映画館がやってきた!

構築日記・不定期便
- What's NEWを兼ねた日記のような読み物 -
2004年 7月
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2004.7.31
  • HV版『マイノリティ・リポート』鑑賞(WOWOW) ★☆
     スピルバーグは最近すっかりSF未来社会物なんだろうか。いきなりネタバレだが、 前半は「未来社会」もの、中盤は「逃亡者」もの、後半は「推理」ものと、 連作3本を見たような気分になる作品だった。特に中盤ラストで 「マイノリティ・リポートは無い」と言われた日にゃ、どういうことだよ!と 突っ込みたくなること必至。なんとなく『アンブレイカブル』のラストで、 「不死身のヒーローを発掘する ために、バンバン事件を仕掛けていました」と言われたのに近い衝撃だった。
     前半の「未来社会」ものパートは、予知能力者の名指しした「未来の殺人犯」を 捉えることは合法なのか?という問題。
     確かに犯罪予知システムが稼動してから 殺人は「ゼロ」になったが冤罪は無いのか、という問題提起だ。
     まあネタが「超能力」だけに、『ガタカ』の「遺伝子で生まれながらに人生が 決まってしまう未来」より、説得力が無いのが難点だが、舞台としては面白い。
     主人公の時計は「ブルガリ」のブランド名が入ったデジタルで、映画では 文字盤はCGだが、デザインの秀逸なことは製品化しても行けるんじゃないかと 思える。そういう小物使いがなかなか未来感を出すのに効果的だ。
     逆に、犯罪捜査システムは作りすぎ。
     予知能力者の脳から映像を取り出して、「この玄関のデザインは××地区かなぁ」 などと推測するのだから能率が悪い話だが、この映像を透明なスクリーンに投射して、 ジェスチャーでスクロールさせたりするのが、一々能率的に見えないんだな。
     装飾過剰な未来イメージが、どうもストーリーの本筋を見えにくくしたような気がする。
    (そもそも、このシステムで被害者と犯人の名前は、文字で出力されるのだから、犯罪が起きる 地名だって文字で取り出せばいいのである。場所だけは何で推測止まりなのか…)
     主人公自身が「犯罪を犯す」とシステムに預言されたことで、話は突然陰謀めいて 逃亡が始まるのだが、よくよく考えるとこのシステムには矛盾がある。
     もしも「予知は100%成就する」と仮定するならば、犯罪を止めることは 不可能になる。
     「予知によって犯罪を防ぐことが可能だ」とするならば、人の行為によって 予知された未来は書き換えられて成立しなかったことになる。
     つまり、殺人が実際に起きない限り、殺人の予知が成り立ったのかどうかは証明できない。 ということだ。
     結局、拘束した犯人(未遂)の罪を問うことが出来るはずが無い。
     で、主人公は逃亡のついでにシステムの開発者に会い、「システムの予知は絶対に 本当なのか」を問うと、「三人の予知能力者が別のイメージを浮かべることもある。つまり 100%正確ではないが、効果のほうが大きいから少数報告は捨てている」と聞く。これが マイノリティ・リポートである。
     自分が殺人など犯すはずがないと信じる主人公は、自分に関する「マイノリティ・リポート」 も有るに違いないと探すのだが、これが無い。
     え〜、仕切りなおしかよ(^^;;;;;
     そこで終盤の「推理ドラマ」に突入ですよ。もう、全然話が違ってくる。
     どんでん返しの好きな人には良いかもしれないけれど(^^;
     推理パートの真犯人は、システムによって未遂に終わった殺人(予知1)を自分の手で 遂行(予知2)するが、予知1の犯人と同じ変装をして犯行に及んだので、1と2が一つの 予知と見なされて今までばれなかった。と言うことになっている。
     でも、場所は映像だが、犯人の情報はボールに刻印された「名前」で出力される ことになっているのだから、もみ消すことは出来ないはずなんだよね。被害者の 名前も二回出力されているはずだし。
     そういうわけで、結局すべての陰謀が暴かれて、三人の超能力者はいつまでも 幸せに暮らしました、というエンディングがくっついているのだけれど、これは 蛇足だと思うな。
     陰謀が暴かれたところで終われば、それで充分。
     スピルバーグは『A.I.』でも、「幸せに暮らしましたとさ」の蛇足なエンディング をつけているが、これは映画を小さくすると思う。ドキドキしたまま映画館を出る 人の数が確実に減ると思う。
  • つまらぬ突っ込みだが、主人公は逃亡中「網膜スキャン」を騙すために、 闇医者の手で「眼球交換手術」を受ける。本題とは関係ないテーマでスリルを 盛り上げるのは蛇足だと感じたが、それはともかく、主人公はお陰で警察を 騙すことに成功するが、警察の施設に潜入するために、外した眼球を持ち歩いて、 網膜チェック装置のロックを外す。
     犯罪者として逃亡した捜査官の網膜パターンを、鍵として有効な状態にしておく なんて、普通の映画じゃ有り得ないから、このシーンだけは「嘘〜」と呟いて しまったな(^^;
     舞台はSFなのに、スピルバーグのSFはロジックが甘くていけないと思う。
     これはSFの皮をかぶったおとぎ話なんだ。
  • HV版『ターミネーター3』鑑賞(WOWOW) ★☆
     いまさら3?と思って映画館には行かなかった。サイボーグが歳をとっていくのは いかにも見苦しい気がして。実際に予告編を見たりすると案外違和感は無かったのだが、 改めて1のシュワを見るとあまりにも若いので驚愕したり(^^;
     でとりあえずDVDを買ったのだが、妻が一緒に見たいというので保留にしていたところ、 HiVisionで放送されてしまった。(買わなくて良かったんじゃ…(^^;)
     それで、T3だが、第一に不満なのは、T2で未来を背負って生きるはずだった少年、 ジョン・コナーが、あの少年が成長したとは思えない平凡な面相であること (T3はニック・スタール)。
     ヒロインのケイト(クレア・デーンズ)がそれなりにいい女優なのに比較して、 イマイチこいつに人類の危機が救えるとは思えないな〜と思わせるダメ男の香りが 漂う。
     ともあれ、ターミネーターは来る。
     T2の涙のお別れは何だったんだ!と言っても、どうも未来は止められない ものらしい…というばかりで説明らしい説明は無い。だったら、T3で三度戦争を 回避しても、そのうちT4がやって来て無限ループである。
     今回はとにかくスカイネット発動が秒読み態勢に入っているところに ターミネーターたちはやってくるのだが、本気で止めるならもう一日早くやって 来てケイトの父親の将軍(?)に、「スカイネットを稼動しちゃだめ」と言ってやれば コトは済む話でもある。
     さて、T3のスカイネット発動は今時風で、広範囲にコンピュータウィルスに犯された ネットワークの機能を回復するために、スカイネットのAIをワクチンソフトとして 走らせることに始まる。
     スカイネットは未だ開発中で、テストが不十分。未完成の人工知能をネットに 放出したところ、暴走してネットを乗っ取られてしまうと言う設定。これは、 なんとなく有りそうな話だ。現在でも別の種類のウィルスを駆除するウィルス がバグっていて結局被害があるというウィルスは有った。それを大々的にスケールアップ したと思えばよい。それが「人間を敵と見なす」というのは、もう少し説明しないと 飛躍のしすぎだが、早くターミネーター対ターミネーターのアクションを見せたいがために 無視されている気がする。
     T1,T2ではターミネーターは本体内に武器を内蔵してはいなかったが、今回の敵T-X は、体内にたくさんの武器を内蔵していて、表面だけT2の液体金属で変身能力がある。
     他のメカをリモートコントロールする機能もあるのだが、それは「ファンタジー」 に過ぎるだろう。
     シュワの機能を乗っ取るシーンは、そもそも複雑な制御回路を持っているだけに ありえるとも言えるが、現代の自動車をリモコン出来るのは、説得力に欠ける。
     どっちにしても、銃撃と殴り合いで、それ自体の面白さは水準を行っているとしても、 代わり映えはし無い。アクション映画として、 アクションの部分では他の様々な作品に勝てる物ではない。
     じゃあターミネーターの肝は何だと言うと、何なんだろう。
     T1は「ホラー」の要素が大きかったと思う。倒しても倒しても起き上がってくる ゾンビ系のそれ。
     T2は、T1の要素に少年の成長物語と、タイムパラドックスの謎解きの面白さが 付加されていた。もちろん、敵の特殊能力をいかに封じて倒すのかと言うスリルもある。
     それで以下は激しくネタバレになるが、T3の肝は「運命論」なのだろうか。
     T2で「運命は自分で切り開くもの」という凛々しい世界観を開陳したターミネーター シリーズだが、T3の主題はこれを徹底的に覆すものだ。
     最後の最後で「運命を覆すことは出来なかったのだ」で終わるのなら、T1,T2の意味は 何だったのだろうと思う。他の作品でやるならともかく、こんなT3を認めてはいけないし、 T4でもう一度やり直してT3が無かったことにしても良いくらいだと思うんだなぁ…
  • ところで、T3のスカイネットの手先のロボットの顔、「さらば愛しきルパン」の ロボット「ラムダ」の顔によく似ていたなぁ…
2004.7.30
  • asahi.comのコラムから
    Yさんは、理科のテストで、「水の入った洗面器を日の当たる所に置きました。しばらくしたら水がなくなっていました。どうしてでしょう」の問いに、「洗面器に穴があいてたから」。なんとかわいらしい答えでしょうか。しかも、ありえなくはありません。
     珍回答はともかくとして「水の入った洗面器を日の当たる所に置いて」水が なくなったところを見たことが無い。まあ洗面器におよそ2リットルの水が入って いたとしましょうや。これがなくなってしまうだけの「しばらく」ってどのくら い?
     真夏の砂漠ならば数日後には無くなっているかも知れないけれど、日本だと、 何ヶ月もなくならないかもしれない。秋に始めたら一冬越すかもしれない。
     というわけで、こういう問題を作る先生はとっても不注意。
     私が小学生の頃、学校のプールサイドで「日時計」の観察をしていて、先生が 「この影が無くなったら教室に戻ってきなさい」と言って立ち去った。
     12時には太陽が真上に来て影が無くなる…はずがない。赤道直下じゃないんだから。
     あの先生がボケをかましていたのか、それとも生徒に挑戦していたのか、 今となっては知るすべも無いが…(^^;
2004.7.29
  • 先日の写真を地道に整理。
     総量は約1GBあるのだが、NG写真を捨てて最低CD-ROM一枚分にする。
     似たような写真が多いが、なにしろ集合写真なので「あの人は良いけど、この人がダメ」 全員良い写真が無いから、枚数が増えてしまう。
     あまり明るくない室内の写真なので、ピントが後ろに抜けてしまうコマも多い。
     もちろん人物が大きく写っていれば間違いは無いのだが、背後にあるコントラストの 強い物体…壁の模様、案内板の文字、机etc…にフォーカスが引っ張られてイマイチ。
     縞模様の服を着ていたりするとピントが来るが、濃色(赤、紺)の服を着ていると 全然NGだったり。
     とにかく、写真自体はISO800まで感度を上げれば全然手持ちで取れるのだが、ピント と被写体ブレは厳しいものがある。室内の写真は難しい。
     これが結婚式なんかだと、主役にスポットライトが当たっていて、間違いなくそこに ピントが繰るけどな。
2004.7.28
  • HV版『ロボコップ3』鑑賞(wowow) ★
     3のデトロイトはなんと日本企業に地上げされてしまう。
     警察の中に「リハップ部隊」という別組織が送り込まれ、邪魔な住民をどんどん 強制移住させたり殺したりしているんだが、いくら警察が私企業に運営される未来 だからと言っても、法的根拠の無い(と見える)殺人はむちゃくちゃである。
     その代わりと言っては何だが、2で見せた流血ドバドバのグロは控えめになって、 小学一年生くらいの女の子がロボの味方になって戦うみたいな心温まる路線…(^^;
     ロボもすっかり署内の仲間として認知されている。1からロボのメンテの面倒 を見ている女博士の発明した「ロケットパック」で空を飛ぶロボ。もちろんSFX なんだが、けっこうチャチ。技術的には単なるブルーバックか何かだと思うが、 アングルに捻りが無いので、ぜんぜん見栄えがしない。
     1からの相棒だった女刑事をあっさり殉職させてしまったのも、シリーズ 締めくくりのパート3だからといって、なんだかあんまりじゃないかと思う。
    「ここを通るなら私を倒してからお行きなさい」
    「ズダダダダ」(ばったり)
    あまりにも安い死に方。情けなさ過ぎるよね。

