映画館がやってきた!

構築日記・不定期便
- What's NEWを兼ねた日記のような読み物 -
2008年10月
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[10月のBS/WOWOW★注目番組 ]

2008.10.31
  • 演奏会「工学院大学マンドリンクラブ 第52回定期演奏会」(調布)
     卒業したのは20年以上前のことになるが、つい最近後輩が亡くなったお知らせとかきいたこともあり、 演奏会に行ったら普段はあまり会えない卒業生たちと会えるかも、とおもって顔を出してみた。
     結果、いつも顔を見ている同級の友人の他、先輩一名と合流して4人で打ち上げして帰ることが出来た。 普段知らない他の学年のメンバーの話題、西東京の飲み会を続けているグループの話題を入手できて 有意義だった。
     演奏のほうは、一学年で各パートを満たせないほどギリギリの少人数(本当は一学年に、6〜7人は欲しい) で、良く続いているなというのが感想だけれど、そういう環境の中では良くやっていると思った。
     しかし、人数が少ない以上に「上品」な演奏で、指から流血するとか、ピックが割れるくらい激しい 演奏をしていた我々の時代と比較したら「なんか、今時の若者」って感じがする。
     メンバーは色白で可愛い息子たちばっかりだし。昔はほとんど体育会だったけどね。
     演目は、私たちの現役時代と変わらない曲が多かったが、卒業した後に作曲された曲もあった。
     知っている曲は、テンポや音量の表現の違いや、ミストーンがすごく気になる(^^;
     新しい曲は、基本的に「現代音楽オタク」から見ると、優しい綺麗な曲。大体この業界の若手はみんなそうだが、 綺麗だが長いスパンの構成感に乏しいので、結果は指揮者の腕前にかかることが多い。譜面どおり弾いただけでは ただのBGMになってしまいかねない。
     だから演奏は難しい。演奏者の腕前、表現一つで出来栄えが大きく変わるから。

     飲み話では、「練習で割れたピックを集めてネックレスを作って卒業する先輩に送った」 と言う昔話が飛び出し、それは手編みのセーター以上に変な怨念がこもっていて怖いよ!とか(笑)
     それにしても、ネックレスが作れるほどの枚数のピックを折ったとは、いったい…(^^;;

2008.10.30
  • 『神童』鑑賞(wowow) ★☆
    監督:萩生田宏治,原作:さそうあきら
    キャスト:松山ケンイチ(菊名和音(ワオ)),成海璃子(成瀬うた)

     色々と、松山ケンイチが面白いので、この作品を見て見た。
     タイトルの「神童」というのは作品中では「誰」と名指ししているわけではないが、 松山ケンイチのことじゃなくて、中学一年生の女の子…父親が元有名な若手演奏家で 演奏旅行の途中で客船から身投げして死亡した…のことのようだ。
     松山ケンイチは、「八百屋の息子」で、音大受験浪人中に小学6年生のこの子に出会い、 何故かレッスンを受けることになり、グランドピアノを借りたりして、ついに合格する。
     …という関係は半分ぐらい進んだところでようやく理解できた…というのは、 小学6年と大学浪人生との出会いだというのに、女の子の実年齢のせいか、 ぱっと見て学生同士の同年齢カップルに見えて。いや、下手すると受験指導しているから 年上にも見える。
     ラストに著名な来日ピアニストの病気代演で演奏し喝采を博するシーンがあるのだが、 「中一」なら神童かなと思うが、「大学1〜2年生」くらいに見えると、まあ普通に 国際コンクールで優勝する年齢になってしまう。普通に一流。
     「神童の圧倒的な存在感」は欲しいが「保護されるべき幼さ」も無いと、 ドラマとしてはダイナミックレンジが狭くなる。この映画はなかなかいい線行って いると思うが、「幼さ」の描写に無理があるのは惜しかった。
     とはいえ全体的には、口数少なく静かな叙情に満ちた作品だ。
     ただ全編で繰り返される「父親が自殺した原因の耳の病気が娘にも遺伝しているらしい」 という不安の描写が全体に暗い影を落としているのが「不必要な要素」だとは思う。
     人生良いことばかりではない、とはいっても、不幸を作品の重みに利用することも 無いんじゃないかと思って。
     逆に、病気の描写が無くても、一生懸命音楽に打ち込む若者を描くことで十二分に 感動は生むことが出来る。音楽する若者に対する感動と、病気の不安に耐える少女の儚さを 混ぜることで、相乗効果というよりは、得られる感動は濁った音を立てているのかもしれない。
     そうは思えないか?

2008.10.27
  • フィギュアスケート・グランプリ・シリーズ 2008「アメリカ大会」
     民放(テレ朝)は、日本人がメダルが取れそうな男子・女子シングルしか放送しないのは ケシカラン。毎年のことだが。
     結果から言うと、男子は「小塚」くんが驚きの金。
     米国の二選手のほうが「派手」には見えたが、難易度低めの技をかっこよくこなしている ということか。小塚は手堅く技レベルを上げているのだろう。
     女子は「中野」が銀、「安藤」が銅。金は韓国キムヨナに持っていかれたが、 アメリカ大会というのに東洋人がメダル独占というのが、またルールが変わりそうな、 そんな好調ぶりである。
     安藤が銅に終わったのは残念ではあるけれど、SP演技後には、昨シーズンには一度も 見られなかった笑顔があり、ファンとしては心の晴れる思いだった。
     同じ「ジゼル」の音楽で演技して、中野の方が華やかに見えたのは、振り付けだけではなく 演技にゆとりがあったのかもしれない。
     キムヨナはぶっちぎりの得点で、振り付けもシーズン後半戦のような完成度。 成長して体型が変わって、迫力も増した。こりゃ〜大変だ。
2008.10.26
2008.10.25
  • ハイドンのオペラ「騎士オルランド」鑑賞(北トピア・大ホール)
     日本で完全版は初演らしい3時間の超大作。
  • 格闘家の友人と飲み会
    「護身術クラヴマガ」をやっている友人と、演奏会でいっしょになって 飲みに行った。
2008.10.23
  • そろそろ秋ドラマ
     秋ドラマも始まった。
     真っ先に面白かったのが『七瀬ふたたび』のリメイク
     悲劇が苦手なので、最後がろくな事にならないこの作品を最後まで見ていられるかが問題だが、 第二話まできて「ぱっとしない主人公(七瀬)」にも慣れてきたし、案外現代的にアレンジしているのが 上手く処理されて好感。
     考えてみればCG時代の『七瀬ふたたび』だから、今はまだ派手な超能力者は登場していないけれど、 映像的には相当面白くなっていいはずだなぁ。
     七瀬がテレパシーを発動するときにガクンとショックを受けるのは、画面にエフェクトはかかっているけれど、 基本的には「演技力」だ。
     透視能力を使う人の「目の色が変わる」とか、表面から深部に徐々に「視点が移っていく」とか、 これはCGの出番。昔のドラマでどう処理していたのか気になる。
     予知能力のシーンは、普通に「色を変えただけ」かなあ。
     第一話の土砂崩れのシーンは、オリジナルへのオマージュかと思うほど レトロなセット&ミニチュア撮影だった。映画ならリアルに撮るのだろうが(^^;
     ヘンリーの念動力ははっきりいって「手品との違い」が見えないな(笑)
     原作(以前のドラマ)のヘンリーは黒人で、念力を発動するのにマスター(七瀬)の命令を必要とする という、些か奴隷制度の名残っぽい設定だったのだが、今の時代にそういう描写は難しいだろうから、 設定を変えてくると思われる。
     「藤子」さんは、今回は超能力の研究者(の後輩)という設定で、何の能力も発揮していないのだが、 原作では「タイムリーパー」だった記憶が。
     七瀬は子供の頃父の研究の過程で超能力が発見され「危険から避けるため」という名目で 母親とともに身を隠したことになっている。
     七瀬の能力はそのまま封印され、母親の死とともに再び目覚める。
     …という設定は、「母親が能力を封印する能力者だった」のかなぁとも想像できる。
     とにかく、原作の設定を生かしながら、上手い具合に新しい時代のストーリーになっているので 謎解き要素も楽しめそうだ。
     一番大きな違いは、子供の頃の記憶が描かれたことだけれど、ここは原作後半の「秘密結社に追われる」 という要素の前振りに違いない。つまり、今は記録も抹消されている父の研究のスポンサーが 絡む。
     ラスボスの影が初回から常に見え隠れするというのは、筋の通ったいい脚本だ。
     研究所に居た子供たちの一人の能力が消えた、という話を聴いて、予知能力を 持つもう一人が「今のうちに能力を使って金儲けしないと」と焦って動き出したのは、 「秘密結社が再び動き出すきっかけ」のエピソードになりそう。

  • SEX and the CITYをモチーフにしたという『SCANDAL』は、普通の作品なら主役を やる女優がずらっと並んでそれだけで興味深いが、第一話はまずまず勢いがあってよかった。
     5人のまったく違うタイプの設定の女が登場するのだから、いくらでもドラマティックになると 思うんだなぁ。
     第一話前半は「台詞または独白による説明」がやたらと多かったのが、脚本的には大きく減点。 先行きが不安ではある(^^;;
     とはいえ、唯一の共通の友人の失踪をきっかけに、残りの4人が再集合したラストは 「続きも見なきゃ〜」と思わせる、良い引きだった。

  • 『流星の絆』とかなんとか言うのは、その昔親を殺した犯人を残された子供が成人して 時効間際に探す話。
     第一話は面白くなかったなぁ。
     まあ、三ヶ月かけて順に真実が明かされていくのが普通の推理ドラマだと思うが、 何故面白くないのだろう(^^;;;
     とりあえず、第一話の事件は妹が「教材詐欺」に引っかかったのを兄の名推理で 解決する、という話で、兄弟が殺人事件の犯人探しを自力で出来る能力があることを 示したかったのだろう。
     その一方で「店長の林さんが作るから、納豆ご飯でもハヤシライスだ」とかいう 駄洒落に延々と時間を使っているのはどうかと思う。

     普通の刑事ものだと毎回事件が起きて推理やアクションがある。最近だと『ガリレオ』とか。
     『時効警察』は昔の事件の推理なので「似ている」と言えなくも無いが、あちらは コメディーに重点がある。
     警察に捜せなかった犯人を遺族が探し出すというからには、何かよほどのことが無ければ無理だ。 たとえば、犯人が警察に居て捜査に隠蔽工作があったとか、初動に大きな見込み違いがあって、 面子の問題が、とか。
     そういえば、『アンティーク』は、子供の頃の誘拐事件の犯人をおびき寄せるために ケーキ屋を開いた…という話なので、ちょっと共通のシチュエーションはある。
     あちらは、あくまで「ケーキ屋で起こる色々」を描いていくうちに、実は本当の目的は 犯人探しだったと分かる仕組みで、ケーキが美味しそうならとりあえず成立している ところが上手い。
     『アンフェア』は、推理的にはとても面白かった。毎回事件が起きて犯人との知恵比べ 見たいになるのは、主人公が刑事だから成り立つ。遺族が主人公だと、あそこまで 行動的な展開は望めないような気がする。

