実況&分析マシュダ一家
攻防豹変
棋王戦第1局 羽生VS森内 相矢倉37桂



棋王戦第1局 羽生VS森内 相矢倉37桂 65歩と45歩の戦いNo: 8922 [返信][削除]
投稿者:マシュダ一家 06/02/04 Sat 20:52:21


今日の現地会場に居た人達は奇跡を見た思いであろう。
絶対絶命からの二枚角乱舞。歩1枚残しての収束かと思いきや29龍の利きで不詰み。攻防ともにヘビー級エンタ。
一枚足りなかったというより142手め29龍が双頭手になっていたというドラマの仕掛け。29龍がなければ12歩同玉13歩11玉23桂の頓死。その場合先手に歩が一枚残るがその歩を打つ余裕を森内は与えなかった。この1歩の入手と1手出遅れは75手目45歩まで遡る。
86歩や112手目33銀は彼等の間で疑問扱いされるかもしれない。
森内の心に巣くうテンポ不一致の累積はなんと言うべきか?
84手目24銀、90手目23金、49龍、そして羽生が久しぶりにマジックを出すキッカケとなった86歩、33銀。羽生なら118手目に83歩は?と言うかもしれないが森内は流石に打たない。その御礼に羽生も145手目44歩から149手目38銀打は披露せず。
当家の実況&分析における最初の疑問点は70手目24歩。素直に46歩でない場合方針が決まるが24同銀は方針不一致。
予測不能の方針不一致は不可解。それが羽生に勝つ秘訣かもしれない。
羽生は何面指しでも相手が不正をすればひとめ。しかし相手が自己流だと初めて見る形となり不正指摘がひとめでできない場合があると言う。
66桂は元々研究手順だったので勝因は94手目67馬切りの決断かもしれない。飛車打ちはマギレとイッキに行った。
ライブ観戦の見どころ満載。2回目の66桂が決め手となった。後手の礎石65歩が作戦の顔に見えるがむしろ羽生の57角によって催促された気配がある。65歩と45歩の戦いという構図も主題が一致しており好ましい。
森内は猫が豹に化けまた猫かぶっているような変幻ぶり。
羽生が負けた場面は実に久しぶりだがその理由もなんとなく感じる。
押しては引きまた♂。引き出しからまたナニ出てくるか判らない。
一層盛り上がる五番勝負。羽生は負けても逆転のチャンスを限られた時間で具現化している。一番輝いた時間。

