U-kiの読書日記(01/3/17～01/4/27)

U-kiの読書日記(01/3/17～01/4/27)

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最近読んだ続き漫画。 - 01/04/28 00:00:00
本日の調子: Ｔ－３４／８５なみ。

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＃４月２７日
 『成恵の世界３』（Kadokawa comics A）丸川トモヒロ
ハート・ウォーミング！かつＳＦマインド炸裂！やはり『成恵』は良い漫画だ。何度も読み返してしまう。あいかわらず、おセンチあり、中学生の健全なＬＯＶＥあり、お笑いあり、ＳＦ魂健在であり俺は大変満足である。
ＳＦオンライン賞ではまったく戦争にならなかったが、俺はこの漫画をＳＦ漫画として大変愛好している。
今回は「罰襟巻」の思い出のあの人の話とか、星船「春名」の結婚式とか、おセンチ系の話が良かったッス。お鼠様に花束をとか、おでこの隊長さんとヨワヨワ図書委員くんの話とかほのぼの系の話が多くてやはり良いトコずくしでしたな。そうそう、レドーム付き少女型ロボ娘も登場するロボ子３人ｖｓバーサーカーの話も忘れちゃいけない。しかし、今回はアニメ『魔砲少女四号ちゃん』の出番が少なかったのが残念。だがオマケ漫画で着実にファンを増やしてる様子がうかがえて満足。満足。マジで単独アニメ化希望！
「貴方の胸に直撃よ！」
今回の巻は脇役の話ばかりだけど次の巻は成恵ちゃん自身の話が中心だそうな。
さぁ、未読の人は買いに走ろう！
【→bk1】

『ジパング３』（モーニングＫＣ）かわぐちかいじ
ああっ！ついに山本五十六と「みらい」の乗組員が接触！未来はどう、変わるのか！？
おもしろいは面白いが、右寄りな話になってしまうんじゃないかとか、色々な意味で不気味な雰囲気をたたえた作品である。とにかく目が離せないのは確か。
【→bk1】

『ふたりエッチ１４』（Jets comics）克・亜樹
うーん、今回の巻は特筆すべきことがないので挙げなくても良いんだけど（前巻はスゴかった（笑））、まさかここからＳＦセミナー後のルノアール話に発展するとはねぇ……。
ＳＦセミナー後のルノアールで俺がまず提示した疑問は「なぜあれだけエロが入っているのに『ふたりエッチ』に成年コミック指定マークが付いていないのか？」でありそれに対する俺の見解は「（夜の）夫婦生活は日本国憲法で定められた『地球人類として最低限度の文化的生活の保障』ということに抵触するので、あれはやましいことではない＝非エロであるから、成年コミック指定されないのだ」というもの。
んで森山さんが「あれってスゴク売れてるし、実際あの漫画買ってその通りのことやってるヤツもいると思うんだけどいったいどういうヤツが買ってるのかねぇ？」と云ったので
「……俺、全巻そろえてるよ」
「ウソっ！！」という展開になったのだった。
そしたら某夫人の旦那様も買っているというので「なぬっ！！じゃぁ、お宅ではあの漫画を実用書として使っていらっしゃると！！」と詰め寄ったところ答えはＮＯ！であった。
「旦那はただ、面白いから買っているんじゃないか」とのこと。……おかしい。俺だったら絶対実践するのに……。ってゆうか、成年コミック指定がないのをイイコトに「一人で実用書として活用」してる連中はいっぱいいそうだけどな！云っておくが俺はもうこの漫画程度ではオカズにならんぞ。
以上だ。
【→bk1】

『新・ＳＦハンドブック』（ハヤカワ文庫）早川書房編集部編、読了。 - 01/04/27 00:00:00
本日の調子: 大昔の竹村健一なみ。

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＃４月２６日
コレは出せ出せと云ってようやく出た本なので嬉しい本ですな。
早速読み、その後、旧版と読み比べ。
うーん、ずーっと「読めない本ばかりになったのだから新版を作れ」と叫び続けていた俺だが、やはり１０年経たないと刷新できませんかねぇ。
各章立てはほとんど旧版と同じ。文庫創刊２０周年記念で旧版が出た時、俺は最もＳＦに対して好奇心旺盛な大学３年生。ＳＦで知らないことや知らない作品の紹介をこいつでしてもらって、自分の「ＳＦ力」（富野調に＜えすえふちから＞と呼ぼう（嘘））を養うのに非常に貴重な一冊となったし、書誌情報を参照するのに今でもいつでもひっぱり出せる所に置いてあったりする。そしてＳＦ文庫の表紙で埋め尽くされた巻頭のカラーも圧巻だったわけで。やはり思い入れの差だろうか。新版は一生懸命この前重版した本を中心に＜編集部のおすすめ作品＞を紹介したりしているんだけどねぇ、なんとなく味が薄味になってしまったような気がして俺的には旧版の方が面白かった気がする。まぁ、基本的に同じ物を２度目に味わっているのだから仕方がない気もするが。「日本人作家が選ぶ文庫ＳＦマイ・ベスト５」も数は増えたけど薄味になってしまった感じがする。それにこのコーナーに入るとやっぱ読めねぇ本ばっかだしねぇ。うーん、なんか『ＳＦが読みたい！』が既に２年連続で２冊発行され、それと内容が被ってしまっているから味が薄くなったように感じるのかもしれないなぁ、と思った次第。とはいえ、個人的には新版の巻頭のカラーでのイラストイメージ競演や、人気作家５０人が選ぶマイベスト５だけでも価値があると思うね、この本は。まぁ、塩澤編集長が云ってたけど巻末の書誌情報も更新されていて、そこが一番大変だったという。俺も一時ＳＦ（特にハヤカワの青背）から離れていたのでこのインデックスも充分に価値がある。
ま、そんなわけで、この本がある世代には非常に重要な１冊になるであろうことを俺は信じているのだった。ＳＦ者、必携の書である。

P.S.あと、『９０年代ＳＦ傑作選』も出せ出せ云ってるぞ。早川さン、頑張ってねん！
【→bk1】

『しゃぼてん』（モーニングＫＣ）野中英次、読む。 - 01/04/26 00:00:00
本日の調子: しゃぼてん公園のワシの像なみ。

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＃４月２５日
少年マガジンのクロマティ高校の方に「モーニングでの突然の打ち切りに動揺を隠せない野中先生に励ましのお便りを！」とか書いてあったけど、これのスゴイのは帯の文句だけかも。
野中版『コージ苑』のようなものを目指してたのかもしれないが、正直、あまり笑えなかったねぇ。たぶん笑った話は三つくらい。（「ＡＶ」の話は俺は実際に体験したので痛すぎて笑えなかったぞ！）４コマまんがじゃないし、ページ数があまりにも半端なところも嫌だし、とにかく野中氏が悪いわけじゃなく、このページ数でこういう企画でと野中氏に持ちかけた編集部の失態かなぁ、と思う。野中氏の劇画調の絵とそこで描かれる物語のギャップが面白いわけであって、基本的に「へたうま」な絵柄向きの企画を野中英二にやらせてしまおう、と思い立った時点で漫画として失敗だったんじゃないだろうか。
「何ぃっ！？　『魁!!クロマティ高校はそんなに売れているのか！！』」という帯はヒジョーに気に入っているんだけど、すぐ売っちゃうと思います。ごめんねぇ～。
【→bk1】

