羽生の封じ手直後の森内の48飛を見て実は我々は内心穏やかではなかった。この手は昨日マシュダ一家が羽生のチャンスとしてNo: 3915で羽生の方に作成した62飛変化と全く同じ構造だからである。
羽生はこのように指していれば初日に勝っていた。しかしこの最初のチャンスを見送った40手め33銀上げに敬意を表したのも当家。
めざといのは森内であった。羽生側に発生した変化を森内からも仕掛けることができる。出来ればやってほしくない。だから同日の谷川丸山戦No: 3921に於ける谷川38飛を故意にこきおろしていた。飛車を動かすなと。
ところが森内は初日マシュダ一家変化3915をそのまま逆さまにした48飛変化を本当に作ってしまった。まさかそこまでしないと思っていた矢先に羽生は42角。銀で当てられたワケでもないのに42角とする変化もマシュダ一家変化で逆森下システムとして掲げてはいたが、歩得してそのようなことを行なうとは卑劣極まる。森内の鏡像マシュダ一家に笑い転げる間もなく怒りの渦。
羽生も封じ手75角が面白くない手とは感じていたはず。そこで逆にイタズラ心が芽生えて変態の年らしくマシュダ一家ディレイ変化を目指したと言うことであろう。羽生なら当然森内の48飛を見て「逆さマシュダ一家変化じゃんか」と一瞬で悟ったはず。続けて「マジー？」と森内をマジマジ見つめたであろう。
羽生の敗因は銀をただで取られたことと誤解されているが、これだけは羽生の為にフォローしておく。羽生は「逆さマシュダ一家変化」をさらにパロディーとする為に銀損覚悟でいた。昨日の分析でもこの44銀はサクリファイスとすべきと当家では断定している。銀桂交換ならば羽生有利との理由も記した。羽生もそれは感じている。銀桂交換変化ならば羽生良し。ところが本日の実況分析No: 3935-No: 3947でも触れた通り森内の壁銀解消には79銀変化は間に合わない。すると森内には角移動により77銀しかないという事だけがNo:3935からわかっていた。角の大回転変化をNo: 3937から作成し始めた頃。なんと羽生は15銀と最悪変化。これでは59角から狙っていた大回転変化がいきなり双頭手となってしまう。
羽生の敗因は実はそれでもこの銀損+角の双頭手付与ではない。
羽生のポカは52手め64歩の見落とし。
この手には昨日No: 3920で当家は言及してダメと述べた。羽生はまさかの64歩という手を指したことによって63地点が狙われる空間開放手となったマイナスを見落としたのであった。銀損変化の決意表明後に羽生は気がついたので華麗な銀損変化からの玉頭殺到千日手も放棄せざるを得ず、修正手順はすでに間に合わなかった為に大ポカに見えたということ。ささいな傷から羽生一大作戦が水泡と帰した。
1-2-3の敗因は連鎖している。ポカに該当するのは1の64歩。
羽生の31玉はNo: 3920で42角とセットで指せと述べていた手。なぜそれを忘れた頃に指したのかも見当がつく。マシュダディレイへの潜在意識。森内がマシュダ一家の完全パロディーで完勝した背景はハブディレイ。

蟻地獄変化　64歩の落とし穴
▲７六歩    ▽８四歩    ▲５六歩    ▽８五歩    ▲７七角    ▽５四歩
▲８八銀    ▽６二銀    ▲２六歩    ▽３四歩    ▲２五歩    ▽５三銀
▲２四歩    ▽同　歩    ▲同　飛    ▽３二金    ▲２八飛    ▽２三歩
▲４八銀    ▽４一玉    ▲７八金    ▽４四銀    ▲５七銀    ▽５五歩
▲同　歩    ▽同　銀    ▲５六歩    ▽４四銀    ▲５八金    ▽５二飛
▲６六歩    ▽５五歩    ▲６七金左  ▽５六歩    ▲同　銀    ▽５五歩
▲６五銀    ▽４二銀    ▲６九玉    ▽３三銀上  ▲４六歩    ▽３一角
▲７五歩    ▽同　角    ▲４八飛    ▽４二角    ▲５四歩    ▽６二金
▲４五歩    ▽３五銀    ▲４七金    ▽６四歩    ▲７六銀    ▽６三金
▲２八飛    ▽５四金    ▲３六歩    ▽２四銀引  ▲２五歩    ▽１五銀
▲１六歩    ▽４五金    ▲１五歩    ▽５六金    ▲同金右    ▽同　歩
▲６三銀    ▽５五飛    ▲４六金
 

対局日：2004/01/14-15 新潟県新発田市のホテル泉慶・華鳳
先手：森内
後手：羽生

▲７六歩 ▽８四歩 ▲５六歩 ▽８五歩 ▲７七角 ▽５四歩
▲８八銀 ▽６二銀 ▲２六歩 ▽３四歩 ▲２五歩 ▽５三銀
▲２四歩 ▽同　歩 ▲同　飛 ▽３二金 ▲２八飛 ▽２三歩
▲４八銀 ▽４一玉 ▲７八金 ▽４四銀 ▲５七銀 ▽５五歩
▲同　歩 ▽同　銀 ▲５六歩 ▽４四銀 ▲５八金 ▽５二飛
▲６六歩 ▽５五歩 ▲６七金左 ▽５六歩 ▲同　銀 ▽５五歩
▲６五銀 ▽４二銀 ▲６九玉 ▽３三銀上 ▲４六歩 ▽３一角
▲７五歩 ▽同　角 ▲４八飛 ▽４二角 ▲５四歩 ▽６二金
▲４五歩 ▽３五銀 ▲４七金 ▽６四歩 ▲７六銀 ▽６三金
▲２八飛 ▽５四金 ▲３六歩 ▽２四銀引 ▲２五歩 ▽１五銀
▲５九角 ▽４五金 ▲１五角 ▽３一玉 ▲７七銀 ▽投了

65手で先手の勝ち 

残り時間=森内2時間29分、羽生1時間

なぜこうなったのか繰り返しても虚しい。
マシュダ一家青年部が42角以後怒りを通り越してオモチャのおちゃちゃにし始めたら早めに投了するのがコツ。一手指すごとに悲しい日となった。

丸山からクレームが来た。63金打たれるので飛車損で入玉する前に投げるという。
羽生が丸山になっても勝てないのでは下記全変化はレフリーストップの友情変化以外すべて森内勝ちとなってしまう。
既出マシュダ一家最強変化59角と77銀が成立しては焼け石に水、ヤケクソにお茶であった。

31玉の早逃げは63角打を未然に避けた角交換狙い。そこで森内が角交換拒否したら羽生が丸山になってしまった場合。

対局日：2004/01/15
先手：森内
後手：羽生

▲７六歩 ▽８四歩 ▲５六歩 ▽８五歩 ▲７七角 ▽５四歩
▲８八銀 ▽６二銀 ▲２六歩 ▽３四歩 ▲２五歩 ▽５三銀
▲２四歩 ▽同　歩 ▲同　飛 ▽３二金 ▲２八飛 ▽２三歩
▲４八銀 ▽４一玉 ▲７八金 ▽４四銀 ▲５七銀 ▽５五歩
▲同　歩 ▽同　銀 ▲５六歩 ▽４四銀 ▲５八金 ▽５二飛
▲６六歩 ▽５五歩 ▲６七金左 ▽５六歩 ▲同　銀 ▽５五歩
▲６五銀 ▽４二銀 ▲６九玉 ▽３三銀上 ▲４六歩 ▽３一角
▲７五歩 ▽同　角 ▲４八飛 ▽４二角 ▲５四歩 ▽６二金
▲４五歩 ▽３五銀 ▲４七金 ▽６四歩 ▲７六銀 ▽６三金
▲２八飛 ▽５四金 ▲３六歩 ▽２四銀引 ▲２五歩 ▽１五銀
▲５九角 ▽４五金 ▲１五角 ▽３一玉 ▲５八飛 ▽２二銀
▲２六角 ▽５三角 ▲３七角 ▽３五歩 ▲４六金 ▽３六歩
▲４五金 ▽３七歩成 ▲同　桂 ▽３六歩

