が発達して 人間は単純作業から開放され、豊で高度に精神的な生活を送る事ができるようになる。 というビジョンがあった。
     あくせく働く必要がなくなるので、人間は芸術に打ち込んだり、宇宙のフロンティアに 冒険に出かけたりするわけだな。
     なんとなく「機械の僕(しもべ)に支えられたローマ人」みたいなイメージ。
     ところが現実のベクトルは逆だった。
     「無限のエネルギー」と「万能ロボット」までにはまだ距離があるにしても、 どうも科学の発達はバラ色の未来を約束しなさそうだ。
     「人間の代わりになるなるロボット」が実用化されたら、単に「人間が追い出される」 だけで、追い出された人間は幸せにならない。利益はロボットの所有者=資本家の 所に行ってしまう。
     恐ろしいことに、ロボットを開発する技術者にも大したお金は入らない。それを 使う人間だけが豊かになる。
     「機械が人間の仕事を奪う」「資本家だけが儲かる」というの、産業革命の最初から 言われてきたことだが、どうもどこまで行ってもこの図式は変化しないらしい。
     しかし、こうして冨の一極集中が拡大していくと、ロボットによって安く大量に 生産された商品も「消費」する活力が減っていく。
     もちろん、科学は農産物の収穫を上げ、医療の進歩によって人は長生きし、人間を 幸せにする力を持っているが、高度な科学は巨大な資本で運用されて富の集中に結びつく。
     そこで、SF的には「巨大なマザーコンピュータが支配する高福祉国家」 の出現に期待するしかありません。それで「デステニー計画」発動ですよ。
     もちろん反乱分子の出現で国家の崩壊ですよ。
     現実の世界はどこに向かうんでしょうか…
     世界は「人間の要らない社会」に向かって動いているように見えるんだけど。

2005.10.13
  • 今日からTV電話
     長年使っていたi-mode機(カラー液晶が登場した最初期モデルで、カメラも無い)を FOMA N901iSに買い換えた。
     買い替えの動機は、カーソルキーが壊れてメールが打てなくなったから。
     そんな理由なので、画面が大きく見やすくなったこと、漢字変換が賢くなったこと、 カメラがついたことは嬉しいけれど、なにやら色々ついているらしい数多くの機能は 「メニューの階層が深くて使いにくくなった」とも思う。熟練すればショートカット 機能も存在するのかもしれないけれど…
     しばらくは「遅れてきた人」状態だな。
     それにしても、初期の液晶と比較して格段に画面が美しい。 考えてみれば、この間にTVもブラウン管から液晶にシフトしてしまったわけだが。

  • HV版『ペイチェック』鑑賞(wowow) ☆
     主人公はエンジニア。他社の技術を盗むプロで、ダークな仕事ゆえ一仕事終わると 仕事の記憶を抜き取る…という契約で働いている。
     ある日「一生遊んで暮らせるほどの大金と引き換えに、 三年間の拘束時間とその間の記憶を消去」という仕事が舞い込む。
     ふっと気が付くと既に仕事は終わっているが、もらえるはずの大金は自分自身の手で 放棄するサインをしており、代わり幾つかのガラクタの入った封筒だけが残されていた。
     ここまでが、予告編でも見ていた映像。
    以下ネタバラ
     予告編からはなんとなく「クライム・サスペンス」を想像していたのだが、中身は タイムマシン物だった。驚いた(^^;
     空白の三年間に主人公が開発していたものはなんと「タイムマシン」…といっても、 物質を直接送り出すことは出来ず、未来を見る事ができる「タイムTV」みたいな機械。
     主人公は「タイムTV」の発明が世界の軍事的均衡を危うくし、核戦争の引き金になる ということを、当のマシンで見てしまった。
     それ故、未来の自分に、会社に戻ってマシンを破壊させるための小道具となるけれど、 会社には怪しまれないガラクタを封筒に入れて託したのだった。
     筋書きを書いてみると、「ここまで」は、なかなか面白そうだが、設定上 「最後に主人公が成功する」ということは約束されているわけで、これを映画で 面白く見せるのはやっぱり難しい。
     ぶっちゃけ、マシンを壊す事ことは、核戦争が起きる未来を改変することである。
     ということは、マシンを壊さず、核戦争にいたる政治的筋書きの一部に介入して 未来を書き換える事も可能なはずである。戦争なんかしないで、株に投資した方が良い、 みたいな考えも有る。
     こういう筋書きの甘さがどうしても気になる。つまりこの映画は 「このストーリーしかない」という説得力が無い。
     それに、主人公はエンジニアなのに、武術の達人で、カーチェイスもこなし、 銃撃戦となれば鉄砲の弾が避けて通るみたいなのは、単に緊迫感が無いだけ。
     まさにB級な映画である。
2005.10.12
  • コマ送り!ケロロ軍曹「第三話前編 ケロロ 危険臨界点突破 であります」 登録
  • 『ファースト・スピード』鑑賞(WOWOW/SD) ☆
     タイトルを見れば凄いカーチェイスが見られると期待して不思議は無い この作品だが、実はほんのおまけ程度だった。
     主題は、ヴェトナム戦争に反対して兵士の給料を強奪していた主人公が、 仲間の裏切りから投獄され、数十年後に出所して、孫を見方に復讐劇を展開する 話だった。
     息子が裏切り者の養子になっていたりするが、息子はあっさり実の親(主人公) の味方に着き、それほどドラマチックに盛り上げていないのは肩透かし?(^^;
     思ったほど爆走してないし、復讐劇も案外淡白で、私的には肩透かしか。

