映画館がやってきた!

構築日記・不定期便
- What's NEWを兼ねた日記のような読み物 -
2003年5月
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2003.5.31
  • 明日は日経の取材があるので片付けなければ…と思いつつ、HDD録画を こなして一日が過ぎてしまった。勝負持ち越し(^^;;;;
  • 『ガンダムSEED』鑑賞
     このところ話しが激動しておりなかなか気を持たせていたが、新しい 「フリーダム・ガンダム」はちらっと見えたし、新たな謎もフリまくりだ。
     先週まで「回想シーンばかりで枚数稼いで、やばいんじゃ…」と思ったのも 今回は無かったし。
     今回のガンダムは「核が使えない」という設定の下、バッテリー切れを起こす シーンが良くも悪くも枷となっていたが、フリーダムはどうも 「無限に単独行動できる」エネルギー・ソースを積んでいるらしい。
     さすが主人公メカというか、ずるいと言うか、微妙なところ。ソコハカトナク 「エヴァっぽい」という批判も覚悟の上でのことだろうから、 ストーリーの方は頑張ってもらいたいものである。
     それにしても、前機種でも一人で4機以上のモビルスーツを相手にバリバリ 勝ちまくっていた主人公が、4倍のパワーを持ち無限に動けるメカに搭乗した とちいうことは「めちゃくちゃ強い敵が出てくる」ということなんだろうなぁ…。
2003.5.30
  • 味噌ラーメンが好きだ。
     しかも、約20年前、学生時代に八王子で食べた味噌ラーメンが好きだ。あれに 匹敵する味は今まで出会っていない(新規開拓熱に関しては決してマニアではないので、 なかなか行き当たらないだけ(?))。…ということで、ふと思い立ってwebで検索してみた。
    「京王八王子駅 北口 味噌 ラーメン」…で「九州ラーメン桜島」という 店名であることが判った。思い出した。実は学生時代は単なる駅前のラーメン屋 であって店名なんか気にしたことが無かったもので…(^^;
     八王子には2店舗あるものの、残念ながらチェーン店などが現在の私の住む沿線 にあるという情報は無し。webの検索は凄いなぁ(というか、ラーメンマニアの 熱意が凄いと言うことか…)。
     ともあれ、どうやらこれが「鹿児島の味らしい」ということは判った。
  • 神亀発泡生酒
     近所の酒屋で、見かけて購入。いつでも売っていると言うわけではないので、 見かけたら買うことにしているのだが、こいつは、ほんのり濁り酒状態で 米のうまみが濃厚なところを、しゅわっと炭酸の刺激が軽くまとめて、 「むひょ〜」っとうなる美味さである。
     口当たりが良いので調子に乗って飲むと腰を抜かすタイプの酒だ(笑)
     妻の希望で毛蟹とホタテの刺身なんかを買い込む。
     それにしても、何でも「初物」の刺激は強い。この発泡生酒も年とともに 「馴染みの酒」になってきて、新たな刺激を求めちゃうのだな…。
  • 黒ヱビス発売
     なかなか本格的に濃厚な黒ビールになっている。
     最近ヱビスの重さを避けて「モルツ」に走ってる私には重い。美味いけど。
2003.5.29
  • 『頭山』DVD購入 ★
    ストーリー:
     あるところにケチな男が居た。種までもったいないと、サクランボを 種ごと食べてしまったために頭から桜が生えてきた。
     これが見事な桜で評判になり、花見客がやってきて頭の上で どんちゃん騒ぎをする。男はたまらず桜を引き抜いた。
     ところがその跡に大きな穴ができ、雨に降られて池ができた。
     するとフナやコイがわいて出て今度は魚釣りが押し掛ける。 夜になって網船を出す者まで現れた。もう我慢できない、と男は 「もんどり打ってドブーンと自分の頭に身を投げた」(橘家円蔵)。
     とまあ、古典としてはこういう話しだが、アニメの舞台は 現代の都会に置き換えられている。
     もともとは中国からきたネタのようで、確かにあちらには 時空が捻じ曲がったような話しが沢山ある。
     さて、目当ての『頭山』に限って言えば★★満足と言えるのだが、 DVDとしては、10本ほどあるその他の短編は、手法に関する実験的な 作品が多く「アニメ」そのものに興味がある人意外には結構辛い(^^;
     自分の知っている「頭山」の完全再現ではないところに物足りなさも 感ずるが、花見する人々の生態というものが「日本」を象徴的に捕らえており、 海外で興味を引いたことは大変納得がいく。
     肝心な「自分の頭に身を投げた」というシュールなシーンは よくできていると思った。めまいを誘うような絵だが、何が起きたのか よくわからなかった人も居るのじゃないかと思うな。まぁ、そもそも 有り得ないわけだが
    作者の雑記
  • 『シカゴ』は、掲示板なぞを見ているとヴェルマ・カット(キャサリンの髪型) にしちゃったという女性ファンが結構いるようだ。悪女にあこがれるわけだな。
     『スターウォーズ』を見てボバフェットの装甲服が欲しくなるのに似てるな。 (似てないか?)
     有楽町で『マトリックス』を見た後で、ネオの黒いロングコートを販売して いるのを見て「かっこイイ」と思ったが、身長が180cm以上無いと引きずって ズルズルだということに気がついたのは(別にコスプレしたいわけではないが) 悔しかったが(笑)
     サングラスも、顔の輪郭が尖ってないと別人だしな〜。
  • それっぽい衣装?
  • 破綻銀行に投入した資金(国民負担)、なんと10兆円
     計算すると、1家族あたり約40万円ということか。乱脈融資とかの 経済犯罪にも死刑が必要では?と思わせる状況だ。
     「預金は全額保護」というのはウソ。
     全国民が、これだけの損失を負担しているのだ。な〜んの責任も無い 我が家の家計から40万円も何故出さねばならないのか。バブルで儲けた 責任者からちゃんと取り返すのがほんとじゃないか?
     国民の大多数は、バブル時代でもこれといって羽振り良くもならず、 無駄金も使わず真面目にやっていたはずで、責任があるのは本当に 一握りだと思う。
2003.5.27
  • BSマンガ夜話「ファイブスター物語」放送(BS)
  • 「聴覚心理学概論」〜 聴覚系の基本的な構造と機能
     生理学上ちょっと面白い話。
    • 中耳に有って、鼓膜と蝸牛を繋いでいる耳小骨の仕掛け
       こんな小さな骨にも筋肉がついていて、聞こえに関して能動的に 働いているのだそうだ。具体的にはこの筋肉が緊張すると低音がカットされる。
       どういうときに働くかというと、本人が声を出そうとした瞬間に ぐっと力が入って自分の声を小さく聞こえるようにする。
       オペラ歌手なんか凄い大声で歌っているけれど、案外本人は うるさく感じていなかったれするのかもしれない。
       もう一つは、「大音量を聴くとき、低音による高音のマスキング 現象を減らすために緊張する」のだそうだ。
       たまに「低音馬鹿」な人がいるが、この筋肉働きすぎなのかも。
       ちなみに、この筋肉は「爆発音」のような突然の大音量には反応 しきれないそうなので、耳は大切に。
    • 外有毛細胞は、中枢神経に制御されるアンプ
       聴覚の実際のセンサーとして働く「内有毛細胞」は、光の波長より 小さな振動まで検出するそうだが、「内有毛細胞」と並んで生えている 「外有毛細胞」は、アンプの役割をしている。しかも、中枢神経によって 能動的に働くのだそうだ。
       つまり、ある音に注意しなければならない時、その音 (わりとシャープな周波数帯域)だけを増幅できる。
       つまり人間の耳は「単純なマイク」では無く、 「グラフィックイコライザー付きプリアンプ内蔵」ということらしい。
       注目している音次第で、周波数特性がコロコロと変わるのが人間の 耳ならば、微細な音色変化は、聞く人の訓練次第で思い通り になると言うことだ。
       ちなみに、「外有毛細胞」の働きは体調変化に敏感で、麻酔に弱く、 近年生きたままの猫の 耳の神経細胞一つ一つの電気を調べられるようになって、徐々に判って きたことだそうだ。
       お酒を飲むとなんとなく耳が遠くなるのも、アルコールの麻酔作用で 「外有毛細胞」に対する中枢神経のフィードバック制御が緩慢になる からと思われる。
       この増幅作用は意外にパワーがあって、短いクリック音を聞かせると 5mS〜60mS後にそれに反応する「外有毛細胞」の動きが聞こえるそうだ。
       また、耳鳴りは「外有毛細胞」が一種のハウリングを起こしている 状態で、外部に耳鳴りの音が聞こえることさえ有るそうだ(^^;;;
    • これほど、聴覚は都合よく変形した音を聞いているのに、本人は 普通に「フラットな音」を聴いているつもりなのは、中枢神経が バリバリ補正しているおかげだ。