『仮面ライダーSPRITS１』（マガジンＺＫＣ）村枝賢一、読む。 - 01/04/25 00:00:00
本日の調子: 今だってバリバリの立花藤兵衛なみ。

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＃４月２４日
アレンジしない、特撮のママの仮面ライダーを描写することでライダー世代の心をここまでがっちりつかんでしまうものなのか！？と素直に驚いてみたりする。正直俺は惰性で買ってるが、マジで心を熱くさせてる読者も多いはずだ。ネットの感想見てると心底「カッコイイ！！」ってシビレてる人、多いもんねぇ。
村枝賢一っていうとサンデーでやってたサッカー漫画『俺たちのフィールド』のイメージがあまりにも強すぎて（俺は『ＲＥＤ』は読んでいないのだ）正直、ネットで作者名を見たとき、すぐにはマガジンＺを見に行かなかったのだ。どうせ、その作者の画風にモディファイされてしまったライダーを想像してしまったからだ。実際、特撮のライダー・ファンになってしまうと、石ノ森章太郎の原作漫画ですら、「オリジナル」には見えず、不細工なデフォルメ漫画に見えてしまうのだから、他の作者の描くライダーに期待しないのは当然の事だと思えた。が、あまりにもネット上での評判が良いので実物を見てみたところ、なるほど、怪人と人物は村枝賢一のキャラだ。しかし、主人公たちが「仮面ライダー」に変身した後の姿はまごうことなく、ＴＶ画面で見た「あの」ライダー達の姿そのままだったのだ。そこの部分だけ劇画タッチなのだが何故か画面から浮いてしまうことなく、特撮のママの姿のライダーが紙面で踊っているのである。しかも世界各国で悪と戦い続けているという設定そのままに、見せ場を押さえたネームの切り方も抜群の出来映えで、これは皆が騒ぐのも無理はないわなぁ、と感心したのだった。特にいきなり１話目で滝が頑張っているだけで驚きだったのに、その本当のピンチの所に姿を現す本郷猛。そして大見栄きっての変身シーンの部分をカラーページで描かれちゃ、誰だってイチコロでしょう。
その後の２号、Ｖ３の話もテンション落ちることなく描かれているんだからもう、このファンが出来て読み続けられていくことは超決定でしょう。
俺なんか、「ライダーマンはどうすんのよ？」とか思ったのだけど、カヴァの折り返しやマガジンＺを見る限りは杞憂のようでしたな。
同じようにリアルタッチで造形されたキカイダーを漫画化した『キカイダー０２』も好きなんだけど、１回買い逃したら手にはいんないんでやんの、とほほ。ま、こちらは返品が帰ってくる期間をおいて再注文してみるけどね。
できればＲＸまでは続けて欲しいとか思うんだけど無理かなぁ。ストロンガーあたりで一息ついちゃうとか、スーパー１あたりで一息ついちゃうんではないか、と心配しつつ村枝氏の描くＲＸ・ロボライダーとかが猛烈に見てぇ！と思っている俺であった。
【→bk1】

『永遠のなかまはずれの国』（美術出版社）永野のりこ、読む。 - 01/04/23 00:00:00
本日の調子: オレもいつかは「オタクの御主人」のはず…。

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＃４月２２日
丁度１ヶ月遅れで入手・読了。出してるのは雑誌『コミッカーズ』とかを出しているところである。コミッカーズに連載されている「まんがってイイよな!!」を初めとする未公開コミックや書き下ろしエッセイ、初期作品など内容充実！魅惑の永野ワールドへ誘う、永野のりこＦＡＮ待望の単行本だ!!と、帯に有る言葉をそのまんま引用してしまいました。
永野漫画に登場する作者の分身、あるいは作者自身が一堂に会して（ナガノ、どろみ、てん子、カエル、以上の皆さん）座談をしていたりして、あとは基本的に「まんがってイイよな!!」が半分、永野の落書き状態で、同じ様な体裁のハズの水玉蛍之丞のＳＦＭでの連載「ＳＦまで１００００光年」とは大違いの暴れぶりで読むのにも一苦労というか見苦しい以外の何者でもないので、この薄さ、この内容に８８０円も出せるのは永野のりこファンだけでしょうなぁ、という一冊。でもファンだったらもってなきゃいけない一冊であることもたしかだわな、ふむん。
【→bk1】

『大人のための徹底！ロボット学』（ＰＨＰ）北野宏明、読了。 - 01/04/21 00:00:00
本日の調子: 大地のエネルギーを溜めた先行者なみ。

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＃４月２０日
んー、あんまり面白くなかったな。なんとなくおじさんのための本であって、俺なんかが金払ってまで読む本じゃなかった気がする。
非常に字が少なくて読みやすい本である。
まず１９９７年、「ディープ・ブルー」がチェス王者カスパロフを破ったこと、ソジャーナの火星探検、ホンダの二足歩行ロボットＰ２の登場、そしてエンターテイメントロボットとしてＡＩＢＯの登場から話は始まって行き、二〇五〇年の「ロボカップ」に話は移り、著者はそれが日本版「アポロ計画」に等しいもので、あと五十年の間にどれだけロボットが進歩するかを予見する。ロボカップの他にはロボットによる災害救助支援にも作者は期待しているようだ。
その後語られるロボットに用いられている最先端テクノロジーの話は俺も知ってるレベルというか十年前に基礎は大学で勉強してるので楽しくなかった。
で、家事ロボットと共存する未来がいかに難しいか、ロボットの持つエンターテイメント性などについて語られる。マルチだのセリオだのの話をして脱線するくらいの余裕を見せて欲しかったもんだがこーゆー堅そうな本では無理だったろうか。あと、エンターテイメント・ロボットの他にセクサロイド、介護ロボットなどもう少しヴァリエーション豊かに話を広げて欲しかった気がするが、やはりお堅い本では無理というものか。でもサッカーするロボットよりも自分の排泄物をロボットにお世話してもらうって方が五十年先の現実としてはありうると思うんだけどねぇ。どうでしょ？
８章の自立型ロボット技術の危険性はおっしゃることはごもっとも（現に産業用ロボットの誤作動で人が死んだ場合、責任はどうなのよ、という話も前々からある）なのだが、「ロボット三原則」を持ち出したり、自律型ロボットの反乱などなんかレトロ臭い恐怖心を煽ろうとしていてなんか鼻持ちならない感じ。
その後のロボットデザインの話や日本でもやっている「ロボコン」のようにロボカップが教育の現場にどんな影響を与えるかが書かれて、最後には今後求められる技術が列挙される。ここもあたりまえすぎてつまらないところだ。
装丁が綺麗だったので買ってしまったけど、やっぱいらない本だった気がするねぇ。
文系のおじさんが読むのには丁度良い本なんだろうけどね、俺にとってはまったく物足りない本であった。
『ロボリューション』や『ロボサピエンス』には期待していいんだろうか……。
【→bk1】

最近の続き漫画。 - 01/04/18 00:00:00
本日の調子: 「へラブな」という同人誌を見て大笑い。

コメント:
＃４月１７日
 『ラブひな１１』（マガジンＫＣ）赤松健
もうそろそろ終わりにしてやれよ、と思っているうちに２桁越えてしまった『ラブひな』。
これ以上女子キャラ増やしてどうするよ？と思ったら血の繋がってない妹と来たか。こ、これはシスプリ・ブームを予見していたとでも云うのか！？（笑）
一時期のつまんなかった時期は乗り越えたようなのであとはどうやってフィナーレに持っていくかに期待。
【→bk1】

