映画館がやってきた!

SONY VPL-VW10HT導入記

 SONYの三板式ワイド液晶プロジェクター、VPL-VW10HTの導入過程の記録です。

導入/機能チェック

■〜0H(事前準備)

■0H〜

 お店で他のPJと比べれば確かに明るいが、単独で見れば目が慣れるからね。 だいたい、1000ANSI lmごときで眩しいような視覚では、昼間おもてを歩けないと思う のだが…吸血鬼じゃないんだから(^^;

 というわけで、CPJ-A300との比較投影をしてみる。
 左の写真は、左:VW10HT / 右:CPJ-A300と、二台並べて 画面の真ん中で切り替えて同時上映してみた図。
 宝石の深い青は、VW10HTがちょっとだけ明るい。肉眼で見ると 目が自動的に調整してくれるのでほとんど同じ明るさに見える。

 二枚目は、室内の人肌。これも肉眼で見るとほんの少しだけ VW10HTの方が明るい程度の差。
(ハイライト部分の色合いが、CPJ-A300は青っぽく偏ってしまうが、 肌色のような中間色の色再現はVW10HTと比べても優秀なのが分かると思う。)

 ということで、VW10HTのどこが1000ANSIルーメンのパワーか…というと、 次の写真でがらりと変わる。  照明を直接見ると眩しい。つまり、明るい画面は徹底的に明るい。

 逆に言えば、光出力の弱いプロジェクターは暗いシーンも 見えるように早々と液晶を全開にしてしまい、本当に明るいシーンは それ以上明るくならないのに対して、VW10HTはなだらかに明るくなり、 昼間の太陽や、画面の中に照明が写り込むような本当に明るいシーン のために1000ANSIルーメンを貯金している。
 それが、VW10HTの持つ明るさの意味だ。

 明るいと、目の絞りが小さくなるので目のピント感が向上するということも利点。
 maxの明るさが明るいのは確かだけれど、本機のコントラスト調節は 全開(1000 ANSI(MAX=100))から真っ黒(O ANSI(MIN=0)) まで100段階の調節が可能なので、眩しければ絞ればよろしい。
 デフォルトのコントラスト値は80だが、アニメなら50で良いし、実写なら90位まで上げる こともできる。(NDフィルターを使えばついでに黒も沈む。)

■12H〜

■24H〜

■36H〜

■48H〜

■60H〜

■96H〜

■108H〜

■120H〜

■130H〜


VPL-VW10HT 不具合対応編

 1月22日にサービスマンが来てくれて、症状を見せました。
 ここからは、SONYの対応の記録です。

■初回サービスマン対応

■そのあと

■第二回訪問

VPL-VW10HT・弐号機

 2月12日にソニー・サービスのKさんが持ってきてくれた弐号機についてのレポートをまとめる。

■解決状況と弐号機の問題点まとめ

0〜20時間でとりあえず点検した結果。
弐号機問題点一覧(ROM 01.02 ランプ時間20H時点)
★★ 解決問題 ★★

●色ムラ
 画面上端数センチの褐色の着色、無くなった。
 画面周囲の暗い部分が、赤、緑に着色する現象はほとんど無くなった。 
 暗い肌色が緑に変色する現象(例:顔の陰の部分、髪の生え際etc.)ほぼ、
収まって綺麗な肌色になった。

●画面全体が右に3ドットずれている現象が無くなった。

●ROMバージョンが01.02にあがった。
 サービスモードのパターン画面のパターンが増えている。


★★ 継続問題 ★★

●画素欠け
 かなり中央付近に、青の半点灯が2個。
 交換前の字幕部分の全点灯とどちらが良いかと言われると難しい選択。
 あんまり真ん中過ぎて避けようがないのはちょっと困る。

●ビデオメモリーに登録したアスペクト切り替えの誤動作
 メモリー5を「字幕入」にセットして、他のアスペクトをセットしたメモリー 
(2にズーム、6にノーマルスルーなど)に切り替えた後再度メモリー5を切り替える
と、ズームからの時、字幕入画面が本来より縦に引き延ばされた画面になり字幕が
画面外になってしまう。ノーマルスルーから字幕入りに戻したときには、セットし
たとおりの字幕入り画面になる。ROMは01.02
 台形補正を使っているときだけ、発生する現象。