       たとえ話なら「視覚」の例がわかりやすいが、斜めからTVを見ると 台形にゆがんで見えているのだが、これが気になることは無いのは、 脳が補正しているおかげである。
       遠近によるものの大きさの見え方は、距離が二倍になっても、半分の 大きさには見えない、というのも有名。
       網膜に存在する「盲点」が気にならないのも脳のおかげだ。
       聴覚で有名なのは、雑音で遮られても単語が聞き取れる(聞こえない はずの音節が聞こえる)なんて現象がある。
2003.5.26
  • BSマンガ夜話「銀河鉄道999」放送(BS)
2003.5.25
  • 『シカゴ』鑑賞(VC市川#6) ★★☆
     そのうち行こうと言いながらいい加減終わりそうな時期になった(^^;
     VC市川では#6スクリーンで一日3回上映になったので、午後の回の 客席はほぼ満席。
     今週から上映の『8 miles』は一日10会上映という拡大ぶりだが、 映画館の中は「ヒップホップなファッション」の若者であふれ返って いるのだった。直前までそれほど話題になってもいなかったが、 ヒップホップ界のカリスマ・白人プレイヤーの「半自伝映画」で、 たぶん予算も中程度だろうが、この大入り振りではさぞかし収益上がるだろう。
     予告編は『踊る大捜査線2』『マトリックス』『チャーリーズ・エンジェル』 『X-MAN2』などなど、派手にヒットしそうな映画がずらずらと並んで、 今年の夏の映画業界は景気が良さそうな予感がする。

     さて『シカゴ』だが、全編ぎっしり面白かった。
     もともとミュージカル作品だから、芝居のかなりの部分を歌と踊りで 通すわけだが、主人公は場末のミュージカルの踊り子達であり、その「劇中ショー」 の部分と、通常のミュージカル映画どおり「芝居が歌になっている」部分に加えて、 「舞台のミュージカルを、映画の芝居に挿入する」という手法も使われている。
     つまり、映画の中で牢屋に収容されている女達が歌い始めると、突然舞台が 監獄からステージに飛んで、ステージの映像と監獄の映像が切り貼りされて 展開される。なんて具合。
     最初は「何事か」とびっくりした(^^;が、刑務所の中で突然踊りだす 不自然を「舞台の映像」に置き換えて、いわば「脳内ミュージカル」として 見せることで、不自然を武器にした演出ともいえる。もともと、ミュージカル・ スターを夢見る女達が主役に据えた作品ならではの荒業だ。
     当然、ほとんどが刑務所の中で進行するこの作品の「きらびやか度」の 大幅アップにも貢献している。
     この作品の弱点は「「主役になれない女」が主役」だから、ビジュアルが イマイチぱっとしないことか。主役なりに頭も容姿も踊りもイマイチちょっと 足りない…という女を見事に演じているのは確かだが、助演の「キャサリン・ ゼタ・ジョーンズ」の方が、見た目も踊りもはっきりと、良い。
     いい味出していたのは「リチャード・ギア」
     法廷では自分がスター。金の魅力に無節操で、注目を浴びる派手な事件で、 無罪を勝ち取って注目されるのが大好き。という、頭は良いけれど、 誠実さのかけらもない弁護士を見事に演じている…というか、ぴったり はまり役。
     ストーリーの中心は主役の「ロキシー・ハート」でも、話を転がしていく パワーはこの弁護士に有る。中盤はず〜っと「ウソで塗り固めても、裁判で勝つぞ!」 という弁護士と、ついつい本音でボロを出しそうになる彼女のかけあい漫才 みたいなものだ。
     ボケと突っ込みなら、突っ込みのほうが、そりゃ華やかだ。
     法廷ミュージカルが最高潮に達して、みごと無罪を勝ち取ったところで、 舞台は厳しい現実に転げ落ちる。
     移り気な大衆は新たなスキャンダルに飛びつき、ロキシーの 「事件で名前を売って、舞台で成功する」という作戦は崩れる。
     ここから、キャサリンと組んで「殺人経験者コンビ」で売り出す話が最後の 山場だが、もっとも物足りなく思ったのが、肝心の二人のデビューステージだ。
     当然、ここでは全編で最も素晴らしく豪華なステージを見たいと思うが、 期待ほどには盛り上がらない。
     冒頭のキャサリンの逮捕直前の舞台や、刑務所の中で「二人が組めば上手くいく」 とロキシーを誘う曲での一人の踊りのテンションの高さと比較すると、 メデタシメデタシの緩さが感じられて、いっそ「これを見せながら、 スタッフロール流してしまえば」と思うくらい。
     このシーンには、客席を使った主要登場人物の顔見世もあるので、まさに 気分はスタッフロール。だけど、宝塚の主役が羽根を背負って再登場してくる くらいにインパクトの有るショーが見られたら、もっと、盛り上がっただろうし、 映画的にきれいにまとめる必要は無いんじゃないかと思ったのだった。

     音楽は、映画館を出るとき鼻歌が飛び出すくらいにいい感じ。
     スタッフロールにかぶる曲もとても良いので最後まで聞けた。何時ものように 本編終了と同時にダッシュで出て行く人もいるわけだが、まったくもったいない。 しかし、他の映画より遥かに多くの人が照明がつくまで残っていたのは、 みんなじっくり曲を聞いていたのだろう。
     劇場で曲を覚えるほどリピートしようとまでは思わないけれど、DVDが出たら 英語字幕でたっぷり楽しめると思う。

  • シカゴのネタとなった実話のこと - 読売
     1924年頃、殺人事件のニュースがエンターテイメントになると言うような風潮では 有ったらしい。そしてこれらの事件を扱った記者が脚本を書き1926年にはブロードウェイ で上演されたそうな。
     オリジナルとしては「殺人事件が娯楽記事になる」という社会と裁判の行方が ストーリーの軸のようだが、ミュージカル映画に作るからには、あと30分長くなっても 良いから、ミュージカルシーンに一層の気合が欲しかったかなと思う。
  • 劇中ミュージカルシーンの設定のこと
     感想の中で「劇中劇」「芝居が歌」「脳内ミュージカル」というパターンに ついて書いているが、監督はこの作品の中のミュージカルは主人公のロキシーの 妄想だと言っているそうだ。
     つまり、「脳内ミュージカル」というわけで、曲のあいだ舞台と現実が交錯 するようなこの演出は狙い通り出来ているようだ。
     もちろん「わけも無く突然踊りだすのがミュージカル」で、こういう設定は 邪道だと考えるミュージカルファンもあるかもしれないけれど。

  • 「SFはどこまで実現するか」(講談社ブルーバックス)再読
     「こんな超物質があればこんなSFが実現する」という流れの本。
     読む人によって、当分(数世紀以上)無理だなと思うか、今にも出来そうに 思うかが別れると思うが、基本的には無茶な話が多い。だから「実現するか」 という視点より、計算上こうなるというハードSFの解説本 として読むのが正しいだろう。
     だから、出典となるSF作品を明示してくれたほうがより面白い のではないだろうか。特撮系ではそんな解説本が一時ブームになって いたけれど…。
2003.5.24
  • 「ヘクサコルド・コンサート」(お茶の水)
     リュートとバロックギター、声楽のコンサート。
     ショップで開催されるアマチュアコンサートなので、腕前はバラバラだが、 中にはやはり聞きほれるような腕前の方もいるし、学生時代に愛聴したレパートリー なんかが取り上げられるとちょっと嬉しい。
     今回一番面白かったのは「バロックリュート」によるヴァイスの組曲。
     「バロックリュート」は、ギターの4倍くらいの弦が張ってあるわけだが、 それが互いに共鳴して深遠な響きを聞かせてくれる。当然きちんと調弦して きちんと演奏しないとそうはならないのだが、何度か聴いたこのシリーズの中で 初めて「おぉ、バロックリュートは凄いな」と思ったのだった。
  • 「聴覚心理学概論」B.C.J.ムーア 著、大串健吾 監訳(誠信書房)購入
     御茶ノ水に出たついでに、面白い本はないかと探ってみた。
     これは、1977年初版で、82,89と改定され、93年の訳。結構新しい。
     学部から大学院までの教科書として使える内容ということらしい。
2003.5.23
  • 聴覚の心理学的研究に関する文献をネットで検索。
     一昔前には皆無に近かったこの分野の研究だが、パソコンの発達によって、 研究がしやすくなった(望みの音声パターンが作りやすくなったし、紙の論文では 添付することの不可能だった「音」をwavファイルで聞かせることが出来るように なったのが大きいだろう)のか、この10年ほどで論文は増えているようだ。
     20年前に出版されていた文献は、(さんざん神田を歩き回って探したが)数える ほどだったが、現在のところ、ネットの上にはかなり 沢山の文献が出てきている。