『ｒｅｄＥｙｅｓ３』（ＫＣデラックス）神堂潤
萌え～じゃなかった、燃え～！イカスッ！やはりラヴ・コメなんかぞよりも、最強の特殊強襲用装甲＜ＳＡＡ＞とその操縦者に心を熱くするッ！
かつての上司と部下がサシで対決！火を噴け！ハイパー・ヴェロシティ・アームガン！ああっ、そんなところに電磁リアクティヴ・アーマーが！ロスケは不死身か！？（露助じゃねぇよ）そして漢と漢の固い絆が！絶対ヤオイ系女子が見たら騒ぎそうな展開なのでそっと男たちの密やかな楽しみにしておきましょう（笑）。
ラストシーンの異様に長い銃身を持つＳＡＡは？これが今流行の「スターリングラード・カスタム」なのか！？というわけで堪能しましたわ。パワードスーツ好きなら読め！
【→bk1】

『バトル・ロワイアル３』（ヤングチャンピオンコミックス）画：田口雅之
まぁ、ほぼ原作通り。あっという間に話が進んで後半のドラゴンボールのコミックスみたい。俺の好きな「第三の男」三村がようやく動きだし、「かまきり女」相馬光子が動き出した。で、ラストは俺の好きな「おセンチ」杉村が動き出して、美人ランナー千草は大ピンチで終わってるんだけど、千草＆杉村のエピソードも三村の動きも映画ではイメージと全然違っていて悲しかったのでせめて漫画ではもう少しマシになって欲しい。ってやっぱ千草は漫画でもイメージと違うんだよなぁ、残念。『バトロワ』の漫画版はほぼ原作通りで特に得るところはないので読み捨てにしちゃうんだろうなぁ、きっと。
【→bk1】

『助けて！ワトソンくん』（富士見ミステリー文庫）じょうもん弥生、読了。 - 01/04/17 00:00:00
本日の調子: 相棒がダーティー・ハリーだったらなぁと思ってるハニーなみ。

コメント:
＃４月１６日
ちっとも読む気がなかったのに、隣に居たおおたさんに「ほら、太田くんとタカハシくんが出てきますよ」「だってタイトルが『助けて！ワトソンくん』ですよ」「書いてるのが縄文・弥生deathよ！」とか云われて中身をパラパラやって冒頭のあまりのアホさにゲラゲラ笑ってテンション高かったので思わず購入してしまった一冊。
サブタイトルに「コスプレ探偵花梨１」とある。
……シリーズ化するつもりなのか？
コスプレ好きな美少女名探偵（自称）が、仲間のワトソン役の少年とともに、姉の同窓会をきっかけに起こった連続殺人事件を解決するお話。
何が酷いって誰がどう語ってんだかわからない文体。しかも酷いことには、主役の座を狙おうとしている脇役の助手であるワトソンくん、彼ってば年齢不詳、本名不明。ってゆうかそんな人間を登場させて良いのか？なぜ花梨の助手をやっているのかも不明。ってゆうか学校通ってんのかてめぇ！って感じ。一方、てっきりワトソンくんが主役でただの飾りってゆうか、ジオングの足みたいなもんだと思ってた花梨ちゃんは色々な数字を勘定すると中学２年生くらい。コスプレ好きといっても婦人警官とかナースとかバニーとかそーゆーコスプレで、いきなり『聖コスプレ学園』や『ウェディングベル』のお店の娘のようなコスチュームを注文しても出てきません。したがって「え～っ、俺今日は来栖川先輩でプレイしたかったのに～」とかダダをこねても赤いセーラー服すら着てくれません。ってゆうか中学生のコスプレに騙されて情報提供したりしてんじゃねぇよこのタコ！といいたくなるような登場人物が満載です。しかもいつどうして「名探偵」として認定を受けたのかはまったくの謎です。助けて！石動さン！！
でもまぁ、殺人事件が起こって謎解きをして犯人を言い当てる、という構成にはなっているので、今までに読んだ他の富士見ミステリー文庫よりは「ミステリー」してるかもしれないとか思うのだが、まったく読んでいて楽しくなかった。うーん、正直金を払ったことに対して後悔すらしているぞ（苦笑）。オチは俺は別に許せる範囲だったけど、ミステリ的にはアウトだという意見もあるようだ。うーむ、やっぱミステリ読みじゃないんだなぁ、俺。
漫画の『金田一少年の事件簿』や『名探偵コナン』のヒットを受けてそこら辺の読者層をライトノベルに引きずり込もう、というのがこの＜富士見ミステリー文庫＞というレーベルなのだろうか？とりあえず今まで読んだ３冊はとてもじゃないがそれは無理だろうって内容の話ばっかだったよなぁ。ま、はからずも「ワトソン」の名を冠した本書、ともかくなんとかミステリっぽい体裁は持っているけどな、俺の出した結論、
やはりこのシリーズ、ノー・フューチャー！！
以上だ。
【→bk1】

『星界の戦旗３』（ハヤカワ文庫ＪＡ）森岡浩之、読了。 - 01/04/14 00:00:00
本日の調子: 「u-kiと呼ぶが良い！」とか云ってからもうすぐ３年か…。

コメント:
＃４月１３日
「２年半まって結果がコレかよぉ！」と思った人は多いはずだが、「わたしなんか＜十二国記＞、５年も待ったのよ」と切り返された日にゃぁ何も言い返せないわな。うぬぬ、ジントとラフィールの＜家族の食卓＞じゃなかったのね。俺的にはもっと二人がべたべたラヴってくれたほうが良かったと思うのだがねぇ。
「そなたとわたしが初めて出会った場所だ、などというなよ、聞いてるほうが恥ずかしくなる」
なんて先制攻撃されてはラヴどころの話ではないですな、とほほ。
今回はジントの領土というか母国の星がまたアーヴの勢力圏内に戻ってきたので、ジントが領主として帰国する話であり、ラフィールとも一旦別れちゃうのかな、と思ったのだが、そうはならなかった。どうも後書きを読むと作者も当初はこれがジントとラフィールの最初の別離の話にしようと思っていたらしいのだが、どうも思い通りには話が書けなくて今回のような形に落ち着いたらしい。ま、手法としてはジントを領地に縛り付けない上手い手を良く思いついたもんだと誉めてやりたいくらいである。
しかし、領主が領土から利益を得ないことには貧乏どころか格安とはいえ、利子付きで借金がどんどん増えていくなんて、兵士ではない普通の生活になると意外とジントくんも厳ちぃ立場なのねん、と同情してみたり。
クー・ドゥリンとの変わらぬ友情や、わりと仲良くやっていけそうな家臣たちとの話はまぁ良いとして、彼の育ての親でもあるティルとリナとの関係はどうだったろうか？いくらジントが成長しているとはいえ、多感な時期にかなり酷い目を見ているわけだからもう少し遺恨の残る感じがあった方がリアルだと思うんだけどねぇ。でもあんまり憎しみたらたらに描かれても読んでるこちらの気分が悪くなるだけなので、ま、今回みたいな形に落ち着いちゃうんだろうなぁ。
んで、ジントが領地に戻るだけの話なのにやっぱ戦闘シーンはあったりするわけで、うーんそこら辺も無理して入れることなかったんじゃないかなぁ、という気はする。スーパー戦隊モノじゃないんだからさ。
俺はキャラ萌えしないので、やっぱ、わりと楽しめなかった方かなぁと思う。中には裏ヒロイン大活躍とかいって大喜びしてる人もいるみたいだけどねぇ。
まぁ、読書日記は書いてないけど、先輩の言葉を信じて『戦旗』は２つで十分ですよ、で２巻までで止めといても良かったかもしんない、と思った。まぁ、＜星界＞シリーズは、ボーイ・ミーツ・ガールが醍醐味である『紋章』３冊だけ読んであとはマガジンに載る外伝でもつまんでればいいかなぁ、という気もする。この二人がくっついて、違う年の取り方をするところに騎士とファティマよりも切ない関係を感じるだけなので、そこら辺が描かれない話って結局興ざめなんだもんね。というわけで「３」はイマイチな感じの俺であった。
【→bk1】

