2003.07.29王位戦第2局初日実況
谷川浩司王位VS羽生善治 相掛り十字架銀
汚れた壁
実況分析 マシュダ一家
初日の消費時間=谷川3時間35分、羽生4時間12分 羽生の封じ手=81分
王位戦第2局二日目実況はこちら


竜王戦決勝トーナメント準々決勝 木村森内戦も十字架銀 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 7月30日(水)01時12分57秒

竜王戦決勝トーナメント準々決勝の中継森内−木村戦も王位戦第2局初日と同日に行なわれていた。相変わらず足を引っ張りあうスケジュールである。このようなことが今後何度も続くようであればいらない棋戦は淘汰するべきである。中身がない将棋が増えるだけとなる。木村VS森内も申し合わせたように相掛り十字架銀となった。後手の森内は羽生のように行方の真似はしない。木村はサンドバックにされた。見るも無残な収束。木村はやはり一昨年の羽生との挑戦者決定戦の最終局が全てであった。


暗い対局室 常闇と光の柱 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 7月29日(火)18時44分39秒


二人は去った。そして備えつけのカメラは電灯が消された暗い対局室を写している。本日もっとも興味深い写真である。
和室には床の間という遊び空間がある。そこには光があたらない場所がある。羽生はそこに救いを見いださなければならない将棋となった。
床の間をリフォームする時に壁を塗るのは職人。芸術家ならば決して壁に上塗りなどしない。以前あった壁に染みついた闇をそのまま使うはずである。シミで汚れた床の間の壁はどうすればよいか?
壁をもっと人工的に汚せば良い。すると天然の汚れが吸収され人工的な汚れに時間の色合いという厚みを付加する。これが伝統というものである。旅館にはその発想がない。だから新装開店はいつでもよそよそしい。しかし対局者にはひきずった闇がある。54歩地獄門が天から降らせた闇の塊を吸収するものはさらに大きな汚れ。
一方決して汚してはいけないものがある。それが床の間の柱。柱は家を支える。それが汚れては家が傾く。将棋にも汚してはいけない柱があった。我々が光の柱と呼ぶものはそのような柱である。


現在9筋は先手の利権 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 7月29日(火)18時29分42秒

羽生は9筋の利権までも先手に奪われている。先手に97角という一撃必殺がある為である。従って後手は角筋が二重に止まっているからと22銀-31玉を選択した時にセロリとなる。しかもそれに対抗する14歩では先手が36銀のままである為に1筋の利権まで丸ごとどーぞと渡すことになってしまう。9筋の利権を奪還する為には53角或いは遠大な62角or73角しかない。それではギャラリーの方がアクビしてしまう。そこでリフォームプランは設計図通り続行されなくてはならないがある地点が闇のままであった。なんとか谷川が乗ってくる筋を摸索することになる。床闇の中で自ら切り傷を見せるのは羽生の方である。
これがサクレの裂け目となるかどうかは明日にならないと分からない。


34手めは羽生の封じ手 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 7月29日(火)18時16分01秒

すでに定刻なので羽生の封じ手となる。羽生は中原囲いとしたので飛車を交換できる筋が最善である。36銀と先手が踏ん張っている為に羽生得意のひねり飛車はない。双方とも1筋は後回しにした由縁。
後手は77銀と飛車を圧迫されに来られたので右桂が使いにくい。そこで44角として33桂の筋を見せることになった。その為に谷川の33手め46歩が47銀を見せつつ33桂も事前に牽制するという双頭手と成り得ている。羽生は悩ましい。角の転回をさらに数珠にするには24飛が実現すればよいのであるがそれでは見えすぎたビキニとなってしまう。


33手め46歩 =65分 損せず得取れ 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 7月29日(火)18時04分15秒