2008.10.22
  • アニメ『神様家族』初回 → 一発離脱決定
     2008年秋アニメ最後発グループ。
     MXの『かみちゅ!』『かんなぎ』と同じ曜日連続時間帯にBS11で放送。つまり この枠は何故か『神アニメ三連発』。
     この『神様家族』は、西洋の神話系の神様が跡継ぎ息子を立派な神様に育てるために 「普通の人間」として地上に遣わして、いっしょに家族生活しているという話。
     西洋風の神様が何故日本の普通の住宅街で家庭生活を営んでいるのか分からないが、 家族構成は、父・母・姉・主人公・妹の5人に、お目付けの天使(同級生女子)の6人が主要登場人物。
     「異界の王の子供が立派な跡継ぎになるために人間界に使わされる」という ストーリーは古今いくつもあり、それなりに名作も多い。
     この『神様家族』は、基本はドタバタコメディーらしい。
     第一話を見ると、息子は「修行の為に奇跡の類は一切使ってはいけない」 ということになっているのに、過保護な親父(神様)が、ついつい息子が思い描いた願望を 実現してしまって大騒ぎになるというフォーマットらしい。
     それはいいのだが、第一話は「学校でブルマ廃止の是非を問う」というネタで、 ブルマ妄想ネタでまるまる一話大騒ぎというのは、大人には稚拙だし子供が喜ぶとも思わないし、 意図が分からない。なんだか手抜きだ。
     ということで、即切り決定。
     絵柄はちょっと変わっていて、ほとんど人間の顔に影が無く、瞳の色が 薄い水色やピンクで、全体的に平坦で明るい画面だ。
     キャラクターデザインも(丸く巨大な瞳と髪型がちょっと『エウレカセブン』に似ているような 気はするが)巨乳でもロリでもなく全員どことなく薄いキャラだ。
     脚本・演出にはスキマが多く感じられる。OPを見てなんとなく期待感を感じないし、 EDなんかあえて見たくもならない。
     要するに、それなりの原作をそれなりにアニメ化している。枠を埋めるため のみにある、その程度の作品じゃないかと思う。
     作ってやりがいは無いだろうし、たぶん、凄い低予算でやっても儲からないだろう。 作る側にも時間を無駄にする客にも不幸な感じがする。
  • 特撮『帰ってきたウルトラマン』
     現在MXで再放送中で第17話。
     今まで録画するだけで中身をちゃんと見ていなかったが、この買いのサブタイトルがなんと 「ウルトラセブン参上」だ。
     『帰ってきたウルトラマン』はここまでずっと「地中」や「海中」から沸いて出た 怪獣たちと戦ってきて、この回い初めて宇宙怪獣「ベムラー」と戦う。
     これまでも、戦闘能力としてはスレスレの勝ちが多かった「新マン」はベムラーに歯が立たない。
     エネルギーが尽き、太陽の光を浴びて再チャージしようと太陽に向かって飛び続ける 「新マン」の前に突然ウルトラセブンが現れ
     「この武器を使えばどんな怪獣も倒せる」と、ウルトラ・ブレスレットをくれるのだ。
     それまでは、素手と光線しか技が無かったのが、ブレスレットが強力なブーメランのような刃物になって ベムラーをスッパリ切り裂いて勝利。
     まあ、おもちゃ屋さんの要望なんだろう。
     初回から見返すと、『初代マン』や『セブン』は変身に小道具を用いて、たまに 敵の宇宙人に「ウルトラアイ」を盗まれて変身出来ない!なんてエピソードがあったけれど、 「新マン」はピンチになると気合で変身…という方式で、小道具が無い。
     玩具屋的にはなんとなく物足りなかろう。まあ、「セブン」が女性型宇宙人にウルトラアイを 盗まれるエピソードが繰り返されるのは、子供心にも情けないと思ったけれど(^^;;
     今回連続して鑑賞して思ったのは、「ジェット機壊しすぎ」ってこと。
     撃墜されてウルトラマンに変身というパターンが多いのだが、あまり一人で 機材を壊しすぎて始末書が大変じゃないのかな〜と(^^;
     ストーリーが全体に重苦しいのも『帰ってきたウルトラマン』独自か。
     第二次世界大戦が残した不の遺産がからんでくるエピソードや、登場人物の 昔話に戦争の思い出が絡むのは、平成ウルトラマンには、もはや絶対にありえない 展開だ。
     ここまで意外に「ウルトラマンが弱い」ため、MAT隊員や防衛隊との共同作戦が多くて ミリタリーっぽいことも多く、被害が出ているのに防げなくて死者が増えていく回も多い。
     隊員たちはかなり頻繁に喧嘩したりかばったりの人間ドラマをやっているし、 隊長が怪獣にやられた同期の隊員の奥さんにお悔やみを言いにわざわざ自宅を訪問する シーンなど、やりだしたらきりが無いことを結構やっている。
     初代がウルトラQの流れで「怪奇」をテーマにしているとすれば、セブンは 「SF」、そして新マンは「ヒューマンドラマ」の比重が高い。
     子供の頃は全部が「怪獣」ものだったのに、意外である。
    『ウルトラセブン』は敵が宇宙人でけっこう「能書き」が多くて、 文明批判的回もあった。新マンの前半は大まかに言うと怪獣とは言っても 所詮「猛獣退治」の大掛かりなもので、人口密集地で暴れられると大変だ、 ということに過ぎない。
     だから、ドラマを組織内に求めたのかもしれない。
  • 絵的には「チルトローター機」がたくさん出てくるのが意外。
     子供心には花形は「ジェット」の尖った機体がかっこいいと思っていたのだけれど、 やたらと「チルトローター機」の出番が多い。
     そう思うと、『エヴァ』とか『攻殻』とか、その辺の作品に「チルトローター機」 が登場するのは、作っている監督が「ウルトラ世代」だということが影響しているのかも。
2008.10.21
  • BDメディア最安 TDK 25GB 4x 20枚スピンドル
     先日までSONYの20枚組みが安かったが、あっという間にTDKが抜き返して、1枚350円。日々安くなるので、 買い溜めせずにマメに買い物しないと。
     ついにBDもスピンドルかと思うと、感慨深い。

  • 雑誌「COUNTINUE」 Vol.42
     第一特集「コードギアスR2」
     第二特集(?)「中島愛」
     インタビューで「子供の頃から80年代アイドルマニア」だったということが話題になっていた。
     当然彼女の世代とは10年以上のズレがあるので、古本から情報を集めたり、かなり自覚的に マニア的に熱中していたらしい。なるほどねぇ。それでこその「ランカちゃん」なのか。

  • アニメ「かんなぎ」(3)
     BS11の放送予定がキャンセルになっていた「かんなぎ」だが、めでたくBSJで全国放送開始とか。
    ■放送局  :BSジャパン
    ■放送開始日:11月3日(月)
    ■放送時間 :毎週月曜日 27:30〜28:00
     地上波ではすでに3回のうち2回が地震情報の「L字画面」にやられているので、 首都圏のファンにとっても福音か。震度1の地震情報なんて嫌がらせに等しいよ。
     ところで、神道で福音に当たる言葉は、なんて言うんだろうなぁ…

     第一話で「なぎ」登場
     第二話で幼馴染の「つぐみ」登場、そして
     第三話で美術部の面々と「ざんげちゃん」登場。
     ここまでで、概ね全員の登場エピソードが出揃ったかな。ざんげちゃんの 本格的な展開は第4話からだが。
     今シーズンのアニメではラブコメとしては「かんなぎ」が最高。普通の高校生の生活に 突然神様が降って沸いて同居してしまうという非日常の日常性の描写が良く出来ている。
     もちろん、それはあり得ない事なのだが、劇中の「おやじの隠し子」という誤魔化しと、 それを信じている幼馴染の親身のリアクションとか、「本当は神様だ」ということ以外の全てが 丁寧に日常しているから、フィクションに奥行きがある。
     これは、フィクションを語る時の本当の基本のことなんだけれど、多くのアニメでは 全てが「絵空事」になりがちなんで、ツボを抑えてきっちりかっちり造り込んでいるスタッフを 激励したい。

  • 「ナギ」の親父ギャグがぷりてぃ
     今まで「モア」ちゃんのデタラメな四字熟語が気に入っていたのだが、 ナギの親父ギャグもまたいい感じ。監督がお笑い好きだとかいうので、 今後も力を入れてくるのかなぁ(^^;
     まあナギは姿は中〜高校生程度でも、なにしろ神様で実年齢は最低御神木の樹齢の 数百年は下らないと思われるので、親父ギャグぐらいなんでもない。むしろ説得力がある。
  • 3週目アニメのこと
     『あかね色に染まる空』は、三週目で「生徒会による旧校舎のオバケ探し」ってな どうでもいい話を挿入されてかなり引いた。
     こんなドタバタ・エピソードは、1クールに1回で良い。監督、シリーズ構成は 何を考えているんだろうか。作品の世界観の提示もまだまだなのにこんな どうでもいい話を投げ込んでくるなんて。
     『とらドラ!』は、まだ無事に進んでいる印象。メインキャラが何故 強烈にエキセントリックな正確なのかということを説明している途中。色々事情があって、 普通じゃない言動が目立つけれど、実は…と。
     ただ、「事情の書き込み」が充実しているから良い、かというとそうじゃない。
     前シーズンの『狂乱家族日記』は、コメディーの 体裁をとっているけれど「家族を装って集められたメンバーの一人ひとりが重い 過去を背負っている」という事情の鬱描写の比重が高すぎて、微妙に楽しくない作品になった。
     『狂乱家族日記』の原作も鬱展開なので仕方ないと思うが、どうも本当は「泣きドラマ」 にギャグの皮をかぶせた作品だったようで。ただ、人気が出て続編を大量生産する 営業戦略のゆえに、どこまで行っても「鬱」の根本の解決エピソードが無く、 中途半端に引きずりっぱなし…ということに、原作を5巻ほど読んで気がついた。
     実に達成感の無いことよ。

     『とある魔術の禁書目録』は、設定が面白い。
     ただ、超能力は科学的に解明されてスプーン曲げくらいは勉強すれば誰にでも出来る世界だが、 才能の違いは超えられない、という設定なのに対して、魔術は「技術」で、必要な手順を踏めば 誰にでも使えるし、手順を逆に当てはめて無効化することも可能という設定。
     よく考えると「科学(超能力)」も「魔術」も、どちらも学べば手に入るもので、 超自然的なものではないということになる。むしろ魔術の方がより「工学」的。
     結局「魔術」の方は「手に入れたら世界征服できる」という、威力の違いに 尽きると思う。
     とすると、「科学(超能力)」の学園都市に暮らす主人公は、自動車生産が得意な日本人で、 「魔術」の国の住人は、原子爆弾を作る能力のある諸外国みたいな位置づけ。つまり、 日本人が世界のスパイ合戦に巻き込まれた…みたいなシチュエーションに置き換えられる ようなのだ。

     『鉄のラインバレル』は相変わらず主人公が痛い。毎週主人公に対して 「あなた最低です」と言っている「城崎 絵美」の中の人が「能登麻美子」 なので、一年後ケロロ軍曹でモアちゃんが「おじさま、最低です!」とか 言ってくれることに期待している(^^;

