松五郎のつぶやき。。。。。犬声人語

 我輩はドン松五郎である。ご先祖はイギリスの北方のシェットランド諸島で「シェルティ」であるが何故か日本風の古風な名前である。
一日中つながれて退屈なので2〜3日遅れではあるが古新聞ストックの新聞に目を通す毎日である。平成9年11月24日生まれの2歳9ヶ月(平成12年8月現在)であるが、人間の年齢に換算すると27歳である。立派な「成人」であるから世の中の出来事にも関心を持ち始めた。我輩のご主人のパパさんが「葛飾区再生計画案」とかを作っているので、我輩も「ワン社会再生」のために人間社会を観察しようと思う。

 我輩の人間社会観察日記である。お腹立ちの内容もありましょうが「犬の言うことだから」と笑って許して下さい。


13、(9月10日) (昔)えびで鯛、(今)政治献金で公的資金

 横浜、足利、北陸の地銀3行が合計で自民党や所属の議員に1300万円の政治献金をして、3行計で700億円の公的資金を得たそうな。実に5385倍。万馬券ならぬミリオン馬券だね。頭取は表彰もんだね。しかし、金利は1%以下で、貸し渋るのに何でコケちゃうの。
 1300万円の方は私企業の利益処分だから結構だが、700億円の方は「公的資金」とか言葉がきれいになって(ワード ロンダリング?)はいても出所は「税金」なんだからね。もっとも、我輩は「登録料」以外の税金は払っていないけど。

 

14、(9月10日) より高い要介護認定をめざして……?

 我輩の犬種は「シェットランド シープドッグ」といって、性格が穏やかで聴力に優れているので「聴導犬」に向いているという。生まれたばかりの頃、「聴導犬」としての素質を調べる時、自立心旺盛なのは、「聴導犬」になるのがイヤさに「あほ犬」のまねをするんだと、散歩の途中で親戚のおじさん(シェットランド シープドッグ)から聞いた。なんだか、より高い「要介護の認定」を得ようと懸命に「寝たきり状態」を装う努力するのに似ている。しかし、我輩の親戚の犬は「自立」のためだけど、人間様のは「自立の否定」のためだから、この差は大きい。人間ってせつないね。

 

15、(9月15日) 〜杉並病〜疑わしきは誰の見方?→強い方です。

 東京の杉並区の不燃物中間処理施設「都杉並中継所」周辺では3年前の4月(96年4月)の稼動開始直後から目やのどが痛んだり頭痛がする住民がいるのに、区は見て見ぬふり。都は「現段階では症状と中継所の関係は明確ではない」とはねつける。疑わしきは誰の味方ぞ。水俣病やイタイイタイ病などの公害病の教訓が全く生かされていない。
 新区長の山田クンは「発症者の医療補助などの救済措置の検討や住民との懇談会設置」を約束したと言うが、先ず、原因となる疑いのあるものを「止める」のが先だろうが。後で保障があっても蝕まれた体は元に戻らないことを忘れているのではないのか。(忘れたふり?)ムシロ旗をたてて住民側の先頭に立つのが「首長」たる区長の務めではないのか。「ベクトルO」の民主党の推薦区長ではそんな元気はないかもね。(cf.0801)

 

16、(9月17日) 憲法第9条のプラス、マイナス

 民主党の党首選候補者のバトルトークとやらを聞いた。「護憲命」で学生時代を通過した者にとって、「戦争放棄を定めた第9条と国際協調主義を謳う前文があったから、わが国の今日の平和と繁栄がある。」横路さんの認識には「そうだ」と拍手を送りたいところである。

 しかし、それがそうだとして失ったものはないのかの疑問が起こる。

 国の基本法である憲法のその中の根本とでも言える第9条と現実との乖離をどう説明すればいいのか。事情変更の原則だの文理解釈だの、ためにする解釈方法を持ち出して日本語を捻じ曲げ、法というのは時の権力者の解釈でいかようともなるという風潮を生み出したのではないのか。

 「自衛隊」と呼ぼうが「軍隊」と呼ぼうが実態は存在するのである(実際、対外的には Army,Navy,
Air force)。アメリカとの関係、国際的な軍事バランス、自衛隊を生活の糧にしている人々の存在、それらの全てを、一片の理想の下にチャラにできるのか。

 時の為政者の恣意によって自由気ままに解釈される余地を残さない憲法にすることこそが、より平和主義を貫く方策であると考える。結論が憲法改正ではあっても、それに至る道は異なる。現在の緩んだゴムのように限界をルーズに拡大出来ることが危険であるから改正して為し得ること為し得ないことを厳格に規定しようという立場である。(自衛隊や為政者自体は現在のままの方が解釈しだいで何でもアリだから護憲を願っているんではないの?)