さて以上を棋譜で確認したが次は画面で追うしかない。パナソニックの宣伝がタイアップでカメラを借りたなどと言う関西の貧乏根性丸出しである。この程度のカメラは中学生でもお店で買える。セット込みなどと言ったらそれこそ担当者のお粗末な他人マカセとなる。北海道新聞はふたつも画面を用意してあらためて素晴らしかったと思う次第。カメラは小型なので天井の電灯にも装着できるはずである。サーバーセット込みのカメラはやや重いのでこのように斜向かいにセットしたのであろう。天井カメラが面倒臭いと言っているのである。確かに梁を造営すると面倒である。しかし天井の電灯部分は20kgは十分に耐えられるはずなので電源部の被いを外してネジ4本で装着できるアタッチメントに差し替えればどのカメラもすぐに設置できる。ネジ回し一本とそのようなアタッチメント付カメラを連盟が用意して貸し出せば良いだけのことである。電球は4つ取りつけて交差させると下に影もできない。使用後は電源部の被いを再び付ければネジ後も見えないので旅館も文句の言い様がないはずである。
さて33手め46歩は関西の「面倒臭い」という体質がもっともポジティヴに顕現した手となる。十字架銀というパッケージにセットで込みなのである。これで先手の確実な利権を維持。「損せず得取れ」と言う最も確実に稼ぐ会社が松下電気でもあった。


32手め44角=20分 羽生のリフォームプラン 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 7月29日(火)17時53分33秒

羽生の連続20分代の波乗り思考。羽生も屈辱は尾を引かずに流れを作ることに専念できた証し。これは十字架銀と77銀に対抗できる攻防角の双頭手となる。これで52金から53銀型としなかった羽生リフォームプランの全貌が露になる。53角と引く狙いがありさらに先手の銀の動きに合わせて64-73という角の波乗り手順があるからである。今年の名人戦第4局指し直し局ではこの羽生の見事な角の動きが名人位を最後にもたらしたのであった。しかし柳の下にドジョウは二匹いない。


31手め77銀=45分 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 7月29日(火)17時43分54秒

谷川はこの手に45分思考。36銀という手にも45分思考したことを考えると谷川の気迫は充実している。羽生の塗炭を舐めるがごとき41玉が実に昼食休憩を挟んで1時間も持ち時間を使った事を考えれば、谷川の戦闘能力がいかにバランス良いかが伺える。基本思考がトンガリ帽子であるのも谷川らしく、好感が持てる。その精鋭度の気配を察して羽生はゴムマリをヘコませたのである。
36銀は谷川の柔軟性。それが攻防の十字架銀の最大限の能力を発揮することになっている。対して77銀は角道を止めて閉塞気味に見えるが、後手の縦歩取りを防ぎ75歩の位取り返し或いは66銀からの飛車狙撃の天蓋を構築するという意欲に漲っている。ヘンなことをしたら許さないという構えとなる。


30手め51金=23分 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 7月29日(火)17時28分43秒

羽生の苦悩は51金を選択。中原囲いで横歩取り地獄門定跡にスイッチングしたいということである。羽生が好む52金-63銀の形はよほど新機軸がしっかりしていないと不愉快を招く。羽生は今回は見送りアグラをかきつつ終盤へ賭けたことになる。この思考法は我々がすでに述べたように銀が53地点へここで出ると後手から硬直手を選択したということになってしまうからである。新機軸は出にくいがいつか来た道へ救いを求めたということになる。谷川に主役の座を完全に明け渡すことになる。


谷川!決して奢るな 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 7月29日(火)14時22分26秒

実は我々もこの先手ラクチン体勢に安心しきっている。しかし最強谷川応援団として心を鬼にして言わねばなるまい。
谷川、初日で決めろ!
我々が本日言いたいことはもうそれだけである。あとは羽生が繰り出すハッタリにどう対応するかであるが
1=決して怒らない
2=ナメる態度だけは禁物
この念仏だけ唱えていれば初日で決まるはずである。


29手め69玉 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 7月29日(火)14時13分54秒

どうやら谷川は勝ち誇ったように69玉を指し退室した。うちしおれる羽生は扇子でヘの字の口もとを隠している。先ほどの解説は先崎っぽくてマシュダ一家としては心外であるが、こうなってしまったのも羽生の責任である。


28手め41玉=60分 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 7月29日(火)14時10分58秒

ようやく指した手がこれでは今日はゴメンナサイと言っているようなものである。41玉に対しては69玉の方が価値が高いからである。では端歩か銀の進出かということになるが、銀の進出は硬直し結局端で手を作れるようにどちらかがわざと隙をみせることになる。その時のヤラセはアンタの役ねと告白しているのがこの41玉なのであった。メシを喰ったあと30分以上もまだ考え続けるワケである。