     面白くなってきたぞ。
  • タモリ倶楽部で「電源(コンセント)の聴き比べ企画」放送
     マランツの視聴室にて、季刊・オーディオアクセサリー』誌筆者・井上良治氏 のナビゲートで6種ほどのコンセントを試聴する。
     ゲストはオーディオ評論家と、山瀬まみ、明和電器など。 TV業界初のコンセント番組 と銘打っているのが馬鹿馬鹿しいが、オーディオ好きのタモリの企画だとか。
     システムは全てマランツのもの。スピーカーはN801かな。コンセントは4口 使っていたので、CD,プリ,メイン(mono*2)という機器構成か。
     番組は評論家の解説を聞いた後に、ターゲットのコンセントに差し替えて、 全員の感想を述べ合うと言うスタイル。
     最初に、「ケーブルで音が変わるのです。硬いケーブルは硬い音、柔らかいケーブルは 柔らかい音。」と評論家氏が言って「見たまんまじゃないすか?」と芸能人たちの笑いを取る。
     その後、いよいよコンセントの試聴。
     まず、一通り抜き差し。タモリが手ごたえを味わう。
     「なんかエッチな気分になってきた」とコメント(笑)
     次に一つ一つのコンセントに対して「このコンセントは○○万円です。特徴は高音が伸びるので、 音が縦に長くなったように聞こえます」とか、「このコンセントは○○万円です。 ベースが弾んで聞こえます」などと、解説しながら差し替えていく。
     芸能人諸氏は真剣そのもので聞いており、「ぜんぜん判りません」とか 「あ、確かに変わりましたね」などと言い合っているが、変わるような気のせいのような… と、曖昧に結論を出さずに終わるのがタモリ倶楽部的と言えば言えるし、 「コンセントなんて家についているじゃないですか」と、ネタとして、 評論家氏の言動を楽しんでいるようにも見える。

     いずれにしても、この試聴方法は話術と群集心理で老人達に磁気布団を売りつける セールスマンの手法と大差無い。
     「次は××に注意して聞いてください」などと言われて聴いたのでは、 なんとなくその部分がくっきり聞こえるのは当然だし、一人でも「あ、変わりましたね」 と言えば、「私には違いがわかりません」とは言えないのが心情というもの。
     厳密に言えば、「よく聞いてください」と20-30cm前に身を乗り出しただけでも、 音像ははっきりくっきり変化するし、同じ曲を繰り返し聞けば繰り返しのたびに細部に気が付く ようになっていくので、現実の音質とは関係なく、本人の気合に比例して音はどんどん 変わるという効果が排除できない。
  • 残念ながら、TVでは音の良し悪しは有ったとしても伝わらないだろう。
     私がDならばこう見せる。
     まず、一回目は今回の放送と同じく好きに試聴させて、各自音の特徴をメモさせる。
     二回目に完全なブラインド状態で再試聴させ、評論化氏も含め、全員に特徴をメモさせ、 「利きコンセント大会」をさせる。もちろん、カンニングなしの真剣勝負で 賞品を賭けさせる。優勝者は好きなコンセントをプレゼント(^^)
     ビリはやっぱり「センブリ茶」かな。
     この条件だと出演してくれる評論家が居ないかもしれないが(^^;;
2003.5.22
  • 宮崎技術研究所の技術講座「実用ノイズ対策技術」 - とても詳しいノイズ対策の解説。実際の ノイズ波形の写真が沢山あるところが説得力ある。
  • ためしてガッテン「めまい」
     激しい頭痛、舌のもつれ、手足のしびれ、吐き気、があると脳梗塞の心配あり。
     そうでないものは、三半規管の不調や、脳が疲れている。
     三半規管って、改めて見るとX-Y-Zの三軸に対応したジャイロセンサみたいに なっていて、不自然なほど工学的な仕掛けだ。
     調べると、耳は五感(視覚、触覚、聴覚、味覚、臭覚)の進化の中で 最後に出来た器官らしく、動物が陸に上がったときに「魚の顎の骨」が変化して 進化したのだそうだ。不思議。
2003.5.21
  • 認知心理学者、菊池聡の本は面白い(去年読んだ)。 最近思い出してYahoo!で検索したら たくさんヒットしてけっこうメジャーだとわかる。 「超常現象や疑似科学を信奉する際の思考バイアスと心理的錯誤の研究」が 専門の人で、最近ならTVで見かけてもいい気がするが…。
  • 「発達心理学」の成果をオカルトグッズにまつわる心理に適用できないか。
    子供の頃ウソをつくとウソをつく大人になるのか(F.E.R.C)→5歳までの子供には ウソをついている自覚が無いことが多い。
    • リアリティモニタリング能力(「現実」と「想像や空想、願望」などを区別する能力)の未発達
      →大人でも「鍵を掛けたっけ?」など「やろうとしたこと」と「やったこと」 の区別が思い出せないことはある。
    • マジックナンバー(直前の出来事などを「短期記憶として覚えられる容量」)の不足
    • 予見能力(自分の発言を相手が信じるかどうかといったことを予想する能力)の未発達
  • 認知心理学のキーワード
    • 負の転移(negative transfer):新しい学習や問題解決において,先行経験が妨害的に働く(負の効果を持つ)こと → 同じ解法を適用しつづける。
    • スキーマ(刺激事象の間の関係を発見し,これらの関係を具体化する図式)に依存した情報処理は迅速だが,時として不正確である(ステレオタイプ)
    • 認知的不協和の解消(自己矛盾を解消する方向に,情報処理を行なう)
      (高価なケーブルは馬鹿げている→一万円のケーブルを買った→ 私の行動には矛盾があるのか?→そんなことは認めたくない→ 私の購入した価格くらいまでのケーブルなら相応の効果はあるのだ)
    • 同調(conformity):他者あるいは集団が呈示する基準や期待にそって,それと同一あるいは類似の行動(判断,態度を含む)をとること。
    • 短期記憶には厳しい容量限界がある。この容量を越える情報を一度に受け取ると、必ずどこかが欠落し、欠落部分はしばしば推論によって補われる
      → 一度にたくさんの機器を試聴すると、正確な比較は出来ない
  • ともあれ、認知科学では「視覚の錯誤」に関する研究は多いが、 「聴覚の錯誤」は実験が大変なのか、重要視されていないのか、調べても なかなか論文が少ないし、一般向けの良書となるとなおさら…。
     ただし、情報として入力された音に対する記憶や判断という高次の働きについては 視覚を用いた研究結果を援用して推定できるだろう。

  • 100円ショップでUSBケーブル(1m)を発見。
     安すぎる…。
  • ためしてガッテン「アトピー」特集
     30過ぎて突然出ることも有るらしいのが、安心できない。
     ステロイドの正しい使い方は、最近医者も真剣に取り組んでいるらしい。 アンチ・ステロイドの民間療法の被害が多いことを考えると、医者も頑張らないと。
     自分でできることはと言うと「乾燥を防いで掻かない」ということに尽きるらしい。
  • ドラマ「ダイヤモンドガール」
     今週は、音楽プロデューサが「デビューさせてやる」と言って若い娘達から 20〜30万円の金を騙し取っていたと言う事件で、お金は取り返したいけれど、 裁判となるとしり込みしてしまう彼女たちを勇気付けて頑張ると言う話。
     若い娘に混じってお姉さん濱田マリ)も「シャンソン歌手にしてやる」と 騙されていたのだが、事件解決のお祝いに披露した歌が「頭が痛くなるような音痴」 というオチ
     昔「モダンチョキチョキズ」で仮にも(?)歌手として活躍した彼女にとって、 それはどうよ…と思う演出だが、うっかり合ってしまわないよう徹底的に外して 歌うのは技術が要るのではないかと言う意見もある(^^;;
     モダチョキ、新譜は出ないのかな…。もともと関西ミュージシャンのゆるい 集まりで阪神大震災以降、フェードアウトしてしまったようなのだが。
     とりあえず、まだ持っていないCDを探してみるか…
2003.5.20
  • 妻が足の上に包丁を落とす
     幸い傷は浅かったが我が家の包丁はよく研いであるので危ないぞ。
  • 君はいかにして民間療法の信奉者となりしか?
     民間療法に関する上記のページの分析は、オカルト・AVアクセサリを信ずる心理現象 を論ずるにあたって完全にマッチする。
    (実は、この説明は様々な心理学の解説書に出てくる広く認められた説)
     これに「多数の意見に同調してしまう」性向を加えれば、結果万能か。
  • ぜんぜん知らなかったのだが、1997年に 中国人気功師が超能力治療による詐欺で有罪になり、気功師を紹介する 特番を作った日本テレビの責任が指摘されるという事件があったそうだ。
     なんか、その割にはTV各社はオカルト番組を作りつづけているようだが、 つまり「万が一の裁判費用」より目先の視聴率ってことなのか?
