MashudaBBS2004.02.20-22 No: 4199-No: 4206
2004.02.20竜王戦4組2回戦 渡辺五段vs阿久津四段戦2 
自陣駒アタリの考察 矢倉1-8手め

1991年第4期竜王戦全局分析シリーズ2
(シリーズ1 第1-第3局)
第4局分析 森下VS谷川 森下システム
第5局分析 角換わり腰掛銀先後同型 相停滞仮想駒アタリから駒アタリ奇数番に逆行相転化する地点
第6局分析 森下システム攻略スズメ刺し 相停滞領域の仮想駒アタリ掌握
第7局分析
森下システム37桂 進軍途上で無駄な自陣二重駒アタリがない37桂


1991年竜王戦第7局分析 進軍途上で無駄な自陣二重駒アタリがない37桂  No: 4206 [返信][削除]
 投稿者:マシュダ一家  04/02/22 Sun 03:46:03

日時:1991/12/25-26
棋戦:第4期竜王戦第7局
戦型:森下システム37桂
場所:山形県天童市「滝の湯ホテル」
先手:谷川浩司 竜王
後手:森下卓 六段

▲7六歩 △8四歩 ▲6八銀 △3四歩 ▲7七銀 △6二銀
▲4八銀 △5四歩 ▲5六歩 △4二銀 ▲5八金右 △3二金
▲6六歩 △4一玉 ▲6七金 △7四歩 ▲7八金 △5二金
▲6九玉 △3三銀 ▲7九角 △3一角 ▲3六歩 △4四歩
▲6八角 △4三金右 ▲7九玉 △6四角 ▲3七桂 △3一玉
▲8八玉 △2二玉 ▲3八飛 △8五歩 ▲1六歩 △7三銀
▲5七銀 △8四銀 ▲6五歩 △4二角 ▲6六銀右 △7三桂
▲2五桂 △2四銀 ▲2六歩 △6四歩 ▲4六角 △6二飛
▲6四角 △同 角 ▲同 歩 △同 飛 ▲9六歩 △6五歩
▲5七銀 △7五歩 ▲同 歩 △同 銀 ▲7六歩 △8四銀
▲7二角 △8六歩 ▲同 歩 △8五歩 ▲8三角成 △4五歩
▲7五歩 △8六歩 ▲7四歩 △7五銀 ▲7三馬 △2五銀
▲8六銀 △同 銀 ▲6四馬 △7五銀打 ▲6五馬 △8七歩
▲7九玉 △2六銀 ▲8二飛 △4六歩 ▲5五桂 △4二金引
▲5四馬 △5二歩 ▲3二馬 △同 玉 ▲4三金 △2二玉
▲4二金 △1四歩 ▲3二金 △1三玉 ▲1五歩 △4七歩成
▲1四歩

まで97手で先手の勝ち

棋譜は時間を超えて生きている。
最終局で当家が見たかった37桂を谷川が指している。
12年前の彼が今日の我々の希望を叶えてくれた。
このようなことはよくある。棋譜をひとつひとつ初手から辿って行くと彼らの思考と一致するために次に何が見たいかの趣向も一致してしまう。予言めいたことなど言う必要もない。

29手め37桂の構造仮定
1相転移=駒アタリ予備2=0
2相転化=駒アタリ奇数番5=25-35-55-65-75
3相停滞=仮想駒アタリ予備2=37-46

この構造は複雑な為に仮定とする。我々にも分からない。谷川は家元に直接聞いているが森下にも後手の指し方がわからない。
そこで別の視点が必要となる。
この局面で後手は何を指せるか?森下は31玉とした為に上記の構造はそのまま先手が引き継ぐことになる。
これは構造全ての波長を逆にしなければならないということ。
駒アタリには表と裏がある。その表裏がすべて逆になってしまうのであろうか?
そこで今回の新作自陣駒アタリ法を適用する。
30手めの31玉のみを見る。
この31玉の移動によって21桂馬を玉が守っている。そして玉の居る31地点を32金が守っている。後者はひとめおかしい。玉が居る地点自体を駒が守っていると考えるのは変態である。しかし玉が21桂馬を守っている自陣駒アタリは明解に有利と眼に見える。即ちシーケンスのみを相転換する「手待ち」などでは有り得ない。
31手め88玉はどうか?
これは87地点を二重に自陣駒アタリとしつつ99香を守っている。後者も変態思考であろう。香車は玉を守る駒であって玉に守られては主従関係が逆転してしまう。
そしてもうひとつ気になるのが97地点の自陣三重駒アタリ。
ハッキリこの88玉はクドイ。
32手め22玉=ところが後手はこのクドサに付き合ってしまうのであった。これではイケナイ。そこでなんとかしようといろいろ工夫するのであるが行き着く所はあの37桂であった。
36手め73銀=森下の敗着1。自分で自分の構築したシステムに挑戦しているようであるが、実態はすでに負けを自認しつつ壁に自分の頭をぶつける行為。むしろ森下システムの優秀性を谷川にアピールして貰いたいということであろう。
37手め57銀=先手優勢。以下65歩の双頭手から66銀と盛り上げて典型 的な森下システム必勝の構図。谷川の終盤力では圧勝となるのはすでに眼に見えている。
そこで29手めの局面を作ってはいけないらしーと連盟棋士は感じているであろう。では戻る。
29手め37桂の構造仮定
1相転移=駒アタリ予備2=0
2相転化=駒アタリ奇数番5=25-35-55-65-75
3相停滞=仮想駒アタリ予備2=37-46
もっと食い込まないといけない。
ここで右銀の自陣駒アタリを見る。

