ブランコの原理2-5 第2期竜王戦第2局「雀刺し」
2003.09.22-23解題 マシュダ一家 MashudaBBS2552-2563

ブランコの原理5 第2期竜王戦第2局「雀刺し」2  No: 2563 [返信][削除]
 投稿者:マシュダ一家  03/09/23 Tue 04:26:02

38=94歩。ここで24銀と端を護っても25歩で追い返される。53銀では防戦一方で面白くない。そこで先手からの端攻めには目を閉じてこちらも攻めるという意思の表現。ここで先手が受けてくれたら73銀から棒銀が成立する。ここで鈍色の輝きに蠢いているのが46地点である。ここに先手の角が来ると最大の牽制となるが、角交換後先手の飛車が18飛にいると27角打で感電死する。
39=25歩。ここに桂馬が跳ねられなくなると考えるのは贅沢である。将棋とは進行する度に紐で縛って行くモノである。17香とあがったからには銀を守備に使わせないということだけを思考する。すると結果的にこの歩は後手の85歩と同様に後手玉と4度の位置に固定される。このような手は攻めの継続手として以外に玉との位置関係が影響する。だから玉移動の原理と平行して相手次第なのである。矢倉と角換り腰掛け銀ではこの85歩と25歩は最大の攻撃準備地点である。角換り腰掛け銀ではこの飛車先歩を先手が先に交換できた。矢倉はもっと腰が重い。ぎっくり腰のように慎重に進む。来たるべき86歩と24歩は双方にとって魔女の一撃なのである。
40=73銀。先手が96歩と受けなくとも棒銀である。95歩と突いてもすでに85歩と突いてあるために85桂馬と継続できない。そこで無理気味でも銀を繰り出す。
41=98飛。焼き鳥一筋である。鳥類愛護団体から「雀刺し」という名称は廃止しろとよくもクレームが来ないものである。子供なら「雀ちゃんを食べたらかわいそう」と言うであろうか?
一方「将棋倒し」という立派な遊戯の名称は将棋連盟が自粛してくれとマスコミに嘆願している。例の「陸橋将棋倒し事件」で将棋のイメージが悪くなったと誤解しているのである。おかげでドミノ倒しにオイシイ所をもって行かれてしまった。もったいない。日本ドミノ協会は大喜びである。因みにドミノ協会理事長の佐藤正光は佐藤康光と無関係である。将棋連盟はこのようなオマヌケ事務局であるのでオマヌケ理事がお似合いかもしれない。理事にも鬼瓦のような顔が居る。一緒に酒を飲むと鬼愛に抱き込まれる。鬼に愛があるのか?
最近流行りのアニメでは鬼のようなキャラのオデコに愛と刻まれている。このコマチャクレタ文字がデザインとして使用された好例である。これは相殺効果を狙っている。愛は日本人には照れ臭い言葉なのである。血も涙もないようなキャラにこの文字がぴったんこなのであった。逆にこのような冷血漢のオデコに「凶」などと書いてあると安っぽいのである。カンキが同じピンク色のジャケットとネクタイに同じ色の扇子を持っているようなものである。
さてこの18飛車とはカンキ効果丸だしである。まっすぐにしか進めない歩と香車のどん底に、やはり直進が信条の飛車を置くとはどのようなセンスであるのか?
おそらく棋士もこれが鈍臭いと感じている。鈍臭さそうな戦法には必ず鈍臭い名前をわざとつけているのである。ゴキゲン、カニカニ、イビアナ。どれも鈍臭くて女の子が寄りつかない。カタカナ4文字が似合いそうな胡散臭いモノと誰もがわかってしまう。だから棋士は照れ隠しにこのような名前をワザと定着させてしまうのである。ミレニアムを恥じた島が突然カマボコと言い出すようなものである。彼らは桂離宮と言うのが恥ずかしいのである。オマンコといい勝負である。捨て難いが口に出して好きと言うのは恥ずかしいと言うのがカタカナ4文字の特徴。
雀刺しはまだ漢字で書くうちはよい。スズメ刺しと書く者もいる。外国人ならばスズメの刺身かと思うかもしれない。日本人ならスズメも生で食うのではないかと思われるのである。これがカタカナ4文字でないことが救いであった。
これは実際に大変な戦法である。 奥が深い。連盟ではヒフミン以外に指しこなせないと言われている戦法である。しかも将棋史で最も完成されたはずの森下システムを打ち破ったのがこのスズメ刺しである。我々はスズメ刺しと聞くとなぜかスルメ焼きを思い出してしまう。あの香ばしさと思わず唾液が出てしまう背徳の誘惑に似ているような気がする。


