2005.07.13王位戦第1局初日 康光VS羽生 ゴキゲン角換り
実況&分析マシュダ一家

33手目47銀! 34手目で羽生の封じ手 No: 7807 [返信][削除]
 投稿者:マシュダ一家  05/07/13 Wed 18:52:37

康光には毎回何度も驚かされる。なぜここで指すのであろう?
しかも47銀で挑発とは。
これは見た目攻防の三頭手。
1=65歩75歩には64角で羽生の歩得作戦を未然に防ぐ
2=58飛を狙う空間開放手
3=37桂準備
4=オマケで19角変化の47角成阻止

ところが将棋とは2手もさせない。従ってそんなにウマイ三頭手を羽生が許すはずがない。この瞬間銀が浮くばかりか57トリトヌス地点直撃を狙われる。
56歩変化1 金受け
▲7六歩 ▽3四歩 ▲2六歩 ▽5四歩 ▲2五歩 ▽5二飛
▲2二角成 ▽同 銀 ▲9六歩 ▽6二玉 ▲6八玉 ▽7二玉
▲4八銀 ▽5五歩 ▲9五歩 ▽5六歩 ▲同 歩 ▽同 飛
▲8八銀 ▽3三銀 ▲7七銀 ▽5一飛 ▲7八玉 ▽8二玉
▲6八金 ▽7二銀 ▲3六歩 ▽6四歩 ▲4六歩 ▽3二金
▲1六歩 ▽1四歩 ▲4七銀 ▽5六歩 ▲5八金上 ▽3九角
▲3八飛 ▽8四角成
38手めで後手は馬作成
どこかで見た風景。馬を見ただけでジンマシンが出来る季節もあった。
では56歩からの57歩成をどうやって受けるのか?
66角は65歩でマケ。それではグランサタンどころかサンマの塩焼になる。58飛や39角には57角ブチこみ。先に58歩では北海道のシャケが丸ごと飛んでくる。
本当に羽生が封じ手で56歩を指した場合の話だが。
その場合は慌てない。なんとかなる。
大山の中飛車攻略本では最後に58歩で先手が勝つように変化作成する。
マシュダ一家恒例の泡踊り大会なら58銀と下がる。北海道を鳴門海に叩き込むのが精神世界。それでも57角ブチコミがある。羽生がそこまでやりたい場合は角打攻防手を見せて68角成なら千日手にはならない。それでも手が滑って千日手になることはある。名人戦でもあったくらいだから。それを羽生に選択させる。北海道まで来て東京よりいいと公言しながら「千日手?」と王者に聞くときが一番楽しい。元々康光は後手番で指したかったので千日手でもいい。一応王位戦は1局完結方式なのか初日に確認しないといけない。84角成なら角アテまたは66銀or66歩で後手の歩切れを遠く眺める。66歩に65歩で来れば67金or86歩。最初から75歩で1歩捨てて同馬に66銀は後手歩切れ解消となるのでやらない。「大駒は近づけて受けろ」と言うが当家の格言では「馬は筋をズラせ」。
どうやら対局室には誰もいなくなった。
馬が嫌いならエンヤートットと歌いながら歩を打つ。そして56歩を取りに行く。それも明日選択すればいいことなので今晩はラク。56歩なら余り変化もない。ナニも考えないのが一番。