日時:2006.02.04
棋戦:第31期棋王戦第1局
戦形:相矢倉37桂
先手:羽生善治棋王
後手:森内俊之名人
▲7六歩 ▽8四歩 ▲6八銀 ▽3四歩 ▲6六歩 ▽6二銀
▲5六歩 ▽5四歩 ▲4八銀 ▽4二銀 ▲5八金右 ▽3二金
▲7八金 ▽4一玉 ▲6九玉 ▽5二金 ▲7七銀 ▽3三銀
▲7九角 ▽3一角 ▲3六歩 ▽4四歩 ▲6七金右 ▽7四歩
▲6八角 ▽4三金右 ▲7九玉 ▽6四角 ▲3七桂 ▽3一玉
▲3八飛 ▽2二玉 ▲8八玉 ▽8五歩 ▲5七銀 ▽2四銀
▲4六銀 ▽5三銀 ▲1六歩 ▽1四歩 ▲2六歩 ▽9四歩
▲1八香 ▽9五歩 ▲6五歩 ▽7三角 ▲2五桂 ▽4二銀
▲3五歩 ▽同 銀 ▲同 銀 ▽同 歩 ▲1五歩 ▽同 歩
▲6四歩 ▽同 歩 ▲3五角 ▽3四歩 ▲6八角 ▽2四歩
▲1二歩 ▽同 香 ▲2四角 ▽2三銀 ▲4六角 ▽4五歩
▲5七角 ▽6五歩 ▲4六歩 ▽2四歩 ▲1三歩 ▽同 桂
▲同桂成 ▽同 香 ▲4五歩 ▽8六歩 ▲同 銀 ▽6六桂
▲6八金寄 ▽1九角成 ▲2五歩 ▽4六歩 ▲2四歩 ▽同 銀
▲4八飛 ▽3七馬 ▲4六角 ▽4八馬 ▲2三歩 ▽同 金
▲8二角成 ▽5八馬 ▲6九銀 ▽6七馬 ▲同 金 ▽4八飛
▲6八飛 ▽5八金 ▲7七銀 ▽4九飛成 ▲5八銀 ▽同桂成
▲7八飛 ▽8六歩 ▲同 銀 ▽6六銀 ▲6八歩 ▽6七銀成
▲同 歩 ▽6六歩 ▲7七角 ▽3三銀引 ▲6六角 ▽6八金
▲7七飛 ▽6五歩 ▲8四角 ▽6九成桂 ▲5七角 ▽5八龍
▲4六馬 ▽6七金 ▲7八金 ▽5七金 ▲同 馬 ▽1八龍
▲2四歩 ▽同 金 ▲2五歩 ▽同 金 ▲1四歩 ▽同 香
▲1三金 ▽3二玉 ▲1四金 ▽2二歩 ▲4八香 ▽5九角
▲4九銀 ▽4六歩 ▲5八馬 ▽2九龍 ▲4六香 ▽3五金
▲5九馬 ▽同成桂 ▲4四桂 ▽同 金 ▲同 歩 ▽4六金
▲5二金 ▽4一歩 ▲4二金 ▽同 歩 ▲5二角 ▽6六桂
▲4三銀 ▽2一玉 ▲4一角成 ▽4三歩 ▲同歩成 ▽7八桂成
▲同 飛 ▽6七銀 ▲3二馬 ▽1一玉 ▲投了
166手で後手の勝ち


森内の66桂に関しては当家の場合、昨年作った最終盤の誘惑コンセプトを思い出す。
王位戦第7局エピソード3 抗し難い角換り腰掛け銀全面駆使への誘惑
最終盤の誘惑コンセプト
1=66桂を打たせて金を捨てる=58金は手番奪還の犠牲駒。
2=桂を故意に渡して76桂からの即詰み手順で後手を誘う。
3=桂取り同銀を同飛と取った44飛が詰めろ逃れの詰めろ。
4=後手は95香で勝ちと言う構築を逆に利用して誘惑する。
X=84歩と25歩の戦いであった。85歩を強いて25歩が顔。
あの時のデッサンも後手からは66桂、先手からは44桂であった。


112手め33金の場合 No: 8920 [返信][削除]
投稿者:マシュダ一家 06/02/04 Sat 19:58:47

112手めに33銀引きではなく33金ならば13地点は狙われなかった。その場合23歩の叩きが気になるが強く同玉。以下同様に進んでも46λは24銀で封鎖されている。25歩には35銀が馬アタリ。
129手め78金は同飛が龍アタリのため二枚角の威力で切れる。
そこで57金だが18龍で香を取るハメになったのは皮肉。
130手目25同金は時間がない場合仕方ない。羽生に歩が三枚ある時は怖い。後手の香まで歩二枚で取られた。
136手目22歩は森内も舌巻いた図。
137手目48香は先手自前の礎石45歩への連結+18龍阻止の双頭手。
手の価値が違う。
59角にはまたしても49銀。森内46歩には58馬で金+成桂取りの緩急自在。念願の44桂も実現し最初の構想へ繋がる。


104手め86歩 No: 8919 [返信][削除]
投稿者:マシュダ一家 06/02/04 Sat 19:33:30

93桂かと思ったら森内は104手め86歩。これは逆転のチャンスっぽい。同歩はないが同銀か放置。
羽生は二枚角連動しか思考しないとだけは判っている。
77地点が空くと77角の王手双頭手から入る。その後どうやって連結させるのか。
羽生の構図は69成桂の瞬間に57角への繰り換え。
58龍に46馬で13地点を狙うという法外な構図。
素晴らしい。見たことがない。
57金には同馬で今度はお荷物だったナマ飛車と連結して龍アタリ。
なんと呼ぼう?