●本体からのノイズ
 本体内から微かな「ジー」という音が二秒に一度ほど、間欠的に聞こえる。
 聞こえるときにはかえって大きくなった感じがするが、聞こえないときもある。

●液晶パネルの振動
 パターン画面で、緑の画素の画面右側だけが
 「1画素弱の幅で上下に細かく振動している」ほとんど変化無し。

●画素ずれ
 交換前はブルーだけだったが、交換後は画面右端で、赤の画素ずれが
はっきり見えるので、どちらかというと悪化した。


★★ 新規問題 ★★

●光学的(?)色ムラ
 画面中央付近に縦に刷毛ではいたような色ムラが現れる。
 雰囲気的にはダイクロイックミラーのコーティングムラか?という感じ。  色は薄いが、灰色、明るい水色などの画面が横にパンするとはっきり 見える。

■12H〜

■そして工場へ


VPL-VW10HT・弐号機 "改"

 4月7日、一ヶ月ぶり、ついに弐号機が治って帰ってくる。
 さて、本当に治ったかな。

■弐号機の問題点と、SONY回答、"改"の解決状況

 弐号機の問題点のFAXに工場側の回答を添付してもらったので、0〜12時間でとりあえず 点検した結果を添えてここに公開する。

弐号機問題点 SONY回答要約 解決状況
●画素欠け  かなり中央付近に、青の半点灯が2個。  交換前の字幕部分の全点灯とどちらが良いかと言われると難しい選択。  あんまり真ん中過ぎて避けようがないのはちょっと困る。 パネルの性質上防ぐのは難しい。今回の指摘は良品レベル。 SONYの言い分も仕方ないかな?というギリギリの質。
ただし光学ブロック交換で解決。
●ビデオメモリーに登録したアスペクト切り替えの誤動作  メモリー5を「字幕入」にセットして、他のアスペクトをセットしたメモリー (2にズーム、6にノーマルスルーなど)に切り替えた後再度メモリー5を切り替える と、ズームからの時、字幕入画面が本来より縦に引き延ばされた画面になり字幕が 画面外になってしまう。ノーマルスルーから字幕入りに戻したときには、セットし たとおりの字幕入り画面になる。ROMは01.02  台形補正を使っているときだけ、発生する現象。 ソフト不具合につき、1.03にバージョンアップ 解決
●本体からのノイズ  本体内から微かな「ジー」という音が二秒に一度ほど、間欠的に聞こえる。  聞こえるときにはかえって大きくなった感じがするが、聞こえないときもある。 DCファン回転むら。部品交換 ノイズは未解決。状況からしてランプの高圧回路の共振では?
●液晶パネルの振動  パターン画面で、緑の画素の画面右側だけが 1画素弱の幅で上下に細かく振動している 内容は確認したが、極端に近づかないと分からないので問題なし。 まあ、そういうことでしょう。
●画素ずれ  交換前はブルーだけだったが、交換後は画面右端で、赤の画素ずれが はっきり見えるので、どちらかというと悪化した。 主な要因はレンズ収差とパネル組み付けの精度。良品レベル。 光学ブロック交換後のこの機体も同レベル。実用レベル内と判断。
●光学的(?)色ムラ  画面中央付近に縦に刷毛ではいたような色ムラが現れる。
 雰囲気的にはダイクロイックミラーのコーティングムラか?という感じ。 色は薄いが、灰色、明るい水色などの画面が横にパンするとはっきり見える。
Gパネル注入すじ不良のため、光学ユニット交換。良否判定の境目にあった。 解決。
●ユニフォミティの狂い 現在の所、実力。ただし、製品ばらつきの中では目立つレベルだったといえる ユニット交換で向上するも、全黒の中央の緑、全白でのばらつきは残る。 程度問題で良しとする。
●レンズ内部のすじ状汚れ 画面に映るものではないが、製品の品位として良くない汚れなので、 以降の生産分についてフィードバックする。 そういうことです。

ランプ寿命・経時変化編(弐号機 "改")

 弐号機 "改" になってから、ユニフォミティーに対する若干の不満はあるものの まずまずの画質と言える状態で映画を楽しむことに専念している。
 以下では、ランプ寿命を中心とした経時変化についてレポートする。

■〜600H

■〜800H

■〜1900H


[VW10HTの画質調整を考える]
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文:唐澤 清彦 映画館がやってきた!