無年金障害者の考察
静岡県富士市 社会保険労務士 川口徹
4 無年金障害者に対する障害福祉年金の支給に関する法律案要綱
第一 目的(第一条関係)
この法律は、無年金障害者に障害福祉年金を支給することにより、その生活の安定及び福祉の増進に寄与することを目的とすること。
第二 定義(第二条関係)
この法律において「無年金障害者」とは、次に掲げる者であって、障害基礎年金の受給権を有していないものをいうこと。
一 次の1から3までのいずれかに該当する者であって、平成十六年十月一日又はその傷病について初めて医師若しくは歯科医師の診療を受けた日(以下「初診日」という。)から起算して一年六月を経過した日のいずれか遅い日(以下「基準日」という。)において、その傷病により又はその傷病による障害と他の障害とを併合して障害等級一級又は二級の障害の状態にあるもの
1 国籍要件撤廃前の初診日において日本国内に住所を有し、かつ、日本国籍を有していなかった者であること。
2 被保険者制度実施以後任意加入制度発足前の期間内の初診日において日本国籍を有し、かつ、日本国内に住所を有していなかった者であること。
3 任意加入制度の対象者であって、国民年金制度に加入していないものであること。
二 一の1から3までのいずれかに該当する者であって、基準日後六十五歳に達する日までの間において、その傷病により又はその傷病による障害と他の障害とを併合して障害等級一級又は二級の障害の状態に至ったもの
三 支給の請求(第三条関係)
無年金障害者は、障害福祉年金の支給を請求することができること。
第四 年金額(第四条関係)
障害福祉年金の額は、障害基礎年金の額に相当する額とすること。
第五 国庫負担(第五条関係)
国庫は、障害福祉年金の給付に要する費用を負担すること。
第六 国民年金法等の適用(第六条関係)
障害福祉年金については、この法律に定めるもののほか、国民年金法第三十条の四第一項の規定による障害基礎年金とみなして、国民年金法その他国民年金に関する法令の規定を適用すること。
第七 施行期日等
一 施行期日(附則第一項関係)
この法律は、平成十六年十月一日から施行すること。
二 法制上の措置等(附則第二項関係)
政府は、保険料の滞納により障害を支給事由とする給付を受けられない者等に対し給付を行うことができるよう、速やかに必要な法制上の措置等を講ずるものとすること。
五九回
衆第五二号
無年金障害者に対する障害福祉年金の支給に関する法律案
(目的)
第一条 この法律は、無年金障害者に障害福祉年金を支給することにより、その生活の安定及び福祉の増進に寄与することを目的とする。
(定義)
第二条 この法律において「無年金障害者」とは、次の各号に掲げる者であって、当該各号に規定する障害について国民年金法(昭和三十四年法律第百四十一号)による障害基礎年金の受給権を有していないものをいう。
一 疾病にかかり、又は負傷し、かつ、次のイからヘまでのいずれかに該当する者であって、その疾病又は負傷及びこれらに起因する疾病(以下「傷病」という。)により、
平成十六年十月一日又は
その傷病について初めて医師若しくは歯科医師の診療を受けた日(以下「初診日」という。)から起算して一年六月を経過した日(その期間内にその傷病が治った場合においては、その治った日(その症状が固定し治療の効果が期待できない状態に至った日を含む。))の
いずれか遅い日(以下「基準日」という。)において国民年金法第三十条第二項に規定する障害等級(以下単に「障害等級」という。)に該当する程度の障害の状態にあるもの(平成十六年十月一日において六十五歳以上である者にあっては、六十五歳に達する日の前日までに当該傷病により障害等級に該当する程度の障害の状態に該当するに至ったものに限る。)
イ 当該傷病に係る初診日(昭和五十六年十二月三十一日以前のものに限る。)において日本国内に住所を有し、かつ、日本国籍を有していない六十歳未満であった者であること。
ロ 当該傷病に係る初診日(昭和三十六年四月一日から昭和六十一年三月三十一日までの間にあるものに限る。ハにおいて同じ。)において日本国籍を有し、かつ、日本国内に住所を有していない二十歳以上六十歳未満であった者であること。
ハ 当該傷病に係る初診日において国民年金法等の一部を改正する法律(昭和六十年法律第三十四号)第一条の規定による改正前の国民年金法第七条第二項各号に該当した者(同法附則第六条第一項の規定による被保険者であった者を除く。)であること。
ニ 当該傷病に係る初診日(昭和六十一年四月一日から平成三年三月三十一日までの間にあるものに限る。)
において国民年金法等の一部を改正する法律(平成元年法律第八十六号)第一条の規定による改正前の国民年金法附則第五条第一項各号に該当した者(同項の規定による被保険者であった者を除く。)であること。
ホ 当該傷病に係る初診日(平成三年四月一日以後のものに限る。)において国民年金法附則第五条第一項各号に該当する者(同項の規定による被保険者である者を除く。)であること。
ヘ イからホまでに掲げる者に準ずる事情にあるものとして政令で定める者であること。
二 疾病にかかり、又は負傷し、かつ、前号イからヘまでのいずれかに該当する者であって、基準日において障害等級に該当する程度の障害の状態になく、基準日の翌日から六十五歳に達する日の前日までの間において当該傷病により障害等級に該当する程度の障害の状態に該当するに至ったもの