『僕にお月様を見せないで３─あぁ青春の撮影日記─』（電撃文庫）阿智太郎、読了。 - 01/04/12 00:00:00
本日の調子: 「うおーっ！」と叫んだヘレン・ケラーなみ。

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＃４月１１日
まぁ、いつもの阿智太郎ぶりである。しかし、２巻が登場人物が出てくるだけの今後の布石といった感じだったのが、今回ようやく物語として動き出した感じである。さて、何巻続いて終わるかね？（笑）
うーん、今回は前回俺が叫びまくっていた唐子とのラヴ・コメとＬＯＶＥがちょっと入ってきていてずいぶん良い感じである。
が、お話はありきたりというか、なんというか。阿智太郎らしい馬鹿馬鹿しさがちょっと欠けていたかな。「偉そうな犬の俳優」が前半であっさり下僕に貶められてしまったら、もう笑える話にはならんよ、これは。まぁ、漆野刑事にルドビコ療法さながらにムゴイ死体写真を次々と見せられる銀之介あたりは笑えたけどね。出来は中の下ですな、ふむん。ま、唐子が知ってかしらずか、ラストにあずさに嫉妬しているところに期待ですな。どうか次回はもっとＬＯＶＥ度が上がっていますように。

P.S.最後の＜いっておきたいたくさんのこと＞の６番目、「『魔法少女物ってたくさんあるのに、魔法少年物って聞いたことないなぁ』馬鹿小説はこ～ゆ～くだらない思いつきから生まれるのである。一応、メモっとこ」とあるが、それで『ハリポタ』があんだけ売れてるんじゃん！！とツッコミをいれさせてもらおう。おしまい。
【→bk1】

新装版『重機甲兵ゼノン全４巻』（アッパーズ・コミックス）神崎将臣、読む。 - 01/04/10 00:00:00
本日の調子: 作者は呪われているが作品は幸せだったと思うな、俺。

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＃４月９日
最終巻は一ヶ月、予定より遅れての出版である。作者も３０ページの加筆、相当悩んだ様子。３０ページの加筆があるという新装版４巻目を待たずして旧版の全４巻の感想をアップしたのだが、やはり新装版全４巻の感想も簡単に書いておきたいと思って筆を取った次第。
そうかー、全１０巻構想だったのか。それを与えられた３０ページで表現するのは確かにツライ（涙）。しかも大体俺がこの作品に触発されて考えた物語と今後あり得たであろう作品プロットが似ていて大変驚く。これと『ＡＲＭＳ』を足したような話を当時は考えていたんだけどね、オチがエヴァなのでエヴァ見てもう完成させる気は完全に失せてしまった。最終決戦場はクナシリ島ではなく、別の島だったけどね。核戦争起こす理由も全然違うけど、孤独にそれを阻止しようとするくだりは一緒だしねぇ。なにか失われた自分の過去の作品の断片を見せられているような気がしてならなかった。ラスト、人間の体に戻さずに否定していたのだろうかね？俺は戻しちゃったんだけど。そこらヘンにハッピーエンドを見いだしていたことろが俺は甘ちゃんだったかな？
新装版で是非４巻そろえて読んで欲しい。ってゆうか、今でもサイボーグ漫画の最高峰だと思うんで（変身すると服が破けちゃって着替えが必要なんて、『ＡＲＭＳ』より先にやってんだもんね）読んで！！
【→bk1】

『未完兵装ルナシャフト１』（Kadokawa Comics A）原作：金子良馬・作画：山口恭史、読む。 - 01/04/08 00:00:00
本日の調子: 試験管ベビーのロボジョックス訓練生なみ。

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＃４月７日
アニメ『ジーンシャフト』の原作漫画ということで読んだのだが、基本設定以外はずいぶんと話が違っていてこの巻では漫画の方がアニメよりはロボット・バトルなんかがあって楽しげに見える。
ただ小説（ノヴェライズ？）版のあとがきで、
筆者「男女比１：９なんですから恋愛とかも」
監督「いや、遺伝子抑制されてるから、恋愛とかは一切なし」
……なしですか。ガックシ。それって存在意義なしって云ってんのと同じジャン！！
でもアニメはともかく、漫画の冒頭はジャンボーグＡ形式＝ロボジョックス形式でリモート・コントロールされる巨大ロボットが月面で戦い合う「ルナ・バトル・トーナメント」のシーンから始まっているのでとにかくこの巻は「ロボ」だけで買う価値有りと見た。
物語としては主人公がそのロボジョックス・トーナメントに参加している幼なじみ（女）のオペレーターとして月に召還され、一緒に戦うことを強要されるシーンから始まる。特定の処理を強化した生体コンピュータ化された人間「レジスター」なんてものも出てきてあまつさえ名前はベアトリーチェ。くぅぅうう、すげーつかみはＯＫジャン。それでカワイイ女の子他にもいっぱい出てくるのにＬＯＶＥは無し、ってわかってるのはつれぇよなぁ。この巻の真ん中過ぎまではロボット・バトルなのでなかなか楽しめる。ああぁ、俺もロボジョックスだった時期を思い出すぜ。んで巻の後半、木星観測ステーションがレーダーに映らない謎の巨大質量と遭遇。「敵」の攻撃を受けて消滅する。その存在は２１年前に月で発見された物体によって予見されており、その地球へ向かっての進行が予想以上に早かった、というわけである。ルナ・バトル・トーナメントも実は「敵」と戦う兵士を選別するための計画の一環だったわけで、主人公とヒロインは突如軍属にさせられてしまう。むろん、他の優秀な選手達も同様である。逆らえばロボトミーしてでも作戦に参加させるというのだ。男女産み分けで数十年平和を維持してきたのも計画の一環だと知らされる。で、木星へ向けて最新鋭の空母が発進するところで１巻目は終わり。
うーん、なんか意味不明なリングとバチバチやってるだけのアニメよりはこの漫画の方がずっと面白そうなんだけどなぁ。絵柄もわりと好みなのでしばらくは買って様子を見てみるつもりだ。「実戦」でもロボジョックス状態なら嬉しいし、リモコンで戦うなんてなんか『タイマニック』（ミクロマンのあとの商品。テレビマガジン増刊で漫画化された）みたいだしね。というわけでとりあえず続きに期待。
【→bk1】