     ていうか、米国では「ヴェトナム戦争に反対する為には、銀行強盗をやっても正義」 って価値観なんだな。
     もちろん警察には捕まるけど、英雄扱い。
     今、イラク戦争も、米軍の残虐性はヴェトナム似たようなものだと思うが「対テロ戦争」 という名目があるからあまり批判されていない。
     イラクなんてテロと関係ないばかりか、市民まで大量虐殺して、しかも アメリカが戦争を始めたせいで却ってテロが増えているというのに、 なんでこんなに世界は反対しないのか。

2005.10.11
  • 高校生のミュートはカップめん?
     仙台のジャズフェスティバルのTV。映画『SWING GIRLS』みたいな 女子高生のジャズバンドが出演しているのだが、ミュートが「カップめん」だ。
     ていうか、20年以上前も学生のミュートはカップめんだったような気がする。
     世界的にはどうなんだろうか?
     オケで使われる、管の内部にがっちり固定するタイプのミュートはブラスにコルク張り のちゃんとした製品を見るが、ジャズ的な「ぷわぷわ〜ん」という音を作るための ミュートでは逆にカップめん以外見たこと無いような気もするが…

  • HV版『フォーン・ブース』鑑賞(wowow) ★☆
    2003/米/FOX
    監督: ジョエル・シューマカー Joel Schumacher
    脚本: ラリー・コーエン Larry Cohen
    主演: コリン・ファレル Colin Farrell

     これはちょっと「三谷幸喜っぽい」と思った。
     いや、三谷氏は絶対書かない作品だと思うが、密室に近い空間で正体不明の相手から 次々と無理難題を押し付けられ主人公が必死に頭を使って切り抜ける。
     サスペンス映画だけれど、本人の命が掛かっていなければ、これは立派な シチュエーション・コメディだ。濃厚な人情もある。

     公開時には「電話を切れば殺される」というコピーで、突然鳴り出した公衆電話に うっかり出てしまったばかりに、見ず知らずの相手に脅迫される話…としか分からず、 また一発ネタのチープな作品を撮ったなとしか思わなかったが、これが深い。
     主人公=被害者のスチュ(コリン・ファレル)はいわゆる「業界人」で、軽薄に 世の中を渡っている。弱いものには強く、なんでも金で解決すると信じていて、 嘘を付くことをなんとも思っていない。
     今日も子分をさんざんこき使った後、ニューヨークの片隅の公衆電話から 浮気目的でで新進女優に電話を掛ける。
     ところが、電話を切ったとたんにその公衆電話が鳴る。
     とっさに受話器をとった彼は、見知らぬ電話相手から
     「電話を切るな、言うことを聞かなければ殺す」
     と脅迫される。公衆電話を見張ってどこからかライフルで狙っているのだ…