  • 振り返ってみると、
    1=モンスター路線(B級SFX、アイディア一発勝負)
    2=グロ、スプラッタ路線
    3=悩めるヒーロー路線
     と整理できる。
     多くの三部作がそうであるように、ロボコップも2,3は1の面白さに及ばず、 ストーリーも「無茶するな〜」と思うところが多い。
     着実に進化していたところは、ロボ本人の外装と敵メカの動きの滑らかさ くらいなんじゃないかと思う。どうも、この手の作品は「ボリュームアップ すれば良いってもんじゃない」てのが真実か。
     実際興行収入も、1,2,3と下がってしまったらしい。
     そうしてみると、やっぱり1を撮ったバーホーベンは名監督なのか?と思えてしまう。 まあB級SFXの枠の中で、なんだけれど(^^;
2004.7.27
  • 葛飾花火大会
     毎年規模の割りにはコンピュータ制御で音楽と同期したプログラムで楽しませて くれる大会だが、今年は風向きが良くないという理由で、ずいぶん間引きされて しまったらしい。
     なにしろ、花火を揚げている時間より「風下の方は灰と火の粉にご注意ください」 というアナウンスが流れている時間のほうが長かったのではないか(^^;
     でも風は全然そよ風程度。ちょうど向きが本部席方向だったので、本部の ご老人達がビビっていただけではないかと思うね。いつ打ち上げても何処かには 煙が行くのは当たり前でこんなゆるい風で間引きしていたのでは成り立たないと 思うよ。
     ちなみに、今回の目玉は「アニメーション花火」。
     車輪型に開いた花火が120度ごとに三等分され、順次点灯(変色)することで、 ネオンサインが回転して見えるように見える。
     確かに、これは世界初なのかもしれない。
  • 打上げ?で遠州屋に  帰りは京成高砂まで徒歩。
     昨年は駅の北西の美人居酒屋「高砂屋」に(偶然)入って、これは古めかしく本格的な居酒屋の 店員さんが全員女性というミスマッチの店で面白いのだが、妻が「がんがんお代りを薦められる のが落ち着かない」と言うので、今年は別の店を探す。
     下調べしたうち、「まるきん」は結構人が多く「ドライの店」なので敬遠して次点の 「遠州屋」に向かう。
     場所は殆ど住宅街の入り口というか商店街の外れにあって、物凄く小さい。カウンター と小上がりでどんなに詰めても15人で限界。敷地が台形なので、店も直角なところが無い(^^;
     お客さんは、ごくごく常連度が高く、晩御飯の後に顔を出しに来るって感じ。
     こういう店はすごく当たりかハズレかのどちらかと決まってる。
    (ちょっと前に寄った市川のアーケード内の某店は、いつも常連客が大勢いる割りに 「何が良くて人が溜まっているのかわからない。もしかすると、猫と遊びに?」という ような店だった。)
     この「遠州屋」はメニュー数は多くないが、何故か「ラーメン」とか有ったり、 謎のメニューだが、揚げ物、煮物、生物と、守備範囲は広い。
     最初に頼んだ「枝豆」は、ほとんど5秒くらいで出てきて超速である(笑)
     「肉豆腐」は甘口の醤油味、豚肉バラだな。
     「アジの刺身」は尻尾のほうばかりの三角が並んでいるのが不思議である。
     「メンチカツ」はものすごく普通(^^;
     「鯖の味噌煮」はびっくりしたことに、結構大ぶりの切り身が三つも。普通は 1,2切れだろ、という感覚だったのでえっと思ったが、なかなか良い味で箸が進む。 今日はこの鯖味噌が一番のヒットだったな。
     メニューによってお得度にばらつきはあるようだが、何しろ殆どのメニューが 250〜500円に納まっていて、軽く一杯やるのに良い。最高の店ではないが、近所に あれば嬉しいなと思うタイプの店。
     二人で生ビールx4とつまみで、約4,000円。1時間強の滞在で結構満腹だ。
  • 色彩感覚は乳幼児期の経験で獲得
     サルの実験だが、単色光の照明下で育てると、微妙な色の判断が出来なくなるらしい。
     判断力が低下するのは、光源の色が変化した時に元の色を当てる能力。つまり、 「オート・ホワイト・バランス」の効き具合。
     昼間でも、夕日でもリンゴの色ははリンゴ、と見分ける力。
     『千と千尋の神隠し』DVDの色温度がやたらと低い問題では、見る人によって 随分反応が違ったけれど、もしかすると、幼児期に夕方まで表で遊んだ子、白熱灯で育った子 と、室内遊びが多くて蛍光灯照明しか経験が無い子で、色温度変化の幅に対する許容範囲が 違う…ということが議論に拍車をかけていた可能性があるのかもね。
  • 色彩基礎講座
  • 河川に微量の薬品汚染
     人間の使う薬の成分が、河川で検出されると言う話。風邪薬の「イブプロフェン」とか 頭痛薬の「アスピリン」とか様々な物質が。
     下流では飲料水になるので危険があるという市民団体代表のコメントであるが、 何しろ濃度が薄い。自分が一年間で使う風邪薬の量と、水の量の比率を考えてみて 欲しい。
     どっちかというと、一兆分の一の濃度が検出できる技術が物凄いと思うべきで、 同じように河川を流れてくる農薬の濃度より断然薄いことだけを取っても、今 税金を投入して調べるような話じゃないとは言える。
     予算が欲しい学者の口車に乗せられて踊るのはアホウだということね。
     まあ、いわゆる「環境ホルモン」も人間の排泄物由来のものが一番多い らしいし、人間活動って物凄いな。
2004.7.26
  • 「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」TBS系で10月スタート
     主題歌はT.M.Revolution「ignited」とか。
     SEEDは全話DVD-Rを作ったが見直してはいない。とはいっても、また見て DVD-Rに焼くだろう。そもそも、風呂敷を広げたまま全然完結しなかった 前作が「良くない」のである(^^;
    これが、公式サイトなのか…
     「羽根の生えた鯨」のオトシマエをどう付けるのか。
     また、ぞろぞろとガンダムだらけにするつもりなのか。
     そのへん大問題。
     
  • 今日の時計(7S25)
     週末に平均日差+13.5秒。土日で外している時間が長かったせいか、通常の3倍 近い進みになってしまった。やはり、温度が下がるとどんどん進む傾向があるよう だ。
     これは冬は使えないかな。もともと、ダイバーズ・ウォッチだから夏用ではあるけれど。
  • HV版『ロボコップ』鑑賞(WOWOW) ★★
     これを初めてDVDで見たときには、ロケット花火(ミサイル)を吊っているピアノ線 が見えたりして微笑ましかったのだが、改めてハイビジョンで見ると、特撮の手作り 感はミエミエだが、なんかいい感じである。
     低予算で面白いものを作ろうという心意気が感じられる。
     ロボの動きはなんとなくターミネーターなのは時代か(製作も同じORIONだ)。
     世紀も変わってロボットの 動きは中に人間が入っているかのように滑らかなほうがリアルになってしまった なぁ…。
     ストーリーは、石森章太郎の作品にありそうだが、舞台がアメリカだと なんとなく有りそうに見えてしまうから面白い。しかし、「アメリカ」らしいバカさ ばかりでなく、 陰のあるところが面白いし、 ラストなんかちゃんとヒーロー物 になっている。三度見ても面白い作品は、きっと良い作品なんだな(^^)
  • HV版『ロボコップ2』鑑賞(WOWOW) ★
     1もかなりグロだったが2はグログロ。ロボとグロのパワーアップこそが目的の作品。
     1の警察民営化に加えて、2は市の運営の民営化にも手をつけたり、麻薬犯罪の 中心人物に小学生を据えたり、全然生きている犯罪者をバラしてサイボーグ化したりと、 悪趣味が一回り以上膨らんでいる。
     ロボがすっかり勤勉な警官として地位を築いているのは、むしろ雰囲気が日本の戦隊物に 近付いたような感じもある。
     とはいえ「物量を増やしただけの続編は第一作を超えられない」という 典型みたいな作品では有る。よくあるけどね。
2004.7.25
  • 「エルミタージュ美術館展」(in 大江戸博物館)
     エルミタージュは「江戸」と関係ないじゃん…と思って見ると本当に何の関係も 無く、純粋にエルミタージュの収蔵物と由来に関する展示だった。
     2003年はサンクトペテルブルグの建都300周年とかでお祭りだったので、 年が変わって世界巡回が始まったのかと。
     絵画や宝石はまあまあ面白かったのだが、同種の展覧会に比較してわりと 地味だったなぁと思ってしまう。
     もっとも派手な展示は「黄金の馬車」。エカテリーナ二世が使っていた らしいのだが、本当に金尽くめで、映画の大道具みたいである。
     あとは「カエル印」の食器セットかな、凄いのは。(変なものに引っかかる)
     実は大規模なロシアの展覧会は、去年がピークだったような気がしないでも なかったり、無くなかったり…(^^;
  • 大河「新選組!」長州討伐
     いや〜、長州はついに京都に火をかけてしまった。
     妻が「何であんな若者が長州の代表なの?」と言ったが、京都に集まった長州 兵の全体が、久坂よりもっと若いような過激思想集団なんだから、しょうが ないのかも。
     それにしても、あれだけやりまくった後から「私は長州を朝敵にしてしまった」 なんて後悔しても遅いよ、帝の前まで武力で攻め込んで帝が「長州の言う通り」 なんて言うはずが無いのは、当人以外誰でも判ったはず。
     兵力の見込みも話にならない。
     本人は「青春している」んだけど、ハタは迷惑だし、結果は悲惨だし。よよよ…涙