『市立戦隊ダイテンジン』（大都社）六道神士、読む。 - 01/04/06 00:00:00
本日の調子: はっちゃんのいないエクセルがこんなに寂しいなんて…

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＃４月５日
まぁ、簡単に云うと、エロ漫画雑誌掲載版『エクセル・サーガ』である。ただし、エクセル側はチョイとしか出てこなくて、博士（一体何のためにどーゆー立場で存在してるのかわからんおっさんで髪型は今と大体一緒）とその部下５名からなる戦隊が主役（今はイエローが居なくて六本松がいますな）。ちゃんと戦隊モノっぽいコスチュームに変身して、ゴレンジャー・ストームみたいな技とかも使ったりするが、乗り物はスクーター一台。敵はとにかく博士や隊員たちが「うざい」と感じたモノ（笑）。書名運動とかしてる一般民間人を射殺し、「ベスト・エレクトロン！！」とか云って光線兵器で皆殺しにしたり、デートスポットを破壊したりとどっちが街の平和を乱しているのかは一目瞭然である（笑）。そして無意味に付近にいた女性を拉致って犯人扱いし、尋問という名目で犯しまくります。これぞ外道戦隊の見本！といった感じですな。博士はすぐ爆破ボタン押したがるし。
それが９話入っていて、残りはマッドサイエンティストの父を持つ娘の話２話と探偵屋さんの話が２話。ふんだんにエロシーンが盛り込まれてます。
ああぁ、俺が持ってる同人誌でさえ六道神士はエロやってなかったというのに、あっさり商業誌ではエロやっていやがって……。（ま、俺が持ってるのがたまたまゲスト投稿だったから、というのはあるな）で、無論エロ雑誌に掲載とはいえ、エロに重点が置かれているわけではなく、とはいえ、このまま『エクセル・サーガ』連載に移行したってわりにはお笑いもエクセルほどじゃないんだよねぇ。なんだか、半端な感じ。でも読み終えてみると別に不満は亡かったりするので不思議な作品である。
鬼魔あづさの『おじさん以上恋愛未満』みたいな本だなぁと感じた。二人ともこーゆー道を経てアワーズに流れ着いた、ってとこも似てるし。
ああぁ、平野耕太センセも人間関係的にゴタゴタしなければ、元が同じ掲載紙なんだから同じ出版社から『コヨーテ』＆その他のコミックスが出たかもしれないのにねぇ。とことん世渡り上手くない人だよねぇ。
【→bk1】

『ライオンハート』（新潮社）恩田陸、読了。 - 01/04/04 00:00:00
本日の調子: 真面目に歌っている時の慎吾ママなみ。

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＃４月３日
ああ、ハードカヴァが古本屋に流れるのが早いので買ってすぐ読もうと思っていたのに３ヶ月以上放置してようやく読了。ってゆうか、読み出したら止まらなくて１日で読み終えてしまったけどね。そういう意味ではリーダビリティは高いかも知れない。各章でキチンキチンと話が区切れるタイプの小説だと読むの早いんだよね、俺。
各章ごとに一枚の絵がモチーフとなって話が進められて、５つの連作短編を読んでいるよう。しかし毎回一枚の絵を探してきてそこから物語を膨らませていくんだから、彼女の手腕は並みじゃないね。
エドワード・ネイサンとエリザベス・ボウエン。そこから始まって、この二人の「エドワード」と「エリザベス」のすれ違いの愛が時を越えて延々と語られて行く。物語の時系列はまっすぐではなく進んだり、戻ったり。そして逢瀬はいつも一瞬。それとなく長く合っていても彼と彼女だとわかるのはいつも一瞬。年齢も場所も立場も様々。時にエリザベスは幼い少女であり、うら若い乙女であり、老婆である。同じようにエドワードも時には熟年の老紳士であり、若い兵士であったりする。しかし、毎回必死の思いでお互いを探しあい、最後に確信するのだ「私のライオンハート」「愛しのエリザベス」と。
やっぱＳＦっぽい恩田陸は良いね！
第１章の女飛行士の着陸を見守る群集の中、少女と出会う話でつかみはＯＫ。
第２章で若い二人の一瞬の逢瀬がまさに絵になる話。おセンチ度はマキシマムに高まる。
第３章はミステリタッチではっと肩透かしを喰らわされたような気分になる。
第４章では話のスケールがだんだん大きくなって、ああ、そう来るか！と感心する。
そして、最終章の一番盛り上がるところではオチがわかっていながらもぶるっと来る感動はあった。
各章の間にはプロムナードという短い文章が挟まっていてそれが物語の蝶番になっている。この構成がまたウマイ。
「この話は、ケイト・ブッシュのセカンドアルバムである『ライオンハート』が発表された一九七八年に始まる」
それだけを覚えておけば最後になるほど、と思えるそうである。
なるほど、俺はこの作者自身の解説を読んでからそう思ったよ。なんでここが話の中心点なんだかいまいちピンとこなかったからねぇ。これでタイトルもしっくりくるし。作者の後書きとしてちょっとは書いておいて欲しかったな。
恩田陸はそんなに数読んでいないのでなんとも偉そうなことは云えないんだけど、パーツの一つ一つの出来は良い。今回はそれがジグソーパズルのピースのようにきっちりキレイに合わさって一つの絵が浮き彫りになる作品で、彼女の作品の中でも非常に良質のものだと思う。安心して他人にオススメできる恩田陸の恋愛小説である。
毎回の一瞬の逢瀬……まさにその瞬間はいつも切なさ炸裂だ！！
ちなみにこの小説は、『ジェニーの肖像』（ロバート・ネイサン、ハヤカワ文庫）のオマージュとのこと。うむむ、まだ現役の小説なのでそっちも読んでみなくてはと思う今日この頃だったりする。
【→bk1】

『過ぎ去りし日々の光』（ハヤカワ文庫）アーサー・Ｃ・クラーク＆スティーヴン・バクスター、読了。 - 01/04/02 00:00:00
本日の調子: クラークとツーショットを決めた飯島真理なみ。