     ちなみに、当の日テレは、現在は「オカルト現象を科学的に解明する」 という番組をやっている。
     オカルト・ネタをキープしつつ訴えられない上手い方法だ。
  • そろそろ今期ドラマ折り返し地点。
     毎日複数の作品の放送があり、今期16本ほどのうち、 初回チェックしたものが9本。選択基準は脚本家と俳優、そして OLのドタバタとか、家庭内のゴタゴタはパス。という感じ。
     現在までに脱落した作品は、(数字は初回→5回の視聴率)
    • 火10マルサ!!(14.6%→12.3%)
    • 土9 ぼくの魔法使い(12.0%→8.9%)
    • 日9 笑顔の法則(19.1%→11.5%)
     見なくなった理由は「マルサ」は、税金の仕組みやマルサの仕事がわかると 面白いと思うのだが、肝心の仕事の部分がふざけ過ぎなのと、江角の芝居が 見ていて辛すぎること。
     「魔法」は、破天荒すぎて初回からついて行けなかった。1回ノックアウト。 脇役はベテランを使っているし、惜しい気はしたのだが…
     「笑顔」は、中心人物3人が全員煮え切らないタイプの人間で、耐えられなかった。
     現在継続してみているのは、6本。
     ランキングすると、
    1. 水9 ダイヤモンド・ガール(12.5%→10.9%)
    2. 火9 顔(15.6%→12.4%)
    3. 木9 動物のお医者(13.7%→8.6%)
    4. 金10BJによろしく(15.4%→13.6%)
    5. 月10伝説のマダム(8.9%→7.0%)
    6. 月9 東京ラブシネマ(16.9%→13.5%)
     「ダイヤモンド・ガール」は「みつきありさ」が出るとか「シドニーが舞台」と 言うことで見た。内容には全然期待していなかったのだが、いい成長物語になって いて次回予告まできっちり見たくなる出来栄え。
     コメディーの部分も楽しいけれど、「浜田マリ」をもっと身のある使い方をして くれれば良いのにとは思う。
     「顔」はシリアス・刑事ドラマ。今期のドラマの中でもっとも「映画っぽい」 ムードがある。音楽や効果音の使い方が凝っていて独特なのと、陰影をたっぷり 付けた光の使い方が、他の番組に無い「匂い」の元ではないか。
     ストーリーはイマイチ「顔」を記憶する特異な能力が前面に出ないのが物足り ないとか、仲間ゆきえは演技なんだろうけれど浮いてるのが気になるとか、 注文は有るけれど、上記2作は今期のシリアス、コメディーの双璧だと思う。
     「動物のお医者さん」は、原作漫画の人気に比べてると意外に視聴率が低い 気がするが、面白いのは確か。
     原作を良く知っているだけに、キャストとキャラの不整合が気になるが、 低血圧の菱沼さんと二階堂君、それとチョビ、動物陣は完璧だ。
     肝心の主人公ハムテルと教授が原作と違う気がするのだが、特に教授の 変人のベクトルが違う気がする(笑) ドラマでは受けを狙っているように 見えてしまうのだが、原作の教授は「傍若無人」な性格が結果的に笑いを 誘っているのではないか。

     「BJによろしく」は、第1話のインパクトは今期最大でほとんど 映画として上映しても良いんじゃないかと言うほど濃密であったが、 以後トーンダウンしてしまった。
     第1話は主人公の新米医師が責任に押しつぶされて自分の中の恐怖と戦う… という内容だが、以降は「大病院の矛盾の紹介」に終始している感じ。
     院内の権力闘争というテーマは相当使い古されていて、今さらさいう感じに なりつつある。
     「伝説のマダム」は、桃井さん主役なので見ている。
     どうも人情ものがたりであって面白いかどうか、微妙なところ(^^;
     「東京ラブシネマ」は、舞台が「映画買い付け業界」だというのが 新しいし興味のある業界だが、ストーリー自体はこの舞台ならではというものが 乏しくただの恋愛物みたい。
     …というわけで、下位3作品はただチェックしているだけというところ。
  • マンガ原作のドラマが多い
     上にあげたなかでは「マルサ」「動物」「BJ」だが、なんかしっくりこないことが多い。
     漫画原作読者を満足させるためには「マンガのように演じる」だけでは駄目なん じゃないかと思う。なんだか安易な芝居が多い気がする。
2003.5.19
  • BS-hiでアカデミー賞のダイヤモンド・ジュエリーについての番組。
     やっぱハイビジョン。
     アカデミー賞の赤じゅうたんの上で女優につけてもらうべく、各社がデザインを競い、 細工を完成させていく過程を詳細にドキュメントするわけだが、肉眼を越えた ミクロの映像に驚嘆する。なにしろ、ダイヤの内包物まで全てバッチリ見えて しまう高精彩画像だ。もちろん「宝石・美術品」としての見せ方もうまい。
     先日ロシアのアンティークをたくさん見てきた後だけに、カット技術の進歩は 一目瞭然、目も眩むほど。
     逆に職人の手仕事と言うのは、削る、磨くが電動化したとはいっても やはり大変な集中力を必要とする厳しい仕事だと思う。
2003.5.18
  • ロマノフ王朝展 見物
     ヨーロッパの宮廷文化は面白いので、この手の展覧会には結構行ってる。
     今回は、ロマノフ王朝の肖像画、日本に来たときの資料、衣装、装身具、 テーブルウェア、それに加えてロシア正教のイコン、司祭の服飾品など。
     先日NHKの番組で「ロシアの近代化は皇帝が進めた(ピョートル1世1682-1725は、 1700年代初頭、サンクトペテルブルグを築き、ヨーロッパの文化を吸収した)」 なんて話を放送していたが、まさにロシアの近代を作った皇帝たちを取り上げた 展示会だ。
     ロマノフ王朝は1613年〜1917年の約300年間。会場で配布されていた年表の 最後にニコライ2世の家族全員が「1918年没」というのが、悲劇的である。
     ちなみに、日本では1603年・徳川幕府成立、1853年・黒船来航、1904年・日露戦争、 という感じ。ほぼ江戸時代から明治時代。
     肖像画は、全般的に強さより上品さを強調しているようなのが面白い。
     大津事件(明治24年(1891年)5月11日、日本を訪問中のロシア皇太子ニコライ (後の最後の皇帝)が、 滋賀県大津市で警備の巡査・津田三蔵に突然斬りかかられ頭部に重傷を追う)の 資料もあり、大怪我にもかかわらず皇太子が日本に対して好意的で寛大な印象を もちつづけたことや、国民がこぞって見舞ったことが展示されており、 日本人の外国の皇室に対する親近感を感じる。この友好ムードの後、 ほんの十数年で日露戦争が起こることがとにかく不思議だ。(まぁ、事件が 起きたこと自体、すでに反ロシア勢力がいたと言うことなのだろうが…)
     装身具は、たとえばフランスなどのアンティークと比べると、石の大きさ は引けを取らないようだが、カットの技術が遅れていて、輝きが生かされきって いないところが興味深い。現代のブリリアントカットが確立されたのは1919年 だというが、それにしてもこれらは「原石」の形を髣髴とさせるごついカットだ。 もしかすると、カットで重量が減ることを嫌ったのか?
