本 99.1.6更新

98年「本」を振り返って by モノ 99.1.6

昨年は、トム・クランシーの「日米開戦」とフィリップ・k・ディックの「アンドロイドは電気羊の夢を見るのか?」を読みました。T・クランシーは「レッド・オクトーバーを追え」などで有名ですが、冒険小説ものとして、とても細かいところまで書き込まれて話に引き込まれていってしまう。それもこの作者の情報収集能力と最新のテクノロジーを上手く紹介しなおかつそれを上手く描き込んでいる点が魅力の1つという事でしょう。又ジャック・ライアンという魅力的な人物が中心となって題名が変われど、登場人物はジャックゆかりの人々が絡んでくるなど、読みやすく又感情移入しやすい構成となっています。最近は「容赦なく」という題名のジャック本人は出てこないが関係者が出てくるものを読んでいます。ディックの「アンドロイド・・」はあの映画「ブレード・ランナー」の原作本ですが、ちょっと映画を最初に見ていたので感じが違いました。映画には本のような宗教や機械生物の飼育などは描かれていなかったので面食らいましたが、むしろ本の方が物語的にはおもしろく新鮮でした。映画の方はすでに映画史に残る名作として有名ですが本の方もそのカテゴリーの中では名作として高い評価を得ていることは言うまでもありませんが、文庫化から20数年を経った今でも新鮮でおもしろい本です。 マンガはほとんど読んでいないので特別この作品がといったコメントはありませんが、昨年石ノ森章太郎氏が死去されたのが最大のニュースでした。私が子供の頃に夢中になったヒーローもの、ファンタジーものの原作者であると同時に、本業では実験的な作品などを発表して戦後のマンガを支えてきた功労者でした。一ファンとしてご冥福をお祈りしたいと思います。