ブランコの原理 1989年第2期竜王戦第3-7局分析
MashudaBBS2003.09.30-10.03 解題マシュダ一家

第2期竜王戦第3局分析 ブランコの呼吸
第2期竜王戦第4局分析 島研の弱点=手抜きからドザエモン
将棋の最大の魅力 表象篇 遊戯と言語
ブランコ運動第1原理 反復運動
ペーパーバックの棋士たち
第2期竜王戦第5局分析 アモルフォファルス・ギガスの幻影
第2期竜王戦第6局 角換り腰掛け銀分析 難民船で「長屋の花見」
第2期竜王戦第7局分析 矢倉のブランコ運動
第2期竜王戦第7局分析余話「絶妙手かギロチンか」


第2期竜王戦第7局分析余話「絶妙手かギロチンか」 No: 2752 [返信][削除]
投稿者:マシュダ一家 03/10/03 Fri 09:25:51

我々は分析を行なう時に棋譜しかみない。独自の分析後、羽生がその将棋を局後に何と言っているかの一言が楽しみなのである。14年前の棋譜でも同じ。リアルタイムで指しているように初手から読んで行く。解説などその前に決して読まない。手垢がついているからである。観戦記のすべてが間違っているのはソコ。汚い視点で最初から棋譜を汚している。だから新聞の観戦記を我々はまず読まない。羽生が56歩を指す前に部屋の隅に行って屈伸運動したなどと読んでも意味がない。むしろよけいな先入観が生じてしまい害悪である。棋譜のどこにそんなことが書いてあるのであろう?
棋譜に書けないそのような屈伸運動はすべて幻想なのである。若い優秀な棋士まで先輩の悪い影響を受けて売文家と成り果てたことは残念である。彼らは棋譜が読めないので目に見えるものだけでゴマカしている。このような人々を売文家と言う。売春行為と同じ。金で行う場合もあれば売名行為で行なう場合もある。目先の快楽を正当化する行為はNHKでもやっている。視覚は大衆的なのでね。

さて第7局で羽生はなんと言ったかその一言だけを最強羽生将棋で見てみよう。羽生は一言「71銀は絶妙手」と書く。絶妙手と表現したのが羽生である。この三文字がすべて。結論は同じ。我々は絶妙手とは絶対に言わない。しかし羽生はそのように自分を偽り相手を絶賛したのであった。
我々と同じ地点に注目しつつなぜこうも我々と表現が違うのか?
この羽生の三文字に我々は感興を覚える。機能的には我々と羽生はまったく同じようにこの将棋を見ている。我々が分析に費やした時間は僅かである。彼らは二日の思いを込めて絶妙手と言う。そこに感興がある。我々がこれを酷い手と読んだ理由はすでに記した通り。二日も全身全霊で戦ったのにこの1手で全てが破壊されることは酷くないのか?
羽生は負けを畏れない。だから絶妙手とのみ言う。
ギロチンが絶妙手とは。
71銀はギロチンだろ?
羽生、よく見ろ。
95角にこだわった貴様はマリー・アントワネットか?
我々は贅沢三昧のツケが71銀だったと思っている。
マリーは悲劇の女王。
政略結婚で利用されただけの何も知らなかった小娘。
そこで彼女は最期にギロチンを絶妙手と穏やかな顔で述べる。
我々は感興を覚えた。

棋王位を失った84飛を絶妙手と言えるか?
貴様を生き埋めにした殺人手だろ?
島がやったことも同じ。


第2期竜王戦第7局分析 矢倉のブランコ運動 No: 2747 [返信][削除]
投稿者:マシュダ一家 03/10/02 Thu 19:34:14

羽生竜王誕生という内容の中、島は背水の陣で得意の矢倉選択。無論早囲いや急戦矢倉などでは負ける。死ぬ気で囲うとこうなる。

開始日時:1989/12/17&18
棋戦:第2期竜王戦第7局
戦型:相矢倉37桂型
場所:千葉市「ホテルニューツカモト」
先手:島朗 竜王
後手:羽生善治 六段


▲7六歩 △8四歩 ▲6八銀 △3四歩 ▲7七銀 △8五歩
▲2六歩 △4二銀 ▲7八金 △6二銀 ▲4八銀 △5四歩
▲5六歩 △3二金 ▲6九玉 △4一玉 ▲5八金 △5二金
▲6六歩 △4四歩 ▲7九角 △3三銀 ▲3六歩 △3一角
▲6七金右 △4三金右 ▲6八角 △7四歩 ▲7九玉 △6四角
▲3七桂 △3一玉 ▲8八玉 △2二玉 ▲3八飛 △1四歩
▲1六歩 △5三銀 ▲5七銀 △7三角 ▲4六銀 △2四銀
▲1八香 △9四歩 ▲9六歩 △9五歩 ▲同 歩 △同 香
▲同 香 △同 角 ▲1五歩 △同 歩 ▲3五歩 △同 歩
▲2五桂 △3四香 ▲3七香 △3六歩 ▲同 香 △同 香
▲同 飛 △3四歩 ▲3八飛 △9六歩 ▲3五歩 △8三香
▲3四歩 △2五銀 ▲同 歩 △9四桂 ▲7一銀 △9二飛
▲2四歩 △8六歩 ▲2三歩成 △同 金 ▲8六歩 △同 桂
▲8七歩 △7八桂成 ▲同 玉 △3四金右 ▲9八歩 △3六歩
▲同 飛 △2五金打 ▲3九飛 △4五歩 ▲3七銀 △3六歩
▲同 銀 △同 金 ▲同 飛 △3五歩 ▲3八飛 △2七銀
▲5八飛 △3六銀成 ▲5五歩 △4四銀 ▲8二金 △9三飛
▲9四香 △8七香成 ▲同 玉 △9四飛 ▲8五歩 △4七成銀
▲5九飛 △4八成銀 ▲2九飛 △5八成銀 ▲8六桂 △6八成銀
▲同 金 △9三飛 ▲9四香 △4七角 ▲7九飛 △5一角
▲9三香成 △2四角 ▲8一金 △2六歩 ▲5四歩 △2七歩成
▲5三歩成 △同 銀 ▲5七飛 △6七香 ▲5三飛成 △6八香成
▲同 銀 △3六歩 ▲2五香 △同 金 ▲3四銀

