クローン人間生産 2002.4.6up 





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「英字紙ガルフ・ニューズで、クローン技術で女性が妊娠に成功し、現在妊娠8週間目に入っていると発表してますが」
「たれこんだのセベリーノじゃろ。アラブの大富豪のクローンをつくっとる」
「 セベリーノ・アンティノーリはイタリアの不妊治療医師ですね。米国に共同研究者がいたはずですが」
「ケンタッキー大のパナイオティス・ザボス」
「通称パノス。去年10月からグルになって実験やっとった。セベリノは確信犯」
「クローンは人間の複写でなく、独立した一個人と公言してた」
「セベリーノは十年前、60過ぎたババアのMANCOに受精卵移植した問題児」
「クローン技術は、今年ドリーの失敗が露呈しましたが」
「あれはダミー。モノホンは別にやっとる。あくまでも技術隠匿」
「原理は同じでしたね」
「原理はね。人間の場合、オヤジの体細胞-核を、不妊症母ちゃんの核抜き未受精卵に移植して子宮に戻すだけ。やり方もクローン羊と同じ。ドリーの時は97%成功と息巻いておったのに結局失敗。障害でたらおしまいじゃね。まあアラブの富豪が金に糸目つけずに援助しとるから、失敗したらもみ消してまたやるかもしれんが」
「セベリーノもパノスも二人ともやると今年初めにも宣言してた。今回はアブダビでの記者会見」
「すでに後戻りできない、できちゃった婚だったんですね。先進国ではクローン人間は禁止ですが」
「イスラム圏でもまずい。日本でも森内閣の時、ヒトに関するクローン技術の規制に関する法律が一応できたけど」
「倫理の問題ですか?」
「そりゃ建て前。技術をオープンさせない為の口実。実際はどこでも密かにやっとる。罰則規定があいまいじゃからね」
「不妊症のためでしたか」
検証 胚性幹細胞研究からクローン人間へ
1.Phase Transition=胚性幹細胞研究
2.Phase Inversion=哺乳類への適用
3.Phase Stagnation=倫理審議会紛糾。不妊治療で例外設置。
4.Phase Conversion=クローン人間生産
「つまり1を開始した時点で4まで行くということですね」
「3で不妊治療に苦しむ夫婦達を世論の見方につけるという手法」
「私たちも子供がほしいんですと訴えれば、市民は同情しますものね」
「そしてマスメシアも市民の同情を煽る。そこで3の範疇でセベリーノのような確信犯が実行に移す」
クローン人間生産を本当に阻止するためには?
「確信犯を犯罪者にしなけりゃならんね。例外をつくると技術は一挙に進行し、4への突入を阻止できん」
「不妊治療行為を犯罪に出来ますか?」
「世論が許さん」
「そのうちハブさんも自分の核を実験に提供しますかね?」
「それは需要がない。優秀な棋譜は公に盗まれるだけ。人間の方はコピーしても無意味」
「確かに棋士には人格は必要ないと言われてますが」
「そりゃ今はえーの。世間が言う人格なんぞ先入観の権化。将来は仕事中にアクビばっかりするクローン人間をつくりたがる者がおらんというだけのこと」
「不妊症夫婦対策にいいアイデアないですかね?」
「簡単。子供ができたら初めて入籍できるという法律にすりゃええ」
2002.4.6up