閑話休題2 今年の竜王戦  No: 2560 [返信][削除]
 投稿者:マシュダ一家  03/09/23 Tue 00:48:46

鬱陶しいと言えば最近小便倶楽部からウンコ付きオムツを貰って喜んでいるドスケベ記者はこれで老人会の仲間入りである。昨年はマシュダ一家対策でとんだ過失を犯した日経のドグラマグロは左遷されてしまった。そこでなんとかドスケベだけは救済しようと老人会はオムツを用意したのであった。これは赤いチャンチャンコである。本人も言っているように一番不出来な観戦記がその対象である。一番不出来な観戦記であってもマシュダ一家が竜王戦全実況中もっとも手を抜いたナンバーであるのでなんとか護摩化せると言う読みであった。中身などよりコレは単なるチャンチャンコであることを強調する為である。しかしNHKの愚連隊は思うであろう。竜王戦にはナマハゲを出しとけと。ドスケベだけは絶対に画面に出すなと。アレはアラブヒゲ同様卑猥であると。
中原でもご法度な位のNHKならそのぐらいの配慮はしている。今年は羽生と森内である。森内はましてや竜王戦初登場である。名人は羽生にクレてやるのがシナリオであったが、今回は羽生の初代永世竜王位を阻止するのが森内のメンツを賭けた使命となる。そのような竜王戦始まって以来の大事に、オムツの仲間が闖入してもらっては困る。NHKは名人戦も竜王戦も自分達のおかげでここまで脚光を浴びたと自惚れている。しかもマシュダ一家のおかげで将棋がかくも格調高い芸術&科学であることが立証されつつあると確信している。それを仮に偏見としたところであのようなセコイ中継や竜王戦倶楽部では相手にしていない。アレは確かに読売にとってダメージが大きかった。今さら後悔しても遅い。アラブヒゲなどを有頂天にさせたのが敗因である。しかもドスケベ記者がもっと有頂天になったことは周知である。ハシタ金でほっぺた叩かれてウンと言うような骨ナシであった。もっと勘違いされて「ウンコ付きオムツを貰いました」とテレビで吹聴されては困る。ヨレヨレの禿丸の方が森内を一層引き立てることであろう。ではそろそろ本題に戻る。


