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2005.09.23王位戦第7局エピソード1 三大強迫観念とカーテン言語
2005.09.23王位戦第7局エピソード2 最終局の葛藤 誰が千日手にするのか
2005.09.23王位戦第7局エピソード3 抗し難い角換り腰掛け銀全面駆使への誘惑

王位戦第7局エピソード3 抗し難い角換り腰掛け銀全面駆使への誘惑 No: 8332 [返信][削除]
 投稿者:マシュダ一家  05/09/23 Fri 20:03:01

本譜の72手め23同金の局面。
ここで73手め85銀から35桂狙いは王手でないので37歩成で後手圧勝。
73手め52角は飛車移動以下44歩や85銀をトッピングで入れても42金+59角で先手勝てない。本譜よりかなり追い込めるが13玉で後手に温泉勝ちされたら形も作れない。従って連盟将棋では本譜以降誰もこの局面を作成しないはず。
当日の唯一の期待は25桂タダ捨てから飛車切り変化だったが羽生は容赦しなかった。74手めに先に59角を決められては先手負け。
73手め44歩+25桂は今度は桂を取ってくれない。

先手:73手め44歩+25桂
後手:80手め37歩成
▲7六歩 ▽3四歩 ▲2六歩 ▽3二金 ▲7八金 ▽8四歩
▲2五歩 ▽8八角成 ▲同 銀 ▽2二銀 ▲3八銀 ▽3三銀
▲4六歩 ▽7二銀 ▲4七銀 ▽6四歩 ▲6八玉 ▽6三銀
▲7七銀 ▽9四歩 ▲9六歩 ▽4二玉 ▲1六歩 ▽1四歩
▲5八金 ▽7四歩 ▲3六歩 ▽5二金 ▲5六銀 ▽5四銀
▲7九玉 ▽3一玉 ▲3七桂 ▽4四歩 ▲6六歩 ▽4三金右
▲4八飛 ▽7三桂 ▲8八玉 ▽2二玉 ▲4五歩 ▽8五桂
▲8六銀 ▽6五歩 ▲4四歩 ▽同 銀 ▲7三角 ▽8一飛
▲4五歩 ▽3三銀 ▲6五歩 ▽9五歩 ▲同 歩 ▽7五歩
▲同 歩 ▽3五歩 ▲4六角成 ▽8二角 ▲6四歩 ▽6一飛
▲6七金右 ▽6六歩 ▲同 金 ▽6四角 ▲同 馬 ▽同 飛
▲6五歩 ▽6一飛 ▲2四歩 ▽同 歩 ▲2三歩 ▽同 金
▲4四歩 ▽同 銀 ▲2五歩 ▽3六歩 ▲2四歩 ▽同 金
▲2五桂 ▽3七歩成 ▲4四飛 ▽同 金 ▲投了
82手で後手の勝ち

先手は手番を握っても後手からの69飛が双頭手。66金が浮いているので寄せ合い負け。この局面までに15歩が入っていないと先手勝てない。ところが36歩の方が早いために15歩を入れる余裕がない。あるとすれば本譜の進行では封じ手までの局面なので36歩に対抗するには24歩から25桂に期待するしかなかった。
64歩以後は先手に勝ちがないので最初に戻る。55手め64角成は初めて登場する誘惑に満ちた局面なので羽生は82角で千日手にしない。これなら15歩が有り得る。基本は25歩を玉脱出の礎石とすること。