100手目49飛成 No: 8918 [返信][削除]
投稿者:マシュダ一家 06/02/04 Sat 18:28:45

100手目49飛成は現地なら68金や28金など打たせないと言う気迫と読む。ネット上観戦者は先手がナマ飛車を受けに使ったのでナマ殺しと読む。次に69金は困るので先に58銀。同桂成に同飛はまだモッタイナイので羽生は78飛。後手はナマ殺し選択なので18香は取れない。これで序盤で18香か17香かという議論は今回もない。
78飛は単に逃げの手なので丸でダメだが49龍の1手分で香取りがなくなったばかりか金桂角に歩が三枚あるのでまだ粘る。
森内は歩を入れると龍成り桂持ち銀の4枚攻め。先手が反撃すると駒補充もあるのであとは入玉されないように攻めるだけ。


99手目77銀 No: 8917 [返信][削除]
投稿者:マシュダ一家 06/02/04 Sat 18:15:24

99手目同銀はNo: 8916で負けなので羽生は77銀。77角はモッタイナイのでバックステップで。68金同金18龍には82馬の天馬効果で28金19龍29歩。67香阻止と同時に25香には28香成同馬があるので2手分で19馬+仮想番消去可能。28金打は入玉阻止ともなり得る。


94手目67馬! No: 8916 [返信][削除]
投稿者:マシュダ一家 06/02/04 Sat 18:04:22

森内は94手目67馬。会場から溜息が漏れたかもしれない。
オシッコ漏らすより興奮する。角を渡すと先手から飛車打+11角もあるが今度は先手に金がないからと後手が甘く誘って逆に12玉で凌ごうとしているワケではない。同金には飛車打が王手香取りなので香の合い駒という選択肢が魅力と言うワケでもない。41歩は底歩にならないが51香や31香なら一応合い駒になる?でも康光も39香で負けている。
昔の研究会を二人は内心笑いながら思い出しているかもしれない。
そこで当たり前のオプション選択。
95手目67同金には先に後手からの飛車打が王手なので先手が合い駒をしないといけない。68桂や68角なら桂成。
飛車合いなら藤井もニヤける58金打以下同銀同桂成同飛同飛成68金18龍なら会場から悲鳴が沸き起こる。


93手目69銀打まで 天童の重石反転 No: 8915 [返信][削除]
投稿者:マシュダ一家 06/02/04 Sat 17:46:26

森内が勝負を延ばしたので85手目48飛で47歩成阻止。先に23歩はハッキリしないのでまずは1手相手にムダな手を指させる。
予定の37馬飛車アテにはやはり予定の46角で馬飛車取り。
同馬同飛車64角は49飛に86角切りがすぐにないので緩手。45歩の礎石を補強する飛車を取る。
後手飛車を取る前に23歩王手は87手目に1歩貰って持ち歩4枚になったため気楽に。森内は同金だがこれは重石なので打得となった。
後手が欲しいのは金。だから92手目58馬。同金は78飛の一手詰みなので羽生は93手目69銀打。駒アタリ偶数番2だが羽生は仮想駒アタリ奇数番3解釈しているかもしれない。先手からはやはり44桂打ちが一手詰みを見せる詰めろ。金を入手できれば自陣再構築も可能。6筋に歩も立つ。
森内の陣形は天童の重石を想起させる。


経験値でビビる場合 No: 8914 [返信][削除]
投稿者:マシュダ一家 06/02/04 Sat 17:29:50

そういえば今日は渡辺明が棋王戦挑戦者決定戦解説を昼の囲碁将棋ジャーナルでやったらしいが見なかった。なにかズレている。
今日は郷田が相手なら森内は84手目47歩成であろう。相手が羽生なので以下23歩成同金24歩或いは13角成で負けと経験値で思ったかもしれない。24歩に33金は23銀31玉でも34銀成同金同飛の飛車切り以下23歩成が詰めろで後手負け。郷田相手ならシノギを考えたかもしれない。その場合玉は23銀打を同金と取り右翼脱出できるかだが64地点は19馬の利きがあるとしても35角出が45歩礎石を利用する継続手。以下63玉は森内は読まない。シノギ以前に後手から下段飛車打ちしかないのでは先手玉が2手スキ。79銀98玉に88に打つ金がない。経験値でビビる場合もある。