14手目めから32手めまで No: 7806 [返信][削除]
 投稿者:マシュダ一家  05/07/13 Wed 17:48:33

羽生の14手目55歩には実に76分費やされた。本局最大の葛藤。
谷川もかつて苦しんだ55歩。これは当家と羽生にとって位ではない。
3-2構造を後手は94歩で作成することを強いられ羽生は拒否。
連盟棋士が中飛車5筋位取りと呼んでいたこの55歩は当家の過去3年間の分析で覆された。位取りなどではなかったと。連盟棋士の中で羽生だけがMF分析の意味に気がついた。谷川は拒否しその後転落したことは見たとおり。 ところが羽生自身自分が実際に指す立場になった時に同じ葛藤に塗れた。76分とは羽生にしては不自然な時間。
15手目95歩は明解な位取り。康光は羽生の怨念を宥めるために27分捧げた。ダマされたと羽生が怒気に充ちていたため。
この痛恨の痕跡は30手目32金へ至る。
16手目56歩はすでに彼らの間では敗着。怒りの発露に近い。
後手は先手の手損角換り+95歩までの2手を3手損の緩手と見做して先攻するというのが午前中開始後74分でUPしたMF分析であった。ところが羽生まで3手もかけて飛車を51まですごすご引き上げるのでは歩の等価交換だけで上記空想3手損作戦は花と散る。先手は52歩の直撃必殺技もある。
羽生は開き直って26手目72銀。同じ負けるにしても穴熊で姿焼きでは北海道が沖縄になってしまう。地球温暖化の為に近い将来東京は沖縄並の気温となるらしい。精神世界ではすぐにでも北海道が沖縄。
羽生が余りに厳しい顔で「やっぱカアちゃんが」と言っているので康光も弛めた。10分も使った36歩がソレ。
この3rd作成による構造相転化は最善手ではない。これは先手から角を先に打たないという意思表示。康光も羽生の開き直りに昨晩のハブ失言へのフォロー同様同調したと言うことになる。そこまで迎合しても95歩の位は余りに大きい。
28手目64歩は名人戦で森内にダメにされた心の傷。この歩は大介と違って美濃の弱点補填ではない。羽生にとっては65歩と進軍する連動手+64角空間開放手の双頭手でないと意味を成さない。
この二人だと36歩の構造相転化Aに構造相転化Bで答えるアウンの呼吸。
もともと羽生グランサタンは康光攻略のために開発されたようなもの。
29手目46歩は康光迫真のA-B第3構造相転化。ブランコ後進でBaで第三相転化を敢行した。凄い。
そして羽生の諦念32金へ。
この30目の局面はすでに先手完封体勢なので次が封じ手でもよかった。羽生グランサタン攻略は75歩。これで後手は痺れている。先手は桂一枚さえ入手できればいい。銀桂交換で桂入手なら先手必勝。
康光は52分考えた。そこまで寄せの構図を初日に決めていいのかと。
封じ手までに時間がある。羽生が怒気を露にしている。
ハブを怒らせると怖い。手を口の中に入れて昼に食べたシャケの骨を取り出したりする。当家のジッちゃん並に入れ歯が一緒に外れると言うオチで周囲を爆笑させる年齢ではない。そこで羽生を宥める16歩となった。譲渡1-3まで羽生のゴキゲン伺いに費やされたというのもやはりあの95歩が相当ムシがよすぎたため。
まあ羽生が王位なのでこの位許される。
羽生はノータイムで憮然と14歩を受ける。今度はダマされないと。15歩で同歩なら18歩同香に19角打っちゃうゾと。
康光は別にダマしたわけではない。95角変化阻止まであるので羽生は33角と打てなかったのだから康光にとっては1年がかりの試行錯誤の結果。
羽生が研究しなかったのが悪い。康光長考中なので33手目が封じ手であろう。


家に帰りたくない羽生 14手目55歩 No: 7805 [返信][削除]
 投稿者:マシュダ一家  05/07/13 Wed 12:21:06

羽生が14手目でまた長考しているので前夜祭の挨拶を聞く。
羽生は家に帰りたくないと言っている。「正直なところ」と尾ひれまでつけて。
羽生は東京の湿気のせいにしているが、昨日の東京はこの夏一番過ごしやすかった。従ってカミさんの顔を見たくないと言っているに等しい。 康光も羽生の失言をフォローして自分も帰りたくないと珍しく同感している。
今朝の朝食が凄い。
羽生=洋定食
パン、ベーコン、目玉焼き、オレンジジュース、コーヒー
佐藤康光棋聖
康光=和定食
食前:フレッシュジュース
小鉢:いかごろ煮(浜中産)
珍味:たらの子(羅臼産)、じゃこ、昆布巻
焼肴:時しらず(浜中産)、玉子焼き、大根おろし
煮肴:ほたてちゃんちゃん(標津産)、玉葱(北見産)、松なめこ、粉山椒
冷やし鉢:サラダ、ベリィーリーフ、トマト
中鉢:豆腐(十勝産大豆使用)、山わさび、浅月、焼きのり、生玉子(赤井川産)、納豆、ごはん、あさり汁

これでゴキゲン急戦なら康光圧勝となる。
羽生は14手目55歩。ダメな手だが朝食の大差を少しでも緩和するにはこれぐらいしかない。
3年前の谷川千勝局が王位戦の谷川後手ゴキゲンだがアレは羽生の祝儀だった。康光の祝儀は96歩にしては余りに厳しい質問。
55歩は羽生の諦め。消去法で指すときはマケと知っている。


康光は17分で11手目68玉 譲渡Xから拡大する尻尾 No: 7804 [返信][削除]
 投稿者:マシュダ一家  05/07/13 Wed 11:06:26

11手目68玉は先手がブランコ後進を取り相手の手を促す譲渡X。
第2部がブランコ後進で始まることは通常ない。康光の手法は「先手番なのに手損角換りで後手に分岐の最重要手を譲渡する」というもの。
68玉から構造再編を強いられる。4拍が5拍になったと。

11=68玉。譲渡X 拡大する尻尾
56角変化はない。元々康光将棋で1歩得する序盤は横歩取りの先手番しかない。ゴキゲン角換りでは先手から1歩損する「手歩損戦法」が康光の前期の趣向であった。
12=72玉。これで元々なかった56角変化が空想上の死+56歩とした時に先手から65角打が現実に消滅。空想変化が消滅しても双頭手とはならない。
13=48銀。これを11手目に指したらどうかと言う問題があったが羽生が72玉としたので即時有効。ゴキゲンの最大の利権は玉移動が最低でも双頭手、全体としては三頭手になることであった。