パフォーマンスを前面に出した菅さんスタイルの民主党にはどうしても馴染めないが、鳩山さんの、こと憲法第9条観については同調できる。(cf.0701)

★「憲法違反だ」と騒いでも最終的な有権解釈は法体系上最高裁判所が有するのであり、ここの判事は時の政府が指名(任命は天皇)するのであるから政府寄りの解釈をするのは当然である。(もっとも「政府寄りの解釈」というより確信犯的にそのような解釈をする、立場に立つ人間を指名するのであろう。)ならば、解釈の余地の少ない憲法にしてゆく必要があるのではないか。 (99.12.9)

⇒ご意見自体そうだと思う。(これが自分自身の主張だから) しかし、正面からそう言われると、「そうかな」とも一寸ひいてしまう。「政治(安全保障にあっては特に国際政治)のダイナミクスの中で国内法によって政府の行動を制約して良いのか」の疑問がわき起こるからである。「憲法成って国(つまり国民)滅ぶ」では本末転倒だからである。問題は憲法が政府に許容する範囲の設定なのであるが、メール氏の認識と異なり、若干の"アソビ"も必要ではないのかの気もする。
 [反論のための反論のようで心苦しい。] (99.12.10)

★(00.9.16 産経新聞) 欧州の憲法改正事情 議員団のイタリア訪問にはもうひとつの目的があった。それはローマ帝国史研究の第一人者でイタリア在住の女性作家、塩野七生氏から、日本の憲法論議に対する意見を聴くことだ。『法は神聖不可侵であるべきではない。十字軍、魔女狩り、いずれをとっても神聖不可侵は歴史的に失敗の連続。ユダヤの法は神がつくった法だから、法に人間が合わせた。しかし、近現代の法の原点であるローマ法は、人間がつくるものだから必要に応じて改正が行われた。法は人間に合わせるべきもの。改正されない法は不健康です』と、塩野氏は指摘した。そのうえで『日本の憲法は改正されるべきだ』とし、『まず改正手続きを規定した第96条を改正し、衆参両院の過半数の可決とする』ことを提案した。塩野氏の提案は、これから憲法論議の前提として「21世紀の日本のあり方」を議論しようとしている議員団一行には意外で、衝撃的だった。議員団からの質問に、塩野氏は『山の向こうに谷があるかもしれないといって山に登らなければ、いつまでたっても登れない。高い山かもしれないし、谷かもしれないが、まず山に登りましょうということです』と語った。

 

17、(9月30日) 知事、政令市長の多選禁止。では議員の多選や二世の立候補禁止は?

 「知事、政令市長の多選禁止が自自公協議で合意された」………という記事の横に、30日に告示される参議員長野選挙区の補選に民主党の幹事長の羽田孜さんのセガレさん(雄一郎さん)が出るとの記事。群馬の中曽根さん親子、福田さん兄弟、同じ地盤の有効利用だな。みなさんアタマいいよな。知事、政令市長の多選禁止をいうのなら議員の多選や二世の同一選挙区からの立候補禁止くらいは言ってもいいのではないの?

 6選で批判のターゲットにされた大分県知事の平松守彦さん。目をひん剥いてツバキを飛ばし飛ばし大分への熱い思いを語る禿げ親爺のように日本を語る武士(もののふ)が今の国会にいるかい?

 5選の武蔵野市長の土屋正忠さん。パパさんが議員時代に自分のところの区長の次に会った回数の多い人。当然、政策の善し悪しや、独断の評価はあるが、不正蓄財とやらの噂は無い。パパさんの目には議員の不勉強、職員の創意工夫が市長についていかないだけのように映る。(土屋さんの言い分に影響されているけれど)もっとも、職員や議員からの意見の吸収方法には難があるのであろう。

 こういう自治体の首長の権力拡大が小選挙区になって自分たちのライバルになってはヤバイとする現職議員たちの多選禁止だの、他の選挙に出るときは一定期間おけだのには、その身勝手さに腹が立つ。許認可官庁から関係企業へ天下る高級官僚の場合とは訳が違うっつうの。「公共の福祉」の観点からの問題でなく、「議員の福祉」の観点からの問題でしょ。

◆(00.5.5)同じ観点からの投書(朝日新聞00.5.5朝刊)

 世襲の悪弊にいっそ規制を  無職 藤城 高光  (東京都練馬区 73歳)

 竹下元首相が、ようやく引退を声明した。後継者に実弟を推し、地元後援会も歓迎しているという。宮沢蔵相は、比例区に転出するので甥に広島7区を譲り、小渕前首相は群馬5区に次女を、と総選挙を前に世襲の話で持ちきりなのは誠に苦々しい。国政を預かる国会議員が、地元選挙区と腐れ縁の"おらが郷土の殿様"の相続でいいはずがない。天声人語によれば、衆院で3.5人に一人が世襲議員で、二世や孫がおり、甥、女婿がいる。「先進国ではほとんど類のない奇観」とのこと。断じて許せぬことだ。

 現実離れしていると言われるかもしれないが、例えば公選法を改正して、同一選挙区から、五親等血族は立候補を50年間ほど禁止するくらいのことをしなければ、地元利益誘導に狂奔し、地元もその受益を期待し続け、結局は国政をゆがめるという政治の構図が、日本から無くならないのではないか。

→ 五親等血族に姻族も加えては?