コメント:
＃４月１日
スリランカの水分でしぼまずに済んでいる爺ィはたぶんほとんど手を出していないと思われるが、バクスターだけのハッタリとも思えないので２大ハッタリ野郎の大芝居と云えよう。やるな、英国作家、という感じ。タイトルはボブ・ショウの短編「去りし日々の光」に似てるが、話の内容は長編版『去りにし日々、今ひとたびの幻』に近い。一つの発明が人々の生活様式まで変えていっちゃう、という部分がね。
時は西暦２０３３年、５００年後に巨大彗星＜にがよもぎ＞が地球に衝突するとわかって人々が未来への関心を失いかけていた頃、アワワールド社のハイラム氏はワームホールを使った新しい通信インフラ技術の完成披露会を大々的に行っていた。そこで記者のヒロイン・ケートとハイラムの息子・ボビーは出会い次第に恋に落ちて行く。ある事件の濡れ衣を着せられたヒロインと＜脳鋲＞を頭に打ち込まれたボビーが己が出生の秘密を探って行くという二つの軸の間でボビーの腹違いの兄であるダヴィッドがワームホールの大型化と安定化に努めてついにボビーの云った一言をヒントに過去を覗く装置「ワームカム」を発明し、それがどんどん小型化され安価になり社会に広まり人々の生活を変容させて行く様が描かれて行く。ワームカムが過去を覗ける理屈はこうだ。ワームホールは２つの空間を時間差無くつなぐことができる。最初はそれがウリだった。で、ダヴィッドは６０光年先にワームホールを固定することに躍起になっていた。もしそれが可能になったら６０年分の時間を得することになる。ではその６０光年分の長さを持ったワームホールを同じ地球上に固定したら、６０年過去を覗く事が可能になる、というわけだ。
ワームカムは人々から過去のプライバシーを奪っていった。過去のどんな事件の実行現場をも押さえることができるようになった。その普及率はどんどん高まり、覗ける過去はどんどん遠いものになっていき、歴史家だけでなく普通の人々が知りたがっていた歴史的瞬間を、あるいはキリストの生涯やアーサー王伝説の真偽に至るまで次々と人類の歴史は暴かれていったのだった。
かつてハイラムが妻と神への信仰に対する対立に遺恨を持っていたのだが、やがてそれも無意味なものとなった。＜にがよもぎ＞（ワームウッド）が確実に５００年後人類を滅ぼすことを知った人々の目はもはや過去にしか向かなくなり、ワームヘッドというワームカムに常時接続するものさえ現れ出した。人類世界は未来を失ったかに見えた。
だが、最終章、ボビーとダヴィッド、二人は＜ステープルドン＞（このネーミングセンス、最高）となって限りない過去への旅を続け、原始の地球にあるモノを見る。それはそう、壮大ですばらしいモノだったのだ！二人は過去の果てにすばらしい人類の未来の手がかりを見出すのだった。
ダサコン前から『フラッシュフォワード』と「時間覗きモノ読み比べ」をしようと思って読んでいたのだが、こぉーんなに字が大きくて行間が空いた上下分冊なのに思いの他読むのに時間がかかってしまった。あと、ワームホールによって過去が覗ける、という理屈が読む前は良く分かっていなくて、いつになったら未来の風景が見られるようになるんだろうとか思っていたのであった。完全に『フラッシュフォワード』とごっちゃになっていたのね。で、読むにしたがってどんどんどんどん過去へ過去へと視点が移っていくのでようやく「ワームカム」は過去しか見られない発明なんだ、ということを理解したのだった。情けない話である。
いや、とにかく上巻はたるいね。なんとかしてくれ！って感じ。だけど、過去の歴史（特にキリストの生涯あたり）が次々と暴かれていくあたりから話は急速に面白味を増す。ここら辺の「真実の過去」は所詮、作者たちの捏造、つまりハッタリなわけであるがそれなりに読んでいて面白いのでたいしたモンだと思えてくる。＜ワームヘッド＞や＜ジョインド＞とかガジェットも増えてくる。中盤を越えたあたりからようやく面白くなってきて、最終章近くでは畳み掛けるように壮大なヴィジョンが展開されハッタリもここまで来ると感動の領域であるといった感じに襲われる。うーむ、どこまでがクラークの分担かしらんけど、ラスト付近はさすが巨匠、見事ですと云いたくなってしまう。が、やっぱり『タイム・シップ』のバクスターのハッタリなのかしらん、という疑惑も持ちあがってきて作品そのものよりはそこら辺の分担がどうなっているのかとかが気になってしょうがなかった。
ワームホール理論と、ラスト近くで語られる原始地球が荒々しい氷河活動によって被害を受けたこと、原始生命が深い地下に待避することで地球の初期の爆撃を生き延びた可能性について実際の論文とかを参照していたことは非常に興味深い。まったくの嘘ではなくてある程度最新の真実味のある説が作品に反映されていたからこそ面白かったのだなぁ、と思うとやはり『新世紀未来科学』の様な本がもっと読まれるべきなのでは？と思ってしまった。
とにかくクラークの名前が必要以上にでかかったり、文字もでかくて行間も空いた上下分冊になってるところは商売上やむをえなかったとして許す。
久々に目の眩むような壮大なヴィジョンを魅せられてまずは満足と云ったところだろうか。良くできていると思うので是非ご一読あれ。
【→bk1】

『新世紀未来科学』（八幡書店）金子隆一、読了。 - 01/04/01 00:00:00
本日の調子: タカラ・サイボーグ研究所所員なみ。

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＃３月３１日
これは大当たり。ＳＦ者なら燃えて読めるね！金子隆一って昔、石原藤夫と組んでたハードＳＦの人、ってイメージがあるんだけどしっかり現役でＳＦＭに原稿書いてたりするのよね。
ここ数年の俺は良く「現実がＳＦに追いついてしまった。ある部分は追い抜かれてしまった。だから今のＳＦは輝いていない」みたいな発言を繰り返してたわけだけど、こうやって正々堂々とＳＦが予見した未来技術と現代の最先端科学を並べて比較されちゃうとなんだかわくわくしてきちゃうんだよねぇ。不思議だ。
構成はＳＦに登場する未来科学とそれに続けて現実の最先端技術が述べられる、という感じ。
目次というか、表紙に並べられているトピックを見ているだけでもわくわくする。「軌道エレベータ」に始まって「人間原理」で終わっている。取り扱っている技術のトピックとそれが最大限に利用されているＳＦ文学の紹介、そして現実の「正しい科学」。アニメやヤングアダルト文庫の跋扈で真のハードＳＦ考証がおざなりになりつつあるなかで本書は非常に貴重な存在と云えよう。なんか最近は舞台が宇宙だったらＳＦ、ロボットだの宇宙船だのメカが出てくればＳＦ、遺伝子改良されてれば（但し穀物以外）ＳＦ、みたいな風潮があるし、実際、映画『アルマゲドン』を見て笑わずに泣いちゃう人の方が多いわけでなんとも悲しい世の中になったものだと思っていた。皆、小学生以上の理科知識は生活に必要ないからって忘れてしまうものなのかいねぇ。
俺もどっちかっていうと「ＳＦ考証なんてどうでもいいじゃん、要はワンダーよ、ワンダー。人間っぽい宇宙人や神様が出てきたってＯＫだし、自動車でクラッシュするのが快感な世界を描いてくれても超ＯＫよ」とか云っている人なのだが、やはりキチンと押さえてくれるべきところを押さえてくれるというのは非常に大切なことだと思う。ＳＦのＳはサイエンスのＳ。未来科学の演繹作業の前に既存科学の本質的な部分は嘘無く描いて欲しいというのが本音である。
とか云いつつ、本書を手にして真っ先に「サイボーグ」と「人工知能」のページを開き「サイボーグは『マン・プラス』以外認めねーよ！」とか云ってたらホントに『マン・プラス』だったので感動し、人工知能は『二〇〇一年宇宙の旅』のＨＡＬで予想通りで拍子抜けだったが次の「究極のコンピュータ」の章でいきなり『H・A・R・L・I・E』とか渋いタイトルを持ってきているので感動してしまったザンスよ。その他、人工言語は『バベル－１７』だったり、情報生命は『キャッチ・ワールド』だったり、テレポーテーションは『虎よ、虎よ！』だったり、シメは人間原理で『宇宙消失』だったりともう大喜び状態である。
ＳＦ文学とリアル・サイエンスが並んで語られる本ってもっと早くに登場してもよかったと思う。それこそ今回も金子氏が協力を仰いでいる石原藤夫氏が元気だった７０年代後半から８０年代前半にかけて出ていても良かったんじゃないかなぁ、と思う。（ブルーバックスあたりを漁ればあるのかも知れないけどね）でもまぁ、この本が２１世紀まであと十日という時に書かれて、無事出版されたことを素直に喜びたい。ハードＳＦファンでない人にもオススメである。
ｂｋ１ではたいぶ売れたみたいだけど、一般の書店では見かけない本だと思うので、見かけたら是非手に取ってもらいたい一冊である。
【→bk1】

