映画館がやってきた!

構築日記・不定期便
- What's NEWを兼ねた日記のような読み物 -
2004年11月
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2004.11.30
  • 『トップをねらえ!』リマスター版DVD鑑賞 ★★
     数年前にレンタルで見て感動した作品。
     全6話のOVAで、巨大ロボットに女子高生が乗り込んで銀河の中心からやってきた 巨大生物の侵略を退ける話。…と書いてしまうと安易に見えるけれど(^^;;
     主人公は沖縄女子宇宙高校の一年生。ドジでノロマだが憧れのお姉さまの 操縦を見て「いつかあんなふうになりたい」と夢見ている。ところが、 新造戦艦の搭載ロボットの要員として突然お姉さまと二人、コーチの指名を 受ける。「おまえには、その才能がある」と。
     …と、タイトルからモロわかりの通り、『エースをねらえ!』のパロディー で始まり、1,2話あたりは学園コメディーどっぷり。
     ところが、『トップをねらえ!』のテーマは、 亜光速航行で生じる「相対論的時差」(ウラシマ効果)によって、地球上の大切な人と 同じ時間を生きられない苦しみ、だったりする。コアは非常に叙情的なハードSF作品 だったりするのだ。
     他にも、亜光速で敵とすれ違うと次に攻撃できるのは翌日になってしまったり、 宇宙の広さを感じさせる仕掛けが随所にちりばめられている。
     そういうSF的なこだわりと、既存のマンガ、アニメ、特撮に対する思い入れ (パロディー)がどちらも惜しみなく注がれている。
     今回の再見で気が付いたのは、主役マシンのロケットの炎が、「円谷プロ」 作品で馴染んだ青白くひらひら動くガスの炎を再現していること。
     懐かしさに泣けた(笑)
     それにしても、一度出撃している間に数ヶ月が過ぎて高校の卒業式が 終わってしまうとか、同級生が結婚しているとか、コーチの死に目に会えない かも知れないとか、ウラシマ効果による人生のすれ違いの悲劇が効果的に 描かれている。
     まあ、たった30分x六話でこれだけテンポ良く話が進むのもウラシマ効果の おかげで、主人公が一度戦う間に数ヶ月〜数十年という単位で時がたち、 地球の状況も変化するし、新兵器も開発されているのだから、むしろ急展開 が必然でもある。
     あまりにも巨大な宇宙戦艦には移動用の電車が走っているし、宇宙移民用の 船は全長70kmで地上からも見える。そして宇宙生物との決戦兵器は木星を ブラックホール化したもので、銀河系の中心数万光年を一気に破壊するとか、 ホラもスケールが大きいと爽快だなという話。
     女性に見せるには入浴シーンが多すぎるのがオタクっぽくて冷や汗ものだが、 それでも中見は感動モノなのだなぁ。
  • ハリウッドの4社がHD DVD支持
     4社がBDを出さないという発表ではないが、微妙なところ。
     HD DVD陣営も記録形が不利なのは意識しているようなので、ROMはHD DVD、書き込みは BDというハイブリッドな将来像も薄々見えてきたか?
     何しろ、BD/DVD互換のドライブがHD DVDを読むのってまるで難しく無さそうだから。
  • エイズの年間死者310万人。感染者総数増加160万人
     …つまり、310万人も死んでいるのに未だに患者は増えている。アフリカは横ばい、 アジアは増加傾向とか。
     誰も死んでいない牛肉やダイオキシンに多額の予算が投入されているのと比較して、 確実に死人が増えているエイズや、毎年地味に大勢死者が出ているインフルエンザ 対策など、本当に必要な予算が付いているのだろうか??
2004.11.29
  • ジャズのCD購入
     昔からジャズに憧れはある。これは恐らくオーディオに対する興味に付随したもので、 ジャズ喫茶とか「文化的」な感じがするし、酒とタバコと並んで大人の香りもした。
     オーディオ店のちょっと高級なのをのぞくと必ずジャズで、ポップスは論外にしても、 明らかにクラシックよりはジャズが優位。そんなイメージ。
     ずっとイメージだけでほとんど自分の部屋で再生する事は無かったのだけれど、 古楽の線を手繰っているうちに「アントネッロ」の音楽に出会い、 その方法論の一つとして 「ポピュラーなメロディーを装飾、展開して技を披露する」みたいなのが、実は ルネッサンスの音楽も現在の音楽(ジャズ)も、同じ原理が生きているんだな…と 思ってから、長年のジャズへの憧れが急速に復活してきた。
     そこに、ごく最近の「上原ひとみ」ショックである。
     この人の二枚のCDは、若い天才のひらめきと、古き良きジャズの香りが 絶妙にバランスしてワクワクする。
  • そういうわけで、「ついにジャズを聴こう」と名盤案内の本を一冊買った。 (このへんが素直な行動である(笑))
     クラシックならどの作曲家がどんな曲を書いていて、自分がすきなのは何、 という傾向は分かっているし、「ハズレ覚悟で未知の現代音楽のCDを買う」って ところまで行っているのだが、ジャズは全く道が分からない。
     演奏家の人名で知っている名前は少なくないのだが、それがどんな人 なのかまでは分からない。
     だから、聴いたことのある名前のプレイヤーの傑作と呼ばれるものを まず聴いてみようと考えた。
     それで、まずは比較的最近の作品から、遡って以降と言う作戦。理由は 「録音が新しい方が、オーディオ的にも刺激的で楽しいのではないか」という こと。
     ところが、2000年頃発売の案内本でジャズの100年を振り返って名盤を 紹介するという企画なのに、ここに登場する名盤は案外古いものばかり。
     まあ最近は「フュージョン」というジャンルの方が元気が良いのかも 知れないけれど、何となく不安である(^^;  ともあれ、第一弾として買ってみたのが次のアルバムだ
    • 「処女航海」ハービー・ハンコック 1965
    • 「ウェザー・リポート」ウェザー・リポート 1971
    • 「ケルン・コンサート」キース・ジャレット 1975
     三枚ともバリバリ、テクニックを披露するよりスローでムーディーな 音楽が多かったけれど、 この中では、ハービー・ハンコックの「処女航海」が一番「ジャズらしい」と 感じた。
     スローなピアノとドラムのリズムの上で柔らかいトランペットとサックス(?) のメロディーが流れてきて美しい。オーディオショップの奥の方の高額システム の視聴コーナーで静に鳴っている音楽のイメージに一番近い(笑)
     音楽として一番「フォルム」がきっちりしているのもこれだな。
     ただし、オーディオ的にはノイズっぽくて決して満足できるものではない。
     「ウェザー・リポート」は電子音楽のハシリって感じの出だし。 1971年の録音なので、たぶん凄い実験的なことだったと思う。これが 現代になってしまうと逆に古く感じる弱点もあるな。
     かと思うとエレキ・ギターがメロディーを取ってロックっぽい曲もある。
     色々な楽器、電子音を使用して音色的な興味が突出した音楽なので、 電子楽器が発達した現代の人間が聞くと、「曲」が弱いような気がするな。
     「ケルン・コンサート」は、ピアノ一本の即興演奏。
     静かな美しさが全体を支配しているが、言いようの無い緊張感があって 聴いていると疲れる。真剣に聞くことを要求されている気がする。
     昔「ウィンダムヒル・レーベル」てのが流行したが、あのサウンドを 髣髴とさせるな。あちらのほうがさらに聴きやすく優しい音楽だったけれど。
     このCDは音は良い。
     次回はいわゆる「スタンダード・ナンバー」 を演奏しているCDを探してみよう。
  • 「ブレイン」上原ひろみ 2004(SACD Multi)購入
     一枚目の「アナザー・マインド」のSACD Multiがべらぼうに良かったので 二作目も購入。これもCDとダブルが惜しくない出費である。
  • オペラ『トゥーランドット』ゼッフィレリ演出版 DVD購入
     LD時代に散々鑑賞した作品。LDもほとんど見られない環境になってしまったし、 「特売(2500円!)」になっていたので購入。LDは二枚組みで一万円以上したん じゃなかったか…?
  • ラテン音楽というと、南米のイメージがあるけれど
     このラテン、「ラテン語」のラテンと同じなんだなぁ。良く考えると。
     つまり、ローマ(イタリア)、スペイン、フランスと同一の文化。直接的には スペインが征服した土地が南米だし、スペイン語圏だし、スペイン語とイタリア語は 良く似ている。
     イタリアの音楽を極めると「ラテン」の繋がりが見えてくるだろうか?
2004.11.28
  • 大河「新選組!」再会
     いよいよ「甲陽鎮撫隊」が多摩、八王子、勝沼に。
     あくまで戦で薩長を倒そうという近藤・容保様達に対し、勝海舟は「江戸で戦を されては困る」ということで、厄介払いだ。
     近藤は「これは厄介払いだな」と薄々気付いてはいるし、勝も心を痛めてはいる らしい演出でなかなか辛い。
     多摩の人はやさしいし、勝沼じゃいきなり負けているし、泣けるね。
     次回は流山で捕まって、最終回は斬首。一年は早かったな〜。
  • それはそうと、最終回前日のスマステーションは「新選組隊士大集合」とか。
     民放なのにNHKの番宣か。凄いな。
     まあ、NHKでも竜馬暗殺の回の予告編の「古畑パロディー版」を放送していたし、 最近はずいぶん融通が効くのだなぁ。