     さあ、この脅迫の中見が問題だ。
     犯人は主人公の生活を熟知していて、その軽薄な存在を断罪しようという、 神の視点にあるのだ。
     最初は突然現れるピザの配達人や、公衆電話を使いたい娼婦とその用心棒との イザコザなどが課題なのだが、その用心棒を犯人が射殺したことから、殺人犯として 警官に取り囲まれる。
     本当のことを言ったら電話の男に殺されるし、警官の言うことを聞かなければ ぐるりと取り囲んだ警察の狙撃班に蜂の巣にされる。
     居並ぶ報道陣の前で、彼の罪を告白させようとする犯人、主人公を銃を隠し持った 精神異常の殺人犯と思っている警察、彼を信じる妻、愛人、そして電話の男の 無理難題に従いながら何とか状況を変えようとする主人公。
     その複雑な関係が一つの電話ボックスを中心に展開するわけだ。
     私が「三谷的だ」と思ったのは、電話する二人がクールな頭脳戦を 戦うのかと思わせておきながら、いつの間にか主人公の人生の振り返り物語 にすりかわってしまい、勝者がヒーローでは無いところ。
     サスペンスのお約束どおり最後は主人公が生き延びるのだが、 犯人の知能の高さをちらっと見せるエンディングもまた良い。さんざん 引っ張って犯人が間抜けな捕まり方をする映画はNGだからね。
     …というわけで、撮影は街角にボックスを立てただけ。犯人は声だけ。 仕掛けは一日で撮り 終わってしまいそうなシンプルな作品なのに、脚本が素晴らしい。
     例えば『踊る大捜査線』のスピンオフムービー、あれこそ、こういう 発想で作れば面白い作品だと思う。
     『踊る大捜査線』はせっかく良いキャラクターが揃っているのに、 「猟奇的な雰囲気」とか「ゴージャスな絵」とか「小ネタのリンク」とかに 一生懸命になったあまり内容が希薄な映画になってしまった。
     ちょっと『古畑任三郎』から、知恵比べ物でもピックアップして 再見して見たい気分なのである。
     ちなみに褒めている割に★評価が厳しいのは、DVDを買って繰り返し 見るようなタイプの作品では無いからである。