対局日：2004/01/15
先手：森内
後手：羽生

▲７六歩 ▽８四歩 ▲５六歩 ▽８五歩 ▲７七角 ▽５四歩
▲８八銀 ▽６二銀 ▲２六歩 ▽３四歩 ▲２五歩 ▽５三銀
▲２四歩 ▽同　歩 ▲同　飛 ▽３二金 ▲２八飛 ▽２三歩
▲４八銀 ▽４一玉 ▲７八金 ▽４四銀 ▲５七銀 ▽５五歩
▲同　歩 ▽同　銀 ▲５六歩 ▽４四銀 ▲５八金 ▽５二飛
▲６六歩 ▽５五歩 ▲６七金左 ▽５六歩 ▲同　銀 ▽５五歩
▲６五銀 ▽４二銀 ▲６九玉 ▽３三銀上 ▲４六歩 ▽３一角
▲７五歩 ▽同　角 ▲４八飛 ▽４二角 ▲５四歩 ▽６二金
▲４五歩 ▽３五銀 ▲４七金 ▽６四歩 ▲７六銀 ▽６三金
▲２八飛 ▽５四金 ▲３六歩 ▽２四銀引 ▲２五歩 ▽１五銀
▲５九角 ▽４五金 ▲１五角 ▽３一玉 ▲５八飛 ▽５六金
▲同金右 ▽同　歩 ▲６八銀 ▽５七金 ▲同　銀 ▽同歩成
▲同　金 ▽５六歩 ▲６七金 ▽５七銀 ▲２八飛 ▽４四銀
▲３七角 ▽４五銀 ▲５八歩 ▽４六銀引成▲同　角 ▽同　銀
▲６八銀 ▽３九角 ▲３八飛 ▽５七歩成 ▲同　歩 ▽同角成
▲５八歩 ▽４七馬 ▲２八飛 ▽５七歩 ▲４八金 ▽１五角
▲４七金 ▽同銀成 ▲５七歩 ▽４八角成 ▲５九金 ▽５七馬
▲同　銀 ▽同成銀 ▲同　金 ▽同飛成 ▲５八飛

レフリーストップをかけないと即死してしまう。

銀を取られても金を取って馬作成で森内必勝変化

対局日：2004/01/15
先手：森内
後手：羽生

▲７六歩 ▽８四歩 ▲５六歩 ▽８五歩 ▲７七角 ▽５四歩
▲８八銀 ▽６二銀 ▲２六歩 ▽３四歩 ▲２五歩 ▽５三銀
▲２四歩 ▽同　歩 ▲同　飛 ▽３二金 ▲２八飛 ▽２三歩
▲４八銀 ▽４一玉 ▲７八金 ▽４四銀 ▲５七銀 ▽５五歩
▲同　歩 ▽同　銀 ▲５六歩 ▽４四銀 ▲５八金 ▽５二飛
▲６六歩 ▽５五歩 ▲６七金左 ▽５六歩 ▲同　銀 ▽５五歩
▲６五銀 ▽４二銀 ▲６九玉 ▽３三銀上 ▲４六歩 ▽３一角
▲７五歩 ▽同　角 ▲４八飛 ▽４二角 ▲５四歩 ▽６二金
▲４五歩 ▽３五銀 ▲４七金 ▽６四歩 ▲７六銀 ▽６三金
▲２八飛 ▽５四金 ▲３六歩 ▽２四銀引 ▲２五歩 ▽１五銀
▲５九角 ▽１四歩 ▲４六金 ▽５三角 ▲７七銀 ▽３一玉
▲１六歩 ▽２六銀 ▲同　角 ▽同　角 ▲同　飛 ▽４八角
▲２七飛 ▽３九角成 ▲６一角 ▽８二飛 ▲８三銀 ▽３八馬
▲５七飛 ▽８三馬 ▲同角成 ▽同　飛 ▲７二角 ▽８二飛
▲５四角成

対局日：2004/01/15
先手：森内
後手：羽生

▲７六歩 ▽８四歩 ▲５六歩 ▽８五歩 ▲７七角 ▽５四歩
▲８八銀 ▽６二銀 ▲２六歩 ▽３四歩 ▲２五歩 ▽５三銀
▲２四歩 ▽同　歩 ▲同　飛 ▽３二金 ▲２八飛 ▽２三歩
▲４八銀 ▽４一玉 ▲７八金 ▽４四銀 ▲５七銀 ▽５五歩
▲同　歩 ▽同　銀 ▲５六歩 ▽４四銀 ▲５八金 ▽５二飛
▲６六歩 ▽５五歩 ▲６七金左 ▽５六歩 ▲同　銀 ▽５五歩
▲６五銀 ▽４二銀 ▲６九玉 ▽３三銀上 ▲４六歩 ▽３一角
▲７五歩 ▽同　角 ▲４八飛 ▽４二角 ▲５四歩 ▽６二金
▲４五歩 ▽３五銀 ▲４七金 ▽６四歩 ▲７六銀 ▽６三金
▲２八飛 ▽５四金 ▲３六歩 ▽２四銀引 ▲２五歩 ▽１五銀
▲５九角 ▽１四歩 ▲４六金 ▽５三角 ▲７七銀 ▽３一玉
▲１六歩 ▽２六銀 ▲同　角 ▽同　角 ▲同　飛 ▽４八角
▲２七飛 ▽３九角成 ▲６一角 ▽８二飛 ▲８三銀 ▽３八馬

飛車銀取りとなって逆転してしまうかにみえるがここで必殺の返し技がある。

森内がマシュダ一家既出変化59角の大回転を目指した場合

対局日：2004/01/15
先手：森内
後手：羽生

▲７六歩 ▽８四歩 ▲５六歩 ▽８五歩 ▲７七角 ▽５四歩
▲８八銀 ▽６二銀 ▲２六歩 ▽３四歩 ▲２五歩 ▽５三銀
▲２四歩 ▽同　歩 ▲同　飛 ▽３二金 ▲２八飛 ▽２三歩
▲４八銀 ▽４一玉 ▲７八金 ▽４四銀 ▲５七銀 ▽５五歩
▲同　歩 ▽同　銀 ▲５六歩 ▽４四銀 ▲５八金 ▽５二飛
▲６六歩 ▽５五歩 ▲６七金左 ▽５六歩 ▲同　銀 ▽５五歩
▲６五銀 ▽４二銀 ▲６九玉 ▽３三銀上 ▲４六歩 ▽３一角
▲７五歩 ▽同　角 ▲４八飛 ▽４二角 ▲５四歩 ▽６二金
▲４五歩 ▽３五銀 ▲４七金 ▽６四歩 ▲７六銀 ▽６三金
▲２八飛 ▽５四金 ▲３六歩 ▽２四銀引 ▲２五歩 ▽１五銀
▲５九角 ▽１四歩 ▲４六金 ▽５三角 ▲７七銀 ▽３一玉
▲１六歩 ▽２六銀 ▲同　角 ▽同　角 ▲同　飛 ▽４八角
▲２七飛 ▽３九角成

対局日：2004/01/15
先手：森内
後手：羽生

▲７六歩 ▽８四歩 ▲５六歩 ▽８五歩 ▲７七角 ▽５四歩
▲８八銀 ▽６二銀 ▲２六歩 ▽３四歩 ▲２五歩 ▽５三銀
▲２四歩 ▽同　歩 ▲同　飛 ▽３二金 ▲２八飛 ▽２三歩
▲４八銀 ▽４一玉 ▲７八金 ▽４四銀 ▲５七銀 ▽５五歩
▲同　歩 ▽同　銀 ▲５六歩 ▽４四銀 ▲５八金 ▽５二飛
▲６六歩 ▽５五歩 ▲６七金左 ▽５六歩 ▲同　銀 ▽５五歩
▲６五銀 ▽４二銀 ▲６九玉 ▽３三銀上 ▲４六歩 ▽３一角
▲７五歩 ▽同　角 ▲４八飛 ▽４二角 ▲５四歩 ▽６二金
▲４五歩 ▽３五銀 ▲４七金 ▽６四歩 ▲７六銀 ▽６三金
▲２八飛 ▽５四金 ▲３六歩 ▽２四銀引 ▲２五歩 ▽１五銀
▲３七桂 ▽５三角 ▲１六歩 ▽２六銀 ▲６八角 ▽３一玉
▲３五歩 ▽同　銀 ▲７七銀 ▽７四歩

