我々は眠りこけた。
敗因は余った歩。
終局図の羽生の駒台の歩を見ろ。
この歩は89手めに渡した歩。
歩を大切にしろとあれほど言ったのに。
33歩で同金寄りか。羽生にプレゼントした跳躍連動手。
おかげで43地点が手順に開き118手めの43銀を許した。
72銀に驚いたって？
対康光戦でも打ってるだろ。こんなのひとめ。
27銀も69銀もひとめ。良く読め。
65飛？検索以前の問題。護摩化すな。

このシリーズは第3局の73歩と本局の33歩に尽きる。歩は命。


棋戦：王座戦第５局
戦型：矢倉
先手：渡辺　明　五段
後手：羽生　善治　王座

▲７六歩 ▽８四歩 ▲６八銀 ▽３四歩 ▲６六歩 ▽６二銀
▲５六歩 ▽５四歩 ▲４八銀 ▽４二銀 ▲５八金右 ▽３二金
▲７八金 ▽４一玉 ▲６九玉 ▽５二金 ▲７七銀 ▽３三銀
▲７九角 ▽３一角 ▲３六歩 ▽４四歩 ▲６七金右 ▽７四歩
▲３七銀 ▽６四角 ▲６八角 ▽４三金右 ▲７九玉 ▽３一玉
▲８八玉 ▽２二玉 ▲４六銀 ▽５三銀 ▲３七桂 ▽７三角
▲１六歩 ▽１四歩 ▲２六歩 ▽２四銀 ▲３八飛 ▽９四歩
▲１八香 ▽９五歩 ▲６五歩 ▽８五歩 ▲２五桂 ▽４二銀
▲３五歩 ▽同　銀 ▲同　銀 ▽同　歩 ▲１五歩 ▽同　歩
▲６四歩 ▽同　歩 ▲３五角 ▽３四歩 ▲６八角 ▽６五歩
▲１三歩 ▽１四銀 ▲１二銀 ▽同　香 ▲同歩成 ▽同　玉
▲１七香打 ▽２二玉 ▲１五香 ▽２五銀 ▲同　歩 ▽８六歩
▲同　歩 ▽６六桂 ▲同　銀 ▽同　歩 ▲同　金 ▽８五歩
▲１二香成 ▽３一玉 ▲６三銀 ▽８六歩 ▲７九桂 ▽２七銀
▲５八飛 ▽６九銀 ▲８三歩 ▽９二飛 ▲３三歩 ▽同金寄
▲５九飛 ▽７八銀成 ▲同　玉 ▽１八銀成 ▲５五歩 ▽８四角
▲７五歩 ▽６四金 ▲７二銀打 ▽１一歩 ▲同成香 ▽６五香
▲同　金 ▽同　金 ▲８一銀不成▽９四飛 ▲５八飛 ▽１七成銀
▲１九香 ▽８七歩成 ▲同　玉 ▽６七歩 ▲１七香 ▽６八歩成
▲同　飛 ▽６七歩 ▲１二香成 ▽４三銀 ▲１八飛 ▽７五角
▲８五銀 ▽８六歩 ▲７八玉 ▽５七角成 ▲９四銀 ▽６九角
▲同　玉 ▽６八金 ▲投了