羽生の吹聴 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 7月29日(火)14時03分40秒

最近「新しい手は7割失敗するがそれでも挑戦したい」と羽生は何度も周囲に漏らしている。時期的に王位戦は負けてもいいんですと公言しているようなものである。男は挑戦するときは黙って速やかに行なうべきである。従ってアレは羽生の口三味線なのであった。ここで考えるくらいなら家でキチンと作戦を練ってきてもらいたい。


羽生28手め長考中 張り直す壁紙 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 7月29日(火)13時57分54秒

後手はタイヘンである。54歩がヘンタイと今さら反省できないからである。そこでヘンタイが構築できるかということになるが苦労は多くて最後は硬直手が最善という事になる。つまり千日手狙いとなるか谷川が打開というパターンになる。それでは羽生の挑戦がせいぜいが千日手狙いでしかなかったということになってしまう。そこで谷川にどのように火をつけるかということになる。硬直手が銀であった場合、1筋の端歩が大変大きな意味を持つ。それを9筋の端歩に変換できれば羽生の主張は一貫性を帯びる可能性がある。谷川は現在ラクチン。もともと27銀そのものが先手の最大限の突っ張りであるが、羽生がさらに大きく突っ張った為に皺がよった壁紙のような状態であるのが現在の後手。これを張り直すのは後手なのであった。


谷川の初手26歩 アンチハブへ 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 7月29日(火)13時02分46秒

なぜ谷川が角換り腰掛け銀をやらずに初手26歩としたのか。それは今年の王将戦第4局が関係する。
http://www.bekkoame.ne.jp/i/yusai/030214oshoAll.html
我々は羽生に初手26歩を期待し羽生はその期待を裏切らなかった。しかし康光は我が道を行ってしまい迷い子となってしまった。おかげで深浦においしい所をみんな持っていかれ、換りに深浦の角換り腰掛け銀が王道からそれることになったという経緯がある。
羽生の換りに谷川が初手26歩を指したことにプログラムの重みと谷川の気概を見ることができる。
下記参照
030212bbs.html
羽生の初手26歩 郷田の場合 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 2月12日(水)00時44分02秒
ここまできたらもったいないが郷田も出さなくてなるまい。1994年7月9日から始まったあの王位戦7番勝負である。伝説の郷田五段登場である。第1局の三重は熱狂した。いままで紹介した棋譜中で最も興味深いのがこの郷田戦である。羽生は28飛戦法で来た。郷田はかわいい顔でナニ考えてるかワケわかんないのでまずは腰を落としてということである。そして郷田84飛型から相腰掛け銀。対米長戦での反省もふまえ羽生は先に銀冠完成を目指す。なぜ羽生は二日目に33角成を決行したか。米長のトラウマがあったのである。79玉に嫌な思い出があったということである。おかげで危ない目にあった。


27手め76歩で昼休み 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 7月29日(火)12時42分27秒

対局日:2003/07/29(火)
先手:谷川
後手:羽生

▲2六歩  ▽8四歩  ▲2五歩  ▽8五歩  ▲7八金  ▽3二金
▲2四歩  ▽同 歩  ▲同 飛  ▽2三歩  ▲2八飛  ▽8六歩
▲同 歩  ▽同 飛  ▲8七歩  ▽8四飛  ▲3八銀  ▽9四歩
▲9六歩  ▽3四歩  ▲2七銀  ▽5四歩  ▲3六銀  ▽5五歩
▲6八銀  ▽6二銀  ▲7六歩  ▽昼休み
先手が非常に指しやすい。羽生がどこで第二の挑戦状を叩きつけてくるか予想できるからである。


十字架銀VS地獄門における先手玉の優位性 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 7月29日(火)12時30分29秒

