映画館がやってきた!

構築日記・不定期便
- What's NEWを兼ねた日記のような読み物 -
2004年10月
[先月|目次|翌月]

2004.10.31
  • 猫が爪を研ぐときに思い切り背伸びをするのは
    「大きな猫が住んでいるぞ」と威嚇するためである
    ...◎
     PCのバックアップ中が暇なので、久しぶりにマンションの庭を散歩したら、 猫が背伸びして爪を磨いでいるところに遭遇。
     現場を確認すると「植木の支柱」の丸太がざらざらにササクレている。
     注意して他の支柱を見ると、人間の太ももくらいの高さに、あっちにもこっちにも。
     面白いことに、生の植木には爪あとが無く、支柱だけに爪あとはある。 爪を立てたときの感触が違うからなんだろうか?
  • 新VAIOと録画の整理に掛かりっきり
     ネットワークディスク経由で、旧VAIOのバックアップと、新VAIOへのデータ 移行を実施。家庭内LANの無い時代(前の機種の移行)の時には、確か全部MOに 記録して引越しをした。楽になったものだ。
     常用のソフトの再インストールを実施して、メインの用途であるwebの読み 書きftp、写真の取り込みと表示、編集あたりまで復活。あとは各ソフトの 最新版をオンラインで取ってくるなどが必要だが、プリンタ他の周辺機器を いくつかインストールすればほぼ復活だ。
     バックアップやインストールをしながら溜まった録画の整理も進めたが、 基本的にやらなくて良いならやりたくない仕事なんで、なんだか一日が 充実していない気分だ(^^;;
2004.10.30
  • ディズニーシー
     会社の割引券で、初めてディズニーシーに行く。毎年ディズニーランドで 会社のイベントを開催しているが「シー」で開催は初めてなので楽しみに していたのだが、とにかく一日中の大雨(^^;;
     雨のために中止になったパレード類も多いが、全体に人が少ないのか 最初の「インディー・ジョーンズ」で一つ60分待ちした以外はファストパス の必要が無いほど短い待ち時間で済んでしまった。とはいっても、まだまだ 見る事のできなかったアトラクションもあるが、どうもシーはアトラクション よりパレードなのか、ランドよりアトラクションの絶対数は少ない。(建設中の 建物も複数あるのでこれからも増えそうではある)
    • 「インディー・ジョーンズ・アドベンチャー」
       60分待ちなら並んでもいいかと、他のファストパスを取ってから最初に並んだ。
       巨大なピラミッドの内部にある行列エリアでは、水晶の髑髏のエピソードを ずっと放送している。こんなに天井の高い行列エリアは珍しい。ピラミッドの 先もよく出来ていて、楽しく待てる。
       乗り物のハイライトは「巨大な玉が迫ってくる」映画と同じ内容。
       こんどDVDで再見しよう!
    • 「フォートレス・エクスプロレーション」
       大航海時代の海辺の砦。通路が迷路のように入り組んで、自由に迷ってくれという 建物。遊ぶ…というよりデートコースだね。
    • 「トランジットスチーマーライン」
       周遊船。シーを一周する。思ったより速かったな。モリー・ブラウン号という 名前の船に乗ったのだ。
    • 「エレクトリック・レールウェイ」
       高架鉄道。見晴らしがいい。
       椅子がつるつるの木製なので、過減速の衝撃で滑るぜ(^^;
    • 「ストーム・ライダー」
       スターツアーズタイプの体感映像。気象コントロール飛行機に乗って 台風の真ん中に突っ込むという趣向。飛行機が破損して雨が吹き込むシーンで 本当に水滴が吹き付けてきたのは、真夏ならとても楽しそうだが、リアルで 一日中雨の日にはどうかと…(^^;
    • 「センター・オブ・ジ・アース」
       これはジュール・ベルヌの「地底探検」をネタにしたアトラクション(なのか?)
       先月偶然原作を読んだばかりだ。
       前半はゆっくりと地中の異世界見物という趣向だが、後半ものすごい速度の ジェットコースターになっていてびっくらこいた(笑)
    • 「海底二万マイル」
       これもジュール・ベルヌ原作の同名SFが元ネタ。乗り物としては緩く、 「デート系」の ライドかな。狭い丸窓から覗くような作りが親密感をサポートするぞ(笑)
    • 「フランダーのフライングフィッシュコースター」
       リトルマーメイドのミニ・ジェットコースター。お子様向けの短いやつだが、 全然並んでないので思わず乗ってしまった(笑)。
    • 「マーメイドラグーン・シアター」
       アリエルの空中ミュージカル
       出演者のほとんどが天井からワイヤーで吊り下げられており、機械仕掛けで ぐるぐる動き回る。カニとか魚とか、登場人物はミュージカル版の 「ライオンキング」のような作りでよく出来ているが、「リトル・マーメイド」 として、20分足らずの超短縮版なのは、役者の体力的に厳しすぎるためもあるだろうな。
       空中で踊る出演者は、客席の僅か数メートル上にもやってくるので、 普通の舞台より迫力もある。短くて物語としては成り立っていないが、 その仕掛け、一見の価値はある。
    • 「シンドバッド・セブンヴォヤッジ」
       カリブの海賊のアラビヤ版。シンドバッドが船を手に入れて数々の冒険を乗り越え 貿易で一儲け、というストーリーをノンビリ船に乗って見物だ。
    • 「S.S.コロンビア号(客船)」
       三本煙突の豪華な客船の外観。中には、レストランとバーが入っている。
       甲板に出られて、船気分が味わえて楽しいけれど、こんな大きな建物に レストランが二つあるだけというのがなんだかもったいないのだなぁ。
     とにかく雨のせいでぐったり体力を消耗してまるでサバイバルの一日だったが、 それでも楽しい一日だった。とにかく「水」の多い園内で、いたるところで 水音、滝の音がしているので、雨が降ってびしょびしょなのが誤魔化されて いるような気がする(^^;
     イベント、パレード、乗り物も、濡れること前提の物が多くて、案外雨で 中止になったものも少ない。
     全体を通じて感じたのは、まず「アトラクションの入り口がわかりにくい」 ものが多い。人工的な洞窟に潜むように作られていて、すぐそばまで行かないと アトラクションなのか、ショップなのか、はたまたレストランなのかわから ないような。
     「レストランは凄く多い」これは良い。今日は雨のために人も少なかったけれど、 アトラクションよりレストランの方が目立つくらいたくさんあって、食器は使い捨て 率が低く、全体にランドより本格派に見える。ランドでは食事のために行列を 作る必要があるのが無駄で苦痛だったから大歓迎だ。
  • 夜になって、中央の池で行われる大規模なショー「ブラヴッシーモ」 は雨天決行。
     ショーそのものが大量の水を放水しまくるものなので雨はOK。だが火と水が 煽られるため強風はNGらしい。
     今日はかなり風もあり、どうやら短縮バージョンだった模様だが、それでも なかなか美しかったので、フルバージョンも見てみたい。大量の火と水を使う ミュージカル・ショーは「志摩スペイン村」にもあって、あれも面白かったが、 ディズニーシーのはさすがに規模が大きい。舞台の面積も凄いし。
     何はともあれ、雨だ。カラっと晴れた日にもう一度行きたいなぁ。濡れるのが 嫌であまり地図も開かなかったので、さっぱり全体像がわからなかったし(^^;;

  • ちなみに、
    ディズニーランドで、いちばん乗っている時間の長いアトラクションは カリブの海賊で15分かかる...◎
2004.10.28
  • 新VAIO購入
     ついにOSがWindowsMeからXPに更新。会社では2000を使っているので、XPは今更だが 初体験になる(^^;
     機種は、「PhotoShopで写真の扱いがやりやすいこと」が唯一の条件なので、 画面がSXGA+と大きく、HDDが大きい事が必須。ということで、VAIO NOTEのA50B にした。
     夏モデルが底値の季節のせいもあるが、これは今まで買ったノートPCの中で一番安い のではないか。これより高価な機種はどれもTV録画付きとか、動画編集対応とか、 我が家では絶対使わない機能が乗ったものばかりだ。
     本日は、開梱しメモリ増設、バッテリー充電、OSの初期設定、ウィルス対策ソフト の設定と全スキャンで力尽きた。
     有線接続のネットワークは「挿しただけ」でインターネット可能だったが、 無線LANの設定や、家庭内ネットの設定、各種ソフト、ドライバの設定、恐らくXP用の 最新ドライバのダウンロードなど、完全乗換えにはまだまだ時間が掛かりそうだ。
     10数年前には、パソコンのインストールは楽しいことだったが、最近ではすっかり 「実用品」「インフラ」化してしまい、素早く確実に復旧せねばならぬ…という 感じで楽しくないなぁ(^^;
     まあ、今までのようにちょっと大きなソフトを使うと落ちてしまうという事が 無くなるであろう事だけが楽しみだ。速度の向上も画像処理していると実感 できるかもしれない。頑張れ。
  • 今日のデジタルチューナー
     D-VHSに予約録画が始まったのを見ていたら、4分後に突然電源が切れた。
     今まで「録画開始に失敗」するのは何度かあったが、録画が始まってから途中 で中断してしまったのは初めて。直後に手動で録画再開することは出来たので、 物理的にトラブルがあったとも考えられない。困ったことだ…。
  • 大河ドラマ「新選組!」竜馬死す
     う〜ん、竜馬が死んだ割にはあまり悲しくないな。ストーリー上もはや 竜馬も新選組の敵になってしまっていたという事もあるけれど。
     逆に「見回り組」の佐々木様に気持ちが行っているのかも知れない。彼も 最初は新選組のライバルだったけれど、いつの間にか「幕府に対する忠義」 という点で新選組、近藤勇に劣らぬ人物として株を上げてきていたから。
     とにかく、大政奉還からの展開の激動ぶりに登場人物も、見ている人も ついていくのが大変だ。
     薩摩は権力を狙う大悪人だし、将軍は無責任でなんだか卑怯者くさいしなぁ…
2004.10.26
  • VAIO起動せず
     突然うんともすんとも云わなくなる。色々いじって原因は増設メモリースロットの 何かが悪いと思うのだが、特定のメモリーが壊れているというのではなく、スロットの 0番1番のメモリーを入換えると起動するようになったりするので、とても微妙に 相性が悪いみたいな…?
