映画館がやってきた! 映画鑑賞記

GODZILLA

■DATA
日本劇場(有楽町),SDDS,1998.7.13

Story

 フランスの核実験のために、イグアナが巨大化して産卵のためにマンハッタンにやってきた。

感想

■日本語字幕版
○ゴジラその人
 まず、一番の問題になっていると思われるゴジラ本人のデザインについてです が、玩具で見るとエイリアンみたいでとっても変ですが、映画では全く不自然に 感じませんでした。
 というのも、映画の中でも全身が写るのはわずかなシーンで、ほとんどは、手、 足、頭、しっぽなどの部分のアップ。全身が写るときも、後ろ姿だったり、とに かく全体の形がよく分かるようなシーンがあまりない。そして、たいてい玩具と 違って前傾姿勢を取っています。
 その上で、部分部分がなかなか良くできているので「とてつもなく大きい物」 というイメージだけが強烈に残ります。

 マンハッタンのビルのあいだを、ずお〜っと通り抜けていく様は、スター ウォーズのオープニングで戦艦スターデストロイヤーをなめていくショットの イメージで、ゴジラでは、窓の外を鉤爪が見え、胴体が通り、足が見えて、 しっぽが長々〜と通り過ぎてゆき、最後に左右に揺れるしっぽの先が高層ビルの 窓ガラスを「ずしゃ〜」っと壊して去っていく。
 これで「お〜でかいなぁ」と思ってしまう。なかなか良くできたショットです。

 初代ゴジラの精神に忠実に作ったと監督は言いますが、確かに、核を持った 人間の愚かしさに自然からの報いを受けるという点は同じだと思いました。
 最初にゴジラにおそわれるのは日本の遠洋漁業船なのですが、画面に東洋人が 写っているとなんとなく「日本映画みたい」と思ってしまうから不思議。

 今度のゴジラはもちろん、初代と血のつながりがないのでデザインが違うのも 当たり前といえば当たり前なのですが、「人にゴジラと呼ばれる存在」と考えれ ば納得がいくのではないかと思います。

○特撮
 特撮の出来に関しては、ジュラシックパークと比較されるのだろうと思います が、ジュラシックパークがクローズアップが多かったのに比べて、ゴジラは 雨の中のロングショットが多いので印象はだいぶ違います。ただ、カメラ自体が ゴジラを追って高速で移動するシーンが多いのが最大の違いでしょう。
 とにかく全編スピード感があふれています。

○人
 私はもともとLEONから入ったジャン・レノファンなのですが、 ゴジラではジャン・レノが実に良い役(謎のフランス人(^^;)をやっています。
 ジャン・レノファンは見るべきでしょう。じつにオールマイティーな鉄人ぶり を披露してくれます(^^) ジャン・レノは、なんだか死に役が多いのですが、 今回は最後まで格好いい立ち回りが見られるので、ファンとしては安心です(^^)

○音響
 音響的にはソニー系列だけあってSDDSがメインフォーマットなのですが、 マリオンの日本劇場では結構迫力のある音がしていました。
 最高の音で聞くためには映画館の中央で聞く必要があるのですが、良い席は しっかり指定席エリアなんだな。
 前の方に座るとフロントチャンネルの音しかしないので、ぜんぜんサラウンド になりませんが、ある程度後ろなら無数に飛び交うヘリやミサイルの音で目が 回りそうな感じです。早くDVDで発売されて自分のホームシアターで見るのが 楽しみ。SONYが自社のDVD機器の宣伝に使っているので間違いなくDVDで発売され るでしょう。

 雑誌記事では監督が次回作についても臭わせていますが、ぜひ続編を作って もらうためにも、映画館に行きましょう(^^)

●グッズ
 玩具サイズだとエイリアンみたいで可愛くない米ゴジラですが、二頭身に デフォルメされたマスコットサイズのゴジラが、そりゃも〜可愛い。 大きさは、高さ25mmくらい。
 イメージとしては眼光鋭い「ごきげんザウルス」(?)という感じかなぁ。 吸盤でくっつタイプと、ボールペンのノック部分にゴジラがついているタイプがあり、 腰がどっしり座ったデフォルメキャラが実にいい。買いました(^^)

■DVD廉価版

[2000.6.20]
 米国版LDで我慢していたのだが、廉価版発売につきDVD購入。
 画質はさすがに解像度は高いが、なんとなくコントラストが物足りないし、色が横方向に 滲んでいる気がする。冒頭の"CENTROPOLICE"(?)の細字のロゴのオレンジ色がはみ出しているし、 場面転換でピピピピっと入る緑色の文字も、色が乗っていない。キリキリしない。
 というわけで、画質は期待ほどではないがま、字幕はあるし、音声は良い。
 一般的な映画にくらべるとLFEの使い方は明らかに強烈で、他の5chに入っている 低音も普通以上なので、普通の映画で低音モリモリに調整している人がゴジラを 再生したら収拾付かないのではないかと思うほどの低音だ。
 最近スペアナ表示をさせながら映画を見ているが、ゴジラは20Hzまでフルスケールで バリバリ入っていて、LFEだけ出力してみても、20-120Hzまでフラットに振り切れている 感じ。
 あんまりうるさい(^^;ので、SWの周波数を40Hzまで絞ってみたが、そうすると甘くなってしまう ので、やはり120Hzまでフラットに出して、そのかわりボリュームを上げすぎないで、 メインLRに頑張ってもらう。というのが、格好いい響きのコツのように思える。

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文:唐澤 清彦 映画館がやってきた!