慶悟沙彌の「今月の言いたい法話」

1998年5月の法話

 今年の天候はまさに異常気象で、地球全体に色々な現象が現れています。地球上に命が誕生して以来、植物と動物が築き上げた気の遠くなるような相互関係が、微生物を交いして自然界の浄化サイクルを繰り返し完成させてきました。しかし、産業革命以後の人間が自然界のサイクルで浄化しきれない物質を、数多く地球全体に放り出してしまいました。それらは、手工芸の時代に作られていた本物の代用品になる物で、簡単に大量生産できる大変便利な物でした。例えば、今、身の回りの何処にでもある「錆びない」「腐らない」「壊れにくい」「加工しやすい」「単価が安い」プラスチック製品などです。

 そして、工場や車など、石油を直接燃焼させて出る大気汚染とともに、今問題になっている化学合成物質の焼却によるダイオキシン発生、廃棄処理場から出る二次汚染がクローズアップされてきましたが、使い捨ての化学製品や生活廃棄物の処理問題は何も解決していません。これら、自然界の浄化システムを働かせなくしてしまう様な、地球規模で行った産業革命の発展の行く末は如何なる結末を見るのでしょうか。

大気汚染、森林伐採や環境破壊による異常気象を引き起こし、安全で安定した食料供給に苦しむ時代にまもなく直面します。愚かな人間達の強欲は、地球上の全ての生命存続に危機をもたらしているのです。

 温暖、地震、噴火、干ばつ、洪水、台風、竜巻、熱波、寒波などの異常気象は、地球から人類への大いなる危険信号のメッセージです。

速やかに全人類が手を取り合って、あらゆる欲望に群がる思考から脱却し、平和的共存に目覚め、改善作業に取り組まなくては、いずれ人類も滅亡するでしょう。

 むやみな木造新建築を止め、リサイクル木材を使う工法がクローズアップされてきました、社寺建築も出来る限り新たな森林伐採を避けるためにリサイクル工法を考えるべきです。

欧州の石造建築は300年から500年以上の昔に完成された建物を現在そのままアパートとして民家に使っています。そして、森林は大事に自然保存しているのです。市民も行政も決して乱開発を許しません。

日本を始めアジア諸国は自然を大事にする心をどこかに忘れ去ったように、私利私欲のために乱開発を続けています。業界の利益の手先となった行政にそれをくい止める力はありません。だから、私たち国民一人一人が断固たる意識を持ち、子供や、子孫のために少しでも良い地球環境を残してあげる事が勤めなのです。

 家に庭のある人は木を植えましょう、山や田畑を持っている人は、それを残しましょう。花や観賞植物に興味を持ち、自然界からの恵みに感謝しましょう。

 神の教えも、仏の教えも、本来、大宇宙の中に人類がいかに他の全ての生命体に迷惑をかけないで存続していくことが出来るかと言う、適切なる生き方を説かれているのです。

その教えに耳を傾けなくなった国や人々から、滅亡が始まるでしょう。

私利私欲から離れ、憎悪の心を生まず、自己以外の全ての生命に慈愛の心を向けましょう。そのような人類の功徳と精進によってのみ、地球に共存する全ての尊い命を救えるのです。人類も大宇宙に存在する地球生命体の無くてはならない一部に到達しなくてはなりません。

 

 地球にとって、人類がガン細胞の菌となり、地球全土に転移する最悪の事態の前に、地球にとって有効な善玉菌に人類が変らなくては手遅れになりますよ・・・。

乱文御免 合掌。 

以上の写真は、Canon F1・FD 35mm~70mm F2.8~3.5 (マクロ)で筆者が京都府植物園で5月21日に撮影したものです。

発信者*教信寺塔頭法泉院法嗣*慶悟沙彌

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