29手め37桂の局面における双方の右銀自陣駒アタリ
先手48銀=37+47
後手62銀=63
これは明解な相違であった。先手の方が自陣駒アタリがひとつ多い。これを「そんなアホな」と言うならば36手めの局面を見ればよい。73銀の自陣駒アタリは64+74であるが内訳を見ればもっと後手は「アホらしー」。なんと銀で角を二重に守っている。先手がこの局面で37桂を二重に守っているより変態である。先手は37地点が二重自陣駒アタリのために飛車がいつでも動ける状態にあるが、後手の角は銀で二重に守る必要がない。自陣駒アタリの原理では先手は優位となる。
別の視点。後手銀は進軍する途上で無駄な二重駒アタリを強いられた。
先手の桂馬は同様に進軍途上で無駄な二重駒アタリがない為に変幻自在。もともと森下システムの優秀性は本譜がその典型であるように敵の進軍を先読みしながら右銀が57地点から46or66地点への進行をどちらでも選択できることにある。これらの常識を数値で説明するには自陣駒アタリが今日は最もわかりやすい。
37桂を四相にも組み込みたいが本譜の29手めでは当家にも仕訳が不明確。
これに勝って谷川は竜王防衛。翌年羽生を挑戦者に迎える。
この決着は翌年以降の竜王戦分析で追々明らかにされるであろう。
今日は丸山谷川の棋王戦第2局。


1991年竜王戦第6局分析 森下システム攻略スズメ刺し 相停滞領域の仮想駒アタリ掌握  No: 4205 [返信][削除]
 投稿者:マシュダ一家  04/02/22 Sun 02:21:23

開始日時:1991/12/16-17
棋戦:第4期竜王戦第6局
戦型:相矢倉森下システム
先手:森下卓 六段
後手:谷川浩司 竜王

▲7六歩 △8四歩 ▲6八銀 △3四歩 ▲7七銀 △6二銀
▲5六歩 △5四歩 ▲4八銀 △4二銀 ▲5八金右 △3二金
▲6六歩 △4一玉 ▲6七金 △7四歩 ▲7八金 △5二金
▲6九玉 △3三銀 ▲7九角 △3一角 ▲3六歩 △4四歩
▲6八角 △9四歩 ▲7九玉 △9五歩 ▲8八玉 △9三香
▲3五歩 △同 歩 ▲同 角 △7三桂 ▲3八飛 △6四角
▲4六角 △同 角 ▲同 歩 △4九角 ▲2八飛 △5八角成
▲5七金 △2五馬 ▲4七銀 △6四歩 ▲2六歩 △4三馬
▲6七金寄 △4二馬 ▲3七桂 △4三金右 ▲1六歩 △8五歩
▲2九飛 △3一玉 ▲2五歩 △6五歩 ▲同 歩 △8六歩
▲同 銀 △6五桂 ▲6六角 △8三飛 ▲2四歩 △同 歩
▲2五歩 △5五歩 ▲2四歩 △同 銀 ▲4五歩 △2七歩
▲同 飛 △8五歩 ▲同 銀 △同 飛 ▲9三角成 △8六歩
▲同 歩 △8七歩 ▲同 金 △8六馬 ▲同 金 △同 飛
▲8七歩 △7九銀 ▲同 玉 △8七飛成 ▲6八玉 △8八龍
▲7八香 △8九龍 ▲4四歩 △5三金 ▲2四飛 △2三歩
▲4三銀 △2四歩 ▲3二銀成 △同 玉 ▲4三銀 △同 金
▲同歩成 △同 玉 ▲4四歩 △同 玉 ▲4五歩 △5三玉
▲4四金 △4二玉 ▲4三金打 △5一玉 ▲5二金 △同 玉
▲4三角 △5一玉 ▲6五角成 △6六歩

