葛飾区再生計画案議会


IMPERATURUS OMNIBUS ELIGI DEBET EX OMNIBUS

(我々全ての統治を託された皇帝は、我々全ての人の中から選ばれた人でなければならない)

―― ローマの格言 ――

議会内部のことは議会の自律権に属することであり首長の権限外のことであるが4年間の内部からの体験にもとづき、疑問ないし矛盾を掲げて議会側に提案するものである。

(区長部局サイドの論点も議会に関するものについては本編に記載する。)


【22、議会の活性化構想】
 

2201、質問要旨の通告。答弁の事前調整、区長発言の事前了解の廃止

質問要旨の通告のみ。答弁の事前調整、区長発言の事前了解を求めることは廃止する。

事前通告のあった質問について職員に答弁書を作らせ、これを読み上げるだけでは区長以下の幹部級職員の勉強不足を助長する。区長および三役は区政の骨子を自分の言葉で発言する。各部長は自分の所管事項については経緯も含め、ある程度細かなことも把握しておくべきである。
 

2202、質問の種類および公表

質問は会派の「代表質問」と議員個々の「一般質問」とする。議会公報には質問者の責任を明確にするため氏名を公表する。
 

2203、質疑応答の活性化

質問のしっぱなしでなく質問者に対して説明の義務を負わせる。また、質問者に対する逆質問を認めて質疑を双方向にする。質問者自体が理解していないような思いつきの質問を排する。また提案にはその提案が10年のスパンでいかなる意味を持つのか明らかにする義務を負わせる。(本会議、委員会審議および各種審議会審議の全てに適用する。)

[参考記事](抜粋)
『いい質問は、新しい枠組みを開拓する。例えば、ニュートンはいきなり万有引力を発見したのではなく、まず初めに「なぜ物は下に落ちるか」という質問を自分に投げかけた。それまで、こんなばかげたそして独創的な質問はだれもしなかった、いや出来なかった。そしてその質問の先に待ちかまえていてくれたのが「万有引力」という答えだったのだ。
 私たちは、質問(=問題)ができた時に初めて答えに向かって進むことができる。極端な言い方をすれば、素晴らしい質問ができた時、その先に素晴らしい答えが用意されていると言ってもいいほどである。(佐藤雅彦『質問ができない』より抜粋、99.11.17 毎日新聞)』

 

2204、議案への賛否を電光掲示にし、各議案に対する賛否を明確にする。

参議院のような投票結果(数字)のみでなく、当該議案に対して議員個々の「賛成」「反対」「棄権」「投票に参加しない」の意思をボード上に明確に表示する。
 

2205、条例の性質によっては議会側提案の形式をとる。

提案者(議会側)と理事者側が攻守ところを変えて議論しあう。(立法事務費の支給)

継続事業の関連施策の場合はともかく、議員発案の新規事業の場合は原則として議会側の提案とする。議運なりでこそこそ摺り合わせをして全議員の前にだすのではなく傍聴者も入れた公開の場で議論し合うべきである。
 

2206、議会事務局に「法制」担当係を配し、議員の政策提案を条例案の形で審議する。

議会の第一の任務は条例制定であることに思いを致すべきである。
 

2207、各議員の本会議および委員会での提案に番号を付しファイル化する。

(昭和50年の区長公選制以降のデータを事務局に揃えさせる。)

(例)990001提案(提案者○○議員)

ファイルは各年度ごとに製本して図書館等に置いて区民の閲覧に供する。

区のホームページにジャンル別にデータとしても搭載する。

 議員の活動状況の把握と共に当該提案が区政の中にどのように反映されているか、または当該提案をどのように処理したかを把握する。区政全体の財産にする。また同じ提案、質問の排除。同趣旨の質問であっても当該事業の進捗状況を問うもの、あるいは観点を異にするもの、状況を異にする場合は排除しない。(同趣旨の質問をする議員に質問の必然性を述べる義務を負わせる。)
 

2208、与党、野党の一義的区別を廃止する。

地方政府の議会を構成する政党が中央政府の議会の政党のコピーである必要はない。さまざまな地方を含まざるを得ない中央政党と基本的価値観は同一でも追求すべき政治目的を異にするからである。
地方政府、議会にあってはともに有権者の審判によって選出される(大統領制)のであるから与党、野党というのは論理矛盾である。しかし、議員と首長が基本的価値観および追求すべき政治目的を同一にする場合、スタンスの問題として与党的、野党的はあり得るであろう。それが双方の選挙の支援関係にまで進む場合は区政は安定するであろうがチェックの機能が後退するであろう。批判(否定ではない)の心を持った支持関係というところに落ち着くのが望ましい姿であろう。