途中羽生が角交換すると森内は63角打先攻。

対局日：2004/01/15
先手：森内
後手：羽生

▲７六歩 ▽８四歩 ▲５六歩 ▽８五歩 ▲７七角 ▽５四歩
▲８八銀 ▽６二銀 ▲２六歩 ▽３四歩 ▲２五歩 ▽５三銀
▲２四歩 ▽同　歩 ▲同　飛 ▽３二金 ▲２八飛 ▽２三歩
▲４八銀 ▽４一玉 ▲７八金 ▽４四銀 ▲５七銀 ▽５五歩
▲同　歩 ▽同　銀 ▲５六歩 ▽４四銀 ▲５八金 ▽５二飛
▲６六歩 ▽５五歩 ▲６七金左 ▽５六歩 ▲同　銀 ▽５五歩
▲６五銀 ▽４二銀 ▲６九玉 ▽３三銀上 ▲４六歩 ▽３一角
▲７五歩 ▽同　角 ▲４八飛 ▽４二角 ▲５四歩 ▽６二金
▲４五歩 ▽３五銀 ▲４七金 ▽６四歩 ▲７六銀 ▽６三金
▲２八飛 ▽５四金 ▲３六歩 ▽２四銀引 ▲２五歩 ▽１五銀
▲３七桂 ▽５三角

対局日：2004/01/15
先手：森内
後手：羽生

▲７六歩 ▽８四歩 ▲５六歩 ▽８五歩 ▲７七角 ▽５四歩
▲８八銀 ▽６二銀 ▲２六歩 ▽３四歩 ▲２五歩 ▽５三銀
▲２四歩 ▽同　歩 ▲同　飛 ▽３二金 ▲２八飛 ▽２三歩
▲４八銀 ▽４一玉 ▲７八金 ▽４四銀 ▲５七銀 ▽５五歩
▲同　歩 ▽同　銀 ▲５六歩 ▽４四銀 ▲５八金 ▽５二飛
▲６六歩 ▽５五歩 ▲６七金左 ▽５六歩 ▲同　銀 ▽５五歩
▲６五銀 ▽４二銀 ▲６九玉 ▽３三銀上 ▲４六歩 ▽３一角
▲７五歩 ▽同　角 ▲４八飛 ▽４二角 ▲５四歩 ▽６二金
▲４五歩 ▽３五銀 ▲４七金 ▽６四歩 ▲７六銀 ▽６三金
▲２八飛 ▽５四金 ▲３六歩 ▽２四銀引 ▲２五歩 ▽１五銀
▲１六歩 ▽４五金 ▲１五歩 ▽５六金 ▲４八金 ▽６七金
▲同　銀 ▽５六歩 ▲６八銀 ▽５七金 ▲５八金打 ▽４八金
▲同　金 ▽５七金 ▲５八金打 ▽４八金 ▲同　金

対局日：2004/01/15
先手：森内
後手：羽生

▲７六歩 ▽８四歩 ▲５六歩 ▽８五歩 ▲７七角 ▽５四歩
▲８八銀 ▽６二銀 ▲２六歩 ▽３四歩 ▲２五歩 ▽５三銀
▲２四歩 ▽同　歩 ▲同　飛 ▽３二金 ▲２八飛 ▽２三歩
▲４八銀 ▽４一玉 ▲７八金 ▽４四銀 ▲５七銀 ▽５五歩
▲同　歩 ▽同　銀 ▲５六歩 ▽４四銀 ▲５八金 ▽５二飛
▲６六歩 ▽５五歩 ▲６七金左 ▽５六歩 ▲同　銀 ▽５五歩
▲６五銀 ▽４二銀 ▲６九玉 ▽３三銀上 ▲４六歩 ▽３一角
▲７五歩 ▽同　角 ▲４八飛 ▽４二角 ▲５四歩 ▽６二金
▲４五歩 ▽３五銀 ▲４七金 ▽６四歩 ▲７六銀 ▽６三金
▲２八飛 ▽５四金 ▲３六歩 ▽２四銀引 ▲２五歩 ▽１五銀
▲１六歩 ▽４五金 ▲１五歩 ▽５六金 ▲５八銀 ▽４七金
▲同　銀 ▽５六金 ▲５八金 ▽４七金 ▲同　金 ▽５六銀
▲５八金

砂漠の蜃気楼

対局日：2004/01/15
先手：森内
後手：羽生

▲７六歩 ▽８四歩 ▲５六歩 ▽８五歩 ▲７七角 ▽５四歩
▲８八銀 ▽６二銀 ▲２六歩 ▽３四歩 ▲２五歩 ▽５三銀
▲２四歩 ▽同　歩 ▲同　飛 ▽３二金 ▲２八飛 ▽２三歩
▲４八銀 ▽４一玉 ▲７八金 ▽４四銀 ▲５七銀 ▽５五歩
▲同　歩 ▽同　銀 ▲５六歩 ▽４四銀 ▲５八金 ▽５二飛
▲６六歩 ▽５五歩 ▲６七金左 ▽５六歩 ▲同　銀 ▽５五歩
▲６五銀 ▽４二銀 ▲６九玉 ▽３三銀上 ▲４六歩 ▽３一角
▲７五歩 ▽同　角 ▲４八飛 ▽４二角 ▲５四歩 ▽６二金
▲４五歩 ▽３五銀 ▲４七金 ▽６四歩 ▲７六銀 ▽６三金
▲２八飛 ▽５四金 ▲３六歩 ▽２四銀引 ▲２五歩 ▽１五銀
▲１六歩 ▽４五金 ▲１五歩 ▽５六金 ▲同金右 ▽同　歩
▲５八銀 ▽５七金

対局日：2004/01/15
先手：森内
後手：羽生

▲７六歩 ▽８四歩 ▲５六歩 ▽８五歩 ▲７七角 ▽５四歩
▲８八銀 ▽６二銀 ▲２六歩 ▽３四歩 ▲２五歩 ▽５三銀
▲２四歩 ▽同　歩 ▲同　飛 ▽３二金 ▲２八飛 ▽２三歩
▲４八銀 ▽４一玉 ▲７八金 ▽４四銀 ▲５七銀 ▽５五歩
▲同　歩 ▽同　銀 ▲５六歩 ▽４四銀 ▲５八金 ▽５二飛
▲６六歩 ▽５五歩 ▲６七金左 ▽５六歩 ▲同　銀 ▽５五歩
▲６五銀 ▽４二銀 ▲６九玉 ▽３三銀上 ▲４六歩 ▽３一角
▲７五歩 ▽同　角 ▲４八飛 ▽４二角 ▲５四歩 ▽６二金
▲４五歩 ▽３五銀 ▲４七金 ▽６四歩 ▲７六銀 ▽６三金
▲２八飛 ▽２二銀 ▲３六歩 ▽２四銀 ▲５九角 ▽５四飛
▲７七銀 ▽７四歩 ▲２六角

対局日：2004/01/15
先手：森内
後手：羽生

▲７六歩 ▽８四歩 ▲５六歩 ▽８五歩 ▲７七角 ▽５四歩
▲８八銀 ▽６二銀 ▲２六歩 ▽３四歩 ▲２五歩 ▽５三銀
▲２四歩 ▽同　歩 ▲同　飛 ▽３二金 ▲２八飛 ▽２三歩
▲４八銀 ▽４一玉 ▲７八金 ▽４四銀 ▲５七銀 ▽５五歩
▲同　歩 ▽同　銀 ▲５六歩 ▽４四銀 ▲５八金 ▽５二飛
▲６六歩 ▽５五歩 ▲６七金左 ▽５六歩 ▲同　銀 ▽５五歩
▲６五銀 ▽４二銀 ▲６九玉 ▽３三銀上 ▲４六歩 ▽３一角
▲７五歩 ▽同　角 ▲４八飛 ▽４二角 ▲５四歩 ▽６二金
▲４五歩 ▽３五銀 ▲４七金 ▽６四歩 ▲７六銀 ▽６三金
▲２八飛 ▽２二銀 ▲３六歩 ▽２四銀 ▲３七桂 ▽５四飛
▲４六金 ▽７四歩