まで118手で後手の勝ち

谷川が三度森下システムへ挑戦。現在2勝2敗なので森下はこれに勝てば竜王を角番に追い込める。
25手めまでNo: 4203参照。序盤はまだ手ぬるい。
26=94歩。第4局の反省を踏まえ谷川はスズメ刺しへ。この端攻めは森下システム攻略への指標として未だに結論がでていない。最近の有名な棋譜は以下のふたつ。
2003.11.12&13竜王戦第3局 羽生VS森内
http://www.bekkoame.ne.jp/i/yusai/031113ryuW.htm
2002.12.09&10 竜王戦第4局 阿部VS羽生
http://www.bekkoame.ne.jp/i/yusai/021210Ryuo4.html
いずれもマシュダ一家が応援した方が先後に関係なく勝ってしまうのは「ナンデダロー」と渡辺明なら歌うかも知れない。
28手め95歩の構造は以下
1相転移=駒アタリ予備2=55-96
2相転化=駒アタリ偶数番2=35-75
3相停滞=仮想駒アタリ予備2=46-64
29手め88玉=森下の敗因1。37銀が現在対スズメ刺しの主流

以下29手めの比較

29手め88銀
1相転移=駒アタリ予備2=55-96
2相転化=駒アタリ偶数番2=35-75
3相停滞=仮想駒アタリ予備2=46-64

29手め37銀
1相転移=駒アタリ予備2=55-96
2相転化=駒アタリ偶数番2=35-75
3相停滞=仮想駒アタリ予備1=46

違いは仮想駒アタリが37銀で奇数番になるということ。37桂でも同じ構造が作成できる。最善37銀-変態37桂となる。これは森下システムの進化過程と同じ背景。森下システム37桂型から37銀を連盟棋士は最善とした。ひとつ違うのは37桂は跳び蹴り準備によって相転化領域に加算する変化があること。セックスするのに正常位が最善と言う者はいない。

本譜31手め35歩の構造は以下
1相転移=駒アタリ予備2=55-96
2相転化=駒アタリ奇数番1=75
3相停滞=仮想駒アタリ予備1=46-64
4相転換=駒アタリ奇数番1実行=35
これで森下は負けにした。
仮定=仮想駒アタリ偶数番を残した状態で駒アタリ奇数番1を実行すると不利。
34手め73桂の構造は以下
1相転移=駒アタリ予備2=55-96
2相転化=駒アタリ奇数番1=75
3相停滞=仮想駒アタリ予備2=64-85
相停滞領域の仮想駒アタリはすべて後手が掌握している。73桂は46角を無効にしつつ85桂という連動手を見せる双頭手として指されている。当然後手勝勢となる。34手めの局面に誘導した88玉と35歩は悪手連鎖となる。
本譜は以下谷川に馬を作成され先手に勝ちはない。寄せは猿芝居。
森下はこれで竜王戴冠のチャンスを逃したが、森下システムの欠陥を谷川に巧に突かれた為に後悔はないはず。むしろこの敗戦は喜ぶべき。


1991年第4期竜王戦第5局分析 角換わり腰掛銀先後同型 相停滞仮想駒アタリから駒アタリ奇数番に逆行相転化する地点  No: 4204 [返信][削除]
 投稿者:マシュダ一家  04/02/22 Sun 00:50:53