69手目46歩を巡る応酬 頑固か懐柔か No: 8913 [返信][削除]
投稿者:マシュダ一家 06/02/04 Sat 17:05:20

69手目46歩が羽生の新規駒アタリ奇数番1。
森内は同歩と取らずに24歩だが駒アタリ偶数番2となってしまった。
切らせて勝つのではなく46歩を緩手にして攻め合うつもり。46歩を後手が放置すれば先手から45歩の1手も必要になるのでその2手分で先攻できるはずと。
おかげで71手目13歩が恰好の駒アタリ奇数番3となってしまった。
24歩と13歩は一組のために69手目46歩が分岐となる。
以下清算後に76手目86歩で新規駒アタリ奇数番1を後手が奪取。
代償は45歩の位。
羽生は奇数番1即時解消に86同銀。86同歩は継ぎ歩で負け。
今週敗着になった86同歩もある。後手は桂が参戦していないので綾を求めて1歩捨てたがそれは69手目46歩を同歩と取らなかった方針なので首尾一貫と読むしかない。先手はそれを頑固一徹と読み換える。
すぐに飛車切りはないのでまず19角成からだが80手目先に46歩は48飛。81手目25歩は66桂を質駒計上すれば仮想駒アタリ偶数番2。82手目は46歩+45歩を敗着にする念願の46歩垂らし。47歩成を受けては綾が消えるので24歩で1歩獲得。これで先手が1歩損のみで歩を互いに三枚持ちあったことになる。
森内は47歩成とせずに23歩成の銀取り王手を嫌って24同銀だがこれは先の「首尾一貫或いは頑固一徹」と方針が違う。


68手目まで No: 8912 [返信][削除]
投稿者:マシュダ一家 06/02/04 Sat 16:38:38

45手めで65歩だが本譜の場合は6thアタックになっている。
結果が同じようでもこれは違う。先手矢倉からの6thアタックは無理攻めなのになぜそれが可能なのか。それは65歩が駒アタリ奇数番1を作成しつつ7thを作成する為。中盤入り口では駒損勘定が優先される。だから46手めは46角切りも有り得ない。
47手目25桂攻撃手は仮想受動駒アタリ奇数番1。後手に25銀と桂を取る権利を仮譲渡している。
48手目42銀で後手からの7thアタックはない。先に歩損する為。
49手目17香と1回パスしても後手には93桂と言う有効な手がある。従って49手目は先手が7thアタックを敢行しないと98香から穴熊を目指すことになる。その場合25桂が質駒となって7thアタックの権利は後手に完全譲渡される。
49手め35歩2-7アタックで開戦。以下7-6-5-4の進行。
56手めで先手が3歩損無理攻めに見えるが角換り腰掛け銀ではよくある。57手め35角で歩切れ解消できるのが命綱。24歩阻止にもなっている双頭連動手。歩切れ解消のBPが大きいので細い攻めでも赤い糸のように繋がる。
58手め34歩以外は後手の歩得を主張できない。
59手め68角では4通り逃げ場がある。68角は気分か妥協か必然か。羽生は渡辺明と同じ手を選択したように見せかけている。相手を油断させるために同一手順を踏む場合がある。午後は公開対局であった。
60手め24歩以外の4thアタックは方針と違う。
61手め12歩は駒アタリ偶数番2-4。
63手目で再度歩切れ解消。64手目23銀打で24歩を狙う。
65手目46角は後手が銀を手放したので63銀打狙い。それを追って45歩が新規駒アタリ奇数番1で歩間2解消の新規5th。これは悪手だが仕方ない。羽生が対渡辺明戦で不満を感じたはずの手も恐らくこの65手目45歩。
渡辺明は68角だったが羽生がここで手を換えた。
67手目57角。これは「気分か妥協か必然か」の前出68角とは違う。
45歩によって次に66角が王手になるため。
そこで森内は65歩双頭手で66角阻止と角筋開通式。この65歩は後に66桂の礎石になるので三頭手解釈も出来る。66桂は康光が羽生相手に躊躇した手だが森内はためらわない。