まで137手で先手の勝ち

31=37桂。すでに飛車先を突いているので森下システムではない。飛車先を突くのは加藤一二三の信条。
35=38飛。銀を動かす手。双方すでに35地点と75地点に駒アタリ予備を作っているが先手は桂馬を跳ねたので蝋燭のように固まっている。火をつければ燃える。
38=53銀。羽生も背水の陣。
43=18香。島のジャズ。昨年の王座戦第1局では羽生相手に康光は17香を選択。森内が当日この竜王戦を思い出してこの日島が17香だったはずと勘違いした。島研で唯一出遅れた森内の虫くいの記憶。
46=95歩。羽生の法外な自信過剰。今年の棋王戦における丸山相手の95歩と同質。山崎もこのような展開が好きである。若さの特権であろう。
50=95同角。香車交換となってもこの角の位置が不満。しかも手番を渡す。だから先手の攻めの為に手番を使って歩と香車の等価交換をプレゼントしたことになる。
51=15歩。ブランコ運動1。後手と全く同じように端が突ける。
56=34香。昨年の王座戦解説でこの香打ちがあると言ってたバカがいた。羽生の指す手ならナンデも凄いと思っているらしい。これはタコ手である。せっかく交換した香車をこんな所に打って楽しいか?
しかしそう言っては身も蓋もない。そこでこのような所を我々はブランコ運動と呼ぶことにしたのである。これはブランコ運動2。
57=37香打ち。これがブランコ運動2の後進運動。
62=34歩。これで飛車を空に持ち上げる運動ということがわかる。意味があったということ。だからあのような一見無様な香車の打ち合いを単なる運動形態として把握すれば怒ることもない。
63=38飛。アタリを避ける。歩を打たせて満足というより手番の問題。
64=96歩。緩手。見た目こわいが95角がタコなので次に97歩成でも堂々と同玉と取ればよい。先月の森内の垂れ歩に対する中原もそう。角換り腰掛け銀でこのような歩を垂らされても同玉で取るのである。
65=35歩。羽生の34歩は35銀を避けたものであったがここで合わせる余裕を与えてしまった。
66=83香。95角をこの位置で使うための継続手。冴えない。羽生もそれはよくわかっているが島相手に筋を通したということ。13年後の昨年の王座戦では羽生は素直に73角と牽制している。銀交換なら37銀と打つ。島研用語で「現物」と言う。まったく島の表現は下品である。37銀はしかしそのような下品な表現とは意味合いが違う。27銀打ちより陽が当たる場所である。リーマン棋士ならばナンデも栄転と呼ぶであろうが中身は松本か甲府かと言うほどの違いがある。満を持して敵陣を叱りつける怒りの銀。それが本来の後手の指し方。ところが羽生は95角のまま突っ張る。このようなことはよくある。指し手に反省を与えずに継続手で正当化することが王者の条件でもある。悪く言えば踏み倒すということ。しかし矢倉は余りに過酷。53銀を選択すればブランコ前進運動は元もと先手の権利。それを強引に95歩とブランコ前進運動を後手が作成したツケは大きい。
70=94桂。凄まじい執念である。2筋で桂馬を銀で食い千切りあくまでも95角を貫く精神力。
71=71銀。これほど酷い手も本シリーズにはなかった。羽生の全投資がこの銀一発で水泡と帰す。羽生自滅の図。壮絶な散り際であった。

以下島は闇雲に後手の飛車を取り上部を厚くすればよい。羽生はこのような指し方が不愉快であろう。玉を寄せるのではなく玉を逃げる指し方である。その為に砂漠に絨毯爆撃するような物質主義の展開。だからこそ都市の御殿が砂上の楼閣となる。美でなく力。これを経て羽生は以後鬼になる。加藤一二三や康光相手にさえ島の「即物主義」を持ち込むようになった。島は悪い先輩である。羽生は以後遠くから確実に攻め、もう95角などという青春路線には見切りをつけることになる。だから昨年の王座戦では康光相手に躊躇なく73角と下がれたのであった。その線上に発生した37銀打は「即物主義」の現物支給ではなく、新即物主義のラインダンス。
こちらの棋譜では羽生は島同様に「即物主義」27銀を打っている。羽生の37銀打が島の18香への解答ならば、康光17香には37銀。どれもブランコ運動。そして95角に留まらずに73角と引いた一手こそ後手の正当なブランコ後進運動なのである。
矢倉は必ず全面戦争となる。砂漠に用意したものは地雷である場合もある。絨毯爆撃された砂漠が未来の都市に変貌するほど壮大なドラマなのであった。
この長い戦いに着て行くモノは他所行きのコスチュームではなく、迷彩色の軍服である。必要なモノは後手としての自覚を耐えず促す呼吸、即ちブランコ運動。