     『のだめ巴里編』
     第二話で指揮コンクールが終わったけれど、三次、二次審査をやって、一時審査を 映像化しなかったのは手抜きっぽい。
     最初の日本編冒頭では「世界一動かないアニメ」だと驚いたが、 今回は恐らくモーションキャプチャ技術を用いて、演奏シーンでもオーケストラの メンバー一人ひとりまで動きまくりなのに、肝心の指揮者のアクションが曲と合って いないというか、「ジャンプの滞空時間まで計算されている」とか台詞では言いながら 曲と絵がまったく関係ないのは無神経。
     このエピソードでは「ドラマ版」ではとても良かったのに。
     結局アニメスタッフにクラシックに対する愛も知識も無いな。

     『キャシャーンSins』
     何の記憶も無く廃墟の世界に目覚めた第一話から、着実に一歩一歩エピソードを積み上げている。
     暗くて重い世界だけれど、なぜか吸引力がある。

     『ガンダム00』
     こちらも、着実に展開中。第3回で4機のガンダムとパイロットが勢ぞろい。
     ここからは世界情勢が徐々に見えてくるのかな?
     ストーリーもさることながら、戦闘シーンの描写が格段に迫力を増したことが 今回の特徴だろう。より主観的に視点が変わってスピード感が増した。メカのデザインも なんだかガンダムらしくなかった前作と変えて、それと同系統の機体なのに 明らかに従来的な意味でガンダムらしさを増している。
     ストーリーと演出とメカ。全てが練りこまれていることに感心する。

  • 文庫「マクロスフロンティア」 Vol.2 ブレイク・ダウン (角川スニーカー文庫 206-2)
     そういえば、先日マクロスのノベライズも読んだのだった。
     アニメではほとんど話題にならなかったアルトの「芸」の話がたっぷり出てきて面白かったが、 難しく感じる人も居るかもね。
2008.10.20
  • ケロロ軍曹#234「字幕で侵略&ハウツー本で侵略」
     前回の次回予告でケロロ本人が、このところ水着だ祭りだetc.ですっかり忘れていたと言っていた、 久しぶりの「侵略」話。「オチ」がペコポンとペコポソの見間違いという、いままでも使ったことのある ベタにネタなのがまた良い味(笑)
     テロップの話には「ニコニコ動画」そのもののネタも使われて、ファン層を的確につかんでいる感じだ。
     そんなことより、エンディング背景の一枚絵に、小雪&夏美のやたらハイレグ&セクシーな 宇宙服(?)のイラストが「これは何だ!」と我が家的に話題になったが、調べてみると、 「しずるな」という萌え絵イラストレーターのHPに「10/18放送のケロロのEDイラスト描きました。 版権イラストの仕事は受注してないのですが、近藤監督にはいろいろお世話になっているし楽しそう だったので引き受けました。」と。
     最近のケロロのEDイラストは色っぽすぎてドキドキもの(^^;
  • 冬樹の声が「川上とも子」から「桑島法子」に
     10月放送ぶんから「川上とも子」さんが病気療養で交代しているが、最初はまったく気がつかなかった。
     どちらも好きな声優さんだが、桑島さんはよく真似ている、というか、職人だ。
     ここまで冬樹の出番は少なかったけれど、次回は冬樹メインの話。
     うまくいくと良いですなぁ。
     ちなみに、病気療養は三ヶ月の予定という噂を聞いた。
2008.10.19
  • 演奏会「三善晃75歳お祝い演奏会」2日目(東京オペラシティ・コンサートホール@初台)
     1日目は室内楽、2日目は合唱曲、というプログラムで、友人たちが出演するので 妻に連れられ聴きに行く。
     お祝い演奏会だけあって最大で、一般合唱団350人、児童合唱団150人(くらい?)という物凄い数の 最後の二曲は大迫力だった。
     あとで聴いたら、舞台袖の録音屋さんも頭を抱えるほどの大音響だったらしい(笑)
     まあ、児童合唱団がおおかったり、招待客が多いと、会場でひっきりなしにチラシの 束を落とす音(バサ子さん)が響いたり、いわゆるコンサート慣れしていない雰囲気が 落ち着かなかったり するのだけれど、一種のイベントだと思えば、まあ、そんな雰囲気もあり。CDの録音にも 残ってしまうという自覚は薄いんだろうけれど。
     ちなみに、一日目を聴いた友人に聞いたら「室内楽を聴きにきた客層は、合唱とは ぜんぜん違って一段と濃厚な雰囲気だった」と言っていた。
     いや〜、まったく想像通りの光景ですね。どちらかというと私も一日目を聴きたかったと 思うのだが(笑)
     終演は三善先生が車椅子で退場していくまで絶え間ない拍手の嵐。
     暖かく敬意あふれる雰囲気で、いい演奏会だったと思う。
  • 新宿トロ函
     演奏の後、初台のコンサートのあとはいつものことだが、
     「日曜に開いている良い店は少ない」ということで、新しい店を開拓する。
     とりあえず「思いで横丁」を偵察してみると、半分くらいの店はしまっていて、 開いているのは焼鳥、もつ焼きとラーメン屋ばかりだったのだが、線路側に 「新宿トロ函」という、海鮮系の焼き物の店があったので、入ってみる。
     市場風にしつらえた内装はまだまだ新しくて、オープン一年未満?という感じだが、 壁際の狭いカウンター席にはまりこむと、案外落ち着いて悪くない。
     貝焼き(ホタテ、はまぐり、さざえ)、マグロのカマ焼きをまず頼んだが、 これが結構旨い。
     自分で焼くのだけれど、大物は店員さんが目配りしていて裏返したり、 ハマグリを開いたり、面倒見てくれて安心だ。
     値段もほどほどで、日本酒が一種類しかないことと、ひたすら煙だらけ なのを除けば友達に紹介しても楽しんでもらえそう。内装も雰囲気ある。
     それが証拠に、接待されているらしき外人客が相当数居て、 それぞれに楽しんでいるようだった。
     まあ、基本的にはこういう内装に凝った店は信用していないのだが、 ここは若い店員も元気が良くて悪くない。見た目は「渋谷で遊んだ帰りにバイトに入った」 みたいな雰囲気で、すごく違和感はあるのだけれど。あ、しかし我々の席には ベテランおかみさん風の店員さんが面倒見てくれたけど(笑)
2008.10.18
  • 演奏会「N響定期公演10月Cプログラム」(NHKホール@渋谷)
    • ショスタコーヴィッチ/チェロ協奏曲第1番
    • メンデルスゾーン/交響曲第3番「スコットランド」
     N響のブックレットにメンデルスゾーンの交響曲成立にまつわる詳しい解説があって、 これがなかなか興味深かった。メンデルスゾーンは非常に裕福な家庭の出身なのだが、 彼が20歳の頃はヨーロッパに最初の「観光ブーム」が来ていて、しかも裕福な階層の 子供たちは社会に出る前に「社会見学の旅」に出ることが流行していたそうな。
     そして、ヨーロッパには「スコットランド観光ブーム」が来ていた。
     そんなわけで、二十歳になったメンデルスゾーンは、イギリスに教養旅行に出て、 徒歩やら駅伝馬車やらでゆっくりイングランド〜スコットランド縦断をした。
     当時のスコットランドは観光化され始めた時代だったそうだが、人一人居ない 荒野を放浪する気分も味わえて、さぞかしファンタジックだったことだろう。
     そしてメンデルスゾーンは「メアリー女王」が暮らした城を訪れ、居城はかなり 観光地になっていたらしいのだが、隣の崩壊したままの聖堂なんかを見て、 「はた」と交響曲の冒頭の旋律を思いついたのだという。
     …私は「シェイクスピア」の史劇や映画『エリザベス』『恋におちたシェイクスピア』などの イギリスの歴史を描いた映画を見て、その周辺の歴史に興味を持っている。 さらに、イギリス〜スコットランドには「謎の巨石文明」…ストーン・ヘンジとか、 キリスト教以前のさらに古い時代の遺跡とか神話も多くて、トールキン教授の 出現を待つまでも無く、メンデルスゾーンの時代にはすでに、ヨーロッパの中の 歴史とファンタジーの国として観光化が進んでいたのが面白い。
     現代の我々がイメージするのと、大きくは違わない感覚を、当時の若者たちも 感じていたんだろう。と思うとなんだか親しみがわく。
     その思いついた曲を、1829年に書きとめ1943年にようやく完成した、というのがまた 猛烈に悠長な話だが、第一楽章は、なんだか生活にゆとりのある戦わないベートーヴェン みたいな曲だな… なんて思ったけれど、じっくり聴き進むとだんだん、ぼっちゃまの趣味の雰囲気から 新しい芸術性を感じるようなところもあり、ゆっくり熟成させただけの面白さはあると 感じた。
     通常ロマン派音楽は完全スルーの私だが、確かに面白かった。
  • N響のベースから2名が定年退団
     通常最後の演奏会には可愛い女性団員が花束を渡して慰労する慣わしだが、 花束のほかに一升瓶(三本も)を抱えた男性たちがぞろぞろ出てきて意表をつかれた(笑)
     確かに「ベース・パート」には女性奏者がいないので、後輩たちもまた男。
     男所帯のベースもまた、ちょっと楽しそうだなという雰囲気が伝わって良かった。
  • 「魚真」
     なにかの本でほめられていたのを見て演奏会帰りにのぞいて見たが、 5時半頃というのにすでに満席。出足が早い。甘かった(笑)
     魚中心でちょっと高級な感じの店だが、チェーン店の安い居酒屋の多い渋谷の中で 異色なだけに、大人向けのデート需要があるのかな。
     ホテル街に程近いロケーションだけに、早めの食事タイムの需要が高いのかもと 邪推しつつ、我々は行き慣れた店に落ち着きダラダラ過ごしたのであった(^^;;
2008.10.16
  • 秋の周回遅れアニメ
     10月11日以降開始のアニメは「周回遅れ」という感じで、EPGのお勧めにしたがって ざっと見てはいるが、全体にマニアックで低予算の匂いがして面白くなかった。
     考えてみると、放送時間のバッティングや予約数の関係で、遅く始まるアニメは最初から 不利ではないか?つまり、条件が悪いことを承知で、そもそも予算をかけていない可能性も あるのかな…。
     まあ、とんでもない深夜に放送している番組が多いので、数が多くても アニメ以外の番組とバッティングすることはほとんど無いのだけれど。
     逆に、「ドラマ」は2週目くらいから開始の番組が多いし、21時台は色々重複しがち。
     視聴率がほしいなら、満遍なくバラした方がいいのではないかなぁ、どうせ録画で見るのだし。
    てことで
  • 「キャシャーンSins」 (2)
     第2話、フレンダー登場。よし。
     第1話はあまりにも謎が多くて内容より絵柄に注目していた感じだが、だんだん面白くなってくる。
     永遠の命を持つロボットに寿命がやってくる。その恐怖に耐えかねて狂ったロボットがキャシャーンを襲う。
     結局これは「ロボットに仮託して人間を語る」というアニメの王道のストーリー展開なのではないか。
     あらためて「絵」の技術もすばらしい。
     TVだと他の作品との違いが分かりにくいけれど、大画面でじっくり見ると、 コンピュータで作画していると思われるのに「セル画」の質感…セルロイドの裏面からアニメカラー で彩色した濃密なトロ味…が表現されている。
     こんなのは初めて。他の作品はトレスした線にジャギーが出ないよう、単にぼかしを入れて ボケボケになり過ぎているものが多いのに、キャシャーンのコンピュータ使いは新境地に達している。
  • 『かみちゅ!』(1)
     まったく普通の中学生の女の子がある日突然「神様」になる話。
     …これは再放送。本放送は2,3話しか見た覚えが無いが…。
     全12話だが、それにしても初回の展開は速かった。なにしろ主人公が 昼休みに弁当食べながら「あたし昨夜神様になっちゃったの」というのが第一声。
     普通「神様になったエピソード」くらい付けるだろう。あまりの唐突さに、 これは第二話か?と思った(^^;
     神様になった自覚はあるのだが「何の神様」なのかが本人にも分からない。
     一神教ならば神様は「全知全能」だが、八百万の神の一人になったのなら、 確かに中には自覚の無い神様がいるかもね。というのが日本的で宜しい。
     そういうわけで、親友と神社の娘の二人が協力して「何の神様か」を調べようとするが、 「風の強い日に屋上で告白すると恋がかなう」とかいう流れで、それじゃあ「風を吹かせてみるか?」 ということになる。
     適当に考えたキメ台詞、「神様で中学生=かみちゅ」を叫んでみるが、何もおきない。
     …ところが、その霊力は天高く舞い上がり遠く離れた太平洋の真ん中に影響して、 超小型だが強力な台風として主人公の中学の屋上めがけて上陸してきた。
     荒れ狂う台風の中、屋上にたどり着き何とか台風を鎮めることに成功した主人公。
     疲れ果てて眠り、目が覚めると大遅刻。
     町中が台風の後始末をしている中、登校すると、町全体に彼女が神様になったことが 知れ渡っており、暖かく受け入れられる。