     一方、細工の細かさはさすが、皇帝家に納められたものと思わせる仕事量。
     さらにあらゆる装飾に、無数のパールを使ったデザインが多いのは圧巻。
     芥子粒のような小さなパールで面を覆い尽くすとか、パールを網のように縫い こんだ衣装とか、いわゆる「ビーズ手芸」の仲間だといっても、その一粒一粒を 貝から取り出し、大きさを選別し…という物量と手間を考えると、呆れてしまう ほどだ。
     パールの飾りは「イコン」の聖母を飾る光背などにも使われていて、 とにかく真珠文化なんだなぁと感じた。
     パナギア(主教の胸飾り)などに埋め込まれた1〜数センチの陶板画も 凄い。というのは、その絵の微細なこと。サイズ的には米粒に顔を書き込むくらい なのに、きちんと表情のある聖人の絵がかかれていたりする。
     これも宝石の石そのもののクオリティはそれほど高くないように見えるが、 多色使いや、とにかくどっしり派手で偉そうに見えることは、さすがロシア製 って感じ。
     宝石箱や、テーブルウェアの金属細工も細かい。
     デザイン的に一番凄いのは「エジプト文化」をモチーフとした食器の一群。
     コバルトブルーの帯の上に金のヒエログリフが書き込まれたデザインが食卓を ずらりと埋め尽くしているのは、招かれた客はさぞかしびっくりした事だろう。
     たぶん、この皿に盛られた料理も、異国の香りのするもので、召使は仮装 させられていたんじゃないかなんて想像して楽しめた。
     今までみたロシア物の展示会の中で豪華さでは中くらいだったが、歴史的側面にも 光が当てられており面白かった。できれば、ジャンルごとの展示ではなく、皇帝ごとに ゆかりの品を並べて時代の流れが感じられるともっと良かったのだが。
     ともあれ、国民のお金でやった贅沢ではあるわけだが、文化としてこういう 贅沢はちょっとは必要だと思うのだ、現代であっても。
     日本でも、江戸〜大正までは、貴族にしろ武士、富裕な町人階層にも「粋」の 文化があったわけだが、現代は「大量生産」に埋め尽くされて粋も絶え、という ココロなんだな。
  • モスクワを紹介するページ
  • ケーブルのブラインドテスト
     英語ページだが、二重盲検法によるテストで、$2.5のケーブルから$990のケーブル まで調べて正解率がいずれも50%前後だったという結果。
     日本ではこういう調査に挑戦する人が居ないなぁ。
     ちなみに二重盲検法とは、被実験者だけでなく、実験を実施する側にも 情報を漏らさず第三者がコントロールを行うブラインド・テストの方法。
     たとえばケーブルの試聴で出題者が「さあ、このケーブルはどうでしょう」と 進行するとき、出題者が正解を知っている場合、その言葉のニュアンスで 被験者の回答が偏る可能性までを排除するということ。
     上記のテストだと「ケーブルの値段が数100倍違っても当てられない」という 結果だが、そんな馬鹿な…と思う人が多いのだろうな。
     私もあまり高価なケーブルは疑わしいと思うが、付属品クラスと中級品との 違いは有ってもいいんじゃないかと思わないでもない(^^;
     もっとも、昔「ヴァイオリンの銘器聞き比べ」をやった人がいて、 これも「見ないと当てられない」という結論だったそうだが。
  • こんな医者は怖いぞ
     「二重盲検法」で検索を掛けると、新薬の研究方法に関するページがざくざく かかるのだが、↑こんな邪道のページも有った。
     新薬開発を科学的に解説しているように見えて、途中から「気」による治療に すりかえている。
     「薬の有効性は統計的に証明されるので、統計的に効果の無い人もいる。」 というあたりまではまともだが、「現代医学ではその薬の効かない患者に無駄な 投薬を続けて本当の治療を放棄している」というのは、嘘だろう。
     つまり「薬の効果は統計処理で証明される」という手法を拡大して 「西洋医学は患者を統計的に扱う」という論理にすりかえているのだ。
     一応、宗教や民間療法を否定して見せても、その結論が 「気は感じるものだから、理論、経験より感性を大切にします」というのでは、 魔術の世界だ。
     こんなページが健康に不安を持つ人を騙しているのは犯罪ではないのか?
     で、当然ながら 気功でがん治療の雑誌記事を批判するページなんてのもある。
     この記事はつまり「西洋医学を評価するのと同じものさしで効果を 測定してみれば判るはずなのになぜ逃げる?」という内容。
     ちなみに、このページはプロの健康ライター氏のもの。 →そのtopへ
2003.5.17
  • HV版『ペイバック』鑑賞(WOWOW) ★☆
     メルギブソン演ずる強盗が、相棒の裏切りで分け前を全部持っていかれた 上に銃で撃たれて死にかける。
     数ヵ月後、奇跡的に回復した彼は、分け前を取り返すために、相棒と、 彼が所属する組織に戦いを挑む。
     メルギブだし、派手なアクションを想像していたのだが、予想外に 地味で、その地味加減が主人公の性格と相まって良い効果をあげている。
     まず、儲けを独り占めする相棒のセコさに対して、メルは「きっちり1/2の 分け前」だけにこだわる。それもマフィアの幹部が「おれの背広より安い」 とつぶやく程度の「高額だがとても命を張るほどの金額じゃない」という 設定だ。
     ようするに、「美学」なんだろう。
     退院して、組織に迫るための軍資金を手に入れるための小さな盗みや詐欺の 手口を次々と見せるのも、鮮やかな手先が光る。
     いっぽう、自分の前に立ちふさがるものは、バンバン撃ち殺す大胆さと、 しかし足がつかないように小細工を忘れない巧妙さを両立。
     悪徳警官をへこますのも忘れない。
     「大爆発」などの派手なシーンもあるけれど、バランスとしては 悪人としての知恵と大胆さが決め手となるストーリーで、ちょうどいい 娯楽作品になっていると思った。
  • 印旛沼のカミツキガメ
     NHKで特集。3センチほどの小亀でペットとして輸入されるが、成長すると 30〜40cmになってとても飼えないと捨てられる。これが、一度に50個も 卵を産むため、印旛沼で急に増えているらしい。
     雑食性で生命力が強いため、固有の生態系にダメージを与えることと、 成人男性が思い切りかみ締めるのと同じくらいあごが強く、剃刀のような くちばしをしていて危険だと言うのが問題。
     捕獲したら、逃がしてはいけないという条例を作ったらしいが、 殺さず「買主を探さなければならない」というのがおかしい。
     「外来種」は、駆除するのが本当の「自然保護」なはず。
     また、「ペットとして飼うこと自体に問題があるのではなく、飼い主の モラルの問題である」というNHKの結論もおかしい。
     「犬の散歩」のように、その場で是正可能な問題は「モラル」を期待する という態度でもいいが、ひとたび失敗したら 「生態系に影響を与え、コントロール不可能なリスク」の原因となる行為を モラルでくくれるはずが無い。
     そんなことは、ブラックバスの騒動で十分経験済みだし、それが 取り返しがつかなくなっていることは誰でも知っている。
     皇居のお堀では、水を抜いて「ブラックバス全部捕獲作戦」が実行されたが、 自然河川では絶対不可能なことだ。
     そもそも、輸入動物に対する規制が、「農作物に対する寄生虫」とか 人間に対する「病原体」だけで決められているのがおかしい。
     本当は、環境の中で在来種と競合する可能性のある全ての生物に 規制が掛けられるべきだろう。ルールを守れないやつがいる限り、それは どうしようもないことだ。
     すくなくとも、昆虫や魚類などのうち、日本で繁殖可能で一度増えたら 取り返しのつかない種類は、一般人への販売は止めておくしかない。
2003.5.16
  • 翻訳サービスを使って「シンベリン」の和訳に挑戦…挫折?
     もともとあまり日本語になるとは言いがたいwebの翻訳サービスであるが、 「古英語」の壁は厚かった。辞書サービスも使って単語単位での「古語」は 極力現代語に直すとか、手を加えては見たが、英語の順に日本語の単語を並べただけ よりまだ悪い程度の訳しか出ない。
     これをたよりに人力で日本語化しようとしても、相当ちんぷんかんぷんだ。 ヨーダの英語を彷彿とさせるところも…あるかな
     う〜ん、恐ろしい(^^;;;
     翻訳家の仕事は凄い。一から作文するより大変かもしれない。
2003.5.15
  • 感染症情報センターのSARS情報
     家庭での消毒は、塩素系漂白剤。ハイター、 キッチンキレイキレイ の50〜100倍希釈液で拭くとよいとか。
     ハイターは昔からあって素手で触ってはいけない「強力」なイメージがあったけれど、 キレイキレイはソフトイメージだが、じつはハイターと変わらないのだな。
     日本人のアレルギー性皮膚炎の増加は「環境が清潔になりすぎ」で免疫力が低下して いるためらしいが、殺菌製品は同じ効き目でも製品名をソフト化して大衆化していた のか…。
     「キレイキレイ」で検索をかけると膨大なヒット数で、日本がキレイキレイ症候群 になっているのだろうかと驚く。(競走馬の名前にも使われているようだが…(^^;)
  • 我が家では滅多に除菌・漂白剤は使用しないが、それはどう考えても水処理施設の バクテリアを殺してしまなどの意味で環境負荷が高そうだから。