ブランコの原理4 第2期竜王戦第2局「雀刺し」   No: 2558 [返信][削除]
 投稿者:マシュダ一家  03/09/22 Mon 23:40:07

29=88玉。なぜここで37銀としないのか?この88玉は角筋を避けた入城であるようだが、後手の85歩を悪手から好手に逆行相転化しているのである。85歩と5度の位置にあった玉が自ら4度の位置という危険地帯へ身を投じている。このようなことが可能であったのは67金と43金の為である。本局は森下システムのプロセスと違う為にこれらは緩手であった。島も羽生も序盤である形を作るために妥協してしまったのである。
これが人間の弱さである。限られた時間ですべてを完璧に指すことはできない。だから金の威力に最後は頼ってしまう。
30=64角。飛車を狙う直撃手。
31=37桂。これが森下システムに繰り込まれた桂馬。これが飛車を死守しつつ進軍する双頭手となる。この桂馬は45地点の駒アタリ奇数番を作成することが可能である。展開次第でトリプル手に逆行相転化し得る。これは明らかに第二主題の提示である。37銀型とは位相が違うからである。35地点ではなく45地点が浮上するからである。35地点は逆に桂頭の弱点となる。
32=31玉。玉の移動に関する考察はここでは避ける。これは全く別の思考形態で扱うテーマとなる。これは最善手ではない。
33=26歩。31玉によってこの攻撃手は有効。
34=22玉。31玉の継続手。島にはこの手の連続性の意味が不明であろう。連盟棋士はこのような所を消去法で扱う。谷川さえもそうである。他に有効な攻撃手がない為にここで玉を囲うのが自然と。角換り腰掛け銀先後同型では玉の位置は79と31のまま先手からの仕掛けが成立した。矢倉も再びそうなるであろう。
35=16歩。先手はすでに37桂馬とした為に棒銀はない。
36=14歩。だからこの端歩を後手は受ける。
37=雀刺し。この名称も不細工である。焼き鳥であろうか?パパゲーノが酒を飲んで加藤一二三の十八番雀刺しを皮肉るとすればそんなところであろう。最近控え室で焼き鳥の話で盛り上がったのは王位戦だったであろうか?37銀型では18香と17香では大変な違いである。ジミー・ヘンドリックスとマイルス・デイビスくらいの差がある。しかし37桂はビートルズなのである。それを十羽ひと唐揚げに「雀刺し」では昭和の焼け跡臭い。将棋ペン倶楽部というところはそのような所である。ショーペンと呼ぶ。まだ小便臭くないだけマシと思われている。
この17香は矢倉戦の白眉である。角換り腰掛け銀同様、端の端まで積極的に使うという意思の現れである。これを表現するために実に36手に渡る鬱陶しい手順がそれまでに指されてきているのであった。ようやく漕ぎ着けた華々しいスポットライトに焼き鳥が一本置いてある。「雀刺し」とはそのような名前である。


閑話休題 75地点と35地点  No: 2555 [返信][削除]
 投稿者:マシュダ一家  03/09/22 Mon 18:41:26

この対局からもう14年間経過した。あの年に生まれた娘ならばすでに初潮を迎え婚礼の秘儀に身を浴しているかもしれない。
羽生は王位戦第5局最終局でこの75地点と35地点を故意に避けた。矢倉が原点なのである。矢倉で避けてきたように羽生はこの地点での駒アタリを避けた。この地点を角が通過することさえも避けた。
14年間かけて彼らが浄化しようと思ったこと。
それはこの写真を見ればよい。
http://homepage1.nifty.com/yonenaga-kunio/
米長が酒場の主に収まった図である。これはオペレッタの一場面である。
もしこれが中原、或いは谷川や羽生であったならどうであろう?
この写真が醜悪であるのは加藤一二三が意図的に利用されているからである。米長は最近意図的な投稿は削除すると自らの方針を示した。これほど意図的な写真も珍しい。バカのフリをして最も貴いものを汚している。しかも意図的に。
このような蛇が純粋な思考を糞まみれにしている。
意図的であるということが問題なのである。このような蛇に操作される連盟棋士の心というものは、すでに半分腐敗しつつあることはすでに記したとおり。この蛇は金を握り、イクラで従うかね?と必ず最後に聞くはずである。
俺が金を集めたと豪語して。
それに従わない者は徹底的に無視される。
それが将棋連盟というところである。


http://www.bekkoame.ne.jp/i/yusai/0209.MasM2.html


ブランコの原理3 矢倉戦の双翼 初手の力を反転   No: 2554 [返信][削除]
 投稿者:マシュダ一家  03/09/22 Mon 17:04:10

第1局と同じように第2局を考察して行く。

開始日時:1989年10月25日・26日
棋戦:第2期竜王戦第2局
戦型:相矢倉▲3七桂
場所:山形県天童市「滝の湯ホテル」
先手:羽生善治 六段
後手:島朗 竜王