     ということで、たった一話の中で、突然神様になって、町全体がそれを当たり 前のように受け入れるという、普通ならこれで10話位作れるだろぅって超速脚本だ。
     次回以降も楽しみだなぁ。

2008.10.15
  • 神尾真由子のドキュメンタリー
     彼女の演奏会を聞いた直後、都合よくドキュメンタリーの放送。やるね。NHK
     チャイコフスキーコンクール優勝凱旋コンサートツアーに同行した一ヶ月の記録という内容だが、 彼女の言葉の端々から、先日のコンサートの音が納得させられる。
     しかしTVの放送だと「美しく」収録してしまうので、彼女の言う 「これ以上は不快に感じるというギリギリ手前の激しい音」というのは 生の演奏会会場で聴かないと伝わりにくい。
     「ほかの演奏、聴かないんです」という発言も、ものすごく納得だ。
     確かにそれなら過去の名演と似たところが無いのも当然かもしれない。
2008.10.14
  • 秋アニメ感想(2週目&後続のアニメ)
  • 「狂乱家族日記」最終回
     やっと終わった。長かった(笑)
     第一話がとても面白かったので原作小説まで何冊か買ったが、アニメ的には尻すぼんだ。
  • 「鉄のラインバレル」(2)
     いやいやいや、アニメ至上最低最悪な主人公が爆走している(笑)
     次回予告のきめ台詞が「あなた、最低です!」だから、そこが狙いなんだろう。
     しかし、映画なら一本の中で「最悪な主人公が嫌われて成長して…」という 流れを見せることが出来るが、TVアニメだと途中で観客が離れる危険が高い。
     私だって脱落しそうだ。TVアニメじゃきつい。