128手で後手の勝ち

終局=午後9時54分。
持ち時間各5時間のうち、残りは羽生=15分、渡辺=１分。
羽生は王座戦12連覇達成。

無念

うわー！！

そこは悪魔の空間。
そこに逃がすな！

53銀では52銀成で一見受けなし。いずれにしても飛車は逃げる。
落ち着け落ち着け。75角が攻防手になっている。

金を死守すれば12香成が詰めよ。
羽生、どーする？

読み切ったのか？

飛車と金の交換だけで勝てる。
12歩だけに要注意。羽生は歩で最後は受けるから。

同桂だけは負ける。あとは大丈夫。
飛車一枚じゃ羽生には双頭手もない。

相手にするな。21-同玉で13に馬でも作っとけ。
68金打なら同飛で即詰み。

よく取った。その勇気！

金打からの角交換など怖くない。
羽生には逆転の角打双頭手は皆無。
玉で取れ！

そのと金は最初から取る予定。畏れるな！

75角から84飛など怖くない。一旦82歩成で歩が8筋に立つ

ホラホラきたきた。こんなものすぐに玉で取れ！

なるほど。芸が細かい。
あとは19香までマシュダ一家手順と同じ。深呼吸。
酸素不足には要注意。

羽生は飛車を94-84で使ってくる。ハマるな！
75角出には77桂の金当り。
カナ駒一枚で即詰みの形。

74銀成の色気はだすな。羽生は飛車を縦に逃がす。
その銀は52地点へ行く。
87歩成には強く同玉。
羽生には持ち駒が金しかない。
19香打で銀を貰え！

まずは飛車をいじめてから。
寄せにはカナ駒一枚必須。

悪あがき。こんなもの遠慮なく取れ

おいおい形作りくらいさせてやれって

桂香交換して馬つくって悠然と引き上げろ。
羽生は今日は大内への餞別らしい。

おいおい羽生。ソレやると思ってた。
恥ずかしくて俺たちゃいえない手。

▲７六歩 ▽８四歩 ▲６八銀 ▽３四歩 ▲６六歩 ▽６二銀
▲５六歩 ▽５四歩 ▲４八銀 ▽４二銀 ▲５八金右 ▽３二金
▲７八金 ▽４一玉 ▲６九玉 ▽５二金 ▲７七銀 ▽３三銀
▲７九角 ▽３一角 ▲３六歩 ▽４四歩 ▲６七金右 ▽７四歩
▲３七銀 ▽６四角 ▲６八角 ▽４三金右 ▲７九玉 ▽３一玉
▲８八玉 ▽２二玉 ▲４六銀 ▽５三銀 ▲３七桂 ▽７三角
▲１六歩 ▽１四歩 ▲２六歩 ▽２四銀 ▲３八飛 ▽９四歩
▲１八香 ▽９五歩 ▲６五歩 ▽８五歩 ▲２五桂 ▽４二銀
▲３五歩 ▽同　銀 ▲同　銀 ▽同　歩 ▲１五歩 ▽同　歩
▲６四歩 ▽同　歩 ▲３五角 ▽３四歩 ▲６八角 ▽６五歩
▲１三歩 ▽１四銀 ▲１二銀 ▽同　香 ▲同歩成 ▽同　玉
▲１七香打 ▽２二玉 ▲１五香 ▽２五銀 ▲同　歩 ▽８六歩
▲同　歩 ▽６六桂 ▲同　銀 ▽同　歩 ▲同　金 ▽８五歩
▲１二香成 ▽３一玉 ▲６三銀 ▽８六歩 ▲７九桂 ▽２七銀
▲５八飛 ▽６九銀 ▲８三歩 ▽９二飛 ▲３三歩 ▽同金寄
▲５九飛 ▽７八銀成 ▲同　玉 ▽１八銀成 ▲５五歩 ▽８四角
▲７五歩 ▽６四金 ▲７二銀打 ▽７五歩 ▲８一銀不成▽６三金
▲９二銀成 ▽同　香 ▲９一飛 ▽５一香 ▲１三桂 ▽投了