     ただ洗って乾かすだけで、食中毒に罹ったことも無いし…。
     そもそも、メーカーのHPにある「ばい菌の繁殖条件」にも「栄養+温度+水分」 が揃うことと書いてあり、それは「洗って乾かす」ことで済む。
     どうにもならないのは生ごみの匂いくらい。生ごみに除菌スプレーするのは 環境に問題ないだろうし、生ごみ処理機を使って台所に置かないようにすれば 完璧だ。
     唯一漂白剤があると便利なのは「ふきん」くらいかな。ふきんは「濡れるのが仕事」 なので、最近の好む条件になりやすい。
     ともあれ「殺菌フリーク」の人々は、どこまで清潔にすれば安全か、という境界線が 判らなくなっているのではないだろうか。
  • シェイクスピアの『シンベリン』
     昨年までグローブ座、座付きで活動していた「子供のためのシェイクスピア」シリーズが、 グローブ座売却に伴い独立したそうだ。
     「子供のための」と言いながら、脚本を省略したりするのではなく、ちょっと 軽くて楽しい演出による真面目なシリーズだから、グローブ座売却後の活動継続が 決まって喜ばしい限り。
     それにしても『シンベリン』とは、どマイナーである。
     あまりにもマイナーで、二度と見られる機会が無いかもしれないので、思わず チケットを取ってしまった(笑)
     とりあえず、ネットであらすじを探してみた。登場人物は多いし、錯綜しまくり。
     頭を抱えた挙句、TV雑誌のドラマ解説記事にありがちな「人物相関図」を書いてみた。
     …これは良い(笑)
     相関図は、シェイクスピア劇にありがちな「時間経過に伴う愛憎の逆転」を表現するのは ちょっと苦手だが、ある人物が四方に魔の手を伸ばしている様子などがズバリ わかって納得(したような気になった(^^;)
     いずれにしても、『シンベリン』はシェイクスピア最晩年のロマン作品なので、 いままでの作品の様々なからくりがぎっしり詰まって難しいというのが正直なところ。
     三大悲劇でさえ楽しく鑑賞させるこのシリーズの演出がどのようなものになるか 楽しみである。
  • リンク集へのリンク
    結構くわしいあらすじ
  • PROJECT GUTENBERGという電子テキストのページで"Cymbeline"のフルテキストを DLしてみたが、さすがに原文で読む根性は無かったり。古文だし…(^^;
  • ふとした思い付きで「量産型」をYahoo!で検索してみた。
     案の定、引っかかってくる結果は、ガンダムを中心としたロボットアニメ系の ページがザクザク(笑)
2003.5.14
  • 沖縄入梅
  • 有楽町のパスタ店「ラ・ヴェルデ」で食事。
     ディチェコのアンテナショップらしい。パスタ料理が揃っているが、前菜類も なかなか美味く、ワインも安く千円以下から有る。ということでいつも 満員の店。
     パスタ料理の基本は170gで、ふたりでシェアしても、他にも色々頼むから 最後には「やっぱり日本人は胃が小さい」などと思い知ることになる(^^;
  • 思い知った胃袋を抱えて、食後の運動として「新丸ビル」まで歩く。
     冷やかしで最上階のレストラン街を覗いたが、一万円札がばんばん飛んで いくような店がずらりと並んでいた。
     そして、この不景気にもまだままだ「社用族」な客が 存在することを確認したのだった。東京駅に地下で直結しているため、 地方から日帰り出張して来た客をもてなす口実に適しているようである。
  • HD-DVD9とは
     現行DVDと同じ赤色レーザーでハイビジョンを記録する規格で、基本的には 「再生専用規格」として検討されているようだ。ニュースや掲示板でブルーレイ に対抗するものとして名前が出ることが多いが、ちょっと立場が違うみたいだ。
     2003年1月に東芝が再生機をデモして、これはDVD-RAMに1080pを7.5Mbpsで 記録したもの。まあ、両面ディスクなら何とか二時間ちょっとは入りそうなので、 画質さえ良いならば実用的な製品になりそうな気がする。
     今年中に企画を固めて製品投入予定だというので、本当になったら楽しみ では有る。(そのわりにはショー以降、世間が静か過ぎて本当に実現するのか 怪しい気もする)
     WBあたりの映画会社が、2時間しか記録できないのでは、特典も入れられないし、 三時間映画が二枚組みになるし、コスト的にイマイチと言い出したとも伝えられ、 まだまだ混沌としたハイビジョン界なのだな。
2003.5.13
  • 携帯電話で回転寿司の待ちが出来るシステムが開発されたのだと。
     発売元は、他業界への売り込みも計画しているらしいが、このシステムは 大学病院などでこそ効果があると思う。
     なにしろ、某病院では事前に予約してさえ何時間も待たされるという いい加減な受付をやっているのだから、それが改善されれば病状も改善 するほど効果あるかも。

  • 久しぶりに『アラビアのロレンス』のハイビジョン版を見た。ちょっとだけ。
     前半のガイドを雇って砂漠を旅するシーンの夜空が「満天の星空」であることに ため息が出た。
     わりと青空っぽい星空(松本零治っぽい)で、明るいことも有るだろうが、とにかく 凄い星の数。スターウォーズもハイビジョンになればこんなに感動するだろうか… と想像してしまう。
  • …と、いうわけでやはり目下の関心事はハイビジョン環境のますますの充実である。
     目玉はSONYの反射型液晶によるフルHDプロジェクター。第二が、Blu-ray Discレコーダ。 ブルーレイが第二なのはやっぱり、先行き不透明だから。
  • ソニー、Blu-ray Discレコーダのすべてを語る(zdnet)
     インタビューを見ると一号機はとにかく「今出せる技術で作る」ということを 主眼にしたモデル。だから二号機以降、二層ディスクへの対応なんかかは明らかに 準備されていることだし、コクーンもDVD-RW内蔵タイプが発売されているので、 ブルーレイであっても、当然このタイプは出るだろう。
     ROM規格も策定中だ。
     地上波デジタルチューナーとのリンクって話も棚上げだ。
     唯一可能なことは、今放送されるのを撮ることと、これを二号機以降で 再生できること。つまり、録画したものは生きるが、装置は遠からず リプレイスされることになるだろう。
     ということは、すでにD-VHSを買ってしまった我が家では最低二層、ROM規格、 HDD連携がクリアされるまでは我慢するのが吉となるように思う。
     WOWOWの録画は移動不可能なのでD-VHSに入れたものはディスクに移せない ということにはなるが、ほとんどの場合、いつか再放送があるだろう。
     zdnetの記者の視点はどちらかといえばAODよりでDVDとの互換性を重視する立場。 とはいえ、ブルーレイの実機がでて、DVDも再生互換が取れている現時点ではAOD の原理的優位には追いついてしまっていて、あとは「再生専用ディスクがどうなるか」 ということだけが残っていると言ってよいのではないか。
     ここに至ると、規格より「ソフトの数」が問題であり、技術より陣取り合戦 の成否にかかっているという感じ。
     まかり間違って、再生ディスクがAODベースになったとしても、ブルーレイ はまだ再生規格を決めていないため、そちらに相乗りしてしまうことも、 技術的には出来そう。
  • メディア・メーカーのインタビューを見ると、今は23Gしか作れず、 25Gは技術的に目処がついているが、27Gはまだハードルが高い。という現状らしい。
     AODはブルーレイより仕様上の容量が少なく、片面15G両面30Gというが、 メディアの難易度がブルーレイの最大27GがAODの最大15Gと比例するとすれば、 容量は厳しそうだ。
     だからストリーム記録でなく、再圧縮に傾倒しているのかな。
     リアルタイムでHDを圧縮するのがどれくらい大変なのかが鍵か。
  • ブルーレイに比べて、フルHDプロジェクターはまだ製品が無いとは言っても 最初から量産性のよさを確保したというデバイスゆえ、一号機から 十分完成度の高い実用品が登場する可能性が高い。
     VPL-VW10HTの初期不良とさんざん戦った経験から、初物に対する意欲が めっきり警戒に変わっているわけだが、それでもこのプロジェクターで 広がるハイビジョンの世界の魅力の吸引力に勝てるかどうか…
     また苦労するのかいな〜
2003.5.12
  • ガンダムSEED 31話あたり
     番組改変期以降3話ほど「総集編」みたいな内容が続き、正直 「製作間に合っていないのでは…」と心配していたが、最新3話で 驚くほど話が進んで…驚いた(笑)
     今までは、ガンダムばかり1対4で延々勝負がつかなくて煮詰まっていたので、 がんがん壊して、人間関係もリセットして再出発するのはいいことだ。
     どうやらやっと、シャアもどきの出番もできて、コーディネーター側の 独自MSと連邦の新型MSが出揃うらしい。
     今まで絵的に楽しくなかった原因の一つが「ガンダムしか出てこない」 ということで、主役ではあるけれど所詮カラフルなガンダム達は 「プラモ」であり、兵器としてのMSの存在感を構成するのは 「ジオン軍タイプ」の量産機たちである。