     
  • 「ケメコデラックス!」(2)
     妹登場。ダメな兄に出来た妹という定番配置だ。
     来週はもっと登場人物が増えるらしいが…
2008.10.13 [体育の日]
  • 『から騒ぎ』〜蜷川幸雄/彩の国さいたま芸術劇場“オールメールシリーズ”
    主なキャスト
    • ベネディック(小出恵介):パデュアの若い貴族
    • クローディオ(長谷川博己):フローレンスの若い貴族
    • ドン・ペドロ(吉田鋼太郎):アラゴンの領主
    • レオナート(瑳川哲朗):メシーナの知事
    • ヒアロー(月川悠貴):レオナートの娘
    • ビアトリス(高橋一生):レオナートの姪
     「蜷川x彩の国x男だけ」の第4弾は『から騒ぎ』
     主役の小出恵介(ベネディック)はなんとこれが初舞台。
     蜷川が小栗(旬)に用事があって映画(『キサラギ』07年)の撮影現場に 行った時、たまたまスタジオに居た小出くんの明るさと伸びやかさが印象に 残って、彼に合う作品は何だろうと考えた時に、『から騒ぎ』ならイケるな!と思いつ いたんだそうだ。
     でもそれはキャラクター的な印象だけで、彼が舞台未経験というのは知らなかったという。
     う〜ん、未知数(^^;;;
     しかしそもそも、“オールメールシリーズ”というのは、蜷川的には わざわざ埼玉まで来てくれるお客さんに(キャスティング的な意味で)サプライズを 演出するというのが第一にあるようで、 だから、あえて、わざわざ、旬の若手人気俳優をガンガン投入しているらしい。
     おかげでチケットがとりにくいのだが、成功ではあるなぁ(^^;;
     シェイクスピア劇は、当然だが台詞が多い。
     『ケネス・ブラナーの映画版「から騒ぎ」』(のベネディック)の軽妙さには 感動したが、そういう最上級のキレのある台詞芝居と比較すると、ベネディックの 「小出恵介」は初の舞台と言うだけのことはあって物足りない。
     蜷川氏は「それより人間的に 明るいか暗いかというのが重要だね。もって生まれた“明るさ”や人に対する振る舞い方の 良さというのかな。それが彼には備わってると思ったんだ」…とインタビューで答えているが、 いや〜、キャラクターの明るさは確かに感じるが、台詞がポンポンポンと伝わる 「音楽的」とも言うべき「快」はちょっと未熟。
     まったくの素人を育てる快感というものが蜷川本人にはあるのだと思うが、 一度限りの客としては、「もうちょっと育ったところを見たいぞ」と。
     ベネディックに対するビアトリス「高橋一生」は、舞台・映画・ドラマで活躍している人。
     見たことのあるところだと映画「スウィングガールズ」(矢口史靖監督)に出演していたそうだが、 これがたいそう「美形」である。
     蜷川舞台の常連「月川悠貴」(ヒアロー)も美形だが、高橋も黙って舞台立っていると、 女にしか見えない。
     女性の居ないこの舞台で、メインの二人の女形がハイレベルだというだけで、まあ 成功は約束されているといっていいくらい。なんだか凄いなぁと感心しているうちに 三時間経つくらい凄い(笑)
     喜劇としては「警吏」の「言い間違い」も重要な要素だが、これはあまり 爽快感が無く、あえて言えばくどくてウザイくらいにも感じた。
     「もしかして天才なのではないか」と疑うほど「鮮やかな馬鹿」であれば、 一味違う舞台になるのに。
     「井出らっきょ」が本人の持ちギャグで出演していたが、これも、 些かクドイくらいで、面白いとは思わなかった。
     兄(ドン・ペドロ(吉田鋼太郎))を陥れようとする義理の弟(ドン・ジョン)と その従者たちは、 この警吏と部下たちに「陰謀」を立ち聞きされ捕まるわけだが、警吏たちが ただの馬鹿に見えては、やけに素直に観念してしまったように見える。
     馬鹿の向こう側に得体の知れないキレが覗いて見えるような「紙一重」的な 迫力があってこそ、悪党が思わず観念する、その説得力が出ると思う。
     …というわけで、主に美貌の出演者が素晴らしかったこの舞台だが、 ベネディックとビアトリスに恋のわなを仕掛ける謀議を立ち聞きする シーンの「ギャグ演出」は笑えた。
     やっぱり、喜劇は良い。
2008.10.12
  • GPC第34回定期演奏会(北とぴあ(王子))
     久しぶりの王子。遠い(^^; でも結構満席。たいしたことだ。
     なんか、普通の演奏会だった。選曲が。
     ふつうなら、「タリスの40声」が目玉になるんだろうが、珍しくオルガンとファゴットの 通奏低音が付いたのが面白い。でも、伴奏があると安心して聴ける分、この曲の異様な 迫力と緊張感はぐっと無くなる。と思った。
     「大変に珍しい曲」と解説されていたけれど、イベント的に目玉になりやすいためか、 生で2,3度聴いたこともあるわけだが、過去の最良の演奏と比較したら、いまいち凝縮感が薄い。 音程ですかねぇ。あるいは「入り」の度胸とか。
     それはそれとして、前半の演奏の「弱音」の融け具合なんかは、なかなか 西洋の上手い合唱団に引けをとらない感じ、安心感もあり、でも、少人数で指揮の 無い曲はもう一つピリッとしない感じもあり、まあ、色々ってこと。
     複数の指揮者で、細かい曲をいくつもやるっていうスタイルが、もしかしたら 得意じゃないのかという感じも、しないでもない?大きな曲をがつんとやる演奏と 気合の差を感じるというか。
  • そういうわけで、最後に印象に残ったのは、トランペットを演奏していた女の子が 異常に可愛いことだった。最近の萌えアニメのキャラクターから非現実的な胸を訂正した くらいのスタイルと可愛さ(笑)
     女子トランペットに対しては男顔負けに筋肉逞しいタイプという先入観を、高校生の頃から 抱いていたので、衝撃的でございました(^^;;
  • F1日本GP TV観戦
     スタート直後、出遅れたハミルトンが1コーナーでムリに突っ込んだために膨らみ、 好スタートしたマッサと後続の数台を巻き添えにしてコースアウト。
     その後、逆にマッサがハミルトンに接触する場面もあり、互いにペナルティーを くらって沈む展開。
     ポイント争いであせる二人が、二人で足を引っ張り合い自滅したレースだった。
     その隙にアロンソが手堅くきっちり優勝したのは、ファンとして喜ばしい。満足。
     それにしても、前半は焦ったアロンソが無理なオーバーテイクの試みでロスを重ねて 勝てないという展開が多かったが、ここのところハミルトンが乱暴な運転で周囲に 迷惑をかけるケースが多いような気がする。
     ポール・トゥ・ウィンの試合はそもそも他車と絡まないので気にならないが、 一旦後ろに付くと危なくって仕方ないという印象が強い。やっぱりクリーンなドライブを しないと好きになれないな。ステージ・パパの存在もちょっと違和感がある。
2008.10.11
  • 厳選洋食「さくらい」(湯島3-40-7)
     今日は上野で妻と待ち合わせて、博物館とコンサート。そのまえに食事を、ということで 「おとなの週末」で良い点のついていたこの店に行ってみた。
     ランチメニューは2〜3全円程度のセットが色々あり、それにグラスワイン(800円前後)を 付けてもまずまずコスト・パフォーマンスは良い印象。
     今回は「ハンバーグとクリームコロッケのセット」と「ロールキャベツのセット」を注文。
     ロールキャベツは酸味の利いたトマトソースで普通に旨い。
     ハンバーグは濃厚で真っ黒なデミグラソース。ロールキャベツは「うちでこの味が出せたらいいなぁ」 と思うような味だが、デミグラソースは「うちじゃ絶対ムリ」という味。色合いにふさわしく ほろ苦さもありながらとにかく複雑濃厚。
     せっとのクリームコロッケには「トマトソース」と「ウスターソース」の二つのソースが 別添えで付いて、このトマトソースが軽く爽やかな味わいで、ほとんど「トマトスープ」として 飲み干したい味。いやいや、旨かった。
     もちろん、ハンバーグとコロッケ本体の味もさすがだと思うけれど、ソースの味は プロだな〜と頷くばかり。
     全体ではロールキャベツの印象の方が薄くなってしまった感じだが、まあ、 値段がちがって、値段なりに感動に差がついた感じかな(笑)
     昼の上野で洋食屋に入ったことは何度かあるけれど、次の機会があれば、またこの店に 行くでしょう。一度だけじゃ絶対もったいない。
  • 「菌類のふしぎ展」(国立科学博物館(上野))
     展示内容はほぼ「きのこ展」という感じなのだが、漫画「もやしもん」と協賛して、 作者のイラストや、海洋堂フィギュアで装飾しまくりの「萌え菌展」。
     しかも、会場のあちこちにもやしもん作者の直筆イラストが落書きしてあり、 「みんなで隠しイラストを探そう」みたいな楽しいことになっていた。
     きのこの他にも、麹菌など役に立つ菌の展示もあったのだが、何しろ 菌そのもの、現物はふつう「見えない」ので、展示でも影が薄くって、 一面にキノコの標本が生えていた記憶しかないな(笑)
     最後に売店で「もやしもん」グッズを買い込み満足な展示会ではあった(^^)
  • 「神尾真由子・N響ロマンティックコンサート」(サントリーホール)
     2007年チャイコフスキーコンクールで他を圧倒しての一位を獲得したとかで、 去年BSでドキュメンタリー番組も見たことのある「神尾真由子」が、プロコフィエフの コンチェルトをやるというので、普段あまりオケの演奏会に行かない妻にも勧めて聴き に行った。
    演目は
    • プロコフィエフ/ヴァイオリン協奏曲第2番
    • ショスタコーヴィチ/交響曲第5番
    • (アンコール)プロコフィエフ/古典交響曲(一楽章の一部)
     妻が取った席が一階ど真ん中(前寄り)という、ヴァイオリン・コンチェルトを聴くには なかなか良い席だったので、協奏曲は非常に楽しめた。
     神尾真由子の使用楽器は、サントリーの財団が貸与しているストラディバリウスと聞くが、 彼女の演奏はそういう古い逸品の楽器を使っているとか、そういう問題ではなくて、 とてつもないパワーでバリバリ。楽器が砕けるんじゃないかと思うほど(^^;
     プロコフィエフの2番は聴き込んでいる曲で、CDなら7,8枚、生でも相当回数聴いた ことがある曲だが、彼女の演奏は古今のいかなる「名演」からもかけ離れている。
     これだけの有名曲で数多くの「定番」が存在する作品でありながら、これほど 独創的な演奏をするのは、意表を突かれることだ。
     神尾の演奏は一言で言えば、限りなく激しい。
     定番的には静かに流すような部分でも搾り出すような厳しい音だ。
     音量的にも精神的にも、オーケストラを常に支配するような激しさが 一分の隙も無く続く演奏は常識に当てはめればあまりに荒々しすぎるとも思うのだが、 若さゆえの情熱のほとばしりとも言える気迫にも溢れていて、常識を情熱が焼き尽くしたような、 そんな演奏であった。
     「ショスタコーヴィチ/交響曲第5番」は、コンサートのタイトルが 「ロマンティック・コンサート」だと思えばちょっと厳しい曲だ。なにしろ、 コンチェルトがバリバリに厳しい音だったので、なんだかどこもロマンティック じゃない演奏会のような気がする(笑)
     N響の演奏はまあ、普通に大迫力でよかったけれど、一階真ん中という協奏曲の良い席だと、 目の前の弦楽器が直接届くのに比べて、管楽器は天井経由で遠くから来る感じで、 「この曲」には向かない気がした。反響板の無いサントリーホールの個性ともいえるか。
     アンコールは、プロコフィエフの古典交響曲の一部分。これは、ロマンティックコンサート の名に恥じないチャーミングな選曲で、「なかなかやるな!」とファンを喜ばせてくれた。
     ハイドンっぽい明快な曲調だけれど実はプロコフィエフ。ってところが、今日の演奏会の 流れにベストマッチということで。
  • 「地鶏屋」(新橋4-6-8 ムラコービル1F)
     サントリーホールって周りに使える店が無い。
     もちろん向かいのホテルの中に高級店はあるのだが、 「サントリーホールにコンサートを聴きに行くのが一生に何回しかなくって勝負デートだ!」 っていう人じゃないので、そうそう行かないです。
     というわけで、「虎ノ門」方面に歩いてみたら、地酒で有名な「鈴傳」にずばり行き当たったんだけれど、 「土日定休」…泣
     しょうがないので、さらに歩いて新橋に。歩け歩け。
     新橋は飲み屋だらけの街ゆえ、逆に「これ」という店をあまり知らないのだが、 最近「dancyuに紹介されていた焼鳥店」をいくつかメモしてあったので、行ってみる。
     飲み屋街のはずれに位置することもあってか、ずいぶん庶民的なつくりで、 品書きも良い感じだったのだが、土曜の遅い時間のためか、思い切り品切れが多く、 なんとも評価できないかんじ?
     ともあれ、種類が無い中でも焼き物はまあまあ旨かった。