107手で先手の勝ち

63金と取るっきゃないね。飛車渡せない。
それで同銀成には61香とぶち込め。

ＯＫ。今日はいい子だ。
これで羽生は昇天。

▲７六歩 ▽８四歩 ▲６八銀 ▽３四歩 ▲６六歩 ▽６二銀
▲５六歩 ▽５四歩 ▲４八銀 ▽４二銀 ▲５八金右 ▽３二金
▲７八金 ▽４一玉 ▲６九玉 ▽５二金 ▲７七銀 ▽３三銀
▲７九角 ▽３一角 ▲３六歩 ▽４四歩 ▲６七金右 ▽７四歩
▲３七銀 ▽６四角 ▲６八角 ▽４三金右 ▲７九玉 ▽３一玉
▲８八玉 ▽２二玉 ▲４六銀 ▽５三銀 ▲３七桂 ▽７三角
▲１六歩 ▽１四歩 ▲２六歩 ▽２四銀 ▲３八飛 ▽９四歩
▲１八香 ▽９五歩 ▲６五歩 ▽８五歩 ▲２五桂 ▽４二銀
▲３五歩 ▽同　銀 ▲同　銀 ▽同　歩 ▲１五歩 ▽同　歩
▲６四歩 ▽同　歩 ▲３五角 ▽３四歩 ▲６八角 ▽６五歩
▲１三歩 ▽１四銀 ▲１二銀 ▽同　香 ▲同歩成 ▽同　玉
▲１七香打 ▽２二玉 ▲１五香 ▽２五銀 ▲同　歩 ▽８六歩
▲同　歩 ▽６六桂 ▲同　銀 ▽同　歩 ▲同　金 ▽８五歩
▲１二香成 ▽３一玉 ▲６三銀 ▽８六歩 ▲７九桂 ▽２七銀
▲５八飛 ▽６九銀 ▲８三歩 ▽９二飛 ▲３三歩 ▽同金寄
▲５九飛 ▽７八銀成 ▲同　玉 ▽１八銀成 ▲５五歩 ▽８四角
▲７五歩 ▽６四金 ▲７二銀打 ▽７五歩 ▲８一銀不成▽６三金
▲９二銀成 ▽同　香 ▲９一飛 ▽５一香 ▲１三桂 ▽投了

107手で先手の勝ち

目には目を。ハブにはハブを。
コレで行くなら現物支給の銀打。

さあ99手め、どれもお好み焼。
卵入りならさぞウマイ。

そっちで飛車を狙え！それで連動手！

なるほど。
それもラッキーセブンか。
52銀打ちでご破産はいかが？

いい子だ。
75歩の駒アタリ偶数番には76香だろ？
それで駒アタリ奇数番のラッキーセブン。
どうかね？

それで駒アタリ奇数番5。
シャネルのナンバーでどうかね？

次の手は決まってるだろ。
そうさ。
駒アタリ奇数番5を作成するのが貴様の常套句。
さあやってみろ。

92飛車だと？
よくもそんな手を。
貴様は火を点けた。
そこまでして王座を死守したいか？

いいぞナベラ！順調。
まだまだこれから。

55歩で駒アタリ偶数番4。
馬作成阻止の双頭手として読め。

まだイケル、まだイケル、落ち着け。
ここでキンタマを冷やせ。

馬を作らせてはダメ！

よっしゃー！まだいける！
55歩！

もっと熱くなれ！

52銀打のシバリもダメ。18銀成とされてもダメ。
甘いよ、甘すぎる。この玉子は甘いぞ！

そこは37角成で当たる所...