     ともあれ、ここまでの流れだと、最大の裏切り者は「薩摩」かな。
     長州を追い落とすまでは幕府に付いていて、結局天皇を祭り上げて 幕府を潰してしまうんだからなぁ…。しかも「江戸城無血開城」とか、 綺麗なことを言いながら、会津とはとことん戦争するし。
     主題は「新選組」だけれど、この先、維新の裏の政治的駆け引きが はっきり描かれる事を期待したいな。
  • 今日のワイン「ボデガ・ノートン・バルベラ 2003(チリ)」
     妻の得意料理、塩漬けの豚カシラ肉のソテーと共に。今日の豚は 残り物のスプマンテに漬け込むという仕事をしたもの。ほんのり香りが乗って いいかもしれないなぁと思う。
     「バルベラ」というのは、赤ワイン用の葡萄の品種。あまり耳馴染みが無い のは北イタリアや新世界ワインに多い種類だから。重すぎず口当たりがよい。
     エノテカが輸入しているチリワインは、どれもハズレが無くてコストパフォーマンス 抜群だが、今日の一本も料理との相性を選ばないタイプの万能ワインだと思う。
     ただ、豚肉では有るけれど、スプマンテに漬け込んで、ソースにレモンの 香りを付けた料理だったので、合わせるワインはシャルドネのドライなタイプでも 良かったんじゃないかな。と思う。
2004.7.24
  • 「GPC演奏会」(サッポロ麦酒記念館/恵比寿)
    演目:ブラームス/ドイツレクイエム
     生で聴くのは久しぶりの演目だが、会場、オケと合唱団の規模を考えれば まあまあの出来だったのではないかと思う。何箇所かきわどい所も有ったけれど(^^;
     もっとも、今回は頼まれてカメラマンをやっていたので、あまり細部まで緻密に 聞いてはいなかった。
     一番の苦労はビデオ係りも頼まれたことで、機材の据付までは会場の人の手配で 済んでいたから「スタートボタンを押して放置」で済めば良かったのだけれど、なんと 曲が70分以上有るのにテープが60分しかなくて、開演直前に「どうするの?」とバタバタ してしまった。
     テープは60分のみ。最初期のDVカメラで長時間モードとか無いのである。
     「本当にLPモード無いんですか」と会館の人に聞くと、
     「いや〜、カメラの取扱説明書が無くて、判らないんですよね…」
     もお、敗北決定である(泣)
     せめて会館に「80分テープの買い置き」が有ればなんの問題も無いのだが、 こうしてバタバタしているのが開演5分前ではどうにもならない。
     結局、60分テープ2本を途中交換することになるが、指揮者が楽章の間で テープ交換を待つようなことをするはずも無く、一部曲が切れてしまった。だから、 バックアップ用のVHSテープ(これは120分テープ)が本ちゃんテープになるのだろう。
     ただ、バックアップは、DVカメラの映像出力をド・ノーマルなVHSに繋いであり、 S端子接続でさえない。
     最近はハイビジョン画面ばかり見慣れているのに、モニター画面に写っているのは 演奏者の顔の見分けもつかない解像度のモヤモヤ画面で、クラクラしてしまった(^^;
     まあ、前日に「押すだけです」などとお願いされても、それを信じていると悲しい 目にあうという教訓話だ。今回はセットされたテープじゃ足りないと気付いただけでも 偉かったと慰めよう(^^;;
     もうひとつは、演奏会全般の記念撮影。
     これは自前の機材だし、普段やっていることなのでラクチンのはずだったが、 なかなか苦労した。
     リハーサル写真は、あまり邪魔にならないようにこそっと撮るのは、気を使う のは確かだが問題は無い。
     「公式な全体写真」の撮影はちょっと大変。
     会場には既にマイクが立っていて引きが取れない(詰めて立ってもらうのが大変)。  開場準備をしている団員がいてなかなか全員揃わない。ほんの数枚の写真を撮る のに、なかなかの苦労であるる。
     きっと本職の「写真館」の人間なら巧みな話術で被写体を操って何とかしてしまう のだろう。まだまだ修行が足りないな。
     本当ならアングルが違う写真、表情の違う写真などを幾つか撮りたかった ところだが、またの機会を頂きたいところ。
     演奏中の写真も少し撮影することになっていた。
     場所は会場後部のバルコニー部分だが、照明スタッフから「陰になってしまう ので控えめによろしく」と言われてしまった。
     そもそも、バルコニーの手すりの陰が指揮者にかかるような位置に照明を 立てているのが良くない…照明が手すりの陰がかからない高さなら、同じ位置の カメラの陰も出ない理屈…と思うのだが、次に撮らせてもらう機会があれば、 これも交渉課題だ。
     打上げの写真は、社長さん、大使館の人、先生方などなど「これは押さえて」 と指示された被写体と満遍なくスナップを撮るだけなのでまあ簡単である。 サッポロビールが後援 しているから、わずかな会費で「ヱビス樽生」がどんどん出てくるので、 酔っ払いすぎない程度に飲みつつ撮影するのが技術である(笑)
     あとの仕事は、写真の整理も大切だが、今回不備のあった項目を、次回の 撮影に役立てるためにまとめて、会館や団の代表の人と意識あわせすること だ。地味だが足元を固める作業は大切だ。
  • EOSのフラッシュ撮影
     打上げの写真を撮りながら、「なんだか色温度が違うなぁ」と思っていたのが、 会場の壁面が淡いサーモンピンクだから、オート・ホワイト・バランスが補正して いるから、青っぽくなってしまうようなのだ…。
     途中から「フラッシュ」モードにして撮影したが、AWBに「フラッシュを 使ったときには自動的にフラッシュの色温度に合わせる」くらいの機能は 欲しいもの。何のための「オート」ホワイト・バランスなんだよ〜 → EOS
2004.7.23
  • 仕事の息抜きする閑が無い。う〜ん。予定と違う…(^^;
  • 妻が注文していた『タイタニックの真実』(3Dメガネ付き限定版)が届く。
     キャメロンが潜って撮ったドキュメンタリー、I-MAX劇場でやっていた奴である。
2004.7.22
  • NHKで映画『英雄<HERO>』の特番を機能、今日と続けてやっている。
     25日に映画本編の放送があるが、なんとも猛プッシュだ。
     この映画のくっきりした色調は印象的だ。シーンと心情を色彩で表すアイディアは この映画が最初ではないと思うが、こんなに極端に使うのはやはり勇気がいる。
     シーンごとの統一感を出すために、赤、白、青、緑…とめまぐるしく色が変わる けれど、敵も味方も同じ色の服というのは、普通やらない。分かりにくいから。でも 一対一の勝負だから何とかなっているという感じだな。
     真っ赤な衣装の二人が、イチョウの落ち葉の吹雪の中で戦うのは美しい画だが、 レターボックスの普通ビジョンではちょっと画質が厳しい。早くHi-Visionで見たいな。
  • 有楽町で「金のトーレス赤 2000」(マスコットの牛が金色)を買う。
     ついでに見慣れぬ1,000円スプマンテも買う。たぶんスプマンテは基本が甘口なので、 「安くて旨い辛口のスプマンテ」を探す行為が無謀なのかもしれない…
2004.7.21
  • 都心は30.1度の超熱帯夜
     なにやら、「最低気温の最高記録」を更新したらしい。もちろん昨昼も39.5度で最高記録更新。
     まだ7月なのにこんなことで大丈夫なのかなぁ…。
     朝会った隣家の主人も「会社にいても何もする気が起きない。一ヶ月くらい 休みにすればいいのに」と言っていた。同感である(^^;
  • 『スパイダーマン2』鑑賞(お台場シネマメディアージュ#1) ★★☆
    [公式サイト]
     大人二枚で2,200円。え?と思ったら「レディースデイ」と「レイトショー料金」の 合わせ技だった。20:25なのにもうレイトショー料金とは、太っ腹な設定だ。 (まぁ、お台場では、帰宅に余分な時間はかかるけれど)
     映画のオープニング映像が、音楽に合わせて前作の名シーンのイラストを見せて 行き、なんだかカッコよい。しかも水彩画の画用紙の質感もはっきり見える高画質。
     ああ、やっぱりソニー・ピクチャーの作品をソニー系劇場で見るって、クオリティー にも気合を感じるよなぁ…と思う。
     前作から2年後。ピーター・パーカーはバイトをしながら大学に通っているが、 なにしろ街に出ると事件に出くわしヒーローしているため、いつでも遅刻。どこに 行っても怒られてばかり。お陰で貧乏。下宿の家賃も滞納して肩身が狭い。
     MJはCMや舞台で人気が出てきたところ。さすがにハリー・オズボーンとは切れて いるようだが、どうやら有名人にプロポーズを受けている。
     ハリーは親父の会社をついで、核融合の研究で売込み中。もちろん、スパイダーマン への復讐に燃えている。
     つまり、ピーターだけめちゃ冴えない(^^;
     MJはピーターのプロポーズを待っているのに、恋人を危険にさらしたくない彼は スパイダーマンの秘密を打ち明けることが出来ず、友達以上になることが出来ない。
     ピーターの日常は「ヒーローの義務」に押しつぶされそう。犯罪や交通事故から 市民を救う仕事自体は、ヒーローにとっては簡単らしいが、なにしろ数が多い。 それによって日常生活に多大な支障がある。
     映画はトラブル続きの毎日をコミカルに描いて爆笑の連続だけれど、もぅ 本人は大変。
     敵役の「ドクター・オクトパス」はもともとは善人なのだが、知能を持った 機械の腕と神経が接合したまま乗っ取られてしまう。
     その「制御チップ」というのが、首筋に露出した華奢な代物で、
    「こんなん、絶対壊れるぞ!」と思っていたら、さっさと壊れた(^^;
     脊髄に直結してうねうねと動く腕は「不気味」ではあるが、120度間隔で 開く爪の部分がパカパカと動く様が、妙に表情が豊かで「可愛い」と 言えないことも無い。
     腕は人工知能搭載なので、機嫌が良い時にはタバコに火をつけたり、サービス もしてくれるし、核融合装置の開発も自発的に手伝ってくれる。
     仲良くやれれば、なかなかいい奴なのである(笑)
     今回のストーリーの肝は、ヒーローには見返りが無く辛いことばかりだけれど、 子供達の希望の星だ。見返りを求めない自己犠牲は、子供の心に何かを残すはずだ。 という高邁なもの。
     ちょっと「ジン」と来るね。
     ヒーローとしての生活に希望をなくした主人公が、ストレスのため(?)に能力を 失いかけるのも人間臭くて良い。有りがちだけれど、魔女の宅急便みたいである。
     戦闘シーンに関しては、前作は「空中戦」だったのに対して、今回は高いところ とは言ってもせいぜいビルの壁面なので、スピード感には欠けたか。パワー対スピード で異種格闘技的な違和感はあるな。

     それにしても、シリーズとして6作までの製作が決まったそうなので、心配なのは ばあちゃんの健康である。
     ハリポタの校長先生は、中の人が変わったのに映画ではスルー。マトリックスの 預言者は、「私も色々有ったのよ」って変身(ま、そもそも実体を持たないプログラム の人だから言い訳はできる)
     スパイダーマンのばあちゃんは、途中降板していただきたくないわけで、元気なうちに ガンガン撮って欲しいね。  

  • 「陳麻婆豆腐」
     映画が始まる前に、お台場小香港の「陳麻婆豆腐」で食事した。
     日本の麻婆豆腐はいわゆる鉄人・陳健一のお父さんが日本人向けに作った味と言うが、 この「陳麻婆豆腐」は香港に本店を持つ「本国そのままの味」が売り。
     店内を見ると、「デフォルトは本店の70%の辛さ、100%のオーダーも出来る。辛さは この二通りだけ」と張り紙がある。
     あまりにも辛くて何とかならないか…という注文が出たのか、逆に 「まだまだ辛さが足りないのではないか」という剛の者がいたのか、 そんな理由が有りそう。
     メニューは「陳麻婆豆腐定食」一本。千円を超えるのはちょっと高い気がするが、 とりあえず、ご飯はお代わり自由。
     さて、その味はひたすら「辛い」(^^;;
     「辛さの中に旨みが」とか言われても、これだけ辛いと関係ない。
     これだけ辛ければご飯のお代わりはナンボでも出来る(^^; まさに「人間が食べられる限界」に近い。
     だけどこの辛さは唐辛子の辛さがメインで、「麻」の字が表す山椒の痺れるような 辛さは殆ど感じなかった。「二種類の辛さしか有りません」という張り紙は、 「麻」の不足を感じた客からの注文が殺到したのではないかと想像できる。
     山椒はスパイスミルに入ってテーブルに置いてあり、これをバンバン投入 することが出来るのだが、かなり入れても、イメージする「麻」の感覚とは 違うみたい。
     実家の裏庭に立派な山椒の木があり、毎年売り物になるくらいの実が成るのだが、 これを乾かした「自家製山椒」を一粒口にすると、ビリビリと激痛に近い 強烈な刺激がある。そしてかなり後引く痺れが残る。
     これは市販の粉山椒からは想像もつかないショックで、麻婆豆腐に 期待する「麻」というのはこれだと思うのだが、唐辛子の辛さばかり 感じるのは、ちょっとやそっとの「麻」は唐辛子にマスキングされて いるのかも。
     もっと唐辛子を押さえて山椒を増やせば香り高い麻婆豆腐になって旨い のではないか?
     ともあれ、「陳麻婆豆腐」は本気で辛い。
     夜中、この唐辛子が胃を通過して小腸の深いところに入っていくのを 感じるくらい辛い。直腸に到達したことも分かる。食べられない辛さでは ないのだが食べた後で体調に不安を感じる。
     標準的な日本人にとっては、これを食品として扱っていいのか悪いのか、 もしかしたら劇物指定なんじゃないかと思う(^^;
     
2004.7.20
  • いや〜、 カルロス・クライバーが死んぢゃいましたね。74歳だって。
     最後の来日は94年で、もう10年も前になるわけだけれど、やっぱり「最後の巨星」 って感じだわな〜。ワシがクラシックにのめりこんでいた時代、すごいオーラと 華があったもんな〜。
     指揮者は随分年を取っても活動する人が多いので、74でも早死にって感じがする。
  • アントニオ・ガデス死去
     まだ67歳。91年に引退宣言した関係で、早くも伝説化というか、もっと年の 人かと思っていたが、案外若かったんだな。
  • 夕食は夏野菜カレー。
     静かにワインブーム進行中の我が家では、これに泡モノでも合わせて みようかなと、安いスプマンテを買ってみる。
     チンザノの辛口(アルコール11%)を買ったら、微妙に物足りない。 カレーに合わせるためなので、 そもそもあまり深い味わいとか求めてないのだけれど、それにしても味が無さ 過ぎる気がする。
     ライト・ボディーとか言うけど、こりゃノー・ボディだなぁ…
     ほんの少し残って炭酸が抜けたものも味を見てみたが、甘味、酸味、アルコールの 三つが揃って少ない。同じ「辛口」でも酸味が強くてこれを補う感じでそこそこの 糖分が存在するタイプの辛口がある。味の濃い食事にあわせるためには、 「濃い辛口」で無ければダメなんだな。
     安くて濃い辛口スパークリングワインを探すぞ。
     いま思いつく範囲ではセグラビューダスのBRUTがイメージに近いかな。
2004.7.19
  • 「合唱団"響"定期演奏会」
     都立大学前から歩いて「目黒パーシモンホール」という新しいホールで。
     「柿の木坂」という坂を登ったところに有る。たいした坂ではないが、 この炎天下の中ではキツイ(^^;
     演目は、前半が洋モノのロマン派、後半は日本の作曲家、信長氏と、三善大先生の曲。
     前半はあんまり練習していない感じ。まあ、良くあることだが、この合唱団にしては 平凡な出来栄えかな。
     信長氏の曲は、あまり現代音楽的な技巧を散りばめた曲ではなく、 メロディーが美しくて合唱で歌うより、良い歌い手が一人でギター一本の弾き語りで 歌ったほうが良いんじゃないかと思うような曲もあった。詩の内容が「個人の想い」 であるような場合、こう思うことは多々有るのだが、これは歌い方でずいぶん 変わると思う。
     つまり、「大勢で声を合わせていると感じさせない合唱」というのが有る。
     聞いている人が、歌の中に同化してしまって「聞かされている」と感じないような 歌い方、ステージの歌声が鏡に向き合う自分の心を見ているような心情になれる歌。 そんな時、大勢で歌っているのに一人の心と向き合っているような効果が現れる。
     一人の心を一人で歌うのは当たり前だが、合唱だとそれが「あなた」の心ではなく、 「わたし」のことになるような、歌に同化してしまうような、そういう効果があることが たま〜にあるよね。
     まあ、聞いている人の心が柔らかく素直でないとダメだけれど(笑)
     三善先生の曲は、とにかく凄いパワーだった。
     トリだし、レコーディングが控えているということなので、とにかく凄いバリバリ 練習も重ねたのであろう。圧倒的な迫力がある。
     作曲家公認だろうから、良いのだがこの曲には全然別の表現が有るような気もする。
  • ドイツ・ビアホール「バーデン・バーデン」
     何年ぶりかで訪問。ビアホールは星の数ほど有るけれど、「ジャーマン・ポテト」 の味と量ではこの店が最高だ。幸せ。
     ちょいと一杯のつもりが、500mlグラス二杯飲んでしまった。たぷたぷ。
     ところで、店に辿り着くまでの電車の中とか、冷房がキツイので、ビールが染み 込んでいく感覚が弱いねえ。いや、今更暑いのにも耐えたくは無いのだが(^^;
  • HV版『座頭市』タケシ版鑑賞(wowow) ★★
     時代劇の重みとか深みとか無いけれど、いいエンターテイメントに仕上がっている。
     色々表現に自己規制が入って萎縮気味の最近の時代劇と比べると、もう、ホースで 撒いているみたいにどば〜っと血が吹き出るし、切って倒れた後からもまだだらだら 血が流れつづけている。さすがに[R-15]指定は違う。
     血が出るから残虐かというと、「石灯籠も真っ二つ」なんてシーンがあるから、 「これは、芝居だよ」という、所詮フィクションなんだから派手に演出したほうが 楽しめるだろ〜という、作り手の気持ちを感じることが出来る。
     まあ、市の芝居はどこを取ってもスタイリッシュだ。
     『本家・勝・座頭市』の不具が原因のおどろおどろしさカケラもない。
     『ラストサムライ』のチャンバラが、ある程度リアリティーにコダワッて かっこいいのと、対照的に『座頭市』は「刀を使って、どれだけカッコいい アクションが出来るか」を追求した作品。
     「うわ〜、こんなモノも切れちゃうのか〜」という万能感に浸れるのが良いよなぁ…。
     理屈抜きで最強の主人公を応援するのは、楽しい。
     