     しかし一番インパクトがあったのは、お通しの「鳥モツ煮」
     半分くらいレバーでボソボソしているので、食べても食べても無くならない。 これ一鉢でチューハイ一杯飲んでまだまだ無くならないくらいに手ごわい(笑)
     レバーが苦手な妻は、ほとんど泣きそうだった(嘘だけど^^;)
  • 帰宅してからこの店が紹介されていたdancyuを再度見直した
     うおぉ〜これは、スーパードライのタイアップ広告ページじゃね〜か!
     どおりで、他の特集ページで紹介されていた店とレベルが違いすぎると思った。
     まあ「広告タイアップの店」のレベルと本物の記事になる店との落差が 確認できてよかった。
     妻の評価は2.5、私の評価は2.8くらい。
     普通の記事に乗っている店に行くと最低でも3.5〜になる。
    ※ちなみに、
    ★5:大絶賛・秘密にしたいほど,★4:絶賛・電車賃をかけても行く,★3:良・近所に行ったら入って良し, ★2:ほかに無ければ我慢する,★1:二度と行かない。付き合いなら止める。帰る。
    こんな感じね。
    まあ、妻の評価はお通しによるダメージが加算されていると思うが(笑)
2008.10.8
  • BShi『華麗なるメトロポリタンオペラ』シリーズ
     METの公演にハイビジョンカメラを入れて世界に配信するという企画なのだが、今週は 五夜連続放送。毎晩3時間近いオペラが放送されるのに付いていくのは大変だ(笑)
     さいうことで、今夜はヴェルディの「マクベス」
     歌劇『マクベス』は、原作をあのシェイクスピアのマクベスから取っているのだけれど、 内容は思い切り「イタリア・オペラ」で、ストレート・プレイで演じられる重くてドロドロした あの感じとはかなり遠い。
     初めて聞いた曲に、かなりぶっ飛んだ、ひっくり返ったが、全4楽章の最初の楽章を聞き 終えたあたりでなんだか慣れた(笑)
     演出は、時代設定はほとんど現代になっていて、武器が拳銃やマシンガンだったりするのは よくあるアレンジで、それほど逸脱しているわけではない。音楽が思い切りイタリアなので、 何百年も前のイギリスの王様そのものが出てきたら帰って不自然だったのかもしれないと 思われるので、そこは悪くない。
     オペラ的には、「マクベスの妻」が原作よりも表に出ていて、各幕にたっぷりとアリアが 用意されている。最後に気が狂って死ぬというストーリーが「イタオペ」歌手にとって 見せ場の「狂乱の場」として、相性がいいのかもしれない。
     とはいえ、原作からして不自然だと思うのだが、夫に君主殺しを進める悪の黒幕が、 終盤で突然狂い死ぬのが、違和感があるのだな。
     リアルな芝居なら、マクベス本人が狂うべきだと思うのだが。
     ともあれ、夫人の「狂乱の場」の後にはマクベスの長いアリアもある。
     ストレート・プレイなら、敵軍が攻めてくるドサクサの中で夫人は死んでしまうので、 やっぱりこういう構造はオペラ的だ。
     イタリア人とイギリス人の「王権」感覚の違いも、微妙に脚本の改変に織り込まれて いるような気はした。
     まあ、興味深い作品ではあった。そこは間違いない。
  • BDZ-X90バージョン・アップ
     購入後ほぼ毎月放送波アップデートを重ねているSONYのBDレコーダー。9月は何事も無かった (新機種開発で忙しかった?)ようだが、10月は久しぶりにアップデートがあった。
     我が家では使っていない「お出かけ転送」関係の更新のほかに「その他の改善」とあるのが、 気になるが、メーカー発表はあくまでその他扱いなので中身は不明。
     少しでも安定動作してくれると嬉しいのだが、新機種が出た後までフォローしてくれているのは 感心だ。まあ、これが最後なのかもしれないけれど。
  • 秋アニメ・初回感想(3)
    10/8(水)NTV ×「魍魎のはこ」
     まあ「伝奇モノ」ってやつ。
     ハイビジョンで大人っぽく綺麗な絵なのだが、それは止め絵の美しさで、作画枚数が少ない(^^;
     何しろ会話シーンばっかり。止め絵、口パク、リピート。CG使いが上手くてブラーを使うことで、 動画の雰囲気を出したりしているけれど。
     原作が人気小説なのかもしれないけれど、アニメに向かないネタだということは言えると思う。
     淡々と続く会話。これを物凄い実力のある役者が演じる舞台なら面白いかもしれない。あるいは「朗読劇」でもいい。
     でもアニメじゃな…
2008.10.5
  • 秋アニメ・初回感想(2)
  • 10/4(土)1:30am- MX ●「あかね色に染まる坂」
    一行解説→「謎の美少女転校生はツンデレな許婚だった」
     OPは空挺部隊による大統領救出作戦らしき映像が流れる。が本編に入ると100%学園もの。
     …あのOPはいったい何だ…と思いつつ見る。
     主人公は、面倒見の良い母みたいな妹と二人暮らしをしている普通の男子高校生。
     新学期。通りがかりの少女が不良学生に絡まれていたのを助け、名前も告げずに立ち去る主人公。 帰ってから「しまった、カッコつけずに名前くらい聞いておけば…」と後悔したけれど、 翌日登校すると、その少女が転校生としてやってきた!
     というのは王道のオープニング。
     ところが、いきなり知り合いになっている二人の仲が教室で大騒動になり、困っている少女に、 「男はここ一番でイニシアチブを取ることが大切だ」と友人から余計なアドバイスを受けた主人公が、 クラスのど真ん中でキスしたものだから「勘違い男」として非難ごうごう(自業自得)状態。
     帰宅してからも妹に説教されていたところに、尋ねてきた人。
     それはあの転校生。まだまだ怒っている彼女の口から「不本意」そうに出た言葉は、 「私はあなたの許婚です」
     …という意外な展開だが、さらにラストにどこかに通信を送る謎の少女も登場。
     このままではまったくどういうことか分からないのだが、エンディングのクレジット (登場人物の名前)を見ると、 どうやら冒頭の戦闘シーンで人質救出をしていた軍人が主人公の父親、救出された要人が 転校生の父親で、親同士の友情から子供を「許婚」とした設定らしい。
     ただのラブコメと思いきや、山ほど秘密がありそうな前振りがgoodである。テンポも軽快。
  • 10/4(土)1:55am- TBS△「黒執事」
    一行解説→「少年貴族に仕える美形のスーパー執事とダメダメ使用人たちの黒バラエティ」
     謎めいた洋館に住む眼帯の少年と、若きスーパー執事、ダメダメなその他使用人(男女&老人)。
     第一話では、出資金詐欺をもくろむ男が少年主人を訪問。
     完璧な接待を用意した執事の仕事を、直前にダメダメ使用人の善意の手出しが台無しにするが、 執事の機転で切り抜ける。そして、詐欺師は少年に見抜かれてあえない最期を遂げる。
     コメディとして、腐女子ターゲットだろうがまあまあ面白かった。
     しかし初回のネタは「黒執事」というほどダークではないし、英国貴族風のきらびやかさ を売りにするならば実写ドラマでお金をかけるか、夏のノイタミナ枠の『アンティーク』 のスタッフがやるか、いずれにしても予算不足か。
  • 10/4(土)2:25am- TBS●「鉄(くろがね)のラインバレル」
    一行解説→「虐められっ子、拾った巨大ロボットで暴れるが、実は死んでいるらしい」
     今期唯一の「巨大ロボット」もの。
     主人公の少年(高校生?)は、学校で毎日いじめに会いながら心の中では 「僕は正義の味方だ。いつか奇跡が起きて主人公になる日が来る」 と屈折した日々を送っている。
     その頃宇宙から大気圏に落ちてくる何かがあった。
     その物体は、軌道上で敵の攻撃を受け主人公の街に落下し、たまたまパシリにやらされていた 少年の真上に落ちて、かれは血まみれになる。
     少年の意識が戻ると、目の前には巨大ロボットと瓦礫の山。そしてなぜか全裸の美女。
     彼女は意識不明で、とりあえず自宅に連れ帰る、意識を取り戻した彼女には記憶が無い。
     その頃、落下したロボットの奪取を狙って、突然街に何台かの(ゲリラ兵?の操縦する)巨大ロボット が現れる。
     敵ロボットの攻撃で少年と美少女は危機に陥るが、突然少年に「岩をも砕く不思議パワー」 が顕現する。
     その時記憶を取り戻した美女が「この少年こそ、巨大ロボットを動かす資格を持つ者だ」 と確信し、彼を巨人のコックピットに導く。
     巨人は敵のロボットをやすやすと破壊する。
     突然手にした巨大な力に「これから僕がヒーローだ」と有頂天になる少年だが、 美女は「この先は無い。あなたはもう生きていない」と告げる。
     …てな話。
     虐められてヒーロー妄想にふける性格のゆがんだ主人公の手に、突然本物の「力」が 与えられ舞い上がって調子こいていたら「あなたはすでに死んでいる」と宣告された。
     という、異色のキャラ設定と急転直下の展開。ひねった脚本だ。
     巨人ロボットの落下に巻き込まれたときに主人公は死んでいて、 そこからは『鉄腕バーディー』あるいは『ウルトラマン』みたいに、何かが彼の中に入って 生き返らした設定だろうか。SFとは無縁の荒唐無稽な設定・展開だが、 虐めを受け入れヒーロー妄想に逃げ込む一方で親切な友人の助け舟にも反発するという、 主人公のゆがんだ性格が妙にリアルで、 とっても気になってしまった問題作、としておこう。
  • 10/4(土)10:30pm-MX ●「かんなぎ」
    一行解説→「美少女神様と同居生活」
     主人公の少年が美術の課題(?)で、少女の姿をした道祖神みたいな像を彫り上げる。
     学校に持っていくために自宅の庭に出したところ、突然もこもこと膨らみ、中から 美少女の姿をした神様が現れた。
     少年が木彫りに使ったのは近所の神社が区画整理で移転するために切り倒された 「御神木」で、これを依代に神様が降りてきたのだった。
     少女は御神木が切り倒された現場を見て不信心だと嘆くが、帰る場所が無くなってしまったために 少年の家に住み着くことになる。
     …という話。
     神社の木漏れ日の表現など、とにかく絵が綺麗。光の表現が巧み。
     神様が可愛い少女なのは、少年の彫刻の腕前がよかったからのようだが、 とにかく本体の御神木が失われたために神通力も弱体化しており、これから 魑魅魍魎が湧き出してご当地に災いをもたらすかもしれないというのに、 まことに心もとない状況。
     少年はもともと霊感が強いという設定だが、神様がムカデの形をした魍魎に取り付かれ たら自力では払えないのに、少年が素手で取り除いて何でもない、というくらい極弱。
     これからどんな同居生活が始まるのか分からないけれど、神様は始めてみるTVに興味を 持っていて、オープニングではアイドル歌手として歌い踊る絵があるので、 「人気を集めると霊力が高まる」みたいな論法で歌手デビューするのかもしれない。
     ともあれ、そのOP映像の踊りが大変よく出来ている。
     アニメで描かれたダンスシーンでも、もっともリアルでアイドルらしく可愛く 描けているものの一つといって良いと思う。
     これだけ絵の出来がいいのだから見る価値有り!
  • 10/05(日)17:00- TBS●「機動戦士ガンダム00 2nd Season」
     いまさら説明の必要も無いとは思うが、初回で1stシーズンで因縁のあった人物がずらり登場して 実時間で半年のお休みを意識させず、物語時間で4年の経過をしっかり感じさせる中身の濃い脚本。 これは上手い。これからの半年、すごく期待させる。
     最初の2,3話は、チームの再集結と、4年間彼らがどのように過ごしてきたか、世界の情勢が どう変わっているかを説明していくのだろうが、一話の脚本の密度で行けば「毎回がクライマックスだぜ」 という勢いで行くんじゃないか。
     期待している。
  • 10/05(日) ●「とある魔術の禁書録(インデックス)」
    一行解説→「超能力者の住む学園都市に禁じられた魔術の封印を守る少女が落ちてきた」
     とある学園都市。住民の8割が学生だが、さらに何割かが超能力者。でも主人公には これといった力は無い。…とおもったら実は「超能力を無効にする超能力」がある。
     つまり究極の傍観者(こういう設定、他でも見たような気はするけれど…)
     そんな彼のマンションのベランダに「魔法系少女」が降って来た。
     彼女の名前が「禁書録(インデックス)」
     彼女は10万冊の禁じられた魔法の書を悪の手から守っているというが、 その本は主人公の目には見えないので、彼はぜんぜん信用しない。少女は 「超能力が信じられて魔術が信じられないなんて」と憤るが…。
     …という話。