バカタレー！飛車取れ！

飛車が取られる！

見破られたか！

▲７六歩 ▽８四歩 ▲６八銀 ▽３四歩 ▲６六歩 ▽６二銀
▲５六歩 ▽５四歩 ▲４八銀 ▽４二銀 ▲５八金右 ▽３二金
▲７八金 ▽４一玉 ▲６九玉 ▽５二金 ▲７七銀 ▽３三銀
▲７九角 ▽３一角 ▲３六歩 ▽４四歩 ▲６七金右 ▽７四歩
▲３七銀 ▽６四角 ▲６八角 ▽４三金右 ▲７九玉 ▽３一玉
▲８八玉 ▽２二玉 ▲４六銀 ▽５三銀 ▲３七桂 ▽７三角
▲１六歩 ▽１四歩 ▲２六歩 ▽２四銀 ▲３八飛 ▽９四歩
▲１八香 ▽９五歩 ▲６五歩 ▽８五歩 ▲２五桂 ▽４二銀
▲３五歩 ▽同　銀 ▲同　銀 ▽同　歩 ▲１五歩 ▽同　歩
▲６四歩 ▽同　歩 ▲３五角 ▽３四歩 ▲６八角 ▽６五歩
▲１三歩 ▽１四銀 ▲１二銀 ▽同　香 ▲同歩成 ▽同　玉
▲１七香打 ▽２二玉 ▲１五香 ▽２五銀 ▲同　歩 ▽８六歩
▲同　歩 ▽６六桂 ▲同　銀 ▽同　歩 ▲同　金 ▽８五歩
▲１二香成 ▽３一玉 ▲６三銀 ▽８六歩 ▲７九桂 ▽２七銀
▲５八飛 ▽６九銀 ▲８三歩 ▽同　飛 ▲５二銀成 ▽５八銀成
▲２一成香 ▽同　玉 ▲１三角成 ▽２二金 ▲２四歩 ▽３二玉
▲２二馬 ▽同　玉 ▲１三金 ▽３一玉 ▲２三歩成 ▽２一歩
▲２四桂 ▽投了

103手で先手の勝ち

▲７六歩 ▽８四歩 ▲６八銀 ▽３四歩 ▲６六歩 ▽６二銀
▲５六歩 ▽５四歩 ▲４八銀 ▽４二銀 ▲５八金右 ▽３二金
▲７八金 ▽４一玉 ▲６九玉 ▽５二金 ▲７七銀 ▽３三銀
▲７九角 ▽３一角 ▲３六歩 ▽４四歩 ▲６七金右 ▽７四歩
▲３七銀 ▽６四角 ▲６八角 ▽４三金右 ▲７九玉 ▽３一玉
▲８八玉 ▽２二玉 ▲４六銀 ▽５三銀 ▲３七桂 ▽７三角
▲１六歩 ▽１四歩 ▲２六歩 ▽２四銀 ▲３八飛 ▽９四歩
▲１八香 ▽９五歩 ▲６五歩 ▽８五歩 ▲２五桂 ▽４二銀
▲３五歩 ▽同　銀 ▲同　銀 ▽同　歩 ▲１五歩 ▽同　歩
▲６四歩 ▽同　歩 ▲３五角 ▽３四歩 ▲６八角 ▽６五歩
▲１三歩 ▽１四銀 ▲１二銀 ▽同　香 ▲同歩成 ▽同　玉
▲１七香打 ▽２二玉 ▲１五香 ▽２五銀 ▲同　歩 ▽８六歩
▲同　歩 ▽６六桂 ▲同　銀 ▽同　歩 ▲同　金 ▽８五歩
▲１二香成 ▽３一玉 ▲６三銀 ▽８六歩 ▲７九桂 ▽２七銀
▲５八飛 ▽６九銀 ▲８三歩 ▽同　飛 ▲５二銀成 ▽５八銀成
▲２一成香 ▽同　玉 ▲１三角成

信じられないが実際58飛に69銀が打たれている。
目を覆いたくなるような光景。
一挙に新王座誕生の玉子は砕け散った。
粘る気なら銀を打たずに先に玉の早逃げがあった。
馬を作られては絶体絶命。

やってしまった。これで駒アタリ奇数番4=2+2
羽生の寄せのナンバー。
飛車が58に逃げれば69銀打。どれもマシュダ一家では数時間前の変化。

羽生が53金を出来なかった理由は74銀成後に34飛と走られるからである。受けても14飛。
現物は下品。そこで仕方なく86歩で首を差し出したはずが、ナベラに嘲笑されている。次に83歩と打つ魂胆である。羽生を怒らせると生きて帰れないかもしれない。

夕食休憩後このように確かに進んでいる。
これは温泉卵である。生玉子のハラハラドキドキではなくすでに固まった卵に塩をかけて食べているのであった。
やはり飯を食うと胃袋がもたれるのであろう。意地だけで玉子が熱くできるものと感心してしまう。