▲7六歩 △8四歩 ▲6八銀 △3四歩 ▲7七銀 △6二銀
▲4八銀 △4二銀 ▲5六歩 △3二金 ▲5八金右 △4一玉
▲6六歩 △5四歩 ▲6七金 △5二金 ▲7九角 △8五歩
▲7八金 △3三銀 ▲3六歩 △4四歩 ▲6九玉 △3一角
▲6八角 △4三金右 ▲7九玉 △7四歩 ▲8八玉 △6四角
▲3七桂 △3一玉 ▲2六歩 △2二玉 ▲1六歩 △1四歩
▲1七香 △9四歩 ▲2五歩 △7三銀 ▲1八飛 △8四銀
▲1五歩 △同 歩 ▲同 香 △1二歩 ▲6五歩 △4二角
▲5七銀 △6四歩 ▲6六銀右 △6二飛 ▲4六角 △7三銀
▲6四歩 △同 角 ▲同 角 △同 銀 ▲6三歩 △7二飛
▲8三角 △7三飛 ▲6一角成 △6五歩 ▲5七銀 △2七角
▲1七飛 △3六角成 ▲6二歩成 △2六馬 ▲1八歩 △1三歩
▲5二馬 △5三金 ▲5一馬 △1四歩 ▲同 香 △同 香
▲同 飛 △1二香 ▲2四歩 △3七馬 ▲2九香 △1四香
▲2三歩成 △同 金 ▲同香成 △同 玉 ▲2五歩 △2四歩
▲4一馬 △3二桂 ▲8四金 △6六香 ▲6八金引 △同香成
▲同銀右 △8六歩 ▲7三金 △8七歩成 ▲同 金 △7三桂
▲6三と △8五桂 ▲5三と △7七桂成 ▲同 桂 △2八飛
▲7九金 △5三銀 ▲2四歩 △同 玉 ▲3二馬 △2三歩
▲3九香 △8六歩 ▲同 金 △6四馬 ▲7八桂 △2九飛成
▲6一飛 △1五玉 ▲6四飛成 △同 銀 ▲3七角 △2六銀
▲6四角 △1七歩 ▲同 歩 △1六歩 ▲同 歩 △同 玉
▲5四馬 △2七金 ▲2八歩 △同 金 ▲同 角 △同 龍
▲3八金 △同 龍 ▲同 香 △2七角 ▲同 馬 △同銀成
▲2八歩 △同成銀 ▲3七角 △2九飛 ▲9一角成 △1七玉
▲1一飛 △1五金 ▲2一飛成 △1九角 ▲3七馬 △2七金
▲3六馬 △3八成銀 ▲2三龍 △3七角成 ▲5四馬 △5八歩
▲8七玉 △5九歩成 ▲8四歩 △6九と ▲9六玉 △7九と
▲3三龍 △7八と ▲8五玉 △8九飛成 ▲8七香 △6八と
▲5五歩 △6六歩 ▲6五桂 △2六金上 ▲8三歩成 △6七歩成
▲8四玉 △7七と ▲9三玉 △9九龍 ▲3四龍 △1六香
▲4四龍 △8八龍 ▲7三桂成 △8七と ▲8五金 △9七と
▲7四金