  • TA-DA7000ESの便利な機能
    1.ビデオアプコン機能
     MONITOR OUTにD4/コンポーネントの二系統があり、さらにビデオ/Sビデオから D4/コンポーネントへのアップコンバート機能がある。従って、テレビにD4、 プロジェクターにコンポーネントを繋げば、全ての入力をテレビとプロジェクターの 二系統で見ることが出来る。
    2.ナイト・モード
     ボタン一つで「ナイトモード」に切り替り、小音量でも聞き取りやすくなる。
     本来は昼間に大音量で鑑賞したいところだが、どうしても深夜の鑑賞はありがち。 些細な機能だが便利だな。
     民放とNHKの音量の違いの調整、CMの音量を下げる機能を誰か付けてくれれば なおgoodだが(^^;
  • TA-DA7000ESのリモコンの秘密
     手持ちの多機能リモコンでは本機を操作することが出来なかったが、TA-DA7000ES 本体の側にも、リモコンモードの切り替え機能がある(AV SYSTEM1/2…デフォルトは2)
  • TA-DA7000ESの分からない機能
     TA-V88ESにはSWレベルとLFEレベルの調整が有ったのだが、本機にはSWレベルの 調整しかない。
     基本的にはテストトーンで他のチャンネルと同じ音量になるようにするのだが、 SWの低音だけの信号と、他のチャンネルの音量を耳で合わせるのは難しい。
     色々読んでみると、LD時代には「LFEレベルは-10dbに設定するのが基本」と 有ったのだが、現在DVDでは「DVD側でLFEを-10dbして出力」しているみたい なんだな。
     その為、逆に「アナログMulti入力時、+10db機能」というものが増えている。 (DVD接続なら+10db、SACDプレイヤーをつないだ時には+0dbとする)
     ということは、本機には「LD用のAC3-RF入力が無い」ので、LFEレベルを -10dbさせる調整機能が要らないので廃止されているのだろうか?
2004.11.27
  • 今年は野菜の高騰のため鍋のスタートが遅れている
     そういうことで、本年最初の「鶏鍋」を食す。
     鶏肉はすぐに硬くなってしまうので要注意だな。スープは濃厚で旨かった。
  • Canonの画像処理ソフトがZB5.0にVer.up
     物凄く見た目が変わってしまい「しまった」と思ったが、画像を開く速度が 格段に早くなっている。2,3,4枚をタイル状に並べて確認する機能も追加され、 撮影後のセレクト作業が迅速化しそう。
2004.11.26
  • 「J.ダウランドのリュートソング」波多野睦美・つのだたかし(TOPPANホール・飯田橋)
     相変わらず、波多野さんの声には迫力・説得力がある。
     妻がけっこう前の席のチケットを取るものだから、客として私は迫力負けしている のである(^^;
     最近イタリア物を続けて聞いていたが似たような時代でもイギリスとは全然違う 音楽である。昔の地球はとても広かったんだなぁ。
     この演奏会で歌われた曲の歌詞の多くが「熱烈なラブソング」で君が愛して くれないと僕は死んでしまう…みたいな内容ばっかしだ。
     1500-1600年代の英国貴族って暇だったのかなと思うね。だいたいシェイクスピア の時代ともダブルけれど、娯楽に恵まれた時代だったのかなぁ。
     ところで、この手の演奏会でのつのださんのリュートソロは、なんだか毎回 スリリングだ。だからといって彼の偉さが減ずるものではないのだが、なんか 楽譜どおりの演奏するのが苦手なのかな(^^;
  • 旬彩香房くるまざ
     演奏会の後、妻の有人と三人で飲む。飯田橋駅から神田方面の道を行った先にある店。
     ちょっとお洒落っぽいところが微妙に「どうなんだ」と思ったが、案外まともで 料理もみな旨い。旨いが量が少ないな(^^; 良い食材を使い千円以内でメニューに 載せるために量が減った感じ。二人なら「色々頼めて楽しい」となるかも知れないが、 3人だと互いに遠慮と計算が必要という感じだったな(笑)
     真面目な店だとは思うが、同じ金額ではじけるほど飲み食いできる店もあるのだから 総合的に見れば中くらいの合格店という所か。
2004.11.25
  • 『トップをねらえ!・リマスター版』DVD購入
  • SACD上原ひろみ「another mind」購入
     "CD/SACD Stereo/Multi"というフル装備のディスクである。
     TA-DA7000ESの「アナログ・マルチチャンネル入力」の確認用に何か良いディスクは ないかと探してみたところ、まだまだSACDのリリース数自体あまり多くはないけれど、 最近よく聴いている上原ひろみのアルバムのSACD版が有ったのでこれを聴いてみること にした。(持っているディスク(CD)とはダブルけれど…)
     この作品は最初からDSD録音で、マルチチャンネル録音も、単に2chを拡張して 残響をつけただけと言うのとは違う。とりあえずSACD Multiを一枚というのには とても良い作品だ。
     まず、2chのCDとSACDを聴き比べ。
     これはそんなに驚くような違いはない。DSD録音したマスターをきっちりCDに 落としたという印象。
     比較視聴するためには、プレイヤーの方は、CD/SACDの切り替えと、SACDの Stereo/Multiの切り替えの二つの操作が必要で、必ず停止しなければならない。 アンプもデジタル/アナログの切り替えをしなければならず、比較視聴は案外 操作が多くて面倒だ。
     そしてSACD Multi
     これは凄い。無理にリアに楽器を配置するようなことはしていないが、かなりの 音量で後も鳴っており、結果的に録音スタジオの中に入り込んだような気分になる。
     ベースはセンター付近にコンパクトにまとまり、ピアノは2mくらいの大きさを 感じさせる空間に定位する。ドラムはその奥に配置か。いずれにしても、ワンポイント 録音的にリアルというより、現場のリアリティを維持したまま5.1chによる空間の表現を 最大限に引き出した絶妙のMIX。
     トランペットのソロなんか、センタースピーカーの位置より前にズバっと張り出して 聴こえ、猛烈なインパクト。
     2chでもセンターの楽器はビタっと目に見えるかのように定位しているけれど、 MultiでセンターSPが鳴っていると、それはプレイヤーが実体化したかのような インパクトがある。こんなに違うとは思わなかった。
     この録音はとにかくセンターSPの重要性が高い。残りの4chは空間を形成している。
     サラウンドチャンネルに(残響ではなく)直接楽器が配置されることもアクセント的に あるが、始終4ch鳴りまくって聴覚に負担がかかる冨田の「惑星」よりナチュラルにマルチ 凄い。って感じ。
     演奏のレベルが高いこともあわせて、SACD Multiの効果を確認する一枚として、 「another mind」は申し分なく絶対お勧めの一枚だ。
  • SACDチックコリア「ランデヴー・イン・ニューヨーク」購入
     チック・コリアの活動40周年記念ライブの録音。
     ライブなので空気感が楽しめるかと思ったのだが、案外メイン2chばかりで 広がりが薄い。曲間の拍手も邪魔にならない程度に抑えてあるため、客席に居る感が薄い。
     これなら2chでもいいんじゃないかと思う。
     あと、巨匠もちょっと演奏が緩いな。「another mind」のはじける様な演奏と 比較すると、酒とタバコのベールが被っているようなけだるさ、指先でさくっと 演奏している感じがする。それ程熱くない。
     会場に居ればまた楽しそうだが、場の空気が再現されない録音ではちょっと 物足りないなぁ。
  • 『シュレック2』DVD購入 ★★☆
     映画館でも見たのだが、もう一度見たいし、特典映像にも興味があって購入。 ハイビジョンで無くとも、前作より画が美しくなっているのは良く分かる。
     今回は本編をさらっと通してみただけだが「長靴を履いた猫」のヒトミうるうる攻撃 は何度みても可愛いわ(笑)
     画が美しいだけでなく、CGの制御も多分凄い。
     遠い国の群集(遠景)は、たぶん一画面に数千人存在するのに、一人一人が好き 勝手に行動していて、たぶん『指輪』のようにAI的手法を使っているのだろうし、 フィオナの髪が サラサラっと動くのも、きっと物理シミュレーションしている。
     ドンキーの毛皮だって、あれは恐らく一本一本生えている。
     毛が濡れた表現なんて、最新技術だし、燃える火の表現もリアル。何もかも 最新技術の塊だ。
     音声解説を聞くと、演出も色々なパターンを試しているというのは、結構 余力を持って制作しているのだろうが、本物の役者を使う映画のような 試行錯誤まで、フルCG映画で出来るようになったのだなぁと感心。
2004.11.24
  • DTS-ES版『千と千尋の神隠し』DVD鑑賞
     このDVDは「ドルビーデジタル2ch」と「DTS-ES」なんて仕様で、DTS以前の古いAVアンプ ではディスクリートのサラウンド音声が聞けないという挑戦的な仕様だ。
     だから今までかなりプアな音でしか聞いていなかったので、今回アンプをTA-DA7000ESに 買い換えてDTS-ESに対応したのを記念して再見してみた。
     ドルビーデジタル(2ch)で見たのもずいぶん前なので、あまり比較にはならないけれど、 「こんな音は聴いた覚えが無い」という瞬間が随所にあって、あからさまにサラウンド・ バックが鳴るような箇所は少ないけれど、情報量は2chより格段に多いのは間違いない。
     音の情報量が増すと、それが手がかりになるのか画面での新発見もあった。
     休日の昼間に、それなりの音量を出して見直してみたいものだ。
2004.11.23
  • HV版『ボーリング・フォー・コロンバイン』鑑賞 ★★
     銃社会アメリカ。コロンバイン高校での生徒の銃乱射事件をきっかけに、なぜアメリカ には銃を使った犯罪が多いのか、防ぐ手立ては無いのかを追求し関係者へのインタビュー を中心に構成されたドキュメンタリー。
     この映画は監督の続編『華氏911』と共に有名だが、2時間あまり興味が途切れること なく集中できるとても出来のいいドキュメンタリーになっているし、銃追放という「結論」 に向かって構成するのではなく、インタビューで耳にした情報を芋づる式に掘り起こして いく手法が、視聴者にとっても意外性があって面白い。
     その一つをあえてネタばらしすると、例えば世界の銃犯罪の統計を示し、何故米国だけ 他国の数十〜数百倍も多いのか、色々な説を上げたあとカナダに取材に行く。それまでは スーパーマーケットで簡単に銃と実弾が買える現実を変えようとしていたのに、カナダに 言って話を聴くと、なんとカナダは米国以上に銃が普及していて外国人(監督)でも、簡単 にスーパーで弾を買う事ができる。
     にもかかわらず、アメリカとの国境の町でインタビューすると、銃犯罪は、三年間で 一度しかおきていないし、住民は自宅の鍵をかける習慣が無い。
     日本でだって、家に鍵をかけないのは何十年も前の田舎のことで、今や戸締りは 常識になっているのに、私は驚いた。
     ともあれ、単純に銃の数だけが問題ではないのだと分かってから、米国の歴史と、影で 「銃は必要だ」と国民の不安をあおり続けてきたグループの存在にメスを入れていく。
     このドキュメンタリーで語られる内容もまた「真実の一面」とは思うが、世界中の人が 自国のことを考るきっかけになるくらい、考える素材を詰め込んだ作品であった。
  • HV版『HERO<英雄>』鑑賞 ★☆
     ただ拳法の達人が戦う映画かと思ったら、武道の奥義のその奥に 「殺さずして人を生かす」 という大きな真理が浮かび上がってきた、みたいな壮大な話だった。
     お話のほとんどが回想シーンのため絶妙にセットくさい非現実感が あるのだが、そのチープさが全然気にならない。泣ける作品だ。
     AAC-5.1chは、弓矢がビシッと飛ぶかと思ったら、カメラが弓矢を追うのでほとんど センターなのであった。それ、ちょっと残念ね。
  • TA-DA7000ESで「冨田」を聴く
     マルチチャンネルの音楽ソフトの一つとして、最初に冨田の「惑星2003」を聴いたが、 さらに念入りに7.1chスピーカーのバランスを取って聴き直すことにした。
     DA7000ESは、各チャンネルからノイズ(テストトーン)を出す他に、 フロント2chの音声を別の任意の2chから出力させる機能がある。
     この機能を使って、「2ch用のテストCD」を使ってサラウンドスピーカーの 周波数チェックなどが出来る。
     "1/3 Oct Noise"で調べたところ、サラウンドの2組4本のスピーカーは100Hz以下が すっぽり出ない。これではLarge設定は厳しいが、当面両方試しつつ進むこととする。
     4.1ch(2/2.1)の惑星は、6.1ch(2/4.1)で再生すると四方のスピーカーを均等に 活用しているのが良く分かって面白いソースだが、LP(家のステレオは マトリックス4chだった)で聴いたのとはミックスが違うようで、華やかだが ガッツが減ったような。
     またセンター有りの7.1chとすると、LPでちゃき〜んと脳天に響いた音が センターchに収束してしまったりして、これはセンター無しの方が絶対に良い。
     一方、2chステレオの通常のCDである「バミューダ・トライアングル」を Dolby Prologic IIx(SB有り)で聴いてみると、結構サラウンド効果を 感じて良い。冨田の過去のCDを全部聴き直してみたくなる。
  • TA-DA7000ESと音楽系サウンドエフェクト
     前日力いっぱい残響のあるホールで音楽を聴いたせいで、手持ちの古楽CDに エフェクトをかけてみた。
     TA-V88ESでは、「バーチャル・シネマ」系以外の音場プログラムは完全な おまけで実用に耐えないと思ったものだが、DA7000ESの"CHURCH"なんて、 昨日聴いた大聖堂の響きをうまく真似して、しかも肝心の元の演奏がもやもや にならない絶妙なバランスで出来ていて、これで聴いたらどんな演奏も極上の 美音になってしまうのではないか。
     これはまったく「おまけ」の機能では有るが、デジタル・エコーというのは DSPの超高速な演算の賜物であるのだから、教会の音をきめ細かく極上に 真似られるというのは、基礎体力としての演算能力が優れている証拠だ。