第2期竜王戦第6局 角換り腰掛け銀分析 難民船で「長屋の花見」 No: 2743 [返信][削除]
投稿者:マシュダ一家 03/10/02 Thu 07:16:23

島があまりに明解なバカなので言わなくとも棋譜でわかる。この対局での羽生のコメントは先輩を気使ったお世辞。
本音は「ボクの角換り腰掛け銀は未熟だけどアンタはもっとヒドイね」
棋譜は本当に正直。人間の嘘より信用できる。なんでも見えてしまう。

日時:1989.12.4&5
棋戦:第2期竜王戦第6局
戦型:角換り腰掛銀 46角打ち
場所:富山市「高志会館」
先手:羽生善治 六段
後手:島朗 竜王

▲7六歩 △8四歩 ▲2六歩 △8五歩 ▲7七角 △3四歩
▲8八銀 △3二金 ▲7八金 △7七角成 ▲同 銀 △4二銀
▲3八銀 △3三銀 ▲4六歩 △6二銀 ▲4七銀 △6四歩
▲3六歩 △6三銀 ▲6八玉 △4二玉 ▲5八金 △7四歩
▲5六銀 △1四歩 ▲9六歩 △9四歩 ▲1六歩 △5二金
▲3七桂 △3一玉 ▲7九玉 △5四銀 ▲6六歩 △7三桂
▲2五歩 △6三金 ▲6八金右 △4四歩 ▲8八玉 △2二玉
▲4五歩 △同 歩 ▲3五歩 △4六角 ▲2七飛 △3五歩
▲4七銀 △5五角 ▲1五歩 △同 歩 ▲5六銀 △4六角
▲1五香 △同 香 ▲4五桂 △8六歩 ▲同 銀 △8四香
▲3三桂成 △同 金 ▲3四歩 △同 金 ▲4五銀打 △3三玉
▲2四歩 △同 歩 ▲3四銀 △同 玉 ▲4四金 △同 玉
▲2四飛 △3四銀 ▲4五歩 △3三玉 ▲2一飛成 △2三歩
▲9一龍 △8一歩 ▲8二龍 △同 歩 ▲1二飛

まで83手で先手の勝ち


26=14歩。ここまで島の角換り腰掛け銀をみるとヒドイ序盤である。将棋ではない。ただの決め打ち。何も考えていないということである。それを咎められない羽生もまだ角換り腰掛け銀を知らない。
38=63金。最初から44歩の先後同型を指す気がない。羽生なら「弱気」と言うであろう。
39=68金。我々が言ってあげよう。これが羽生の軟弱。
43=45歩。ここしか指す所がない。弱気のツケ。これは駒アタリ奇数番1であるが、後手が同歩で解消できないのが救い。45地点に後手が先手の為につくる駒アタリ奇数番1が連動手として発生するのが角換り腰掛け銀の特徴。桂馬を跳ねている為である。
45=35歩。仕掛けたら行くしかない。
46=46角打ち。島の色気というよりスーダラ節の直接手。これは35歩と37桂を狙う双頭手のようであるが、それは見せかけ。74地点の桂頭はすでに63金で死守しているからである。だから同歩で構わない。46角打ちは駒アタリ奇数番3のようであるが、両取りの為に駒アタリ偶数番4なのである。緩手というより倦怠手。連盟棋士はこのような角打ちを「もたれ指し」と呼ぶ。元もとは羽生の軟弱な39手め68金から発生した手。弱気な友人に少し意地悪な悪友がからかったような手。 最初から入玉を目指すような角打ちならば立派であるが、コレでは先手の弱気に弱気で応じる傷の舐めあいでしかない。
47=27飛。さえない将棋である。
48=35歩。ますますさえない。
49=47銀。島のおかげでアクビがでる。
50=55角。これで先手は2歩損。千日手でもやればよい。
51=15歩。千日手を行なう前に指せるだけ指す。指すならここしかない。
53=56銀。千日手にしたいですかと取り敢えず聞く。
54=46角。もちろんと答える島。
55=15香。恐らくその答え方が羽生には頭にきたのであろう。アンタは目上の竜王のくせに喜んで千日手を最初からボクに強いるつもりだったのかと。今年羽生の竜王戦における千日手が批判されたがその前例をつくったのが14年前の島。当時の羽生はむしろそれを果敢に打開している。
57=45桂。36歩の前に行くしかない。
58=86歩。緩手。この先輩はナニ考えてんだか。駒アタリ偶数番2を自分で作って喜んでいる。この歩はおいしい。
60=84香。大悪手。あの卑怯な先輩はこんなタコ手を用意していた。またしても駒アタリ偶数番2を自分で作って喜んでいる。バカかよ。これで68金の緩手の顔がたった。銀など取られても69銀の割り打ちが最初からないからちっともこわくない。オマヌケな先輩。
61=33桂成。これでこっちが先に銀をゲット。あとは寄せ。
63=34歩。何しても勝ち。すでにフィナーレなので以下は全部駒アタリ偶数番でよい。

羽生の角換り腰掛け銀はまだ若いが、それに輪をかけて島の角換り腰掛け銀はヒドイ。これでよくも本など書けるモノと呆れる。時代のせいと言うのは自己弁護。昨年の島ノートは我々も散々こきおろしたが、あのような悪書にも賞という紙オムツをさしあげるのが将棋界。売れればよいというなら頼もしい詐欺集団であるが実態はそれ以下。とにかく貧乏臭いだけ。海賊が互いに戦果を称えあうならばまだよい。彼らは難民船で「長屋の花見」を楽しんでいるだけである。