Ｕの放棄から帰還命令のチグハグな司令部では故郷のマダムはこのような快楽に目覚めてしまう。

万引き主婦と便秘症患者の戦いとなる場合

対局日：2004/01/15
先手：森内
後手：羽生

▲７六歩 ▽８四歩 ▲５六歩 ▽８五歩 ▲７七角 ▽５四歩
▲８八銀 ▽６二銀 ▲２六歩 ▽３四歩 ▲２五歩 ▽５三銀
▲２四歩 ▽同　歩 ▲同　飛 ▽３二金 ▲２八飛 ▽２三歩
▲４八銀 ▽４一玉 ▲７八金 ▽４四銀 ▲５七銀 ▽５五歩
▲同　歩 ▽同　銀 ▲５六歩 ▽４四銀 ▲５八金 ▽５二飛
▲６六歩 ▽５五歩 ▲６七金左 ▽５六歩 ▲同　銀 ▽５五歩
▲６五銀 ▽４二銀 ▲６九玉 ▽３三銀上 ▲４六歩 ▽３一角
▲７五歩 ▽同　角 ▲４八飛 ▽４二角 ▲５四歩 ▽６二金
▲４五歩 ▽３五銀 ▲４七金 ▽６四歩 ▲７六銀 ▽６三金
▲２八飛 ▽１四歩 ▲３六歩 ▽２四銀引 ▲３七桂 ▽７四歩

この場合先手の反省Ｕへの回帰に対して後手の22飛への帰還の方が序盤88銀を笑う恰好の素材。79銀とはできない為に77角を移動しないと万引き主婦に便秘症患者の戦いとなる。

森内はどう指しても羽生はまな板上のコイ。カーンと鳴り渡る先手陣に対して後手陣は曇天下のマスターベーション。
そこで気合いを入れてもらう為に金玉にカツを入れる変化。

47金タコ踊り&門柱金変化
対局日：2004/01/15
先手：森内
後手：羽生

▲７六歩 ▽８四歩 ▲５六歩 ▽８五歩 ▲７七角 ▽５四歩
▲８八銀 ▽６二銀 ▲２六歩 ▽３四歩 ▲２五歩 ▽５三銀
▲２四歩 ▽同　歩 ▲同　飛 ▽３二金 ▲２八飛 ▽２三歩
▲４八銀 ▽４一玉 ▲７八金 ▽４四銀 ▲５七銀 ▽５五歩
▲同　歩 ▽同　銀 ▲５六歩 ▽４四銀 ▲５八金 ▽５二飛
▲６六歩 ▽５五歩 ▲６七金左 ▽５六歩 ▲同　銀 ▽５五歩
▲６五銀 ▽４二銀 ▲６九玉 ▽３三銀上 ▲４六歩 ▽３一角
▲７五歩 ▽同　角 ▲４八飛 ▽４二角 ▲５四歩 ▽６二金
▲４五歩 ▽３五銀 ▲４七金 ▽３一玉 ▲３六歩 ▽２四銀引
▲１六歩 ▽１四歩 ▲７九銀

ここでマシュダ一家変化に回帰してもらってもチーっとも面白くない。
羽生は35銀ですでにタコ踊りを強いられるだけ。
ここで思い出すのは竜王戦挑戦者決定戦第3局。中原は誰も取れないタダの歩を喜んで取った。
今日の羽生はどうか？
取るのは良い。しかし直後に追われてもいないのに42角とは中原でもやらない。ずうずうしいのではなく卑屈。33銀の格調まで汚してしまう。

羽生は完全に不貞腐れた。Ｕの柱への回帰も中断する閉塞手。
遊び金の活用と思っているらしい。そんなイイワケはナニも手がないから言える減少法の貧しい思考。不動金の沽券は楔歩に翻弄されて飛車を束縛しただけの呪縛金。

森内怒りの鉄槌。有無を言わせぬ楔歩。45歩には53銀の退却も許さない。
64歩なら76銀の凱旋。54飛と楔歩を取れば85銀で中段飛車をあざ笑う。

封じ手を見て森内はニタリと内心笑って45手めは本当に48飛車。
対して羽生は敵前逃亡の46手め42角。いつ将棋をやめてもおかしくない手。封じ手でこれをやるならば奥ゆかしい。しかし歩をパクった上に森内炎の変化をすべてドブ河に投げ込む王将など見たくない。これでは万引きした有閑マダム。

先ほどは森内が取れる角を取らないという意外性をアピールするために36歩の銀アタリで駒アタリ奇数番3を作成する先手必勝変化。そこで羽生が駒アタリ偶数番で勝負手を作成した場合は以下。桂跳ねを必死に阻止していた成銀を53角狙撃対象からはずしつつ飛車アテにしてサシで処分。

羽生の駒アタリ偶数番による勝負手の場合

対局日：2004/01/15
先手：森内
後手：羽生

▲７六歩 ▽８四歩 ▲５六歩 ▽８五歩 ▲７七角 ▽５四歩
▲８八銀 ▽６二銀 ▲２六歩 ▽３四歩 ▲２五歩 ▽５三銀
▲２四歩 ▽同　歩 ▲同　飛 ▽３二金 ▲２八飛 ▽２三歩
▲４八銀 ▽４一玉 ▲７八金 ▽４四銀 ▲５七銀 ▽５五歩
▲同　歩 ▽同　銀 ▲５六歩 ▽４四銀 ▲５八金 ▽５二飛
▲６六歩 ▽５五歩 ▲６七金左 ▽５六歩 ▲同　銀 ▽５五歩
▲６五銀 ▽４二銀 ▲６九玉 ▽３三銀上 ▲４六歩 ▽３一角
▲７五歩 ▽同　角 ▲４八飛 ▽８二飛 ▲７六銀 ▽８六歩
▲４五歩 ▽３五銀 ▲３六歩 ▽同　銀 ▲４六飛 ▽２七銀成
▲４七飛 ▽２六成銀 ▲８六角 ▽同　角 ▲同　歩 ▽同　飛
▲８七銀直 ▽３六成銀

羽生勝ち変化はこうすれば逆に森内必勝となる。ご存じ駒アタリ奇数番3ナンバー。

対局日：2004/01/15
先手：森内
後手：羽生

▲７六歩 ▽８四歩 ▲５六歩 ▽８五歩 ▲７七角 ▽５四歩
▲８八銀 ▽６二銀 ▲２六歩 ▽３四歩 ▲２五歩 ▽５三銀
▲２四歩 ▽同　歩 ▲同　飛 ▽３二金 ▲２八飛 ▽２三歩
▲４八銀 ▽４一玉 ▲７八金 ▽４四銀 ▲５七銀 ▽５五歩
▲同　歩 ▽同　銀 ▲５六歩 ▽４四銀 ▲５八金 ▽５二飛
▲６六歩 ▽５五歩 ▲６七金左 ▽５六歩 ▲同　銀 ▽５五歩
▲６五銀 ▽４二銀 ▲６九玉 ▽３三銀上 ▲４六歩 ▽３一角
▲７五歩 ▽同　角 ▲４八飛 ▽８二飛 ▲７六銀 ▽８六歩
▲４五歩 ▽３五銀 ▲３六歩 ▽同　銀 ▲４六飛 ▽２七銀成
▲４七飛 ▽２六成銀 ▲８六角 ▽同　角 ▲同　歩 ▽同　飛
▲８七銀直 ▽８二飛 ▲８三歩