     なんとか復活したので、今の内に新品に買い換えたい。
     今のVAIOは、1999年に買ったので、約5年はトラブルが無かったことになる。まあ PCの5年は寿命かな、性能的にも。ちなみにCPUはモバイルPentiumIIIだ。
2004.10.25
  • 「ハムレット」の2002年新訳本(野島秀勝/岩波文庫)を再読中
     この本はとにかく注釈・解説が満載。しかも最新の訳で最新の研究成果が盛り込まれて、 なかなか読み応えがある。この本はDVDを特典映像目当てで買うような感じだ。
     「ハムレット」はもっともたくさん演じられ、映像化されてきたために、 演出の幅もとんでもなく広くなっているが、歌舞伎みたいにしたり、現代社会に 置き換えたり、あまり突飛な演出よりも原典をがっちり押さえた方が面白いよう に思う。これは見る人(私)が素人だからということも有るだろうが、基本的に ハムレットは会話の劇であると思うので、これに専念した方が結果が良いよう な気がする。
     さて、「ハムレット」の翻訳はもとが古文なのとダジャレ、掛け言葉が多いので 現代の日本語に置き換えるのは難しく、訳文そのものに個性が生まれやすいが、 時代背景が分からない、あるセリフを当時の常識でどう感じたのかなどが分からない ので、注釈の情報は本文の出来と同じくらい重要だ。
     この本にはさらに「ハムレット」の由来(元ハムレットの探索)、ハムレット論の 歴史、独自のハムレット論などなど盛りだくさん名内容になっている。
     シェイクスピアが生きた1564-1616年は日本なら豊臣秀吉〜徳川家康、英国なら エリザベス一世の治世で景気の良かった時代。
     音楽の世界でもようやく楽譜に残った音楽が多くなってくる頃で、色々と 文化が充実して興味深い時代だ。
2004.10.24
  • 友人がSEEDの三本組み総集編DVDを購入したというので、鑑賞会。
     新作パートがあるというので、どんな内容かと思っていたが、結局「謎は謎のまま」 だった。
     同世代は1st世代なので、SEEDを見ている友人が多いのだが、全員が「SEEDは話が 中途半端で終わっている」との評である。これでDestenyでケリが付かなかったら ボコボコだなぁ(^^;
  • 同じ友人が実写版「キャシャーン」を買うかも…というので、アニメ版DVDの 一枚目のみ鑑賞。(1枚目だけ買っている)
    「たった一つの命を捨てて生まれ変わった不死身の体。鉄の悪魔を叩いて砕く。 キャシャーンがやらねば誰がやる」  今見ると、スカスカの絵だし、ストーリーも、敵のキャラデザインもかなりゆるいが、 冒頭のナレーションやキャシャーンのデザイン、スローモーションで表現された拳法技 の美しさ、丁寧に書き込まれた体のラインには感心する。
     
2004.10.23
  • 新潟の地震で東京のdocomoが使用不能
     新潟の震度6三連発の大地震は、東京でもはっきりと揺れを感じた。
     このとき「i-modeのニュースで何が起きたか確認したい」と思ったが、通信規制がかかった らしく、ほぼ終日通信不能であった。
     災害地の回線を空けることを優先したのかもしれないが、これは緊急時にはまったく 連絡が取れなくなる可能性があるということではないか。もし、東京でこういう地震が 起きたらきっと、外出先ではなにも情報が無くなってパニックになりそうだな。
  • 今回の地震では家屋の倒壊のほか、新幹線の脱線と言う史上初の事件もおきた。
     高架部分の内側に倒れたから良かったものの、もし外側に倒れたら地上に落下しただろうし、 カーブの部分であれば、派手に飛び出していたかもしれない。今度のような直下型地震に ついて言えばまさに「運が良かった」といえるだろうな。
     全般的には、ほとんど火事が起きなかったのも運が良かった。
  • ガンダムSEED Destenyの放送中断
     第一話は台風情報でL時表示、第二話は日本シリーズで1時間放送時間ずれ、そして 第三話は大地震で報道特番に。
     呪われているとしか言いようが無い。もう降参。
2004.10.22
  • ドラマ「サボテンジャーニー」
     日産の新車TIIDAの広告とタイアップしたロードムービー。30分番組が全4話。
     主人公の「不眠症の写真家」(小林聡美)は、医者から「とにかく仕事を休んで ゆっくりしなさい」と指示され、買ったばかりの新車「日産TIIDA」で 妹の結婚式に出るため高知に向かう。この車には「特別キャンペーン」で 人間カーナビの「ナビ男」がついてくる。
     行きがけに仕事の打ち合わせで結婚式場に寄ったら、「結婚から逃げ出した花嫁」 (市川実和子)を拾ってしまう。  そして、写真家、逃げた花嫁、ナビ男の三人旅が始まる。
     なぜか「花嫁に逃げられた男」役に尾身としのり。懐かしの『転校生』つながり なのかなぁ。なかなか冴えない大人になりました。
     そして高知のお遍路さんに混じって花嫁にお告げを告げる神に「ベンガル」。
     これは『トリック劇場版』で何でも透視する神をやっていた繋がりか(^^;
     そしてストーリーは、東京から高知までの旅の間におきた出来事が、 それぞれにワケありの三人の悩みを解決する力を与えてくれる、という ハッピーな物語。ナビ男の謎は謎として、三人の悩みがきちんと解決して 「あぁ良かった」とスッキリした気分になれるのは、きっと脚本が きちんとしているからなのだなぁ。
     軽妙なジョークを盛り込まれたストーリーに付き合っているうちに、 なんとなくほんわか優しい気分になれる。なかなか「日産のCMドラマ」 だけと侮ってはならない、佳作であった。
     小林聡美の役が、これまでの本人のキャラクターにぴったりと 有っているのも良かった。もっとも直接的にはドラマ「すいか」のイメージ とかぶるし、食パンのCMも同じ路線だなぁ。
     そもそも、このドラマを見ようと思ったのが 彼女が主演しているからだったので、この出来は嬉しい。
     ちょっと「すいか」の録画を見返したくなったな。
     残念なことは、ドラマのストーリーの一部に日産のCMが組み込まれているため、 将来の再放送が絶対になさそうなことか。まあ、録画したから良いけど。
  • 『タイムマシン』鑑賞(wowow) ☆
     原作者H.G.ウェルズの孫(?)が監督をしたというのでちょっとだけ話題に なっていた作品。
     主人公の科学者は、婚約者が強盗に襲われて死亡したことから、歴史を 書き換えるためにタイムマシンを発明する。
     数年後、タイムマシンは完成するが、何度過去に戻って働きかけても 様々なパターンで恋人は死んでしまう。
     科学者は時間の謎を解くために未来に旅経つが、80万年後の未来は 月が地球に墜落した天変地異で原始時代のようになっており、そこでは 人類が「食べるもの、狩るもの、食べられるもの」の三通りに進化して もっとも過去の人間に近い種族は食べられるものになっていた。
     …というような話。
     とりあえずなんともイマイチだったのは、テンポが悪いからじゃない だろうか。ラスト付近の食うか食われるかのチェイスも、なんとなく 遊園地の3Dアトラクションみたいに古い。
     タイムマシンが航行する周囲の景色の変化のCG表現が見せ場ではあるが、 どうも1000年以上の未来になると、作る側のイマジネーションが追いついて いないようで、物凄い速度で進んでいるはずなのだがなんだか単調に 見える。
     原作は1895年の発表であるから、「タイムマシン」の原理は説明され ていない。
     この世界を「時間を含む四次元」と考えた時に、気球で高さ 方向の移動が可能になったように、時間方向の移動を可能にする装置が 可能ではないか…という、概念だけだ。
     映画版に出てくる高速に回転する円盤のイメージは、相対性理論以降の イメージと思われる。(これは、過去に作られた同名映画のデザインを踏襲 している)
     80万年もの時間の移動を行うのに、タイムマシンの動力源…エネルギー をどこから得ているのか…は定かでない。原作もまったく原理不明では あるが、今の時代の映画なのだから、もう少しそれらしいそぶりが有って もいいのではないかと思う。
     また、原作で時間を航行する速度が速くなるにつれて、昼夜が明滅し、 太陽が一本の筋になり…という描写があるのだが、これを映像にすると 何が起きているのか小説より説明不足になりがちなのが残念だ。
  • 原作のストーリーとの差異について
     原作の要点は「人類の未来は、現代の貴族階級と労働者階級との 格差が拡大し、行き着いた先に何が起きるか」という現代文明批判にある。
     物語の中では、一握りの貴族階級は広大な荘園を支配し、労働者階級と 生産拠点は地下にもぐる。
     さらに、科学文明の進歩は全てを自動化し、病気や害虫などあらゆる 生活上の不安を取り除く。その結果、人類からあらゆる闘争心や向上心 が消えただけでなく、なんの努力も頭を使う必要も無くなり、退化が始まる。
     だが、地下の労働者階級は、「機械を維持する」という仕事を持って いたため、貴族階級の人種より僅かに、闘争心、体力に勝った種族に 変化していた。
     そのため、何らかの理由で地下の労働者階級のための食料生産 システムが崩壊した後、彼らは地上の貴族階級人種を捕食するように なる。まるで、現代の家畜のように。
     …という話。
     つまり、科学者の恋人の死とか、二つの種族を支配する第三の種族とかは 映画の付けたし。この付けたし部分が、映画『タイムマシン』を 安っぽくまとまりを無くしてしまっている要因なのではないかと思う。