駒アタリ奇数番の例外は王手がかかるナンバー。羽生が次に86歩とした場合が該当。この場合は即最終盤。
通常はここで後手が勝てなければおかしい。87銀とぶちこんで詰めろを掛ければよい。ところが既に述べた理由で先手が勝つ。
以下まとめ。
86歩は駒アタリのナンバーを自ら引き算する手。駒アタリ奇数番3から駒アタリ偶数番2とする手は悪手。例外は寄せがある時。しかし寄せはない。だから86歩はない。

まず駒がみっつ当たっているということ。駒アタリ奇数番3と表記する。
このみっつめの駒アタリ奇数番3を作成したのが先手の為に先手が優勢である。ここで羽生が4つめの駒アタリを独自に作っては負ける。82手めに65歩のような手は単独の駒アタリとなり駒アタリ偶数番4となる為にダメなのである。
そこで当たった駒にさらに駒を当てるのが羽生や谷川。該当するのはまず53金。金があれば間違いなく64金打と当てるところ。ないものは仕方ない。
もうひとつある方法は駒アタリをふたつ一挙に増やすこと。
27銀打が該当。島研はこれを「現物」と呼ぶ。下品な表現であるが島がＮＨＫで先月康光相手に使ったばかりの用語。これは駒アタリ奇数番2を作成する為に3+2で駒アタリ奇数番5となる。
駒アタリ奇数番5を作成すると最終盤へ至る。

羽生はまだ指していない。困った。53金でも考えているのであろう。
その場合は事情が違う。
角筋から玉が死守できるからである。それならば角を渡しても銀三枚となる。
すでに銀を二枚もっているので大昔のあの筋「現物支給2」がある。銀を飛車にあててブチコム芸である。
或いは銀三枚となるともっとスマートなカラメ筋がある。島が羽生を破り康光が羽生相手に最後に見せた三角銀。
ハブはカエルコールで諦めて今日はホテルで寝るつもりであろう。

今ごろカエルコールをしているころであろう。横浜ならすぐに帰宅できる。
そこで彼女がまだ起きているかもう寝てしまっているかという長考である。

先崎なら間違いなく金を下がったであろう。彼らはフニャチン族である。
さて羽生がス抜きを嫌って89飛車成としても73銀不成でかまわない。
先手玉は詰めよではないからである。ナベラは玉を追って角を打てば羽生の相駒は5筋に歩が効かないのでカナ駒しかない。カナちゃんは二枚しかない。そこで一枚使っては羽生に勝機はない。

88飛成と後手が来れば13角成で生まれたばかりの龍が死ぬという構図。

非常にわかりやすい。
さすがはメンソレの力であった。
86歩ならば83歩-同飛-74銀成。
後手玉も右が広いが先手玉も右が広い。
海は広いな大きいなと鼻歌を歌うのが筋である。

ごくろうさん。
これで羽生は観念した。
今日は早いとこ終わらせてパーと祝賀会で盛り上げていただきたい。

そうこなくてはアンファンテリブルのシリーズではない。
長時間のアグラでキンタマがふやけてしまうと金を下がるフニャチンがいるが、そんなことをしては将棋が終わらない。
どうやらナベラはキチンと用意したようである。

こんなモノはこわくない。取る一手である。
キンタマにメンソレータム塗っておけばすぐに取れる。

羽生はやけに今日は淡白に指している。上野の顔を立てている。
阿部が今ごろ怒っているであろう。
俺と違うじゃんかと。
羽生も実はハラグロの隠れファンなのである。

渡辺明は優勢を意識して長考している。ここでは考えてはいけない。
そう言えば我々が一昨日送った渡辺明への応援メッセージは没となったようである。昨日日経本社で話し合いがもたれダスなということに決まったので、他の応援メッセージは本日まとめてＵＰしている。我々はわかりやすく言えばキンタマしめてかかれということを書いただけである。
羽生はフツーに指しては勝てるはずがない。いつものことである。端など破られるのもセオリー通り。問題はどの駒が寄せに必要かということなのである。
羽生がもたれ指しをする気ならまだ26桂のチャンスはある。58飛ならば69銀の割り打となる。縦に逃げれば馬をつくる。しかし端が強靭なのでそれが有効ではない。そこで手駒を増やす方法を考える。もちろん一枚も無駄にできない。歩が三枚羽生の駒台にある時は要注意。

