追っかけ日記
- Wand -

last modified at 1999.12.15

書下ろし

[06.23] [06.24] [PROGRAMME]
仕事のやりくりがどうにも旨くいかず・・・当初予定して居た06.19 NRT発というのは殆ど絶望的だった。 そりゃまぁ、月に欧州を2往復しようってんだから無理が無い訳が無い (でも最初の往復は出張だったのよ、そりゃまぁ1泊寄り道したけど) 折角Wandの全公演の前売りを押さえて居たのに・・・滅多に聴けないWandのゲネプロが聴けると言うのにぃぃ
取り敢えず、06.22まで新宿に居なければならないのは事実。 散々上司に泣き付いて06.22夜には解放して貰えることになった。 ってことは06.22のAFの夜行便か06.23のLHなら、Wandの2日目から聴ける(^_^)v
こうなりゃ自棄糞だぁ・・・で、格安航空券屋に相談すると、最少滞在日数などと言う制限があり、通常の35日fix券では発券出来ないと言う。 勿論、Wandの後の滞在を延ばせば良いのだが、面白そうな演目が無い。 出来ればWandの余韻をぶち壊しにする様な演奏会には行きたくない。 で、3ヶ月fix券であれば、最少滞在日数をwaiverして貰えるが、更に3万円高くなると言う。 更に、帰国が週末なので1万円増し。 結局、最初の予定(* 06.19 NRT発KLで8日間 *)が、2泊3日のLHになり、ゲネプロと初日を聴き逃したのに、航空券は6万円以上高くなってしまった(^^;) この辺、仕事の調整をし損なったのは自業自得だから、誰にも文句は言えないが、それでも愚痴は言いたい(^_^;)

1999.06.23 (Mi)
新宿出張で、新宿泊。 翌朝のNaritaExpressで、NRT第2ターミナル。 乗換えのFRAでMUC行のGateに向かうと・・・あら、Soさんお久しぶり(^_^) いきなり鞄から機内で貰ったと言うスポーツ新聞を取り出して、「これ、知ってました?」と、小澤Vienna国立歌劇場監督就任の記事。 お互い、小澤の意外な人事よりも、スポーツ新聞に写真入りで小澤の記事が載ることに驚いて居るのが面白い。 ちなみに、南独逸新聞では、RattleのBPO就任は1面で結構大きな扱いなのに対して、小澤は学芸欄に7行のみ(* 国際線機内版なので、普通に売られて居た紙面がどうだったかは判らないが *)
何時ものhotelでゴロゴロし、夕刻、PhilharmonieのAbendkasseに向かうと、流石に行列が出来ては居るものの、普通に並んで居れば、何とか買えそうな程度。 今回は予約済みなのでAbonnementkasseで名乗ると、現金と券入りの封筒を渡される。 初日の券が売れたらしい。 金が戻って来ても、ちっとも嬉しくは無いが、まぁ、戻らんよりは良い。
Tさんにお会いするのは、紀尾井ホールのHamlin以来。 彼から、初日を無事に振った事、凄い演奏だった事、Programmに変更が無かった事を聞き、ほっとする。 遂に、Wandのブル6が聴けるのだぁ(^_^)v
Soさん、Kさん、Dkr.Aさん、Sさん、Oさん・・・と結局何時ものmemberが徐々に揃い、終演後にまた呑みましょうってことで、ようやく開演。
前座のHaydnは不思議な演奏だった。 不満は無いが違和感がある演奏だった。 Haydnを「古典」と意識したことは無いし、Haydn以前の音楽を現代のオケで聴いても、それを変だと思った事は無い。 なのに、今回のHaydn、オケの音とHaydnの音楽に、時代考証的なちぐはぐさを感じた。
Wandの音が、余りにも重厚過ぎたからなのかもしれない。 普段余り聴いて居ない作曲家なのだけれど、Haydnの本質って、実演で唯一覚えて居るOxfordの様な道化にある様に思う。 それがあぁいう音厚で演られちゃうとね。 説得力はあるのだけれど、たまには息を抜いてよと言う気もする。

1999.06.24 (Do)
「いやぁ、格調の高い演奏でしたねぇ」とWandを聴く度にSさんが言うのを、僕は全く理解出来ないで居たらしい。 それまで何度も、判ったつもりで、彼の言葉に相槌を打って居たのだが、今回、初めて自分の浅はかさが判った。 「格調の高い」って、そんな生易しい言葉じゃ無かったのだ。 Wandのブル6を聴いて、初めて、「格調の高い」演奏とはどういう演奏なのかを思い知らされた。
以前も書いたが、特にブル6の2楽章は、情に溺れた、脂ギトギトな艶歌みたいな演奏が、本当は好きだったりする。 ブル6の2楽章、ブル7の2楽章、ブル8の3楽章辺りの、濃厚なうねりにとてもerotischなものを感じて居る。
しかし今回のブル6は、そういう演奏で無かったにもかかわらず、好きとか嫌いとかいうものを超越して居た。 前回のブル7の1楽章の終りみたいに音厚で圧して来る訳でも無いのに、思わず背筋を正したくなる様な風格があった。


PROGRAMME
1999.06.23 20:00- : Philharmonie, Gasteig Arts Centre, Muenchen
1999.06.24 20:00- : Philharmonie, Gasteig Arts Centre, Muenchen
Haydn, FJ : Symphony No.76 in Eb major, Hob.I:76
Bruckner, A : Symphony No.6 in A major
Wand, G / Munich Phil.


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