     例えば、未来人の進化の理由が原作では「現代文明の進歩の先にある 必然的な悲劇」であるのに対して、映画では「悪の支配階級が遺伝子操作 で作り出した新人類」ってことになり、原作で「未来人の女との交流」が、 映画では「過去の女を生き返らすのに失敗したから、そのことはすっぱり忘れて 未来の女と生きることにした」という、なんだか無責任な割り切りの いい流れになってしまっている。
     エンディングも、原作では「科学者から話を聞いた友人が語り手」 なのに対して、映画は「科学者本人が語り手」なので、ラストの 未来に行ったきり戻ってこない科学者を待つ友人のシーンが、 なんとなく回想っぽく曖昧に処理されている。
     SF映画はアクション映画で無ければならないという類の 映画会社の思い込みが、この作品には有っていないのだ。おそらく 『ソラリス』のような詩的な空気感の作品に仕上げていれば、 興行成績はともかく、SF者(^^;からは賛辞を勝ち得たのではないかと 思われてならない。
  • ドラマ「めだか」3鑑賞
     毎回ある生徒の問題を解決するというパターンがハッキリしてきた。 今回はカツアゲ。していたのか居なかったのか…て話。
  • ドラマ「ホワイトクリスマス」2鑑賞
     いまのところ「ラブコメ」路線をばく進中。「東京ラブストーリー」 よりも社会性があり、愛にべたべたまっしぐらでないのは見やすい(^^;
     今のところ、本筋にからんでいる登場人物が、私の認識している範囲で 男4人、女3人、かな。まあ最終的に織田・矢田がゴールインするのは ミエミエなんだが、いまのところは入り乱れて綱を引いているのだなぁ。
     それにしても、矢田亜希子の「お嬢様とレディース」の使い分けや、 織田くんの部屋に我が物顔で侵入する無邪気さは良く出来ている。彼女は 女優として日々進化しているようだ。ここらでドカンとヒットが欲しいねぇ。
2004.10.21
  • プロジェクター掃除中に発火
     いつもカメラ用のエアダスターを使用しているのだが、最近買ったそれの 成分が 地球温暖化対策とかで知らぬまに「可燃性ガス」にすり替わっていた。
     おかげで、プロジェクターにプシュっとやったとたんに火を吐いた。
     たまげた。
     幸い、可燃性ガスに引火するほど高温の光学部品の周囲は、もともと 高温に耐える設計のおかげか、なんともなかったのだが。
     …とはいえ、なんとなく怪しい雰囲気もあり、ついに年末の新製品に 乗り換えようかという気分になってきた(^^;
     フルHDプロジェクタが最低1年は先になりそうだし、発売されたとしても 製品が安定するのを待っていると、それがどれほど先になることか気が遠く なってきた事も大きな要素だが。
2004.10.20
  • 『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』特別編DVDは200+50分
     2005/2/2発売が決定。ただでさえシリーズ最長だった劇場版に、なんと50分もの 追加シーンがあるという。4時間10分。長い!…短めの映画なら三本立ても可能な時間だ。
     50分もの追加シーンというのは、もはや「編集でカットされた分」という量ではない。 DVDで特別編を発売することを前提にがっちり予算を組んで進めているのだろう。
     まあ、値段も映画を見るのの5倍。レイトショーなら10回見られるくらいの価格なんだから、 劇場で公開するのに引けを取らないほどの売り上げはあるのだろうな。
  • ところで、指輪は「ポニキャニ」からの発売だ。ということは、ハイビジョン版は HD DVDで出るのかな。出ないのかな。弱りましたね…。DVDの発売日一覧など見ると、 ポニキャニが販売している洋画って結構多いのなぁ…。
     スタートダッシュでブッチギリかと見ていたBD-ROMもMSのコーデック搭載によって HD DVD-ROMのスケジュールとの差が詰まってしまった。二つの規格の仕様と リリース日程が接近した事がどう影響するだろうか?
     なんにしても、両方の方式を買うことは避けたいものだ。
2004.10.19
  • HV版『めぐり逢えたら』鑑賞 ★
     メグ・ライアン,トム・ハンクス
     これは基礎知識に『めぐり逢い』(ケーリー・グラント,デボラ・カー)を見て いる必要があるらしい。劇中人物がみんな大ファンでしきりにビデオが流れる。
     『めぐり逢い』の基本は、偶然知り合った二人が互いに婚約者の居る状態で、 もしも本気ならば分かれてエンパイヤステートビルディングで再会する約束を したのだが、女の方が車の事故にあって約束の時間に遅れてしまう。という話。
     『めぐり逢えたら』では、男は妻に先立たれて小さな男の子を抱えて鬱な気分で 暮らしている。女は婚約者が居るのだが、なんとなく乗り切れない状態。そこに 男の子供が「パパに新しいママを」とラジオの悩み相談番組に電話して、男が 番組で妻の思い出を語る。これを女が聞いて「素敵な男性だ」と気になって 仕方が無い。
     ただ、こちらのドラマでは二人は最後の最後まで逢わない。ずっとラジオと手紙 だけの一方的な関係で、勝手に女が自分の結婚に疑問を持ち、婚約破棄に至り、 子供たちが書いた偽の手紙がきっかけで「エンパイヤステートビルディング」で めぐり合う。
     …そうだな。まあ、いきなり「一目ボレで婚約破棄」では人でなしな感じがするのは 否めないので、女だけが悩んで最後まで直接逢わないという設定にしたのであろうが、 ラジオの人生相談を聞いてそこまで思い込むというのも、かなり無理がある。
     クリーンな感じはするが、名作の翻案といういい訳が無ければきついのは確かだ。
     それはそれとして、メグ・ライアンの若くて可愛いところが見られて良かった というのはポイント高いね。
     作品としては『ユーガットメール』の方が遥かに面白いし感情移入しやすい。 メグ・ライアン本人もそちらの方がチャーミングに見えるかな?
  • Cカセットデッキが危篤?
     ここ10年くらい、滅多に使わない機器となってしまったCカセットだが、 なんだか動作が怪しい。心配である。
     困ったことに「東芝のDVDレコーダ」のリモコンで誤動作するのは100%再現性 有りなのである。(どっちの責任か分からないが…)
  • D-VHSデッキも怪しいのだ
     D-VHSのヘッドはとても目詰まりしやすい…と云われるが、BSデジタル映画祭 のおかげで毎週何本もの新品テープを投入していると本当に再生時のブロック・ ノイズが増える。
     (たぶん)新品テープは、磁性体の粉が飛び散るからだと思うのだが、 クリーニングテープを掛けると一応収まるのが救いではある。
     媒体のランニングコストが少しくらい嵩んだとしても、そろそろハイビジョンも ディスク録画に移行したいものだ。S-VHSよりデッキがデリケートになっただけに、 必要性も増していると思う。
2004.10.18
  • ドラマ「ラストクリスマス」
     織田裕二、矢田亜希子主演のメロドラマ…なのか、ラブコメなのか、初回を 見た限りではどっちに転ぶのもありな内容だった。
     先日まで再放送していた「東京ラブストーリー」は、たしかに漫画はヒットしたし ドラマもヒットしたはずだが、改めて見てみると、漫画に出てくる人間関係を 「赤名リカ」を中心に再構築し、リカ以外の登場人物全員がすごく「無責任でダメな やつら」に描かれて、 主人公たるリカも「愛について真摯…といえば聞こえは良いけれどとんでもなく 付き合いにくいタイプ」だった。
     ようするに「こんな奴いない」って人物で固められたドラマで、 「リカ(保奈美ちゃん)可哀そう〜」と感情移入すれば見られないことは無いが、まあ リアリティとは無縁なドラマだった。
     今度の「ラストクリスマス」は、スタッフ再結集で主人公がスポーツ用品会社の 同僚というところは似ているけれど、 主人公が「昔はバカをやっていたが、重い病をきっかけに人生リセットして上を 目指している」という設定が、最後まで「シリアスな重石」になるのだろう。
     というわけで、初回を見た感想は「手ごたえあり」だった。
     一話勝負では「めだか」より、深そう。…とはいえ、無理に病気をからめなくても 気楽なラブコメで充分楽しそうなのにな。病と生き方を真剣に取り上げるドラマなら それは価値のあることだが、コメディーのスパイスに病気を使うのは感心しない。
     そりゃ「○○ちゃんの病名は何?」とか「○○ちゃんは死んぢゃうの?」とか、 使い方によって次回視聴率を維持する道具にはなるけれど、そういう数字取りは 感心しないな。
     まあ、ドラマの中できちんと必然性があれば良いんだけれど。
  • 例えば、『白い巨塔』なんか、前半は教授の座を巡る陰謀が渦巻いて面白かった けれど、後半は「医者の不養生」っ話でしょ。
     視聴率は盛り上がるけれど、「成功してウハウハ」より「地獄にまっ逆さま」の 方が、そりゃインパクトはあるね。でも、成功物語で数字の取れる脚本が書ける 作家の方が才能は有ると思うんだな。
2004.10.17
  • HV版『デアデビル』鑑賞(WOWOW) ★☆
     昼は弁護士、夜は盲目のヒーロー。聴覚が視力のように発達し 「レーダー・センス」という超感覚になっている。このCG表現が なかなか美しい。
     音が波のように広がって壁の向こうの出来事も感知できたり、もちろん 夜は敵よりも有利。なかなか面白い。
     映像的に美しいレーダーセンスの描写は、実際には「空気の密度の揺らぎを、 陽炎のように光を使って見ている表現」なので、音が映像として見えるのとは 違うだろうとは思うが、オリジナリティの高さで文句は無い。
     主人公は、この「レーダーセンス」以外は100%生身で、身体能力の高さは すべてトレーニングの成果というのもなかなか無い設定だ。それで戦うから 全身傷だらけ。これを絵にすればインパクトがある。
     『バットマン』も生身ではあるが、怪我をしたところは見た事が無いような…。