     V88ESでは2chオーディオに対しドルビーをかけると、音楽がしぼむような 感じがしたが、DA7000ESでDolby Prologic IIxを使うのは、アルゴリズムの 進歩も大きいのかもしれないが、原音を損なう印象がほとんど無い。
     これもDSPが大きく進化している証拠なのだろう。
2004.11.22
  • ラ・ボーチェ・オルフィカ第20回公演(東京カテドラル聖マリア教会)
     結婚式場で有名な「椿山荘」の向かいにある巨大な教会の聖堂でのコンサートを聴く。
     曲はモンテヴェルディの「聖母マリアの夕べの祈り」(略称=べスプロ)
     教会でのコンサートを聴くのは珍しいことではないけれど、この聖堂は今まで コンサートで訪れた教会の中で最大だ。ほとんど満席になっているというのに、 残響は軽く3秒を超える。
     開演の20分ほど前に到着したけれど、自由席なので中央前よりの席は既に無くて やや後ろの左に座ったら、近くで団員らしき人が友人らしき客に「この辺だと残響 しか聞こえませんよ」と言っていたが…(^^;
     さて、実際にはオケや合唱が全開になると「うわ〜ん」と言って不明瞭だが、 ソロの楽器や歌は実に美しく、さすが教会。客席のスイートスポットは広く なさそうだが、内容が聞き取れなくてもふわっと広がる音響は「教会の舞台装置の一つ」 なのではないかと思える。
     ここは濱田さんが指導している合唱団であるが、「なるほど、イタリアつながりか」 と最近の活動を見ていて気が付く。
     テノールに七条さんを起用しているのも、最近のアントネッロの方向と一致している。
       この演奏会は「妻の趣味」で来ているのでこの超有名曲は知ってはいるが、何種類も 聴き比べしているわけではなく聴衆として不安がある。
     この曲は、この合唱団がこの会場で何度も演奏している定番であるらしい。
     マリアをたたえる歌としては、この曲は世俗の素材を取り込んでいることが特徴 らしいのだが、ここに「イタリア語の世俗曲を歌うと絶妙」な七条さんを ぶつけてみたのがきっと今回の演奏会のポイントなのだろう。
     この合唱団の演奏会は曲目解説が詳細で実に為になるのだが、それによると モンテヴェルディは当時教会音楽家として雇われていた記録は無く、マドリガーレや オペラがレパートリーの大半を占めていた。結果的に後に彼がサン・マルコ大聖堂楽長 というポストに就職するのに大いに役立ったという。
     ともあれ、今回の演奏会で「モテット歌い」に七条氏を起用したのは、 「流行作曲家モンテヴェルディが書いた宗教曲」という側面を大いに意識した ものと読み取れる。確かにこの中に配されたモテットは、歌詞を見ると 貴族趣味のシャレた印象がある。
     そのように理解して聴いても、七条氏の色気に満ちたポルタメントを耳にするのは 「本当にこれで良いんだろうか」とドキドキしてしまう。
     もしかするとこのドキドキは彼らの作戦で、しかもモンテヴェルディが当時の 聴衆に対して意図して放った効果と同じものなのかもしれない…とすると、我々は まんまと演奏者の企みの中にはまってしまった事になるわけだが、それにしても 焦りにも似た気分が止まらない。
     あぁ、しかし作曲家も当時の演奏家も、そして観客もみんな「あの」イタリア人 なんだよな、イタリア人ならやるかも知れない。私がスペインの文化に注いでいる 思い入れの幾らかをイタリアを知ることに振り分けてみたら、彼らの真実の姿が 見えてくるのかもしれない。…これは今の私の、観客としての懐の限界が見えた 演奏会である。掴み損ねた面白そうな音のカケラがポロポロとこぼれているのが 見える。
     よし、そのカケラ絶対あとで拾うぞ。

