映画館がやってきた!

SONY VPL-VW10HTの液晶パネル掃除

- クリーニングですっきり、または『ばらすぞ〜』 -

液晶パネルの掃除法

 マメにフィルター掃除し、空気清浄機を導入しても、極小の埃はやはり じわじわと進入するようです。重傷の場合は埃の影がぼんやりしたボール状に 見えるし、それ程でなくても漠然と「コントラストの低下」を引き起こしたり します。
 そういうわけで、液晶パネルまわりに付着したゴミを徹底的に掃除する方法 の紹介です。

■準備

道具です
 エア・ダスターはフロンガスを詰めたスプレーで、カメラ屋さんで売って ます。ボタンを押すと凄い勢いでノズルから空気が吹き出し、埃を吹き飛ば します。
 作業場所は平らな広い空間を確保。
 埃の確認のために、スクリーンの前で全黒を投影しながら作業します。
 内部を開けるので、この作業で壊すとたぶんメーカー保証が効きません。 細心の注意を払いましょう。
 フタを開ける前に、本体をスクリーン前の作業台に移し、まず、エア・フィルター の掃除をします。作業中に埃を吸い込んではシャレにならないので。
 フィルターを戻してから電源を入れ、ピントをずらして液晶パネル上の 埃が見えるようにします。
 とにかく、空気中に埃が浮いていない環境で作業します。
★★ 絶対注意 ★★ (2008.4.15 追記)
以下の手順では、通電状態で作業していますが、最近のエアダスターは「フロン」ではなく 「可燃ガス」を使用しているものが主流になっています。通電中に「可燃ガス」を使用すると★発火★します。
 発火すると液晶パネルが壊れますので、絶対に★本体が冷えた状態で作業★してください。

■フタを開ける


 まず、銀色のカバーの付け根部分の隙間に、マイナスドライバーを 突っ込んで軽く押します。カチッと音がしてカバーが浮くので、 手前に数ミリ引き、持ち上げると外れます。

 次に、本体上部カバーを外します。
 カバー両側面のネジ4本、レンズ脇の2本、計6本のネジを外します。
 本体後端に操作パネルと本体を繋ぐケーブルが有るので、これを ぶっちぎらないように、後部リモコン受光部を軸にして半円を描くように 開けます。
 入力端子手前部分は、はめ込みのようになっていてきつくなって いることがありますが、構造上は垂直に上に引き抜くように引っ張ると抜け るので、他の部分を抜いて緩めてから慎重に引きます。

 全体を浮かせたら、操作パネルのケーブルに注意しながら上部カバーを 開きます。
 右の写真の「中央やや左」に見えるのが操作パネルへのケーブル。 これがかなり短いので上部カバーを置くにも突っ張るほど…なので、 雑誌の1,2冊も敷いて高さを稼ぎましょう。
 コネクターを引っこ抜くのは止めましょう。なにせ、電源入ってますから。
 ついでに、絶対に金属部分に触らないこと。
 やけど、感電に注意。

■液晶パネルにアクセス

 いよいよ、液晶パネル部を開けます。
 液晶パネル部には、防塵のため(?)細かいメッシュの金網で守られています。
 赤丸部分の二本のネジを外します。 中に落っことすと面倒なので慎重に。

 緑の矢印の方向に、ゆっくり引き抜きます。
 要するに、肝心なのは液晶パネルに行くフレキシ・ケーブルを痛めないこと。
 埃の落下にも注意。

 カバーを開けると、中心のプリズムを囲むように、RGB三枚の液晶パネル、 保護パネル、集光レンズが並んでいます。

 光学部品には絶対に触れない!!

 まず、掃除に掛かる前にパネル面をじっくり観察します。
 各面に微細な埃が見えると思いますが、画質に影響があるのは基本的に 液晶パネルの裏表だけ。
 クリーナーのスプレー缶は、逆さまにすると激しく液体が噴き出します。 事前にどの角度まで倒すと液体が噴き出すか確認。
 正位置で液体が噴き出さないよう、十分試し吹き確認してから使います。
 延長ノズルが外れて飛び出すこともあるので、きっちり取り付けます。

 まずRGB各色、レンズ面を軽く吹いて埃を払います。
 以下、液晶面に遠い面から順に、エアを吹き付け。重要なのは 液晶パネルの両面だけなので、そこまでは軽くて十分。

 液晶パネル面は、投影した画面を参照して埃を確認しながら丁寧に噴射。 絶対、ノズル先端をパネルに当てないように。液体を付着させないように。 また、深追いしないこと。…傷つけたり位置がずれたらアウトですからね。

■戻す

 バラした順序と逆に組み立てます。
 難しいのは、液晶パネルのカバー。フィルム基盤をうまく元通りたたんで 傷つけないように。
 上部カバーは隙間無くぴっちり閉まることを確認。そうでないと埃の進入を 防げません。きちんと閉まればかなり密閉性は良いものです。
 銀色のカバーも、きちんと閉まれば「カチッとした手応え」が有るはずですので、 慎重に。

 掃除後は、影が出来るような大きな埃だけでなく、コントラストも向上した はずで、スッキリした画像が楽しめるはずと思います。

付録 : ジー音対策

 本体から「ジー」という音が鳴る現象は、恐らく電源まわりのコイルが振動する 音だと思います。その中で最も怪しいのがこれ。"〜 AC IN"のすぐ内側に、斜めに 立っている小さな基盤にくっついているコイルです。
 パネル掃除のついでに、こいつをダンプして泣きを止めてみましょう。
 私は緩衝材の小片を、基盤と排気ダクトの隙間に挟んでみました。

 念のため「絶対に金属部分に触れないこと、高温に気を付けること」



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文:唐澤 清彦 映画館がやってきた!