羽生はもう一枚桂馬が欲しい。そこでどこの桂馬を手駒にするかであるが、一番手っ取り早いのは21成香に同玉と取って誘いつつ渡辺明に桂馬を打たせること。最後にその桂馬を食い千切って寄せの構図が完成すればよい。
拠点は60手めに連動手となった65歩とＵの特権であるこの86歩のみ。
しかしどうもおかしい。第3局のような落とし穴がある。

羽生は銀で桂馬の方を取った。香車の二段構えを無駄にしようという指し方。桂馬に愛着があるのも中原羽生に共通した感性。
そしてＵの特権86歩。

羽生はいずれの変化でも端は受からないので放棄するしかない。
銀香交換でも66香でいつでも取り返せる。
しかし気迫ですでに完全に圧倒されてしまった。
あの鼻歌がどーも気になる。
少なくとも柳の歌ではない。

野蛮極まる。谷川の悪影響であろう。
フツーに15香-同銀では手ぬるいと怒っている。
銀もこっちによこせと鼻歌まで歌っていることであろう。

後手はここで最終変化31玉で凌ぎたい。するとあの現物支給の14銀はなんだったのかと言うことになる。それが渡辺明の主張であった。
柳の歌は許さないという疾風怒涛の盗賊である。
銀座の柳に火を点けるのは大内であるが、ナベラはデスデーモナに歌うなと言っている。

めまいがする。
ブランコに火をつけるような子供である。
いっそのこと消防隊に1筋に駒柱でも作っていただきたい。

今日の羽生はどうしたのであろう？
カツアゲされてハイどーぞと頭を下げている青白い少年役である。
これは桂馬を食い千切り26桂のＹ字固めをしちゃうかもという手である。
すでに午前中に述べてあるので二度はクドイ。
そこで単に15香と走られることを阻止したと素直に考える。
平たく言えば駒アタリ奇数番1を消したということである。羽生はもともとこれが好き。しかし今まで駒アタリ奇数番1を消すためだけに現物支給をしたことはない。
アンファンテリブルのシリーズに血の気が失せたのであろうか？

これはもともとは恫喝手である。ところが角筋が開通している為に羽生におねだりしていることになる。
島研用語で「現物支給」しろと言ってる不良グループ。
康光もこれでヘマをしでかしたのであった。

羽生はここまで自分で考えるところがまるでないように見える。
塾で予習して授業で味気なく答える児童のように指している。
かつての中原もそのように見られていた。
普通に指すことがいかに大変か。
渡辺明は羽生が64同角だろうと思ってアンファンテリブル1-3を決行している。それを躱されたからには先手指せると言う自信だけがある。守備の銀と攻撃の銀を交換し歩も一枚あるからである。
ところがこの65歩は双頭手なのであった。角筋開通と矢倉攻略の拠点となる。

渡辺明は阿部が見せた地獄門本定跡を選択せずに中井ママ定跡で行く。
55手め64歩がアンファントリブル3。三児のママ中井の必殺技である。
日経と米長の実況では中井の手だったと言うのが恥ずかしいらしい。米長などいかにも自分で考えたようにしたり顔で35歩などと言う。しかもまだ穴熊があると言い張っていた。大穴狙いの卑屈な意地。やはり米長と大内はソックリである。
羽生は64同角と取らなかった。女房には頭があがらないということである。亭主関白というのは嘘であろう。
ここで一番エライのはやはり子だくさんのタナトラということになってしまうのであろうか？
お父さん講座はタナトラ、ママさん講座は中井で決まりであろう。
ダメな老害ジジイ講座は大内と米長が担当するらしい。