  • 最近『ケロロ軍曹』にはまったYamamoto氏から、
     ドロロの「左手は添えるだけ」 という台詞は『スラムダンク』から声優繋がりのネタだが、アニメは打ち切りに なったため、原作にしか出てこない幻の台詞である。
     という情報をもらった。
2005.10.10
  • FOX、「スターウォーズ・エピソード3」を11月23日DVD化
     買う。1月には『タイタニック』も控えているし、年末年始はDVDが楽しそうだ…が、 どれもこれも「ハイビジョン」で買い換えることになるのだろうなぁ…(^^;
     最近はどうしても見たい作品以外はWOWOW放送を待ってDVD購入を控えているが、 どうしても見たい作品は、つまりDVDがハイビジョン化したらまた買う作品であり、 驚くべき重複購入の罠である(汗)
     スターウォーズは、LDで2〜3種類、DVDで一種類、4枚買ったことになる。
     タイタニックは、英語版の4:3 VHS、日本語版LBサイズのLD,DVDがあって 次にスクイーズのDVDを買って4種類。さらにハイビジョン版。別に 『親指タイタニック』とか『タイタニックの真実』とか関連作品も買いまくり。 沼だ。泥沼だ…。
  • HV版『ホワイトアウト』録画(wowow) ☆
     一応画質チェックのため録画した。真HVだった。
     内容がアレなのでじきに上書きするような気もするが、 とりあえずHVとしての画質はしっかりしていた。
2005.10.9
  • 「スプラアンサンブル勉強会」見学
     昨日の踊りの翌日は歌の発表会。
     妻のタフさには感心する。ただ見物に行っているだけの私は、くたくたなのに(^^;
     こんなスケジュールでどうするのかと思ったら、妻の出し物はファリャの「スペイン民謡」 で、精神的に昨日の続き、第二部ということらしい。なるほど。
     衣装も水玉で、カスタネット、赤いバラの花と、みっちりスペインだ。
     今までもスペイン物はやり続けているのだが、今回はフラメンコの発表会で 高まった心理的効果なのか、なんだか芯が通ったような、ちょっと良い感じ。
     相乗効果は確かにあったようだ。
     演奏者は十数人いて、催し物としては団内発表会のわりにはレベルが高く、 シューベルトやイタリア物ももちろん素敵だったが、 特に面白かったのは「オペラ」の名曲にちょっと振りをつけて歌うような出し物。
     ちょっと照れが入っているのが和める(^^)
     アンサンブルの曲には知っているものもいくつか有った。
     個人の能力が高いので結構決まっていたけれど、きっとバシバシ併せて「発表会」 レベルで仕上げてくればもっと良いんでしょうね。って言っても演奏者も分かっている 当たり前のコメントだけれど。
     今後の希望としては、テーマを決めてイタオペ名曲特集なんか楽しいと思う。
     妻には「カルメン」なんか歌ってもらっても良い。まあ、カルメンの曲はあまり スペインぽく無いのだけれど。
  • 打ち上げにて、ケロロの次は『サクサク』TVK月〜金7:30を見るよう指示される
2005.10.8
  • 「フラメンコ発表会」見学
     妻が通っている教室の発表会である。
     二年に一回のこのイベントは「発表会」とはいっても、200人近い出演者、2,000人 以上のお客さんを動員する一大イベントである。そして上演時間は3時間半。長い。
     私も本質的にスペイン好きであるので楽しませもらっているし、プログラムに 掲載されるプロフィール写真の写真撮影は「趣味」そのもの(笑)
     で、まずプログラムを開いて写真をチェックするのだが、まずまずの出来。
     「証明書写真」なんか使うと皆同じ白い背景にフラッシュ一発の単調な画面に なる事が予想されていたので、黒バックを使用し、髪の毛の輪郭を出すトップライト を当て、さらに正面からもたっぷり光を回して首に影が出ないように。
     黒バックの利点は顔が明るく見えることなので、女性のポートレイトには 有効だが、フラッシュ一発では「髪」が背景に溶け込んでしまうので、別に 光沢感を出す工夫が必要。これが面白いところ。
     妻もお友達に「良い写真ですね」と言ってもらえたようで、担当者は喜んでます(^^)
     さて、踊り。
     今回は妻のグループは直前数週間にかなり密に練習を繰り返していた。
     その甲斐あって、二年前の発表会はもちろんのこと、地域のイベント参加の 踊りなど、今まで見たことのある踊りの中で最高にバシッと決まっていた。
     今までは顔に「必死」感がにじみ出てきて、いかにも発表会、練習してきたことの プレイバック感が出てしまっていたのだけれど、今回は明るく楽しく心から 踊っているように見えた。結構内面から滲んでくるものが、見るものの印象を 左右するもののようである。
     指先の動き、決めのポーズも進歩している。以前見たときには『サンダーバード』 みたいだったのに、今はちゃんと筋肉が入って肩から肘、指先に向かって 美しい弧を描いている。
     いつの間にか進歩したものである。
     メイクまでバシッと踊り手の顔になっている。思い切りが良くなったのかなぁ。
     ともあれ、今まで「お稽古事」だったフラメンコが本物への一歩を踏み出した と感じたステージだった。これからも続けていく価値が有ると思うので、頑張って 頂きたい。

     もちろん、妻が進歩しているのと同時に、同じグループの全員がレベルが揃って 見えたのも踊りが良かった理由で、練習を詰めてやっていた効果が現れたようで 見事だった。みなさんに、ご苦労さん。
     下のほうのクラスの踊りは、例えば扇子をぐるぐる回転させる手つきが 人によってぎこちなかったりするのが微笑ましい。上級者はまるで扇風機の羽のように くるくる回るんだけれど、それがカクカクしていたりするんだよね。妻も最初はあんな だったかなぁ。
     最上級クラスの踊りは、発表会といえどもお金が取れるレベル。中には本当に 日本人離れしてスペインの香りのする踊りもある。
     こういうのを見ていると、大舞台ではなくタブラオ(居酒屋)で汗が掛かるくらいの 距離でじっくり楽しみたい気持ちになる。