三 疾病にかかり、又は負傷し、かつ、第一号イからヘまでのいずれかに該当する者であって、基準日において当該傷病による障害と当該傷病以外の傷病による障害とを併合して障害等級に該当する程度の障害の状態にあるもの(当該傷病の初診日が、当該傷病以外の傷病(当該傷病以外の傷病が二以上ある場合には、当該傷病以外のすべての傷病)の初診日以降であり、かつ、平成十六年十月一日において六十五歳以上である者にあっては、六十五歳に達する日の前日までに当該傷病による障害と他の障害とを併合して障害等級に該当する程度の障害の状態に該当するに至ったものに限る。)
四 疾病にかかり、又は負傷し、かつ、第一号イからヘまでのいずれかに該当する者であって、基準日において障害等級に該当する程度の障害の状態になく、基準日の翌日から六十五歳に達する日の前日までの間において当該傷病による障害と当該傷病以外の傷病による障害とを併合して障害等級に該当する程度の障害の状態に該当するに至ったもの(当該傷病の初診日が、当該傷病以外の傷病(当該傷病以外の傷病が二以上ある場合は、当該傷病以外のすべての傷病)の初診日以降であるものに限る。)
(支給の請求)
第三条 無年金障害者であって、前条第一号に掲げるものは、基準日以後において、障害福祉年金の支給を請求することができる。
2 無年金障害者であって、前条第二号に掲げるものは、障害等級に該当する程度の障害の状態に該当するに至ったときから六十五歳に達する日の前日までの間に、障害福祉年金の支給を請求することができる。
3 無年金障害者であって、前条第三号に掲げるものは、基準日以後において、同号に規定する当該傷病による障害と他の障害とを併合した障害の程度による障害福祉年金の支給を請求することができる。
4 無年金障害者であって、前条第四号に掲げるものは、障害等級に該当する程度の障害の状態に該当するに至ったときから六十五歳に達する日の前日までの間に、同号に規定する当該傷病による障害と当該傷病以外の傷病による障害とを併合した障害の程度による障害福祉年金の支給を請求することができる。
(年金額)
第四条 障害福祉年金の額は、障害基礎年金の額に相当する額とする。
(国庫負担)
第五条 国庫は、障害福祉年金の給付に要する費用を負担する。
(国民年金法等の適用)
第六条 障害福祉年金については、この法律に定めるもののほか、国民年金法第三十条の四第一項の規定による障害基礎年金とみなして、国民年金法その他国民年金に関する法令の規定を適用する。
(政令への委任)
第七条 この法律の施行に関し必要な事項は、政令で定める。
附 則
(施行期日)
1 この法律は、平成十六年十月一日から施行する。
(法制上の措置等)
2 政府は、保険料の滞納があることにより障害を支給事由とする年金たる給付を受けられない者等に対し給付を行うことができるよう、速やかに必要な法制上の措置等を講ずるものとする。
理 由
無年金障害者の生活の安定及び福祉の増進に寄与するため、これらの者に障害福祉年金を支給する必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。
本案施行に要する経費
本案施行に要する経費としては、初年度約五十七億円、平年度約百七十億円の見込みである。
統合失調症・最高裁判決shougane\sesnshg.htm
http://www.bekkoame.ne.jp/~tk-o/sesnshg.htm#13
仙台高裁 2007/2/26仙台高裁 仙台高裁
無年金者障害 判例 2006/11/29
東京高裁 東京高裁
注 2006/10月の高裁判決は20歳前受診してないことを理由に請求棄却しているので
高裁段階でも判断が分かれています
無年金者障害 判例東京地裁
一部救済 障害年金、統合失調者の場合 東京地裁
2005.10、28
無年金者障害 判例 無年金訴訟 注目すべき判決が出ました
統合失調症 20歳未満に発症
障害基礎年金の支給を拒否された場合
20歳未満に発症したと認められるとして 不支給処分の取り消し
munenkin.htm
札幌地裁2005/7/4統合失調症 発症時期が争点
札幌地裁2005/7/4統合失調症 発症時期が争点 東京高裁;学生無年金訴訟、元学生側が逆転敗訴(05年3月25日)
2005/3 東京高裁「立法上の裁量の範囲内」として原告逆転敗訴の判決
控訴審判決。 東京高裁
任意加入時代 未加入障害者 1991年3月まで 平成3年 20歳以上の学生
1986年3月までに障害の専業主婦
国民年金への未加入を理由に障害基礎年金を不支給とされた元学生が
国を相手取り 賠償訴訟
無年金障害者無年金障害者の救済措置をしなかったのは憲法違反 法のもとの平等 東京地裁2004/3
無年金障害者20歳の年金 必読障害年金 差別放置は違憲 東京地裁 2004年03月24日(水)
無年金障害者
元学生と主婦を対象に
来年の4月から 4万円から5万円の特別障害給付金を支給する 130億円程度の予算 議員立法で今国会に提出
2004/6/9
精神障害などの初診日
精神障害sesnshg.htm
http://www.tcct.zaq.ne.jp/munenkin/kakuchi/tokyosei2-2-kiji.htm
無年金障害者に対する障害福祉年金の支給に関する法律案
4 無年金障害者に対する障害福祉年金の支給に関する法律案要綱
国民年金届け忘れ未納と3号被保険者
障害年金
制度発足は1961年、
精神障害 1964年から対象
1993年
障害者基本法、精神障害者も法的に“障害者”
1995年 精神保健福祉法成立
精神障害者にも「手帳制度(精神保健福祉手帳)」が創設。
以降、精神障害者の疾患による“障害”への福祉的施策の必要性への理解が進み、部分的ではあっても改善は進んでいます。
BACKホーム
静岡県富士市 社会保険労務士 川口徹