朝目覚めたらコンナになっていた。 42手め36歩でブーハ期待通りの藤井の法外なズッコケ芝居。
羽生の仕掛けは強引だった。
当家変化はこのゴーインマイウェイを5つのポイントに集約。ソレ以外は後手に逆転要素がない。 あとはこの要素の組み合わせをいかに楽しむか。右が結果。
1=43金が65金と出る＞実戦では藤井のオタスケで実現。
2=24桂をチラつかせて46歩を同金と取らせる＞藤井はやはり取った。
3=3枚攻めには双頭手＞角打ちか飛車打ちで攻め駒を抜けば逆転。
4=桂は双頭手で抜く＞74銀のハブエスケープ。
5=オチ。藤井は飛車が大好き。22飛がエサ。＞アンの場33と

22飛が対三枚攻めの影の主役なので躱すのはラク。羽生はかなり前から藤井の足元を見て楽勝気分。序盤の藤井のアンチョコ主義を懲らしめるにはエゲツない手で。そうでないと88銀変化などで組み合わせたりしない。藤井がスケベ心を出したのがイケナイ。羽生はあの日のことを思い出した。48飛はほとんどの変化でココに逃げるが本譜変化のみ55歩の空間開放双頭手で逆転されるので当家では例外。97桂は入玉阻止の手。前日の康光17桂を見て藤井はヒントを得た。ハブはこの桂を抜けば負けない。昔から点数計算ができない藤井に持将棋はムリ。だから桂を抜けば勝ちと同義語。ハブは歩さえあれば46歩でなんとかなるとしか思っていない。そのチャンスをずっと待っていただけなので周囲が想像するほど疲労はない。相手の力量を算段しただけでは芸がナイので41飛で面白い構図が初めて出来て一応満足。大回転飛車が気分爽快。あとは藤井の自虐日記なので二人は案外気が合う。

日時：2005.09.10
棋戦：A級順位戦
戦形：相振り 対三間向い飛車
先手：藤井猛
後手：羽生善治
▲７六歩 ▽３四歩 ▲６六歩 ▽３二飛 ▲７八銀 ▽３五歩
▲６七銀 ▽６二玉 ▲７七角 ▽５二金左 ▲８八飛 ▽７二銀
▲３八銀 ▽７四歩 ▲５八金左 ▽７三銀 ▲４六歩 ▽１四歩
▲４八玉 ▽４二銀 ▲４七金 ▽４四歩 ▲３九玉 ▽４三銀
▲２八玉 ▽７二金 ▲５六歩 ▽３四銀 ▲５五歩 ▽７一玉
▲５六銀 ▽８二玉 ▲９六歩 ▽１三角 ▲６五歩 ▽３三桂
▲５四歩 ▽同　歩 ▲４四角 ▽４三金 ▲６六角 ▽３六歩
▲同　歩 ▽４五歩 ▲３七銀 ▽２二角 ▲３八金 ▽２五桂
▲２二角成 ▽３七桂成 ▲同　桂 ▽２二飛 ▲４五歩 ▽３三角
▲９八飛 ▽８八銀 ▲９七桂 ▽７七角成 ▲７五歩 ▽８四歩
▲７四歩 ▽同　銀 ▲７三歩 ▽同　金 ▲７五歩 ▽８三銀
▲７四桂 ▽９二玉 ▲６四歩 ▽同　歩 ▲６二歩 ▽９九銀成
▲４八飛 ▽５五歩 ▲４四歩 ▽５四金 ▲６一角 ▽３一香
▲４五銀 ▽６五金 ▲３四銀 ▽７五金 ▲４三歩成 ▽７四銀
▲３三と ▽６二飛 ▲４三角成 ▽５九馬 ▲７八飛 ▽６九馬
▲４八飛 ▽５九馬 ▲７一銀 ▽７二飛 ▲６一馬 ▽４六歩
▲同　金 ▽４八馬 ▲同　金 ▽４一飛 ▲６二銀成 ▽４六飛
▲４七歩 ▽６二飛 ▲同　馬 ▽９六飛 ▲４二飛 ▽８二金
▲７二歩 ▽８三玉 ▲７一歩成 ▽９四玉 ▲８一と ▽８三金直
▲３五馬 ▽９七飛成 ▲８二と ▽８八龍 ▲３八金 ▽７六歩
▲７九角 ▽８七龍 ▲８三と ▽同　金 ▲９七金 ▽８九龍
▲６八馬 ▽７七歩成 ▲同　馬 ▽７九龍 ▲４六飛成 ▽７三金
▲８六桂 ▽８三玉 ▲５五馬 ▽２九銀 ▲投了
136手で後手の勝ち