 

18、(10月4日) 豊島区長令=災害時に備え、管理職は区内に住むこと???

 豊島区の新区長、高野之夫さんが『危機管理を目的に管理職は区内に住むべし』と指示したそうな。「24時間体制の住民サービス」が自身の公約というが、それはそれで結構だが、管理職全部を区内に住ませるというのは、知恵が足りないね。区内が被災することを前提に考えるなら、当該管理職の家庭も被災している可能性が高い。被災した自分の家を見捨てて区のために出て来いとは強制できまい。(出てくる職員がいれば嬉しいことではあるが)
 区内、区外在住職員それぞれのプラス、マイナスを折りこんだ区としての「対応策」たてておくべきではないの。

 「単身赴任で」とまでいうが、60過ぎた人が区役所の近くに引っ越すのと家族の精神的中心たらねばならぬ子育て中の人が単身赴任するのとはワケが違うのよ。家庭を崩壊させて仕事の虫にさせるような民間の単身赴任の無批判な流行が日本の今日の教育を疲弊させた一因でもあろう。そこに思いも致さないのは、おのれの自己満足のため(「24時間体制の住民サービス」と言葉は美しいけどね。)と、言わざるを得ない。豊島区は職員も区民も不幸だね。

【パパさんの意見】⇒災害は発災直後から、被災者救出→救援→援助→復興、と長丁場なのである。100m競争ではない。思いつめた被災者の前で働く職員は視線は被災者の側にあらねばならないが、大局を見渡せる余裕を失ってはならないのである。そのためには何日かに1日は現場から離れて心身ともにリフレッシュすることが必要である。責任者ともなればとくにそうであろう。被災を免れた区外居住の責任者が自宅の6畳間で大の字になれば、被災していない感謝とともに明日からの救援活動にも親身になれるであろう。区内居住ばかりが選択肢ではあるまい。

 

19、(10月7日) 消費税の滞納は「滞納」じゃあなくて「横領」だぁ〜

 9月29日、国税庁が『消費税の滞納分が、98年度末で過去最高の6000億円を超えた』と発表した。  おいおい、消費税は自分の所得の一部の納税とはワケがちがうぜ。消費者から預かったもののハズ、預かっているものを使い込んだら「滞納」じゃあなくて「横領」のはず。国税庁は滞納者を消費税法上の「滞納処分」とともに、「横領罪」で刑事告発すべきではないの。せめて『○年度消費税完納』のシールでも作ってレジに掲示させるくらいのことはしてはどうだい。

 税率アップを目論んでいるようだが、 益税、滞納、逆進性、課税品目の峻別など解決すべき点をクリアしてからにしてよな。

(99.11.10 国税庁発表『平成10年度 滞納整理状況について』によると消費税の新規発生滞納額は、7,249億円で国税の44.2%にあたるという。)

 

20、(10月20日) 吠えたら叱られたァ…西村眞悟防衛政務次官

 西村眞悟防衛政務次官が週刊誌へのインタビュー発言で辞任に追い込まれた。発言の内容は八つぁん、熊さんが床屋か湯屋(銭湯)でするような、日本も核武装すべき(の議論を)という物騒なものや少々品性に欠けるものであるが、その後のマスコミの正義を気取ったバッシングには慄然とする。
『貴方の意見には反対だが、貴方の意見を述べる権利は命に代えても守る』(ヴォルテール)
という言論の自由はこの国には無いのかと。
『時に遇うも遇わぬも、皆天に任せて顧みず 我にありては、道を明らかにし、義を正しうし
 言うべきを言い、為すべきを、為すのみ』(吉田松陰)

我輩も怪しい者が近づいたら吠えるのが職務だと思って、夜中に吠えてひっぱたかれた。

【パパさんの意見】⇒「非核3原則」というのは現政府の政策であり、日本国が将来にわたり「核オプション」を完全に放棄したものではない。「核の抑止力」は地球上に国家が存在し国境というものが存在する限り存在すると思う。日本の核武装が周辺および世界の各国との関係の中で合理的な選択足り得るかをタブー視せず冷静に議論するのは政治の役割であろう。


BACK to 再生計画案    BACK to 松五郎のつぶやき「一覧表」
ご意見、お問い合わせ
E-Mail:k-sigeki@tau.bekkoame.ne.jp