55手め64角成で盤面全てを使う場合1
先手:55手め64角成
後手:56手め76歩
▲7六歩 ▽3四歩 ▲2六歩 ▽3二金 ▲7八金 ▽8四歩
▲2五歩 ▽8八角成 ▲同 銀 ▽2二銀 ▲3八銀 ▽3三銀
▲4六歩 ▽7二銀 ▲4七銀 ▽6四歩 ▲6八玉 ▽6三銀
▲7七銀 ▽9四歩 ▲9六歩 ▽4二玉 ▲1六歩 ▽1四歩
▲5八金 ▽7四歩 ▲3六歩 ▽5二金 ▲5六銀 ▽5四銀
▲7九玉 ▽3一玉 ▲3七桂 ▽4四歩 ▲6六歩 ▽4三金右
▲4八飛 ▽7三桂 ▲8八玉 ▽2二玉 ▲4五歩 ▽8五桂
▲8六銀 ▽6五歩 ▲4四歩 ▽同 銀 ▲7三角 ▽8一飛
▲4五歩 ▽3三銀 ▲6五歩 ▽9五歩 ▲同 歩 ▽7五歩
▲6四角成 ▽7六歩 ▲8五銀 ▽同 歩 ▲1五歩 ▽6六角
▲7七歩 ▽5五銀打 ▲同 銀 ▽同 角 ▲同 馬 ▽同 銀
▲4四銀 ▽同 金 ▲同 歩 ▽同銀引 ▲4五桂 ▽同 銀
▲同 飛 ▽6六桂 ▲1四歩 ▽5八桂成 ▲1三銀 ▽同 桂
▲同歩成 ▽同 香 ▲同香成 ▽同 玉 ▲1九香 ▽1四歩
▲2六桂 ▽7七歩成 ▲同 桂 ▽2二玉 ▲4四桂 ▽同 銀
▲同 飛 ▽7六桂 ▲9七玉 ▽9五香 ▲9六歩 ▽7五角
▲8六銀 ▽同 歩 ▲1四桂 ▽1二玉 ▲1三歩 ▽同 玉
▲2二角 ▽同 金 ▲同桂成 ▽投了
105手で先手の勝ち

最終盤の誘惑コンセプト
1=66桂を打たせて金を捨てる=58金は手番奪還の犠牲駒。
2=桂を故意に渡して76桂からの即詰み手順で後手を誘う。
3=桂取り同銀を同飛と取った44飛が詰めろ逃れの詰めろ。
4=後手は95香で勝ちと言う構築を逆に利用して誘惑する。
X=84歩と25歩の戦いであった。85歩を強いて25歩が顔。
最終盤は74手めから恒例の1分将棋。それでも先手玉が詰んでいた場合は仕方ない。19香まで使えたら先手は満足。後手も自前の即詰み手順を披露できるなら千日手にはしない。全面駆使の誘惑は人間には抗し難い。それが角換り腰掛け銀の命題でもあった。


王位戦第7局エピソード2 最終局の葛藤 誰が千日手にするのか No: 8331 [返信][削除]
 投稿者:マシュダ一家  05/09/23 Fri 18:47:29

