日時：2004.09.28
棋戦：王将戦リーグ
戦型：四間飛車　鉄十字桂　失敗篇
先手：久保利明
後手：谷川浩司
▲７六歩 ▽３四歩 ▲６六歩 ▽６二銀 ▲６八銀 ▽４二玉
▲６七銀 ▽３二玉 ▲６八飛 ▽５四歩 ▲１六歩 ▽５二金右
▲１五歩 ▽８四歩 ▲３八銀 ▽８五歩 ▲７七角 ▽５三銀
▲５八金左 ▽３三角 ▲３六歩 ▽２二玉 ▲３七桂 ▽４四歩
▲４六歩 ▽４三金 ▲６五歩 ▽３二金 ▲４七銀 ▽４五歩
▲６六銀 ▽４六歩 ▲同　銀 ▽４四歩 ▲５六歩 ▽７四歩
▲４五歩 ▽４二銀上 ▲２五桂 ▽２四角 ▲５七銀左 ▽８六歩
▲同　歩 ▽７五歩 ▲同　歩 ▽３三桂 ▲同桂成 ▽同　角
▲２五桂 ▽４五歩 ▲３三桂成 ▽同　銀 ▲７一角 ▽５二飛
▲３七銀 ▽４一桂 ▲３五歩 ▽７六歩 ▲６六角 ▽３五歩
▲２六銀 ▽４四桂 ▲４六歩 ▽７二飛 ▲５三角成 ▽同　桂
▲３五銀 ▽３四歩 ▲４四銀 ▽同　銀 ▲６四歩 ▽同　歩
▲４四角 ▽同　金 ▲６四飛 ▽８二飛 ▲２五桂 ▽３六角
▲３三歩 ▽３一金 ▲３二銀 ▽２五角 ▲３一銀不成▽３三玉
▲２六歩 ▽３七角 ▲４八金直 ▽４七桂 ▲４九玉 ▽２六角成
▲３七銀 ▽投了
91手で先手の勝ち

久保に今度は逆転サヨナラホーマーを喰らった谷川。感想戦は手抜き。70手めは44金で後手勝ちだったかだと。それは誰でも一瞬思う。それでもいいが70手めは44銀でも構わない。久保はすでに角を切るしかないため。関西の控え室はまとも。64歩手抜きでどうかと検討したらしい。別に取っても構わない。敗着は76手め82飛。最終盤で逃げるだけではハッキリ負け。86飛など間に合うはずない。76手め82飛以後はダメなので76手めから書き換えて恒例の谷川仮想勝利を当家は祝う。

日時：2004.09.28
棋戦：マシュダ一家青春杯
戦型：四間飛車　鉄十字桂　完結篇
先手：久保+マシューＡ
後手：谷川+マシューＢ
▲７六歩 ▽３四歩 ▲６六歩 ▽６二銀 ▲６八銀 ▽４二玉
▲６七銀 ▽３二玉 ▲６八飛 ▽５四歩 ▲１六歩 ▽５二金右
▲１五歩 ▽８四歩 ▲３八銀 ▽８五歩 ▲７七角 ▽５三銀
▲５八金左 ▽３三角 ▲３六歩 ▽２二玉 ▲３七桂 ▽４四歩
▲４六歩 ▽４三金 ▲６五歩 ▽３二金 ▲４七銀 ▽４五歩
▲６六銀 ▽４六歩 ▲同　銀 ▽４四歩 ▲５六歩 ▽７四歩
▲４五歩 ▽４二銀上 ▲２五桂 ▽２四角 ▲５七銀左 ▽８六歩
▲同　歩 ▽７五歩 ▲同　歩 ▽３三桂 ▲同桂成 ▽同　角
▲２五桂 ▽４五歩 ▲３三桂成 ▽同　銀 ▲７一角 ▽５二飛
▲３七銀 ▽４一桂 ▲３五歩 ▽７六歩 ▲６六角 ▽３五歩
▲２六銀 ▽４四桂 ▲４六歩 ▽７二飛 ▲５三角成 ▽同　桂
▲３五銀 ▽３四歩 ▲４四銀 ▽同　銀 ▲６四歩 ▽同　歩
▲４四角 ▽同　金 ▲６四飛 ▽７七歩成 ▲６一飛成 ▽９四角
▲２五桂 ▽３六角 ▲３三歩 ▽２五角 ▲３二歩成 ▽同　飛
▲２一金 ▽３三玉 ▲４一龍 ▽４三金 ▲投了
88手で後手の勝ち