第2期竜王戦第5局分析 アモルフォファルス・ギガスの幻影 No: 2739 [返信][削除]
投稿者:マシュダ一家 03/10/01 Wed 20:04:50

アモルフォファルス・ギガスの幻影

開始日時:1989/11/27&28
棋戦:第2期竜王戦第5局
戦型:横歩取り33角
場所:岐阜県下呂温泉「水明館」
先手:島朗 竜王
後手:羽生善治 六段

▲7六歩 △3四歩 ▲2六歩 △8四歩 ▲2五歩 △8五歩
▲7八金 △3二金 ▲2四歩 △同 歩 ▲同 飛 △8六歩
▲同 歩 △同 飛 ▲3四飛 △3三角 ▲3六飛 △8四飛
▲2六飛 △2二銀 ▲8七歩 △5二玉 ▲6八玉 △7二金
▲3八銀 △6二銀 ▲9六歩 △7四歩 ▲1六歩 △7三桂
▲6六歩 △8六歩 ▲同 歩 △同 飛 ▲5八金 △7六飛
▲8七金 △7五飛 ▲8六金 △3五飛 ▲4六歩 △4四角
▲2八飛 △5四歩 ▲7八銀 △3三桂 ▲2七銀 △5三角
▲7六金 △3四飛 ▲6五歩 △2四飛 ▲2六歩 △3一銀
▲3六歩 △4二銀 ▲5九玉 △4四角 ▲7七桂 △5五角
▲4七金 △4四飛 ▲4八飛 △7五歩 ▲同 金 △2八歩
▲7四歩 △8五桂 ▲同 金 △2九歩成 ▲6四歩 △同 歩
▲6三歩 △5三銀右 ▲8四桂 △8二金 ▲8三歩 △7六歩
▲8二歩成 △8七歩 ▲9七角 △7七歩成 ▲7三歩成 △4一玉
▲6二歩成 △7八と ▲同 飛 △6七銀 ▲7四飛 △6六桂
▲4八玉 △4六角 ▲同 金 △同 飛 ▲4七歩 △5八桂成
▲3七玉 △4五桂 ▲4六玉 △3四桂

まで100手で後手の勝ち

18=当時は横歩取りと言えば84飛型が常識。いかに85飛型が革命的かということである。
22=52玉。85飛型ならば中原囲いである。しかし中原囲いは当時理解されていない。85飛型中座飛車は中原囲いによって可能となっている。当時は中原のマネが誰にもできなかった。羽生も当然のごとく52玉。
23=島は68玉型で対抗。
25=38銀。この金銀の形が反中原囲い。森内は名人戦第1局でこの形を礎石に空前絶後の切り合いを目指した。
この将棋は終局図をまずみると面白い。桂馬二枚がハスに並ぶ羽生のV2固めで島は昇天した。最後に残った寄せ駒は羽生には金が一枚と歩が二枚。金がなくとも歩が二枚で端の香車を頼りにぴったり詰む。
金が一枚余計であった。島の攻めの結果は羽生陣にと金が三枚。どう指しても羽生の攻めは切れると考えて駒を渡さないように攻めた証し。島はV2固めだけを見逃していたということである。だから飛車を取って勝ちと思った。では戻ろう。
30=73桂。先手は隙を作らないように指している。ここで羽生は桂馬を跳ねた為に先手は桂頭に傷を作るように指せばよい。
31=66歩。森内も好きな66歩。これで角交換を防ぎ桂馬も跳ばせない。これを双頭手とは呼ばない。自分の角も使えないからである。むしろ玉頭に傷を作っている。玉から4度の位置の反地獄門定跡丸山44歩とて危険な手であった。ましてや玉と2度の位置の歩を開放することは角道遮断という完封狙いの方針とは実態が逆。
32=86歩。このチャンスを羽生は決して逃さない。
35=58金。素直に87歩と打っては横歩を取られさっき突いたはずの66歩が駒アタリ奇数番連動手へ逆行相転化する。先手が手番を掌握したようでも後手からの歩打が連動手となる為に後手勝勢となる。28歩がいつでもある。そこで66歩を死守する58金。飛車を交換するならばこの金は動かせないが28歩がある為に頑張れない。だから開き直る。すでに島は一本取られた。66歩を羽生は許さなかったということである。
36=76飛。これで歩損解消。相横歩取りとなった。後手作戦勝ち。
37=87金。島の頭突き。6段目に飛車が居ては28歩でしびれる。66地点を相手の駒アタリ奇数番1連動手にしてしまっては戦えない。67金では囲いが崩壊。
38=75飛。ここで25歩や44角などは一昨日の藤井の47歩のようにただのハッタリでしかない。結局後手を引くだけ。素直に下がって十分。煽りには乗らない。このような所は一切考えない。ふたつ続けて良いことはない。
39=86金。ムキになった棒金。四間飛車ではこのような金は不思議な威力をもつ。藤井の夢幻金が典型。「カッコの悪さ中味で勝負」というのは森安。しかしこれは横歩取りである。すでに双方歩を三枚持っている。ヤケクソと言って良い。
40=35飛。無論挑発には乗らない。25歩などと打つと打損。歩を粗末にしてはいけない。軽く逃げて駒アタリ奇数番1を消すだけのこと。
41=46歩。すでに指す手がない。しかしこれは悪手である。75歩とすべき。桂頭狙いが当初の方針なのだから。
42=44角。丸山も横歩取りではこの44角が得意である。
43=28飛。これで46歩が傷。
44=54歩。羽生は変幻自在。先週の王座戦第3局で先手で見せた56歩同様。角移動の為なら平然とこのようなことができる。先手は端に2手かけている。先週の王座戦第3局と一見逆の構図。ところが玉の位置が違う。羽生は先週この日の54歩だけを無意識から取り出したはずである。
47=27銀。46歩をなんとか生かすために十字架銀にしようという魂胆。
49=76金。ここで76金を強要されるくらいなら41手めは46歩など指さずに76金でもよかった。ならば次善手となる。
50=34飛。どうであろう?これで55歩と突いて54飛となれば?
そして屋敷推薦のマシュダ一家銀の泡踊りに2手費やせば似ているどころか同じである。王座戦第3局で先週羽生が見せた完全対象形「アモルフォファルス・ギガス」の種はここにある。
51=65歩。若い。55歩など死んでも指させないという手である。しかし渡辺明はもっと若いくせに彼ならここで端歩を突けるのである。だから島の若さはムキ。これは角筋を通し55歩を阻止した手だが我々はそう考えない。玉頭で演じる禿げ山の一夜。こんなに禿げていては突き捨てて1歩損でも67歩と打ちたいくらいである。
52=24飛。55歩と突けないので2筋で遊ぶ。
53=26歩。逆に後手から26歩と打たれては泣けない。この先手の26歩はすでに泣いている。これは渡辺明の73歩の忍耐ではない。考えずに打つしかない歩なのである。だから屈辱と呼ぶ。
54=31銀。屋敷喜べ。羽生でもマシュダ一家泡踊りをする。
55=36歩。悪手。桂馬を使おうと言う手だが、それ以前に銀が使えなくなる。渡辺明ならばここでも端歩を突くであろう。
56=42銀。これでアモルフォファルス・ギガスの蕾はふくらんだ。
57=59玉。ハーというため息であろう。島は玉の裸踊り。ここで恥を晒すくらいなら端歩でブランコに付き合うべきであった。羽生は銀の繰り替えに2手かけますよとハッキリ言っている。端がいやなら77桂でも良い。それならば後手に55歩でアモルフォの大輪が咲く。
58=44角。羽生も島がそこまでやるならと角をぶつける。ここでもハーっと言うため息。幻の蕾はこれで消え去った。
59=77桂。バカヤロー!島の糞ったれ!そのように言いたい。ここで桂馬を跳ねるなら二手前にやってほしい。それで幻の蕾は開花し妖艶を放っていたであろう。羽生はこの日の夢を実に14年間胸に秘めていたのであった。渡辺明がその種に水をまいたことになる。