 

2209、条例案等の全議員へのブリーフィング

各派代表を通じて全議員への周知がなされるはずであるが、少数会派や無所属の場合に周知されないことがある。当該条例案(改正を含む)への賛否に関わらず、その意図および効果は所属委員会に関わらず全議員が把握しておくべきであろう。
 

2210、全議員へのブリーフィングの実施後、各派代表者連絡会の開催

意見の集約は必要である。(議会内の連絡会ではない。議会側、理事者側の意見、見解の調整の場である。)
 

2211、予算議会の冒頭は区長の他、収入役、教育長の施政方針演説を行う。

それぞれの職責のトップが自らの所管事項についての方針を明らかにする。
 

2212、補助金申請等の請願の場合は請願代表者を委員会に招致する。

前例踏襲を一旦廃止し、必要な理由を陳述させる。現在は行政が答弁しているが行政側の答えられるものではあるまい。
 

2213、葛飾区情報公開条例の中に区議会情報を含める。

税金を使った行為であるなら全て情報公開の対象にすべきは論を待たない。
 

2214、議会広報手段の拡張、広報部門の強化(cf.0308

議会事務局に「議会広報」担当セクションを設置する。
(例)印刷物、インターネット(ホームページ cf.埼玉県上尾市議会)、音声テープ、CDロム

広報紙(印刷物)の各戸配布は中止する。新聞折込みおよび駅、公共施設等のスタンドに配置する。入手可能の状況に置けば足りる。(マンション等の集合ポストではごみ扱いされている。)情報を受け取る側の受け取り方に合わせるべきである。

有料送付申込を受け付ける。双方向:議長へのハガキ・Eメール・ファックス
 

2215、区議会グッズ(記念品、議員の著作)の議会事務局での販売(cf.0406

議会傍聴者、他の自治体からの訪問者、一般来訪者のために記念品の販売。議員個々の著作物の頒布や政治活動の報告書(公報紙)などの配布。葛飾区を選挙区とする議員および首長の著作物や政治活動の報告書等は無料で提供を受け、利益がでれば記念品の作成等にあてる。
(子供たちの区議会見学の際の記念品は無料とする)

2216、議会側と区理事者側と定期的な「議論の場」を設ける。

議会側(議長、副議長および各会派代表者)と区理事者側(区長、副区長(助役)、収入役、教育長等)と定期的な「議論の場」を設ける。従来の与党連絡会に代るものである。

議員の専門能力の有効活用を図る。上記以外の議員および職員も区長の指名あるいは議長の指名によって出席することが出来る。参加者は全て会場の外で発言に関して責任を問われない。食言も許容される。区として一つの見解に収斂して行く過程の試行錯誤の場とみなす。  

2207」の各議員の本会議および委員会での提案について議会側、区理事者側の上記の参加者以外に提案議員(プラス応援議員、専門家)および所管職員を加えて当該提案事項に関して議論する。財源はどうするか。一つの施策を「ビルト」するならどこの施策を「スクラップ」するか。施策を「ビルト」することによって施策の恩恵を受ける区民の数は。施策を「スクラップ」することによって施策の恩恵を受けられなくなる区民の数は。議員の提案が悪いものであるはずはない。区政全体の中でのバランスと財政の裏付けの問題なのである。つまり、優先順位づけに帰着するのである。

2217、現行「葛飾区議会議会規則」の抜本改正

現在各自治体で機能している議会規則の原型は終戦直後、旧内務省が当時の地方自治法に基づいて「都道府県議会議会規則」を作成し、各都道府県総務部長宛てに通知したものである。その後、全国都道府県議会議長会が現場の実情によって手直しし、「標準都道府県議会議会規則」を作成した。同様に全国市議会議長会、全国町村議会議長会がそれぞれ「標準市議会議会規則」「標準町村議会議会規則」を作成し、各議会の議会規則は若干のアレンジはあろうが、ほとんどがこれに準拠するものである。 現行の「葛飾区議会議会規則」も数次の改正を経てきてはいるが基本的にこの文脈に連なるものである。分権時代にそぐわないもの、自由な議会の活動を妨げるものを洗い出し抜本的な改正を試みる。 (cf.1402)

2218、議会図書室の充実→区立図書館として一般公開  (cf.1206)

議会広報とリンクさせ、将来的には行政関連資料の収集を目的とした区立図書館の特別館として一般公開し、区民および地方自治ないし地方行政の研究者に開放する。


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