     七条さんの歌は、長崎あたりのオラショのように聞こえる瞬間もある。
     オラショが、キリスト教が日本に渡ってきた当時の賛美歌の唱法の面影を 残しているのなら、(証明は難しいだろうが)それもまた、当時の音楽を再現する 材料だろうな。

     テクニカルな面では、合唱団(特に男声)は、残響の多い環境で横一列で歌うのが 常に辛そうに聞こえたのは残念。
     楽器は「世界一難しい楽器・コルネット」が4本も居たのが面白い。濱田氏が 演奏すると易々と美しい音が出ているようで全然難しい楽器に聞こえないのだが 今回複数本が同時に鳴るのを聴いて「あ、難しいのかも」とちょっとだけ思った のだった。
     教会の祭壇の端から端までを使った「エコー」の効果は、普通のステージで 舞台袖に人を配置するのより、格段に効果があって美しかった。
     去年の公演はパントマイムなんかあって面白かったが、教会音楽でこんなに 考えさせられるとは、奥が深い。

  • 唐藤園(たんとんえん)で食事
     遅い帰宅になったので、地元の台湾料理店で食事。風邪を引いていて、実は コンサート中も弱っていたのだが、飲んでいるうちに元気になってきた。
     駅前の再開発にどう対応するかと思ったら、年内にすぐ側のビルに引越しして、 一週間も休まないと分かったのも収穫だ(^^) がんばれ、唐藤園
  • 今日のコンサートが気になって、CDで復習しながら寝る。
     あぁ、全然違う音楽だ…。悩ましい。
2004.11.21
  • SONYマルチチャンネルアンプ「TA-DA7000ES」設定
     昼の12時頃から夜10時過ぎまで(食事時間はあるが)大仕事であった。
     まず箱から出して見ると、TA-V88ESと比較してだいぶ奥行きが有る。 高さは1cm大きいだけだが、これはかなり余裕のあるラックでないと はみ出しそう。店頭では奥行きのイメージは掴めないので盲点かな。
     DA7000ESはLDのドルビー入力が無くなっているが、スピーカー端子の数 は多いし、iLink,5.1chアナログIN,デジタル映像端子、コンポーネント ビデオ、D端子など、端子の数はずいぶん増えている。
     VA88ESには、何年もの間機材の追加追加で配線が複雑怪奇な状態に なっていたために、全配線を調査・記録することにして作業開始。
     ラックの上の段から配線のメモを取り、端子にラベリングし、外し、 完全に掃除し…を繰り返していたら、チューナー、DVD/SACD、MD、DAT、 カセットと、オーディオ系だけで気が遠くなり、映像系の掃除はまたの機会 に回して、アンプの端子との対応だけ記録。
     結構な挫折感である(^^;;
     MD/DAT/カセットの配線も、通常TAPE1,2の2系統しかないところに三台 接続するために、別途「光デジタル・セレクタ」を挟んだり、ダビング系は 迷宮のようである。
     映像系も、Video,S-Video,コンポーネント、D端子、i-Linkと混在し、 そこに光デジタル、アンテナ、電話回線、LANケーブルだとかも 参加してホラー映画のようだ。いっそ全てがiLINKになってしまえば いいのに…。
     ということで、掃除して一々確認しながら全ての再接続が終わったのが 5時過ぎ。

     スピーカーは、9.1ch対応だが、既存の5.1chに暫定的に サラウンドバックSPを追加して7.1ch状態にした。

     DVDのdts出力設定、デジタルチューナーのAAC音声のPCMミックスダウン 出力設定の変更をして、ソース機器の設定は完了。
     困ったのが「プログラムリモコン」の設定。
     うちは、このリモコンのマクロ機能で、DVD、ビデオ、ハイビジョンの 三通りのアンプとプロジェクターの設定等をまとめて切換えているのだが、 なんとDA7000ESのリモコン・コードに対応するプリセットが無かった。
     最新機種で、機能も増えているから仕方ないとはいえ、主要なキーを 片端から学習させることになる。
     それで、全ての設定が完了したのは夜10時になってしまった。
     立ったり座ったり体がバキバキ。インストーラーに丸々お願いする 人の気持ちがちょっと解る。楽しくても辛い(^^;
  • 音質の1stインプレッション
     今回の目玉は「デジタル放送がAACで5.1chサラウンドになる」ことと、 「最大9.1chのスピーカーによるサービスエリアの拡大」だ。
     以前のマンションは広くはないが理想的な長方形をしていたため、 5.1chで安定したサラウンドが楽しめたが、今の部屋は左右非対称のため スピーカーを増やすことで安定したサラウンドが期待できるのではないかと ずっと考えていた。
     そこで、アンプの入替を機に「サラウンド・バック2本使い」 による7.1chにしてみた。
     各スピーカーは仮置きだし、サラウンドバックは昔粗大ゴミ置き場で拾った もの(8cmのフルレンジ)だ。が、驚く無かれ…おどろいた(^^;
     ソースは「冨田の惑星(DD4.1ch)」
     この作品は4本のスピーカーが均等に使われることを意図しているので、 本来はリアとフロントのスピーカーを揃えた環境で聞くべきで、 5.1ch(リア・スモール)の時には「それなり」の音だったのが、7.1ch (リアは、小型スピーカだが設定はラージ)にしてみたら格段に空間が 広がった。
     サラウンドとサラウンドバックは寄せ集めのため音色も全然違うが、 1チャンネルを2本で分担する負担の少なさが幸いしてか、足して二で割った 音は悪くない。
     中型ブックシェルフのフロント2chと(質はともかく)バランス的に拮抗して 縦横無尽に音が飛び回る。思った以上に明瞭な効果がある。今まで5.1chで 環境の制約を我慢していたのが「何だったの」と思うほどだ。
     アンプの設定上、サラウンドとサラウンドバックはEQ設定を共有しているので 「同じスピーカー」を使用する前提らしいが、音量は4本ともバラバラに 調整できるので、ある程度設置の非対称もカバーできることは便利だ。
  • TA-DA7000ESの2ch
     DVDプレイヤーがSACD対応になった頃から、TA-V88ESの限界が気になって いた。
     V88ESは回路構成のためかそれ以前に使用していた 2chアンプ(TA-F333ESXだったかな)よりパワフルで厚みのある好ましい 音ではあった。しかしこのアンプのアナログ入力は必ず内蔵のA/Dコンバータ を経由するらしく、そのためか知らないが、CDのデジタルとアナログを 切り替えると僅かにアナログの方が音場が小さくなったように感じるのだ。
     パチッとその場で切換えなければ分からない程度の差ではあるが、 アナログ入力がデジタル入力に負けているのではSACDのアナログ接続をする 楽しみは期待できない。
     さて、DA7000ESに替えて、いつものCDをいくつか聴いていくと、CDの デジタルとアナログ入力の違いをほとんど感じない。
     DA7000ESは入力されたアナログ信号をA/DSD変換して再生するが、 デジタルのPCM/DSD変換された音色とこれほど一緒だということは、どちらの 回路も非常に高忠実度の出来栄えと言うことは間違いないだろう。
     もう一つ、EQをいじらなくても、フロント2chとセンターの音色がV88ES の時より同質に近いのが不思議だが、これもアンプのドライブ力が高い からなのだろうか。(リアはさすがにサイズが全然違うから音色の違いは 大きいままだが)
     定番のCD「コントラバス・マリンバ」をかけてみると、冒頭の重い 「ゴンッ」という衝撃音が明らかに軽い。だが、続く共鳴音の 「どわ〜ん」という空気のうなりは音圧が増したように感じる。
     そもそもV88ESがそれ以前のアンプに比較しても「どんどん・ごりごり」 いう傾向があったのでそれが修飾されていたのかも知れないし、蹴飛ばした ウーファーを制動できていなかったのかもしれない。
     DA7000ESにエージングが必要なのは確かだし、これから音は変わるの かもしれないが、重量感の代わりにスピード感は確実に増しているように思う。
     低音の位相を変化させる機能は、初期値を使用しているが、これを 変化させた時の効果はまだ良く分からない。低音の量感が変わるという 話なので、ゆくゆく極めたいものだ。
     最近はまっているジャズピアニスト「上原ひろみ」のCDは、 アタックが明瞭でキラキラして美しい。
     もともと家のスピーカーの高音が華やかではあるが、V88ESではもう一つ ピアノの生々しい実在感が出きらないところが有ったが、DA7000ESは 同じスピーカーでも音像の立体感が増す。ピアノの音の一つ一つの 粒の輪郭が立っている感じか。
     オーディオ店の店頭では必ずといっていいほど、ピアノトリオが 流れていて、「いいな〜、家ではこういう音はしないからな〜」と 思っていたが、デモの巨大システムのスケールより小ぶりかもしれない けれども「こういう音」にぐっと近づいたようだ。
     我が家の貴重なSACD版(笑)のピアソラの曲も、バンドネオンの切れ味が 違う。ジャズやタンゴの録音を沢山聴きたい気分になってきたではないか!
     