     良いステージであった。が、毎回の入場の大行列と会場整理の不手際は改善して 行ってもらいたいものである。スタッフが客に会場整理の指導をされているようでは 話にならないし、イライラすれば客同士のイザコザだって発生して宜しくないので。
     外部業者に委託していたような話も聞くが、私なら次回は別の業者にするなぁ。
2005.10.7
  • HV版『13デイズ』鑑賞(BS-hi) ★☆
     「キューバ危機」の裏側…政治的駆け引きをホワイトハウス視点で描く作品。
     以前レンタルで見た事があるけれど、ハイビジョンで再鑑賞。
     ある朝偵察機がキューバにミサイル基地が作られつつある証拠写真を撮影する。
     これはアメリカ本土が核攻撃の標的になる可能性を持つ危機だ。
     ミサイルはソビエトから運び込まれたもので、ホワイトハウスはミサイルを 撤去させ軍事バランスを回復するための方策を練る。
     …どこまでが史実に基づく脚本なのかは分からないが、ミサイル基地空爆を 主張する軍部と、あくまでも政治決着に持ち込みたいケネディーとの 密室の攻防が面白い。
     軍部はとにかく自分の力を誇示したいわけだが、政治家(大統領と側近)は、 報復合戦が拡大して全面核戦争になることを懸念している。
     政治家の駆け引きを出し抜くように、軍部は演習と称して軍を展開したり、 核実験を強行したりして事態を展開しようと画策する。
     だが、最終的には政治的駆け引きによって戦争は回避される。
     この映画の結論は「ケネディーは偉大だった」…ということで、 軍は悪者だ。だからといって「アメリカの政治家が偉大だ」という ことにはならない現実が有って、この映画は現実の政府に対する強烈な皮肉 なんじゃないかと見るしかない。
     なにしろ、現実は第二次大戦後、世界で最も多くの戦争をしてきたのが米国 だし、間接的に戦争を起こしてもきた。たとえば、 映画『ティアーズ・オブ・ザ・サン』の設定にも有るように、 米国が発展途上国の反政府組織に武器供与してきた結果がクーデターに 発展して、挙句に米国人が死ぬ…なんてことも、繰り返されてきた。
     戦争に対して批判的な視点を持つ限りハリウッドは捨てたものではない と思っているが、真珠湾の話を「これは愛の物語です」なんちゃって、日本で 売りまくろうというハシタナイ人間も居るから困っちゃうのである。
     ところで「映画」についてなのだが、この作品、時々「モノクロ」の 映像が挿入される。それが格別「記録映像」というわけでもなくて、演出 意図が分かりにくい。不要なのではないだろうか。
     妻や息子と語らったりするシーンも、アメリカ人には必要なのかもしれないけれど ちょっと冗長な感じがする。ていうか、それを入れることで簡単に感動ポイントを ゲットできる商業的な意図が全体的な作品の品位にはマイナス。
     こっちは政治の世界のハードな駆け引きが見たいわけだからね。
2005.10.6
  • HV版『リバー・ランズ・スルー・イット』鑑賞(WOWOW) ☆
     以前レンタルで見た記憶が有るが、ハイビジョンで再見。
     1992年/米。監督はロバート・レッドフォード。
     2時間4分、1910年代(大正初期)のモンタナの大自然の中に暮らす一家の思い出話が 訥々と語られる。
     まず景色が美しい。それでアカデミー最優秀撮影賞を受けたそうである。
     登場人物は釣りをやっている。光り輝く釣り糸も綺麗。
     暮らしは静か。で、癒し系の名作…と言っても良いかも 知れないが、逆に言えば尺の割にはイベントの少ない作品であって、家族(ブラッド・ ピット)の死とかさらっと流してのける鮮やかさには驚くほどだ。