日時:1991/12/03-04
棋戦:第4期竜王戦第5局
戦型:角換わり腰掛銀先後同型
先手:谷川浩司 竜王
後手:森下卓 六段

▲7六歩 △8四歩 ▲2六歩 △8五歩 ▲7七角 △3四歩
▲8八銀 △3二金 ▲7八金 △7七角成 ▲同 銀 △4二銀
▲3八銀 △7二銀 ▲4六歩 △6四歩 ▲4七銀 △6三銀
▲6六歩 △4四歩 ▲5八金 △5二金 ▲6八玉 △4一玉
▲7九玉 △3一玉 ▲3六歩 △7四歩 ▲5六銀 △5四銀
▲9六歩 △1四歩 ▲1六歩 △9四歩 ▲3七桂 △7三桂
▲2五歩 △3三銀 ▲4五歩 △同 歩 ▲3五歩 △4四銀
▲2四歩 △同 歩 ▲同 飛 △2三歩 ▲2八飛 △6五歩
▲同 歩 △同 桂 ▲6六銀 △6四角 ▲5九角 △4三金右
▲6五銀右 △同 銀 ▲同 銀 △5五角 ▲7七銀 △8六歩
▲同 歩 △3六銀 ▲4八金 △4六歩 ▲5六銀 △7三角
▲4五歩 △3五銀 ▲6四歩 △8七歩 ▲4四桂 △8四角
▲2五桂 △2四歩 ▲8五歩 △5一角 ▲8六銀 △2五歩
▲7七角 △3三角 ▲6三歩成 △2六歩 ▲8七金 △6七歩
▲2四歩 △2七歩成 ▲3二桂成 △同 飛 ▲2三歩成 △2八と
▲3二と △同 玉 ▲2四歩 △同 銀 ▲6二飛

まで95手で先手の勝ち

先手谷川で角換り腰掛け銀。角換り腰掛け銀は谷川の伝家の宝刀と言うが、「殿下の放蕩」の間違いであろう。現在このメチャクチャな序盤は通用しない。
紆余曲折を経て帳尻が合い38めで先後同型。39手めから当然のごとく45歩からの仕掛け。
角換り腰掛け銀の先後同型の仕掛けとは駒アタリ予備5+2から始まる。奇数番だから仕掛けが成立する。この5+2の構造に気がついた者はマシュダ一家のみ。
谷川は75歩を保留して28飛。この47手めの局面は駒アタリ予備5+2から以下の構造に相転化。
1相転移=駒アタリ予備3=15-86-95
2相転化=駒アタリ偶数番2=35+65
3相停滞=仮想駒アタリ予備2=45-75
無論次は後手番なので後手から見た構造が上記。
ここで角換り腰掛け銀を難解にしているのは仮想駒アタリの解釈。
この解釈を65地点だけに絞った歴史が片方にある。
2003.09.02竜王戦挑戦者決勝戦第1局分析でその理由を示した。
http://www.bekkoame.ne.jp/i/yusai/030902htmW.htm
これを踏襲したのが先週2004.02.13金に行なわれたばかりの第22回朝日オープン将棋選手権準々決勝第4局羽生VS森内。
http://www.bekkoame.ne.jp/i/yusai/040209-17bbs.html#4139
これらは先手の利権を最大限発揮するように見えるが理論的にシンプルな展開。むしろ先手の無理攻めが目立つ。
その典型が2002.03.08棋王戦第4局羽生善治棋王VS佐藤康光九段
http://www.bekkoame.ne.jp/i/yusai/02308kioh4.html
33歩が当家に無理攻めと公式掲示板で指摘された羽生はその手を指した。
そして当の羽生本人が33歩は無理であると悟ったのが2002.8.19&20第43期王位戦第4局谷川浩司九段VS羽生善治王位
http://www.bekkoame.ne.jp/i/yusai/020820oui4.html
あの日羽生が指した24金で谷川の33歩は破れ去り、羽生は24金をその年もっとも印象深い手と将棋世界誌に告知した。
それでも羽生の挑戦は続く。2003.04.24名人戦第2局羽生善治VS森内俊之において羽生は25金を披露。
http://www.bekkoame.ne.jp/i/yusai/030425meijin02.htm
これも当家に実況で無理攻めを暴かれ森内必勝の筋をライブ実況で公開された。直後に谷川も同一敗因を谷川ノートで公開。しかしマシュダ一家秘手はその後郷田は指せずに24金に負けている。
http://www.bekkoame.ne.jp/i/yusai/030701sekai7.html