閑話休題 気分か妥協か必然か 三通りは一通り No: 8911 [返信][削除]
投稿者:マシュダ一家 06/02/04 Sat 13:46:08

59手目68角で昼食休憩。
まったくルートが違うのに同一局面になった場合その理由は三通りしかない。
気分か妥協か必然か。
恋愛なら三通りは一通りと言い張れる。
気分で恋し妥協で結婚し最後は「必然の出会い」とツガイは言う。
蝶番ならどうか?
マスメ0にあの駒が気分で侵入することは有り得る。
妥協には二通りある。
1=商業将棋は勝敗を見せないと価値が生じない。
2=最善が不明=時間不足を理由に経験値に頼る。
でも二人は最後に「あの時が必然の出会い」と言う。


56手め64同歩の思い出 No: 8910 [返信][削除]
投稿者:マシュダ一家 06/02/04 Sat 13:26:14

46手めで羽生は嫌なことを思い出す。現在羽生の13連勝は最後に渡辺明に負けた時から数える。手順はまったく違うが46手めで下記棋譜と同一局面となる。以下の仕掛けもまったく同じ。

日時:2005/09/24(土)
棋戦:第13期銀河戦本戦 準決勝
戦型:相矢倉37銀
先手:渡辺 明
後手:羽生善治
▲7六歩 △8四歩 ▲6八銀 △3四歩 ▲6六歩 △6二銀
▲5六歩 △5四歩 ▲4八銀 △4二銀 ▲5八金右 △3二金
▲7八金 △4一玉 ▲6九玉 △5二金 ▲7七銀 △3三銀
▲7九角 △3一角 ▲3六歩 △4四歩 ▲6七金右 △7四歩
▲3七銀 △6四角 ▲6八角 △4三金右 ▲7九玉 △3一玉
▲8八玉 △2二玉 ▲4六銀 △5三銀 ▲3七桂 △9四歩
▲1六歩 △1四歩 ▲2六歩 △2四銀 ▲3八飛 △7三角
▲1八香 △9五歩 ▲6五歩 △8五歩 ▲2五桂 △4二銀
▲3五歩 △同 銀 ▲同 銀 △同 歩 ▲1五歩 △同 歩
▲6四歩 △同 歩 ▲3五角 △3四歩 ▲6八角 △2四歩
▲1二歩 △同 香 ▲2四角 △2三銀 ▲4六角 △4五歩
▲6八角 △2四歩 ▲1三歩 △同 桂 ▲同桂成 △同 香
▲2五歩 △同 歩 ▲3七桂 △3三桂 ▲4六歩 △6五歩
▲4五歩 △2六歩 ▲2四歩 △1二銀 ▲4四歩 △同 金
▲4八飛 △4五歩 ▲同 桂 △同 桂 ▲4六角 △同 角
▲同 飛 △3五角 ▲7一角 △4六角 ▲4四角成 △3三桂
▲4一銀 △3八飛 ▲6八歩 △2四角 ▲5四馬 △4三歩
▲5五馬 △5七桂成 ▲同 金 △同角成 ▲8二馬 △3一金
▲6七金打 △3五馬 ▲5二銀成 △1八飛成 ▲6四馬 △5三歩
▲7二飛 △3二金打 ▲5四桂 △4一香 ▲4二桂成 △同 香
▲5三成銀 △6六桂 ▲同 金 △同 歩 ▲4二成銀 △6七金
▲7九銀 △4二金上 ▲同 馬 △7八金 ▲同 銀 △4二金
▲2四歩 △同 馬 ▲4二飛成 △3二金 ▲3六桂 △6七銀
▲7九金 △4二金 ▲2四桂 △4九飛 ▲6七歩 △同歩成
▲6八歩 △7七と ▲同 銀 △5七角 ▲1二桂成 △同 玉
▲7八金打 △6六桂 ▲同 銀 △同角成 ▲7七銀 △6九銀
▲同 金 △同飛成 ▲7九金打 △7八龍 ▲同 金 △6九銀
▲2一銀 △2三玉 ▲6六銀 △6七歩 ▲2五香 △同 桂
▲1二角 △3三玉 ▲5五角 △2四玉 ▲4六角 △3三玉
▲4五桂 △4四玉 ▲3四角成
まで177手で先手の勝ち