     以後主人公に絡んでくる超能力少女との三角関係とか、「禁書録」を狙う追っ手との 戦いとか続くのだろう。まあ「魔法系ラブコメ」だ。
     原作は人気ラノベだが、すでに16冊も刊行されているため「今さら乗れない」状態なので、 ちょっとアニメを見ても良いかなと思う。
  • 10/05(日) ●「キャシャーンSign」
     舞台は原作アニメの後の時代の荒廃した世界を描くようだ。真っ暗(^^;
     原作アニメも「アンドロ軍団」から人間の世界を守るためにたった一つの命を捨てて アンドロイドに生まれ変わった主人公なのに、人間からは「化け物」だの 「そっとしておいてくれ」だの言われて散々な運命だった。
     しかし、新作ではその人間たちも滅んだ世界で、ロボットたちも寿命が尽きて 死に絶えようとしている世界。彼らの間には「キャシャーンを食らえば不死になる」 という奇妙な噂が蔓延して、キャシャーンは次々とロボットたちに襲われる。
     …というわけで、絵柄も設定も真っ暗けだが、その中でキャシャーンの白いボディーと 緩急をつけたアクションが印象的だ。
     最後までまったく救いは無いかもしれないけれど、緊張感は高いのでストーリー展開しだいでは 記憶に残る名作になってくれるかも。
2008.10.4
  • 勝沼ぶどう祭り
     久しぶりに行ってみた。いきなり中央線の車両故障で特急が30分遅れでやられたが、 午後1:00過ぎに勝沼駅にとうちゃく。100円の送迎バスで会場に行く。
     市民グラウンドらしき会場にはイベントステージもあるのだが、基本的に目的は 各メーカーの試飲コーナーを回ること。500円でグラスを買って参加するのだが、 今年はグラスに識別シールが張ってあった。たぶん、前の年のグラスを持参して無料で 試飲しようという人がたくさん居たんだろうなぁ(^^;
     試飲コーナーを設けているのは地元の醸造所、おそらく40件くらいあったのではないか。
     これを妻と二人で、各店、赤白一杯ずつのペースで試飲。一箇所当たりはほんの一口 だけれど、合計すればグラスワイン4,5杯以上にはなっていると思われるが、今年は「全店制覇」した(笑)
     試飲に出ているのは1,000〜2,000円程度のワインが主だが、高いワインほど試飲の 量も少ない気がする。そんななかでも、大メーカー「メルシャン」は何故か ウルトラ太っ腹に、グラスに半分ほども注いでくれたおかげで、 「試飲は多ければ良いってもんじゃない」と思わせた。 いくら味が良くてもこれじゃ先に進めないから(^^;;
     メイン会場では食べ物の出店もたくさんあったけれど、3時頃には店じまいしてしまう ところも多くて、全部楽しみたい人は午前中に到着している必要はありそうだ。
     500円の試飲のほかに、「無料振る舞い酒」もあるのだが、そちらは長蛇の列。
     500円で無制限に試飲できるのに、無料だからといって長い列に並ぶのは、根気ありすぎだよ(^^;
     イベントとしては、「ぶどう早食い」「ぶどうの皮飛ばし」などをやっていた。
     小学生の部の飛距離は2〜3m程度だが、大人は最大9mくらい飛ばしているらしい。 ちょっと想像付かない飛距離である。いったい、どうやれば??
     試飲制覇の後は、近場の工場見学。
     これも遅い時間はもう「器具の洗浄」しかしていないが、たぶん昼ごろならば ぶどうを搾っているところが見物できるのだろう。次回の課題である。
  • 『イキガミ』の設定でSFしてみる
     映画を見ていないのだが、紹介番組を見ると、
     小学生のときに全児童に何かの注射をして、20歳前後になると1,000人に一人が死ぬ。
     という間引きを国家が実施している世界で、 「あなたは24時間以内に死にます」という告知書を配布する役人が、死ぬ人の葛藤を見る話。
     らしい。映画の目的は「観客を泣かす」こと。
     こういう世界で、期待通りに泣ける話が作れるだろうか。
     作品の中では、複数の対象者がさまざまな反応をするわけだが、「残された24時間を大切な人と精一杯生きよう」 みたいな人ばかりなら確かにこれは「泣ける話」になるだろう。
     『イキガミ』(逝き紙)というタイトルからしてこれは、日本に徴兵制のあった時代の「アカガミ(赤紙)」 をもじった発想が根底にあると思うが、戦時中の日本人が、本心はどうあれ表向きは万歳三唱で 送り出したのとは、そうとうメンタリティーが異なっているのは間違いない。
     戦時中は「アカガミ」が届いて逃げ出したりしたら一族郎党に迷惑がかかったろうし、 戦争となると「戦わないと家族が殺される」という設定もあった。だがコミニュケーション 不全な若者が多い今時は、ちょっとむしゃくしゃしただけで「家族」や「誰でも良い誰か」を 刺し殺す事件があちこちで起きる世の中だ。
     「24時間で絶対死にます」なんて告知をもらったら、思いっきり大勢を道連れにしてやりたい と思う若者は相当な数発生するのは間違いない。
     当然ネットには「イキガミをもらった人のための大量殺人ガイド」なんてサイトが出来て、 いつか来る日の為に着々と準備をする予備軍が大量発生するだろう。
     「イキガミ」配布の役人に化けて、虚偽のイキガミを配る詐欺も発生する。
     これは財産目当てとか、ヤクザの鉄砲玉募集とか、新興宗教とか、保険金詐欺とか、 何でもあり。
     「指定の口座にお金を振り込むと、息子さんのイキガミを無効に出来ます」とかいう 振り込め詐欺も発生する。
     「イキガミの特効薬」なんて偽薬も流行る。
     「毎朝バナナを食べるとイキガミに当たる確立が下がる」なんていう健康法も流行る。
     1/1,000という確立は微妙なところで、交通事故に合う確率よりは高そうだが、 クラスに一人、学年に一人よりぜんぜん少なくて、意外に他人事で済んでしまう確立かも しれない。それが有名人だとしても、20歳前後の芸能人の名前1,000人はぜんぜん知らないし。
     とはいえ、この数は国民の不安を駆り立てるには十分な数だ。
     誰一人死なない「狂牛病」や「ダイオキシン」の報道であれだけ人々が騒ぎ政治家が 右往左往するのだから、普通に考えてこんな法律は国会を通らない。
     もっとも、超高齢化社会を迎えて「年寄りはあまり長生きしてもらうと困る」なんて法律が 現実の世の中で成立してしまうのは、SFの定番ネタが実現したようなびっくり法律だが、 これから税金を納めてくれる20歳を殺してしまうのは、歳入的にはマイナスにしかならない わけで、SFでも無理がある。
     とりあえず、こういう法律が成立しているとしても、「政治家」や「官僚」、「財界の大物」 の子息には当然不正な迂回ルートがあるだろう。
     当然恨みを買うので、闇サイトには特権階級の子女リストが載る。  彼らは真っ先に「イキガミをもらって 怒る若者」のターゲットになるので、1/1,000より高い確率で拉致されたり殺されたり。 とうてい普通の生活は出来ない。
     政治家本人も当然暗殺の危機。
     何しろ、若者の千人に一人に動機があるのだから、めちゃめちゃリスクは高い。
     現代の若者に政治に対する興味が無いのは「平和」だからで、命の不安のある時代になれば、 とうぜん国会襲撃事件ぐらい起きる。
     小学校で注射をうつということなので、未就学児童を持つ親による、「子供たちにイキガミを 渡さない親の会」なんて政治団体も当然出来る。
     まあ、こういう諸々を封じ込めるためには、政治体制自体が「軍事独裁政権」 的にならざるを得ないだろう。なにしろ、非常事態に暴力的に対抗しないことには、 こんな政権は成り立たない。
     結果的に毎日どこかでテロのある国になるだろう。
     SFである。
     泣ける話にはならないよね?
2008.10.3
  • 渡良瀬遊水地
     BS2の番組でちらっと見たのだが、この広い湿原(山手線の内側の1/2の面積があるという)は、 完全に人工のもので、「足尾銅山」の環境破壊によって山が枯れ、洪水が増えたことの対策 として作られたのだそうだ。
     それほどの面積に水を溜めてしまうというのは、昔の人は大胆だと感心してしまうが、 ダムを作るよりは環境に良い感じがする。
     一度早春〜初夏の季節に行ってみたいね。行けるのかな?物理的に。
  • 今日の新アニメ感想
  • 10/2(木)1:20am- TKY●「とらドラ!」(SD)
     「美形で目つきが悪い」というだけで、周囲に怖いお兄さんと勘違いされている、以外に家庭的な まじめな男の子と、「結構な金持ちの娘で顔も可愛いくせに凶暴な性格で、しかしドジっ子」な女の子が 同じクラスになって、女の子がラブレターの入れ間違いで男の子に逆切れしたのをなだめようとして、 何故か「何でも言うこと聞きます」みたいな状況になってしまう。
     そんな壮絶な「ツンデレ・コメディー」。
     内容なんか無いのだが、切れの良い展開と何故か笑って許せる主人公の少女のわがままと ツンとデレの絶妙な間の取り方が良く出来ている。物語に関する脚本や監督の腕が冴えていると思う。
     声優のツンデレの女王釘宮の演技もこれは、至芸だと思う。呼吸が生きている。
  • 10/2(木)2:35am- TKY×「ヒャッコ」(HD)  小中高一貫教育の巨大な学園に入学した主人公。
     学園のあまりの広さに教室の場所が分からず放浪していると、同じく歩いている同級生に出会い、 一緒に教室に戻ろうとすると、じつはそいつも迷子。一緒に迷っていると、二階の窓から飛び降りた 少女たちと出会い、そいつも迷子。迷子4人組みで校内をひたすら放浪する。
     そんな話。
     いや〜、来週からどういう話になるか分からないのだが、第一話はとにかく校内を 歩き回るだけの薄い話だったので、とても入り込めるものではなかった。
     OP/EDはあの「つんく」の曲らしいが、これといって特徴も無い売れない歌謡曲だったし歌も下手だ。
     キャラデザは凡庸。(本屋で見る限り)原作漫画とほとんど同じ絵だが、奇形的に目が 大きく、いわゆる萌え絵なのか。『らき☆すた』みたいに完全なギャグ漫画だと、 こういう絵もいいけれど、それにしても線が汚い。
     背景はちょっと綺麗だった。ハイビジョン製作でお金がかかっているのは感じる。そして、 同じ話数の「絵コンテ」か「設定画」を元にしたように見える、鉛筆画を使ったエンディングは、 ハイビジョンの繊細さもあって美しい。
     つまり、ストーリーと演出と主題歌とキャラデザインが最悪で、背景とエンディングだけが美しい。
     そんな作品。
     声優はベテランを揃えて、ハイビジョン製作で、主題歌に大物を起用してお金はかかっているらしいのに、 この薄くて内容の無い脚本では見ないよ。「つかみ」ってことを少し考えた方が良い。
     原作として、「途方も無く広い学校の中で迷子になった4人が出会う」という 設定があるにしても、それをアニメにして面白いかどうか、冷静に考えてみたら だれでもわかることだろう。
     これはシリーズ構成の段階で失敗している。
     まあ、心を広く持って二話に期待してもいいのだが、キャラクターデザインがあまりにも 趣味に合わないので遠慮しておく。
  • 10/3(金)1:29am- TBS×「夜桜四重奏」(SD)  桜の木が人間界と妖怪の世界の通路になっていて、妖怪が集まっている町。人間と共存しているのだが、 ときに悪さをする妖怪を退治する話。
     キャラクターは無個性なアニメ絵。
     止め絵のOP/ED。
     でたらめな設定。
     桜の木が妖怪の世界との通路になっているというけれど、この桜が、直径数十メートル、 高さ数100mはあるような絵。これだけで、なんていうか、思いつきだけで設定した物語だなと 思うと軽く感じる。
     TBSの深夜アニメって、明らかにゴールデンのアニメ(ガンダム00とか?)と比較して 予算が少ないって感じがアリアリで萎える。いいもの作ろうって気迫が見えない。
     『HOLiC』みたいな作家性が見える作品は低予算っぽくても耐えられる(侘び寂び系?)けれど、 今回は掴み、引っ掛かりがなかった。
  • 10/3(金) TBS×「CLANNAD AFTER STORY」(SD)  作ってるのはあの「京都アニメーション」。そう思うと、なんとなくキャラクター設定は 「ハルヒ」っぽい絵柄だなと思うが、やっているのが純然たるホームドラマなので、もうちょっと 相応しい絵があるのではないかとは思う。
     何が何でも「萌え絵」にしないと客が付かないというわけでもないだろう。逆に萌え絵で あるがゆえに敬遠する層も少なくないと思うのだが。
     でもとりあえず、背景美術が美しい。
     この背景だけでも見ても良いかと言う気になりそうだが、でも「シリアス(っぽい)ホームドラマ」って じつは私にとっては苦手ジャンル(^^; 実写でも絶対に見ないのだから、 背景が綺麗だというだけの理由で見ても仕方ないような…。