手損角換り腰掛け銀は85桂を許すと千日手になりやすい。 だからこそ王位戦第7局で当家は37手めの88玉を問題視。以下の作成図は大元が37手め48飛でしか用意していなかったようなのでそのまま使用。分岐で同じになる。
45手めは飛車狙撃の角打ちは81飛角成後に82角で千日手。そこで1歩獲得の44歩となる。65歩の方を取ると火に油。陣形は後手の方が43金型で圧倒的に固いので先手は85桂を許したら局面を沈静化しないといけない。49手め45歩は82地点に打つと2歩で負ける。それが誰にもひとめであるように44手めの局面も同じ。こうした局面は作図コンセプトを先に作成すればその場で読む必要はまったくない。抽象的な記号連鎖より明解な言語の方がより理に近い場合もある。それは王位戦第7局全体のコンセプト図を本譜と比較してもよく判る。
51手め65歩は歩得誇示ではなく消去法から指されている。同銀は貰った手番で69銀が先。85銀も同様に69銀を残すので手番を渡し角銀持った後手が勝ち。放置は66歩で逆に歩損歩切れで負け。ここですでに43金型と58金型の相違が露呈。
52手めは今度82角では64角成同角同歩で先の66歩が連動手となって72角+63歩成が残る。彼等の将棋では連動手を与えただけで不利。これは当家分析のおかげでB1棋士もナニも読まずにそう指している。以前は切った貼ったがB級将棋の見せ物だったがそれもMF分析のおかげで激減した。指す手がないので52手めは95歩。1歩持てば先手でも15歩をやりたいくらいなので85桂まで跳ねていれば誰でもこう指したい。代わりに35歩は同歩なら36歩で桂が殺せるようでも誰も同歩とは決して取らない。通常の受けは47金だがこの場合は46角成82角に64歩と千日手回避できるばかりか突いた35歩が即時傷になる。35馬ならまだマシだが35歩と逆に位を取られたら26桂や34桂が残って困る。
封じ手は同歩。羽生が封じ手15分程前に18分消費で指したので康光も18分消費で封じた。
ここでは二人とも時間を惜しんでいるようだがすでに棋聖戦で了解済み。だから康光が時間を羽生に合わせて調整。
二日目の54手め75歩も何か駒アタリ奇数番1を指さないと46角成で負け。それぐらい44手め65歩と言う手は忙しい。いずれも棋聖自ら棋聖戦前に入念に準備した手順と羽生は思ったので素直にマネしている。羽生は谷川同様修正主義と実利主義を貫かないとタイトル保持ができなかった。好意的に見れば序盤の課題を少しだけ残して楽しみを後世に与えた。その代わり今は自分達から派生した変化でやってみようと。これは角換り腰掛け銀の場合森内も同じ。一言で共同ブランドへのこだわり。
問題3の55手め75同歩には最低みっつの意味がある。
1=46歩を阻止して逆に歩得。
2=66角なら先手勝ちと挑発。
3=千日手要請&阻止の単独芝居。
内訳は実況&分析参照。
結果羽生はマシュダ一家変化から82角千日手手順を選択せざるを得なかった。これがあることは前回の実況&分析でも触れた。しかも82角の影を慕って54手めまで指されたと彼等の棋譜が語っている。出したくないが出さないと負ける。次に35歩と逆に取られたら後手は即投了。
康光が54手め75歩を指した理由は棋譜が語る通り千日手阻止の59手め64歩。ここで82同馬なら実況&分析通り千日手になる。問題は千日手が誰の意思で発生したかと言うこと。康光は羽生にそれを強制したので羽生は仕方なく82角とした。ここが当家変化54手め65角成と決定的に違う。康光は自ら強制した千日手を自ら回避し64歩で負けた。
61手め35馬変化は26馬では後手から角切りで桂を取られて先手負け。

先手:61手め35馬
後手:64手め65銀捨て
▲7六歩 ▽3四歩 ▲2六歩 ▽3二金 ▲7八金 ▽8四歩
▲2五歩 ▽8八角成 ▲同 銀 ▽2二銀 ▲3八銀 ▽3三銀
▲1六歩 ▽1四歩 ▲4六歩 ▽7二銀 ▲4七銀 ▽6四歩
▲6八玉 ▽6三銀 ▲5八金 ▽4二玉 ▲5六銀 ▽5二金
▲6六歩 ▽7四歩 ▲7七銀 ▽5四銀 ▲7九玉 ▽3一玉
▲3六歩 ▽9四歩 ▲9六歩 ▽4四歩 ▲3七桂 ▽4三金右
▲8八玉 ▽7三桂 ▲4八飛 ▽2二玉 ▲4五歩 ▽8五桂
▲8六銀 ▽6五歩 ▲7三角 ▽8一飛 ▲4四歩 ▽同 銀
▲4五歩 ▽3三銀 ▲6五歩 ▽9五歩 ▲同 歩 ▽7五歩
▲同 歩 ▽3五歩 ▲4六角成 ▽8二角 ▲6四歩 ▽6一飛
▲3五馬 ▽6四角 ▲2六馬 ▽6五銀 ▲同 銀 ▽3七角成
▲同 馬 ▽6五飛 ▲6七金右 ▽7七歩 ▲同 桂 ▽同桂成
▲同 銀 ▽8五桂 ▲7六銀 ▽6七飛成 ▲同 銀 ▽7七歩
▲7九金 ▽9五香 ▲同 香 ▽9六桂 ▲9九玉 ▽9七歩
▲8九銀 ▽9八銀 ▲同 銀 ▽同歩成 ▲同 飛 ▽9七銀
▲2八飛 ▽9八金 ▲同 飛 ▽同銀成 ▲同 玉 ▽9七飛
▲8九玉 ▽8七飛成 ▲9九玉 ▽9七桂成 ▲投了
100手で後手の勝ち