  • 大河『新選組!』池田屋
     やはりというか、時勢柄、出血は最小限のようである。
     もっとも多い血は「沖田の喀血」で、ほとんどの隊士が目立つ返り血も浴びて いないのはリアルではない。が、まあそれが大河と思って納得すべきなのだろう。
     池田屋の狭い建物の中での戦いそのものは充分に迫力があったし、会津の 政治的意図の微妙さも、きちんと描写されていた。
     第一、池田屋事件の当日が祇園祭の賑わいの真っ只中で、街はのどかに三味線の音が流れて 賑わっているし、猛烈な切り合いだというのに、数歩下がって見物人が黒山の人だかり というのが、あの画面から見えて初めて「なるほどなぁ」と思った。
     池田屋事件は、すぐさま京都中で話題になるわけだが、今まで「誰がそんなに見て いたのだろう」と不思議に思っていたのだ。
     あんな祭りのごった返した中での出来事ならば、京都が大騒ぎになったのも不思議は無い。
2004.7.18
  • こどものためのシェイクスピア・シリーズ「ハムレット」鑑賞(世田谷パブリックシアター)
     このシリーズも、今回でちょうど10周年らしい。第一回が「ロメオとジュリエット」で 始まったと言うのは見ていないのだが、3年目くらいから見ていて、どれ一つとして 外れたことの無い楽しい演出で、あと10年やっても、全ての戯曲を一巡してももっと 見てみたいと思っているグループ。
     もともと「パナソニック・グローブ座」の企画だったので劇場の売却と共に 先行きが危ぶまれていたが、どうやら、パナソニックも後援は続けているようだし、 三軒茶屋のこの劇場もなかなか悪くない。
     ハムレットはまともに上演すると3時間かかってしまうが、この公演では約2時間に 圧縮され、ラストの「フォーティンブラスが惨状に出っくわして説明を求めるシーン」を 冒頭に持ってきて、回想のように芝居が始まるのが特徴的だった。
     大臣の長話は、基本的にバンバン削られていたり、亡霊が誓え誓えとしつこく 繰り返すシーンなど、普通に見ていて「長い」と感じるシーンを削ると2時間に なるものなんだな。
     お笑い抜きで極限まで深刻にハムレットを演ずるのが、もちろん主流だろうが、 このシリーズでは「悲劇」であっても楽しく演ずるスタイルである。
     シェイクスピアの時代の大衆演劇、道化の存在を考えると、落語のマクラのように 時事ネタを盛り込みつつ、笑いを散りばめつつ悲劇も演じられていたのではないかな。
     そう確信させる心地よさ、一本の芝居を見ることの満足感が、このシリーズにはある。
     とはいえ、このハムレットに関して言えば、「子供のための」という冠のためか、 王と王妃、ハムレットとオフィーリアの間の男女の関係のどろどろだとか、殺人に関する 忌まわしさをずいぶんマイルドに演じて、若干の物足りなさもの感じた。
     しかし「人を殺して罪悪感に悩み、破滅する」という話は、罪の向こうには こんな苦しみがあるんだと言う疑似体験も出来る。子供だってこういう話を見て 考えるのは悪くないと思うな。
     よく知られた作品ゆえに、がんがんカットしても話がわからなくなることは無い という安心は有るが、易しくしてもやっぱりあちこちに寝ている子供はいたので、 ハムレットは難しいのかもしれないな。
     いくら省略しても、父王の死、劇中劇、大臣の死、オフィーリアの死、ロゼギルの死と ハムレット帰国のいきさつ、最後の剣の試合に関わる経緯など、削ることの出来ない エピソードががっちりからみ合っている。
     削っていいのは「フォーティンブラス」の存在くらいかもしれないのに、この芝居では フォーティンブラスの出番が、劇的に増えている。
     そもそも、ラストで「なんで行きずりのフォーティンブラスが王に?」という 疑問は出るのが当たり前で、「漁夫の利」にも程があると思ってしまうわけだが、 この芝居では、父ハムレットと父フォーティンブラスの決闘の経緯から、現ノールウェイ王と フォーティンブラスの意見の違いも全て芝居にしており、お家騒動の中でもがいている じめじめしたハムレットが、武人として明快な生き方をするフォーティンブラスに 好感を抱き、尊敬していることをたっぷり演じている。
     そのお陰でますます本来のシーンがカットされているわけだが、「フォーティンブラス登場」 を冒頭に持ってきた今回の作りからすれば、こういうペース配分も有りなのかと思う。
     とにかく、(悲劇にしては)楽しくてあっという間の二時間だった。
  • 串焼き・楽の房
     三軒茶屋に行ったら、必ずここに寄る事にしている店。今回はお任せ5本セットを 二人前頼むとバリエーションが増える(たとえば、ササミに雲丹ソース+明太子ソース)に なることを発見し、一段と得した気分。
     しかし暑いと体力が落ちているのか、ビール一杯と日本酒二合で結構回ったなぁ。
2004.7.17
  • 三連休だ。夏休み映画も次々と公開され、今週映画館に行くと多分 超満員で悲惨だな…と思うので、敢えて外出を控える(笑)
  • 『ゴジラ×メカゴジラ』鑑賞(TV)
    2002年/日本 [データ]
     連休を利用してハードディスクの奥に沈んでいた作品を見る。
     『ゴジラxメカゴジラ』は、釈由美子主演の近作。そもそもゴジラシリーズは初代を除いて すっかり「怪獣プロレス」になってしまいあまり大人が見るような気持ちが起きるものでは なかったわけだが、最近の作品は見直されたような噂は聞いていたので気にしていたものだ。
     たぶん、ガメラが『平成ガメラ三部作』で華々しく復活して、作品として評価されたことに 刺激を受けたのだろうなぁ。
     メカゴジラの登場も本作で三度目(ゴジラ対メカゴジラ、ゴジラVSメカゴジラ)だが、 「対」のメカゴジラは宇宙人の兵器(敵)、「VS」は未来人のテクノロジーで国連開発 の兵器(味方)。
     そして「×」のメカゴジラは、初代ゴジラの撃退以来、モスラなどの巨大生物には 襲われたけれど、ゴジラの再来はまだ無い日本で、ゴジラの再来を機に日本人の手で 開発された、バイオなロボットという設定。
     人間が遠隔操縦する完全なロボットではあるが、骨格は東京湾に沈んでいた最初のゴジラの骨、 筋肉はゴジラの細胞を培養した人工筋肉、制御系は「DNAコンピュータ」という構成。
     ゴジラの能力を流用したロボット故に、敵ゴジラの咆哮に反応して暴走すると言う アクシデントも挟みつつ、ゴジラ対ゴジラの格闘が堪能できるのはなかなかの迫力だった。
     強烈な個性と言うよりは、従来の怪獣映画の良質な部分、定石をきっちり押さえている ために、「こうなって欲しい」方向にトントンと話が転がっていく満足感ってのは、 なかなか良いものだ。
     SF的には「DNAコンピュータ」というのが超並列で演算が速いということしか無くて 説明不足だったが、ゴジラに勝てるのはゴジラだけという理屈でゴジラが材料の人工筋肉を 用いる設定は良かったと思う。空中輸送からバックパックのロケットを噴射しての出撃 シーン、飛び交うミサイルetc.も見所満点。
     まあ、各所にソコハカと無く『エヴァ』の要素を感じてしまうのは、別に真似ている わけでは無くて仕方の無いことだろう。逆に「オカルト的な要素」を一切排除して、 完全に「自衛隊と科学者が主役」なところが、巨大生物シミュレーション映画として 成功していると感じた。
     まあ、敢えてこの映画の欠点を挙げるとすれば「ゴジラ松井」がしつこく画面に 写るところかな。洒落で登場させるなら、TV中継の中くらいにして置けば良いのに、 下手な演技をさせてベタベタになっているのは泣ける(^^;;

    製作発表記者会見
    ↑総理大臣役の「中尾彬」が「小泉総理のようじゃない総理を演じるんだ」と 繰り返し発言しているのが微笑ましい。
     「昔は『末は博士か大臣か』と言われたものだ。そういう時代の立派な総理を演じたい」とも。
     そうだよなぁ、小泉さんじゃ怪獣が来たら逃げそう。記者会見でゴジラが上陸したら どう守るんだと問われて、
    「仮定の話は出来ません」
    「怪獣のことは怪獣に聞いてみないと分からない。」とか言いそう。
     そんで、がんがん自衛隊をぶつけて全滅させちゃいそう(^^;;
       まあ、昔の総理大臣みたいに渋々と終りの無い議論を繰り返していると、そのうち モスラとか出てきて守ってくれるかもしれない(^^;
     しかし、自衛隊も、怪獣退治となれば純然たる「国土防衛」だし、一種の晴れ 舞台だなぁ。怪獣映画に協力するのは業務として楽しかろう(^^) まあ、映画の中では ヤラレまくりだが、怪獣相手なら腹も立たないよね。