彼らは実戦で最後に勝てば評価されるだけなので実際はシンプル思考。むしろ康光の方が直感的により難解な変化を目指している。相停滞領域にある仮想駒アタリ予備として45地点だけでなく75地点も算入しようとしているからである。それが披露されたのが2003/1/28&29王将戦第3局佐藤康光王将VS羽生善治
http://www.bekkoame.ne.jp/i/yusai/030129ohsho3W.htm
これは非常に興味深い戦いであった。戦略としては羽生より時代を先取りしている。そして羽生に尋ねている。これも康光必勝寸前で勝ちを逃してしまった。康光も森内も最後の土壇場で羽生に負けてしまった。その一方で一手損角換りが出現。2003.08.11竜王戦準準決勝の谷川山崎戦。山崎は谷川相手に薔薇十字定跡を見せて最後のポカで破れ去ったが山崎の指し手のクライマックス73角打は当家実況で事前に告知されている。
http://www.bekkoame.ne.jp/i/yusai/030811ryuW.htm
駒アタリ奇数番原理のみで当時は指し手が見えてしまった。
あの日の45手めの構造は以下。
1相転移=駒アタリ予備2=15-95
2相転化=駒アタリ奇数番3=35+65+85
3相停滞=仮想駒アタリ予備2=45-75
この構造を見ても分かるとおり45手めは後手必勝である。85桂の最強手が第二相転化領域に後手からの奇数番として組み込まれたからである。しかも相転移領域に85地点の駒アタリ予備がマイナス加算された為に駒アタリ予備としても後手有利なのでこの局面が出現することは今後困難。
康光は先手番で山崎は後手番でそれぞれ羽生谷川に最後の最後で殺されてしまった。惜しいというには余りに酷い。
では12年前に戻ろう。
本譜の展開49手めは2003/1/28&29王将戦第3局佐藤康光王将VS羽生善治と同一局面。駒アタリ予備5+駒アタリ偶数番2となっている。
森下は50手めで65同桂と跳ねた。一手損角換りなら85桂で必勝だが、本譜は85歩と突いてあるので65歩と突くしかない。
48手めの局面構造は以下
1相転移=駒アタリ予備3=15-86-95
2相転化=駒アタリ偶数番2=35-65
3相停滞=仮想駒アタリ予備2=45-75
48手めで後手は第二相転化への突入を強いられている。それは次に先手から75歩を指されると桂馬が直撃されてしまう為に先手に歩と角の算入で連動手が発生するからであった。ところが65歩とは駒アタリ偶数番2の表番。
49手め66同歩の構造は以下
1相転移=駒アタリ予備3=15-86-95
2相転化=駒アタリ偶数番2+=35+65
3相停滞=仮想駒アタリ予備2=45+75
本譜の森下は50手めに65桂とした為に一瞬で負けにした。
この構造は以下。
50手め66同桂の構造
1相転移=駒アタリ予備3=15-86-95
2相転化=駒アタリ奇数番3-=35-65+77
3相停滞=仮想駒アタリ予備2=45+75
64地点に欠陥がある為に上記の構造では後手の劣勢を正確に説明できない。そこで48手めの65歩が空間開放手であったことを直視しないといけない。駒の前進をみるのでなく後方を見ろということ。
これは駒アタリ奇数番の構造では表現できない。52手めの森下の64角打は逆に先手から64角と打たれては困るからであった。86歩としても今度は64角が双頭手となるだけなので森下は仕方なく角を手放して桂損となった。本譜分析ではこのように敗因が明解なので別の展開から構造を比較した方がわかりやすい。
50手めには本譜のように66同桂ではなく後手は75歩と指すことができる。
http://www.bekkoame.ne.jp/i/yusai/030129ohsho3W.htm
50手め75歩の構造
1相転移=駒アタリ予備3=15-86-95
2相転化=駒アタリ奇数番3+=35-65-75
3相停滞=仮想駒アタリ予備2=45
森下変化に対して羽生変化は75地点を相停滞領域の仮想駒アタリから駒アタリ奇数番に逆行相転化させている。これが構造上の決定的な相違。