2004.11.20
  • SONYマルチチャンネルアンプ「TA-DA7000ES」到着
     ついに買った。これは一日かけないと手に負えないので、箱出しは日曜に。
  • S.E.T.二十五周年記念公演「千夜一夜物語」鑑賞(池袋)
     歌と踊りとアクションとコメディーとイリュージョンの二時間。
     SETの舞台を見るのは初めてで、こんなに団員が多いとは知らなかった。
     舞台一杯に人が出てきて、激しく踊り、アクションを繰り広げている。
     三宅さん、小倉さんはほとんど筋に絡まないコントを延々とやっている(笑)
     だけどこれが面白い。
     『笑の大学』の中の、「座長にはこの決め台詞で気分良くやっていただくことが、 全体のために必要なんです」っていう台詞を思い出してしまうくらい、二人は 浮いているのだが、その絶妙な掛け合いに時間を忘れるくらい笑える。
     若い団員のミュージカルシーンは、技術的にはバラツキがあるが、 これはミュージカル志望の団員とお笑い志望の団員と、色々なベースの人が 居るからなのかと推測。ばらつきはあっても、見ごたえはばっちり。もっと ダンスを見たいなぁと思うくらいの長さでどんどん話が進んでしまうのが、 上手いというかなんと言うか…。
     ストーリーは他愛ないと思ったけれど、ミュージカルなんだからもんだい無し。 心から爆笑できて少しだけホロリとさせる配分が良い。また見に行ってみたい と思ったのは間違いない。
  • SETの公演のロビーの花の中に「巨大なさぼてん・草薙剛」が有った。
     綺麗なリボンが巻きついて。狙ってるな〜(^^;
2004.11.19
  • 360度どこから見ても立体的に見えるディスプレイ  これ、たぶんリアルタイムな実写動画は撮影の方法が無いので無理だと思う。(カメラが 被写体の回りを一周する必要がある。動画だとマトリックスみたいに撮影するのか?)、でもCGなら面白そう。
  • その時歴史が動いた「秘録・幻の明治新政府」(NHK)
     司会は松平さん、ゲストは京都大学の名誉教授。
     松平さんはこの番組で取り上げられている「松平春嶽」の一族の子孫。
     名誉教授の言を聞いていると、どうも京都の人は薩長贔屓であるな。 「革命は正規の手続きよりもわかりやすい決断力だ」などと言っている。
     これは番組のビデオ部分の言わんとしている事とは逆の方向の見方だ。
  • 「戊辰戦争」の研究本購入
     「新選組!」と「秘録・幻の明治新政府」の放送で、大河でやらない部分の話 が気になって、明治維新に関する東北の戦いから函館戦争までについて書かれた 本を探して読んだ。
     どうも「教科書の歴史」の記憶では、「西郷隆盛と勝海舟が江戸城を無血開城した」 ということだけが記述され、鳥羽・伏見〜函館戦争の記述が無いではないが、 新政府軍は血も流さずクリーンに政治の実権を委譲されたという見方で 書かれている…という記憶。
     しかし、大人になってみると例えば「東北の人は今でも薩摩・長州の出身者とは 結婚を反対される」とか、東北地方の中でさえ「旧藩の別で遺恨がある」らしいとか 東北の人の中には未だに明治維新の傷が残っているような話を耳にするようになる。
     とにかく、(私たちの義務教育時代の)教科書の明治維新は、江戸城を引き渡した ところで終わっていると言える内容だったが、その後の一年以上にわたって、 「薩長を中心とする新政府には大義が無い」と考える東北の諸藩の連合と、 東北諸藩を逆賊扱いして武力侵攻する新政府軍との戦いがあって、武士から 農民、女子供に至るまで大変な数の人々が死んでいったという話は、あまりにも 語られていないようだ。
     具体的には、新政府が(鳥羽・伏見で錦旗に向かって発砲した事を理由に) 「会津討伐」を東北の近隣諸藩に命じたが、東北の藩はそれを実行しようと しなかった。
     東北の団結、というものももちろんあるし、とにかく前天皇の時代までは京都守護 を任され、最も信任厚かった会津が一夜にして逆賊の汚名を着せられた事に対する 説明がつかないこと、幕府の罪は「開国政策以来の失政」に限られるはずなのに、 政権を返上してそのうえ領地も命も取られる様な合理的な説明がつかないこと、 つまり「反体制潰し」以外に見えない新政府のやりかたと、踏み絵のように東北の 身内で戦争をさせようと言う策略、これに反発することは当然のことと思う。
     最近はNHKも学者も「王政復古のクーデター」という言い方をするように なっているようだが、とにかく事の始まりが薩長の大軍で御所を占拠して、 幼い天皇を形ばかり奉って公家と 薩長の談合で徳川潰し(幕府は大政奉還で既に無かった)、あるいは新政府の財源と しての幕府の領地の接収などを進めてしまったんだから、 東北の地から冷静に成り行きを見守っていた諸藩にとっては 「あいつらむちゃくちゃ言うな」と思うのは当然だ。
    (現代日本で言えば、年金が破綻したからって、民主党が選挙もせずに 国会議事堂を占拠し、逆らう自民党幹部を皆殺しにして政権を取るような もんだ、ほんと。)
     ともあれ、結束した東北に対して「会津を討伐しないなら東北は全部逆賊だ」 ってことで始まった戦争。
     新政府軍との直接の戦闘で死んだ人もあれば、幕府時代からの藩内の派閥の 争いに火がついて内部抗争で死んだ人も多数。とりわけ会津の徹底抗戦の中で、 篭城するのに「足手まといになってはいけない」と自ら命を絶った女や老人の話 などを読むと思わず涙が出てしまった。
     後日談として、戦争の結果大幅に領地を削られたり、土地を追われた人々が、 東北や北海道の荒地で必死で開拓をしてもなお食べるものも無く死んで行った なんて話もある。
     未だに東北の人が薩長を許せないのも理解できるなぁ。
     「上野の西郷象」なんか考えてみれば「旧幕府の残党を征伐した地の記念碑」 として立っているわけで、歴史は血なまぐさい。将軍が謹慎してしまったのに それでも戦った勢力が居たのは、やはり武士として新政府の言い分を聞くのは、 筋が通らなかったからであろう。領地をまるまる取られたら生きていけない のだから、戦う以外の選択が許されなかったということもある。
     勝てば官軍で、歴史も好きに書ける。ほんの数十年前までお札の顔も明治政府 関係者だったのに、NHKの大河も今の時代になったから「幕府視点」の物語が 許されるのだろうなぁと思うと、色々感慨深いぞ。
2004.11.18 2004.11.17
  • 風邪が治らない。もう二週間近く不調だが、一日の中で具合の良い時間もある。 もしかすると、毎日治って毎日新たに風邪を引いているのか…。
     TVを見る気力も薄く、睡眠時間が長い。肺胞がざらざらだ。
  • ルネサンスの肖像画は横向き(新日曜美術館)
     上野の美術館でイタリアルネサンス展をやっている。
     「横顔」は、ローマのコインの肖像に倣って、ルネサンスの画家が真似して流行っ ていたらしい。なるほど。
     こういうトリビアは、イタリアもののルネサンス音楽のコンサートチラシの 写真などに応用するとちょっと雰囲気が出るんでは無いかい? 分かる人には解ると 言うのがお宅っぽくて良い(笑)
  • HiVi 12月号発売
     冬のベストバイ。ディスプレイ関係にまったくSONYの名前が無い。喧嘩したのかと 思ったが、そうでもないようだ。もしやサムソン製扱い(^^?;
2004.11.15
  • DA7000ESができるまで-ITmedia
     恐ろしいほど絶賛(^^;
  • シャープのBlu-rayレコーダ-ITmedia
     HDD+Blu-rayという仕様は待望のものだが、「両面ディスク使用不可」と 「ハードディスクは160GB」というところで、もう一声の仕様。
     今160G+80Gの二台のRec-POTを使っているが、やはりこれは狭い。
     いくら、深夜にBlu-rayディスクにダビングして逃がせるとはいっても、 たとえば、年末に2時間超の特番がいくつか立て続けに放送…なんてなったら、 160Gではこれを10本は無理なのだから厳しい。
     DVDレコーダーで400G-600Gの機種があることを思うと、なおさらだ。
     両面ディスクが使えないのは「必要度」は低いと思うが、肩透かしの感はある。
     年に何度かは、4時間位の録画をしたい事もあるからなぁ。
2004.11.14
  • 珍しく土日に妻の用事が少なかったため、溜まりに溜まった録画類を一気に 消化。光が見えてきた(笑)
  • HV版『チャーリーズ・エンジェル フルスロットル』鑑賞(wowow) ★★
     なかなかのハイビジョンぶりである。
     DVDもマンガチックにハイコントラストでカリカリした絵だが、さらにくっきり。 あんまりクッキリしすぎて、合成シーンのつなぎ目が特に空が背景のシーンでクッキリ 見えてしまう。でも、この作品はあまりそういうことは重要じゃないから良いけれど。
  • 大河『新選組!』源さん、死す
     鳥羽伏見の戦いで、とうとう源さんが死んでしまった。
     源さんが銃で打たれる瞬間、弾の軌跡がCGのスローモーションで描写されたのを見て 嫌な予感がしたのだが、案の定「マトリックスみたいだ!」と 直後にネットの掲示板は大騒ぎ(^^; まだまだ大河の中の CGの使い方が上手いとはいえないが、あのくらいは許容範囲だな、私は。
     それにしても、山南、河合両人の死はずいぶんしんみりと見たが、この数回は 世の中の動きが激しくて人が死んでも「それどころじゃない」というか、落ち着いて 悲しむ暇の無い状況である。次週はもう、江戸に逃げ帰る話だし。
     それにしても、薩長も将軍もひどい。
     「帝の信任が最も厚かったのは私のはずなのに、なぜ賊軍に…」という 容保様の憤りは当然のこと。天皇の急死は暗殺ではなかったかという話も あるくらいで、いずれにしても「幼い明治天皇」が政治判断できるはずも無く、 「大政奉還」なんて言って、公家に天皇を預けてしまった将軍の判断ミスが 最大のポイントなのだろう。
     薩長は近代兵器で幕府を潰した。その勢いが明治政府の「帝国主義」に 繋がっていると思えば、この頃起きたことは、今の世の中にもずっと影響が 残っているのじゃないかな。
     「錦の御旗」に、全然天皇が関与していないというのも、なかなか陰謀が あって凄い。まあ何もかも天皇が幼いことに付け込んだ薩長の捏造なのなぁ…。
  • ところで、将軍様の俳優って『HR』の社会の先生だったのか。
     全然気が付かなかった。隅々まで三谷ファミリーだな!
  • またまたところで、「多摩編」で新婚の勇がつねにお願いした料理 「ふわふわ卵」が、実際当時の江戸の料理本に載っている、という話 を「食彩の王国」という番組で見た。
     溶き卵に酒を入れて火に掛けると、アルコールの蒸発でふわふわに 膨らむらしい。江戸の庶民にとって卵はお花見の時のご馳走だったり するわけで、「ふわふわ卵」といったらただの玉子焼きより、さらに お洒落な料理だったのかもしれん。
2004.11.13
  • 500円札は岩倉卿
     新札への切り替えの話題に絡んで、妻がコレクションしている旧札の「500円札の岩倉具視」 を見て思った。お札の図案、あまり似てないな〜
    (…新選組の役者の顔が本物だと思い込んでいる(笑))
  • 「ガンダムSEED DESTINY」
     すでに第5話。世界情勢が毎回少しずつ明らかにされる展開だが、地球とコロニーの 表向きの政府のほかに、どちらの側にも「過激分子」なんだか「秘密結社」なんだかが いて、新たな戦争に火をつけようとしている事が明らかになってきた。
     う〜ん、ややこしい、めんどくさい。
     前作の登場人物も、次々と登場しているが、まだまだまったく先が見えない。
     そんな本筋をぶっとばしてしまう、冒頭のミネルバ艦長と議長のベッドシーン は何なんだ(^^; 第一話のいきなり人体バラバラ映像といい、PTAから抗議が 出そうな絵を書くのが好きなんだろうか…
     そもそも議長は、今最も何を考えているのか怪しい人物の一人でもある。 この先どうなるのか知らないが、またまた風呂敷を広げた挙句に畳まず 最終回になりそうな予感がするなぁ…
2004.11.11
  • 『ガンダムSEED DESTINY』のDVD作成
     第一話には台風22号のL時テロップが派手に入ったが、地上デジタル放送には テロップが入らなかった。たまたま録画していたため、両バージョンを採用。
     比較してみると、アナログ放送を録画したものと、デジタル放送を録画したものと、 同じレートでDVDにしたとき、元がデジタルの方が圧倒的に画質が良い。コマ送り しても面がつるっとしてノイズが無い。
     実はアナログ放送は画面がざわざわしているために、DVDレコーダで圧縮するのに も負担が掛かっているような。
  • 『踊る大走査線2』の関係TV番組、CM等のDVDを焼く
     DVD-RAMを整理したらちょうど一枚分溜まっていたので、DVD-Rに。
     マイ特典ディスクの出来上がり。
     デジタル放送だと、こんなふうにあちこちの番組を切り抜いてDVDを作る 遊びも出来なくなるのだなぁ…、コピーワンスなんか映画番組だけに してもらいたいものだ。
2004.11.10
  • 皇居を歩く
     小学校の修学旅行で行ったような気もするが、昼頃皇居の公園部分の内、本丸のあった 部分に行って見た。
     「北の丸」が振袖火事で焼けて、二度と再建されなかったなんてパネルが、石垣の 根本にある。江戸城のこんなに中心近い場所まで飛び火したとは、凄い火事があった ものだと感心。歴史に残るはずである。
     公園の場内には弁当を持ったサラリーマン、小学生、老人、外人が 大勢居る。
     ちょっと東に行くと「雅楽」の調べが漏れ聞こえてくる。宮内庁楽部の練習場が あるのだな。
     その先の石垣が修復作業中で、説明を見ると全ての石を一旦バラして、痛みの ひどい石だけ新品で作り直し再度積んでいる。とてつもなく大掛かりな工事だ。
     工事はほとんど完了に近く、2割くらいの石が切り立ての白い色、残りは北向きで 苔むした黒い色という継ぎはぎだ。何年たてば、もとのシブさを取り戻すのか。
     それにしても、江戸城の石垣は大きな門に近い部分には見栄えを重んじたのか とんでもない「巨石」が使われている。結構隙間も小さく積まれ、大変な手間と 技術のあった事が 伺われる。身近な巨石文明だなぁ。
     この広い敷地の中に残っている建築物は、門といくつかの番屋だけというのが もったいないことである。
  • 『アラジン』DVD購入
  • 『トロイ』DVD購入
2004.11.9
  • 人差し指の外側にタコ?
     最近皮がむけて気になっていたのだが、じっくり思い出してみるとPS2の コントローラーで出来たタコの後らしい。まる一年ちかく手をつけていないのに 今頃皮がむけるとは。で、12月になるとGT4の発売でまたタコが出来るのだが… (みんゴル、GT、FF、DQしかやらないのである。RPGでタコは出来ないけれど)
2004.11.8
  • NEC古楽レクチャーコンサート「ルネサンス歌物語〜音楽と言葉〜」
    講師:Kさん(昭和音楽大学教授)
    演奏:アントネッロ(濱田芳道・石川かおり・西山まりえ)、
     歌(野々下由香里・七条信明・春日保人)

