Top Gallery Software Dialy BBS
かるた堂 in Galaxy Quest

 本ページのサークル名、店主等の呼称は、2001年時点のものであり、
 最新のものとは異なる場合がありますのでご注意ください。

 新世紀到来にともなう喧騒もそろそろ鳴りをひそめようかという2001年1月20日、店主木全直弘、フリーデザイナーA氏、雑用係酢こんぶで構成されるかるた堂メンバーは、新世紀最初の会合と、かるた新企画のネタを仕入れるため、映画「GalaxyQuest」の上映館へとやってきたのであった。


 開演ぎりぎりに入場口へたどり着いたわれわれだったが、店主の尽力により一般入場前に入場できることが確定していたため、スクリーン中央、やや前よりという最良のポジションを確保することができたのである。
 してやったりと会心の笑みを浮かべる店主木全直弘と対照的に、ややさえない表情のデザイナーA氏。
 今にして思えばこのときA氏は、この後自分の身に何が起こるのかを予感していたのかもしれない。


 「StarTrek」最初のシリーズを見て育った三人にとって「GalaxyQuest」は面白くないわけがない。さらにこの映画は単なるパロディというわけではなく、トレッキーでなくとも喜ぶ仕掛け満載である。三人は非常に満足し、帰りがけに立て看の前で記念撮影することになったのである。
 そしてまたしても対照的な二人。長寿と繁栄を祈る店主に逆らうように、誰に向かってであろう、呪いをかけようとするかのようなA氏。
 と、そのとき、
信じられないことが酢こんぶの眼前で起こったのである。


 A氏の姿が一瞬ぼやけたと思った次の瞬間、彼はまるで転送されるカーク船長のように、忽然とその姿を消したのである。偶然にも酢こんぶはその瞬間を写真に捉えることができた。
 あまりにも突然の出来事であったため、このとき店主はA氏が消えかけていることにも気づかず、にこやかに微笑んでいたのであった。
 なぜA氏が消えたのかは今もって謎とされているが、彼が消える瞬間を目撃した切符もぎ嬢のもらした
「ぎゃらくえ様のお怒りに触れたのじゃ」
という一言がいまも私の耳を離れない。
 神聖なGalaxyQuestの看板とその前で不遜なポーズを取りつつ消えたA氏の間に因果関係があるのかどうかは、今後の調査を待つほかないだろう。

 こののち我々はこのフロア内でA氏を探し続けたが、A氏の小指一本さえ発見することはできず、帰途に着くしかなかったのである。


 かるた堂は永遠に有能なデザイナーを失ってしまったのであろうか?失意の内に帰途に着いた店主と酢こんぶ。と、そこへ姿を消したはずのA氏がまたしても突然姿を現し
「なんで俺をおいてくんだ」
と叫びながら店主に殴りかかったではないか。戸惑いながらも応戦する店主。あまりにも激しい殴り合いに止める術を持たず、ただ戦いを見守るしかない酢こんぶ。
 おりしも夕刻より降りはじめた雪が渋谷の街と二人の姿を白く覆っていった。


 三日三晩続いた殴り合いに終止符の打たれるときがきた。A氏が店主からの焼き肉食べ放題の提示により、その怒りをおさめたのである。そしてA氏がどこへ行き、どのようにして帰ってきたのかについては、本人が説明を拒んだため永遠の謎として封印されることになったのである。


 こうしてかるた堂はデザイナーを失う危機を辛くも逃れ、より強い結束のもと再出発を果たしたのである。これからもこのような危機が何度も訪れるに違いない。そのときはまた「焼き肉食べ放題」がその真価を発揮することだろう。

 戦え、かるた堂店主、木全直弘。変化(へんげ)せよ、キマタダーOO(ダブルオー)


Top Gallery Software Dialy BBS