しかしこのようなタコ踊りをさせる為に先手がＵの特権を放棄すれば後手は逆にＵの柱へ回帰しやすい。

Ｕの柱へ回帰する後手必勝パターン

対局日：2004/01/15
先手：森内
後手：羽生

▲７六歩 ▽８四歩 ▲５六歩 ▽８五歩 ▲７七角 ▽５四歩
▲８八銀 ▽６二銀 ▲２六歩 ▽３四歩 ▲２五歩 ▽５三銀
▲２四歩 ▽同　歩 ▲同　飛 ▽３二金 ▲２八飛 ▽２三歩
▲４八銀 ▽４一玉 ▲７八金 ▽４四銀 ▲５七銀 ▽５五歩
▲同　歩 ▽同　銀 ▲５六歩 ▽４四銀 ▲５八金 ▽５二飛
▲６六歩 ▽５五歩 ▲６七金左 ▽５六歩 ▲同　銀 ▽５五歩
▲６五銀 ▽４二銀 ▲６九玉 ▽３三銀上 ▲４六歩 ▽３一角
▲７五歩 ▽同　角 ▲４八飛 ▽８二飛 ▲７六銀 ▽８六歩
▲７五銀 ▽８七歩成 ▲同　銀 ▽同飛成 ▲８八歩 ▽８五龍

敵銀にタコ踊りをさせてみたらどうであろう？

対局日：2004/01/15
先手：森内
後手：羽生

▲７六歩 ▽８四歩 ▲５六歩 ▽８五歩 ▲７七角 ▽５四歩
▲８八銀 ▽６二銀 ▲２六歩 ▽３四歩 ▲２五歩 ▽５三銀
▲２四歩 ▽同　歩 ▲同　飛 ▽３二金 ▲２八飛 ▽２三歩
▲４八銀 ▽４一玉 ▲７八金 ▽４四銀 ▲５七銀 ▽５五歩
▲同　歩 ▽同　銀 ▲５六歩 ▽４四銀 ▲５八金 ▽５二飛
▲６六歩 ▽５五歩 ▲６七金左 ▽５六歩 ▲同　銀 ▽５五歩
▲６五銀 ▽４二銀 ▲６九玉 ▽３三銀上 ▲４六歩 ▽３一角
▲７五歩 ▽同　角 ▲４八飛 ▽３一玉 ▲４五歩 ▽３五銀
▲３六歩 ▽同　銀 ▲４六飛 ▽２七銀成 ▲４八飛

これだけで先手必勝となる。
飛車一枚の泡踊りで銀が踊りだすのを見るのは楽しい。
「たのしい」と書くと「谷川の死」と最近変換してしまうのが難点であろう。「た」と打つと谷川に自働変換してしまうのが当家のマシン。

羽生には不可解な将棋らしいが我々には羽生の指し手がひとつを除いて今朝は全て不愉快。駒の欲求通りに彼は指している。
この封じ手もそう。昨年までならば「羽生なら当然」でよい。しかし当たり前すぎて面白くない。変化も丸見えの手だからである。不愉快な気分はこの「丸見え」からくる。最強変化とは当家では「史上最強タッグマッチ」の類の意味に堕しつつある。
これを駒で例えると金銀はバックできるので変化∞であるが桂香歩は取り敢えず見えてしまう。
なぜ我々は「羽生最強モードならば封じ手は75角」とすぐに断定できたのか？昨日の夕方の封じ手時点で羽生と当家の読みは完全一致している。しかし当家には昼夜問わず思考し表現する自由がある為に朝昼夕晩の変化となる。
朝には楽屋に陽射し。昼には舞台に陽光。夕方に陽は色を変え、夜には月明かり。
このような一日の変化の中で羽生の封じ手75角も意味を変える。
今朝この手を見た印象は「面白くない」。
パンツを脱げばアルモノがアル。それは日常の安心。しかし「面白くない」。「朝起きたら快晴であったがチンポも腫れていた」という位の意外性が朝には欲しい。

---

王将戦第1局二日目

開始日時：2004.01.14
棋戦：A級順位戦
戦型：矢倉37銀
先手：谷川浩司王位
後手：丸山忠久棋王

▲７六歩 ▽８四歩 ▲６八銀 ▽３四歩 ▲６六歩 ▽６二銀
▲５六歩 ▽５四歩 ▲４八銀 ▽４二銀 ▲５八金右 ▽３二金
▲７八金 ▽４一玉 ▲６九玉 ▽５二金 ▲６七金右 ▽４四歩
▲７七銀 ▽３三銀 ▲７九角 ▽３一角 ▲３六歩 ▽７四歩
▲３七銀 ▽６四角 ▲６八角 ▽４三金右 ▲７九玉 ▽３一玉
▲８八玉 ▽２二玉 ▲１六歩 ▽８五歩 ▲２六歩 ▽９四歩
▲１五歩 ▽７三銀 ▲３八飛 ▽７五歩 ▲同　歩 ▽同　角
▲１七桂 ▽７四銀 ▲２五桂 ▽２四銀 ▲３五歩 ▽同　歩
▲４六銀 ▽６四角 ▲５五歩 ▽同　歩 ▲１四歩 ▽同　歩
▲１三歩 ▽同　香 ▲３五銀 ▽同　銀 ▲同　角 ▽３四歩
▲６八角 ▽２四銀 ▲５二歩 ▽５六歩 ▲１四香 ▽同　香
▲５一歩成 ▽５四香 ▲５二銀 ▽８六歩 ▲同　歩 ▽８五歩
▲１二歩 ▽５七歩成 ▲同　金 ▽８六歩 ▲５六歩 ▽４二金引
▲８三歩 ▽同　飛 ▲３四飛 ▽３三歩 ▲４四飛 ▽５二金
▲同　と ▽８七銀 ▲７九玉 ▽７八銀成 ▲同　玉 ▽８七歩成
▲６七玉 ▽７七と ▲同　桂 ▽７六歩 ▲４二金 ▽７七歩成
▲同　角 ▽２五銀 ▲１一銀 ▽１三玉 ▲３二金 ▽７五桂
▲５八玉 ▽６七金 ▲投了

104手で後手の勝ち


本日のＡ級は38手までしかみなかった。では観察。気分は余りのらない。
39手め38飛=谷川の緩手。矢倉の常道であると思うのは先入観。これはＵの特権放棄。先手が好んで指すとしたら形の妄想。
40手め75歩=後手の丸山が先に駒アタリ奇数番1を作成。
47手め35歩=冴えないが仕方ない。含みのない指し方続行。
50手め64角=単純な攻めなので簡単に迎撃。
51手め55歩=単純な受け。これで丸山に歩を三枚渡すのでＵの特権維持している後手からの継ぎ歩攻めが有効に。
53手め14歩=なんとなく流している谷川は歩損の海を漂流。
56手め13同香=これで谷川4歩損の暗夜行路。継続手も38飛型では迫力ない。Ｕの特権放棄がいかに脆弱か。裏番組の森内は38飛など露ほども考えない。丸山も頑なに82飛を維持。
61手め68角=守りの銀と攻撃の銀を交換したことだけで喜んでは先手番の利権は虚しい。ここで手番を渡すようでは歩損のツケは大きい。
62手め24銀打=先手の要は25桂。これを質駒とする双頭手。見事な自己修復機能+迎撃波。
63手め52歩打=同飛なら後手のＵの脅威を緩和できるが・・・
64手め56歩=先手の手筋に乗じて55歩が連動手となって香取りとなっては丸山勝勢。
65手め14香=谷川おかしい。悪くても46歩で耐え連動手を奪還するべき。周囲には鼻で笑われるかもしれないが玉砕よりマシ。
67手め51歩成=初志貫徹のようでも要の桂を質駒にされた上に命綱の香車をただで捨てては勝機はない。しかも持ち歩が1枚では修復不能。
68手め54香打=丸山ホラー。怖い。谷川が一見筋良い手筋に見える手ばかり指して大衆路線であるのに対してこの香はトリプル手。カナ駒を必要な時に入手する最強の地雷を仕掛けるコマンダー。カナ駒が入れば37地点へぶちこむ荒業も可能だが丸山はそのような羽生好みの筋悪手はやらない。58歩と受けては谷川は歩切れ。谷川が最後に残しておいたデザート46角には冷酷に同角の直後57歩成で先手壊滅。1筋攻めには57歩成で空間閉鎖。このようにみっつも含みがある手を許したのは谷川の攻めが1手遅いため。
69手め52銀打=シャニムニ行く。ショムニ2でよく見るカット割り。キリリとしてハッタリ臭い。
70手め86歩=Ｕの特権。これに優る手はない。
72手め85歩=こんな継ぎ歩が成立するほど谷川の攻めは届かない。取れば25銀から十字飛車などの含みもあったがすでに最強86歩のみで1手勝ち。羽生も飛車を戻して明日このように指すかは定かではない。森内は28飛の絶好の位置を保持しているので同じ事を明日は先に仕掛けられたら後手は困る。31玉から22玉を誘う展開にするかもしれない。
73手め12歩打=85同歩とは取れないので谷川が好きな「開き直り」
大変解りやすい寄せ筋なので谷川流のファンサービス。連盟では形作りという。
74手め57歩成=角筋遮断。トリプル手効果。後手陣はまったく寄らないので好き放題
78手め42金引き=銀まで質駒にされては三方ふさがり。
投了図以下は飛車角駆使の全軍躍動で歩を三枚残してぴったり即詰み。
ついに丸山も歩三枚駒台に残す羽生康光の境地へ。
今日の谷川は変調。記憶の風に吹かれて指が動いているだけ。
対抗馬の谷川敗退で森内が名人挑戦となったことは問題ではない。棋王戦前哨戦にこのような負け方はハッキリ痛い。