藤井がそれでも儚い夢を追いたい場合
▲７六歩 ▽３四歩 ▲６六歩 ▽３二飛 ▲７八銀 ▽３五歩
▲６七銀 ▽６二玉 ▲７七角 ▽５二金左 ▲８八飛 ▽７二銀
▲３八銀 ▽７四歩 ▲５八金左 ▽７三銀 ▲４六歩 ▽１四歩
▲４八玉 ▽４二銀 ▲４七金 ▽４四歩 ▲３九玉 ▽４三銀
▲２八玉 ▽７二金 ▲５六歩 ▽３四銀 ▲５五歩 ▽７一玉
▲５六銀 ▽８二玉 ▲９六歩 ▽１三角 ▲６五歩 ▽３三桂
▲５四歩 ▽同　歩 ▲４四角 ▽４三金 ▲６六角 ▽３六歩
▲同　歩 ▽４五歩 ▲３七銀 ▽２二角 ▲３八金 ▽２五桂
▲２二角成 ▽３七桂成 ▲同　桂 ▽２二飛 ▲４五歩 ▽３三角
▲９八飛 ▽８八銀 ▲９七桂 ▽７七角成 ▲７五歩 ▽８四歩
▲７四歩 ▽同　銀 ▲７三歩 ▽同　金 ▲７五歩 ▽８三銀
▲７四桂 ▽９二玉 ▲６四歩 ▽同　歩 ▲６二歩 ▽９九銀成
▲４八飛 ▽５五歩 ▲４四歩 ▽５四金 ▲６一角 ▽５六歩
▲３四角成 ▽５七銀 ▲８二銀 ▽７二金 ▲５六馬 ▽８二金
▲同桂成 ▽同　玉 ▲８三馬 ▽同　玉 ▲７四銀 ▽７二玉
▲６三金 ▽８二玉 ▲５七金 ▽投了
93手で先手の勝ち

でもハブは78手めに56歩と取ってくれない。金持ちケンカせず。買っても履かない靴。泥酔してもモッタイないから吐かない行方。掃かない三浦の部屋。
夢の周辺にもいろいろある。今日の行方は行儀よかった。

冗談かと思ったが羽生は同歩と取って藤井に62歩を強要している。
しかも質駒だった成銀で香まで取られ逃げた飛車が48地点。これはひどい。四間飛車の手筋に縋っているようでは相当パニくっている。これでは55歩に同銀と取れない。44歩では54金と逃げられる。羽生がわざわざ64歩と取れば31角など絶対打たせないと表明しているようなモノ。金が入れば1手詰み。その金が取れない。イザとなれば桂を喰い千切る。次の更新は投了であろう。悔しい場合は34銀を狙う61角打ちだが森下ならソコまでしない。