解題=感想戦の嘘変化を暴く。実は44金を残して正解だったというオチ。以下は53桂が先手玉の詰みに参加。後手玉は詰まない。

谷川はあんなに見事な鉄十字桂をライブで見せて、最後は淡路門下の久保にプレゼント。関西に戻れと言ういつものラブコールであろう。一方久保はこの将棋で何もしていない。角切りなど谷川がやらせた手。当家でもひとめの変化なので谷川演出にしかみえない。よくも最後で冗談っぽくコケテくれた。憎めない棋士。あの鉄十字桂は当家には想像さえできない素晴らしい手。これを見ただけで谷川の才能を満喫できる。

44桂一発で勝負は決まった。気分爽快この上ない。逆転満塁ホームラン以上の快感。
このあと久保は64歩から角も切って33地点一点狙いの玉砕のみ。
55歩などされたら形も作れない。久保。潔く散れ。

おー谷川！鉄十字桂！！
これは下段桂が跳ねれば逆行V2固めの形。谷川凄すぎる！
33銀を動かせる。

久保の腰抜けが37銀などと引いている。こうなったら41桂など朝飯前。
幸い控え室には長手数美学者アワジーも居る。200手越えを目指していただきたい。久保が打った角などどうせ切ってくるのでじっと耐えれば駒損は回復。

そこまでして耐えるか！
一挙に進行している棋譜には背筋が凍りつく。
久保の53手め71角。これは寄せの手。
なぜ45歩などを・・・
しかしまだ粘れる。
一打満塁ホームランを狙える。

久保の25桂はそれがフジーシスの教科書なのだから誰も賛美しないが、24角は疑問。25桂がなぜ優秀かと言うと王手となる駒アタリの為。後手は角など捨ててもよい。もともと飛車先さえ突破するためにしか攻撃手の手数を費やしていない。先手は逆に囲いを放棄して攻めているので大駒などくれても構わない。
問題は24角が46銀に当たってしまうこと。この絶好の連動手が悪手なのだから将棋とは恐ろしい。次に久保は41手め57銀で逆行連動手を取り優勢が確定。以下谷川は偶数番地獄へ転落する。それはすでに谷川将棋ではないため大変な忍耐を強いられる。
谷川。耐えられるのか？

これは凄まじい忍耐。これは読みではない。
ここまで我慢した谷川の拠り所は類まれな大局観のみ。
なぜ先手が自玉も囲わずに攻めに専念できたのか？
それは後手がわざわざ先手が攻める場所を狭くしているため。
だから42銀で玉を広くする。後手の不満は角筋のみ。
だからこう考える。 駒落ちで上手がじっと我慢している局面だと。
駒落ちの大家神崎は谷川が自重したと述べた。普段なら当家が出しそうな変化控え室ではバンバン出している。谷川の74歩は確かにそうした手順をめざした攻撃手。しかし攻めあいは玉の陣形が後手すでに不利だったと谷川は認めた42銀。この1手で74歩の方針を軌道修正できるかが勝負の分岐。

30手め45歩！
谷川の5thアタック。谷川らしい。65地点の対が45地点。25桂の前に5thアタックを挑むならここしかない。
そう言えば飛車先を突かない10手め54歩の指し方は羽生が竜王戦で藤井相手に見せた対局があった。
2001.11.20&21竜王戦第4局 藤井猛竜王VS羽生善治
居飛車穴熊VS藤井システム「終盤は二度なかった」
37手め久保は45歩。谷川苦しい。

おい久保。そういうつもりか？
これは玉右移動よりマシと言うだけの緩手または悪手への逆行相を内包。
谷川はこれに石にかじりついてでも勝たなくてはならない。
しかし当の本人が渡辺明相手に29手め47銀を指している。そして負けている。従ってこれは谷川VS渡辺明という構図にもなる。