     主催は東京国立博物館、企画構成はNEC。NECは企業メセナの一環として主に古楽演奏会 の支援をやっているらしい。
     チラシを見ると、
    キューピッドのいたずら〜「愛」はどのように歌い継がれてきたのか
    本公演を楽しむためのキーワード
    • ギリシャ神話と聖書
    • ルネサンス時代のイタリア
    • 古代ギリシャ人の「後継者」は、キリスト教世界の同胞か
    • 「見て」愉しむ音楽〜16世紀の音楽と記譜法
    • 様々な象徴
    • フィレンツェの祝祭
    • オペラの誕生

     とある。
     コンサートは前半が100%レクチャー、後半が演奏。
     先生の専門はルネサンス・イタリアのマドリガーレで、その論文を書くために ヨーロッパの図書館を歩き回るうちに文化遺産保護の姿勢に感銘して「音楽図書館学」 を勉強したのだとか。
     レクチャーは「大学では1コマ90分の授業を1年かけてやっているので、それを1時間 でお話しするのはとても難しい」なんて云い出すので、早くもいや〜な予感が漂ったが、 案の定、非常にまとまりも段取りが悪くてメタメタなレクチャーだった。
     プロジェクターでパワーポイントを使った進行だが、その操作もおぼつかない。 「普段使っていないパソコンで…」などと言っていたが、なんでNECの企画でMac 使って、しかも使えてないんだか…。
     とにかく一時間のレクチャーで世界地図を出して「ヨーロッパの地理、支配民族の歴史」 から始めてしまうのだから、一年間の授業の一時間目ならそれもアリだろうが、こんな ことで一時間に収まるはずが無く、先生は「一般向けレクチャー初体験」だったのだろうと しか思えない。
     配られた資料も、授業で使う資料を抜き出してきただけのようで、今回の話を全然 補足しない。
     それでも何とか聞いた話を要約すると、
    • ルネサンス時代の西洋人は「ギリシャ時代」が、世界の黄金期だと信じ、ギリシャ文化 の復元を試みていた。
    • 音楽の理論化(想像上のギリシャの理想追求)が実技を軽視した形で追求された結果、 音楽が複雑になりすぎ多声音楽が破綻した
    • ルネサンス絵画では「キューピッドは「恋は盲目」なので目隠しをして描かれる」 というように、象徴を描くことが重視され、音楽の世界もまた「憂鬱な心を歌う パートは遅い半音階で、荒地を表すパートは跳躍する音階で書かれる」など、演奏すること より、楽譜を見た感じを重視した作品が書かれ聴く楽しみが軽視された
    • 多声音楽の行き詰まりにより、一人の歌手と楽器の伴奏(多声音楽の残りのパートを担当) というスタイルが生まれた
     という話であった。他にDVDによる初期オペラの鑑賞も少しあり。
     「イタリア貴族が娘の結婚式の出し物として、めでたく教訓的な音楽劇を発注した」 というような経緯の作品の映像で、それはつまりシェイクスピアの「夏の夜の夢」 の設定のようなお話なのだな。
     まあ話の内容そのものは普通に古楽好きなら知っている内容が殆どだが、ルネサンス 時代に「音楽にリセットがかかった」という切り口は面白かった。
     1980年代ころに、複雑化しすぎた現代音楽が崩壊して癒し系音楽を書く作曲家が 台頭してきたことと全く同じような現象が、ルネサンスにもあったのだと思うと 面白い。
     もっとも、クラシックの流れの延長としての現代音楽が破綻するずっと前から、 クラシックはポップスに主役を奪われてはいたのだが。