▲７六歩 ▽３四歩 ▲６六歩 ▽３二飛 ▲７八銀 ▽３五歩
▲６七銀 ▽６二玉 ▲７七角 ▽５二金左 ▲８八飛 ▽７二銀
▲３八銀 ▽７四歩 ▲５八金左 ▽７三銀 ▲４六歩 ▽１四歩
▲４八玉 ▽４二銀 ▲４七金 ▽４四歩 ▲３九玉 ▽４三銀
▲２八玉 ▽７二金 ▲５六歩 ▽３四銀 ▲５五歩 ▽７一玉
▲５六銀 ▽８二玉 ▲９六歩 ▽１三角 ▲６五歩 ▽３三桂
▲５四歩 ▽同　歩 ▲４四角 ▽４三金 ▲６六角 ▽３六歩
▲同　歩 ▽４五歩 ▲３七銀 ▽２二角 ▲３八金 ▽２五桂
▲２二角成 ▽３七桂成 ▲同　桂 ▽２二飛 ▲４五歩 ▽３三角
▲９八飛 ▽８八銀 ▲９七桂 ▽７七角成 ▲７五歩 ▽８四歩
▲７四歩 ▽同　銀 ▲７三歩 ▽同　金 ▲７五歩 ▽８三銀
▲７四桂 ▽９二玉 ▲６四歩 ▽同　歩 ▲６二歩 ▽９九銀成
▲５八飛 ▽４六歩 ▲同　金 ▽７六馬 ▲５九飛 ▽７五馬
▲９九飛 ▽７四馬 ▲６一歩成 ▽５五歩 ▲４七銀 ▽５四桂
▲５五金 ▽４六歩 ▲５八銀 ▽６六桂 ▲投了
88手で後手の勝ち

ハブはやはり逃げた。疲労も溜まっている。明日は陣屋へ行かないといけない。そこで面倒臭くなって羽生がやる気なくした冗談変化から

▲７六歩 ▽３四歩 ▲６六歩 ▽３二飛 ▲７八銀 ▽３五歩
▲６七銀 ▽６二玉 ▲７七角 ▽５二金左 ▲８八飛 ▽７二銀
▲３八銀 ▽７四歩 ▲５八金左 ▽７三銀 ▲４六歩 ▽１四歩
▲４八玉 ▽４二銀 ▲４七金 ▽４四歩 ▲３九玉 ▽４三銀
▲２八玉 ▽７二金 ▲５六歩 ▽３四銀 ▲５五歩 ▽７一玉
▲５六銀 ▽８二玉 ▲９六歩 ▽１三角 ▲６五歩 ▽３三桂
▲５四歩 ▽同　歩 ▲４四角 ▽４三金 ▲６六角 ▽３六歩
▲同　歩 ▽４五歩 ▲３七銀 ▽２二角 ▲３八金 ▽２五桂
▲２二角成 ▽３七桂成 ▲同　桂 ▽２二飛 ▲４五歩 ▽３三角
▲９八飛 ▽８八銀 ▲９七桂 ▽７七角成 ▲７五歩 ▽８四歩
▲７四歩 ▽同　銀 ▲７三歩 ▽同　金 ▲７五歩 ▽８三銀
▲７四桂 ▽９二玉 ▲６四歩 ▽５三金 ▲３一角 ▽５二飛
▲５三角成 ▽同　飛 ▲６二桂成 ▽６四歩 ▲８八飛 ▽同　馬
▲７一銀 ▽９四歩 ▲８二金 ▽９三玉 ▲８一金 ▽８五歩
▲７六桂 ▽８四銀 ▲８二銀不成▽８三玉 ▲７三銀成 ▽同　銀
▲８五桂 ▽６二銀 ▲８二金打 ▽投了
93手で先手の勝ち

しかし1手詰みを忘れたハブが直後に藤井から竜王を奪取したこともあった。

藤井だと張り合いがない。この75歩は先手の切り札。ここで出しては歩切れの後手は水を得たサカナ。当然85桂阻止の84歩。以下75歩拠点作成で74桂を残したが歩を二枚も渡す。しかも74桂は同銀と質駒にされる。88銀を質駒にすれば3枚攻めだが飛車の横利きがあるので5対3。歩を入れて繋げても切れたら即投了。ギリギリまで貯金して女が暴れまくった所で札束見せるのが最近の藤井。後手は桂入手を待っている。ソレまで55歩の銀殺しも46歩もある。46歩に金を逃げると24桂が待っている。昔悪い先輩から教えて貰ったイモ筋でも通用する相手と思われた藤井。悔しい場合は歯を食いシバリココで74桂やるっきゃない。47金が動かないうちなら羽生は逃げてくれる。