56手め64同歩は王座戦で羽生が渡辺明に見せた手。
2003.10.15王座戦第5局 羽生善治VS渡辺明 相矢倉 歩の鏡像
何度も触れたが2003年で羽生が最も自画自賛した手が56手め64同歩。(日経インタビュー)
今回羽生は37桂から誘導したがむしろ森内がこの形に誘った。そして羽生と同じ56手め64同歩。
上記のリターンマッチで羽生は今週の谷川同様桂を歩で取ろうとしている。棋王戦第1局の標題が「桂の高飛び歩の餌食」では困る。


序盤戦の構造反転 No: 8909 [返信][削除]
投稿者:マシュダ一家 06/02/04 Sat 12:03:04

42手め94歩で4-5構造へ。これで対等の構造。45歩5thアタックが成立しないのは25桂とまだ跳ねていないため。3-5奇数番構造から後手が攻める時はすでに後手が作戦勝ちの場合だけ。
43手めの先手からの5thアタックは25歩と65歩しかない。どちらも先手の一貫性がない。そこで三度先手から逆行歩間構造へ。18香は4-5構造の平衡を維持しつつ19角成の未然阻止だが飛車に守られている点が17香と違う。17香は18飛の雀刺しが可能に見えるが38飛とした1手分の方針をここでは換えない。
44手め95歩で後手から一挙に3-6構造へ反転。
4-5構造の偶数-奇数が3-6構造の奇数-偶数になる。
これで序盤終了。


歩間理論へ 奇数番構造相転化を牽制の偶数番へ No: 8908 [返信][削除]
投稿者:マシュダ一家 06/02/04 Sat 11:34:58

後手は最初の駒アタリ奇数番1を64角の三頭手で取った。それに対応する双頭手37桂。三頭手である由縁は31玉を可能にした空間開放手となっため。後手が3rdアタックの駒アタリ奇数番1を取れたのは先手68角のため。
34手目85歩で歩間2-4構造へ。15年前の谷川は35手め16歩で3-4構造にしたが羽生は35手め57銀で逆行歩間2-4。
森内は森下が竜王を取り損ねた73銀ではなく24銀で平行歩間2-4。
後手からの攻撃手が平行歩間3-4では先手が勝つ。
37手46銀が逆行歩間2-4を土壌にした腰掛け銀四辺形作成攻撃手。
ここで先手が後手作成の構造を相続しつつ進軍できるのは73銀が後手負けのため。57銀の双頭力で73銀が牽制されている。
では平行歩間2-4でも後手から攻めの構築は不可能だったのか?
36手め24銀は25桂に備えつつ35地点に利かしているが、これが手損角換りならば後手の85桂前に86銀は緩手にされた経緯が昨年の竜王戦でもある。矢倉ではどうか。35手め94歩は緩手。それは「後手からの攻撃手が平行歩間3-4では先手が勝つ」と言う矢倉の教訓。同様の理由で14歩もない。だから指すとすれば24銀か53銀以外に商業将棋では顰蹙を買う31玉や12香しかない。73桂はブランコ後進のため後手負ける。それほど46銀腰掛け銀四辺形の威力は絶大。
39手め16歩は逆行構造以降先手から初めての構造相転化。ここで初めて谷川16歩のように先手からの3-4構造となる。
40手目は完全ブランコ後進の14歩に見えるが歩間理論では脱3-4構造。これで「後手からの攻撃手が平行歩間3-4では先手が勝つ」という呪縛から開放される。後手が2-5構造へ構造相転化した場合先手からの5thアタックを許すと負ける。しかし41手目で先手からの5thアタックは65歩しか存在しない。それでは先手負けるので羽生は41手目26歩で3-5奇数番構造へ構造相転化。
では次に有効な5thアタックは存在するか?
後手にはない。従って後手は奇数番構造相転化を牽制の偶数番へ戻すことになる。