『ひっち＆ＧＯ!!１』（ＭＦコミックス）永野のりこ、読む。 - 01/03/31 00:00:00
本日の調子: キタハラくんなみにブルーだったりして。

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＃３月３０日
しまった。こんなもんが１月に出ていたとは知らなかった。『永遠のなかまはずれの国』をネット書店で注文しようと思って発見してオンライン書店でＧＥＴしたのだった。
たまにマッドサイエンティストとか電波な話をメインに据えずに描こうとするとこうなるのかい、永野？という感じ。全体的に漂うのはアナクロ～っぽいテイスト。
主人公「安五郎」は珍しく眼鏡くんじゃなく、すげこまくんに出てたキタハラくんっぽい感じだけど中身はヨシオ＆電波オデッセイな感じのダメダメ人間（笑）。一方、魔界から人間界に憧れて逃げてきたヒロイン「ひっち」は黒皮ボンテージっぽいファッションでフジエダ暴走モードに近い感じ。二人はコンビニで出会い、魔界からの追っ手から逃れつつ、フツーの生活に憧れながら暮らしてゆくのだった。
安五郎はもー、すぐ泣いて詫びていじけて謝りまくりだし（無論相手無しで勝手に妄想）、ひっちは人間界でぼけまくりで、魔界のモノと対峙するときは容赦なくフジエダ・バトルモードへ突入。とまぁ、キャラはちょいといじってあれどもいつも通りの永野節全開といったところでしょうかな。
後半「ドクター・チェイ」とかゆー眼鏡でマッドな人がでてきちゃうけどね、この作品の唯一の良心である高津兄妹とか居たりして一応まとまってはいますな。
まぁ、駄目男に人外女のカップルにどんなオチを持ってくるのか例によってまったく予測不能だが、永野さんがのびのび描いているようなので暖かい眼差しで見守っていってあげたいと思うです。はい。
【→bk1】

最近の続き漫画。 - 01/03/30 00:00:00
本日の調子: 勝手に歌を作って歌いまくる炎尾燃なみ。

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＃３月２９日
 『破壊魔定光４』（ヤングジャンプコミックス・ウルトラ）中平正彦
とにかくコオネが良い。しかもやよいと定光がちょっとラヴコメってるのも良い。平行宇宙では母子、というところが作中人物たちの葛藤を生んでいてそれがラヴを阻害しているようだが俺はまったく全然気にしてないぞ。もっとＬＯＶＥを、定光！！
【→bk1】

『ぽちょむきん２』（アフタヌーンＫＣ）北道正幸
１巻もかなり笑えたが俺的には２巻のテイストの方が好み。何度も読み返してしまう。特に変身ポーズをセル画に落とすところとか、空飛ぶタクシーとか、それと何よりも首都高をずどどどど…と走りまくるハルカとマドカが良いですなぁ、うむ。
【→bk1】

『ＳＦ／フェチ・スナッチャー２』（白泉社）西川魯介
こんなもん、２巻に分割せずに１冊でだせよ。まぁ、中身も惰性だな。フェチ・スナッチャーの最終話がウルトラセブンのパクリなのは大変好感が持てたけど。あと巨大古代生物ｖｓドイツ軍秘密兵器漫画は必読かもね。
【→bk1】

漫画版『住めば都のコスモス荘１』（電撃コミックス）原作：阿智太郎、漫画：矢上裕、読む。 - 01/03/28 00:00:00
本日の調子: へんちん出来ないポコイダーなみ。

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＃３月２７日
やっぱ阿智太郎はＳＦの人なんだなぁ、とか今更云ってみたり。
電撃アニメーションマガジンに連載されていたもの。ブギーの漫画版は買わなかったのにこっちは買うというのは愛の差。
いったいどこまで続くのかが不安な所ではあるが、この１巻目で登場人物全員のコスモス荘入居が決まったところで終わっているのであとはいつでもラストに持っていけるのかな、と邪推（笑）。
銀河連邦警察に常にモニタされてるシーン以外はほとんど小説そのまんまである。
ってゆうか、イラスト付き小説ってやっぱイラストの威力が大きいよ。電撃ｈｐに最初に載った時は絵は矢上裕じゃなかったんだもんね。正直つまんなく感じたし。でも単行本がこのイラストで出たときには印象は１８０度変わった。それで今度はイラストが小説を踏み台にして暴走したらこの漫画になったわけである。ふむん、なんとも不思議な現象よのう。電撃ｈｐコミックスペシャルに載った漫画がかなりイケてたのでこれもかなりイケるんじゃないかと思ったのだが予想以上の威力でした。ネームは矢上裕が切ってるのかな？だとしたらかなりうまいと思うけど。
いやぁ、ホントに電撃はメディアミックスな攻撃がうまいねぇ、と感じた一冊だった。
小説読んでなくてもＯＫなので、『エルフを狩るモノたち』の矢上裕の漫画だと思って読んでみることをお勧めしますな。特にずっこけ変身ヒーロー物が好きな方にはオススメ度大なりよ。
【→bk1】