連盟棋士は妙な先入観に毒されている。先手は飛車先歩交換を行なったから有利なのではない。8筋と2筋の対のブランコ運動において先手が優位に立ったと見るのがマシュダ一家。逆に後手が8筋の歩を突いていない状態で飛車先歩を2筋で交換させることは後手の戦略のひとつとして何度もクローズアップしてきたのが当家。
そこでひとつ気がつくことがある。
羽生が序盤に2手もかけた85歩を銀でスンナリ取らせる変化を好むかということ。これは取らせることで先手に一手使わせることになるが後手は2手かけているので1手分損ではないのかと。
羽生がそのように貪欲に思考した場合封じ手は75角以外にもある。
逆森下システム42角で31玉をとにかく急ぐ指し方。
森内は喜んで76銀ならば85歩は82飛と戻って受ける。これで後手のＵの権利が浮上し先手の攻撃銀はビッグ4にへこまされたと見ることができる。
もっと貪欲に思考すれば先に64歩を決めて82飛-52金-63金-74歩で死に体の桂馬の活用を計りたいが65地点に駒アタリ予備を自ら作成するのは41玉では危険。先手も46銀-36歩-37桂の形を作成できなかったので後手も贅沢は言えない。
最強羽生モードはキチンと75角と歩を取る。85歩はサクリファイスに換算する。それで森内に不信感を抱けば王将らしくないが42角。
二日制飲み放題となった居酒屋王将戦では切り愛より森内は粘着愛を好むかもしれない。75歩を取ると森内が徹底防戦を目指し86角など眼中に入れずに61金が動いた瞬間に72歩と垂らす手筋を目指すかもしれない。そうなるとやってらんない。王将戦は昨年と店内がガラリと変わりオーナーがケチ路線にしてしまった。入口の電灯まで消している。森内はこんな貧乏棋戦で切りあいなどマジメに考えてくれないかもしれない。タイトルホルダーの悩ましいところ。42角などやったら周囲に鼻で笑われるがさりとて75角はそのようなワケで森内の気分次第でジョッキに注ぐビールとなる。42角の弱点は一見先手に36歩を許すこと。46歩がすでに支柱として造営されているので37桂の急襲が速い。しかし45桂と跳躍させて桂馬入手を計った方がよい。銀桂交換でも先手陣は桂馬に弱い。85と55の位を生かすには桂馬。銀桂交換ならば44銀は素敵な戦死。そして注目の33銀が燦然と輝く。あそこで待ったカイがあると思いたければ周囲の白けた視線はしばし忘れるしかない。

75角と取るので森内が盛り上げるために一晩悩むであろう。
下記変化以後31玉の時86角変化が森内にあるが角をアッサリ交換されて王手飛車狙いの83歩には52飛。先手には82角打の反撃と53歩の叩きから王手飛車の31-86ライン。さすがに69玉型はキツイが康光精神を注入するしかない局面。
結局44銀への解釈は羽生の場合マシュダ一家準拠。憎い。88銀を意識している。

40手め33銀上げ=羽生の二枚腰。角の使い方が明確でない為42銀を連動手とする方向。最初のチャンスを見送った大山流。
41手め46歩=事の重大さを察して45銀を阻止。
42手め31角=変態の年らしく飛車の泡踊りではなく王道。羽生の思考は明解。次に64歩で銀が殺されるので次の手も決まっている。
43手め75歩=先手はすでに言いなり。ハイハイと買い物するダンナなのであまり苦労しなくてよい。75角と角が歩を食えば76銀と下がって角を下がらせ85歩を喰い返す。羽生の33銀で立場が逆転。狙いは同じでも角が手順に42角という連動手となり31玉からの移動を計り陣形で圧倒できる。33銀が印象的。

これは森内難しくした。以下の変化で隠し貯金85歩をサクリファイスとする手順発生。羽生飛車の泡踊り。

対局日：2004/01/14(水)
先手：森内
後手：羽生

▲７六歩 ▽８四歩 ▲５六歩 ▽８五歩 ▲７七角 ▽５四歩
▲８八銀 ▽６二銀 ▲２六歩 ▽３四歩 ▲２五歩 ▽５三銀
▲２四歩 ▽同　歩 ▲同　飛 ▽３二金 ▲２八飛 ▽２三歩
▲４八銀 ▽４一玉 ▲７八金 ▽４四銀 ▲５七銀 ▽５五歩
▲同　歩 ▽同　銀 ▲５六歩 ▽４四銀 ▲５八金 ▽５二飛
▲６六歩 ▽５五歩 ▲６七金左 ▽５六歩 ▲同　銀 ▽５五歩
▲６五銀 ▽４二銀 ▲６九玉 ▽６二飛 ▲７五歩 ▽６四歩
▲７六銀 ▽５二飛 ▲８五銀 ▽４五銀

24手め55歩=羽生は仕掛けて悪手を誘う以外に勝機はない。
27手め56歩打=当たり前過ぎる。
28手め44銀引き=64銀では24歩からの合せが数手後に発生。紛れのない受けには紛れのない退却。
29手め58金右=4回目の余裕はマイナス。46銀で四辺形原型を作成すれば36歩から37桂の活用を計れる。羽生のなりふり構わぬ52飛には58飛で対抗できる為にこの空間閉塞手は疑問。
30手め52飛=浮き名を流す女の電話向こうのドス声。こんな手を指させた森内の空間閉塞手に原因がある。
31手め66歩=次に67金右で金矢倉の不敗の堅陣を示唆。浮気女に新築のマイホーム設計図を見せるムシの良さ。
32手め55歩打=次に67金右では完敗。そこでコレしかない。
33手め67金左=非常手段。1手分遅い為67金右とすると新築の家に入居前に浮気女に慰謝料を請求される。88銀が壁銀に逆行相転化。
35手め56同銀=守備金では取れない為に攻撃銀で死守。
36手め55歩=手持ちの1歩を投資し次の戦場を探さないことには隠し貯金の85歩が埋没。
37手め65銀=ここに行くしかない。ノーパンに近いノーコメント。
38手め42銀=再建計画。取り敢えず初日ボロ負けの王将だけは免れている。
森内も二日制であることを意識した指し口に変貌。商業将棋を標榜し始めた王将戦らしい。

当家に変態総本山丸山と呼ばれて丸山はヘソを曲げた。なんと後手番で正調矢倉を指している。しかしこれは大受けであった。丸山が矢倉を指すこと自体周囲はヘンタイとしかみない。
丸山が矢倉を指せば将棋の世界観は変わると我々が述べたのが一昨年。ついにその日が来たのかと感慨にふけってしまう。
案の定流行のスズメ刺しなどせずに73銀の棒銀示唆と言う加藤一二三の洗礼を受けたオールドファッション・ラブソング。