     一品モノの最強メカが勝ちまくるストーリーでは、昔ながらの 「ロボットアニメ」でしかなく、ガンダムであるためには 巨大な組織どうしの戦いであることをはっきり見せなければならない のだと思う。
     今まではあまりにも「攻撃されるから守るのだ」という私的、局地的な 戦いばかりで、それは戦争ではなかったと思う。現実世界のニュースで 戦争がショーアップされたプログラムとして提供されてしまう現代に、 戦争アニメをどう作るのか…という視点で頑張ってもらいたいものである。
2003.5.11
  • コクーン新型 - 番組名を入れておくと、野球の延長に対応してくれるそうだ。こりゃ便利。
     さらに、番組名を登録しておく予約方式によって、飛び石の連続番組の自動録画や、 別の録画とかち合って撮り逃した場合に「再放送の自動追跡」機能もあるとか。
     こうなるともう、秘書がいるみたいだ。予約録画もまだまだいろいろ出来ることが あるのだな。
  • 東芝RD-X3,XS40のEPG予約は、外部からコントロールできるわけだから、自動的に EPGサイトを読み込んで、ルールに従って予約を代行してくれるソフトを 誰かが開発してくれないだろうか。 たとえばRD-style FAQの方とか…
     まあ、本来東芝が機能強化してくれるのがよさげだが…。
2003.5.10
  • 演奏会『歌物語「コロンブスの夢」−スペイン音楽の黄金時代−』鑑賞
    つのだたかし・インタビュー
    脚本: 池内 紀
    出演: 山崎清介(コロンブス)、鈴木眞澄(フラメンコ舞踊)、大森智子(ソプラノ)、波多野睦美(メゾ・ソプラノ)、牧野正人(バリトン)、 タブラトゥーラ(古楽器バンド)、上薗未佳(ポジティブ・オルガン)
    曲目: 中世スペインの聖母マリア讃歌:薔薇の中の薔薇 スペイン古民謡(ビリャンシーコ):三人のモーロ娘/ああ、輝く月よ/悲しきスペイン セファルディの歌:ばらが花ひらく/私は恋をした ダブラトゥーラ・オリジナル曲:コンポステラ/エル・ソンブレロ/夜の蟹 ルネサンス・スペインの器楽曲:チャコーナ/ティエント ほか
  • 気分がスペインモードになったので、銀座の『エスペロ』で食事。
     スペインのパエリャ大会で優勝というシェフが居る店で、しかも繰り返し 参加して勝ちまくっているらしい。
     5,000円のコースで、前菜からデザートまで9品。量もたくさんあるし、なるほど 本格的な味だと思った。また行ってもいいな。
2003.5.9
  • 新エネルギーのコスト
    太陽光 46〜66円
    風力   9〜14円
    バイオマス7〜21円
    火力      7円
     4/1から「新エネルギーの開発を義務化」する法律が施行されたが、 どうも、一般には一番人気の「太陽光発電」というのはもっともコストが 高いらしい。寿命が来るまでのランニングコストは、火力より低いと思うが。
     ただ、太陽光発電は、需要のピークの「真夏の昼」に最大の 発電量になるし、風力は出力が安定しない代わりに24時間発電可能、 バイオマスはごみ焼却のついでに出来るなど、得意分野が違うから 色々な方式が満遍なく実現するのが良いのだろう。
     原子力も今年の夏は「止まりまくり」で、電力危機は大規模集中発電 の弊害の一つでも有るから、ほどほどの大きさのクリーンな発電所を 消費地の側に作っていくという考えが進むと良いのだけれど。
     ちなみに、私は風力発電所が好きだ。見て楽しいからね(笑)
     日本で強い風が安定して吹く場所は限られているらしいが、 「風の谷」とでも命名して観光地化しても良いではないか。きっと 投資は回収できると思うぞ(^^)
  • 日本の平均年齢は41.3歳
     平均寿命はよく話題になるが、平均年齢というのはあまり聞かない。
     世界の平均は26.4歳だそうだ。
  • 遠赤外線は、透過しない
     よく「炭火は素材に浸透して中から火が通る」というが、 実は炭火の熱の実態である「遠赤外線」は表面1mm程度で吸収され、 中に届くことは無いんだと…。
     考えてみれば、炭火焼肉 が元気すぎて熱いとき、間に紙切れ(お品書き)一枚置いただけでも 熱は遮られるのだから、赤外線があまり物質を透過しないのは体感済みで あった。
     炭火の効果はやっぱり、火力が強いことや、水蒸気を発しないこと などが大きいのだろうな。
  • 似非科学マイナスイオン編(市民のための環境学ガイド) - 化学物質に関して「程度問題」という視点で良くわかる例がいっぱい。
     面白いのが、現在もっとも大量にマイナスイオンを発生するという松下の ドライヤーが50万個/ccの濃さなのに対して、日本の普通の大気中に 存在するダイオキシンの濃さが10万個/ccなのだと。
     製品によっては100個/ccなどというものも有るそうだが、 猛毒で有名なダイオキシンがまったく健康への害を与えない程度の 濃さでは、マイナスイオンにどんな効用があろうとも量が少なすぎて 何の意味も無いという説明。
2003.5.8
  • ドラマ「ブラックジャックによろしく」3,4話
     大病院の中の内科と外科の争いと、たくさん手術をこなす先生のほうが 技術が高いのだから、忙しい開業医のほうが技術があるという話。
     1,2話は新米医師にフォーカスして心理ドラマだったが、3,4話は 話の中心が組織に移って社会ドラマの気分。しかし、医者の縄張り 争いのドラマ自体は珍しいものではないので、1,2話の切り口のほうが より面白かったかな。
  • ドラマ「顔」は面白い。
2003.5.7
  • VPL-VW10HTのファクトリーモードで、03 CHROMA/Y-DLを変更。7→5または6
     スクリーンに投射すると、TVでは気がつきにくい些細な画質の問題が、 気になって仕方ない状態にまではっきり出てしまうことが良くある。
     「色ずれ」もその一つだ。
     DVDやBSデジタルのハイビジョン放送ではほとんど気になることは無いが、RD-X3で 地上波を受信すると、三原色が左右に分離し、ハイビジョンをダビングして S端子で出力すると色信号が少し進んで左にはみ出す。
     地上波チューナーと、S端子のDACの両方に少しずつ精度の甘さが有るようだ。
     地上波の色ずれは、他の全てのデッキにもあるが、我が家でもっとも高価な 据え置きHi8デッキがもっとも色ずれが少ない。少なくとも、放送そのものが 甘いわけでは無いだろう。
     どうも映像回路の技術がデジタル化していく途上で、ぱっと見はともかく 細部の品質が落ちたような気がする。
2003.5.6
  • スカ ラ - 電 磁波の話 - 電磁波の文献を検索していたら、今話題の白い集団が言っている 理論に関する説明を拾った。
     電磁波と言われるとどうも気になる(^^;
     解説文は波動方程式の羅列でこりゃ難しい。電気磁気学の大学課程をまじめに修め た人で無いと数式に反論できないけれど、結果が異常なので間違いが有る ことだけは、誰にでもわかる。
     大元は、どこぞ外国のオカルティスとが唱えた理屈で、ムー大陸だの ピラミッド・パワーだのと結びつける考えが多いようだ。
     議論の根幹は、「エーテルを伝播する縦波」(すでにアウトくさい)
     これは光速の壁を越える可能性があるらしい。(質量ゼロで 無限に硬い物質の性質を持つエーテル空間を蹴飛ばせば、そういうこともある だろう)
     仮定、仮説は科学の基礎であるから「何を思いつくのも勝手」ではあるが、 この前提で計算を進めると、惑星の磁界が弱まる宇宙空間では、 可視光線が存在できないことになるらしく、「スペースシャトルが撮影した写真に 星が写っていないのが証拠だ」などと言ってしまう。
     もちろん、シャトルから撮影した地球の地平線の彼方に星が写っていないのは、 地球が明るすぎるからである。が、仮説が観測結果と合わない場合に、仮説を 修正するのではなく、宇宙人やNASAの陰謀、はたまた既存の科学の否定に走って しまうのが疑似科学の奇妙な思考法である。
     宇宙空間に可視光線は存在しない。ハッブル宇宙望遠鏡は、後から特殊な スカラ波・電磁波変換装置を設置して観測しているなど、いかにも。
     それはともかく、いわゆる「電磁波」とはまるで違うものなので、人里離れた 場所に非難したり、目玉印を張ったりしても意味が無さそうなのだが…。
  • スカラ波の作り方 - 2個の電磁石を逆極性に設置して交流を流す (つまり、磁石の同極を向かい合わせる)と、 "ゼロ磁場"が生まれる。あるいは位相が180度反転した電磁波を合成する。 するとこれが問題の電波になるのだそうだ。
     しかし、これは「エーテルを媒質とする縦波の電磁波」という最初の仮説とは 全然無関係な「どこにでもある現象」で、白い人たちが人里を避けるのも道理 である。
     しかも、この磁石で時計が狂ったことを証拠としているのがまたおかしな ことで、時計に磁石をくっつけたら影響が出るのはあたりまえ。
     そもそも、「磁石に反応するものが磁石に反応している」だけなのだから、 間に謎の電波が介在している必要が無いではないか…。
     そんな初歩的な論理の破綻から推測すると、毒ガスを作った某教団 と比較して、ずいぶん理系に弱い集団なのであろうと思われる。 (だから安心ともいえないが。)