現在双方居玉であるが羽生が54歩を指したことによりむしろ谷川に68玉という囲いがなくなりいとも簡単に68銀とできるのである。これが十字架銀の大きな特性。中央を攻めると後手が威嚇すれば69玉型で簡単に後手の脅威、すなわち5筋への飛車周りから桂跳ね、最後は56歩+角交換という切り札を全て先周りで躱せる。これが先手の特権のひとつであり36銀が柔軟性においても優秀な戦法である由縁。玉移動に関わる一手は今期の名人戦第1局に象徴されるようにトリプル手へ逆行相転化する可能性が高い。王位戦第1局の後手62玉もそのような解釈をしているのがジッチャンであったが、相振りに関してはまだなんとも言えない。
68玉型は当りがきついので後手の攻めが成功しやすい。羽生は谷川が54歩で切れると思っていたのであろうか?ならば今日中に東京に戻った方が良い。


4月のナベラ 銀の泡踊り 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 7月29日(火)12時12分50秒

羽生はとにかくタチが悪い。深浦を見習えと言えばなんと行方を見習ってしまうのである。相掛りで双方歩交換後の22手めで54歩などとは行方が考える手である。最初はムっとして角道を開けてしまった渡辺明は途中でバカらしくなり銀の泡踊りで笑ったというのが今年の4月の王座戦であった。
谷川は泡踊りができない為に最初から怒ってはいけないのであった。


羽生は挑発が効かないことにかえって緊張 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 7月29日(火)11時56分36秒

普通はここまで挑発して躱されると気が抜けるものであるが相手が谷川だと緊張する。そして自分の挑発がやけに安っぽく見えて怒りに換る。颯爽とした地獄門開帳のはずが谷川にお決まりのごとく55歩を強いられ、今度はじっと先手に左銀まで68地点に出られると羽生も唇を噛みしめて右銀を動かすしかないのである。これで鬼のクーデターは一旦鎮圧される。横歩取り地獄門定跡では玉の移動後先に右銀上がりなのである。
まだふたりとも玉が不動であったために閻魔大王不在の地獄門クーデターとなるかどうかという線香花火であった。


谷川は落ち着いて36銀=45分 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 7月29日(火)11時47分33秒

こうこなくてはならない。羽生は次に角道を先手に開けられては困るので55歩と位を取る一手となる。
羽生はやけに素直に飛車先歩交換を先に行なっていたかと思ったらこういう魂胆なのであった。何も考えていないようなアクビを連発していきなり54歩とは余りに態度が悪い。このような眷属にムキになってはいけない。谷川は王位を死守できる。
羽生のアクビは恒例だがアレはなぜか旅館にありがちなサーモンピンクによく似合う。羽生は着物など本当は着たくないであろう。サーモンピンクの着物はいかがであろう?


谷川怒るな 十字架銀回想3 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 7月29日(火)11時24分01秒

まだ頬を膨らませている谷川。ここでは怒るな!
後手がそこまで突っ張るならば十字架銀の完遂作業のみ。郷田のように切れないでもらいたい。27銀は作戦通り36銀から47銀と下がることになる。躊躇すれば羽生往年の古典芸ひねり飛車を許してしまう。主導権を一時握られたと思って熱くなりすぎると転ぶ。
39-38-27-36-47という移動が十字架を形成するので十字架銀と呼ぶ。将棋連盟のように「ナンチャッテ棒銀」などと呼ばないように。または東公平のように「UFO銀」などと呼ばないように。そのような呼称はこの戦いをゲーセンに貶めるだけとなる。


羽生の54歩 閻魔大王不在の地獄門開帳 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 7月29日(火)11時12分32秒

康光の64歩が右玉構想の堕天使の奇想曲ならば羽生の54歩は閻魔大王不在の地獄門開帳である。先手の銀がすでに7段目まで進出しているというのに歩の位と飛車角のみで戦場を先に造ろうという鬼の手となる。


22手め羽生54歩! 地獄門の道へ 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 7月29日(火)11時05分30秒

羽生は10分で54歩を選択。横歩取りでは馴染み深い。竜王戦の阿部、そして一昨日NHK杯放映の狂い咲きの桐山。
相掛りに地獄門を持ち込むとは。
角道を開けずに27銀と十字架銀への進展を見せた為に55歩止めが後手に可能であるかという羽生の挑発。玉の移動前にこれをやられるといきなり熱気を帯びる。寒い夏も去った。頬がふくれる谷川。


十字架銀回想2 為替相場の過信-深浦Dタイプ 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 7月29日(火)10時53分27秒