対局日：2004/01/14(水)
先手：谷川
後手：本当にあの丸山

▲７六歩 ▽８四歩 ▲６八銀 ▽３四歩 ▲６六歩 ▽６二銀
▲５六歩 ▽５四歩 ▲４八銀 ▽４二銀 ▲５八金右 ▽３二金
▲７八金 ▽４一玉 ▲６九玉 ▽５二金 ▲６七金右 ▽４四歩
▲７七銀 ▽３三銀 ▲７九角 ▽３一角 ▲３六歩 ▽７四歩
▲３七銀 ▽６四角 ▲６八角 ▽４三金右 ▲７九玉 ▽３一玉
▲８八玉 ▽２二玉 ▲１六歩 ▽８五歩 ▲２六歩 ▽９四歩
▲１五歩 ▽７三銀

対局日：2004/01/14(水)

先手：森内
後手：羽生

▲７六歩 ▽８四歩 ▲５六歩 ▽８五歩 ▲７七角 ▽５四歩
▲８八銀 ▽６二銀 ▲２六歩 ▽３四歩 ▲２五歩 ▽５三銀
▲２四歩 ▽同　歩 ▲同　飛 ▽３二金 ▲２八飛 ▽２三歩
▲４八銀 ▽４一玉 ▲７八金 ▽４四銀 ▲５七銀 ▽５五歩
▲同　歩 ▽同　銀

この局面でまず先手がやりたいことは駒アタリ奇数番の作成。即ち銀の体当たり。

森内の作戦勝ちはみっつの余裕を発生。

1=28飛の凱旋
2=角打ち込みを阻止する為ではない48銀
3=玉移動も放置して78金の先受け。

従って羽生が55歩から暴れて来た時56歩と打つ必要もない。作戦勝ちから第4の余裕を見せると逆転しやすい。先手が余裕から先攻し転ぶ場合がある。第4の余裕とは偶数番だからである。そこですでにみっつの余裕を生かして強く出るのが最強森内。

19手め48銀=森内は別にここで何もしなくともよい。その上で一手分指せるのであるからすでに必勝体勢。
20手め41玉=早くも勝負を思考する亡霊となる玉移動。
21手め78金=すでに一手分先攻している余剰価値。貧しい国では奢り扱い。
22手め44銀=手足がでないので例の指向性に戻る。腰掛け銀の四辺形にすでに2手はかけられないのでマシュダ一家の分析通りコチラへ。44銀はすでに予測済。
ただし羽生は55地点の駒アタリ奇数番1の履行権利を垣間見せる。羽生の主張はそれのみ。
23手め57銀=四辺形には四辺形で対抗。今度は先手が55歩で来いと言っている。来れば56歩で銀の進出は阻止できるばかりか手番も奪回できる仕組み。2筋と5筋で双方が交互に歩を切らして手番を先手が維持した場合、最後は玉型に収斂する。そこで羽生の41玉早めのパブロンと61金保留という後手の常套句を生かして勝負するのがセオリー。風邪をひいたらセロリ。

ここで77角成は相変らず通用しない。77同銀連動手を許した直後に21飛成が残っては手も足も出ないまま手損の減点が後手に加算。しかも次に24歩の垂らしを許してはいけないので黙って23地点に蓋をする。これを屈辱と考えては後手など指せない。23地点Ｇ効果と前向きに考えないと初日で終わってしまう。残念ながら受けただけのＧ効果であった。飛車先歩交換原理による手番の奪回を活用する継続手がない。次に77角成-同銀-57角打を見せているようでも66角-同角-同歩。以下再度の57角打でも64角打でも角を合わせれば先手が手得するだけ。すでに先手に一手分の余裕が生じているのは後手から角交換すれば77同銀が連動手となる為。横歩取りや角換り腰掛け銀とはすでに根っこが違う。

中井ママでもこう指す。34飛と横歩を取った場合歩得という大きな主張の換わりに2筋で歩交換するのに費やした3手と34飛という1手を足して偶数となる。これはイケナイ。このような原理に背を向けるヤンキーは「俺っちにもプライドがある」と横歩を取るかもしれない。「気合い」「前進」「強姦」などと気炎をあげるには腰抜け市長はうってつけの相手。しかし相手が軍隊であったならばどうであろう。前線で「俺っちにもプライドがある」と前進してくれる若者は自衛隊にも大歓迎となる。そこで戦争をすれば国は労せずして若者に仕事を作れる。活きのよい男たちは前線で「日本命」の幟を掲げて単車走行を披露してくれるかもしれない。すでに成人式ばかりか結婚式も終えている森内はここで一転して腰を引く。これが血の気のある若者と女をよがらせるコツ。

24同歩-同飛の直後にこの32金も必然変化。これは横歩も取れと言っている手。
最近谷川は「開き直り」と言う言葉が好き。深浦との棋王戦挑戦者決定戦直後にもそう語った。この言葉を発してから相手の反応を伺う谷川のあの純真な目が我々は大好き。
羽生も32金で開き直っている。
ここで横歩を取る者はタコ。飛車先歩交換の得が紛れるだけ。16手めでふたつも良いことはない。ひとつ得したら素直に下がる。羽生が開き直るのは不利だから。
今年の成人式は若者が開き直った。まっとうな仕事よこせ、じゃなきゃ暴れてやると彼らは言っている。

羽生が53銀の空間開放手を見せても森内は行ける。
24同歩-同飛-77角成-同銀-22飛では85歩にかけた2手が泣く。

ここで角交換しても77同銀が連動手となるだけ。57角打先攻も66角の反撃があるので通用しない。53銀は54歩の位を確保するというよりも閉塞手となった62銀からの継続手&空間開放手として現在は機能。飛車の横利きを通して24歩-同歩-同飛に備える。
その先を読む。53地点を埋めるＧ効果としての53銀ではない。換わりに守っては44銀、攻めては64銀という腰掛け銀の四辺形の原型を作成。1手で四辺形を作成できるのは44銀。この44地点への指向性は先手が攻める左に後手が守備先決とするベクトル示唆。

後手の飛車先歩85歩と対になるブランコ前進。この対の運動は先手有利。これで森内の一大作戦は一本取った形。飛車先歩交換の利だけを見てはいけない。それだけなら手番を渡す損もある。対のブランコで優位に立ったことが重要。
まだ11手めで作戦成功となる。

例の4の端など有り得ないなどと考えるからこうなってしまう。しかしここではもっと根本を見直してみる。
羽生の畏れは結局55歩止めの位確保への嫌悪が元。好き嫌いで序盤を指すと大抵キライなモノが皿に残る。この34歩が残ったニンジン。34歩そのものではなく10手めという手数がニンジン。
これでマシュダ一家の正当性が明解となる。55歩など指したきゃ指せと言うべき。56歩などのヒモ付彼女など相手にしない。元もと後手番であることを素直に思い5筋の位など負担とさせるべき。羽生も変態好みであったと評価すれば話は別。

8手めの変化4に42玉の早囲いがないかと言う者は喧嘩を期待している野次馬。
ジゴロに「貴様ダレ？」とドスを利かせると大抵身ぐるみ剥がされる。
そうでなくとも不良と化した森内はここで悠然と26歩とＵの棍棒を振りかざしている。棍棒に自分から頭をぶつけるような42玉は相当な自虐趣味。
この26歩の効能は一言。先手は飛車先歩交換ができる。これを阻止する為に34歩-25歩-33角-同角成-同桂とした場合、同慶の至りとなる。なぜこうなってしまったのか？
1=54歩とした為に84飛と浮いても飛車の横利きが閉塞している。
2=3手めや6手めに角筋を空けなかった為に34歩が間に合わない。
3=62銀で居飛車の横利きが閉塞している為に22飛変化はない。
4=森内は先手番である為に居飛車の主導権を把握できる。