さて康光は控え室で49手めを35歩として以下の変化を読んでいる。

▲７六歩 ▽８四歩 ▲６八銀 ▽３四歩 ▲６六歩 ▽６二銀
▲５六歩 ▽５四歩 ▲４八銀 ▽４二銀 ▲５八金右 ▽３二金
▲７八金 ▽４一玉 ▲６九玉 ▽５二金 ▲７七銀 ▽３三銀
▲７九角 ▽３一角 ▲３六歩 ▽４四歩 ▲６七金右 ▽７四歩
▲３七銀 ▽６四角 ▲６八角 ▽４三金右 ▲７九玉 ▽３一玉
▲８八玉 ▽２二玉 ▲４六銀 ▽５三銀 ▲３七桂 ▽７三角
▲１六歩 ▽１四歩 ▲２六歩 ▽２四銀 ▲３八飛 ▽９四歩
▲１八香 ▽９五歩 ▲６五歩 ▽８五歩 ▲２五桂 ▽４二銀
▲３五歩 ▽同　銀 ▲同　銀 ▽同　歩 ▲１五歩 ▽同　歩
▲６四歩 ▽同　角 ▲３五飛 ▽２四銀 ▲６五飛

これはＮＨＫ杯で中井が指した▲６五飛である。あの時解説の先崎には少しも浮かばない手であった。当時の投稿で回想してみよう。


本日の歴史的ＮＨＫ杯　中井VS畠山鎮　投稿者：マシュダ一家 　投稿日： 7月13日(日)22時27分54秒
女流がＮＨＫ杯で勝つことを何十年期待しながら見てきたことか。その立て役者が三児のママさん棋士中井であったことが痛快極まる。本日は歴史的な中井三冠VS畠山鎮。
しかも矢倉で全力発揮の攻防戦という実力勝負。昨年王座戦以後の展開ではなく9筋の端歩を受けない中井がやるとすれば飛車周りの為の64歩。これは観戦中我々がもっとも期待した手。直前まで進行して中井はやるものと思っていた。64馬もそう。オカマ先崎の脳裏にチラリとも浮かばない手とは一層痛快な放映であった。馬引きも64馬から我々の想定していた自然な手順。しかし途中の59銀だけは一目筋悪の為にプロ棋士は実戦で読み抜けしやすい手なのであった。これが実は臨機応変に見える受けの好手であるが、ここまで読んでいないと飛車切りからこの戦形を先手は指せない。これを畠山は見落として負けにした。つまりハッキリ研究不足。中井にこのような受けまで指させたのは畠山の方であったことが問題なのであった。中井は適宜に指したらうまく受かったということはすでに将棋が良かったということである。畠山の責任は見た目よりはるかに重い。がっぷり四つなら中井相手になんとかなると思っている根性自体が甘すぎたということになる。中井が頻繁にお茶を飲んでいた余裕から畠山は何も感じとれなかったのであった。
畠山は谷川研究会から即時脱会するべきであろう。明後日から王位戦も始まる。マモルのような骨無しタコが谷川の周囲にうろついていたのでは羽生に虎の子の王位まで今年は関西からアッサリ持っていかれてしまう。昨日のBS生放送「ハブへのインタビュー」は最悪であった。テレビ的でない職人の実戦とは見ていて情けない。あの嫌らしい右手の仕草とキンキン声が棋界の第一人者であろうか？　アレは企画がシロウト並である。あんな中身のない企画が羽生の名前だけを頼りに横行してはそれこそ鈍行で谷川まで轢死体となってしまう。畠山は谷川の鏡でもあった。谷川はチンチン電車で王位戦を走ることになるのであろうか？
我々も完全実況する予定である。第1局で全てがわかる。