相掛かり28飛型はまず康光が思い浮かぶ。そして郷田。そこでもう少し回想してみよう。

相掛かり28飛型は先手の特権維持 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 3月 3日(月)02時54分32秒
昨日のNHK杯戦先崎VS富岡は相掛かり28飛である。所謂筋がよい形となる。同様に筋がよい富岡は先崎と相性が合う。だから二人の対戦成績は3勝3敗であった。先崎は相掛かり28飛が最近の流行と言うが、先崎の指す28飛型から36銀や79玉は昔の形である。
羽生や郷田というのはそれを拒否している。だから島は昨年羽生に短手数でボロボロにされた。相掛かり28飛型で羽生を倒したのが昨年の康光である。郷田は79玉に嫌な思い出があることをよく知っている。だから平然と筋悪の68玉や25銀ができる。
そこで考えてみよう。鈴木大介は相掛かりで先手が28飛と下がるのは受け身の手と解説で昨日述べた。後手も飛車先の歩を交換できるので、先手だけの利権を放棄したと大介は考えてそう述べたのである。我々はそう考えていない。むしろ先手の特権を最大限に駆使するのが相掛かり28飛型であると述べてきた。なぜかと言うと後手は84飛と下がった時に手番を先手に再び渡すからである。飛車先歩交換の原理が交互に交換されただけなのである。そして残ったのが、後手の84飛という角に狙われやすい形なのである。そして主導権は後手が84飛と下がった時から先手に戻る。この形は先後共に過酷な戦形となる。昨日の康光は飛車先歩交換前に角道を空けるという最も熾烈な形を昨日望んだのであった。先崎が富岡に勝ったくらいで、28飛型が最新流行形などというのはおこがましいのである。康光はしかも飛車先歩交換後、なんと横歩を取る変化まで長考している。先崎もタナトラもこの変化はハッキリ先手良しとは言えなかったことは衛星中継で諸君等も見たとおりである。角交換後85角打で先手が勝ちきれるわけではない。端歩の関係で変わるかもしれない。だから端歩をいい加減に扱う先崎には昨日の郷田佐藤戦が理解できなかったのである。

なぜ郷田&佐藤は昨日相掛りを指したかったか 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 3月 3日(月)02時08分53秒
康光は先月の王将戦第4局で羽生の相掛かりを受けなかった。しかし一昨日のA級順位戦で名人挑戦がかかった最終局には郷田の相掛りを受けた。長い長い思い出がある戦形なのであった。
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彼らの戦略を一挙に掌中に収めたのが深浦である。衝撃的な対羽生戦は以下。
我々は前回羽生に深浦を見習えと実況で述べた。そして谷川がそれを将棋で本日羽生にぶつけてくれたのである。
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羽生は飛車先歩交換後に9筋の打診 十字架銀回想1 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 7月29日(火)10時36分59秒

羽生は飛車先歩交換後に9筋の打診。なぜ羽生は素直すぎるのか?それは後手は飛車先歩交換をすぐに行なわなくともその利権を維持できる為に9筋の端歩を先に突くという指し方があるためである。
今年の4.11朝日オープン第2局 深浦康市VS堀口一史座もそうであった。
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次に後手は84飛以外の選択肢が有り得るということ。今年のA級順位戦最終局の康光がそうである。
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郷田VS佐藤 相掛かり28飛型 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 3月 1日(土)15時45分33秒
本日の本命である。これに勝てば佐藤康光は名人挑戦となる。19手めの87歩には飛車が84地点に下がる一手だが、康光はすでに15分以上も考えている。三浦島戦のノリとは中身が同じでも大変な違いである。康光は気負すぎている。この戦形は素直に指さないと一日制では負ける。郷田6-4のオッズ。
相掛かり28飛型 グランサタン65歩 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 3月 3日(月)04時15分08秒
A級順位戦郷田佐藤戦は康光の名局になりかけた。なぜ我々が康光の65歩をグランサタンと読んだかは最終盤変化を読み解いて行くと明らかになる。これは最終盤で66歩と玉頭を狙う最後の一撃となるはずであった。それが68玉型の最大の急所なのである。そして後手に必要な駒は桂馬であった。2002.2.12&13王将戦第三局の最終盤変化を思い出してほしい。
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米長にはあの時後手の康光がなぜ桂馬を羽生に渡せないか理解できなかった。そして一昨日、先崎は後手の康光が香打から桂馬を取りに行ったのでは康光が苦戦であると解説していた。しかし康光が一番必要だった駒はあの時の羽生と同じように桂馬なのである。米長や先崎がなぜ狙い撃ちされてA級から陥落したか諸君等にもわかるであろう。彼らは他人の努力を密かに盗んでは嘲笑し、売文行為で自己正当化しているからである。
一昨日の実戦では90手めの64桂打は時間が切迫した秒読みの現場で余りに甘い蜜となっていた。65歩は66歩というグランサタン最強手であると同時に、64地点に桂馬が打てるという双頭手ともなっていたのである。康光は昨年84歩で83地転に桂打の空間を作成するというトリックを見せて王将戦第1局で羽生を破った。そして今度もその裏筋を選択した。結果66歩の最強手はついぞ指されることなく、別の変化に分岐したまま郷田玉に遁走されたのである。

