慶悟沙彌の「今月の言いたい法話」

1998年6月の法話

 ワールドサッカー日本代表初参加で日本中が興奮したのが6月でした。日本サッカーはプロ化して僅か6年、まだまだ心身共に幼稚園なのに、あまりにもサポーターを始め国民が期待しすぎたのではないでしょうか。

 確かに、第二次世界大戦以後これほど多くの人が、世界の中の日本を意識したことは無かったでしょう。オリンピックも意識はすますが、個人、若しくは団体の世界記録塗り替えが注目されますから、サッカーのワールドカップとは違ってきます。

 言うなればワールドサッカーは平和的世界戦争なのです。それだけに勝つか負けるかの必死の戦いなのです。そこへ日本が参戦したのですが、平和ボケした、勝つための執着心が無い戦後の世代に、世界は立ちはだかったのです。シュートを失敗して、ミスパスをしてニヤニヤ笑うプレーヤーは日本だけでした。試合前日に遊園地で遊んだジャマイカでさえ試合中には真剣勝負をしていたではありませんか。

 幼稚園児が大学生に喧嘩してもかなわないのは当たり前です。しかし、同じ負ける事が現実的に解っていても、その戦い振りに多くの問題点を提議してくれたと思います。

 でも、4年後のワールドサッカーでは、今回の反省のもと、必ず良い結果を出すのが日本です。決してこれに懲りずに、これからもプラス思考で応援続けましょう。

 世界の壁は、我々日本に大きな教訓と試練、そして、自己分析と判断を誤るな!と教えてくれました、

 増長は身を滅ぼします。如何に努力しても足りることはありません。世界にはそれぞれの道で精進している人が、その人間の数だけいるのです。

 だから、おもしろいのです。やりがいがあるのです。そして、どの分野でも、同じ道を志す者同志、戦い、分かち合い、心を通わす事の喜びと、その姿の純粋さに感動し、世界の頂点に到達した人達への尊敬の念は、大喝采となるのです。

 結果はどうあれ、純粋にそれぞれの目的に向かって一生懸命な姿勢は子供から大人まで老若男女問わず素晴らしい。そして、平和的に世界の人々と争い、認め合う事を教えてくれた事が、ワールドサッカー98”の大きな産物だったと思います。

 人間は全てのことに対して、謙虚に生きることが一番大事なことではないでしょうか、そこから、次のステップが生まれるはずです。

                           乱文御免 合掌

発信者*教信寺塔頭法泉院法嗣*慶悟沙彌

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