2004.7.16
  • 社長の演説を聞く。
     横文字が多いなぁ。カタカナ言葉の多用は耳に新しく響くが意味は薄くなる。 はっきり言って、ある用語が「するっと日本語に出来ない」のは、定着していない、 理解していないからだ。用語の言い換えは何か「新しいことをやっている」という ポーズでしかなくて、代表的なのは政府の「IT」だね。
     街角で「ITって何のこと」とアンケートを取ったら、どんな回答が帰ってくる のだろうか?
2004.7.15
  • 先日の玉乃光・純米吟醸をセブンイレブンで発見。四合ビンで1,000円ちょい。 案外お買い得だ。
     ラベルには「日本酒は甘辛だけではなく、糖と酸のバランスが問題だ」という解説が 書いてある。つまり1次元の「日本酒度」ではなく糖と酸の二次元で評価して欲しいと。
     ワインの解説書を読むと「糖と酸のバランス」は味の基本として最初に書かれているが、 日本酒は何故か「日本酒度」という、数字が大きければ良い酒と誤解されそうな数字を 表示している。
     日本酒度は酒の「比重」のことだから、エキス分(糖やその他の旨み物質)が少なく、 アルコールが多いと数字が大きくなる。糖度・酸・アルコール度数などはそれぞれ 計測できるけれど、比重はとても計りやすいので採用されたのだろうな。
     発酵が進むとアルコールが増えて糖が減るが、実際にはアルコール度数は調整されて 一定(14〜15%)になるので、ほぼ、日本酒度=糖度、かな。
     しかし、飲んで感じる甘味は「酸」の量で変化するので日本酒度が低くても辛口に 感じる酒も有る。
     そろそろ、味と比例するとは言えない「日本酒度」は止めたほうが、業界の為 なのではないだろうか。日本酒度では「好みの味」を探す参考にならないから、 ハズレを引いて日本酒に失望する人が必ずいるはずだ。
  • 妻の留守にやっと『古畑2nd DVD-BOX』を見始めた。
     第一話は、明石屋さんまが犯人の法廷モノ(?)だが、これ、何度見ても面白いなぁ。
     本編の後についてくる「今泉」のあれで白状するのは犯人が素直な人間だからだ… という突っ込みも笑える。
     そんな弱い根拠でも、見ていてスリルを感じるのは、話の流れが良く出来ている ことと、芝居が良いからだな。
2004.7.14
  • 暑くなるとムショウにカレーが食べたくなる。
     妻にお願いして普通にカレーを作ってもらうが肉は「豚カシラ肉」がお気に入り。
     文字通り豚の頭(後頭部かな)の部分だが、他の部位とは全く違うプルプルとした弾力の ある肉で、似ても焼いても魅力的。
     ワインは、妻がアンケートかなんかで当てた「カンガルー印の白ワイン」。
     これ近所のセブンイレブンでも売っている、デイリーワインだ(1,000円を切るくらい)。
     悪くないけれど、甘辛5段階表示の2(やや辛)は、うちの趣味からすると甘すぎる。 甘いとはっきり分かるほどの糖分が残っているワインはお呼びでない。しかし、 カレーに安い白ワインの組み合わせは悪くないな…。
2004.7.13
  • 今日で梅雨明けしたらしい。
  • 東京駅構内(B1F)のワインショップをのぞく。
     5,6年前のワインブームの末期に出来た店で、フランスワインの品揃えが中心だが、 「有楽町ビック」の激安価格と比較してしまうとちょっと高いかも(^^;
     千円台のデイリーなワインで比較すると、定価で一割違い、さらにポイントで 一割つくから結構な差。
     もちろん、広いからいろいろ有るけれど。
     さらに「大丸デパート地下」の酒屋に行く。
     ここはさらにワンランク高い(笑) ワインの贈答用紅白2本セットなんてのが、 激しくデパートっぽく、ここだけ20年くらい時代が昔だ(^^;;;
  • 勢いで、八重洲地下街の「玉乃光酒蔵」に行く。
     何かで、名店の扱いをされていたのを見た記憶があったので。
     日本酒「玉乃光」は旨かった。
     しかし、なんとなくどことなくCPが良くない。ツマミはどれも500〜700円台のものが 多く、これは!と心が躍るような品も無い。
     お客さんは多くて活気もあり、悪い店じゃないけれど、イマイチ売りに欠けるなぁ。
2004.7.12
  • スペインワインの情報を検索したらspainwine.jp なんていうとってもストレートなサイトが有った。
     でも、こういう凝ったサイトよりここ みたいにストレートなサイトの方が見易いけどね。
  • 銀座で「ワイン王国」のバックナンバーを買い込む。
     過去、あの分厚い「ワイン王国」を書店で見かけるたび「なんだかスノッブで近寄りがたい」 と敬遠していたのだが、必要となればまとめ買いでもするさ(笑)
     そもそも我が家がワインに開眼したのは、1997年のスペイン旅行。
     それまでは「日本酒」と「白ワイン」「ヱビス(本物のビールってこと)」 に専念しており、とっくにブームに なっていた「赤ワイン」はブームゆえに敬遠していた部分が有る。
     「海外旅行を切っ掛けにワインに燃える」という口にするも恥ずかしいくらい よくあるパターンで情けないのだが、それが「スペイン」という所が、ちょっと 世間と違う。
     フランスに行った人のように「ワイン文化の深層」に引っかかってしまうわけで はなくて、「スペインのスーパーマーケットでは、ミネラルウォーターと同じ 価格の赤ワインがある。レストランのランチセットにも軽い赤のフルボトルが付いてくる」 という日常のワインの文化に触発された。
     つまり、ある意味ここでもブームを迎えていた赤ワイン崇拝に対するアンチの姿勢 から、スペインのデイリーワイン専門で、赤ワイン道に入っていったわけだ。
     なので、気軽にワインを飲むけれど、重要なのは食事を含めたスタイルであり、 料理には凝ったけれど、ワインの銘柄などには全く興味の無い状態が長く続いてきた わけだ。「スペイン産のミディアムボディ」の表示があれば何でも良いということ。
     そもそも、当時国内で見かけるスペインワインは、選べるほどの種類も無かったけれど。
     そうこうするうちに、スペインのワイン界と料理界に変化がおきた。
     もともとスペインのワインは、フランスで害虫が発生して畑が壊滅した時にスペイン に渡った醸造家の技術があって、品質が高いと言われていたが、1999年頃からブラインド 試飲会でボルドーを押さえて優勝するなど、超高品質化の波が来た。そして、「エル・ブジ」 を初めとする若手料理人たちが、世界の注目を集めるなどなど、高級化が進行。 ワイン・ショップでも急激にスペイン・ワインの品揃えが拡充した。
     「デイリーワイン専門」を標榜してきた我が家も、なんだか落ち着かない(笑)
     結局、スペインのワインが世界水準で一流と言われても、「世界のスタンダード」を 把握していないと、実感が無い。「スペイン・ワインを愛するが故に、フランス・ワイン の知識を蒐集している」というのが、今の状況なんだなぁ。
     ついでに、スペインワインについても最初は「近所の酒屋の棚に並ぶスペイン・ワイン を端から全て試す(安いからこそ全品制覇可能(^^))」なんてやっても 体系的知識には成っていないので、それをまとめてみたい、という気持ちもある。
     フランス・ワインは特に勉強しなくても何となく知識が溜まってしまうけれど、 スペイン産となると、すべてが見慣れない単語なので、ラベルの文字を見ても、それが 地名と葡萄品種、醸造所のどれか区別さえつかないのが普通だと思う。
     当面の目標は、スペインとフランスの主な産地、葡萄の品種名を覚えて、味わいの 違いに結びつけることが出来たらいいなと思う。
  • そういうわけで、「ワイン王国」のスペインワイン特集なのだが、 う〜む。知らないメーカーばかりだ。リストの品は近所の酒屋で見たことが無い(^^;
     最大手のトーレスはま、どこにでもあるけれど、日本酒の世界で言ったら 灘の銘酒、「黄桜」「月桂冠」「松竹梅」みたいな感じがして、味はともかく、 それだけでは面白みが無いのではないか。
     もともと「スペイン日常用ワイン=Vino Mesa」との出会いから始まった、 私のワイン暦からすれば、 格付け、序列には無関心な、安くて良心的で旨いワインを発掘することこそが楽しみだ。
     でも、近所の店に大々的に並んでいる「スペインワイン特集コーナー」のワインは、 インポーターのセンスの問題なのか、「安けりゃそれなり」というレベルのものしか 無いんだよなぁ。
     スペインのワインが話題だから、とりあえず入荷ってことなのか。
     「サザンのはらぼーの実家の天ぷら屋さんでは「天ぷらに良いよ」の駄洒落で、 テンプラニーリョ種のワインを置いている」という新聞記事を掲示しているセンスが まず問題だよなぁ…
     案の定、全然在庫のテンプラニーリョが捌けてない(^^;
  • 『王様のレストラン』のエピソードで「シャンベルタン騒動」がある。
     ちょいと調べると、シャンベルタンは第一級の格付けなのだが、その名前を欲しがる 醸造家が狭い土地を細かく分割して所有しているため、「○○・シャンベルタン」 という名前のワインが無数にあって、玉石混交状態になっている。
     だから、知ったかぶりの素人の我侭に、知識自慢のソムリエが嫌な顔をしてトラブル が起きるのも納得できる。
     ハリウッド映画の悪の首領が、ドンペリやロマネ・コンティをバンバン開けるシーンで、 ビンテージが映ったら「おぉ〜めちゃめちゃ稀少品だ!」と感心することもできるかな。
     身近なところでは、新年会に親戚のにいちゃんがドンペリ持参の所を、正しく感動(笑) してあげることもできるし、対抗してマイナー・ワイナリーの凄い掘り出し物シャンパン を持って行くこともできるね。
2004.7.11
  • 骨付きイベリコ豚のソテー
     妻が通販で発見した「イベリコ豚」と「パルマ豚」のソテー用肉が昨日届いた。
     こっそり伝票を見ると「げっ」と思うような金額で、フレンチ・レストランでは 豚肉が流行だが、このへんのブランド豚を使ったコースがやたらに高価なのも納得 せざるを得ない(^^;; でも、自宅で料理すればぐっと安い。
     妻の意向で、今回はシンプルに「塩と胡椒のみ」でソテー。(最近国産豚肉を焼く ときには、エシャレット・ソース(バルサミコ風味)を作って濃厚に仕上げることが 多いのだが、今回は肉そのものの味を試そうという意図である。)  メニューはこんな。
    • 枝豆 人参 オリーブ トマト レタスのサラダ
    • ビシソワーズ モロヘイヤ入り
    • 骨付きイベリコ豚のソテー エリンギと黄パプリカ添え
    • カマンベール・チーズ
    • ワイン:レ・ロゾー'00(サンテミリオン)
     サラダはとにかく色とりどりで楽しくという趣向。
     ビシソワーズのモロヘイヤ入りは変化球だが、粘っこくツルツルして案外いける。 「こし器で丁寧に作らないと舌触りが悪いかと思ったら、案外バーミックスだけで きめ細かになる」とは妻のコメント。
     さて、問題の「イベリコ豚」だが、普段食べている国産のちょっといい豚と比較 すると、脂身がとても柔らかくプルンとして甘い香りがする。
     生ハムで食べるイベリコは、思いっきり水分蒸発してアミノ酸が生成されて濃厚な 味になっているので、それと比較すると淡白だが、「脂肪の甘味と香りを思い起こすと ハモンイベリコの記憶と一致する」というと、しきりに首を捻っていた妻も、 あ〜なるほど。と腑に落ちた顔。
     やっぱりドングリの成分は、脂身に蓄積されているってことか。
     イベリコ豚は旨い。が、最高の生ハムに仕上げて、素朴なパンと一緒に食べると もっと旨いのかな。中華で言ったら「生のアワビ」と「干しアワビ」の 新鮮感vs濃厚な旨み、と通じるね。どちらもアミノ酸の旨みの問題だ。
     脂肪の旨みは生ハムにするよりソテーで食べるほうが、弾けるように口の中に 広がるので印象が強い。
     いずれにしても、次元の高い話である。
     ワインは、エノテカ高輪店のセットの中から。
     本当は「スペイン・ワイン」が あるとピタリとはまったのだろうけれど、今回はボルドーのやや重口。
     ちなみに、ボルドーのトップ醸造家に依頼してエノテカが作ってもらった ワインだそうだ。
     全方位にバランスが良く、とても飲みやすいワインだ。
  • 大河ドラマ『新選組!』直前、池田屋事件
     「池田屋事件」で一年を折り返すというのは、結構その先の悲惨な描写が 長いのかなぁと思う。
     BS-hiを見ていたら大相撲中継が延長戦で、座布団が飛び交っていたのは びっくりした。勘弁してけろ(^^;;
  • 衆議院選挙
     開票速報を楽しむためには、投票は必須だが、なんだかうちの選挙区は「開票率0%」 で「当確」が点灯。
     どういうこと? 出口調査の結果で、圧倒的に当確だったということか?
     民主党が躍進しとうとう自民党に逆転したが、自民党の議席はたったの-1で、 小泉的には「勝ったも同然気分」なんだろうなぁ。
     しかし、自民・民主がほぼ同数になると、公明党が手のひらを返すと 政権はひっくり返るのではないか。
     もともと、自民と公明の主張は食い違うことが多く、むしろ公明・民主が近い部分も あるのだから、どっちに付いても良いようなもんじゃないかと思ったりするのだが…?
     さらに、社民党は「民主は憲法を改革するので、一緒にはならない」と言っているが、 それはそうだが、民主の憲法改革と、自民の憲法改革は相当違う。自民のそれは、 ほとんど明治憲法への先祖がえりみたいな強烈な内容で、「国家の規律は 家父長制度の復活から」みたいな、凄いことになっている。
     とりあえず、 自民党の憲法改正案
     けっこうびっくりするよ。
     あと、憲法調査会の個別の議事 も過激だね。
     まあ、なかなか自民党が2/3議席を取ることは無いと思うので、これも 机上の空論だと思うが。
2004.7.10
  • HV版『ザ・コア』鑑賞(wowow) ★
    公式ページ
    とても詳しいストーリー解説
     地球のコアの回転が止まる→地磁気が消失→電磁波(荷電粒子)で人類滅亡
     だから、コアに潜って核爆弾で再回転させる。
     …という、物凄い設定(つうか荒唐無稽)のSF作品。
     そもそも予告編を見たときから「そんな馬鹿な」と思って全然無視したのだが、  自宅で見られるなら見ても良いかなっと(^^;