以下は棋譜を見てそのマンマ感じる通りである。フツー誰でもこうなる。羽生の寄せに金が一枚余計な点が島の実力。力戦型では羽生にハッキリ劣る。
羽生のV2固め。しかし単純である。今年の王将戦第1局と比較してみたらよい。コッチにもV2固めと呼ばなくてはならない。ならば康光相手のモノはV2固めスペシャルであった。
羽生は格段に強くなっている。
ここで最強羽生将棋の羽生解説を見る。やはりあの66歩が問題と考えている。我々と大局観はまったく同じ。しかも島に向かって「弱気」とまで言っている。我々より羽生は口が悪い。75手めは67桂が勝負手と言っているのが羽生。67桂-66角-56金-65桂-68玉だそうである。羽生は先週の渡辺明の角捨てから桂馬の活用をすでに14年前から知っていたということ。島にはどうせ指せない羽生の感想。これならば金を余さすにぴったり羽生が寄せていた。しかし先週は逆に羽生が渡辺明にピッタリ寄せられたのである。羽生があの時の角捨てを忘れるはずない。ひらがなとカタカナの違いであった。


それにしても14年前に見たかったあの巨大な華。
そこで我々が作ってみよう。
こうなる。

棋戦:第2期竜王戦第5局変奏曲「アモルフォファルス・ギガス」
戦型:横歩取り33角
先手:島朗竜王+当時5歳の渡辺明
後手:羽生善治六段+Mashuda Family


▲7六歩 ▽3四歩 ▲2六歩 ▽8四歩 ▲2五歩 ▽8五歩
▲7八金 ▽3二金 ▲2四歩 ▽同 歩 ▲同 飛 ▽8六歩
▲同 歩 ▽同 飛 ▲3四飛 ▽3三角 ▲3六飛 ▽8四飛
▲2六飛 ▽2二銀 ▲8七歩 ▽5二玉 ▲6八玉 ▽7二金
▲3八銀 ▽6二銀 ▲9六歩 ▽7四歩 ▲1六歩 ▽7三桂
▲6六歩 ▽8六歩 ▲同 歩 ▽同 飛 ▲5八金 ▽7六飛
▲8七金 ▽7五飛 ▲8六金 ▽3五飛 ▲4六歩 ▽4四角
▲2八飛 ▽5四歩 ▲7八銀 ▽3三桂 ▲2七銀 ▽5三角
▲7六金 ▽3四飛 ▲6五歩 ▽2四飛 ▲2六歩 ▽3一銀
▲3六歩 ▽4二銀 ▲7七桂 ▽5五歩 ▲8五桂 ▽5四飛


ペーパーバックの棋士たち No: 2736 [返信][削除]
投稿者:マシュダ一家 03/10/01 Wed 13:16:51

最近やけに我々もクドくなった。澁澤龍彦のようなクドサは我々も嫌いである。澁澤などは本来コンビニで売っているペーパーバックの本でなくてはならない。孫引きしかない本とはそのようなモノである。
我々は出典を曖昧にしたまま孫引きをしない。