     これはスーツの性能の差なのかな。バットマンは富豪だし。
     ところで、デアデビルの昼の仕事は「弁護士」。それで裁判で負けた相手を 夜の仕事で殺してしまうという設定は「弁護士として一流じゃない」という ことかなぁと思えてしかないのだが…(^^;
     それに対して『スパイダーマン』の仕事は、怪人と戦うこともするけれど、 日常的には「小さな人助け」が多い。そこが良いんだな。
     結局デアデビルは、ヒーローとしては「スレスレで勝つ」というレベルの 強さで、悪人を警察の手に委ねる甘さもあり、「さあ『デアデビル2』にご期待!」 という感じのラストだし、『スパイダーマン』と『バットマン』 を足して二で割ったみたいなキャラかぶりまくりなやつ なんだが、確かに「次回作もTVでやるなら見ても良いかな〜」と思う程度に 後を引くエンディングなのであった。
  • そういえば、上記の三人の中で『スパイダーマン』だけは24時間働いて いるな、夜だけコッソリ活躍するのでなく。
     こりゃ、まともな日常生活に支障をきたすわけだ。たしかに犯罪は24時間 ノンストップだけれど、あの大都市をひとりで守るのは辛いよね。
  • HV版『トリック劇場版』鑑賞(テレ朝・地デジ) ★
     画質は本物のハイビジョンだったけれど、大量のCMで細切れにされると、やはり 大画面・高画質でも「映画を見ている」という気分にならないものだなぁ…。 残念。一応録画はしたけれど。
  • 『トリック・劇場版』の裏にWOWOWでは 『マトリックス・リローデッド』(だったかな) を放送していたので1時間だけ見たけれど、今やあまり興味のわかない作品 (一回見れば十分)になってしまったようだ。
     最初の『マトリックス』は、あんなに刺激的だったのにな。
2004.10.16
  • 「NHK交響楽団Cプログラム・アシュケナージ音楽監督就任記念」
    • シューマン/ピアノ協奏曲イ短調(pf:エレーヌ・グリモー)
       これはピアノ・コンチェルトの超有名曲の一つ。
       初演は1845年。で、この時代の音楽でうちにCDがあるのはよほどの有名曲か、 たぶんN響の演奏会で聴いて感動したので帰りに渋谷で買って帰ったとか、 そんな感じ。手持ちのCDは、 ルービンシュタイン+マリア・ジュリアーニ+シカゴ響(1967年録音)

       今回のソリストの「エレーヌ・グリモー」はかなり若手。白いシャツにスラックス という女性ピアニストにしてはすっきりした衣装で颯爽と登場と云う感じ。
       初演は「クララ・シューマン」だというので、女性らしいイメージの演奏が正統派 なのか、しかしクララもバリバリの芸術家だったはずなので「女性らしい」という 決め付け不要なのか、それは分からないが、グリモーの演奏は第一楽章なんかは 意外なほどあっさり、サクサク進んでいく感じだった。
       CDで聴くルービンシュタインの演奏なんかや、昔N響の演奏会で聴いた演奏は 冒頭からもっとロマン全開のしっとりした歌い口だったので
      「う〜ん、最近の若い演奏家の解釈はドライが好み?」と疑問を持つが、まあ この曲に関して云えば涙がどほどほ流れるほど陶酔的な演奏もアレだが、もう少し 内側に溜めてから放出するような感情の高まりを感じさせても良いんじゃないか と思うのだった。
       しかし、第三楽章に入ってオケとピアノが競う様に掛け合いつつ疾走する 感覚は見事で爽やかな後味を感じさせた。指揮者との相性もバッチリということ なんだろう。
       この曲については、これ以前の時代のコンチェルトは、長いトゥッティ (オーケストラだけの演奏)とソロ楽器の名人芸が交互にあるようなスタイルで、 長い前奏が始まった後からソリストが登場し拍手喝采を受けつつ着席したり、 ソロの間のトゥッティがピアノを聴きにきたお客さんの休憩タイムでソロの批評を したりお喋り御免だったらしい。
       シューマンはこの状況の中でコンチェルトを「一曲を集中して聞き通す」音楽に しようと、こんな曲を書いた。
       また、盛りだくさんなテーマを提示するスタイルをひとつのテーマを さまざまに展開するスタイルに変えた。
       つまりコンチェルトがソリストの物だった時代に、 作曲家が「おまえら、黙って俺の曲を聴けよ!」とぶつけてきたのが この曲だ。ってわけで確かに密度の濃い曲ではある。
       そう考えると、あまり汁気の多いピアノより、さらっと始まるのも正しいの かもしれないが、交響曲なんかに対する「コンチェルトの親しみやすさ」っての は、ソロとオケが役割を分担していて「伴奏の上でピアノが十分に歌えるから」 ということもあると思うのだな。
       そういうわけで、これらはもはや同じジャンルの音楽ではないのかもしれない。
       どちらにも名曲は多いけれどね。
    • R.シュトラウス/アルプス交響曲
       未だに「R.シュトラウス面白い」と思った事が無いのだが、N響は本当に頻繁に 取り上げるなぁ。
       この曲はアルプスの夜明けから日没までをハイキングする人物の情景として音に したもの。小鳥が鳴いたり、牧場の牛のカウベルの音、嵐と雷鳴などなど、具体的 な効果音も多くて、分かりやすいが「牧場だからカウベル」ってのは、音楽として 反則だろうとか思わないでもない。
       先月のN響で聴いた「ローマの松」だって、「ナイチンゲールの鳴き声のレコード」 なんか使って、当時は最新技術の導入だったのだろうが、ピッコロに書き直して 演奏したって良いんじゃない?とか。
       そもそも「アルプス交響曲」は発表当時から「映画の伴奏みたいで内容が…」などと 批判されていたそうだが、現代的には映画音楽の方がよほど「シンフォニック」に なっていて単独で聴き応えがあるような気がする。
       つまり、N響の会員なんかになっていると頻繁にR.シュトラウスの音楽を聞く 羽目になったりするのだけれど、むしろ「スターウォーズ」とか「ヤマト」とか の方が音楽としての抽象度、純度は高く感じるし、楽器編成が大規模で豪華って こと以外にそんなにR.シュトラウスが面白いのか?
       といつも思っているのだけれど。そこのところどうよ?
       別に「交響詩」や「標題音楽」がダメだと云っているわけでなく、シエラザード やダフクロは面白いし、ロミジュリだって名曲。ただR.シュトラウスは大げさ な割りに音楽が薄い気がするってことなんだけれど…。
     …ところで、アシュケナージの指揮は見にくいな(^^;
     充分にリハーサルをすれば本番の指揮なんかどうでもいいことだろうが、 なんの予感も無くパキパキと振られると、要求している音はパキパキした音なんだ ろうけれど、これだと縦が合わないな。きっとコンマスに合わせているな。…そういう 感じ(^^;
     Aプロではチャイコフスキーを演奏するようだ。せっかくのアシュケナージだから ロシア物が聞きたいね。
  • 茶亭 羽當
     渋谷駅から一丁目方面に歩いて三分ほど。長いカウンターがあって、コーヒーを入れて いるところが見られる雰囲気の良いお店。
     先月のN響帰りには、これまでの行きつけの 店が混んでいて放浪し結局ドトールに入ってしまったが、それではあまり に日常的なので、今日は落ち着いた喫茶店らしい店を下調べして行ってみた。
     「羽當」はコーヒー800円からと流行のコーヒーショップと比較すると安くは 無いが、それが逆にいえば渋谷駅に至近の便利な立地なのにすぐそばのドトールの ようには子供の客がいないので落ち着いた時間をすごせる店になっているともいえる。 (お得な回数券もあるようだし、お代わりコーヒーは500円なので、頻繁に行くとか 長居したい向きにもそれなりにケアされている)
      BGMも会話するのにちょうど良いくらいの音量で、長いカウンターに座れば きちんとした店員さんたちがコーヒーを入れる姿が間近に見られるのも楽しい。 一人客は店員さんと会話している人も多い。(つまり常連度が高そうだが、一見 だから居心地がよくないということはない)  ちなみにBGMはラテンや映画音楽や歌抜きのムード方面で、品良く邪魔にはなら ない系。   満席の時間を外せば、喫茶店として上質の時間をすごせる良い店だと思う。 渋谷でこういう店は貴重だ。
  • 喫茶店といえば、さだまさしの歌に「マスターが36で独身なのは…」とかいう 詩があったが、なんだか今は36歳で独身なのは珍しくはなくなって来たなぁ。 当時はまだ「真っ当な人生」の幅が狭かったんだな。
2004.10.15
  • HV版『OUT』鑑賞(WOWOW) ☆
     弁当工場ではたらく4人の主婦仲間。ある日一人がギャンブル狂の夫の暴力に絶え かねて、うっかり殺してしまう所から物語は始まる。
     このきっかけの女がダメな女で、死体の処理のため仲間の車を出してもらったまま 置き去りにして後始末を放棄してしまう。放置されて困ったその仲間が別の仲間に SOSを出し、金で協力を約束したり、結局死体処理の関係者4人に。
     バラバラに捨てた死体は、出来ない仲間の不手際で翌朝発見されてしまうものの、 賭博の元締めが疑われ、このまま何事も無く終われるように見えたのだが…
     …という話で、次々とハプニングが起こる展開は見る者を飽きさせない…とは 思うのだが、登場する女たちのあまりのダメさ加減に嫌悪がこみ上げてきて 正視に耐えないというのが実感。
     めまぐるしい展開も、要するに「そんなことしたら、絶対ダメだろう」という ことを次々にやらかすから事件になるのであって、説得力に欠けるのだな。
     こんな調子だから、バンバン人が殺されるのにコメディーにしか見えない。
     面白くないとは言わないが、見ても空しい作品だ。
2004.10.14
  • 『鋼の錬金術師』完
     ネタバレあります