    • 異変はまず動物に起きる。
    • 主人公の物理学者は一介の教師だが、世界に起きる異変から最初にコアの停止に気がつく。
    • 敵役の物理学者は、主人公の手柄を自分の物にすることばかり考えている。
    • 地中潜航艇の発明者は、学会を追放されて砂漠の真中で今まさにそれを完成させかかっている。
    • 地中潜航艇の操縦者は、ベテランスペースシャトル船長と、はねっかえりの美人で、彼女は 主人公と良い仲になる。
    • 楽勝ムードが漂うと予定(ピンチ)はどんどん前倒しに訪れる
    • 船の速度は、どんどん上がる
    • 船長は後輩にいい話をすると死ぬ
    • 主人公の友人は、とてもいい奴だが影が薄い。
    • 「僕は世界の事なんかどうでもいい、ただ家族を守りたいだけだ」とか言うと死ぬ。
    • 主人公達の作戦が失敗しかかると、非人道的なプランBが用意されている。
    • 探検隊は概ね、いい人の順に死んでいく。
    • 大事な何か(爆弾、酸素etc.)は、かならずちょっと足りない。
    • 大事なスイッチは、とんでもない場所にあって押せない。
    • 通信機は壊れる
    • 敵役の物理役者は、最後の最後に使命を悟り、ふっと笑って死んでいく。
    • 主人公は二度、絶対絶命になるが奇跡が起きる。
     …とまあ、ストーリーや設定は「王道のてんこ盛り」だ。
     この方針で作品を作れば幾つでもB級SFが書けそうだ(^^;
     地磁気の源は「ダイナモ説」といって、地球の核(コア)…液体状の鉄が回転する ことによって生まれるという説が有力であるが、まだ本当のことは分かっていない 部分が多い。
     この映画ではコアの回転が時計の歯車のようなもので、ちょっとした衝撃で引っ かかって止まってしまったり動いたりするように説明しているが、何しろ相手は 「液体」なので、止めることなど不可能だ。例えて言うなら、洗濯機の水流の 渦巻きに指を突っ込んでも、何も変わらない。
     それにはこの際目をつぶるとして、「地磁気が消えると荷電粒子が地球を直撃する」 という描写はどうだろう?
     地質学的に、地磁気が無い時代も何度も存在したことが判っているし、 それで生物大絶滅が起きたという話も無いので、まあ携帯電話が使えない…なんて ことは起きるだろうが、人が死ぬことは無いだろう。
     そもそも地磁気がなくなったとしても、地球には分厚い大気が存在するため、 「直撃」には程遠い。赤道にオーロラが出るくらいのことは起きるだろうが、 海が沸騰したり、鋼鉄が溶けたりは有り得ない。そんな強烈な放射があったら、 火星探査船は、地球から離れたとたんに溶けてしまうぞ。彗星だって、一度 近付いただけで何もかも蒸発してしまうぞ…。
     まあ、これにも目をつぶるとして、「コアに行く乗り物」がまた凄い。
     従来地中を潜る機械と言うと、サンダーバードのジェットモグラが代表選手で、 ドリルで穴を掘ってキャタピラで進むのが王道だが、本作のマシンは 「強力なレーザーで岩を溶かしてその中を泳ぐ」という強烈なマシンだ。
     凄いにも程がある(笑)
     液体の鉄の中でも平気な驚異的な断熱性、地球の圧力に負けない堅牢性、 ほとんど無限の原子力エンジン、なにもかも桁外れ。さすが砂漠のマッド・ サイエンティストの作品である。
     地下に巨大なクリスタルの空洞がある…というのは、なんとなくジュール・ ベルヌっぽいロマンだが、いささかレトロに過ぎる気もする。
     コアの中に巨大なダイヤモンドの結晶が氷山のように漂っているというのも ロマンだなぁ。
     だいたい、この船は物凄い速度なのだが、帰路は時速数百キロで、コアから マントルを突き破ってハワイの沖に飛び出すのがびっくり。  いくらハワイの溶岩が水っぽいと言っても、その中をジェット機並みの速度で 抵抗感無しに泳ぐ描写は無理無理だ。せめて現実の潜水艦よりは遅くないと リアリティーがかけらも無い。
     コア付近の乗組員と、地上の司令室で会話ができる、通信技術については 説明無し。これも出来たら凄い。
     まあ、こういう壮大なホラ話だが、画面のほとんどは、船の内部と司令室の インドアなシーンなので、予算的にはあまりかかって無さそう。地上の災害 シーンもほとんどCGだろうし。
     ともあれ、SFファンとしては「ネタ」として押さえておくことは必要な 作品と思う(笑)
  • 洗濯機の修理に挑戦
     2,3週間前から時々洗濯機に水が溜まらないという故障が間欠的に発生。
     どうしようもないので「新しいのを買おう」と言う事になったけれど、 とりあえずバラしてみることにした(^^;
     裏ブタを開けると、なんというシンプルな中身。こんなにシンプルだと 機械的なトラブルが起きる可能性がとても低くて嫌な予感(^^;(つまり機械系 が原因で無いとすると、素人修理できない可能性が高い)
     だいたい、主モーター、排水弁の開閉モータ、水位センサ、それとメイン基盤 くらいしか部品が無い。
     動きを観察すると、脱水ドラムのブレーキと、排水弁が一体化している。
     つまり、一つのモーターで排水弁を引き抜くと共にブレーキを緩め、 脱水にブレーキをかけると同時に、同じバネで排水弁を閉じる。凄く部品を省略 した設計で感心してしまう。
     さて…ということは、水が溜まらない障害の時には「その前の脱水が異常終了 している」ということだ。
     先週まで水が溜まらないと妻は、何度もメイン電源をon/offして様子を見て いたが、正しい回避方法は「脱水をやり直す」だったのだ。
     というわけで、「だましだまし使う方法」を確立したので、買い替えはまた 先延ばしに(笑)
     しかし、真夏に洗濯機が故障するのは、けっこうキツイ(^^;
2004.7.9
  • 今週の腕時計
     掲示板に、腕時計のレポート継続依頼が投稿された。投稿者の人は私の日記を読んで 機械式時計の購入に踏み切ったそうだが、それも「SEIKO ブライツ」だそうだ。
     いいな〜ブライツ。オーソドックスなデザインよりちょっと溌剌とした雰囲気が有って、 若いだけじゃなく高級感も有る。
     ところで、勿論私の時計「ブラック・サムライ」は順調。
     あまりにも精度が出るので日記のネタにならないくらいだ(笑)
     購入最初の半月は毎日誤差の記録を取っていたが、今後一年くらいは、月一度一週間 くらいずつ調べようと思っている。(年間の傾向を調べるつもり)
     ちなみに、今週月曜から調べた結果では、平均日差:+4秒 ってところ。
     相変わらず、カタログ値の1/10の範囲内。
     先週末に、「フレンチでディナー」のため、このゴツイ、ダイバーズ・ウォッチを 置いて、修理の上がったSEIKO オート・クォーツ(7M12)を使ってまる一日以上 放置したら、通常よりだいぶ進んだ。恐らく、体温より低い温度では進むのではなかろ うか? まさに「夏仕様」って感じだ。
     さて、修理の上がったSEIKO オート・クォーツ(7M12)の方は、 もともとフル充電で3日駆動…という仕様のはずが、どうも、修理以降ほとんど触って いないのに、2週間放置してもまだ動いている。
     さりげなく性能アップしてしまったようだ(^^)
     この時計は、持っている腕時計4本の中で一番フォーマルな感じのものなのだが、 いずれは機械式で趣味の良いのを持ちたいものだ。
  • BSフジで料理の鉄人【完全版】という番組をやるそうだ。
     ただの再放送ではなく、60分の調理をノーカットで送る90分番組になるのがそそられるなぁ…。
  • 社会保険庁は極楽? - 保険金の流用で買ったマッサージ器具が400台。職員専用ゴルフ練習場の費用、長官の交際費。 なんか、あぶく銭だと思って無茶な使い方してるんだなぁ。
     莫大な総資産から見れば、こんなもの「誤差」に見えるのかもしれないけれど、 総理が改革改革と旗を振っている脇で、こういう浪費はなぜ起きるのだろう? 厚生省だよなぁ…
2004.7.8
  • ところで、昨日は「プティ・シャブリ」の日だったが、店では日本酒を買って帰った(笑)
     真澄の「七号(号は難しい字)」…新酒鑑評会で「夢殿」「山花」とともに1,2,3位 独占という快挙をやったと説明書きに書かれていたのを見て。
     地元の酒が評価が高いのは誇らしい。
     もちろん、親の代までの長野の酒は「甘くてしつこくて飲めたものじゃなかった」 けれど、ついでに、今でも宴会などで自動的に出てくる「お酒」「冷酒」なんて 酷いけれど、心有る蔵の酒は本当に芸術品だ。
     原料が米で親しみがあるからか、ワインと違って「味の地図」が描きやすいのも 親しみやすい。
     酒の名前で地名と傾向が思い浮かぶのも、ワインとの違いかな。
     逆にいうと、ワインでも頭の中に地名と味の地図が出来上がると面白いのだろう。
     ただ、ワインは「隣りの畑で味が違う」などと言われ、記憶すべき地名が莫大に なるのが危険だよなぁ…(^^;
  • 先日のテイスティング・イベントに出た「ビルカール・サルモン」は年間出荷本数50万本、 最大のメーカー「モエ&シャンドン」は、2500万本だとさ。出荷量が50倍も違うのでは、 今まで知らなかったのも無理は無い。
  • 真澄の蒸留酒「澄」
     真澄の吟醸粕を原料に蒸留して作った焼酎「澄」というのを発見した。
     もともと「米焼酎」は「メローコヅル」などキツイ癖が無くて香りが良いので 好きなのだが、馴染みのある日本酒を直接原料として作られた焼酎は初めて。
     興味深々で試してみたら、確かにその香りの中に真澄の素性を覗うことができる ものでほのかに甘く素晴らしい香りだ。
     アルコール25度なので、2:1の水で割ると日本酒の濃度に近くなる。
     こうすると「ドライな真澄」みたいになるのかな。色々試してみたい一本だ。
  • 世界最高峰のスプマンテ、フレスコバルディ・ブリュット - あまりにもCPが 良いので「シャンパーニュ・キラー」と呼ぶそうですよ。そう聞くと飲んでみたくなるよね〜
2004.7.7
  • 七夕ですね。
     各地で35度越え。日が落ちても30度。暑い…
     もちろんオフィスにはエアコンがあるけれど、帰る頃にはすっかり、キリッと冷えた シャブリ(昨夜冷蔵庫で見かけた)で、レモンとバター のソースを使ったチキンのソテーを食べたい。などと、えらく狭い希望が出来上がって いる(笑)
     もちろん、「焼肉&ビール」でも一向に構わないのだが、先週末にエノテカ通販の 12本セットも着いたし、ビルカール・サルモンのテイスティング会ですっかり気分が ターボ状態。「日本でワインに夏を越させるのは大変だから、買ったものは じゃんじゃん飲まないと」などといろいろな理屈をつけてGO-GO
     今夜の希望を妻に言うと「え〜ハンバーグのつもりで解凍もしてある。」 などというので「両方食べる?(^^;」。鶏は普段より良いのを買ってみる。
     鶏はカリッと焼けた皮と、ふっくら仕上がった肉がなかなか良い。
     レモン風味のバターソースなんて作ったこと無いな〜という妻は、これも結構器用に 仕上げてきた。イメージ的には先日エノテカで食べた「シークワーサーのバターソース」 の路線で、妻の作は比較するとかなり酸味が強かったけれど、シャブリのキリッとした 酸味はレモンに負けず、なかなかのマッチング。
     理想は、バターの脂肪の甘味とレモンの酸味が拮抗して、ほんのり酸っぱくサッパリ 甘いというバランスだろう。
     考えてみると、この「甘味と酸味のバランス」は、ワイン味の根幹に 有るものと共通しているね。この路線は深追いしてみる価値があるかも。
     ハンバーグ本体は市販品だが、ソースは残り物の赤ワインをベースに妻が作って、 こちらは、いつも通り濃厚で旨い。
     さて、ワインだが今夜のはエノテカの晩酌セットで購入した 「タイユバンのプティ・シャブリ」
     プティ・シャブリは高いものではないが、そこはそれタイユヴァンから出てきたもの、 クリーンでドライ、フレッシュ、まさに夏に飲んで嬉しい爽やかなワインだ。間違いなく 「もう一度飲みたいリスト」に入る資格がある。
  • もう一度飲みたいリスト
     映画では「人に薦める」「DVDを買って何度も見る」「レンタル/TVで充分」「途中で寝た」 なんてランクわけができるが、ワインも
    • 「人に勧めて自慢できる」
    • 「何度も買って愛用する」
    • 「まあまあ納得」
    • 「イマイチ」
    • 「途中で飲むのを止めた」
     なんていう、分類が分かりやすい。
  • ボヤージュ・デュ・ヴァン - だいぶ前に見つけたのだが、かなり深くワインの勉強をしている人のページ。ためになります。
     私的には「まぐれ以上の確率で美味しいワインに当たりたい。そのためのワイン選びの 理論的根拠を身につけたい」という動機で参考書を読んだりしている。
     ただ、「マンガ・ワイン入門」程度の知識はとっくにあるけれど、その程度じゃ なかなか当たらないんだよね〜。ことワインに関しては、経験の無い知識は使えない。 つまり「味」を「文字」で表現しきれないのが大きいと思うのだが。
     だから、文字の知識を実際に味わって自分の感覚に翻訳していかないと、 本を書いた人が言いたいことも伝わってこないということだな。
     ただし、第一の目的「美味しいワインを飲みたい」というだけならば、 「信用できる店を探す」ことで90%解決だ。
     たとえば、近所の酒屋(ワインに力を入れている)のお薦めはまあ80%当たり。 ビック酒売り場のお薦めは60%、エノテカならどれを取っても95%でヒット…という 感じで。
     品質はお店の信用に任す。そうすれば、知識は「好み」に関するものだけで 良いのだからだいぶ楽になる。で、ゆくゆく、掘り出し物に挑戦していけば良い と思う。
  • 千葉市の収税率は92.6%
     7.4%の人は税金払ってないってことですか。
     でもこういう人も案外、個人に直接見返りのある保険金は払っていたりするんだよね。 税と保険をまとめて集める制度にすれば、こういう不払いも減るのに。ついでに、NHKの 受信料も税金にしてしまえばいいのだ。
  • 新潟で小6による包丁で切りつけ事件
     また、ですが。今度は映画の影響とか有るの?
  • 社会保険庁に民間長官起用
     自民党も、選挙で敗色濃厚なこの時期に、バンバン対策を打ってくるものだ。
     尻に火がつくというわけだが、じゃ、今まで年金行政は何をやっていたのか、 郵政省の改革なんか初めから言っているのに何も進んでいないぞとか、改めて 突っ込んで良いですか?(最近郵政改革なんざ、どうでもいいって感じだけど)
     今度の選挙で憲法が書き換えられれば、社会保険庁長官の更迭なんか安いもの ですか?
2004.7.6
  • 『ハリーポッターとアズカバンの囚人』鑑賞(TC市川#8) ★★
     私は原作は読まず映画だけの人。1,2作目は「子供向け映画」だという抵抗感を 感じつつ見に行っていたのだが、今作は「どうせ見たくなるんだからさっさと 見てしまおう」という感じで、公開第一週のうちの平日夜を狙って行った。
    …以下ネタバレ含む…
     1作目は何でも新鮮で面白かったし、主人公達の可愛さは抜群だった。
     2作目は肝心の「秘密の部屋」がトイレの花子さんとは何事かと思ったし、 肝心のハーマイオニー(笑)が猫化するやら石化するやら、活躍が少なかったのが 残念で物足りなかった。1作目を越える面白さは無かった。
     で、本3作目は、ハリーたちは13歳。またも休暇中で叔父さんの家に幽閉されて いて虐められている。お約束なのではあろうが、このあたりはウンザリだ。ムカツク おばさんに魔法で報復するのは、銀河皇帝のワナだろうか。 「暗黒面のパワーは素晴らしいぞ」というわけだが、怒りに我を忘れて 魔法を暴走させるハリーはヤバイです(笑)
     で本来これは「校外で魔法を使用すべからず」という 校則に違反するのだが、魔法省的にはお咎めなしで後始末、記憶の抜き取りまで やってくれる。やっぱ、偉大な魔法使いの血筋はモノを言うね。
     何故か『アズカバンの囚人』の新学期はバスのお迎え。すぐ後に汽車も出てくるけれど、 魔法の「暴走三階建て寝台バス」は、どことなく生き物適で『トトロ』の猫バス みたいだが、あれほどの人気は出ないかな。
     いよいよいつもの友達勢ぞろい。
     ハリーは冒頭のシーンから一見して「たくましくなった」、「二の腕が太くなった」と 思ったが、ハーマイオニーなんか1作目の子猫のような愛らしさの面影はもうどこにも 無い。それでもまずまず可愛いと思うが、ロンは間延びしたね〜(^^; 敵役の ドラコ・すね夫・マルフォイなんざ、妻が言うには 「ねじくれたハーレイ・ジョエル・オスメント」 みたいだってことで、悪そうな割りには「ぼんやり薄味」でどうも締まりません。
     そもそも、本作のマルフォイは、ハーマイオニーにパンチ食らってベソベソ泣きながら 逃げ出すダメっぷりで、取り巻き連中もほんと、使えない。カケラも見せ場が無いのは 恐ろしいほど。前作までの「血筋を誇る嫌味なライバルっぷり」はどこへ? これじゃ 「スネイプ先生」に折檻されまくりでしょう。合掌。
     製作者は、むしろ意図的に「子供達の成長」を意識して、普段着の着こなしまで 研究したそうだが、どうも最初の少年のイメージが抜けない。というか、ストーリー から感じられる成長が、子供達の外見上の成長と歩調が合っていないのじゃないかね。
     いつでも三人組で、クラスや下級生との関係を感じないのも原因か。
     物語は「脱獄囚シリウス・ブラック(あのゲイリー・オールドマン)が、 ハリーの命を狙って魔法学校に潜入した」という噂で、例によって「本当の味方は誰?」 「あなたの正体は何物」「それは冤罪です」という毎回御馴染みの流れ。
     ここまでパターンだと当然「怪しい人、怖い人はほんとは味方。一見無害な奴が犯人」 という黄金パターンで先がバレバレな気がしませんかね??
     と・は・い・へ。映画として見たとき、今回は活動の舞台が屋外に広がって開放感が あるし、「ダンブルドア校長(中の人死んで交代)」「エコ贔屓・マグゴナガル先生」 「ハグリッド」以外に初めて信用できる大人が登場したのは大きい。
     だいたい、ハリーポッターで「納得いかない」のは「子供にとって理不尽な 大人が多すぎる」ことで、本筋のの悪人が悪いのは当然として、先生や用務員が 証拠もなしに「悪事はハリーの仕業」と決め付けてくるのが最悪だし、逆に 校則破ってもお目こぼししまくりのマグゴナガル先生、ハリーの寮に肩入れしまくりの 校長も、その不公平さは悪役といい勝負。
     そんな中で「死んだ父の親友で、信じ頼ることができる男」という、骨のある存在が 登場したのは、大きな意味のあることだと思う。
     新たな登場人物の人間関係が最後に二転三転するので、原作を読んでいない 客には、何がどうしてどうなった?という部分もあるけれど、まず、前作より 確実に面白いのは間違いない。