     逆説的に言えば「人生、こういう映画が楽しめるほどのゆとりが欲しい」 ものである。
     プロジェクタが新しくなれば、さらなる発見があるかもしれないが、 この映画の代わりにBS-hiやBS-iの紀行番組でもいいような気はするな。
2005.10.4
  • 究極のプロジェクターの定義について研究中
     等色関数のマイナス領域の意味がやっと理解できた(^^;
  • HV版『メテオ』鑑賞(WOWOW) ★
     1979年/米、主演:ショーンコネリー/ナタリー・ウッド
     70年代パニックムービー・ブームの最後を飾り、 『ディープ・インパクト』『アルマゲドン』の19年前に作られた 名作でもある。という位置づけ。
     東西冷戦構造の中、米ソが協力して巨大隕石に核ミサイルをぶち込む…というのが、 なかなか時代を感じさせる。
     巨大隕石に先駆けて天変地異が起こり、「日本」は巨大なヒョウが降り、 「スイス」は隕石の衝撃で巨大な誰が起きる。
     「アラスカ」にも隕石が落ちるし、「香港」は津波で壊滅する。
     「イタリア」にやってきた隕石は全部燃え尽きて平気、 ってのがちょっとずるいか(^^;
     こうしたパニック描写と「冷戦」が見所のはずなのだが、 案外米ソはあっさり協力して緊張が少ないのはなんとなく物足りないな〜。
     まあ、本当に地球最後の日が目前に迫っていたら、冷戦どころではないと思う のは当然かもしれないが、もう少しとんでもない人物がいて二国間関係を かき回しても良かったかもと思ったりするのである。
2005.10.3
  • 究極のプロジェクターの定義について研究中。すごく疲れる(^^;
  • HV版『ニキータ』鑑賞 ★☆
     ニキータのDVDは最初期に発売されたもので、色は変だしずれているし、 チャプターも無い。
     ハイビジョンはさすがに良くなっていた。カリカリってわけではないが。
     全体に渋い色合いではあるが、作品の雰囲気には合っている。ヨーロッパ映画の ムードが濃厚だ。最近の映画には無いフィルムっぽさ。
  • 『サンダーバード』鑑賞(wowowだけどSD) ☆
     実写版のサンダーバードである。
     基本的な設定は人形劇版と同一なのだが、敵がサンダーバード自身を狙って 来て、ピンチに陥った基地と隊員を、隊員の子供が助けるという設定。
     隊員は宇宙基地で禁足状態(敵のワナ)で活躍しない。
     なんというか、しょせん子供のすることなのである。
     いわゆる「サンダーバードの活躍が見たい」という欲求はなんだか 満たされないんだなぁ。これで良いのか? ずれてないか?
  • HV版『デスペラード』鑑賞 ★
     HV放送のおかげで久しぶりに見た。
     とにかく全編撃ちまくり。
     これもDVDはかなり初期のものなのでHV版の恩恵は多かった。
     メキシコのすっからかんな空は、VW10HTでも美しい(^^;
  • ParamountがBlu-rayでのタイトル投入を表明
     『タイタニック』はFOXとParamountに権利がまたがっていて「どっちで出る?」と 案じていたが、無事両者Blu-ray陣営ということで、もめずに発売されそうな気配。 めでたいことである。
     ともあれ、ネットではまた祭りだな。
     「ニューライン(ワーナー)」がHD DVD陣営のため、『ロード・オブ・ザ・リング』 がHD DVDなのだが、当面WOWOWの録画で凌ぐから平気(^^;
2005.10.2
  • 「みんなちがって、みんないい 」(あいだみつを)