我々には棋士の勝敗など興味の対象ではない。
棋士はあれだけのことを行なっているのになぜそれを表現できない?
「結果をだせてよかったです」などと誰が言わせているのか?
理由は明解。
連盟棋士はB1以下ならば加藤一二三と森下+タコを除いて将棋をみていない。自分の懐しか見ていない。自分のガマグチの中で棋理を語るだけ。
「これは私の将棋ではない」などと言っている阿部は自分の頭しか見ていないということである。王座戦挑戦者決定戦に負けて当然である。そのような者はそのように発言したらよい。そのガマグチには穴ダラケと但し書きを付ければよい。だからカンキは立派なのである。谷川は身の程をしらない。最近は米長と同じようになってきた。知ったかぶりで名士ぶるのでる。彼の責任ではない。

谷川でさえ...
あの純粋な谷川でさえ将棋連盟の商業主義に同調せざるをえなくなっている。
羽生と谷川の対談?
新聞社は最初からバカなんだって。言ってもバカには通じないの。
死ねよ石田。お前恥ずかしくないの?お前は彼らを利用しているだけ。
お前のレベルに引き下げて彼らを貶めるな。
糞みたいなことしゃべらせやがって。そんなこと貴様一人でやれ。
ぜーんぶトップにおんぶにダッコか?
おい石田。貴様の天才はどうした?
あの筋の輝きをどこに置いてきた?
阿部。
貴様はな、羽生と話すことなど何もないと言うべきである。

一言?
我々は一文字で十分。生きているか死んでいるかさえ分かればよい。


ブランコ運動第1原理 反復運動 No: 2735 [返信][削除]
投稿者:マシュダ一家 03/10/01 Wed 07:24:23

ブランコ運動の第1原理は反復運動である。
連盟棋士の最大の先入観とは何か?
彼らが確信を持って言うことがある。
「桂香歩は下がれない」
これは駒の機能を見たままに表現したものである。だから一部正しい。それを真実だと思い込むと先週の王座戦で柳瀬が間違えたようになる。そこで柳瀬は必死になって棋士に聞く。ところが棋士も同様にバカである。だから全体の解釈をことごとく間違えてしまう。これは先週の出来事である。日経が保証人だからこぞって地獄行きとなる。

香車の特性については世間一般にまでひどい誤解をされたままである。
「まっすぐ進むだけで後ろに下がれない=一途な性格」などと香車を勝手に解釈している。だから将棋が腐る。NHKの朝ドラで全国的に流行った「ふたりっ子」という番組では将棋を腐ったトウフとして扱っている。誤解しているのである。主人公は香子と言う。銀じいは一途な性格が香などと教える。このジジイは連盟棋士そのものである。彼は一介の真剣師などではなく、連盟棋士と同じことを考えているからである。中身が同じなのである。連盟棋士が真剣師を殺そうとしたように、我々が諸君らを殺してあげようか?
このような棋士はどこにでもいる。内藤、米長、先崎、西尾。とまあ数世代にわたってオマヌケな解釈を繰り返している。彼らはただの芸人。香車は下がれない。だから一途だと今日も考えているのである。内藤でさえそうなのだから神崎では話にならない。このようなバカどもにスーパーバイザーを頼むから将棋がどんどん低俗化して行く。
この類の将棋の把握の仕方は連盟棋士が勝手に妄想を抱いて周囲に押しつけたと我々は考える。シナリオライターもいい迷惑であろう。
藤井の香車の運動方法について一昨年の竜王戦で正当に分析評価した者はマシュダ一家のみであった。そして先週の王座戦第3局の端歩の運動についても正確にその運動数を把握したのはマシュダ一家のみである。
2年経っても連盟棋士は自説をまげようとしない。それどころか我々を抹殺しようとしている。もう二年がかりで彼らは我々を殺そうとしてきた。検索にもかからないように工作している。最後まで故意に何も見なかったことにできるであろうか?そのような視線は卑怯者である。一途な性格とは言えない。金だけで人を見るただの商人である。米長もただの商人。思想などそこにはない。そこにあるのは事務所の冷えた壁。

すべての駒は反復運動に参加する。
歩を突く。相手も歩を突く。
銀を下がる。相手も銀を下がる。
これらの運動はまったく同じである。
これがブランコ運動。
そしてブランコ運動の第1特性は反復運動である。
即ち歩も香車も反復運動に参加しているということなのであった。
このように我々は駒の機能というものを見た目の動きだけでは決して把握しない。数だけに置き換えてみればよい。銀が下がる運動と香車が上がる運動がまったく同じ意味をもつ時がある。指し手の数で見れば奇数と偶数しかない。我々はそもそも将棋を先手と後手の運動でしか把握しない。このようなことを何度も繰り返し述べている。それを彼らは読んできたはずである。しかし理解できないので読まなかったことにしているらしい。盤上には奇数と偶数しかないという単純なことさえ認めようとしない。意図的に将棋を難しそうに扱うのである。その一方で「将棋は奥が深い」などとだけ言う。バカであろうか?簡単なことをさも難しそうに説明してきたから誰もがこんなバカどもを神格化するだけのことである。今年に入ってからでさえ谷川の本など言葉のカッコだけでその言葉の中身がまったくない。芸人は芸人らしい言葉を使え。谷川もカンキと同レベルと知れ。貴様らはただの芸人なのだと。
将棋は有限であると断定する学者に限ってこんなことさえ知らない。彼らは名人にコンピューターがいつ勝てるのかなどとバカげたことを延々繰り返し述べてきた。名人など我々は眼中にない。彼らはただの芸人である。芸人相手に論理を構成する者は芸者なのである。松原仁や飯田弘之などは学者などではなく芸人の従者、即ち太鼓持ち。