     後半は演奏。
     演目はたしかに中世イタリアのマドリガルだが、では前半のお話とどう リンクしているのか?と言うと、よく分からない。
     演目は通常のアントネッロのレパートリーと、あまり聞かない曲が混じっている ので、おそらく講師と奏者で協議してプログラムは作ったのであろう。
     ならば、レクチャーの方で、もっと本日の演目に絡むお話をしてもらいたかった。 もっというと、パソコンのマルチメディア機能で音をだすくらいだったら、それを 生演奏してもらえばいいじゃん(オペラは無理だとしても)と、誰でも思うね。
     そういうわけで、演奏はとても楽しかったけれど、レクチャーコンサート というよりは、しんどいレクチャーを聴いた人へのお疲れ様コンサートみたいな 気分は拭えないのであった。
     プログラム的に注目は七条さんが他の声楽家と絡んでどういう演奏を聴くことが 出来るのだろうかという点にあったが、案外バリトンの春日さんがお茶目な パフォーマンスで、互いにプラスになっていたように思う。
     パワフルさでは春日さんが強いが、七条さんの発声がいまよりクラシカルな方向に 行くと、良く鳴るけれど表現の幅が制限されてその持ち味は薄れる方向になってしまう のではないだろうか。言ってみれば、宮廷音楽家vs放浪の吟遊詩人みたいな 空気の違いがそこにはある。この表現力を維持したまま古楽の世界を突き進んで いただきたいものである。  まかり間違って七条さんが「宮廷音楽家」に潜り込んだとしても、良家の子女が その魅力にはまってスキャンダルが絶えないので苦情が絶えず遂にはクビ、なかなか ひとつ処に長続きしない…というような音楽家を演じていて欲しいような思いが するのである。

     会場は事務局が決めたらしいのだが、博物館(平成館)の入り口近くの大広間。
     ここは、ドアが閉まらないためか、入り口近くに座ったら背後に音が逃げて しまうようでちょっと痩せていた。音響的には「縦長」に使ったほうが良かった んではないかという気もする。あの会場をあの形に使った事務局の意図はよく 分からない。庭を見せたかったのか?