  • 「電波な疑似科学」は、科学の世界で電波が発見された直後から 山ほど発生したようで、今回の団体も既存新宗教がオカルト科学を 借用しているだけ(…サタン等が電波に置き換わった…)で、存在そのものは あまり珍しいものでもないだろう。
     とはいえ、恐怖の対象が「神と悪魔」から「電磁波や化学物質」になっただけ で、人間の中身は古代から変わっていないのは「人の持つ生物としての限界」 なのかとも思う。
     目に見えないものが怖いというのは、夜の闇に潜む何かが怖いのと 同質の原初の恐怖で、私達は大人になる過程で「暗闇にお化けなどいない」 ということを学習するわけだが、だんだん科学が進んでいくと、知識の無い 人にとっては、中世の魔法世界に住んでいるように思えるものだろうか…。
  • 電波な人たちを観測しているHPも色々あって、たとえば
    わくわく電磁波ランドなんていうサイトは面白い。
     白い本家のHPへのリンクもあるけど、怖いので直接リンクはしない(^^;
     それにしても、毎日(だったかな)のニュースサイトにも掲載されていたように 実は「タマちゃん捕獲」を試みた団体はここの関連らしい。
     電波とタマちゃんの結びつきがまた謎であるが、教祖は死にそうらしいし、 今月15日に地球は滅びちゃうらしいし、切羽詰った白い皆さんが ヤバイことをやらかしかねないと皆思ってるはず。
     
2003.5.5
  • 旧新橋停車場・鉄道歴史展示室を見学
     汐留地区再開発の中で、あの「汽笛一声新橋を〜」の歌に歌われた 初代の新橋駅を、当時のままに再現するという企画があり、この春 ついに公開なった。
     場所は現・新橋駅から歩いてすぐ、カレッタ汐留に向かう 歩行者デッキを汐留シティセンタービルに向けて抜けた反対側にある。
     永井荷風は「鉄道の待合室は最上のカフェである」と言った そうだが、そのため有ってか、建物内部は「グランカフェ・ミクニ」 が出展しており、片隅にひっそりと「展示室」が有って歴史を伝え ている。
     外観は当時の写真を3D解析して設計図を起こし、石材の種類を含めて 忠実に再現したそうだが、何しろバリバリの新築なので、歴史の香りは 無い。工法は法律の制約から当時を再現していないが、外観はちゃんと した石材を使っているので、何年か風雨にさらしたら味が出てくる のだろう。
     ともあれ、日本最初の駅はずいぶん立派な石造りであり、 当時利用する 人々もリッチな上流の人と外人さんだったろうから、永井荷風が 「鉄道の待合室は最上のカフェである」と語った当時の雰囲気を 想像することができる。
     外観は、だいぶ切り詰めているとはいえプラットホームと線路も 再現されており、「ゼロマイル」の標識が再現されているところが また目玉。
     建物は「遺構」の直上に盛り土をした上に建設されているため、 本物の鉄道の起点に標識が立っており、展示室の一階には、ガラス張りの 床から本物の建物の石組みが見られるのが、歴史らしくて良い。
     建物の中の展示室はさほど大きいわけでもなく、主に写真や当時の 文書、錦絵の写しが並んでいるだけだが、「東京の近代史」という 意味からも興味深かった。
  • 『エヴァンゲリオン』
     やっと20話台に突入。まじに、エヴァに付き合って連休が終わって しまった(^^;
     ガイナックスのHPを見ると今回のリニューアル版は近日DVDで 発売されるらしいが、従来DVDの「とにかく明るく輪郭強調バリバリ」 の画質とは違い、画面のブレも補正されているので、ファンは買う 価値ありだと思うけれど、好きな人はすでに複数バージョン買って しまっているのであろう…。
     ちなみに私は最初のDVD(ガイナックス版)の一巻だけ買って、その 「画面のブレ」が大画面で見ると吐き気をもよおすほど酷かったので 後続巻を買っていない(^^;(WOWOWを録画したので結局DVDは買わない けれど…)
  • 『白雪姫(実写)』(BS) ★
     数年前に「非ディズニー」の童話映画が話題になったことがあったが、 (…といっても、シンデレラしか記憶に無いが)それと同列の作品。
     たぶんディズニーよりは原作に近いのだろうが、なんとなくイマイチ で、盛り上がりに欠ける。
     悪い魔女が山奥の国の王様の後妻に入って、部下に白雪姫の心臓を もって帰るように命令し、これに失敗し毒リンゴを使うというのは ディズニーと同じ。
     小人達が天気を司っており、王子様が最初から恋人で、魔女に 熊の姿変えられてしまうというあたりが違う。
     CG全開で画面はそれなりにできているけれど、それで、何故こうも 盛り上がらないのかというと、どうも判らない。
     童話の持つ本来の怪奇趣味的なところを生かして作ろうとしたの かもしれないけれど、白雪姫はなんだか不躾な子供にしか見えないし、 本物の小人 が演ずる小人達も、ディズニーのように愉快なやつらとは言いがたい。
     結局ああいう形の作品を作ったディズニーが偉いということになるのだろうな。
2003.5.4
  • RD-X3の本体 ソフトがバージョンアップ。
     ネットdeナビ画面の「本体設定」「メンテナンス」ボタンを押して実行。
     ZF11になった。3月にバージョンアップしたらしいが、折角お客様登録している のだからメーカーがメールくらいくれればいいのに…。
     それにしても、自分で家電製品のバージョンアップができるとは便利になった ものだ。バグ修正なのでサービスマンが楽という話もあるが、消費者からすれば 「新製品に飛びついても泣かずにすむ」とも言える。
     プロジェクター関係でさんざん泣いた経験をもつ自分にとっては、これは 見逃せないポイントだ。 
  • 『ムーラン・ルージュ』鑑賞(WOWOW) ★☆
     古今のロック・ポップの名曲を使ったミュージカル。
     ストーリーは、お金持ちの伯爵を騙してミュージカル舞台の出資をして もらうが、いつまでも身を許さない踊り子に痺れを切らした伯爵に、 彼女と作家の恋がばれてしまってさあ大変。という話。  おまけに踊り子は胸の病で「椿姫」状態。
     前半は音と色彩の勢いにストーリーが負けていて、ただのディスコ状態 の混乱があるだけという感じだったが、後半、 『恋に落ちたシェイクスピア』みたいに、作家の作る物語(劇中劇)と ストーリーの本筋がシンクロしだしてスピード感のあるいい話になった。
2003.5.3
  • エヴァの録画にかかりっきり。ああ、連休が…(^^;
  • 音声用に使う同軸ケーブルの高域限界について、あちこちから 特性数値を収集し計算してみる。
     あまり、天気の良い休日にすることでもないが…
     とりあえず、ちゃんと常識的な計算結果が出てきたぞ。と。
     公式は教科書でも何にでも載っているけれど、当てはめる数字 を探してくるのが意外に面倒くさい。そんなときwebの検索は 便利だ。
     雑誌の評論家やその道の権威は理論を口にしても「数字」で 語ることはほとんど無い。たとえば、今回調べた件では
    「同軸ケーブルの静電容量が高域劣化の原因になる」という理論は 条件を限れば正論だが、「どういうケーブルを使うと何kHz以上に 問題が起こるのか」という数値はめったに話題に上らない。
     一説には「評論家も実は理解していないから、具体的なことを言うと ボロが出るので」という話もある。
     もうひとつは、漠然とした話のほうが、商品が売れるからということも 大きそう。
     メーカーだって「効果」そのものより「消費者のニーズ」が大切だから 根拠の確かさより「話題の商品」に力を注ぐだろうし。
  • いろいろな交流現象について調べるほど、奇妙な現象は「高周波」 「超長距離」で起こり、直流に近くなるにつれ、ただの「オームの法則」 に近づくことが実感される。
     数々の理論と付き合う上で肝心なのは、それが効果を発揮する「周波数」だ。
     そして周波数が高い領域を考えると、 信号は「電子の流れ」として考えるより、「電線にガイドされて進む電磁波」と 考えたほうがわかりやすいケースが増える。
     高周波の物理現象を理論で説明しようとすると、電気磁気学の基礎に加えて 鬼の「波動方程式」と付き合う必要があるため、工学部の人間にとっても 高いハードルが有るのだが解析はできる。高品位な伝送のために、何が大切か という答えの全てが用意されているわけではないが、強力な道具である。
     そして、理解するのが難しい理論でも「結果を利用する」のは難しい ことではない。ちょっと勉強してみれば面白いことがたくさんある。
2003.5.1
  • WOWOWの『新世紀エヴァンゲリオン』リニューアル版を見る。
     準ハイビジョン放送だが、テレシネし直して、5.1ch音声を付けたもの。
     従来の放送では、カットの変わり目でグラグラと画面がぶれて、大画面では 異常に見づらかったが、これは修正されている。
     ワイド画面での放送のためか、4:3画面ではあるが左右が5%くらい広くなって いるのも特徴的か。
     音声は同じ音源を使っているようだが、バランス的に細かな背景音が強調 されている感じ。

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文:唐澤 清彦 映画館がやってきた!