1991年第4期竜王戦全局分析シリーズ2 第4局森下VS谷川 森下システム  No: 4203 [返信][削除]
 投稿者:マシュダ一家  04/02/21 Sat 07:58:05

1991年第4期竜王戦全局分析シリーズは第1-第3局で中断していた。
http://www.bekkoame.ne.jp/i/yusai/031119ryu1-3.html
2003.11.18-19が初出なのでもう3カ月。森下は腰痛で苦しんでいる。研究しすぎで腰を痛めた。しかもその研究はことどとく盗まれた。
最強森下をまた見たい。
そこで今日からあの日に帰り後半を分析。
第4局で森下は谷川竜王相手に矢倉。

日時:1991/11/25-26
棋戦:第4期竜王戦第4局
戦型:森下システム
先手:森下卓 六段
後手:谷川浩司 竜王

▲7六歩 △8四歩 ▲6八銀 △3四歩 ▲7七銀 △6二銀
▲5六歩 △5四歩 ▲4八銀 △4二銀 ▲5八金右 △3二金
▲6六歩 △4一玉 ▲6七金 △7四歩 ▲7八金 △5二金
▲6九玉 △3三銀 ▲7九角 △3一角 ▲3六歩 △4四歩
▲6八角 △4三金右 ▲7九玉 △7三銀 ▲8八玉 △9四歩
▲3五歩 △同 歩 ▲同 角 △7五歩 ▲同 歩 △同 角
▲6五歩 △3一玉 ▲3八飛 △2二玉 ▲4六角 △9二飛
▲5七銀 △4二角 ▲6六銀右 △9五歩 ▲1六歩 △1四歩
▲7五歩 △8五歩 ▲2六歩 △8四銀 ▲1七桂 △4五歩
▲5七角 △4四銀 ▲4六歩 △同 歩 ▲同 角 △4五歩
▲6八角 △3五歩 ▲7六銀 △2四歩 ▲2五歩 △同 歩
▲5五歩 △同 歩 ▲7七角 △7四歩 ▲5五銀 △同 銀
▲同 角 △4四銀 ▲6六角 △7五歩 ▲5三歩 △同 角
▲5四歩 △同 金 ▲2四歩 △3三玉 ▲3五飛 △3四歩
▲2五飛 △2二歩 ▲6四歩 △同 歩 ▲6三銀 △4三金
▲5四銀成 △同 金 ▲6三金 △3一角 ▲4二歩 △同 角
▲5三歩 △1三桂 ▲2九飛 △6五歩 ▲同 銀 △同 金
▲5二歩成 △6六金 ▲4二と △2八銀 ▲同 飛 △6七金
▲6四角 △3九角 ▲2三歩成 △同 歩 ▲4三と △同 玉
▲2三飛成 △3三金 ▲5三金 △同 銀 ▲同角成 △同 玉
▲3三龍 △4三金 ▲4四銀 △6二玉 ▲6三金 △7一玉
▲3一龍 △6一歩 ▲6七金 △8六歩 ▲7四銀 △8七歩成
▲同 玉 △8三銀 ▲同銀成 △6五角 ▲7八玉 △8三角
▲8五歩 △7六銀 ▲8四歩 △6七銀成 ▲同 玉 △9四角
▲5六玉 △7二金 ▲同 金 △同 飛 ▲6三銀 △4四金
▲7二銀成 △同 角 ▲8二銀

まで153手で先手の勝ち


第1手めから第8手めまでは前項No: 4201参照。
9=48銀。ここで66銀としないのは55地点の駒アタリ奇数番1の後手の攻めよりも自陣駒アタリを増やすことによって守備を優先させたからである。
10=42銀。なぜ後手はここで55歩と駒アタリ奇数番1を行使できないのか?先手は同歩と取らずに57銀と上がれば簡単に後手作成の駒アタリ奇数番1を奪取できるからである。56歩-同銀となれば先手は連動手獲得で手得。
11=58金右。この手は損。78金が最強。理由は簡単。78金の方が自陣駒アタリがひとつ多い。58金右では47地点の自陣駒アタリが重複してクドイ。58金右とは矢倉の早囲いを示唆して手得を目指す手法。それが今尚指されているのは後手がオマヌケだからである。後手が早囲いを咎める力がなければ先手は58金右の方が良い。谷川相手ならば森下は58金右で十分。相手が森内なら最善は78金。
12=32金。相手が矢倉の帝王森下なので谷川も襟元を正す。これは後手の最善。先手と同じように52金は論外。最重要63-43地点に三重駒アタリを自ら作成しては先手の急戦が成立。
13=66歩。ここでも78金が最善。これは67地点空間開放手のために次に67金を成立させる手。しかしそれでも78金の方が自陣駒アタリがひとつ多いので得。あくまでも早囲い狙い。
14=41玉。谷川は相手を見ない。
15=67金。58金とすれば当然。
16=74歩。これをトリプル手として解釈するとこの局面は後手の方がはるかに面白い。73地点開放とは 73桂と73銀と言う先攻を見せるばかりか74歩自体が駒アタリ予備の為に次に72飛とすれば後手は1手で駒アタリが作成できるからである。ではなぜここで後手の優位性が認められないのか?
それは55地点にすでに駒アタリ奇数番のグランドナンバーが控えているからである。この74歩を駒アタリ予備とするすべての作戦は後手が偶数番を握らされる。
17=78金。森下は早囲いをしなかった。上記後手の優位性をことごとく封印する金。後手の先攻をすべて迎撃できる最強布陣。
18=52金。ここで33銀との相違は何か?或いはなぜここで他の手が指せないのか?この構図は以下。
1=52金。中庸手
2=33銀。攻防手
3=その他。攻撃手。
上記のどれを後手が選択するかは相手の力と先手の陣形を見て決定する。すでに先手は迎撃最強布陣。相手は森下。だから攻撃すればすべて迎撃される。そこで谷川は中庸手を選択。
19=69玉。最強の城が完成したので業者が引き渡しを行う。
20=33銀。先手の豪邸に主が行くと確認したので角筋の監視カメラを閉じる。
21=79角。主が入るので管理人移動。
22=31角。ブランコ後進運動。この角移動が煩わしいと思う時は最初から矢倉を指さない。振り飛車、角換り腰掛け銀、横歩取りを指す。
23=36歩。駒アタリ予備3。この構図は後手が最初に55地点へ作成した駒アタリ奇数番1を先手が35地点へスリーナンバーとしてスライドさせたと見る。先手優位がここで初めてフィードバックする瞬間。
24=44歩。これを屈辱と感じては後手番矢倉は指せない。これは位を張る予備と考える。次に46歩で先手が45地点に駒アタリ予備を作成すると駒アタリ予備4となり偶数番の為に不利。
25=68角。森下システムの顔。管理人が家主に鍵を引き渡す瞬間。
これになぜ連盟棋士は違和感を感じたのか?角が何もしていないと見えるからである。ところが68角は明解に69地点の空間開放手として機能している。そもそも最強の城は誰の為に建立されたかを忘れているからこの68角がマヌケに見えてしまう。玉が入城するために威風堂々の曲が流れる合図がこの68角。
26=43金右。森下に自分のオハコである威風堂々を会場に流されてしまい谷川もオデコに冷や汗を流す。
28=73銀。谷川の敗着1。嫉妬したのがいけない。
30=94歩。谷川の敗着2。お粗末な序盤。理由は以下。
31=35歩。華麗な駒アタリ奇数番1。予備3からの行使の為に先手優勢。
34=75歩。駒アタリ奇数番返し。予備2からの行使の為に後手敗勢。
以下序盤の劣勢から谷川驚異の終盤術を披露。しかし最強森下は凌いだ。