現在32金でフジイシス問題の28手めの局面。
この局面における当家の2カ月前の考察は以下。
久保がどう考えているのか興味ある瞬間。

久保の藤井シス。これはいろいろな料理の仕方がある。
タカミチが最近見せた5筋位取りも面白いが、定番はナベラも谷川相手に採用して竜王位挑戦の原動力となった森下ヴァージョン。
ユニークなところで瀬川アマが久保を殺した居玉殺しの桂ヴァージョン。
谷川ヴァージョンはこれらを発展完成させるタコ殴り手順なのでどれでも期待できる。

角道止めて9手め久保の68飛。これは許せるとして谷川はなんであろう？相振りではない。
やはり2004.08.31Ａ級順位戦谷川VS久保 相振り対称三間での久保左金に対する後遺症であろう。
谷川久保戦と言えばなんといっても2004.03.14NHK杯準決勝相振り四間。あれは凄かった。久保がNHK杯初優勝できたのも谷川に勝ったおかげ。
谷川は久保に負け越しているがこれには理由がある。フツーの四間は谷川にとって退屈なのでどうしても先に手がでてしまう。72飛などやって負けてしまう。四間飛車はかわす戦法なのでうまくハメられ逃げられてしまう。だから大介にもブが悪かった。でどちらがブ男かと言うと四間相手では谷川ということになる。谷川は相振りの方がラシー。ところが久保は相振りの達人。
久保は前期の2003.12.29王将戦挑戦者決定戦で森内に破れた。
森内VS久保　後手番擬態中飛車 　象徴される磁場
そして谷川には10勝4敗と大きく勝ち越している。過去3回連続の王将戦リーグでは久保の2勝。だから今日は先手の久保が楽勝であろうと予想するのは中原でも言う。
久保と言えば中原。2004.02.06棋聖戦最終予選中原VS久保ではゴキゲン中飛車全面戦争の構図を当家は考察。
谷川は2004.04.08棋聖戦本戦1回戦で久保と華麗な相振り戦を披露。

日時：2004.04.08
棋戦：第75期棋聖戦本戦1回戦
戦形：相振り
先手：久保利明八段
後手：谷川浩司王位棋王
▲７六歩 ▽３四歩 ▲６六歩 ▽３三角 ▲６八銀 ▽２二飛
▲６七銀 ▽２四歩 ▲４八銀 ▽４二銀 ▲３六歩 ▽６二玉
▲３七銀 ▽４四歩 ▲７七角 ▽７二銀 ▲７五歩 ▽４三銀
▲８六歩 ▽２五歩 ▲８八飛 ▽２四角 ▲５八金左 ▽３五歩
▲同　歩 ▽同　角 ▲３八金 ▽３三桂 ▲８五歩 ▽７一玉
▲６五歩 ▽３二飛 ▲３六歩 ▽２四角 ▲５六銀 ▽５二金左
▲４九玉 ▽１二香 ▲４六銀 ▽４五桂 ▲８四歩 ▽同　歩
▲４五銀直 ▽同　歩 ▲８四飛 ▽３四飛 ▲６四桂 ▽８二歩
▲４五銀 ▽６四歩 ▲３四銀 ▽同　銀 ▲２一飛 ▽２三銀打
▲２二角成 ▽４六歩 ▲６四歩 ▽４七歩成 ▲同金右 ▽２六歩
▲同　歩 ▽２八歩 ▲３七桂 ▽２九歩成 ▲８六飛 ▽２八と
▲２五桂 ▽１五角 ▲５九玉 ▽２六角 ▲６八玉 ▽１九と
▲７七桂 ▽４六歩 ▲同　金 ▽３七角成 ▲４三歩 ▽６二香
▲３三桂成 ▽６四香 ▲６五歩 ▽６六歩 ▲４二成桂 ▽６二金寄
▲６四歩 ▽４六馬 ▲６三香 ▽４五馬 ▲６二香成 ▽同　玉
▲６一飛成 ▽同　銀 ▲８二飛成 ▽投了
93手で先手の勝ち

中原に地獄を見せられた久保は相振りでは鬼のように強くなった。
今日の谷川は運動会のＰＴＡ玉転がしの前に準備体操で「ン？」と言っているお父さんの趣がある。