上野がなぜか居る。レッツハラグロを再開していただくようプッシュしていただきたい。あれは棋界ナンバー2の日記であった。
タナトラが居る。立会人らしい。和服を着ている。こんなところで減価償却していることにご満悦そうである。息子に誠と名付けたことを最近またも誇らしげにしているのがタナトラであった。
一方師匠大内延介の名前から親に大介と名付けられた本人は肩身の狭い思いをしている。大内はまず大介のご両親に土下座をするべきである。それを日経記者がデジカメ写真にこっそり撮って将棋王国で暴露すればよい。それが真っ当な潜入レポ。
谷川はそれにしても凄い名前を先週生まれた次男に付けた。あそこまでコキおろされて大した度胸である。

渡辺明にワザあり。羽生は腰を引いて調整しただけ。
ここで時間切れ引き分けならば渡辺明の判定勝ち。

羽生もこのような手順に冷や汗を流したであろうか？
手順が違う。結果この48手めは昨年の竜王戦第6局の地獄門本定跡。
即ち55歩と仕掛ける。だから先に42銀と引く。
先手の主役は角である。これで65歩が逆行相転化。

40手めで米長は先手の穴熊を予想している。米長ならば名人戦でもそう指していた。米長は昨日の大内と同じ。我々はそんな悠長な展開は有り得ないと初めから考えている。
康光は今ごろぶったまげているであろう。
時代が違う。渡辺明のブランコは横揺れ。反則まがいなのである。

羽生が46手め85歩突くのは当然。対して今度は25桂と右に揺らす。
アンファンテリブル2。
この二人乗りブランコは立ったままの渡辺明が左右に思う存分揺さぶっている。
これを同銀とすれば26桂のＹ字固め飛車香取りが羽生の選択肢に生じる。

この形からの最も派手な変化に後手が45歩とした瞬間に金を先に損して角交換後の66角打という王手飛車の筋がある。
いずれも先手が75歩と仕掛けることになる。これは後手からの端の急襲を許さないという手。だから端は受けなかった。
前回と同じ言い分。そこの角どけと言いたい渡辺明。

羽生は渡辺明が端を受けなかったので当然44手めは95歩と位を取る。
対して渡辺明は65歩。
またしても角頭を狙う。
アンファンテリブル1。

あの日の竜王戦第7局。
そして昨年の王座戦第1局。
康光は43手めを96歩と受け45手めで17香の減七を選択した。
渡辺明は端を受けずに先に18香。

渡辺明は昨年の康光と全く同じように指している。羽生にしてみれば14年前の島相手の竜王戦と同じように指している。
我々がブランコの原理で考察した第2期竜王戦全局分析ではあえて第2局を中断した。彼らはそれを早く読ませろと言っている。

昨年の王座戦第1局と同様に進行している。
あのようになるのか、グランクロスを選択するのか、いずれにしても後手の羽生に勝つのは容易なことではない。二回殺すつもりでないと勝てない。あくまでもつもり。死ぬのは一回だけ。

渡辺明は先に連勝して流れを掴んだ。いずれも横歩取り。
これは5番勝負なのでそれでよい。
そしてカド番で羽生は矢倉を強いることになり渡辺明は恐怖に震え千日手を選択。最終局で矢倉で勝つことは王道である。角換り腰掛け銀では最近康光と屋敷に痛い目にあった。しかし羽生が前局矢倉で来いと言うならば、今回は正面から受ける。
矢倉は同じようで何が違うのか？手順が違う。
ではこの違いは目に見えるのか？目に見える。
だから羽生は52金とした。

双方78金と32金は矢倉で最強の手=早囲いを放棄し急戦を許さない駒組み手順。
このブランコ運動は羽生の32金が先であった。玉の移動という最重要のブランコ運動も後手が前進運動。これは先手が角道を止め58金を先に指したからである。
そして16手めの52金は先手のブランコ運動に対して後進運動となる。これは第2手めに後手が飛車先を突いたからである。

悪しき因習振り駒で渡辺明が先手。矢倉を選択。羽生は角換り腰掛け銀でも受けたであろう。昨日のナカヒロ屋敷戦は見事であった。
11手め58金と12手め32金が両者の色。
渡辺明への我々の応援メッセージは日経によって抹消された。その影響がこの11手めに現れている。