以下は大衆世間用。
将棋はなぜ面白いのか?それは反復運動がカタルシスをもたらすからである。セックスと同じ。香車は一途だなどと世間に吹聴する者は処女。処女はセックスの時に逃げ回る。反復運動ができないのである。このような処女が連盟棋士である。「鋼鉄の処女」とは道具であった。LA VERGINE DI FERROで検索したらよい。諸君らもかなり気持ちよく死ねるかもしれない。


将棋の最大の魅力 表象篇 遊戯と言語 No: 2731 [返信][削除]
投稿者:マシュダ一家 03/10/01 Wed 03:47:06

9月29日の棋王戦準々決勝は羽生が谷川に負けた。
気負うことをせずに横歩取りで新型を試したのであろう。
今年の棋王戦は加藤一二三のおかげで羽生も諦めがついている。谷川に挑戦してみろという羽生の応援。
羽生も実は谷川炎の応援団に入団したいであろう。
谷川の弱点を述べよう。本人が知りたがっているようだから。
世俗の谷川応援HPに先の柏将棋祭りに於ける谷川羽生の対談内容が記載されている。この中で谷川は相変わらず「5歳で将棋を初めて」という一言をつける。このクセが谷川の最大の弱点である。
この一言を言う度に谷川はあるものをひとつ失う。
羽生の弱点は知ったかぶりをすることである。島の影響である。島はそれを米長から学んだ。王の謂われに関して羽生は大変な思い違いをしている。学者の書いたモノを読んで決して鵜呑みにしてはいけない。ましてやいい加減なモノから勝手に解釈をしてはいけない。
羽生は谷川との対談で将棋の魅力について最も重要なことを述べている。羽生は将棋はどこでも手軽に遊べるところがいいと述べているのである。これを手際よく言い換えるとこうなる。
将棋とは人類が作った最も小さくて奥が深い遊戯
これが将棋の最大の強味である。そして棋譜は人類が作った最もコンパクトで優秀な言語である。
これを言いきれるのは目下のところマシュダ一家のみである。
このふたつがハッキリ言えるならば彼らは合格である。
繰り返す。
1=将棋とは人類が作った最も小さくて奥が深い遊戯である。
2=棋譜は人類が作った最もコンパクトで優秀な言語である。


最上級が直列か並列かというトリックがある。マシュダ一家言語を知っているモノならばこれはスカラ式とわかるであろう。


第2期竜王戦第4局分析 島研の弱点=手抜きからドザエモン No: 2729 [返信][削除]
投稿者:マシュダ一家 03/09/30 Tue 16:51:46

開始日時:1989/11/15〜16
棋戦:第2期竜王戦第4局
戦型:相矢倉 早囲いVSドザエモン
場所:北海道層雲峡「プリンスホテル朝陽亭」
先手:羽生善治 六段
後手:島朗 竜王

▲7六歩 △8四歩 ▲6八銀 △3四歩 ▲7七銀 △6二銀
▲4八銀 △4二銀 ▲5六歩 △3二金 ▲5八金右 △4一玉
▲6六歩 △5四歩 ▲6七金 △5二金 ▲7九角 △3三銀
▲3六歩 △3一角 ▲6八玉 △6四角 ▲3七桂 △4四歩
▲7八玉 △4三金右 ▲8八玉 △3一玉 ▲7八金 △2二玉
▲1六歩 △1四歩 ▲3八飛 △7四歩 ▲5七銀 △7三角
▲2六歩 △5三銀 ▲4六銀 △2四銀 ▲1八香 △8五歩
▲2五桂 △4五歩 ▲同 銀 △1九角成 ▲4六角 △同 馬
▲同 歩 △5九角 ▲5五歩 △2六角成 ▲5四歩 △同 銀
▲同 銀 △同 金 ▲4五銀 △6四金 ▲6五歩 △同 金
▲6六金 △同 金 ▲5五角 △4四歩 ▲8二角成 △7七金
▲同 金 △2五銀 ▲5五馬 △3三金打 ▲8二飛 △4三桂
▲6六馬 △5五銀 ▲6七馬 △4五歩 ▲8一飛成 △5六銀打
▲7八馬 △7五歩 ▲2四歩 △7六歩 ▲同 金 △4四馬
▲4五歩 △5四馬 ▲2三歩成 △同金寄 ▲2四歩 △同 金
▲7七金打 △7五歩 ▲同 金 △4六歩 ▲4四桂 △3三金
▲2六歩 △同 銀 ▲2五歩 △同 金 ▲2三歩 △同 金
▲2四歩 △同金直 ▲4一龍 △4五馬 ▲3二桂成 △1三玉
▲2一龍 △4四馬 ▲6八飛 △6四歩 ▲5六馬 △同 銀
▲3三銀

まで115手で先手の勝ち


21=68玉。彼らは早囲いをしたい為に当時は69金保留型に魅了を感じていた。島も羽生もこのように指している。島研の弱点=手抜きで試したいという青春倶楽部。
22=64角。島の悪手。運動会でいきなり駆け出して脱臼。
29=早囲い完成。これで先手優勢。森下システムで一手得した形。
以下どう指しても先手は勝つ。見どころまったくなし。
やはり準備運動しないとこうなる。羽生は水泳、谷川はエアロバイク、島はなんであろう?このズッコケぶりは、いきなり水に飛び込んでドザエモンとなった島の図である。