まで193手で持将棋


9=56歩。羽生は前局は後手で54歩と先に突いた。今度は先手番で突く。いずれもブランコ前進運動である。
11=58金。緩手。78金とするべき。57トリトヌス地点への二重の響きはくどい。
13=66歩。島が54歩と受けないので66銀を放棄。角筋を二重に止める方針は前局と同じ。そこでここに清算されなかった力関係は5筋のブランコ前進運動だけとなる。
14=54歩。ここで島はブランコ後進運動で5筋の力を中和。
15=67金。羽生はこれが先に指したかったわけである。だから68金をしなかった。島の急戦矢倉を警戒しすぎである。
16=52金。島の緩手。これで振り出しに戻る。
17=79角。島の緩手で成立。
18=85歩。島の悪手。
19=78金。これで先手はなんとか帳尻合せ。
20=33銀。島の緩手の継続手のために緩手となる。先手の緩手に緩手で応じるとある局面で結果が同じになる。この将棋は森下システムと同じ結果になるがプロセスが違うために完成度の高い森下システム以下の序盤にしか見えない。
21=36歩。ここで先手は駒アタリ奇数番1を35地点に作成した。もしここで歩交換が成立し同角に対して手順に68角と引けば先手が1歩手持ちとするだけでなく手得となる。後手はこの順を咎めることが課題であった。そこで36歩には44歩とすることが定跡となっている。先手が駒アタリ奇数番1の権利を行使すれば金銀で盛り上げて後手が抑え込みに成功する。従ってこの3筋の歩の運動をブランコ運動と呼ぶべきである。この地点は未だに先入観の鉄塊に固められている。この36歩は我々には何度見ても驚異的である。この歩が突かれると後手は当然のごとく44歩と突く。完璧な定跡のごとく扱われている。だから矢倉がマンネリ化したのである。54-56と突き合い、ここで34-36の形が出現すると我々は腰掛け銀の四辺形を真っ先に想起する。37銀から46銀と進出して完成するこの腰掛け銀の四辺形はダイヤモンドの輝きである。ところが棋界ではこの46銀を腰掛け銀とは呼ばずに単に「歩腰し銀」と呼ぶ。腰掛け銀の四辺形という概念が彼らに最初から欠如している為である。腰掛け銀と呼ぶのは角換り腰掛け銀のように完成度の高い戦法においてのみであり、角換り腰掛け銀では銀が56-54地点で見合う。だから同じ機能を有しているようでも46地点の銀は「歩腰し銀」と呼ばれているのであった。
なぜこのような先入観にまみれたのか?
それは後手の34歩という手が角道を開ける一手として以外に認知されていなかったからである。34歩という一手を後手からの54歩と同じように位を取りに行く手と解釈すればこれは双頭手となるのである。このようなことは我々は耳にしたことがない。単に角道を開ける歩が双頭手であるなどと誰もが考えなかった。ところがそのように説明しないと将棋の初手最善手は26歩に決定してしまうはずである。実際初手76歩が多く指されているのは、先手にとっても後手にとってもこの手が角道を開通するだけではないことを体験的に知っているからである。
そこで我々はこう考える。
「角道を開ける手とはブランコの前進運動である」
するとこの21手め36歩はブランコの後進運動と解釈することができる。これで35地点は駒アタリ奇数番の法則で直視する必要はない。35歩とぶつけたくてもできない理由はこのように説明することができる。先手が35地点に作成した駒アタリとは飾りのスペアタイアである。駒アタリ奇数番予備1と表記する。ところが真の狙いはブランコの後進運動を前進運動に反転することなのである。前局で羽生が5筋のブランコ運動で最後に駒アタリ奇数番1を入手したように、この35地点でそれができればよい。ではどちらが最後に駒アタリ奇数番1を得るのか?それを予測するためにブランコの原理がある。
22=44歩。これで金銀を盛り上げる形を造り35歩を牽制する。
23=69玉。緩手であるがこれは36歩が贅沢過ぎるツケなのである。
24=31角。おかげでこの角が間に合ってしまう。最大の牽制となる。
25=68角。この手が未だに連盟棋士間で問題視されている。これは35地点を駒アタリ奇数番1と直視した場合に明確に一手損だからである。この角を正当化する為に森下システムは構築された。
26=43金右。緩手。すでに先手は35歩を放棄しているのである。
27=79玉。当然。
28=74歩。これを後手は先に指すべきである。なぜならば先手は飛車先を一切突いていない為に飛車を振る以外に攻撃が継続しないからである。43金は手ぬるい。この74歩は先ほどの驚異的な36歩と並んで後手の輝かしい特権である。矢倉戦の双翼と呼んでも良い。美しい。双方ここまで36歩とこの74歩を指すために紆余曲折の緩手で探りあいを続けてきたのである。実際ここまで組み上がると過去の小ミスなど帳消しでもよい。
この74歩は後手が作成した駒アタリ偶数番予備2である。75歩と後手が駒アタリを作ると先ほどの35歩と同じ理由で先手から金銀で逆襲される。すぐに75歩は突けない。だから偶数番予備2なのである。ではどのようにしてこの74歩を解釈するべきなのか?
先ほどの36歩と全く同じである。これは先手の初手76歩という「ブランコ運動前進力」に対して、「ブランコ運動後進力」と解釈するべきである。先手の初手の力を反転させた74歩であると見るべきなのである。「ブランコ運動後進力」とは後手側にとって無論「ブランコ運動前進力」である。
最初に言わねばならなかったであろうか?
第1局で述べたことの重複はくどいのでなるべく避けることにしている。
本局も向かい合った二人乗りブランコなのである。それだけを頭に描いていれば構図は簡単である。