ダサコン５、開催。 - 01/03/26 00:00:00
本日の調子: ♪イイ湯だな、はー、びばのんのん。

コメント:
＃３月２４日～２５日
箱根温泉でのダサコン５の感想はこちら。

『黒い仏』（講談社ノベルズ）殊能将之、読了。 - 01/03/22 00:00:00
本日の調子: ボクはムーンレースなんですよーと叫んでいる黒い人なみ。

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＃３月２１日
アントニオ、イカス！！！
その一言に尽きますな。いやー、俺、『美濃牛』読んでいなかったけど、この薄さなら殊能ワールド体験できるかなーと思って買おうかどうか迷っていたんだけど、「ＳＦ系の人なら大丈夫」というあまりたよりにならない押しを受けて買ってしまったわけだけど、読んで正解。だって殊能ワールドどころか、ザ・ワールド（ＤＩＯ様のスタンドよ）の世界を堪能できてしまうとは思っていなかったからなぁ。うぬぬ、恐るべし殊能将之。
九世紀、天台僧が唐から持ち帰ろうとした秘宝とは？その宝捜しの依頼を受けて、助手のアントニオを連れて名探偵・石動戯作が調査に行った寺には顔を削り取られた奇妙な黒い本尊が。そして時を同じくして起こった、指紋一つ残されていない部屋で発見された身元不明の死体と黒い数珠。事件は石動を巻き込んで＜驚くべき＞終局へ。というのが本作品のあらすじである。
ページを開くといきなり「ジェイムズ・ブリッシュに捧げる」ですか。胡散臭い。
場所は阿久浜。岬のあるさびれた町のようだ。訪れた安蘭寺の住職、名は星慧。顔のない黒い本尊、黒智爾観世音菩薩。＜くろみさま＞と呼ばれている。蔵に眠るのは虫の鳴き声を綴ったような奇妙な経典。探し物のお宝というのも何かの経典らしい。
と、実はある分野に詳しい人ならもうここまででネタバレ満載らしい（苦笑）。ダサコンで加藤さんに解説を受けて感心しまくりでしたわ。ＳＦＭの東編集長の解説を読んでなるほど、と思い副読本【クトゥルー神話事典（学研Ｍ文庫）東雅夫・編】も買って読後少しは勉強したんだけど、その筋の人の解説を聞くとなるほどなるほどですな。
比叡山から来た若い僧、夢求。物語は彼がやって来た丁度中盤から常軌を逸した展開を見せ、アントニオは主人を守るべく＜力＞を発揮する。
……こ、これはっ！？スタンド能力！？（笑）
殺人事件担当の中村警部補に石動が依頼人である大生部のアリバイ崩しを解説をしたとたん、世界は止まった！（ここは馬路で爆笑ポイントだ！！）んで、一瞬の目も回る展開。そして石動は見事殺人事件を解決し、宝探しの依頼もほぼ正解の回答を出し、名探偵ぶりを発揮して去ってゆく。だが、物語の最後の１行が「名探偵が世界を変える！」という帯の文句を体現しているのであった。
なははは。これは確かにキてますな。ま、俺的にはＯＫだったけどね。『美濃牛』を読んでいなかったり、新本格に毒されていない俺としてはイマイチ、ラスト方面のショックが少なかったかもー。でもＳＦ寄りの人にはウケて、正当ミステリを期待してた人にはこけおとされるのも分かる気はするね、うん。
いやぁ、田中啓文の変な空海が出てくる小説の後に、変な最澄の弟子達が出てくる話を読まされちゃってなんか正直ぐったりなりよ（笑）。
この作品の最後の１行に「ひっでー！！」と賛辞の言葉を贈ろう！！ま、とにかく読んでみるべしですな。
【→bk1】

『セックス★マシーン１』（ビーム・コミックス）ヒロモト森一、読む。 - 01/03/20 00:00:00
本日の調子: 「合体」を初めて国語辞典で引いたときのショックなみ。

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＃３月１９日
なんか随分前にタニグチさんが紹介していた気がするが、現物を見たので買ってみた。
圧倒的パワーで押し切る、セクシャル・バイオレンス漫画。いちおー歴史改変モノなのか？昭和７４年だし。
「SEX☆MACHINE…鋼鉄の細胞を有する霊長類ヒト科２輪目。生殖行為による快感エネルギーを体内のメカで爆走パワーに変換する機械人間。１５世紀初頭、狂馬病の蔓延でニッポン中の馬が絶滅し、その代わりに使用される。1543年、ポルトガル人により鉄砲と共にニッポンに伝来した」とまあ、すごい設定ではある。
主人公は元暴走族の女警察官ヨシムラ・スズカ（番号は６番）である。
普通は女性形のSEX☆MACHINEに男性が乗る、というのが自然で速いらしい。競馬には詳しくないがレースによっては牝馬が有利なこともあるとかあるらしいがこの漫画の場合はセックスしながら公道を走るわけなのでその組み合わせが一番自然なのはわかる。スズカはエースという男のSEX☆MACHINEに乗っていて、張り型を彼のアナルに挿入している。男が男のSEX☆MACHINEに乗る時も基本的にはアナルにイチモツを入れてもらうらしい。が、主役であろうかつて織田信長の騎馬であった伝説のSEX☆MACHINE「ＺＥＲＯ」は腰を反転させて自らのイチモツを乗り手に挿入する形態を取ったりする。これは珍しいようだ。
しかし、ＳＥＸしないと走らない乗り物ってことは超絶倫じゃないと長時間運転できないってことだよなぁ。なんか無理があるっつーか、やっぱすげー設定だよな、うん。
女マッドサイエンティストの手によって博物館で眠っていたＺＥＲＯは拘束具（鍵）付きで無理矢理目覚めさせられ「公開イベント」としてテストドライヴされる。そして次第に蘇るＺＥＲＯの信長との戦いの日々の記憶。そしてＺＥＲＯがついに暴走したとき、それを制したのはスズカだった。どうも彼女は蘭丸の子孫か生まれ変わりらしく、ＺＥＲＯと不思議な絆で結ばれてゆく。
そして突如現れた少女ミカを取り込み、織田信長の銅像から蘇ったのは死神の如き様相を呈した謎の存在「ＤＥＡＴＨ」。彼が信長を殺したとＺＥＲＯは云う。果たして物語はどう転がってゆくのか？今後が楽しみな一冊ではある。
【→bk1】

『魁!!クロマティ高校１─黎明篇─』（マガジンＫＣ）野中英次、読む。 - 01/03/18 00:00:00
本日の調子: 高校デビューしたタクちゃんなみ。

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＃３月１７日
いやー、発見が丁度一ヶ月遅れちゃったね。しかしこんなものが週刊少年マガジンに連載中だとは知らなかった。『泣くようぐいす』亡き後、『むしまろ』ぐらいしか楽しみがないと思っていたのに。愉快だ。愉快じゃないか、諸君！！
俺は不覚にも電車の中で幾度となく吹き出して周りの人に怪しまれてしまったことよ。（あー、珍しくブックカバーかけてもらったからって、こーゆーもん車中で読むモンじゃないですな）
『課長バカ一代』を初めて見たときも「こんなタッチが池上遼一風で一見『課長島耕作』風のマンガなのに内容はなんてバカなんだ」と驚愕した覚えがあるが。イイ味出してますね、野中英次は。
まず表紙の折り返しにある「魁!!のなか日記」でタイトルを決めるまでのいきさつだけでも笑える。
「舞台は日本一のワルの巣窟だからなぁ」
「やっぱ”黒”とかついてると悪そうだよね」
「黒、くろ、クロ……はっ！！」
「ク、クロマティ！！」
いいのか、そんなんで（笑）
主人公の神山くんがいじめと戦う勇気をくれた中学の学友、山本に「俺がやる気さえあればどんな場所でも勉強できることを今度はお前に教えてやる！」といわんばかりに入学したワルの巣窟、クロマティ高校。しかし肝心の山本はクロ高にも落ちてしまい、ガリ勉でマジメな神山くんは一人この凶悪な学園で生きて行かねばならないのであったが……。
主人公の神山くん、まともで顔も激画調なんだけど頭のネジがなんか２、３本ゆるんでる感じで、いつの間にやらしっかり学園に適応し、「神山軍団」ともいえる珍妙集団が出来上がってたりするのだった。顔は怖いが乗り物に弱い裏番の竹之内くん、強いのに渾名がないのでイマイチ目立てない前田くん、学園支配の野望に燃える白ラン・北斗武士、もはや高校生に見えないフレディ、もはや人間ではないゴリラやメカ沢など物語に登場するキャラクターは果てしなく暴走してゆく。
それになんといっても俺のお気に入りはクロマティ高校の校歌。勝手に節を付けて歌ってます。
「♪楽をしても～苦労、苦労、あーあー、クロマティ～我らが母校～」
やっぱ池上遼一風の劇画タッチで真剣にかまされるボケがこの作品の良いところなんだよな。で、気になってマガジンの連載の方も読んでみることにしたんだけど、なんかノリが今一つだったように感じた。この「黎明編」でキャラはそろった。これからそれらをどう転がしていくかが見物であろう。
【→bk1】

過去の日記(01/3/5～01/3/15)を見る

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