88銀変化1ではナニもしない藤井側の指し手に後手から色気を与えすぎたが変化2では後手に24桂を打たれてマズイ。

▲７六歩 ▽３四歩 ▲６六歩 ▽３二飛 ▲７八銀 ▽３五歩
▲６七銀 ▽６二玉 ▲７七角 ▽５二金左 ▲８八飛 ▽７二銀
▲３八銀 ▽７四歩 ▲５八金左 ▽７三銀 ▲４六歩 ▽１四歩
▲４八玉 ▽４二銀 ▲４七金 ▽４四歩 ▲３九玉 ▽４三銀
▲２八玉 ▽７二金 ▲５六歩 ▽３四銀 ▲５五歩 ▽７一玉
▲５六銀 ▽８二玉 ▲９六歩 ▽１三角 ▲６五歩 ▽３三桂
▲５四歩 ▽同　歩 ▲４四角 ▽４三金 ▲６六角 ▽３六歩
▲同　歩 ▽４五歩 ▲３七銀 ▽２二角 ▲３八金 ▽２五桂
▲２二角成 ▽３七桂成 ▲同　桂 ▽２二飛 ▲４五歩 ▽３三角
▲９八飛 ▽８八銀 ▲５五桂 ▽同　歩 ▲８八飛 ▽５六歩
▲５五歩 ▽同　角 ▲７七角 ▽６六銀 ▲５八飛 ▽５七歩成
▲同　金 ▽７七銀不成▲同　桂 ▽同角成 ▲６七金 ▽同　馬
▲５一飛成 ▽２四桂 ▲投了
74手で後手の勝ち

やはり塚田が島に見せたような反撃はなかったのか？
しかし88銀とは島の手なので羽生もかなり恥ずかしさを感じている。

そこで第3変化へ
▲７六歩 ▽３四歩 ▲６六歩 ▽３二飛 ▲７八銀 ▽３五歩
▲６七銀 ▽６二玉 ▲７七角 ▽５二金左 ▲８八飛 ▽７二銀
▲３八銀 ▽７四歩 ▲５八金左 ▽７三銀 ▲４六歩 ▽１四歩
▲４八玉 ▽４二銀 ▲４七金 ▽４四歩 ▲３九玉 ▽４三銀
▲２八玉 ▽７二金 ▲５六歩 ▽３四銀 ▲５五歩 ▽７一玉
▲５六銀 ▽８二玉 ▲９六歩 ▽１三角 ▲６五歩 ▽３三桂
▲５四歩 ▽同　歩 ▲４四角 ▽４三金 ▲６六角 ▽３六歩
▲同　歩 ▽４五歩 ▲３七銀 ▽２二角 ▲３八金 ▽２五桂
▲２二角成 ▽３七桂成 ▲同　桂 ▽２二飛 ▲４五歩 ▽３三角
▲９八飛 ▽８八銀 ▲４四桂 ▽８九銀不成▲４八飛 ▽４四金
▲同　歩 ▽同　角 ▲５七金 ▽４二飛 ▲４四飛 ▽同　飛
▲４五歩 ▽投了
67手で先手の勝ち

谷川ばかりか森内が羽生の例の59角を「ハブさんの手じゃない」と追い打ちをかけた将棋世界だったがダメな雑誌になった。やはり名人戦総括号以外ナニもないのは恒例になりつつある。この88銀もハブの手ではない。桂打ち迎撃があるために当家が88銀の含みを残して第二変化UP後のズっコケ劇。88銀への桂打ち第一変化は以下。
▲７六歩 ▽３四歩 ▲６六歩 ▽３二飛 ▲７八銀 ▽３五歩
▲６七銀 ▽６二玉 ▲７七角 ▽５二金左 ▲８八飛 ▽７二銀
▲３八銀 ▽７四歩 ▲５八金左 ▽７三銀 ▲４六歩 ▽１四歩
▲４八玉 ▽４二銀 ▲４七金 ▽４四歩 ▲３九玉 ▽４三銀
▲２八玉 ▽７二金 ▲５六歩 ▽３四銀 ▲５五歩 ▽７一玉
▲５六銀 ▽８二玉 ▲９六歩 ▽１三角 ▲６五歩 ▽３三桂
▲５四歩 ▽同　歩 ▲４四角 ▽４三金 ▲６六角 ▽３六歩
▲同　歩 ▽４五歩 ▲３七銀 ▽２二角 ▲３八金 ▽２五桂
▲２二角成 ▽３七桂成 ▲同　桂 ▽２二飛 ▲４五歩 ▽３三角
▲９八飛 ▽８八銀 ▲５五桂 ▽９九銀成 ▲４三桂成 ▽同　銀
▲４八飛 ▽８九成銀 ▲４四歩 ▽同　角 ▲５七金 ▽投了