ところがこの局面において尚も先手の96歩のブランコ前進の影が長い尾を引いている。手が進めば進むほどそのシッポは大きくなる。

参照
2004.12.16A級順位戦 康光VS谷川 ゴキゲン角換り 駒アタリ偶数番2裏番X2
2005.01.30NHK杯三回戦 康光VS田村 ゴキゲン角換り 康光流手損歩損戦法
2005.02.08C級1組9回戦 岡崎VS神崎 ゴキゲン角換り 康光流66歩


第4譲渡で第1部終了 11手目95歩では逆転 No: 7803 [返信][削除]
 投稿者:マシュダ一家  05/07/13 Wed 10:45:56

当家の分析結果4の62玉は「三頭手解釈で95歩と指せと相手に催促」するものであるがこれは先手にとっては第4譲渡になる。95歩と指す権利を先手が持っているだけのため。谷川が永世名人資格を持っているようなモノ。
従って羽生は次の康光の手が見たい。
当家も見たい。11手目は第二部開始の手となるのがマシュダ一家譲渡理論上の腑分け。95歩は逆転する。


10手目62玉! マシュダ一家と同じでは羽生のマケ No: 7802 [返信][削除]
 投稿者:マシュダ一家  05/07/13 Wed 10:35:17

分析UPと同時に羽生も当家と同じ第4変化選択。
さすがブーハとまず言いたい。1時間近くも考えたのは立派。
しかしこれはかつて王位戦における谷川の手が当家分析結果と全く同じであったことを想起させる。
羽生が当家と同じことしか考えないのならば康光の勝ち。
なぜならば9手目96歩を当家は全く想定していなかったため。


よっつの選択 No: 7801 [返信][削除]
 投稿者:マシュダ一家  05/07/13 Wed 10:28:56

羽生はまーだ長考中。
みっくん相手なので悩む。困ったヤツと。
みっつの選択ならラクだった。
1=94歩はここでは受けない。=逆行4-1構造
2=まだない24歩や56角を避けて33銀はフツーすぎて面白くない。
3=65角は久保に敗着扱いにされる。
4=62玉。三頭手解釈で95歩と指せと相手に催促。


10手目の羽生の長考 マシュダ一家戦略=端を受けない No: 7800 [返信][削除]
 投稿者:マシュダ一家  05/07/13 Wed 10:14:40

ここは勝敗を決める地点。
羽生はすでに30分以上扇子を左手に握って緊張しているが寄せまで見える。
94歩と受けるか受けないか。
指し手を読む以前に当家は構造を見る。

序盤-中盤
94歩と受けると後手がブランコ後進運動で3-2への第二構造相転化を実行することになる。すると後の三頭手の玉移動が逆行相転化する。先手にのみ95地点へも利く角打双頭手から95歩のアタック権利を与えてしまう。問題は先手が奇数番で95歩アタックを可能にできるのかという問題。

終盤
後手から95角展開や95桂の寄せは消滅。83桂+95桂のサザンクロスもない。
その代り先手の初手76歩を傷に出来る。
羽生はついに退室。

当家の結論。先手は1手損。さらにプラス2手損にするには94歩と受けないで先手に95歩を指させて空想3手損にする。奇数番手損を先手に強いるのがマシュダ一家戦略。


北海道新聞の王位戦壮絶中継 ゴキゲン角換り9手目96歩! No: 7799 [返信][削除]
 投稿者:王位戦第1局 実況&分析マシュダ一家  05/07/13 Wed 09:58:32

またしても北海道新聞が凄い。格段とヴァージョンアップしている。二枚の静止画像の画質が息を飲むほど素晴らしい。将棋世界の煤けたグラビアよりいい。
康光が先手。羽生が4手目54歩!
康光が後手ならこう指す手を羽生が指した。
康光はすぐに3-1で以下ゴキゲン角換り
9手目96歩!
当家でも唖然とする。
康光は退出。
1分ごとにハブの悩ましい顔が映る。うなだれやがて扇子を持つ。そして外を見る。羽生の左側から陽射し。
構図は以下
00=譲渡0
04=54歩。譲渡1。歩間4からゴキゲン示唆。
05=3-1構造相転化
06=52飛。譲渡2
07=22角成。先手から手損角換り。譲渡3
08=同銀。同飛は52飛がムダ。
09=96歩。第二歩間4は後手がブランコ前進で。
康光は一旦戻ってお茶も飲まずに一心不乱に読みふける羽生に呆れてまた退室。
康光。呆れているのは当家と羽生。せっかく裏かいて54歩であったが96歩とは。