自陣駒アタリ原理 駒アタリの表裏 玉の移動をめぐり No: 8907 [返信][削除]
投稿者:マシュダ一家 06/02/04 Sat 10:45:03

37桂を見て次に思い出すのが自陣駒アタリ原理。
1991年竜王戦第7局分析 進軍途上で無駄な自陣二重駒アタリがない37桂
以下当時の分析から引用。
「棋譜は時間を超えて生きている。
最終局で当家が見たかった37桂を谷川が指している。
12年前の彼が今日の我々の希望を叶えてくれた。
このようなことはよくある。棋譜をひとつひとつ初手から辿って行くと彼らの思考と一致するために次に何が見たいかの趣向も一致してしまう。予言めいたことなど言う必要もない」

羽生が37桂を指した時の感慨や郷愁は森内も同時間で共有している。
恐らく我々が想像もできない怨念を孕んで。
言い知れぬ怒気。当時の分析を再読する。

「29手め37桂の構造仮定
1相転移=駒アタリ予備2=0
2相転化=駒アタリ奇数番5=25-35-55-65-75
3相停滞=仮想駒アタリ予備2=37-46

この構造は複雑な為に仮定とする。我々にも分からない。谷川は家元に直接聞いているが森下にも後手の指し方がわからない。
そこで別の視点が必要となる。
この局面で後手は何を指せるか?森下は31玉とした為に上記の構造はそのまま先手が引き継ぐことになる。
これは構造全ての波長を逆にしなければならないということ。
駒アタリには表と裏がある。その表裏がすべて逆になってしまうのであろうか?
そこで今回の新作自陣駒アタリ法を適用する。
30手めの31玉を見る。
この31玉の移動によって21桂馬を玉が守っている。そして玉の居る31地点を32金が守っている。玉が居る地点自体を駒が守っていると考えるのはおかしいが玉が21桂馬を守っている自陣駒アタリは明解に有利と眼に見える。即ちシーケンスのみを相転換する「手待ち」などでは有り得ない。
31手め88玉はどうか?
これは87地点を二重に自陣駒アタリとしつつ99香を守っている。後者も変態思考。香車は玉を守る駒であって玉に守られては主従関係が逆転。
そしてもうひとつ気になるのが97地点の自陣三重駒アタリ。
この88玉はクドイ。
32手め22玉=ところが後手はこのクドサに付き合ってしまうのであった。行き着く所はあの37桂であった。
36手め73銀=森下の敗着1。自分で自分の構築したシステムに挑戦しているようであるが、実態はすでに負けを自認しつつ壁に自分の頭をぶつける行為。
37手め57銀=先手優勢。以下65歩の双頭手から66銀と盛り上げて典型的な森下システム必勝の構図。
29手めの局面を作ってはいけない。では戻る。
29手め37桂の構造仮定
1相転移=駒アタリ予備2=0
2相転化=駒アタリ奇数番5=25-35-55-65-75
3相停滞=仮想駒アタリ予備2=37-46
もっと食い込まないといけない。
ここで右銀の自陣駒アタリを見る。

29手め37桂の局面における双方の右銀自陣駒アタリ
先手48銀=37+47
後手62銀=63
これは明解な相違であった。先手の方が自陣駒アタリがひとつ多い。36手めの局面。73銀の自陣駒アタリは64+74であるが内訳を見れば銀で角を二重に守っている。先手は37地点が二重自陣駒アタリのために飛車がいつでも動ける状態にあるが、後手の角は銀で二重に守る必要がない。自陣駒アタリの原理では先手は優位となる。
別の視点。後手銀は進軍する途上で無駄な二重駒アタリを強いられた。
先手の桂馬は同様に進軍途上で無駄な二重駒アタリがない為に変幻自在。もともと森下システムの優秀性は本譜がその典型であるように敵の進軍を先読みしながら右銀が57地点から46or66地点への進行をどちらでも選択できることにある。これらの常識を数値で説明するには自陣駒アタリが最もわかりやすい」