     結局、ほかに見るものがたくさんあるのでパス。
2008.10.2
  • 『アレックス・ライダー』鑑賞(WOWOW) ★
     銀行員のおじさんとお手伝いさんの三人暮らしをしていた中学生「アレックス」
     ある日叔父さんが仕事帰りに事故死するが、葬式にやってきた職場の同僚は、なんだか 銀行員というには目つき鋭くいかつい人ばかり。
     葬式の帰り、アレックスの目の前でおじさんの車が盗まれる。自転車で追いかけるが、 スクラップ工場で発見した彼の車には銃弾の痕。
     スクラップ工場の人間は窃盗団のようで、発見されたアレックスは激しく戦い逃げる。
     ところが、この様子を監視カメラから見つめている集団が居た。
     駅で葬式に出席していた人物を見つけ、追いかけたアレックスは、隠し扉の向こうの 秘密基地に迷い込む。そこは英国情報部MI6の本部だった。
     アレックスを監視していた人物から「君はおじさんの敵討ちがしたいんじゃないかね?」
     などといわれ戸惑うが、自分の飛びぬけた格闘の腕前や語学などのいずれもが、叔父さんが このときの為に教えていたものだと気づき、彼の後を任されることを決意する…。
     という話。
     導入部がなかなか面白い。おじさんを殺した謎の敵は、今の首相に子供の頃苛められた 記憶を根に持つ科学者、という設定で、彼の会社の工場の地下にある秘密をめぐって戦う。
     敵は女性副官を従えて、猫の代わりに「毒くらげ」なんかを飼っていたりするのが、 きっと『007のパロディー作品』の系列を狙っているのだろう。しかし、主人公が 少年だとなんとなく「+アメコミ」な空気がある。
     ちゃんと数々の「秘密兵器」を手に入れて、要所要所で有効に使っていくのが楽しい。
     任天堂DSが「ROM」の入れ替えで多機能に使える情報デバイスになっているのが、 現代的。もちろん本来のゲームも出来るらしい(笑)
     全体のイメージとしては、パロディーの面白さと、少年ヒーローものの爽快感と、 スパイものの緊迫感を詰め込もうとして、全ての要素がまずまずレベルのまあまあな 映画になった感じかな。
     たぶん続編がありそうなエンディングでした(笑)
  • 10/1(水)1:29am- NTV(●)「RD潜脳捜査室」 (10/1終了)
     最後にはなんだか感動的に終わったけど、まあ渋い話だった。
     この作品の残した功績は、
    1.少女たちが全員ふっくらムチムチ
    2.主人公が老人(ヒロインとのロマンス皆無)
     という二点。
     挑戦的には違いない。
     ロマンスといえば、女性型アンドロイドと格闘マニアとのロマンスがあったけれど、 成就するのかとおもった矢先に、故障の為に機能停止したアンドロイドが、 数ヶ月バックアップを取っていなかったために白紙撤回というのが悲しかった。 なんだよそれ(^^;
     士朗正宗&プロダクションI.G.作品ということで、設定的には『攻殻機動隊』より未来で、 世界の空気は『攻殻機動隊』の時代より、ゆり戻して今現在に近い世界ということで、 住人の多くは電脳化していて、コミニュケーション的には便利な世界。
     主人公は、電脳の世界でおきるトラブルを解決するために、電脳世界にもぐるダイバー という設定だけれど、とにかく電脳世界にもぐることを完全に「海にもぐる」ことと同じにした 描写が理解できなかった。
     フィリピン沖あたりの人工島という舞台設定と、その海の景色、それと電脳の海を絵的に見せる 試みは魅力的だと思うが、「電脳の海」という言葉とそれを本物の海と同じように描くことの必然性の間には ものすごく大きな溝がある。
     実際、作品の中で「心が体から離れてしまう」という事件が何度も書かれているけれど、 解決までの描写の中で「潜る」ということの意味が有効に機能していた回は無かった。
     まさに設定の空回り。
     作品が「エコロジー」を意識しているのもいまさらといえばいまさらだ。
     「気象分子」というナノテクで気象を制御しようという、科学的には説明不能な 試みが、地球本来の働きと干渉して大災厄を起こすという「ディザスタ・ムービー」的な ラストなのだが、設定のツメが甘くリアリティが無い。
     結局のところ、この作品のいいところは、本筋とはあまり関係ない日常描写だった。
     完全な脇筋だけれど、アンドロイドとの恋は有り得るのか、これがスリリングだった。
     青年は、そのアンドロイドの容姿のモデルとなった女性と交際しているのだが、 彼女は人工島の権力者で、体だけの関係という感じ。一方、その若い頃の姿を映した アンドロイドとは、当然プラトニックの関係なのだが、心を通わせていく。
     この矛盾した状況は、なんだか深い。
     脚本家も、どうみてもこの脇筋に力が入っていたように思える。
     しかし、どう転んでも女性から見たら「衰えていく生身の女よりアンドロイドとのプラトニック・ラブ」 って腹の立つシチュエーションな気もするんだが。そういう意味では若い男向けの設定だな(^^;
     昔流行った「二次元コンプレックス」が進化して「アンドロイド・コンプレックス」 という感じか。
2008.10.1
  • 『女王陛下の007』鑑賞(WOWOW) ★★
     先月までWOWOWでは、「6人のボンド」という企画をやっていた。
     この作品は「ボンド最初で最後の結婚」というネタが特異的。
     結論から言うと、現在のボンドが独身であることから分かるように、ラストで妻は殺害されてしまう。
     あんまりハラハラするので、結末を知ってから出ないと落ち着いて見れないんだ(^^;;;
     結末を知っていても、この作品は十分面白い。
     妻になる女性はスペインのイタリアンマフィアみたいな実力者の娘。
     敵の基地はスイスアルプスのリゾート地のさらに奥にあって、逃走シーンは、 車以外に、スキー、スケート、ボブスレーなどウィンタースポーツ満載で、 いかにも007的で楽しめる。
     秘密兵器は「金庫の数字解析機とコピーの複合機」で、金庫の中の書類を複写して盗み出すための 実用的な装置。
     解析装置がかちゃかちゃ動いている間に、ボンドが暇つぶしに雑誌なんか読んでいるのが のどかで良い。
10月のBS/WOWOW★注目番組
  • ★2008 秋アニメ・第一話一行感想★
     BDZ-X90が勝手にお勧めしてくるのでがんがん見た。結論は→ ●見る,○見て消し,△来週まで様子見,×終了
  • 10/4(土) 2:30am- MX ●「ふもっふ」ミリタリー・ラブコメ−ミリタリー=体育会系ラブコメ(笑)
  • 10/4(土)10:00am- TKY●「ケロロ軍曹」
  • 9/28(日)7:30pm- BS11○「機動戦士Zガンダム」DVDは持っているけれど復習したい
  • 9/29(月木)0:35pm-BS2●「母をたずねて三千里」 中盤にかかって面白くなってきた
  • 9/29(月)6:00pm- TKY●「ソウルイーター」そろそろ3Q、新展開に入っても相変わらずドラマも作画も絶好調
  • 9/29(月金)9:00pm- MX× 「鉄人28号」(1980年版)脚本の薄さが見えるような(^^; 51話も付き合うことはない。これが『1stガンダム』(79年)と同時代の放送だと思うと脱力する。
  • 9/29(月金)11:00pm- MX ●「帰ってきたウルトラマン」
  • 9/30(火)0:25am- BS2●「巌窟王」ただいま後半戦。がんばって見てる(^^;
  • 10/1(水)7:00pm- CTV●「フランダースの犬」作画枚数すっくな〜(笑)
  • 10/2(木)1:20am- TKY●「とらドラ!」(SD)ツンデレ女と家事万能イケメンが互いの本命ゲットのために共闘?
  • 10/2(木)1:30am- CTV●「狂乱家族日記」 もうすぐ最終回。なんとなくここまで来てしまった
  • 10/2(木)2:35am- TKY×「ヒャッコ」(HD)迷子になって広い校内を徘徊するだけの初回にがっかり。
  • 10/3(金)0:30am- BSi●「ひだまりスケッチx365」SD 空気みたいな話。『らき☆すた』みたいな引っ掛かりが無い
  • 10/3(金)1:29am- TBS×「夜桜四重奏」(SD)妖怪の世界との通路になっている街の話。設定が無理すぎ
  • 10/3(金) TBS×「CLANNAD AFTER STORY」(SD)ゆるいホームドラマ?背景の書き込みは美しいが…
  • 10/4(土)1:30am- MX ●「あかね色に染まる坂」ただのラブコメと思いきや、山ほど秘密がありそうな前振りがgood
  • 10/4(土)1:55am- TBS△「黒執事」腐女子ターゲットだろうが面白かった。でも黒くない方がもっと楽しいのではないか?
  • 10/4(土)2:25am- TBS●「鉄のラインバレル」巨大ロボットもの。初回で主人公が死んだように見えるが…?
  • 10/4(土)10:30pm-MX ●「かんなぎ」主人公が課題で作成した木彫りを依り代に出現した神様(美少女)との同居生活
  • 10/05(日)17:00- TBS●「機動戦士ガンダム00 2nd」第一話で1stシーズンで因縁のあった人物がずらり登場。脚本が上手い
  • 10/05(日) ●「とある魔術の禁書録」住人の相当数が超能力者の街に魔術系の少女が逃げてくるラブコメ?
  • 10/05(日) ●「キャシャーンSign」原作アニメの後の時代の荒廃した世界を描くようだ。真っ暗(^^;
  • ★秋ドラマ・第一話一行感想★
  • 9/29(月)1:30pm- CX×「愛讐のロメラ」純然たる昼メロ。病院経営者と過去の愛人と母に棄てられた子供たち(^^;
  • 10/1(水)11:53pm- WOW●「極楽町一丁目」超ナンセンス・ギャグの5分番組。面白くなるかも。
  • 10/1(水)11:00pm- BSa●「時効警察」(再)やっぱりいいものは良い。がハイビジョンで再見・保存するほどのものでもない(^^;
  • ★予約済み・アニメ★
  • 10/ ムーミン
  • 10/09 木 23:32-  BS2  SF銀河戦記「タイタニア」
  • 10/10(金) 0:50-  CX  ノイタミナ「のだめパリ編」 
  • 秋スタート・アニメ
    •  TBS  鋼の錬金術師[第二期]決定
    • かみちゅ MX ?
  • 2008秋の連ドラ … ●見る,▲とりあえず見る,○とりあえず録画,×パス
     とりあえず、コメディは録画してみる。恋愛ものは微妙。時事ネタ医療ネタ陰気泣かせ系はパス。
     謎解きっぽいものは見てみる。
     …という方針は、世間の大半の趣味とは逆かもね…
    • 20○月9 フジ「イノセント・ラヴ」 堀北真希「過酷な運命を背負ったヒロインが幸せをつかむまでのシンデレラストーリー」
    • 14○火9 フジ「セレブと貧乏太郎」 上戸彩「格差恋愛をコメディタッチで描く」
    • 7○火10 日テレ「オー!マイ・ガール!」 速水もこみち「自称携帯小説家の男が天才子役の姪っ子と同居するはめになり、」
    • 14●火10 フジ「チームバチスタの栄光」 伊藤淳史
    • 8○水10 日テレ「OLにっぽん」観月ありさ「老舗商社の総務部で働くヤリ手社員」
    • 9●木8 総合  ドラマ「七瀬ふたたび」全10回
    • 16×木9 テレ朝「小児救命」 小西真奈美「子供たちの救命に携わる医者たちの葛藤を描く」
    • 9×木10 フジ 「風とガーデン」中井貴一「死を目前にした男が、生まれ故郷の富良野の家族のもとへと戻ってくる」
    • 17○金9 テレ朝「ギラギラ」佐々木蔵之介「ホストを引退し堅気で働いていた男がリストラされ妻子のため裏世界に戻る」
    • 17×金10 TBS「流星の絆」宮藤官九郎/東野圭吾の本格ミステリー「小学生のときに両親を何者かに殺された3人の兄妹」
    • 11▲土8 TBS「ブラッディ・マンディ」天才高校生ハッカーによる対テロサスペンス  
    • 9×土9 日テレ「スクラップ・ティーチャー 〜教師再生〜」 山田涼介「ダメ教師再生」
    • 4○土11 フジ 「ROOM OF KING」出演:水嶋ヒロ 鈴木杏 井川遥 渡部篤郎「フリーターとOLがルームシェア」
    • 6×日 WOW  海外ドラマ「ジキル」全6回
    • 19▲日9 TBS 「SCANDAL」出演:鈴木京香 長谷川京子 吹石一恵 桃井かおり 「ラブサスペンス」
  • ★10月の「衛星映画劇場」は裕次郎&吉永小百合特集★
  • 10/26(日) xx:xx-  WOW  プレステージ
  • 10/30(木)00:40-  BS2  地下鉄のザジ


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文:唐澤 清彦 映画館がやってきた!