日時：2004.05.25
戦形：横歩取り84飛-34飛深浦スペシャル
棋戦：第22回朝日オープン五番勝負第5局
先手：羽生名人
後手：深浦朝日

▲７六歩 ▽３四歩 ▲２六歩 ▽８四歩 ▲２五歩 ▽８五歩
▲７八金 ▽３二金 ▲２四歩 ▽同　歩 ▲同　飛 ▽８六歩
▲同　歩 ▽同　飛 ▲３四飛 ▽３三角 ▲３六飛 ▽２二銀
▲８七歩 ▽８四飛 ▲２六飛 ▽４一玉 ▲５八玉 ▽６二銀
▲３六歩 ▽５四歩 ▲４八銀 ▽５五歩 ▲６八銀 ▽５一金
▲３八金 ▽３四飛 ▲４六歩 ▽５六歩 ▲６六歩 ▽６四歩
▲３七桂 ▽６五歩 ▲６七銀 ▽７四歩 ▲２九飛 ▽７三桂
▲５六歩 ▽３六飛 ▲４七銀 ▽３四飛 ▲３六歩 ▽２四飛
▲２五歩 ▽５四飛 ▲４八玉 ▽７五歩 ▲同　歩 ▽８四飛
▲５五歩 ▽同　角 ▲５六銀右 ▽３三角 ▲５五歩 ▽３五歩
▲４七金 ▽３六歩 ▲同　金 ▽４二角 ▲４七玉 ▽３五歩
▲同　金 ▽５三角 ▲３六金 ▽３五歩 ▲２六金 ▽３三桂
▲６五歩 ▽３四飛 ▲６六角 ▽６三銀 ▲４五桂 ▽６二角
▲３三桂成 ▽同　銀 ▲４五銀 ▽９四飛 ▲７四桂 ▽２八歩
▲３九飛 ▽７四銀 ▲同　歩 ▽６五桂 ▲３四歩 ▽４四銀
▲同　銀 ▽５六歩 ▲３三歩成 ▽５七歩成 ▲同　角 ▽同桂成
▲同　玉 ▽６五桂 ▲５六玉 ▽４四角 ▲３二と ▽同　玉
▲３三歩 ▽４一玉 ▲３二銀 ▽５二玉 ▲４三銀成 ▽同　玉
▲５四金 ▽５二玉 ▲６四桂 ▽投了

111手で先手の勝ち

羽生の駒台の歩が1枚多い。通常は3枚しか残さないのが羽生。
この余分な1枚は深浦のGNだった歩。

結局深浦は一人で転んでしまった。羽生は何もしていない。
強靭な自己修復機能だけですべての傷を消してしまった羽生。
勝ちが決まったところでカレーな寄せ芸を見せるだけのキャンプ料理。
底が浅いナベでも出来てしまう簡単な料理に舌鼓を打つ朝日であった。
本日はいい天気。
雨が降っていれば気が締まったかもしれない。

このような手には呆れてしまう。
残酷物語より根深い羽生アイロニー。
屋敷。コレは手厚いなんてモンじゃない。打ちしおれる深浦に手合違いを見せつける悪魔の誘惑。

50手め54飛=深浦の緩手。こんな所は駒アタリ奇数番3で28歩と決まっている。
51=48玉。1歩得徹底主張の羽生もたれ指し。得意中の得意。
52=75歩。深浦の悪手。これは駒アタリ偶数番2
54=84飛。相手をシーザーと間違えている緩手。
55=55歩。2歩得したので1歩返して屈辱の56歩の返礼。
56=55同角。これでせっかくの5筋の得がパー。
59=55歩。ここを抑えられては先手1歩得が生きる展開。66歩の切り札まで殺されチャンスは消えた。わずか10手未満で逆転されている。
だから温泉気分は怖い。作戦勝ちなどすべてパー。
60=35歩。悪手連鎖。これも駒アタリ偶数番2
61=47金。連動手で押さえ込み。
64=42角。昨日の中井42角よりひどい。駒アタリ偶数番2の三連発。
65=47玉。75角出に備えるだけの緩手。
66=35歩。本局初の駒アタリ奇数番3。
67=53角。4回目の偶数番で意味ない緩手。
70=35歩。2回目の駒アタリ奇数番3はすでに幻想。
71=26金。羽生は波乗りで嘲笑。
72=33桂。玉に翻弄された援軍。自動偶数番の緩手。挫折の証し。
73=65歩。ここで深浦が築いた城がすべて崩壊。ＧＮ解消。酷い。
躊躇に継ぐ躊躇でここまで来てしまった。
75=66角。ＧＮ2さえも打ち消す羽生。
77=45桂。勝ちが見えたので行く。羽生初の能動的なナンバー。
78=62角。逆行ナンバーで粘りに。
82=94飛。これは悪夢。次に86桂と打たれては桂馬がロハで殺される。

どーしてこうなったのであろう？
それでは50手めから見てみよう。

86桂と打たれたらオシマイ

気合い入れろ。ここからが勝負。温泉気分はオシマイ。
羽生の自己修復機能は棋界最強。千日手に持ち込ませるな。

今度は24飛にじっと25歩。泣きっ面にハチどころではない。
これも37桂のおかげ。29地点が開放した為に飛車交換さえできない。
56歩を仕方なく取り、25に歩を打つようではもう名人の将棋ではない。
羽生。いーから家に帰れ。貴様の大嫌いな連中がテグスネ引いて待っているだけ。