4は終始つきまとう宿命の鐘。そこで1-3を集約すると、後手は実は空間開放手が閉塞手に逆行相転化してしまったということ。

ジゴロに返答する「はあ、そーですか」
これ以外の有効手は以下の理由で指せない。

1=34歩の角筋開通は22角成-同銀-53角打-57角打の路上の殴りあいで警官が来る。
2=警官が来るのを嫌って路地裏へ行くと58飛からいきなり55地点が駒アタリ奇数番。
3=32金ではいきなり55歩。 86歩の強襲にはすでに備えてある。
4=端歩。タコと言われる。

4でタコと言っているのは我々ではない。我々ならジゴロを誘って近くの公園にブランコを漕ぎに行くとでも言う。そこでジゴロに「君も彼女に騙されている」と説得するであろう。

88飛の間違いではない。森内は確かにそう指している。これが意味することは羽生への凌辱。羽生は88地点に飛車が来いと言っているのに銀をそこに置いたのが森内。ルンルン気分でいたら待ち合わせの場所に彼女のヒモが来てしまった。このジゴロは「俺の彼女に手を出したろ？」と言っている。森内も相当な不良となった。
これは以下の機能。

1=角交換には77銀が連動手。
2=角交換しなければ68角引きの場所確保の為に68銀としない。
3=78地点は金があがるところなので78銀とはしない。
4=88飛などやる者はタコ。

4は森内が実際に羽生にそう返事したので我々を責めて貰っては困る。

指し初め式で羽生が見せた2手め54歩の鏡餅は4日も経つとやや固くなるのは自然の摂理。
これは以下の機能。

1=55歩とさせないことで位を維持。
2=53地点の空間開放手。
3= 55地点の駒アタリ予備2より 86地点の駒アタリ予備1の優位性誇示。
4=88飛を誘う。Ｕの特権を放棄しろという恫喝。88飛で後手玉が動くと86歩からの先手の逆襲=中空三角理論第二展開形。
もしこの54歩を85歩の前に指すといきなり55歩と駒アタリ予備を行使される。同歩-同角-52飛ではご存じ58飛の中空理論第一展開形。それでは84歩の第2手めが83地点空間開放の傷となる。
6手め54歩は歩が見合うことで先手に駒アタリ予備を与えているが後手の主張の主軸は3。4は相転換へ至る道筋。それを森内に直談判する最強羽生モード。

森内は2を選択。これで後手の駒アタリ奇数番1を阻止した換わりに駒アタリ予備1を作成させたことを黙認する。問題は次。
この77角は空間開放手を兼ね備えた双頭手。88地点が手順に空いた為に先手には88飛の向い飛車にする権利が生じている。後手が飛車先歩をふたつ突かない場合、この向い飛車変化を嫌う場合がある。棒金が好きではないという理由ならば棹と金玉が苦手という場合と異口同音。盤面の片側で硬直したくないというワケではない。向い飛車とは振り飛車の一形態であり先手が好んで指す戦形ではない。先手が継承したＵの特権を最初から放棄することになってしまうからである。
話は換るが谷川光速ノート42は素晴らしい。谷川は未だに好不調の波のメカニズムが解らないので教えてくれと当家にラブコールしている。よほど王将挑戦を逃したことが悔しいのであろう。勝負所で悪手を指したことは解っているがなぜそう指したのかを彼は知りたい。時間を使わないでお気楽で悪手を指したことだけは谷川に解っている。
悪手を指した理由は逆に考えればよい。谷川は悪手を指して勝ってきたから絶大なる人気がある。本当に勝ちたければ三種混合ワクチンで予防接種してくればよい。しかし人気は落ちるであろう。だから「今年も応援してください」というのが病気の根源。「今年は応援しなくていーから好きにさせろ」と書くべきであった。

玉串奉奠では受け取った榊を時計廻りに回転させて根元を先端に持ち換え垂直に捧げる。
先手森内が回転運動ならば後手はこの垂直運動となる85歩。三日前放映の中井中原戦で中原は「もっとはやく飛車先を突かれたら角を上がるしかなかった」と述べた。なぜわざわざソレを言うのかと言うと飛車先歩を連動手にすることが王者の沽券であるため。
第4手め54歩が悪手となるのは先手の初手76歩の空間開放手と連動して55地点に先手だけに駒アタリ奇数番を与えてしまう為であった。そこで後手が最大限自己主張を貫くとすれば自分も先手同様の連動手をここで行使する必要がある。だから85歩となる。これは後手に発生した駒アタリ奇数番1となっているために先手は77角で阻止するか迎撃する以外にない。

1=66角。単体空間開放手。86歩には同歩-同飛-88飛で迎撃。昔の谷川ならば同飛と取ってくれるカモしれない。すると同銀が手順に連動手となり手得をする。しかし87歩打とされると飛車は逃げる以外にないので悪手となる。手合い違いならば悪手を指すこともある。
2=77角。これは1変化の空間開放手と駒アタリ奇数番1を解消する双頭手。ただし後手に駒アタリ予備1を与えた状態を黙認する。
3=55角。当代では変態手。空間開放手としての機能は1&2と同様。後手に54歩と突かれたら77角へ引き下がる角の泡踊り。54歩と後手に突かせることで2の効果であった駒アタリ予備1を先手も把握する。しかし手損となる。後手番における「手損角換り」は昨年の大きな主題であったが先手番手損による駒アタリ予備の均等主義が流行るはずがないのは未だに先手番有利だからである。これは後手が狙う千日手の問題に帰結する。

上記以外の手を指すと飛車先歩交換後、金で角頭を守った後横歩を取られてしまう。これは運動形態としては後手が垂直運動から回転運動への連鎖を行使し得ると言うこと。それでは逆行玉串奉奠となってしまう。

今年は丸山はおろか羽生にも変態王を取らせないという意気込み。名人戦で名人が指したら立会の関根茂は顔を真っ赤にするであろう。
この手は次に55歩の位を取るカモという強迫である。将棋とは初手から心の内を見せることができる。 第3手めならば相手の心に土足で踏み込める。変態過激派への変貌を見せつける森内。
このように指されると第4手めに羽生は三種類の可能性を読む必要がある。
1=34歩。これは55歩と止められるカモしれない。
2=54歩。55歩を阻止しているようでも先手に駒アタリ奇数番1を与えてしまうので悪手となる。
3=85歩。相手が恫喝するならコッチも恫喝する。それが第2手めの連動手としての後手の権利。
ということで羽生なら当然第4手めは85歩となる。
我々は55歩と止めたきゃ止めろと考えるので1の変化から作成する。3はやや固くなった鏡餅。

昨年の名人戦第1局では横歩となった。森内は様々なインタビューであの名人戦は準備不足だったと嘯いている。初タイトルがいきなり名人となって環境がガラリと換ったことをあげつらう。これは嘘。名人戦第1局の内容は準備不足などとイイワケするモノではなかった。果敢に挑んでいる。負けた理由は果敢にビビッタだけ。森内が名人の重みに自己修復機能を狂わせたから負けた。
2手め84歩。34歩を羽生はやらない。 横歩に飽きたからではない。シンメトリカルの出だしを畏れ多いと感じたから84歩となった。

悪しき習慣振り駒で森内先手。
今年の指し初め式ではワケあって振り駒をしなかった。
商業将棋ではまだ行なう。玉ではなく王のバカでかい偶像に向かって玉串奉奠を行なう愚行と同じ。これはワザとそのように行なわせている。玉のテンがあっては拝むのも畏れ多いという理由。
玉串奉奠には榊を捧げる。学名がナンタラジャポニカとついているものは日本における変種。儀式で使用する木はオリジナルがその地に存在しない場合代替品を使用する。渡来した儀式とはおよそ代替品がつきまとう。
代替品としてその機能を完璧に再現し得たモノは鏡。映すモノがそこにある。鏡を神体とする地元の神社で七五三を行なう風習は日本の良き因習。
振り駒は駒を痛める悪しき因習。命の駒を記録係りに放りなげさせる悪習はデカイ王様を拝ませるひとりよがり。森内は参加しなかった。テンをつければ参加するかもしれない。
指し初め式は竜王の面目を保つために読売に配慮して羽生が康光に継いで2手め54歩を指した直後に森内は遅刻で登場。これが王将戦の伏線。
初手76歩。