モノホンの藤井はなんと57手め97桂と逃げた。これでは藤井恒例の逆転もインパクトない。モタレ指しなら雨に鳴くカエルがハブ。

藤井が57桂の呪縛地獄から桂のオカワリをされた場合
▲７六歩 ▽３四歩 ▲６六歩 ▽３二飛 ▲７八銀 ▽３五歩
▲６七銀 ▽６二玉 ▲７七角 ▽５二金左 ▲８八飛 ▽７二銀
▲３八銀 ▽７四歩 ▲５八金左 ▽７三銀 ▲４六歩 ▽１四歩
▲４八玉 ▽４二銀 ▲４七金 ▽４四歩 ▲３九玉 ▽４三銀
▲２八玉 ▽７二金 ▲５六歩 ▽３四銀 ▲５五歩 ▽７一玉
▲５六銀 ▽８二玉 ▲９六歩 ▽１三角 ▲６五歩 ▽３三桂
▲５四歩 ▽同　歩 ▲４四角 ▽４三金 ▲６六角 ▽３六歩
▲同　歩 ▽４五歩 ▲３七銀 ▽２二角 ▲３八金 ▽２五桂
▲２二角成 ▽３七桂成 ▲同　桂 ▽２二飛 ▲４五歩 ▽３三角
▲９八飛 ▽５五歩 ▲６七銀 ▽５四金 ▲５七桂 ▽８八銀
▲同　飛 ▽５六歩 ▲９八飛 ▽５七歩成 ▲同　金 ▽４五銀
▲同　桂 ▽同　金 ▲４六歩 ▽５五角 ▲３七銀 ▽２五桂
▲４五歩 ▽３七桂成 ▲同　金 ▽２五桂 ▲投了
76手で後手の勝ち
手順中88銀がさっきパンチラだった手だがイキナリやると桂打ち。桂を手放したので今度はアリ。

56手め55歩なら念願の54金変化に戻る。それでも勝勢を感じている藤井は温泉主義で馬を作っているうちにコケた場合

▲７六歩 ▽３四歩 ▲６六歩 ▽３二飛 ▲７八銀 ▽３五歩
▲６七銀 ▽６二玉 ▲７七角 ▽５二金左 ▲８八飛 ▽７二銀
▲３八銀 ▽７四歩 ▲５八金左 ▽７三銀 ▲４六歩 ▽１四歩
▲４八玉 ▽４二銀 ▲４七金 ▽４四歩 ▲３九玉 ▽４三銀
▲２八玉 ▽７二金 ▲５六歩 ▽３四銀 ▲５五歩 ▽７一玉
▲５六銀 ▽８二玉 ▲９六歩 ▽１三角 ▲６五歩 ▽３三桂
▲５四歩 ▽同　歩 ▲４四角 ▽４三金 ▲６六角 ▽３六歩
▲同　歩 ▽４五歩 ▲３七銀 ▽２二角 ▲３八金 ▽２五桂
▲２二角成 ▽３七桂成 ▲同　桂 ▽２二飛 ▲４五歩 ▽３三角
▲９八飛 ▽５五歩 ▲６七銀 ▽５四金 ▲３一角 ▽２一飛
▲８六角成 ▽４五銀 ▲同　桂 ▽同　金 ▲４六歩 ▽５六金
▲同　銀 ▽同　歩 ▲投了
68手で後手の勝ち