     何週間も前に終わっていたけれど、やっとラスト3話の録画を見た。
     これは話しがどんどん暗く深刻になっていくので「どうなることか」と思ったら、 やはりあまり爽快な結末にはならなかったが、救いはあったというのがポイントな のか。
     「等価交換」の原則について当初から「元素の構成はともかく、エネルギーの収支は 矛盾しているぞ」と思っていた謎についても「賢者の石」の秘密とリンクして説明さ れ、ファンタジー世界の内側ではちゃんと辻褄を合わせて終わったので驚いた。 まあ「この世界の秘密の解明」こそがテーマの作品なので、 それが破綻していたら根幹が成り立たないが。
     ともあれ、「鋼の錬金術師(錬金術)の世界」と「私たち(科学技術)の世界」は 「扉の向こう(たぶんあの世)」を通して隣り合っているパラレルワールドであり、 錬金術師が使うエネルギー(等価交換の破綻している部分)は、扉の向こうから 拝借してきた「魂」に由来している。だから魂を凝縮した「賢者の石」を使うと 等価交換を無視したように見えるすごいパワーが出る…という説明は、綺麗に まとまっている。
     シンプルな説明は良い説明。科学と一緒だなぁ。
     この作品で唯一残念なところを上げるならば、味のある登場人物が次々と 死んでしまい、ラストがなんだか煮詰まってしまったことくらいかなぁ。
     内容的に必然かもしれないが、ちょっと寂しい。
  • ドラマ「めだか」(初回)
     定時制高校の先生になっためだか(ミムラ)の奮闘を描く。
     これは2002年秋の「HR」と同じシチュエーションで、登場人物のラインナップも、 おじさん、不良、まじめなサラリーマン風、引きこもり、工務店、水商売etc.と驚く ほど似通って揃っている。
     違いは「HR」はコメディだが、「めだか」はどちらかというと 「金八先生」系になるように見える。
     「HR」は毎回生徒の誰かが主役だったが、「めだか」も第一回は「嘘つき女生徒」 第二回は「仕事でテストに出られない工務店」と、生徒のエピソードで回し、 先生と生徒の恋愛もありそう。
     こんな良く似た設定のドラマを作るからには、脚本に自信が有るのか。面白く なればいいのだが。
     ところで、第一話のオープニングに「ソフトウェア企業の若手社員がエリートっ ぽく高級フレンチで合コン(?)」というシーンが出てきたのだが、私らの若い頃は 給料安いし残業多いしソフト屋さんは埃っぽい肉体労働者ってイメージだったが なぁ。
     もっとも、このシーンはプログラマがカッコいいというよりも、リストラされた めだかが 「エリート意識まるだしの男に目もくれず、料理に没頭しワインを飲みまくっている」 というシチュエーションが彼女の性格を現しているのを見せたいのだろうけれど。 逆に広告代理店やTV局の社員みたいな、脚本家と付き合いのありそうな職種の現実が 厳しくて、かっこよく書けないのかもしれないなぁ(^^;;
2004.10.13
  • クオリア005(トリルミナスLEDバックライト搭載・フルHD液晶TV)を視聴
     銀座のソニービルに立ち寄ったら、フルHD液晶TVのデモに遭遇した。
     今までの液晶TVのバックライトは、色の再現性がNTSC規格の70%前後しかないのを、 105%までに広げたというのが売り。Webの記事では「NTSCを超えると製作者の意図が 壊れる」 みたいな評論があったが、それ、変だね。70%しかなくて逆さに振っても出ない色がある 現状に対して、105%確保できると僅かに余裕がある、と言うのが正しいかと。
     それで、実際の画質を言えばこれは驚いた。
     デモ映像なので、従来との違いが分かりやすい映像ばかり写るのは当然だが、 たとえばネオンサインの目に染みるような赤、それがこんなに鮮やかに表示 される液晶は今まで無かった。新鮮な感覚だ。
     色の美しさは一目で分かるのだが、フルHDの実力も相当なもの。
     電気屋の店頭では、このところSONYのWXGAタイプの最新型と、シャープの亀山フルHD を見比べて、シャープは輪郭の滑らかさのみを追求して遠景や服地の質感など本当の ディテールが失われる事があるのに対して、ソニーは質感をくっきり強調するあまり 少しざらついて見える。と、本当の高画質は両方の中間にあるのではないかと思って いた。
     ところがクオリアの絵は、高解像度と繊細さを両立している。
     デモ映像が特別に念入りにエンコードされているのかも知れないけれど、それにし ても この清潔な絵は他に見た事がない。
     同じフロアに展示されている「トリニトロンのクオリア」の絵と比較すると、 トリニトロン管の絵は近寄ってみるとかすかにアナログ的なざわめきが確認される のに対して、液晶は静かな絵だ。それでいて情報が欠落した感じがしない。
     とにかく現行の液晶TVは進化したとはいっても何かしら注文がある画質だったのに 比べて、こんどのクオリアには今のところ文句のつけようが無い。ほとんど真っ暗な 映画のワンシーンなどを見ると、ブラウン管が優位な事もあるだろうが、99%のシーンで ブラウン管の最高峰も抜く勢いだと感じた。
  • 築地どんぶり市場、まぐろ丼600円(味噌汁別100円)
     10月から社内の異動で平日昼に築地に行くことのできる勤務になった(市場に勤めて いるわけではない、念のため)。これを機会に、築地を攻略してみようということで、 お昼を食べに行く。
     築地は場外に限っても結構なお店の数があるし、ここは気長に取り掛かるというこ とで、 地理的に大通り沿いから順にこなすつもり。
     と言うわけで、まず大通りに面した一軒、「築地どんぶり市場」
     まぐろ丼は、使われている部位は筋のある赤身だ(噛み切れない〜(^^;)が、肉質 自体はもっちりして鮮度はとても良いようだ。さすが築地の魚屋が母体だけのことは ある。
     これは価格を考えると納得できる一品と思った。ゴマを振った酢飯もほど良い。
     また来るか?というと、それは保留。まだまだ店は沢山あるから経験地を積まない と。
  • HV版『エイリアン2』鑑賞(BS-hi) ★★
     宇宙船の模型の細部で比較すると、なんとなく"1"の方が解像度は高いように思える。 しかし、どうもハイビジョンで見ると『エイリアン2』で使われている宇宙船の ミニチュアは縮尺が小さく、そこはかとなく「日本の特撮(ウルトラマンとか)」っぽい ニュアンスを 感じる。あまりカリカリに解像度を上げない方が良いかもしれないと言う予感は ある。
     一方、作品中に「エイリアンの探索をする兵士の視界」を撮影するビデオモニタの 絵がとても多い。これは「ブラウン管の接写」で、ディスプレイの網目が写っていて、 DVDでは これが汚れたようなモヤになってしまうところが、ハイビジョンではちゃんと網目が 分離して見える。
     総合的には、"1"ほどではないにしても、ハイビジョンの効果は感じられる画質 だった。
     
2004.10.12
  • SONY VPL-HS50 12/1発売市場予想価格は35万円前後
     コントラスト比6000:1(最大)という性能はとても気になる。が、問題はフルHDの プロジェクタがいつ発売されるかなんだよな〜
  • フォトキナでのカメラバッグの話
  • HV版『WATARIDORI』鑑賞(WOWOW) ★☆
     先日鳥好きの友人宅でDVDを見せてもらった作品。真HVらしいが、それほどカリカリと 高解像度ではなくマイルドな画質なのがちょっと惜しい感じ。
2004.10.11
  • 「ピカソ展・躰[からだ]とエロス」鑑賞
     パリ・国立ピカソ美術館所蔵 - 東京都現代美術館
     ピカソというのは、ポピュラーにしてスペシャルな存在だ。なんだか理解できない のに心引かれる。普通の絵を描いても物凄く上手い彼が敢えて不気味に変形した絵を 描く、その不思議に惹きつけられるのかもしれない。あるいは、その歪みが発する 何かが。
     今回の展覧会で印象深いのは、
    「絵は日記の一ページにすぎない。」と語ったピカソの連作の数々で、 日に何枚も制作される絵の、日付が徐々に進んでいくこと。版画でも同じ原版の 色違い、擦れ、滲みのバリエーション。とにかく数が膨大だ。
     日々「描きたい、表現したい」というエネルギー、描くことが生きることみたいな 没頭。やはり巨人は違う。
     ピカソの絵の歪みを見ているうちに、昨日お話した七条さんの「自分で詩を書いて 歌うということはとても辛いことなのだ」という主張を思い出した。
     ピカソは見たものを見たままに美しく正確に描くのには不自由しない技巧の持ち 主で、あんな歪んだ絵を描くにいたるには、一枚の絵に見たまま以上の主張を込める ためのとてつもない表現意欲の葛藤。喜びと苦しみの同居を感じる。ピカソは戦って いたんだなと思う。
     マリー・テレーズの絵など、どんなに不思議に変形していても彼女の絵と分かる 造型上のバランス感覚。素晴らしい。山ほど並べて何時間も見ていて、突然に ピカソの描きたい衝動が理解できたような気がしてしまった。
  • 錦糸町駅北口・らがーる「江戸前もり一」
     全品150円は安い。原価の高そうなネタは廻っていないがおすすめ品の案内も 頻繁なので、つまり高めのネタは握り立てを食べてもらうという感じか。  あくまで150円寿司ではあるが、このジャンルの中でのコストパフォーマンスの 高さには大満足。
  • SONY地上デジタルチューナーのソフト自動更新
     自動的に更新されるはいいけれど、内容が不明だな。
     i-Linkが時々エラーになる件が治るといいのだが。
     (…ところが、翌日のHDR1への録画が認識不能でコケた。う〜む、直ってないぞ。 ビクターのD-VHS側がi-LINK接続を離さないなんて相性問題があるのだろうか?)