羽生の手はすべて深浦に悪手連鎖にされた。単純な構図。
37手め37桂=当家なら先に銀あげ。
38手め65歩=これが駒アタリ奇数番ＧＮ。57は数えない。アホな棋士にはわからない。
39手め67銀=ソレを先にやるべき。
40手め74歩=ＧＮを作成すれば遊び駒活用。当家はいきなり殺す所。ハブもそれを望んだが深浦らしい手。もう後手負けなし。これで銀の単身赴任の辞令取り消し。
41手め29飛=ハブの限界。これは自動偶数番の負けナンバー。37桂など昨年の35歩に備えただけのカビ手順。深浦がＧＮを即時行使するはずと読み37桂が双頭手となると思った甘いハブ。これが偶数番原理始動と言えば褒め殺しとなる。羽生の頭が悪いというのが実態。
42手め73桂=37桂のブランコ後進だったはずが既に価値が高い。
43手め56歩=好きにしてクレという手。半ばヤケクソ。
44手め36飛=これで無条件に歩損を奪回され羽生劣勢。
45手め47銀=37桂を後悔しても遅い。
47手め36歩打=29飛が悪手の上にこれで手番まで渡しすべての手が悪手に逆行相転化。羽生の作戦負けはもともと自分で勉強しないのだから仕方ないとして、37桂と29飛はひどい。
ここまで羽生が見せたことは我慢のみ。恐らく米長が公言する「羽生は亭主関白」という発言は嘘であろう。そのようなことを「将棋世界」で何度も流布するからにはその逆が実態。当家はソレよりも羽生が自動偶数番を自ら引いた指し手自体にそのオマヌケぶりを見る。故意にやっているのでなければ羽生は本当のバカ。

必要なモノはあとは勇気だけ。
自分で転ばなければ勝てる。昼飯など喰わずに水分補給だけで行ける。
家で亭主関白の羽生は今日は淡白。

羽生の決断というより諦めに近い。
これでは直線変化が丸見えなので深浦でなくとも勝てる。
先ほど作成した銀の単身赴任プランへ桂馬の押しかけ女房が赴任先へ飛ぶ構図。

羽生はすでに勝ちにくい。56歩など取っては負け。
これは後手に取らせて連動手で同銀しかない。捨て身の銀が単独出張する順は難しい。深浦相手では乗ってこないであろう。

深浦はもう勝ったと思っているであろう。
羽生が66歩でＧＮを消した為に即座にこじ開けに行く。次の65歩は無論同歩と取れば終わってしまう。

じっと耐える羽生。
これは深浦勝てる。
羽生が思考したことは57歩成は同銀が連動手になると言う基本の反芻。
ところがこの同銀は玉周辺の駒組をうわずらせる為に地獄門定跡の望むところ。

わかっていても厳しい。これは逆行連動手と交錯した月面宙返り。
この手によって玉頭を直撃する5筋の歩を切り角筋開通という駒アタリ奇数番のＧＮを作成。このＧＮは先手に不利。46歩が悪手に逆行相転化するため。

これは縦歩取りから横歩取りへの十字飛車連動手を阻止する手。玉のこびんを開放するのでシーザーには怖くて出来なかった。47銀とあがる空間開放手として双頭手に出来れば先手優位だが手番を渡すために地獄門特有の5筋単一駒アタリを与えてしまう。この手で後手が5筋を切り主導権を完全掌握できる。

なんと純情なのであろう。これは1年前の朝日用プログラムそのまんまであった。これで朝日君となった深浦の誠意であろう。
2003.04.03朝日オープン第1局 堀口一史座VS深浦康市
横歩取り地獄門定跡34飛型　深海の王道

2003.04.21朝日オープン第3局
堀口一史座VS深浦康市　横歩取り　地獄門封じ

34飛は深浦のオハコ。シーザーはこれで初戦やられて二回目に八百長で勝たせてもらった。今日は八百長ヴァージョンを深浦は選択。

羽生は深浦の51金を見て今日は大変と覚悟した。
じっと考えている。
当家はここまでくると雲仙の悲劇を思い出す。
羽生。深浦に聞いてみろ。

深浦らしい。ここで74歩を急ぐと飛車の横利きが一時停止となり先手に35歩を許す。当家はここで74歩は駒アタリ予備偶数番なので先手がスリナンバーを獲得しやすいと説明する。従って竜王戦では羽生は44角と言う手で無理に駒アタリ奇数番1を獲得して負けた経緯がある。

羽生は58玉型を決断。谷川より森内が正しいと言っている。
そして48銀となり後手の地獄門定跡に備える。これが84飛型の効果。
中原囲いの攻撃性を重視した54歩から55歩-54飛を先受けする供え餅。

もうひとつすぐに思い出すのは2003.11.04&05竜王戦第2局 森内俊之VS羽生善治。羽生も84飛とした。森内は58玉型で対抗したのに対して谷川は深浦に68玉型であった。
ここで羽生は考えている。谷川を好きと言うのも嘘になる。しかし森内が好きと言っては誤解される。本心は早く家に帰りたい。あの卑猥な夕食会だけには出たくないと思っている。

やはり深浦は良きマシュダ一家門下であった。
2004.01.04棋王戦挑戦者決定戦第2局谷川vs深浦と同じように進行している。
キチンとあの日のことを覚えている。そして大トリへコレを持ってきたことが彼としての精いっぱいの底力。

深浦決断後一挙に進行。
横歩取り33角へ。
そして深浦は84飛！

悪しき慣習振り駒で羽生先手。こういう時は羽生を先手とするのがお決まり。シルバー優先が連盟主義。
初手76歩に34歩はまた横歩かと思わせるが、羽生の26歩に4手めを考える所が深浦の恥じらい。14歩も今日関西で解説をやっている平藤が先週指した94歩もやってみたい手。