     その他のポイント。
     『もののけ姫』のだいだらぼっちの昼の姿である、輝く鹿のような形状をしたものが 湖の向こうに現れて命を救ってくれる…のには驚いた。やばすぎ(笑)
     徐々に呪文の寮が増えているが、戦闘系の呪文を使える人が5人以上で争う シーンで「エクスペリアームス(武器よ去れ)」の唱えまくりで、ぽんぽん 魔法の杖を飛ばしまくっているのが情けなかった。まるで「ジャンケン」か 「椅子取りゲーム」みたい。
     そんなに簡単に魔法の杖を奪われるのならば、侍の脇差のように二本目を 用意しておくべきなんでは? あるいは奪われないための防御魔法を使うとか。
    呪文集
     ところで、ハリーたちの「グリフィンドール」、マルフォイの「スリザリン」 の他に「レイブンクロー」と「ハッフルパフ」の二つの寮があるのだが、 彼らは何をやっているのか? 作者も忘れちゃっているのでは?
     今回「監督が交代」している。
     1,2作目の「所詮お子様向け」感がほぼ払拭されていたのは、監督のせいなのかな?
     「闇の魔術の防衛術」は、毎回「わけあり」で先生が交代している。 (クィレル→ロックハート→ルーピン先生)
     これ、毎回狙われまくりのハリーにとっては、最も重要な科目だと思うけれど、 なんとかならないのかねえ…
    参考ハリー・ポッター用語辞典

  • ワインの壁はフランス語の壁
     なにせラベルが読めない、発音できない(^^;
     英語以外のイタリア語、スペイン語も似たようなものだが、何がメーカーの名前で、 何が商品名なか、もしかして地名なのか…と頭を捻る。(いちおう、フォーマットが 決まっているフランスワインのほうがマシなケースもある)
     裏にカタカナが貼り付けてある輸入元は親切だ(^^; もっとも、カタカナで覚えると フランス語の表記と一致せずにまた悩むわけだが(^^;;
     地道に暗記するしかないよなぁ…。
     我が家的にはスペインワインに力を入れていたりするが、フランスワインの知識 が有ればこそ、世界のワインが面白くなるのかとも思う。
     「美味しいものを味わうのに知識など要らない」というとカッコいいけれど、 効率よく美味しいものにヒットするためには、やっぱり情報と分析が必要なんじゃ ない?というのは実感。
  • ワインなリンク
  • 先週くらいから朝のニュースで「○○が回復/上昇」という語句が異常に多い。
     首相の高速料金値下げ発言は、石原国土交通相が「そんなにすぐには出来ない」と 訂正したみたいだが、この時期に公的研究機関が景気回復の統計発表をベタベタ 打ちまくるのはやっぱ、選挙運動だよなぁ…。
     選挙が終わったら無かったことになるのは必至なんだけどなぁ…
  • ニュース・次世代光ディスク
2004.7.5
  • 『LEON オリジナル版+完全版パック』DVD購入
     LEONはリュック・ベッソン監督にとっても、ジャン・レノ、ナタリー・ポートマン、 ゲイリー・オールドマン、にとっても重要な作品で、DVDの最初期に発売された 一枚であるが、なにせ大画面で見ると画質がへなちょこだった。
     ハイビジョン放送もあったが、そちらは解像度はともかく暗部が潰れすぎで やはり不満があり、再発売が期待されていた作品の筆頭に上がるものだと思う。
  • 『深夜も踊る大捜査線2』DVD購入
     映画公開前にTVでやっていた深夜のスリアミ・コント
     本編の前振りとして結構楽しかったのだが、何話か見落としてしまったんだよね。 で購入。
  • 『舞台も踊る大捜査線』DVD購入 ★☆
     映画『踊る大捜査線2』の事件が終わって、監査室で絞られた署長が帰ってくる というタイミングでのお話。亀山Pもゲスト出演して、まあ「芝居」というよりは、 本編で出番の少なかったスリアミを取り上げたコントで、ファンサービス・イベント という感じでは有る。
     DVDを見るのも楽しいけれど、やっぱり会場に居た人は数段楽しかったろうなぁと 思うと悔しいのだ(^^;
  • ワインの本を探す
     職場に近い本屋に寄ると、「田島みるく」とか「島耕作」の人とか漫画形の人が 書いた入門本が幾つもあるのなぁ。「赤ワインと健康」ブームに前後して、入門本が 山のように出たものの売れ残りが、この店の在庫という感じだ(^^;
     「私は専門家じゃないけれど、こんな風にワインを楽しんでいます」という 方向の本も楽しいが、このレベルは最近はネットの個人の読み物で事足りてしまう 気もする。
     島耕作は漫画のネタとしてワイン知識を集めていたらしく、薀蓄度が高いが、 やはり微妙に恥ずかしい(笑)
     ネットで調べると 書籍の紹介ページが有った。
     凄い数だ。書籍を選ぶためのガイドブックが欲しい(笑)
  • パナのBDレコーダ発売
     片面二層で4.5時間録画という目玉。HDD無しでi-Linkも無いという反目玉。 価格は実売30万円とか。
     25G,50Gのディスクを見ると「片面カートリッジ」のようでも有る。
     なんとも微妙な仕様であるが、4.5時間というのはハイビジョンの連ドラが 枚で1クール入りそう。面白い。大河なら9枚でおさまる。
     SONYがHDD付きで二号機を出したら、45万くらいなら買うかもしれない なぁ…
2004.7.4
  • 大河「新選組!」
     芹沢暗殺から池田屋への繋ぎでいきなり数ヶ月のジャンプ。手紙形式を使って、 「一服」という感じでもあるが、まあ、このぐらい飛ばしていかないと最後まで 辿り着かないかな。
  • ところで、D-VHSで大河の地上デジタルの先行放送を録画すると、なぜか 毎回STDモードで 録画されてしまう。これは、そういう制限がかかっているんだろうか?
2004.7.3
  • リコーダー・アンサンブルの練習
     ものすごく久しぶりで、リハビリモード
     てか、いつも久しぶりなのでいつもリハビリだけど(苦笑)
  • THE SPECIAL DINNER OF BILLECART-SALMON(ワインショップ・エノテカ・広尾店)
     ひとくちに シャンパーニュと言っても色々あるが、 今回は ビルカール・サルモンのオーナーを招いての飲み比べイベントということで参加してみた。 (エノテカのDMに素早く反応した妻に感謝だ(^^))
    BILLECART-SALMON OFFICIAL WEB SITE

     普段の我が家では、「本物のシャンパーニュは高級すぎておいそれとは飲めない」 けれど、スパークリングワインをパーティーの乾杯用とは考えず、日常的にカジュアルに 飲もうということで、1,000〜3,000円程のお手頃なスペイン産カバ(CAVA)を冷蔵庫に常備して あるという付き合い方をしている。
     カバも近年急激に国内での品揃えが充実している気配で、地元の酒屋でもワインに 力を入れているところでは何種類もの中から選べるようになってきている。
     カバもメーカーごとに随分味の幅が広くて選ぶのが楽しいけれど、この機会に 「本家シャンパーニュ」を色々試してみるのは面白そう、と飛びついた。なにしろ、 小売価格で一本5,000円〜30,000円のシャンパーニュがずらり7種類も試せて、 たったの12,000円で飲み放題(とはちょっと違うけど、実質的にお代わり自由だから)。 参加しないわけが無い(^^)
     その、ラインナップはこれ

    1) N.V. BRUT RESERVE
    2) N.V. BRUT ROSE
    3) N.V. BRUT BLANC DE BLANCS
    4) 1996 BRUT BLANC DE BLANCS
    5) 1996 BRUT CUVEE NICOLAS FRANCOIS BILLECART
    6) 1997 BRUT CUVEE ELISABETH SALMON ROSE
    7) 1995 LE CLOS SAINT-HILAIRE

     NVは5,000/8000/10,000円。なんとか買って胸が痛まないのはやっぱり ここまでかな(笑) 懐じゃなくて胸が痛むのはやっぱり、これ以上はワインに 飲み手が釣り合わないんじゃないかと感じてしまうからだが…(^^;
     とにかく、この三本は「美味しかったら買っちゃうぞ」という姿勢で真剣。
     後半4本は、逆に気楽に楽しませてもらおうかな、という姿勢である。

     料理はフレンチのコースで
    • 「アオリイカとムラサキウニのラヴィオリ仕立て」
    • 「活けじめシマアジの軽い燻製ときゅうりのメリメロ、ミント風味粒マスタードのヴィネグレットで」
    • 「カナダ産オマール海老のロメスコパン粉フリッツ、タルタルソース、ベビーリーフを添えて」
    • 「鹿児島厳選黒豚のグリエ、ジャガイモのロティとホワイトアスパラガス添え、シークワーサーのバターソースで」
    • 「ヨーグルトのクレームダンジュ、パッションシード、蜂蜜メロンのソルベと共に」
    というメニュー。
     飲み物がシャンパーニュで、軽く微妙な味わい、香りの違いを吟味して楽しむのが 目的の会だから、魚貝を主体として、豚も想像以上に優しい味と感じた。
     普段の営業でどんな料理を出しているのか分からないけれど、「料理にインパクトを 持たせる」というのとは全然違って難しいのを良く考えているなと思った。
     特にオマール海老は身の甘味が濃厚でかりっと揚った香ばしさと相まって絶品だったし、 黒豚のローストは、一皿の上に鶏肉のような淡白できめ細かな部位から力強くジューシー な部位まで幅広いグラデーションが描かれるように盛り込まれていて一切れごとに新鮮 に感じられて楽しかった。
     それから、パンとバターも旨かった。
     モッチリと旨みの詰まったパンは、エノテカのレストランで普段提供しているもので、 これの小型のものは、パン売り場で買えるらしい。