  • 同コンサートには友人の声楽家が来ていたので、合流して上野6で飲む。
     入ったのは「夜行列車」という店。
     日本酒の「純米酒」にこだわったというカウンターのみの10人ちょっとでいっぱいの 小さな店で、内装は「元スナック」て感じ。
     つまみは日本酒を上手く飲ませるための珍味系に偏っており、こだわっている のは分かるが微妙に寂しい。要するに、岸田屋なら半分の金額で倍のボリュームの 煮込みが出てくるわけだし、珍味ばかり並んでいるのは「酒に専念しろ」と言われて 居るようで威圧感がある。
     日本酒のラインナップは悪くは無いようだが、よほどレアな銘柄で無い限り酒は 買えば済む話なので、やっぱり少しは手の込んだものを作る店のほうが面白いかな と思うのだ。
     カウンターの中は若めの男性とジジババ(親子か?)。
     なんとなくマニアックで眼光鋭く寛げないな。常連は店主のこだわりには あまり頓着していない様子で、これはきっとジジババの代からの客なんじゃ ないかと思われる。
     こだわり系も悪くは無いが、個人的にはもっとゆるめる店がいい。酒は辛口でも 店は甘口ってことかな。せっかく意欲的なのだからそこを考えてみてもらいたい。
  • お昼は東京駅八重洲口のはずれに最近出来た「黒塀横町」という飲食店街の 沖縄料理屋で食事。
     話題のニュースポットの飲食店…というとたいてい高額店ばかりで近寄りがたいものだが、 ここは駅の食堂街なのでおしゃれな作りの割りに、1,000円しない定食メニューを 置いているところが多くて、なかなか良い。
     ちなみに「沖縄そばセット」を食したが、初めての食べ物なのでよく分からない(^^;
     沖縄に本店があるらしいので、たぶん本場の味なのだろうが、不思議な味だ。  見た目は「麺極太のラーメン」みたいだが、出汁は関西風うどんみたいで、全部 飲み干しても辛く感じないほど薄味で出汁の旨みがメイン。関東者にとっては 物足りない気がするが、食べ終わる頃に「旨かったかも…」という感想が一歩遅れて やってくる(^^;?
     次に行ったらゴーヤを使ったものを食べてみよう。
  • 日本の中心は江戸城でござる
     皇居の西を北から南にお堀沿いに歩く。
     皇居に隣接して国立劇場、最高裁判所、国会議事堂と官庁街、警視庁などなど、 国家機能の中枢が皇居を取り巻いているのがよくわかる。
     そのまま下れば有楽町〜銀座〜築地だし、東に東京〜日本橋。商業、庶民の生活の 中心がある。
     それにつけても、この広さ。諸外国の宮殿だってこうまで広くないし、外堀まで 勘定に入れたら、中世の城壁都市でこれにかなうものがあるかと。
     これだけのものを失うことになった江戸幕府(将軍様)は、悔しかっただろうけれど、 やっぱり「馬鹿殿」だったのだろうなぁ。いや、大河「新選組!」を見ていると、 将軍様のおけつを蹴っ飛ばしたくなるじゃないですか…。
     今考えると、薩長のあれは年端も行かない天皇を抱え込んで騙したクーデター だよなぁと思うね。そもそも「京都守護」を任ぜられていた幕府なのに、天皇を 奪われてしまうなんて大失敗だ。
     こっそり軍備増強に励んでいた薩摩にまんまとやられてしまうなんて、 甘かったとしか言いようが無い。
2004.11.7
  • NHK杯フィギュアスケート大会
     ハイビジョンで怒濤の連続放送。妻の影響でスケートファンになって しまったので、HDDがあふれないようにビシビシ見て消化しないと。
     今シーズンから本格的に採点システムが変更(選手間の相対評価から、 技ごとの細かい絶対評価)になってまだまだ慣れず、得点がついた瞬間の 興奮を感じられないのがちと難点ではある。
     しかし、何年も見ていると毎年あっと驚くような新人が彗星のごとく 現れるシーンにぶつかって面白い。
     今は、日本人女子の黄金期で、メダル独占しそうな勢いなのも楽しい 理由だ。しかも、日本女子は全員別々のキャラクター(得意分野)を持っ ているので、ジャンプが凄かったり、華麗だったり可憐だったり。 単純に優劣をつけられないところがまた面白い。
2004.11.6
  • 妻が同窓会(?)のようなものでお出かけの間、一日中暗い部屋で ビデオ鑑賞(^^;; 三船敏郎の『新選組』の録画にチャプターを打って DVDを焼いたり。
     このチャプターを、大河の『新選組!』の話に合わせて作ってみたのだが、 違いと共通点が良くわかって楽しかったり。
     けっこう取り上げているエピソードが同じだなと思う部分は多いし、 逆に同じエピソードの「異説」が取り上げられているのがはっきりしたり、 複数の作品を見る楽しみが広がる。
     大河の『新選組!』は「近藤視点」であるから当然かもしれないが、 「官軍」の扱いが、薩長による政権乗っ取りという色が濃く出ていて、 NHKも度胸があるなぁと思わざるを得ない。
     まあ、実際「攘夷をしない幕府批判」の線で幕府を倒しておきながら、 南蛮貿易で調達した近代兵器で幕府を潰してしまったのだから、 筋が通るはずもなく、滅茶苦茶なのは明らかだけどなぁ…。
  • 妻が帰宅して「白ワインに合う夕食を」という予てからの 計画に従い、サーモンのソテーなんぞをメインに夕食。
     小エビのオイル煮や、アスパラのグラタンなど、普段より力作が 並んでいたな…。
  • 『八つ墓村』(稲垣吾郎)鑑賞(TV) ★
     じつはまともに『八つ墓村』を見るのは、これが初めてだ。というのも、 怖いのが苦手なので(^^;
     とはいえ、見てみると「おぉ、トリックのモトネタだ!」 というシーンが目白押しで、邪道な楽しみ方ながらなかなか面白い。
     『トリック』ファンはやっぱり金田一ものは押さえておかないと 何割か楽しさを損していることになるなぁ。
     金田一役に「稲垣吾郎」だが、この浮いている感は狙いなのか、 単なるへたくそなのか(^^;;;
     もちろん、キャラクターとしてはもともと殺人を阻止できない へなへなのダメ探偵(^^;ではあるんだが、なんか違う。どうしても SMAPxSMAPのコントのイメージが付きまとって小芝居っぽい。 遺産相続のために呼び出された青年(藤原君)と並べると、ますます 差を感じてしまう。(藤原君もワンパターンなところがあるが、この 役はしっくりしてなかなか良い)
     まあ、金田一は何人もの役者が演じているが、石坂浩二みたいに 当り役と言える人が存在していると、見ている人のイメージもそこに 基準が出来てしまう。後の人はよほど良くないと難しい。そういうこと だな。
2004.11.5
  • 『笑の大学』鑑賞(東宝シネマズ市川#6) ★★★
     三谷幸喜原作の同名舞台が絶賛されていた二人芝居の映画化。
     舞台は昭和15年。日中戦争から第二次世界大戦に向かう世相の中で、 笑いに命を掛ける喜劇作家「椿一(稲垣吾郎)」と生まれてから一度も冗談など 考えた事もないという警視庁の検閲官「向坂睦男(役所広司)」 の、ある喜劇台本の検閲を巡る一週間の攻防を描く。
     この作品の舞台版を見たことのある友人からは傑作の太鼓判を 押されていたわけだが、「西村雅彦&近藤芳正」というある意味シブい 役者が演じた舞台を「役所広司&稲垣吾郎」という配役でどのように 見せるのか、はっきり云って「吾郎ちゃんは大丈夫なのか?」と、 非常に未知数の部分も多かった作品だ。
     三谷コメディーの多くがそうであるように、この作品もまた 「面白いことを言って笑わす」ような作りではなく、「登場人物の 一生懸命な姿が真剣であるほど可笑しみが湧いてくる」という 作りで、役者にとっては演じがいのあるホンではないだろうか。
     舞台と比較して、映画版は「人間味に欠ける男」検閲官・向坂が、 劇作家の熱意に共感して笑を愛し、喜怒哀楽の豊かな人間に生まれ 変わる姿を追うようになっている。
     そのため、椿(稲垣)の芝居は、笑いのことばかり考えていて 浮世離れした人物。受けの演技主体になっていて、明らかに 役所広司の方が印象に残って影が薄いけれど、それは台本どおり なのだと思えるようになっている。
     変な奴なんだけれど、それが椿なんだと。
     一方、役所広司は「これが役所広司の代表作だ」と断言してよいほど、 魅力あふれ、『シャル・ウィー・ダンス?』のサラリーマンも 素晴らしいけれど、役者としてありとあらゆる表現、感情の起伏の 深さを表現しつくしているように感じる。
     アクションや二枚目で世界にだして恥ずかしくない俳優は他にも 居るけれど、「演技の魅力」で役所広司はぶっちぎった。これは 凄いことだと思う。
     題材が遠い昔の出来事であるから、「検閲」とはなんであるか、 「お國のため」とはなんであるか、そして「赤紙」を受け取った 若者とその周囲の人々の気持ちがどういうものであったのか、 現代の私たちには「理解できる」としても、感情がダイレクトに 反応するのは難しいと思う。
     しかしそれでも、向坂の気持ちはありありと伝わってくる。
     向坂の、本音と建前のあいだで揺らぐ心を通して、そんな時局の 中にも笑いは必要であるという信念や、戦争が才能を奪っていく 無念がビンビンと伝わってくる。
     きっともう一度見れば、ストーリーが頭に入っていても、 観客はさらに向坂の心に同調して大きな感情のうねりを感じる 事ができるのではないだろうか。
     そうして、椿(稲垣)は、幻のようにとらえどころがないが、 ありありと忘れがたい不思議な天才として記憶に残るような、 そんな人物としてよく出来ていたのではないかと思う。
     ちなみに喜劇としては「チャーチルの握った寿司」 「ヒットラーの握った寿司」の話が大好き。シチュエーション による笑いの傑作だと思う。見るべし。
2004.11.4
  • HV版『2001年、宇宙の旅』鑑賞(BShi) ★★☆
     再放送。本放送は確か北海道の地震で中断してしまい、再放送だったのだ…が、 今回の放送直前にまたしても北海道で地震(震度4)が発生してオープニングに テロップが。の、呪われている…(^^;
     プロジェクタの普段の色合いでは、全体にグリーンがかって見えたため、 最初の宇宙ステーションの白を基準に色温度をちょっと微調整したら、格段に 良い感じ。
  • 『クローン』鑑賞(TV) ★
     2001年米(かな?)ゲイリー・シニーズ主演
     帰宅してTVをつけたら始まったばかりで、ついつい見てしまった。未見のDVDは 山とあるのに…(^^;
     ストーリーは、宇宙人がコッソリ侵略を始めたそれほど遠くない雰囲気の未来、 宇宙人の作戦は「政府関係者を殺害してクローンを作り、その心臓に ナノマシーン核爆弾を埋め込んで要人に接近させる。」というもの。
     侵略といっても、社会を乗っ取るという感じかな。
     主人公は、突然「お前はクローンだ」と逮捕されてしまうが、なんとか逃げ出し、 追跡を受けながら、本物であることの証明を探して奮闘する、が…
     という話。
     なんとなく『トータルリコール』と『ブレードランナー』と『マイノリティリポート』 をミックスしたような作品。もちろん『X-ファイル』っぽくもある。 デジャブ感を覚える映像が次々と現れる (『マイノリティリポート』は本作より後だけど)。
     ゲイリー・シニーズは良い役者だと思うのだが、この人の作品はなんだかB級 のかほりが漂うのだなぁ…。もったいない。(『アポロ13』は名作だった)
     SFとしては、「ナノマシン万能説」や「クローンで記憶までコピーできる」、 「クローンが一夜で完成する」みたいな所がもうダメダメなので分類は「ホラー」 だろう。ホラーにしては怖くないが、ラスト付近の「クローンなの?本物なの?」と いうジャッジのどんでん返しの連続はまあ充実していた。ちゃんと伏線もあるし。
     ラストの作り方はまともなのに、B級なのは、上記のSF的なNGワード連発に加えて、 全てが管理されるハイテク地域と、コンピュータに識別されないスラムの住人に 二重化した、物凄く陳腐な未来社会の設定にもある。
     こういう設定が多すぎる。いい加減、こういう図式から離れたSFが描かれない 物なんだろうか。これだと映画が安く作れるのか…? 瓦礫の山とオフィスのセット だけで済むからなぁ…。
  • 『未来少年コナン』再放送開始(BS1)
     再三再放送されているが、NHKでCM無しノーカットで流れるのはひさし振り らしい。もちろん、DVD-Rに残す予定だ。
2004.11.3「文化の日」
  • 祝日で妻は演奏会本番で留守。の間、一日新VAIOの設定とDVD-R焼に費やす。
     VAIOはMAILと無線LANの設定が終わり、ほとんど元の環境が戻った。このあたりは、 パソコンを買ったときにしか設定しないから資料を探すのに一苦労だし、OSが 変わっているので頭を捻る。
     内蔵の無線LANは、設定を入れないとまるで電波そのものが検出できないような 表示をするので、ちょっと悩んだ。「電波をキャッチしたから設定すれ」という 指示(ウィザード)が出れば良いではないか?
     これで環境は移行したが、追加の外付け機器用のソフトのインストール、 設定はまだまだ続く。もう疲れた(^^;
  • 「BSアニメ夜話」と「新選組!」のR焼き
     アニメ夜話は、『パトレイバー劇場版』と『機動戦士ガンダム』で、この シリーズでは「マンガ夜話」と違い、作品の関係者とファンが出てきて、 制作の裏話が見られるため、まるでDVDの特典映像みたいな番組になっている。
     これは保存する価値がある。
     「新選組!」も「土曜スタジオパーク」でクランクアップを記念して三谷幸喜 を招いた特集番組があり、特典映像つきDVDに(^^)
2004.11.1
  • 妻が演奏会の準備で忙しそうなので、晩飯を作って勝手に食べる。
     とにかく葉っぱの野菜が高い(キャベツ1/4が150円以上とか!)ので、ジャガイモ を買って「ジャーマンポテト」を作る。
     ロクな野菜が手に入らない、となれば作るのはドイツ料理ではないだろうか。 キャベツを保存しておいたら完璧なのだが…(^^;
  • 今日のVAIO
     Canonの画像処理ソフトの最新版をダウンロードして、復元。PCが速くなったことで、 スライドショーが心持速くなった様な気がする。後はバックアップソフトを設定すれば 安心して作業が出来るな。


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文:唐澤 清彦 映画館がやってきた!