後手は先手にナニか指させないと局面がほぐれない。 本譜は36手め36歩からいきなり。悪手にしか見えない。これでは藤井も間違えようがない。羽生の手に素直に応じるだけ。37銀を見て22角が通常はハブディレイでソコで先手に1手指させるはずだったが38金で締められて後手は困った。小股の切れ上がったいい女はどこに行ったのか？
48手め25桂は13角に負けないヤケクソ路線2。これでは歩切れとなり34銀も立ち往生。懸念の43金も家賃不払いの居候。これで88銀など見せたら藤井でも康光にされてしまう。

藤井が王手飛車にメがクラんで恒例の逆転を喰らう場合

▲７六歩 ▽３四歩 ▲６六歩 ▽３二飛 ▲７八銀 ▽３五歩
▲６七銀 ▽６二玉 ▲７七角 ▽５二金左 ▲８八飛 ▽７二銀
▲３八銀 ▽７四歩 ▲５八金左 ▽７三銀 ▲４六歩 ▽１四歩
▲４八玉 ▽４二銀 ▲４七金 ▽４四歩 ▲３九玉 ▽４三銀
▲２八玉 ▽７二金 ▲５六歩 ▽３四銀 ▲５五歩 ▽７一玉
▲５六銀 ▽８二玉 ▲９六歩 ▽１三角 ▲６五歩 ▽３三桂
▲５四歩 ▽同　歩 ▲４四角 ▽４三金 ▲６六角 ▽２五銀
▲２六歩 ▽同　銀 ▲１六歩 ▽３六歩 ▲同　歩 ▽３七歩
▲同　桂 ▽５五歩 ▲同　角 ▽５四金 ▲６六角 ▽５五歩
▲同　銀 ▽６五金 ▲７七角 ▽７六金 ▲６八角 ▽６七金
▲８六角 ▽５二飛 ▲５三歩 ▽３二飛 ▲６八歩 ▽３七銀成
▲同　金 ▽５七金 ▲６一銀 ▽２五桂 ▲５二歩成 ▽５四歩
▲同　銀 ▽３七桂成 ▲同　銀 ▽２五桂 ▲７二銀成 ▽同　玉
▲６三銀成 ▽同　玉 ▲５三角成 ▽７二玉 ▲５四馬 ▽６三歩
▲３二馬 ▽４七金 ▲４八金打 ▽３七桂成 ▲同　金 ▽４六角
▲３八金上 ▽２六銀 ▲投了
92手で後手の勝ち

羽生は大変そうだが作戦も用意せずに後手番でここまで引っ張れば大したもの。
消費時間は藤井2時間50分に羽生4時間は仕方ない。 むしろ41手めまで藤井が余りにハブの終盤力を畏れすぎている。先手から迎撃しかないのでは藤井に先手番5回分などモッタイナイ。
43金の使い方はいろいろあって後手楽しい。
まずは玉頭に綾つけて銀桂交換の形を作ってから55歩。同角54金に最後の1歩で再度の55歩。同銀同金同角の金銀交換は後手負けだが65金と歩切れ解消して逆転。やはり1歩入手後に手番があると後手も楽しい。羽生はココから。腰抜けの藤井がいかにコケるかと思うとワクワクする。