変化中69手め67金が76桂打ちV2固め阻止。これでは飛車を切られて本譜よりヒドイことになる。反対側の96桂打ち鏡像V2固めまでは67金で阻止できないのは実況&分析変化同様。67金は既存コンセプト上でもすでに問題があった。羽生は同じ作図要項に従って本譜でも67金を強いている。この変化は仮に後手が31玉型だった場合でも飛車打王手で後手の攻め駒が抜けない。それほど84歩が強靭な存在感を示している。
この辺は彼等はチマチマ読まない。ひとめ桂香残って飛車銀桂歩の攻めならどう指しても後手勝ちに決まっている。9筋7筋6筋に歩を打ち放題では飛車角いらない。


王位戦第7局エピソード1 三大強迫観念とカーテン言語 No: 8330 [返信][削除]
 投稿者:マシュダ一家  05/09/23 Fri 16:56:31

全体に康光が奪取して当然の番勝負。挑戦者側の内容がいい。第6局までに決めてもよかったが連盟将棋の最終局には勝敗以外の思惑が絡む。
彼等が一番畏れていることは王位戦そのものが廃止されること。
主催側も陣屋までは用意したが最終局はレースのカーテンがぶらさがる狭い和室で敢行された。
そこで康光は背後のヒラヒラに聞いてみた。
ハブが王位でないと来年から各社降りると彼女は言っている。
最終局が外側だけ焦げて中味まで火が通らなかったケーキになった理由は第一義から派生。彼女の誕生日に気前よくブランドモノをプレゼントしたまではいい。でも来年はどうするか?一度贈ると来年のことを考えてしまうのが日本人が育んだ三大強迫観念。年賀状-御中元-御歳暮。死亡通知で終わればいいが葬式後も三回忌七回忌十三回忌とキリがない。13連破したら今度は大山超えの14連破シルと最近も唆されたばかり。
羽生も永世王位の法名もらったのだからいい加減やめたい。でも王位戦そのものが消滅したら困る。
そこでこう考える。ハブブラにすがらないと即廃止になる棋戦が王位-王将-棋王-王座だと。逆に言えば羽生がこの棋戦だけ頑張らないと先細りを示唆される。地方紙は礼儀を弁えているので棋士にも敬愛される。棋士の判断を風と共に仰ぐ。軍隊言語能力しかない読売担当記者は「言うこと聞かないと契約金下げる」と棋士に恫喝してしまった。だから竜王戦は羽生森内康光谷川にこぞって逃げられた。挙げ句に丸山や三浦にまで逃げられた。日本将棋連盟は産経新聞でもボロ雑巾扱いにしたキムカズを読売に転送してしまった。
あれは3年前。阿部が第7局まで指すと公言して必勝形から竜王奪取という寸前。読売記者は不快感を露骨に示す。アベは間引きされた。全棋士が知っている。どんな圧力がかかったのか。前年の木村の時はもっとひどかった。だからこそ木村を送った。ハゲ同士でうまくやってくれと。
今回の王位戦も第7局まで指すと康光は公言していた。青野は知っている。王位戦の台所事情と記者の噂話を。だから最終局はハブに勝たせてくれと言うカーテン言語も読めた。
昼に千日手にしろと指令が下り盤面はグチャグチャにされた。
陣屋の時も女将のせいにされた。袖の舌とはよく言う。
そう。四枚目の舌はアソコに生えていた。
すべて棋譜に刻まれた。康光がどうやって勝ちを逃し千日手を避け自分以外の判断に委ねたか。だから持ち時間は72分残した。その時間で当家は作図してみよう。