第2期竜王戦第3局分析 ブランコの呼吸 No: 2728 [返信][削除]
投稿者:マシュダ一家 03/09/30 Tue 14:15:35

開始日時:1989年11月6日&7日
棋戦:第2期竜王戦第3局
戦型:相矢倉 ビッグ4VS右四間
場所:福岡県博多市「ニューオータニ博多」
先手:島朗 竜王
後手:羽生善治 六段

▲7六歩 △8四歩 ▲6八銀 △3四歩 ▲7七銀 △6二銀
▲4八銀 △4二銀 ▲5六歩 △5四歩 ▲5八金右 △3二金
▲6六歩 △4一玉 ▲6七金 △5二金 ▲7九角 △5三銀右
▲2六歩 △6四歩 ▲2五歩 △6二飛 ▲7八金 △6五歩
▲同 歩 △同 飛 ▲6六歩 △6一飛 ▲6九玉 △6四銀
▲2四歩 △同 歩 ▲同 角 △2三歩 ▲4六角 △5五歩
▲3六歩 △7四歩 ▲5七銀 △7三桂 ▲3五歩 △同 歩
▲同 角 △6五歩 ▲7九玉 △7五歩 ▲6八銀左 △7六歩
▲7四歩 △8五桂 ▲7三歩成 △7五銀 ▲2四歩 △同 歩
▲同 飛 △6六歩 ▲同 銀 △同 銀 ▲6二と △6七銀成
▲5二と △同 玉 ▲6七銀 △4四角 ▲同 角 △同 歩
▲7四角 △6三歩 ▲2八飛 △5七角 ▲6八金打 △3九角成
▲2五飛 △3三桂 ▲5五飛 △5四歩 ▲3五飛 △4八馬
▲7二銀 △2一飛 ▲6三銀不成△5三玉 ▲5四銀成 △同 玉
▲6五角 △5三玉 ▲3二角成 △2九飛成 ▲3九歩 △7七銀
▲同 桂 △同歩成 ▲3三飛成 △同 銀 ▲6五桂 △6四玉
▲5五銀 △6三玉 ▲7三金 △5二玉 ▲5三桂成 △同 玉
▲5四銀

まで103手で先手の勝ち


22=羽生の右四間。やってみたい手ではある。なぜかと言うと確実に飛車先歩を交換できる。しかしこの飛車は一手かけて右四間となった。居飛車の機能性には敵わない。相手が振り飛車ならば三浦のように右四間は有効。序盤は島もここまで未熟。今はこのように指しただけで先手は負ける。
24=65歩。後手の駒アタリ偶数番2
28=駒アタリ偶数番2の権利行使後は飛車先歩交換の原理で後手を引く。そこで61飛と別の意味を求めた。羽生らしい思考法。
31=24歩。先手はすでに駒アタリ奇数番1をずっと保持していたがここで1歩得る。飛車ではなく角で取れるところが先手の優位性を示す。
35=46角。手順に好位置へ。これが羽生が意味を与えようとした61飛に対の手。61飛はと金攻めから一升遠い位置という受けの手と見れば明確に優位性を保てる。93桂と跳ねる遠大な構想があれば61飛は11香を守る位置だが93桂では右四間の威力半減となる。ブランコ運動を徹底すれば可能であるが、これは持将棋後の対局なので羽生にはそれができない。右四間を選択した時点で気合い負け。すでに先手は心理的に圧倒的に指しやすい。
36=55歩。後手が強引に作成した駒アタリ奇数番1
37=36歩。開放戦線始動。駒アタリ奇数番予備1。
38=後手のブランコ後進運動。駒アタリ偶数番予備2。
39=57銀。開放戦線への待機手。極めて自然な展開。
40=73桂。敗着。これを敗着と断定しているのはマシュダ一家だけである。これは駒アタリ奇数番予備3であり極めて自然な攻撃手である為に後手好調と考えるのが連盟棋士。なぜこれが敗着なのか?ここで後手はブランコ後進運動から相手の待機手57銀によって連続して攻撃手を指したことになる。先手が攻めさせたということである。先手はすでに受けの最強の体勢であり後手の攻めが嬉しい。むしろ後手に桂馬を跳ねてもらえばラッキーなのである。先手がビッグ4で守っている地点へ桂馬を繰り出すのはタコである。ブランコ運動は交互に行なう。これは後手がつんのめった形。ここでの最善手は44角。次善手は31玉。要するに待つ手。
41=35歩。後手の最大の急所を直撃。駒アタリ偶数番2なのになぜ有効か?それは後手に桂頭の傷が生じたからである。つまり桂馬が必ず入手できる。35同歩で34地点に桂打の空間を作成するのが最も速い。後手にさらに攻めさせる恫喝となる。
43=35同角。34地点に桂打の空間を作成し同時に後手陣を睨む双頭手。これで先手優勢確定。
以下はどのように寄せるかという好みの問題。島は桂馬を取りに行く2手分を緩手と的確に判断し、最も速くて効率的なと金で攻めた。桂馬はどうせ相手が反撃するときに手順に入手できる。後手は34地点の影につきまとわれ局面を納めるワケにはいかない。桂馬を先に清算できないのである。77歩成が怖くない先手はやり放題。カナ駒がぶつかればビック4の思う壺。先手には必ず攻めのカナ駒が入手できる。あとは大駒をどうさばくか楽しく考えるだけ。ここまで来れば寄せの構図などと大げさに考えない。寄せ芸と気楽に考えればよい。適当に受けて適当に攻める。ブランコの呼吸だけで先手は勝てる。
以下省略。