     …『ガンダムSEED Destiny』最終回のテーマ
     ついでに、
     レイはテロメアが短いけれど、演説は長い。…クローンだから。
     レイはクルーゼと同じクローンだったわけですが、まさか「長演説」の遺伝子まで コピーされていたとは…いや、予感はありましたね。

     え〜と、
     「ぼく(レイ)は、遺伝子は同じでもクルーゼとは別人なんだ(ばきゅん)」
     なわけですが、議長の計画も杜撰であります。
     議長の「デステニー・プラン」は、要するに「遺伝子によって人間を最適配置しよう」 ということで、社会の効率化にはなるけれど、これが「戦争回避」の決め手になど 成らないのは当然のことです。
     だって、結局
     「劣った遺伝子=ナチュラルは日の目を見ない」
     「優れた遺伝子=コーディネーターが世界を征服」
     ってことだからね。ナチュラルの憎しみをかき立てるだけ。
     そもそもそれまでにやってきた戦争となんの脈絡もない。「ハア?」っ話です。
     「郵政民営化」で選挙に勝ったら「憲法九条」を書き換えているようなもの。

     一方レイ&クルーゼの論理は単純。要するに競争心の否定ですね。
     「究極のコーディネイター」に対する「不完全なクローン」の僻み、でもある。
     遺伝子操作は「ある種の病気の撲滅」には役に立つはずなのだけれど、身体能力拡大、 知能強化まで進むと結局は「富める者がより豊かになる」という発散が起きる。
     すると、デステニーは「劣った人種は奴隷としてこき使えばいいんだよ」という 議長(南部)と、「ナチュラルにだって人間の権利があるんだ」というキラ(北部) との「南北戦争」 でもあったわけですね。
     「レイ」なんかはコーディネイターのご主人に洗脳されて北部との戦争に 駆り出されていたクローン奴隷が、はたと自分の人権に気が付いて、ご主人を 撃ち殺してしまったみたいなものです。
     でも、「デステニー・プラン」が施行されたら、理屈からすれば 究極たるキラが支配者になって、「デステニー・プラン廃止」になりそうな気もする ですね。

     それにしても今度も、「種を持つ者」って何、とか「羽根クジラ」 の謎とか、一つも解決していないんですが。
     ていうや、やっぱ「ダブル・デステニー」ですか?
     「シン」て、デステニーの主役のような顔で登場したのに、結果的に「議長のコマ」 として無駄な殺生しかしなかったのも情けないですね。
     史上最悪に無意味な主人公だったなぁ。

  • 「世界に一つだけの花」 (SMAP)
     映画版デステニーのエンディングは、コレでお願いします。
     SEEDって、花の種だったのかもね。

  • HV版『デイ・アフター・トゥモロー』鑑賞 ×
     タイトルは「明日、明後日に起きてもおかしくない災害」という意味だそうです。
     温暖化→南極の棚氷が崩壊→海流が変わる→マイナス100度以下の嵐が発生→北半球が氷河期になる
     という、凄い話。
     とにかく、フィクションにしても「マイナス100度」がどこから来たのかが きちんと説明できていないのでSFというよりはホラ話に見えてしまうのが致命的。
     そもそも地球上にマイナス100度が存在するのかというと、国際線のジェット機が 飛ぶくらいの高さにはマイナス50度くらいの空気はあるけれど、どうも使えない。
     …というのも、そもそも台風/ハリケーンてのは、海で暖められて湿った空気が上昇して 作るもので、冷たい空気が降りてきたら晴れてしまう。
     寒冷前線くらいは出来たとしても、どんな条件を持ってきても「冷気のハリケーン」 なんて出来ないよね。
     ついでに、マイナス100度の冷気に当ってパリパリっと氷漬けになる描写が 出てくるのだけれど、これだけ低温になると空気中に水蒸気が存在できないので、 いくら冷気を吹き付けたとて氷はできない。

     本当の温暖化、寒冷化の怖さは、平均気温がほんの数度変わっただけで 生態系が破壊されるところにあるのであって『デイ・アフター・トゥモロー』は 環境問題を娯楽化しすぎて馴染めない。まあ、アメリカ人の感覚ってことですか?

     これでも、最低気温をマイナス40度くらいに留めて、温暖化のために赤道で 大規模な上昇気流が発生し、入れ替わりに極地から冷気が流入するくらいの メカニズムにしておけばそれらしくなったのかもと思う。
     とにかく「ガソリンが凍ってヘリコプターが墜落する」というヨタ話を 入れるために温度を下げすぎたのが、嘘っぽく成り過ぎた根本原因だ。

2005.10.1
  • A&Vフェアではプロジェクタ以外の話をほとんど書いていないのだけれど、 正直一番インパクトが有ったのは BRAVIA Xシリーズなんだな。
  • HV版『80デイズ』鑑賞 ☆
     SFの古典「八十日間世界一周」が原作。
     んで、なぜジャッキーチェンが主役なのかが良くわからない。
     原作とは、80日間で世界一周する賭けをすることと、ラストの落ち以外共通点が 無い。
     ジュール・ヴェルヌの時代には「80日間で世界一周すること」がフィクションであり、 ファンタジーであり、サイエンスだったのだ…という感慨も無いよね、この脚本では。
  • HV版『ウエスト・サイド・ストーリー』鑑賞 ★★★
     掲示板でVW100のデモに使われていたと聞いた作品。場所は「トゥナイト・クインテット」
    ここからラストまでを鑑賞。
     良く見ると、色々繊細な照明効果を使っているものだ。
     アパートの屋上は良く見ると踊りやすいように、ダンスフロアのように 木の床が貼ってあるとか、たくさんの「へ〜」があったよ(笑)

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文:唐澤 清彦 映画館がやってきた!