27手56歩は本局初の先手の疑問手にされる可能性が大きい。ココが純粋振り飛車党の信念と彼等は嘯くだろうが当家には藤井がビビったようにしか見えない。昨日の棋聖が56歩で森下を不用意に発奮させた事件と無関係ではない。羽生の場合は森下と違って煽らなくても行くと棋譜で明言している。これは34銀対策にはならない。むしろ指す手を惜しんで自分を慰めた手と当家は見る。86歩は85歩まで指せれば先手作戦勝ちだが2手も指せない。その瞬間34銀から後手に3rdアタックを喰らって1歩持たれる。ならば86角迎撃の余地を残して先手の動きをさらに見た方が良いと藤井は思考。その換りに別の贅沢な2手を欲した。
羽生はシメたと思って本局初の元気を発揮してすぐに34銀。この銀は25へ行けない。36歩を狙って25銀とするとすぐに26歩と突かれ同銀なら16歩で銀バサミ予告。すぐに15歩から打開すると41銀打ちが残り端攻めだけの後手は継続手が難しい。大介相手ならやるかもしれない。15歩保留で33桂は65歩から45歩を見せて同歩は後手ハッキリ負け。
結局後手の攻める45地点を先手に奪還される展開は面白くない。
そこで藤井は調子コイテ55歩。25銀ができないダロと煽っている。
ハブは経験値で71玉。藤井を信用しているらしいが緩手。おかげで56銀を許してしまう。藤井の疑問手56歩を最強変化にしてしまったのは羽生の責任。56歩から55歩の2手をロハで許すなど当家では考えられない。
これで45歩もない。25銀も無論ない。だから角筋避けて82玉。
これを見てついに96歩。これをいつ突けるかが当家ではテンションの目安だったが最も緊迫がない場所で来た。羽生はコレを緩手にしたがっていたがすでに入城後では贅沢言えない。64歩は56銀の好型を許した直後では悪手。そこでヤケクソの勝負手13角。藤井はイチドこれをハブに喰らって名人挑戦を逃したイヤーな思い出がある。しかし忘れたらしい。
64歩突かないならと先手から65歩双頭手。調子コキすぎている。
今日のハブは手なりで指すだけ。33桂で催促。これは25銀変化では後手負けだが催促なら先手任せ。で藤井もセオリー通り5thアタック。43金は谷川から王位戦で学んだ。形が悪くても1歩入手。しかも後手の顔となる44歩がサバけたのでナントカなる。4筋の歩を切らすと後手に逆転技アリ。

A級順位戦　藤井羽生　相振り　26手めまで

羽生の4手め32飛は相振りになった場合は疑問。
14手めに羽生は74歩。例の74金戦法はでたばかりなので。
いずれにしても後手が歩間3を畏れ1-2とする。17手めで先手から初めて構造相転化。ここで先に48玉もあるようだがまだ端歩が突かれていない。相振りで端を受けると後手からは24銀、先手からは77角を利用する95歩の仕掛けが即時効力を発揮するので双方受けにくい。受けるとすれば1歩を持ってすぐに反撃できないといけない。その場合46歩の2-2構造から先手番の手で4-4構造への相転化が約束されている。先手は後手の疑問手4手め32飛から派生した77角により96歩を後手が受けられないはずと読んでいる。仮に後手が9筋を受けた場合36歩が後手の唯一の反撃手。それを封印するために先に46歩。
果たして羽生は直後に14歩。ここで16歩と受けると先手負け。
19手め48玉はまだ4-4構造ではないので有効。後手からの急戦はない。
20手め42銀は48玉の瞬間を狙って先手からの65歩はないと見ている。
21手め47金は36歩阻止だがアタリがキツクなり42銀の進出を早める。後手玉が62地点のため96歩が緩手にされると思考。従って14歩で3-2とした後手が46歩をターゲットにした作戦を先手は丸ごと引き受けたことになる。32飛の欠陥1は36歩を突くと先手に金矢倉に組まれることだが突かなければどうか？
22手め44歩が宙吊り3rd作成手。どこにも3rdアタックが存在しないために先手はここで96歩牽制手を指す必要がない。そこで39玉。
24手め43銀は疑問手の可能性アリ。先手の28玉を待ってこの銀の展開法が換るため。ところが先に作戦を明示したのでまた手番が戻ってしまう。2-3構造維持の72金。
後手の期待は先手が向い飛車と9筋の利権に4手かけた分で金矢倉完成+入城=先手番で作戦明示。そこで先手に16歩を指させることが心理戦。
ところが先手はこの形だとさらに銀冠に組み替えることができる。後手は73銀と早々に決めたために金矢倉が最終型。
従って作戦の幅は後手が自分で狭くしている。その反動で藤井は指しているために先手の選択肢が多い。