  • HV版『エイリアン』鑑賞(BS-hi) ★★
     DVDも怖いのであまり回数を見ていないのだが、いや〜怖い。
     宇宙船・ノストロモ号のディテールがとても良く見えること、宇宙空間の星が とてもシャープなこと、などハイビジョンならではのお約束はきっちりあるうえに、 エイリアンの細かくびっしり生えた歯の凶悪な輝きも凄い。
     ハイビジョンのデモ的高画質映画として使える画質だが、やっぱり怖いから 繰り返し見ないかもな〜ていうか、今回最後まで見れてないし(^^;
  • 『Zガンダム』DVD再見
     なぜか今更、Zガンダムの新作映画が作られたらしい。
     妻が「1stしか知らないので、予習したい」というもので、今更ながら DVDを再見することにした。とはいうものの、私もTVは飛び飛び、DVDも ほとんど見た記憶が無いという昔の話だ。(後半すごく暗い、という印象だけ 残っている)
     Zは、1stの直接の続編だが、ジオンが解体されて、なのになんだか連邦の 内部でごたごたと喧嘩していたり、シャアが敵じゃない様子だったり、第一話を 見ただけでは本当に何が何だか理解できない。
     …というわけで、深夜になったというのに話が見えてくるまで約4話ほど 一気に見てしまった。うぅ、疲れた。
  • ところで、2chの大河板に「機動新選組!ガンダム」というスレッドが 出来て、新選組のキャラにガンダムの名セリフを当てて喋らせるという遊びを やっていた。
     こういう時はやはり1st,Z,逆シャアの三作品がメインか。
     どちらも軍隊組織の中で権謀術策が飛び交う話。腕自慢の若者も居る。 なかなか、上手く当てはまって面白いセリフが多い(笑)
2004.10.10
  • 濱田さんちの夕食会with七条さん
     古楽アンサンブル 「アントネッロ」の主催者である濱田さんから「食事にでもいらっしゃいませ んか」との嬉しいお誘いがあり、些か緊張しつつも呼ばれてきた。
     以前からHPへの感想文の掲載を通じてこちらの正体(笑)は、バレていたのだが、 なぜわざわざ誘っていただいたのかなと伺ったら、お弟子さん筋以外の聴衆は あまり多くないのだとか。あぁ、毎回あんなにワクワクする演奏が聴けるというのに、 客層が狭いとは、なんてもったいない!
     あまりにも人気が沸騰してチケットが取れない芸能人みたいになってしまうのも、 ファンとしては考え物だが、もう少しお友達に声をかけて見ようかな、と思ったの だった。…という自分の古楽関係の知り合いも物凄く狭いけれど…(^^;
     客層に関しては「音楽が古楽の主流派と違うこと」が壁の一つであるとも 聞いたが、私の場合数十年前からの「古い教科書的古楽」しか知らなかったならば、 これほど古楽を聴くようにはなっていなかったはず。
     古楽ファンというより、ギター好きに始まってスペインの音楽に興味を持ち、 この世の果てが四角いバッハやヘンデルの壁で終わっていた学校教育の音楽の 向こうに、なんだか血の通った面白い音楽があるらしいぞ…と気が付いて探索を 始めたのがそもそもの始まり。
     あるいは、毎朝NHK-FMで目覚まし時計替りにバロックの放送を聴いて、 たま〜に「目の覚めるような新鮮な演奏」を聞いて番組表からCD番号を調べて 買い込んだり。
     だから、私にとって古楽は新鮮でどきどきするものでなくてはならない。
     つまり、古くちゃ意味が無い。ロック、ポップス、ジャズetc.の最先端を走る 音楽と同じように聴いてノリノリで熱くなれるのが良い古楽。
     そういう古楽が「古典じゃないのか」というと、濱田さんは徹底的に文献を 勉強して「古楽がその時代にどう演奏されていたのか」を研究した成果を音にして いる。
     だから、アントネッロの演奏が楽しいのは「何百年も昔の民衆やお殿様が、 音楽を楽しんで、ノリノリで盛り上がっていた情景」を想像させる。
     古楽は偉大な作曲家が神のごとく完璧な曲を残した(ということもあるだろうが…) というより、古代のヒット・ソングが時の篩にかけられて残ってきたものがたくさん 有るのだから、 趣味の違いこそあれ、現代のヒット・ソングに負けない粒よりの面白さを期待 するのは、きっと間違いではない。

     さて、奥様のなかなか絶妙な炊き加減のパエリアなどを賞味しつつ、色々な お話をした後、レッスン室に移動してさらにさらにお話は続く。
     リハーサルで来ていたボーカルの七条さんの話がまた興味深い。
     七条さんはもともとロック界のボーカリストなのだが、打ち込み系の ガチッと固められたバンドではなく、臨機応変、縦横無尽、当意即妙な、 アントネッロのサウンドに我が意を得たりというかの心境というか、 気持ちよく歌えているらしい。
     何時間も語り合ったのでこれを採録したりはしないけれど、とにかく 音楽に対して真摯で勉強家で、観客に「伝える」ということをとても大切 に思っている事がよく分かった。それは、やっぱり「繊細かつダイナミック」 な歌に全面的に反映していると思う。
     七条さんの歌はイタリア語ぺらぺらなんじゃないかと思えるほど、 バチっと決まっている一方であまりにも大胆な表現に 「うぁ、ここまでやって良いのか!」と思う瞬間もある。
     それは、否定ではなく「肯定する自信が無い」という感じなんだけれど、 七条さんは他の演奏の録音をたくさん聞いたうえで、噛み砕いてああいう ダイナミックな表現を選んでいるらしい。

     濱田さんが好きな音楽ということで、いくつかのCD,資料録音を聞かせて いただいたが、その中で日本の民謡・子守唄が、まるでフラメンコの カンテ(歌)のように聞こえるものには、本当にびっくりした。
     最近アントネッロは「遣欧少年使節団」が聴いたかもしれない音楽、 というテーマの演奏会をいくつか開いているが、その中で、西洋の古楽の中に 日本の民謡、童謡と繋がりを感じさせる曲があることを紹介している。
     しかし、この何もかもフラメンコのように聞こえる子守唄にはぶっ飛んだ。
     フラメンコと言っても日本ではカンテ(歌)は踊りのようにはポピュラー じゃないので、ここで文章に書いてもピンと来る人は多くは無いと思うが、 九州あたりのキリスト教文化の濃い地方では、確かに音楽的交流が今からは 想像できないほど深いレベルで有ったのかも知れないし、三大文明発祥の地 から世界中に広がった文明・音楽の古い形が、西洋と東洋の両端の地の古い 文化を伝える集落に奇蹟の様に残っているのかな、とも思わせる、そんな 経験だった。
2004.10.9
  • 「スプラ・アンサンブル独唱・重唱研究会」(光ヶ丘・IMAホール)
     妻の参加している合唱団の「独唱・重唱」の発表会があって見学。
     内輪の発表会とはいえ、お客が出演者の数より少ない?と思うくらい で、ちょっと張り合いが無くは無いか…と気になる。
     IMAホールは、駅前のビルの中にあって客席200くらい。お客がガラガラのせいも あるかもしれな いが、今回のようなアンサンブルには丁度心地よい響きで、歌ってなかなか 気持ちよさそうである。
     演目はピアノ伴奏でオペラのアリアや有名歌曲、うちの妻だけはリュート/テオルボ の伴奏で古楽な歌曲。ダウランドとか。
     妻のリュート歌曲も場数を踏んだおかげか、だいぶ安心して聴けるように なってきた。
     他の出演者にはプロ…というかお金をもらってオペラに出演するほどのクラスの人も 居るので、物凄く立派な声も聞けるが美しい声は眠くなることも有る。オペラ系で 一番面白かったのは「フィガロの結婚」からフィガロとスザンナの二重唱を歌った ものだった。もちろん上手なのだけれど曲目の力はやっぱり大きい。聴衆サービス にもなるような演目があると耳が休まるな。
  • 台風22号、東京上陸
     妻の進歩を見とどけて帰宅しようと言う時間、ちょうど今シーズン最大の台風が 東京に上陸(^^;;; お客が少ないのは台風のせいもあるのだろうなぁ。
     結局雨風が最大の時間は電車の中に居たが、中央線の 土砂崩れや総武快速の冠水など、数々のトラブルを間一髪ですり抜けて帰宅。
     やれやれと思ったら、駅から自宅までの道路が冠水しており、濡れずに帰るために 普段より20分も遠回りしたのであった(^^;
     マンションは、庭木が何本かひっくり返ったくらいで済み不幸中の幸いと言う感 じ。
     妻が打ち上げから帰ってくる頃には、もう青空。
     TVは台風情報一色だったが、映画の録画などしてなかったのがまた不幸中の 幸い…(^^;
  • 「ガンダムSEED DESTENY」スタート
     録画は台風情報にやられてしまった(^^;
     DESTENYは、主人公が家族と避難中に列を離れたところを爆撃されて、一人生き 残るとか、ガンダムが「コアブロック・システム」で合体するとか、なんだか、 SEED以上に1stガンダムを意識したような作りであり、あきらかに「ザク」なメカも 登場。 「池田秀一」が仮面をつけない役で登場して Zっぽいかな〜とか、また色々こだわりありそうで楽しみ。
     もっとも、第一話だけでは全然状況が把握できないんだけどなぁ〜。
     SEEDはガンダムvsガンダムの話ばかりで、ぜんぜん「ザク系」のMSとの戦いが 少なかったので、DESTENYにはそのへんのフォローもお願いしたいものだ。
2004.10.7
  • 『2001年』地震報道に斃れる
     昨晩、BS-hiでは初の『2001年:宇宙の旅』のハイビジョン放送があった というのに、関東地方の地震(最大震度:5-)のために、テロップが流れる だけならいざ知らず、ぶちっと「報道番組」に切り替ってしまった。
     ひどい。ひどすぎる。
     震源地が内陸であるから、当然津波の心配はないし、現地からの中継も、 新幹線や地下鉄が一時的に止まったほかは、「棚のものが落ちるような ことはありませんでした」「あたりの様子は特に変わりありません」 「被害などの連絡は有りません」という聞く意味も無いような話ばかり。
     震度の4や5-は毎年何度も起こっていて、津波が来るのでもない限り、 ハイビジョンを中断して報道する理由が無いと思う。デジタル放送なんだから、 データ放送でやって欲しいぞ。
     おかげで「何をする〜責任者出て来い〜」と深夜、抗議の 雄たけびを上げていたために、目が覚めた頃にはぐったりと疲れて いたのであった(^^;
