追っかけ日記

last modified at 2002.06.22

書下ろし

[11.06] [11.07] [PROGRAMME]
2001/2002 Seasonの予定表を集め出した辺りから、2001.11.のKölnにÖffentliche Generalprobe mit Sanderlingと言う予定があるのは気になって居た。
2001.09.09の演奏会で、Sanderlingが、何とか元気そうに振って居たのを見て、こりゃ間違いなく振るだろうと、当たりもしない確信を持って、航空券を予約した。

2001.11.06 (Di)
小雨の中、Alte OperのKasseへ。 今晩の券、有る?と尋ねれば、1枚だけあると言う。 余りに高かったので、直前にSucheしようかとも思ったが、長旅の直後だったし、面倒なんで、そのまま購入。
Alte Oper、それにしても、外観と内装が、余りに違うんで驚いた。 外装はその名の通り、石造りの古びたオペラ・ハウスなのだが、一旦、中に入ると、結構新しく、木を贅沢に使った内装で、さぞかし良い音がするのだろうと思えた。 それが、最初の一音を聴いてがっかりした。 座った席は、壁寄りで2階席が被って居る「雨宿り席」だった。 前から6列目だと言うのに、ここまで音が籠って、遠いとは思わなかった。 5席位中央寄りに移動したら、演奏を楽しむことが出来る程度の音質になりそうな気はするのだが、空席が無い。

2001.11.07 (Mi)
舞台には三々五々私服の楽団員が登場し、やがて、Sanderlingは客席側から登場。 Philharmonieのキツい傾斜の階段を、時折、脇の若者に掴まりながら、辛そうに降りて来る。 辛そうではあるが、何とか通路脇、前から4〜5列目辺りに着席。
司会がSanderlingを紹介すると、流石に舞台には上らず、ゆっくりと最前列に歩み出た。

聞き取れた断片的な単語と、指揮でもするかの様な、何時もの、肩で語り掛ける身振りと・・・から想像するに、「3日間、私が鍛えた若者達の演奏を聴いて欲しい。 指揮者の世界はピラミッドの様なものだ。 頂点には極限られた者しか居ない。 これから演奏する彼等は、正に、このピラミッドの底辺に居る。 これから、このピラミッドを登り詰めようと言う若者達を応援して欲しい。」・・・なんてことを言って居たのかな?("ピラミッド"と何度も繰り返して言って居たが、ここまで勝手に想像して良かったのかな(^_^;) > 自分)

5分も話して居ただろうか、そんなに元気だったら振ってくれよぉと言いたくなる程度の長話が終わると、司会が受講生の紹介をする。 何とかhausenとか、何とかburgとか、何処か田舎の小屋で指揮をして居る、駆け出しのプロらしき受講生は、4名。 チャイ5を、前半2楽章と後半2楽章に分け、休憩前2人で1曲、休憩後も2人で1曲、計4名。
以前、別な講習会の卒業演奏会を聴いたことがある。 その時は、指揮者に関して言えば、Rillingの複製みたいなのばかりで、受講生の違い(個性)が判らなかった。 指揮講習会の現場に居合わせたことは無いが、解釈や価値観や方法論を伝承していく過程で、指導者の複製が出来ていくのも止むを得ないと思って居た。
今回の講習会、それとはやや趣が異なり、今回の4人の演奏は、夫々が違う音楽に聞こえた。
確か2人目だったか、肩全体で仰け反る仕草はミニチュアのSanderlingだったが、それでも、出て来る音はSanderlingの音では無かった。 夫々が、Sanderlingの違う局面をなぞって居るのだが、外見すら模倣し切れて居ないのと、一つ一つのSanderlingの癖単体だけではSanderlingの音楽とは言い難いのと・・・この辺、Sanderlingが、自身のコピーを創るのを潔しとしなかったのか、短期間の講習でコピーを創るまでに至らなかったのか、コピーを創る程の指導力(?)が無かったのか・・・
結局、僕は、冒頭の5分間の為だけにKölnに来たのかねぇ

もし、Sanderlingが振ってくれて居たら、それ1好演だけで3泊4日の甲斐があったのだが、訳の判らないチャイ5を2曲連続で聴かされて・・・結局、自棄糞で、前夜に続き、ゲルギエフ。 しかも同一Programm。
ウゴルスキのピアノが刺激的で面白かったが、それでも、脈絡の無い瞬間芸だったのか、ウゴルスキの存在自体が刺激的だったのか、判断出来る程、聴き込んでは居ない。
取り敢えず、ゲルギエフもウゴルスキも評価保留。 また機会があれば聴いてみたい演奏ではあった。

帰国後、知人からのmailやオケのwebsiteを確認して、2001.11月末のBudapest、2002.01のBerlinのSanderlingが何れもcancelになったことを確認した。 速攻で2002.01の航空券をcancel (>_<)
前月のブル3を想えば、復活の兆しが感じられ、何も数ヶ月後の演奏会までcancelすることは無かろうにと思えたのだが・・・何があったのか?

PROGRAMME
2001.11.06 20:00 : Arte Oper, Frankfurt am Main
Wagner, R : Ouvertüre zu Tannhäuser
Scriabin, A : Konzert für Klavier und Orchester fis-Moll, op.20
Stravinsky, I : Der Feuervogel
Gergiev, V / pf. : Ugorski, A; Kirow Orchester des Mariinsky-Theaters

2001.11.07 16:00 : Philharmonie, Köln
Dirigentenforum des Deutschen Musikrates
Werkstatt mit Sanderling
2001.11.07 20:00 : Philharmonie, Köln
Wagner, R : Ouvertüre zu Tannhäuser
Scriabin, A : Konzert für Klavier und Orchester fis-Moll, op.20
Stravinsky, I : Der Feuervogel
Gergiev, V / pf. : Ugorski, A; Kirow Orchester des Mariinsky-Theaters

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