     さて、最初のNVの三本こそ真剣にテイスティング。というのは、気に入っても ビンテージ物はおいそれと買えないからね(笑)
    N.V. BRUT RESERVE(シャルドネ30% / ピノノワール20% / ピノムニエ50% )\5250」
     これは、もっとも基本の商品。きりっと甘くない。炭酸が多くすっきりとした 酸味が印象的だ。もうちょっとふくよかな方が好みではあるが、端正なところに好感が持てる。
     もともとシャンパーニュ地方のシャンパンはドライが普通だが、オーナーのスピーチによれば、 「通常シャンパンの製造過程で行われるリキュール添加をしていない」という ことで、なおドライになっているのかもしれない。
     ※普通はここで糖度の調整をする
    N.V. BRUT ROSE(シャルドネ50% / ピノノワール40% / ピノムニエ10% )\8,400」
     は、淡い朱鷺色がかったロゼだが、この味わいはオーナーが挨拶の中で 「ビルカール・サルモンはシャンパーニュを"クオリティワイン"として捉え、品質を追求している」 という言葉を見事に体現していると思った。
     つまり、色と香りは華やかなロゼであるのに、口に含むと堂々たるフルボディの赤の存在感を 秘めた複雑な味わいが広がり、飲み込むと後には重さを感じさせず爽やかさだけが残る、 という感じで、このワインなら、肉料理も デザートにも変幻自在に響き有って、食事の最初から最後までロゼ一本で通すという 楽しみ方ができるのではないかと思う。
    N.V. BRUT BLANC DE BLANCS(シャルドネ100%)\10,500」
     こちらは、先のBRUT RESERVEより、ずっと香気が華やかで、透明だ。完熟した葡萄を 口にして果汁が溢れるその瞬間の感覚を思い出させる。立ち上る泡がグラスの底から 香りを運んで来て幸福。
     …美味しすぎて悩むなぁ。買いたくなってしまうので(^^;

     ところで、今回の座席は右にオーナーとエノテカの関係者、左にちょいと若くて 燃えてる(笑)ワインマニア夫婦である。
     予約を入れた順に良い席になっているのかな〜という雰囲気だが、 相手はフランス人だからわかりゃしない…とは言いながら、あまり大声で感想を 述べながら飲むのをはばかる。
     それは何かというと、ワインを評価する場合の色々な形容をまだまだ使いこなせない からなのね。味わいの感想は個人のものだから何を言ってもいいと思うのだが、それを きちっと表現するテクニッが無いと人前では喋りにくいなぁと。
     若夫婦の方は、一口ごとにバリバリめもめも。あれはまだ三十台行ってないでしょう が、とても勉強熱心な様子で微笑ましい。「マニア目指して頑張ってる」感じ。
     新婚旅行でフランスに行ったことがある様子で、今度はワインの産地巡りをしたい 話も聞こえてきて、エネルギッシュな奥様でいいな〜と。…旦那はなんだか大人し かったけど、それは我が家と似ているな(笑)

     もひとつ、面白かったのはスタッフの「抜栓技術」。ふと気が付いたのだが、 何十本ものシャンパーニュを次から次へと空けているのに、ただの一度も「ポン」 とも「プシュ」とも言わないんだな。
     ホーム・パーティーならば、シャンパーニュの栓が開く音は演出の一つに なるけれど、レストランでは確かにひっきり無しにパンパン音を立てていたら まるで戦場だ(^^; ニューヨークのイタリアン・レストランだったら、マフィアの 皆さんが思わずテーブルを盾にして身構えてしまうかもしれない(笑)

     さて後半戦はビンテージもの。
     1996 BRUT BLANC DE BLANCSも、 1996 BRUT CUVEE NICOLAS FRANCOIS BILLECARTも、それぞれに違う 香りの成分が複雑に存在して、この味を語るには「ごめんなさい、勉強してきます」 という感じ(^^;
     実際、赤ワインの飲み比べと比較して、同じメーカーの白のシャンパーニュの 飲み比べというのは、沢山のほのかな香りの綾を解きほぐすような、推理小説の 伏線を拾い上げていくような、楽しくも繊細な行為で、どれも個性的で皆美味し いけれど、それを言葉で表現することの難しさは「あぁ、もっと極めたい」と 私の心を刺激する。
     料理も美味しいから、まるまる逃さず楽しもうとするのは頭が忙しい(笑)
     このオマールは、どうしてこんなに美味しいのか。鮮度、身の甘味、パン粉の サクサクした歯ざわりの愉悦。そこに同じ1996年の二本のシャンパーニュ。複雑だ〜。
     メインの「黒豚のロースト」に持ってきたのが
    1997 BRUT CUVEE ELISABETH SALMON ROSE \21,000」
     このキュヴェはピノノワールとシャルドネとを半々でつくった白ワインと、 メスニル・シュル・アイで採れるピノノワールでつくった赤ワインをアッサンブラージュ する。とある。
     これはもお、どうしましょう? お店の人に「すみません、お代わりもらえます?」と お願いしてこっそりもういっぱい頂いてしまったが、飲めば飲むほど深く複雑な味と香り。
    (最初のNV BRUT RESERVなんかは、グラスが空きそうになるとどんどん持って来て くれるのだが、この辺は熱意を見せないと無理(笑)、1996 BRUT CUVEE NICOLAS FRANCOIS BILLECARTも無理言ってお代わり)
     白と赤のアッサンブラージュと言っても、赤の色は極めてほのか。そこはスティル・ワイン のロゼとはだいぶ違うけれど、白もピノノワールを半分使っているので、そのへんが 組み合わせの妙なんだろうなぁと、思う。が、理屈はともかく、穏やかでしっとりと 気品のあるワインと思ったなぁ。
     ラストの「1995 LE CLOS SAINT-HILAIRE」は、オーナーによると 今までの商品ラインと異なる新たな線を狙ったものだというものだが、他のワイン と比較するとほんのり甘味を感じる。デザートのタイミングにぴったりで、ほのかに キャラメルのような香りがする。
     香りの複雑さで言えば他の白より複雑なのかもしれないけれど、1996 BRUT CUVEE NICOLAS FRANCOIS BILLECART より寛いだ雰囲気が有るのが面白い。
     お代わりをお願いしたものの中には「これはちょっと冷えすぎかもしれませんが」 と断って注がれたものも有ったが、グラスが7つもあると、注いだタイミングによって 温度が違うものが並んでいることになり、温度による味の違いも分かりやすかった。
     確かに「冷え過ぎかも」と言われた一杯は、注いだ直後には単純な味に感じたのが、 少し経つとふくらんで来る。今まで「シャンパンはキリッと冷えているのが良い」 と単純に考えていたが、良いシャンパンは赤ワイン同様に温度変化による味わいの 違いも楽しめると言うことだなぁ。
     …というわけで、最後の一杯まで美味しい幸せ。
     隣りの若夫婦なんか、知的なアプローチの滑り出しがいつの間にやら、ふにゃふにゃ になって微笑ましいが、それがいいお酒の真髄かな、なんて思う。
     でも。この感動を文字で記録するには繊細な文学の才能が必要だと痛感している。 今、このキーを叩きながらね(^^)
  • 大阪の同じイベントに参加した人のBLOGが有ったのでリンクしておきますよ。
2004.7.2
  • asahi.comのバナーに自民党の広告。
    「テーマは日本。この国を想い、この国を創る」だそうで。
     でも、このバナーは飾られている「党首の顔写真」を入れ替えれば、どんな政党 のバナーとしても通用するでしょう。
     そういうのって、本当に意味が無いと思うんだわ。ただ「誰からも嫌われない言葉」 を並べただけじゃん。ここにはなんの意見も無いよ。
     たとえば「社保庁解体!」ってバナーで宣言してみ。
     盛り上がるぞ。
     「脱ダム宣言」でも 「富国強兵」でも、 「殖産興業」でも、 「所得倍増」でも、 「日中友好」でも、 なんでもいいよ。内容はともかく、昔の政治家の言葉にはメッセージが有った。
     なんだよ、「テーマは日本」って。
     退屈すぎてオナラも出ないな。
  • だいたい、いまだにX-JAPANがテーマソングだもんな〜
     青島さんなんか銀座のど真ん中で、植木等の「す〜だら節」をBGMに演説していたぞ。
     「サラリーマンは気楽な稼業ときたもんだっ」
     って、この曲を聴いて「サラリーマンは気楽な稼業ではない」と怒り出すような 融通の聞かない人が日本を駄目にしてしまうのであって、「あぁ、植木等が す〜だらしていた、オキラク日本を再び」と思う柔軟な気持ちが大切よ。
     経済成長、雇用安定、将来の安心があってこその「す〜だら節」だからね。
2004.7.1
  • 野々下由香里〜スペインの光と影〜みなとみらい小h(横浜)鑑賞
    soprano 野々下由香里
    guitar 福田進一
    曲目 ムダーラ:イサベル、帯をなくしたよ
     バスケス:何で洗いましょう?
     ホセ・マリン:瞳よ、私を蔑むのか
     グラナドス:歌曲集『トナディーリャス』より
     ファリャ:『7つのスペイン民謡』より、他
    asahi.comの記事
     福田進一が伴奏をするスペイン歌曲ということで、妻にチケットをとっておいてもらった。 妻は野々下さんの歌は結構好きらしい。ツバをかぶりそうなほどいい席をゲットしてきた(笑)
     平日の晩のコンサートだからか、みなとみらいホール(ちょっと遠い)だからか、 客の入りは7割りくらい?勿体無い。
     曲目は16世紀スペインの民謡を歌曲にしたものから、近代スペイン歌曲まで、 時間の旅みたいなコンセプトらしい。ギターも前半は19世紀ギター(ラコート)、 後半は現代のギター(たぶんフレタ)。16世紀の曲はほんとは「ビウエラ」で 演奏されたものだが、氏曰く「どっちにしても、本物の(当時作られた)ビウエラ は世界に1本か2本しか現存せずレプリカだから、だったら19世紀ギターでも大差無い」 と。
     うわ〜、んなこと断言して大丈夫か…とハラハラした私であった(^^;
     まあ、福田氏は「ギタリスト」で古楽演奏家では無いからなぁ。
     さて、一曲め「バスケス:何で洗いましょう?」は、
     「うわ〜ほとんど最前列なのにギターの音が聞こえない」ってくらい音が小さくて 度肝を抜かれ(^^;
     最近何につけ「キラキラが飛び散る」ような演奏会ばかり聴いているので、 内向的なしみじみ歌曲がえらく新鮮。
     福田氏はラコートで7枚ほどのCDを出しているらしいので、ギターのことは 熟知しているのだろうが、歌とのバランスかな。もうちょっとボリュームが あってもいい感じ。
     スペインの古い歌は良い。しっとりした曲も明るい歌も、「日本人なら誰でも好き」 というツボを突くものがあると思うのだ。
     ギターソロの「魔笛」の主題による変奏曲
     これは、19世紀ギターの時代の曲。ちょっと軽くて可愛い音のラコートは、 「ソルはこんな音色で作曲したんだなぁ」と思いつつ聞くと感慨深い。
     「当時はモーツァルトより人気が有った」と紹介された「ソレール」の イタリア風歌曲二曲は、モーツァルト作と言われても信じるほどのそっくりさん。 つまり、モーツァルトのメロディーラインも彼だけのものではなくて、当時の 流行歌の路線の外にいた(孤高の存在)わけではない…という事なんだろうなぁ。 現代では確かに別格扱いだけれど。
     今なら、ちょっと歌自慢の女性歌手がみんな「R&B系」にいっちゃってるみたいな、 ランキング番組で次々と流されると曲が変わったことに気が付かないくらい、 似た曲だらけ、みたいな現象が19世紀もあったんだろうなと。
     後半の曲は、スペイン歌曲大好きな我々にとっては一段と馴染み深い。 譜面を持っている曲もあるし、色々なCDで聞いている。
     野々下さんの歌は、フラメンコ系のコブシ入りでもなく、オペラ系の派手な サウンドでもなく、中庸ないい感じの歌だ。…と書くと平凡みたいだが、 「ちょうどいい」ってのは大切。
     今日の客席で見かけた「波多野さん」も、スペイン物をカッコよく歌う人だが、 波多野さんのほうがもう少し派手なパフォーマンスになる。
     妻も最後の「ファリャ」を歌ってたけど、生で同じ演目を聴くと色々 考えるみたいだな。
  • 私は20年以上前からの「福田進一ファン」で、今日福田氏がソロで演奏した 「ロドリーゴ:祈祷と舞踊」は初期のCDに収録されて特に好きな曲の一つ。
     今日の福田氏の演奏を聞くと、ダイナミクスの幅をとても大きく取ろうと しているのが感じられるのだが、些か暴走している感じでアウト・オブ・ コントロールな音がしていたは残念だった。
     やっぱり、単にポロロンと弾くのでも、全ての指の力加減に意味があって 厳密なダイナミクスのコントロールがあってこそ、曲に透明感が現れてくる。
     ライブだから、なのかもしれないけれど、95%くらいまで冷静にコントロール した上でピークでハジけるのが理想。大変な演奏だとは思うのだが、福田氏に 期待するレベルはすごく高いので「微妙にもう一つなぁ」と思ってしまった。

  • 20GB HDD内蔵ネットワーク・ウォークマン
     i-Podの方がデザインがカッコいい気はするが、53,000円でCD900枚を持ち歩ける なら凄いことかなと。とりあえず、二世代目が出る頃に買うか?


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文:唐澤 清彦 映画館がやってきた!