     ちなみに、再放送は有るらしい。いつだかは分からない。
  • 木原敏江の新選組漫画「天まであがれ!」(2)を読む
     (1)は「惣司、鴨を斬れ!」てなところで終わったが、(2)は惣司の 労咳が発覚するあたりから。この期限の切られた命を土方と新選組のために 捧げようと決意するくだりなんぞは、涙を誘われ、今回の大河なんかより 感動的になっているのはさすが少女漫画。
     全体的に史実はぶっ飛ばして新選組の人と舞台と事件を借用したほとんど フィクションではあるが、感情の動きを細かく追った作品になっているので、 「史実」がどうのこうの言わない前提で楽しめる。
    (非歴史上の人物は山のように登場するし、幕府の人が「幕末」とか言って いるので、このアリエネー感覚を楽しむのも一興か)
     しかし、新選組を主人公としながら、全体的なイメージは「幕府の犬」 「人斬りテロリスト集団」よばわりが目立つのは、成立年代の古さを感じ させるかな。
     美女が絡むのはお約束。惣司と土方さんにはそれぞれ慕ってくるお姫様がつき、 彼女らと繋がりある長州の美男で不気味な剣士「キラー・クイーン」が惣司と 敵対し因縁が深まる。
     何度も対決し「○○は死んだ…」と思われながら、全員ラストまでしつこく 生き返るのは、100%フィクションの人物とはいえしぶとい(笑)
     要するにこの新選組は、業務として不逞浪士の取り締まりはやっているものの、 ドラマの山場はほとんど架空の人物との戦いと恋愛にある。
     とはいえ、土方さんは駆け足ながら函館戦を戦って死ぬし、近藤が鉄砲で 撃たれるシーンも姫様を絡めてうまく作ってあり、たった二巻で駆け足的と 感じるところもあるけれど、主要なエピソードをできるだけ多く拾ってよく できていると思う。
  • 今日の晩御飯「スペイン風オムレツ」と「鰯のマリネ」
     マリネは昨晩漬け込んだもの。うぅ、酸っぱい。完全に保存食だ(^^; これは上手に 酢を抜くことが美味しく食べるためのもうひと手間だなぁ…
     「スペイン風オムレツ」は定番料理。大量のオリーブオイルで薄切りのイモを 揚げ煮にするのが旨みのポイントだが、妻は「大量の油」に抵抗があって作れない らしい(笑) だけど、揚げれば確実に火が通って絶対に失敗が無いのだから、 とても簡単な料理だ。
     これで連続四日料理した。楽しいけれど時間は掛かるし大変だ。妻は偉いよ。
  • HV版『X-MAN2』鑑賞(WOWOW) ★
     前作の敵マグニートと組んで、ミュータントの絶滅を画策する米国政府内部の悪党 と戦う。
     前作は「DVD捨ててもイイや」と思うくらい肩透かしな印象があった作品だが、 "2"ではストーリーもCGの出来も進歩している。さすがに絵の上での安っぽさは ほとんど感じられなくなった。ストーリーも、人間関係を描こうとしているのは 「全員とにかく顔見せ」しなければならない1に比べると有利なのかとは思う。
     だが、主要なキャラクターだけでも14人以上と登場人物が多く、それぞれに エピソードを盛り込もうとしているため、かなりごちゃごちゃしている。
     ラストで味方の○○が死ぬのに、それまでのストーリーの中であまり重要な 役割を果たしていないので、大河「新選組!」で隊士が死ぬのに比較すると、 全然盛り上がらない。
     どうも「他のエリート・ミュータントに比較して活躍度が低いことにコンプレックス を抱いていた○○が、命懸けで皆を助けることで存在を証明したかった」みたいな 説明があるのだが、2時間ちょっとの映画の中で「影の薄いキャラ」が突然死んでも 思い入れが形成されていないので「何でまた突然…」くらいにしか思えない。
     そういえば、中盤○○のパワー切れのために敵のミサイルを食らった、それの 名誉挽回の死なのかな〜。
     「ミュータント対旧人類」の戦いがテーマなのに、ストーリーのほとんどが 組織との戦いの描写で、一般人との感情的な摩擦がスポット的にしか描かれて いないのも平坦な感じがする原因か。
     おなじくコミック発の『スパイダーマン』の面白さと比較して、この落差は「集団の ドラマは映画に向かない="連続ドラマ"向け」ということなのかもしれない。
     特撮の進化・一般化で、超能力の視覚化なんかもう誰も驚かない…漫画で描ける物は 映画でも当たり前に出来るし、特撮映画と一般作品の差が縮んだ現在では、 「話の面白さ」で勝負出来ない映画はきついってことだなぁ。
  • 考えてみれば、『ロード・オブ・ザ・リング』も特殊能力系でむちゃくちゃ 登場人物が多くいが、1本3時間の映画の中で全員がそれぞれしっかり描かれて 心に残る。
     これと比較すると『X-MAN』は「特殊能力」は描かれているが「人間」が描き切れ ていないというか、キャラクターが浅くて類型的ということだろうか…。
     唯一狼男の「ウルヴァリン」が人間味を感じるけれど、他は血が通って見えない なぁ。
2004.10.6
  • おっとの三原則
    • 1.夫は妻に危害を与えてはならない。またその危険を看過することに よって妻に危害が及ぶのを見過ごしてはならない。
    • 2.第1項に反しない限り、夫は妻の命令に従わなければならない。
    • 3.第1,2項に反しない限り、夫は自分を守らなくてはならない。

     第一原則によって、夫は妻の絶対的な保護者足りえるのだが、逆に見ると 第一原則によって禁止しないと、夫は妻と敵対する可能性があるという、 用心の哲学、あるいは「他者に対する本能的恐怖」が根本にあることが透けて いる。暴走する夫による暴力が社会問題として存在する現代に置いて、 夫に対する第一原則の厳密なインプリメントは社会的にも重要である。
     第二原則は、原則による強制力無くしてはサボタージュが発生することを 予見してのものである。ロボットのように原則的に与えられたプログラムしか 実行できない…従って反抗の可能性が無い存在と違って、夫は隙あらば 妻の言いつけを無視し、洗濯物を脱ぎ散らかし、家事の手伝いを怠るもの だからである。
     第三原則の存在は、第1,2原則から夫というものは本質的に制御が難しく 厄介なものであることを示唆しながらも、優秀な夫は価値が高く、妻にとっ ての資産であるが故の保険である。
    参考:アシモフのロボット工学三原則
    • 1.ロボットは人間に危害を与えてはならない。またその危険を看過することに よって人間に危害が及ぶのを見過ごしてはならない。
    • 2.第1項に反しない限り、ロボットは人間の命令に従わなければならない。
    • 3.第1,2項に反しない限り、ロボットは自分を守らなくてはならない。
  • 木原敏江の新選組漫画「天まであがれ!」を読む
     凄い、歳三さんのバックにバラの花が舞っている。沖田の背後に 椿の花が舞っている。この世界を最後まで読めるものだろうか…(^^;
     しかも解説が「中島梓」だなんて…(^^;;
  • 今日の晩御飯は、フランスを通過してスペインを志向する。
     スペイン料理はシンプルに素材を生かし、オリーブオイルで 調理するものが多いので、イタリア料理的に簡単だ。
     思いついた何パターンかのうち安売りしていた鰯を使って「マリネ」 を作ることにした…のだが、下ごしらえに掛かったところに妻が帰って きたので、お任せにしてしまった(^^;
     一方、私は昨晩の「ラタトゥイユ」に、新たに作ったトマトソースを足して パスタを作成。イメージ的には 「トマトソースのスパゲッティ・ラタトゥイユ添え」になる 予定だったのだが、なんだか麺の量が多くて大迫力になってしまった(^^;
2004.10.5
  • 今日も妻の帰りが遅い。週末にコンサートに出演するので、練習の方が 切羽詰っているらしい。こちらは暇なので楽しく料理に精を出す。
     今日も「フランスの地方の家庭料理」の本をテキストにするが、 「簡単で妻が帰宅したら暖め直しで食べられる料理」という縛りを掛けると、 野菜の煮込みしか残らない。(妻が帰ってきてから作るのでは、自分が待て ないので(笑))
     というわけで今日は何の変哲もない「ラタトゥイユ」
     主要な材料は「なす、赤ピーマン、タマネギ、トマト」
     茄子は好物なのでいくらたくさん食べても良い(笑)
     今回使ったレシピでは、最初に「なすを単独で炒める」という段取りで、 これだと茄子が単独でオリーブオイルを吸い込むためにコクが増すように 思う。
     カラーピーマンの皮を黒焼きにして剥くという作業だけが、えらく 手間に感じるが、後は30分ほど煮るだけなのでもう一品作るにも段取りが 良い。
  • もう一品は「残りご飯のリゾット風」
     残りご飯と冷凍の野菜を固形スープの元で煮込んで、…なんか物足りない のでウインナーの細切れを入れてみたら格段に旨い。
     そういえば以前イタリアンレストランで、ボローニャ風ソーセージの リゾットを食べて感動した事があったが、方向は似ている。あちらは 赤ワイン風味だったな…。
  • 帰宅した妻は風邪気味で食欲が無い。つまらんなぁ…
    ↑まるきり主婦である(^^;
2004.10.4
  • 20世紀FOXがブルーレイ陣営に参加
     SPE,MGM,FOXで米国メジャーの30%(興行収入比か?)を取ったことになるとか。
     FOXがブルーレイ陣営になると何が…って、スターウォーズとタイタニックが ハイビジョンで発売されることが期待できる。スターウォーズのDVD発売を引っ張って きたのはとにかくとして、タイタニックのDVDがいつまでたっても、初期の低画質な 商品のまま放置されてきたのが、一気にハイビジョンで見られるならこれは素晴ら しい。
     スターウォーズは、既にEP2はBSデジタルのハイビジョン放送があるわけで、 既に準備は進んでいる予感がする。もちろん、先日発売されたDVDだってHD化を 視野に入れた作業くらいやっているだろう。
  • プチ・ポワ・フランセ(グリンピースとレタスの煮物)
     先日買った「フランスの地方の家庭料理」の本からのネタで何か作ろうかなと。
     いわゆるフレンチでは手に余るのは明白。家庭料理なら手軽に美味しいネタが あるのではないかと手に入れてみたが、じっくり見ていくと、基本的に 「オーブン料理」が多い。オーブン料理はちとめんどくさい。