自陣駒アタリの考察 矢倉1-8手め  No: 4201 [返信][削除]
 投稿者:マシュダ一家  04/02/21 Sat 06:05:42

矢倉を初手から見る。
1=76歩。角筋開通の77地点開放手かつ74歩の駒アタリ予備を誘因。
2=84歩。飛筋直進かつ初手76歩へ対抗する位。
3=68銀。85歩の飛車先歩交換対策かつ76歩位の確保。
4=44歩。角筋開通による初の駒アタリ奇数番1かつ36歩の駒アタリ予備を誘因。
5=77銀。森下システムは後に66歩とした。なぜか?
これは3の解釈が違う。68銀とは上記3の意味に対して67と57地点に効く。これを自分の駒にあてる駒アタリと見る。
マシュダ一家理論もとうとうここまで来てしまったかと呆れてもよい。我々も呆れている。フツーは77-67-57地点の三箇所を守る68銀と見る。だからそのみっつの効用を生かすために後期森下システムは66歩としたと説明するのが最も理解しやすい。しかしそれだけでは77銀との差異を明解に我々には説明できない。そこですべて説明する為には自分の駒に当たっている地点も全て勘定しないとイケナイ。
銀の周辺は以下のようになる。
5手め77銀の場合=自陣+1 敵陣+1
5手め66歩の場合=自陣+1 敵陣+1
数字は同じ。何が違うかと言うと自陣では76歩か57歩、敵陣では66歩か77銀という内訳。
ところが全駒の駒アタリを見るとこれが違う。角が88地点に在り飛車が28地点に居るからである。飛車落ち定跡では66歩となる。二枚落ちでも57地点の自陣駒アタリを最重要視する。平手だからどちらでもよいと思うからこの分岐点が今まで曖昧となってしまった。よく見れば66歩と77銀では全く違う。
自陣の飛車と角の駒アタリを付加すると以下
5手め77銀の場合=自陣+3 敵陣+1
5手め66歩の場合=自陣+3 敵陣+1
この数字が一致しているのでどちらでも結果は同じに見えてしまうのであった。
自陣+3の内訳を見ると幽霊番号がある。これをナンバーの裏表と読む。波の裏表のこと。これは次の局面にならないと顕在化しない。
6=62銀。敵は71銀の自陣駒アタリ1を自陣駒アタリ3とした。
7=56歩。自陣駒アタリは同じ。従ってこれは駒アタリ予備1への誘因。
8=54歩。ここが違う。この一手で後手の自陣駒アタリが-1となった。もし先手が5手め66歩の場合はこの地点の自陣駒アタリは同一。しかし5手め77銀の場合はここで後手の6手め62銀に当たる歩がひとつ減少している。
次に自陣駒後方駒アタリを加算する。
5手め77銀の場合=自陣+1 88角に当たっている。
5手め66歩の場合=自陣+1 59玉に当たっている。