21手め36歩をめぐるブランコの原理 34歩とは何か? No: 8906 [返信][削除]
投稿者:マシュダ一家 06/02/04 Sat 10:21:24

相矢倉37桂を見るとブランコの原理創作時を思いだす。

1989年第2期竜王戦 島朗竜王VS羽生善治 ブランコの原理
「21手め36歩36歩。ここで先手は駒アタリ奇数番1予備を35地点に作成した。もしここで歩交換が成立し同角に対して手順に68角と引けば先手が1歩手持ちとするだけでなく手得となる。後手はこの順を咎めることが課題であった。そこで36歩には44歩とすることが定跡となっている。先手が駒アタリ奇数番1の権利を行使すれば金銀で盛り上げて後手が抑え込みに成功する。従ってこの3筋の歩の運動をブランコ運動と呼ぶべきである。この地点は未だに先入観の鉄塊に固められている。この36歩は我々には何度見ても驚異的である。この歩が突かれると後手は当然のごとく44歩と突く。完璧な定跡のごとく扱われている。だから矢倉がマンネリ化した。54-56と突き合い、ここで34-36の形が出現すると我々は腰掛け銀の四辺形を真っ先に想起する。37銀から46銀と進出して完成するこの腰掛け銀の四辺形はダイヤモンドの輝き。ところが棋界ではこの46銀を腰掛け銀とは呼ばずに単に「歩腰し銀」と呼ぶ。腰掛け銀の四辺形という概念が彼らに最初から欠如している為。腰掛け銀と呼ぶのは角換り腰掛け銀のように完成度の高い戦法においてのみであり、角換り腰掛け銀では銀が56-54地点で見合う。だから同じ機能を有しているようでも46地点の銀は「歩腰し銀」と呼ばれているのであった。
なぜこのような先入観にまみれたのか?
それは後手の34歩という手が角道を開ける一手として以外に認知されていなかったからである。34歩という一手を後手からの54歩と同じように位を取りに行く手と解釈すればこれは双頭手となる。このようなことは我々は耳にしたことがない。単に角道を開ける歩が双頭手であるなどと誰もが考えなかった。ところがそのように説明しないと将棋の初手最善手は26歩に決定してしまう。実際初手76歩が多く指されているのは、先手にとっても後手にとってもこの手が角道を開通するだけではないことを体験的に知っているからである。
そこで我々はこう考える。
「角道を開ける手とはブランコの前進運動である」
するとこの21手め36歩はブランコの後進運動と解釈することができる。これで35地点は駒アタリ奇数番の法則で直視する必要はない。35歩とぶつけたくてもできない理由はこのように説明することができる。先手が35地点に作成した駒アタリとは飾りのスペアタイア。駒アタリ奇数番予備1と表記する。ところが真の狙いはブランコの後進運動を前進運動に反転することなのである。前局で羽生が5筋のブランコ運動で最後に駒アタリ奇数番1を入手したように、この35地点でそれができればよい。ではどちらが最後に駒アタリ奇数番1を得るのか?それを予測するためにブランコの原理がある。
68角。この手が未だに連盟棋士間で問題視されている。これは35地点を駒アタリ奇数番1と直視した場合に明確に一手損だからである。この角を正当化する為に森下システムは構築された」


棋王戦第1局 羽生先手 相矢倉37桂 第一次&第二次歩間3-3 No: 8905 [返信][削除]
投稿者:実況&分析マシュダ一家 06/02/04 Sat 10:07:42

王将戦に続いてまたしても羽生先手。振り駒が特権化している場合譲渡理論+制権理論で。
24手めまでに85歩を入れない場合74歩が後手の3rd作成手。
25手め68角で羽生は待機し逆行3rdへ。
第一次平行歩間3-3=43金+71玉。
28手目64角で後手からの3rdアタック。
羽生は37桂双頭手で。
第二次平行歩間3-3=31玉+38飛。