相掛かり28飛型 康光の後手番戦略 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 3月 3日(月)03時32分28秒
王将戦第4局でなぜ康光が羽生の相掛りを受けなかったか我々には不可解であった。それが一昨日判明した。康光は暖めていた秘策を名人挑戦のかかった対郷田戦に賭けたのである。
康光の作戦は後手の傷である先手からの66角打を65歩というグランサタンで阻止することである。郷田はこのような手は決して容赦しない。そこで55角と打つ。康光の主眼は最初の角の合せで手順に73桂馬を跳ねることである。これで手番を奪還し先後が入れ替わるからである。最後の対策は再度の先手の角打で狙われた桂馬を右玉で手順に守るというものである。これで右玉構想を手順に示し後手が勝てるはずというのが康光の新構想であった。しかし手順に跳ねた73桂馬が最終盤で活用できなければ、右辺を掌握した先手が勝つ。そのような最終盤になった。中盤は作戦勝ちから康光優勢であるというのが我々の結論。時間が切迫していたのが敗因である。やはり康光が84飛と下がる一手に捧げた一時間の長考は致命的であった。しかし八百長ではない。むしろそれ以上に多大な時間を費やしたであろう新構想を我々はしかとこの目でみたのである。康光にとってこれはすでに勝負ごとではない。大一番で日頃の成果を発表する晴れの舞台なのであった。棋譜を読み解いて行く度に戦慄を覚える。



本日の羽生は素直である 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 7月29日(火)09時55分11秒

悩む様子をさかんに見せているがアレは頭に血がない朝の考えるフリである。指し手はやけに素直であった。早々に自分も飛車先歩交換を行ない84飛と何も考えずに指している。ケレンは前回で懲りて極めて健全であると言いたいが、ことこの相掛り十字架銀に関しては余りに素直すぎる。


対局室の和室のこと 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 7月29日(火)09時46分07秒

我々はタイトル戦で何を最初に見るかというと和室の造りである。隅々まで見る。将棋界では和室対局が伝統と思い込んでいるが、伝統に値する和室はほとんどない。東大寺本坊でさえそうであるのだから熱海などではまずだめである。本日の蒲郡市銀波荘も写真に写っているものはマガイモノである。およそ人に貸す旅館やホテルなどというものは採算が取れれば良いので賃貸住宅のノリと思うしかない。安いコピー、あるいは折衷様式となるのは致し方ない。こんなものを間違っても伝統などと呼ばなければ良いだけのことである。本日は配色の悪さ、畳の上に絨毯を敷く無神経さなど気色まで悪い風景。これを旅館のせいにしてはいけない。銀波荘は西浦温泉で最高の宿でありお隣などには間違っても泊まってはならない。旅館で将棋を指すことが伝統と勘違いさえしなければよい。
さて谷川はまたしても我々の期待を寸分も裏切らずに28飛としている。


王位戦第2局実況 相掛り十字架銀へ 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 7月29日(火)09時22分14秒

棋譜UPがないので対局室静止画から推察すると相掛りである。28飛型十字架銀へ進行するであろう。