後手銀の後方駒アタリはどうか?
6手め62銀=自陣+1 51玉に当たっている。
8手め54歩=自陣+1 51玉に当たっている。
差し引き5手め77銀の方が後手の自陣駒アタリに変化を与えていることになる。
次に既存のマシュダ一家駒アタリ奇数番の法則で見る。
8手め54歩で55地点に2回目の駒アタリ奇数番1を作成したのはまたしても後手。これを解消するためには先手は66銀とすればよい。ここは二回目の分岐点となる。現在9手めを48銀とするのが主流。これも66歩同様連盟棋士間では流行の一言で片づけられているが内訳は全く違う。棋士は経験値でこれを述べる。この経験値には「飽きる」という要素が多分に含まれているためにこのような地点での相違を数値化する自体に嫌悪を感じるであろう。敵駒との駒アタリを予備まで計算するのは指折り数えれば良いが、自陣駒アタリまで計算しては手の指では足りない。マージャンの点棒でも使った方がよいと棋士は思うかもしれない。
そこでこのような投げやりな倦怠感を払拭するためにはこのように思考する。即ち敵駒との駒アタリ奇数番は攻めに有利であるが、自陣駒アタリは守りに有効であると。


2004.02.20竜王戦4組2回戦 渡辺五段vs阿久津四段戦2  No: 4200 [返信][削除]
 投稿者:マシュダ一家  04/02/21 Sat 04:25:12

日時:2004.02.20
棋戦:竜王戦4組2回戦
戦形:ヒクツ矢倉
先手:渡辺明 五段+3
後手:阿久津 四段-2

▲7六歩 ▽8四歩 ▲6八銀 ▽3四歩 ▲6六歩 ▽6二銀
▲5六歩 ▽5四歩 ▲4八銀 ▽4二銀 ▲5八金右 ▽3二金
▲7八金 ▽4一玉 ▲6九玉 ▽7四歩 ▲7七銀 ▽5三銀右
▲7九角 ▽6四歩 ▲6七金右 ▽5五歩 ▲同 歩 ▽同 角
▲2六歩 ▽6二飛 ▲2五歩 ▽5四銀 ▲2四歩 ▽同 歩
▲同 角 ▽2三歩 ▲1五角 ▽4四角 ▲2六角 ▽3五歩
▲5七銀 ▽6五歩 ▲同 歩 ▽7三桂 ▲4六銀 ▽6五桂
▲6六銀 ▽同 角 ▲同 金 ▽5七銀 ▲6三歩 ▽同 飛
▲6四歩 ▽同 飛 ▲6七歩 ▽4六銀不成▲7三角 ▽5五銀直
▲4六歩 ▽5七桂成 ▲5五金 ▽2四飛 ▲8四角成 ▽6八歩
▲7九玉 ▽5八成桂 ▲1五銀 ▽6九歩成 ▲8八玉 ▽2六飛
▲同 銀 ▽6八成桂 ▲8一飛
69手で先手勝ちに見えるが実質20手めで終了。


17手めまで先手66歩型矢倉定跡。16手めの74歩は駒アタリ予備2。先手の初手に対応する位で75地点に争点を作成しつつ73地点の空間開放手。77銀型であれば66銀の腰掛け銀四辺形作成で対抗可能。大山が77銀を最初に指したラシーと森下は言う。66銀は森下システム全盛期直前まで随分指されたがまとまな分析は皆無。
18=53銀右。敗因1。勝手にやってろ。
19=79角。機敏。
20=64歩。敗因2。
以下見たマンマ。阿久津はこんなことやりたいなら山崎を見ろ。

http://www.bekkoame.ne.jp/i/yusai/hosai.jpg


竜王戦4組2回戦 渡辺五段vs阿久津四段戦  No: 4199 [返信][削除]
 投稿者:マシュダ一家  04/02/20 Fri 14:54:32

現在の局面が35手め。すでに渡辺明圧勝。
阿久津は何を見ていたのであろう。
せっかく渡辺明が見てくれと自己宣伝してもこれでは見ようがない。