     「生クリーム」を使う料理も多い。これのどこがネックかというと、分量の都合で 残った生クリームを使い切るレパートリーが無いということ。感覚的には牛乳より 日持ちがしないが、一週間以内に使い切るアテが全然無い。生クリームコッテリ料理 ばかり続くのも日本人としてどうかと思うし。
     てな理由で、家庭料理とはいえ案外気軽にとっかかれるレシピが少ない。特別や 材料や器具を使わなくても、2時間煮込むとか、塩して一晩寝かすとかは、平日の 晩御飯にはちょっと。
     そこで何とか探し当てたのがこの「グリンピースとレタスの煮物」
    材料:
    • タマネギ 1/4個→薄切り
    • ベーコン 80g
    • レタス 大1個→適当にちぎる
    • グリーンピース(冷凍) 150g
    • バター・塩・コショウ・砂糖・強力粉・水
     手際が良ければ15分ほどで完成してしまう、超お手軽料理。
    手順:
    • 薄切りのタマネギを炒めて透き通ってきたら、ベーコンを投入
    • 強力粉適量(とろみの元)を振りいれ、からめたら水200ccを入れる
    • レタス・砂糖(大匙1+α)・塩・コショウを入れてしんなりするまで煮る。
    • グリーンピースを入れて更に少し煮込む。
     ダシもハーブも何も無いから、ここに入れた材料だけから出る旨みの勝負なんだけ れど、たまねぎとベーコン、バターのベースはもちろん美味しいし、くったりした レタスの中のグリーンピースのプチプチした食感がアクセントになって楽しい。
     なにより、生では「鍋に入らないぞ…」という程の量のレタスがペロッっと食べれて しまうのは何だか体にいい感じ。おなかの中がさっぱりする。

     今日はこれをメインにしてしまい、先日妻が作った豚のリエットをパンに添え、 赤ワインを少し飲む。
     ワインは近所の酒屋で山積になっていたコート・デュ・ローヌの安い赤。
     最近気温が20℃前後で、赤を常温で飲むのに丁度良くなってきたのも嬉しい。
  • この料理は後から帰宅した妻にも好評
     煮込み系は、帰宅時間がずれた時にも、温め直すだけでいいのだから便利だ。
     料理は好きだが、最近妻にまかせっきりでたまに作るのは中華なべでどど〜っと できるレシピばかり。野菜炒め、チャーハン、天ぷらなどなど。
     というところに、久しぶりに変な「やる気」がわいている。いつまで 続くのかな…(笑)
2004.10.3
  • 『ザ・エージェント』鑑賞(wowow) ★☆
    1996/米,出演:トム・クルーズ、レニー・ゼルウィガー
     子役がめっちゃ可愛い。  主人公(トム・クルーズ)は、腕利きのスポーツ・エージェントで、数多くのスター選手 を駒に、高額の契約金をゲットし続けていた。ところが、契約達成のために無理をして 怪我をした選手の子供に罵られたことを切っ掛けに、選手をただの商品としか考え ない大手エージェントのやり方に疑問を感じ「契約選手数を減らして、 血の通ったコミニュケーションを築こう」なんて提案書を全社にばら撒いたら、 一撃でクビになってしまう。
     クビはどうかと思うが、会社の利益には真っ向反する提案なので、はじき出される のは無理もない。独立新会社を企画するものの、元自分の担当した選手たちも 「大手の安心」 を取って離れてしまい、担当するのは「落ち目の黒人フットボール選手」ただ一人、 社員も着いてきたのは、さえないシングルマザーで自称世界年を食った26歳の アシスタント(レニー・ゼルウィガー)ただ一人。
     そのただ一人の給与にも事欠くほど、会社は切羽詰ってしまう。
     …なんて物語。
     とにかく基本的に地味な裏方のお話だ。
     大手に所属していた時のトムは、1stクラスで全米を飛び回り、美女と結婚目前の ノリノリ生活だったのに「高邁な理想」に立ち上がったとたんに挫折。
     頼みの綱のフットボール選手は、お金のことしか考えておらずプレーは ボロボロ、同僚選手の愚痴ばかりで、トムの理想には程遠い。
     一方アシスタントのレニーは、容姿が冴えないだけならいざ知らず、自分も同居の 姉も離婚歴があって、自宅は「離婚女性のカウンセリング集会所」と化していて、 まだ26歳なのに人生灰色。
     この「どんよりした面々」の中でピカっと光っているのが、レニーの連れの 男の子。
     3,4歳くらいに見えるこの子が、底なしに明るくトムになついて可愛く、母親が 思うよりずっと賢い。
     とにかく、前半の唯一の救いがこの子とトムの交流の邪気のなさだ。
     トムとレニーはいきなり「セクハラから恋」みたいな関係になってしまうが、 そのありがちな展開を膨らませてくれるのも、この少年の存在。レニーは決して 男を取って子供を蔑ろにするような母ではなく、トムもまた、レニーとの関係が 危うくなった時に、少年との友情を第一に考えてしまうようないい人として描か れている。
     結婚もしていないうちから「子はカスガイ」みたいな。
     仕事の上では、トムも真剣勝負だ。仕事に打ち込むあまりにレニーを寂しがらせ 関係にひびが入るほど、たった一人の選手のために打ち込み、真に「友人」として 選手の「とにかく選手生命のあるうちに人の10倍稼がなきゃいけないんだから、 お金が第一なんだ」という考え方に疑問を投げかけ、反対に 「フットボールに対する純粋な情熱から生まれるプレーこそ、観客が求める ものだ」と忠告する。
     結果、彼のプレーは生まれ変わり、人気がお金に結びつき、トムの会社の首が つながったことで、レニーとの生活も持ちこたえ、何もかも万歳なエンディング が待っている。
     とにかく地味で恋愛でもめているあたりの描写では、挫けそうになるくらい だったけれど、お金第一の選手の気持ちが変化するあたりから、物語はぐぐっと 高揚して思わず泣けてくるようなエンディングが待っていた。
     心がすっとなる良い映画だ。
     それはそれとして、レニー・ゼルウィガーも「世界年を食った26歳」なんて役 で良いんだろうか(^^;
     『シカゴ』も『コールド・マウンテン』も、役の内容は良いかも知れないが、 不美人を売り物にしているイメージは、がっちり染み込んでしまった気がするん だよなあ…
2004.10.2
  • 第6回 アントネッロ・ファンキー・ルネッサンスライブ
     今回はイタリア古楽。七条さんのボーカル入り。
     この小規模なコンサートも回を重ねて、聴衆として最近は濱田さんの超絶技巧に 感心するばかりではなく、全体を聞ける体制になりつつ有る。
     全体を支えるチェンバロの「正確無比」な演奏もすごいと思うし、ガンバも音色的に どうしても目立たないのだけれど、時々「うわ、凄い難しげなことしている」と 思ったり。
     しかし、ボーカルが入るとこれが目立つことは圧倒的。七条さんと濱田さんの 音楽のスタイルはけっこう共通点が多いとは思うが、キャラクターはかなり違う 部分が多いような。
     何しろ七条さんはベースがロッカー(?)なので、まさに演奏会よりライブの感覚。 逆にああいうトークのノリを見ると、歌った時に濱田さんの世界と良く似ているのは 不思議。
     濱田さんの演奏を聞き始めた頃には既存の演奏と比較した違い、温度の高さに 驚いて演奏会に通うようになったのだけれど、歌モノ・ルネッサンスは 「宗教的な合唱曲」くらいしか鑑賞レパートリーになかったので、七条さんの 歌がどうなのか、なんとも判断できない。もちろん、ジャパニーズ・ロックも 聞かないし。(海外の古典的グループなら何とか…)
     妻は、歌う人なので私よりずっと分かっているようで、アンコールに演奏された 「簒奪者にして暴君」(だったかな)も他に三人ほどの演奏者で聴いた事があるら しい。
     自分でもあの曲を歌ってみたいという妻は「どれも皆、それぞれに素晴らしい」 という陛下のような感想を口にしていたが、色々並べたら今日の演奏が一番 個性の濃い一品になることは、まあ間違いがないだろう。
     ちょっと残念なことは、あれほどのパワーの放射を受け止めるには、会場の キャパシティーが不足していると感じられることかなぁ。前回1000人くらいの ホールで濱田さんのコルネットを聴いたときには、のびのびと感じてとても 良かったけれど、七条さんのボーカルももっと広い空間ならどうなんだろう? と思ってしまう。まあ。ロックの人は狭いライブハウスでガンガン音を出すのに 慣れているから感覚が違うのかもしれないけれど。(でも弱音のコントロールも うまい人だ。器用なのである)
  • 『新選組始末記』鑑賞(wowow) ★
     原作は子母澤寛。池田屋事件まで。
     「尊敬されるべき近藤の武士らしさと新選組の矛盾」を、近藤を尊敬する 一隊士の目を通してみた作品。
     昔の作品なのでたぶん役者の平均年齢は高いけれど、よく見ると NHKの「新選組!」に登場している役者と良く似たイメージの配役が多いと 感じられる。代表的なところでは「土方歳三」なんて、かなりイメージが ダブって見える。
     そういえばNHKのHPには「新旧土方対談」なんて企画の記事が掲載されていて、 けっこう研究しているのかもしれない。
     それにしてもこの作品、池田屋で終わっているのはそれが新選組の絶頂期で あったのだから良いのかも知れないけれど、思い切り新選組の内部の矛盾を 告白しているので、「うわ〜新選組の行く末はどうなってしまうんだろう」 という、思いっきり不安定なまま終わる。
     「新選組特集の一本」として見るには良いが、これ一本では思いっきり 中途半端な作品になっているのが惜しいな。
  • 豚肉のリエット
     何かの料理本で見て「リエットが旨そうだな〜」と呟いていたら、妻が 作ってくれた(^^)
     簡単に言うと豚のばら肉を煮込みハーブの風味をつけミキサーで ペースト状にしたものだ。
     今回はなかなか塩味の加減もよく、豚の油がしっとり馴染んで、 パンにつけて食べると絶品だ。コクがあって豚のバターって感じ。
     ジャムの便ひとつ分くらいの分量ができたのだが、塩気があって、 ラード分が全体に回っているので、それなりに日持ちするんじゃないか と思う。
     これから毎日ワインが旨いな(^^)


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文:唐澤 清彦 映画館がやってきた!