やはり本譜も26飛成で後手勝ちとなった。15銀+飛車切り変化でも島用レベル設定では先手負けであった。と言うことは64手目の64歩を連動手で進軍させ74手目の65歩で勝負は決したことになるのであろうか？
そうだとすれば塚田は今期竜王になれる。序盤戦術が余りに巧みだったため。中盤以後54手目46銀で74手目の65歩を読んでいたとすれば恐ろしい。
序盤を振り返る。
31手目が当家では島の敗着。あとはどこで塚田が駒アタリ奇数番1の45歩を出すかという問題。島の37手目26銀が疑問のために38手目でやった。棒銀対策として双頭手になるため二重に得している。41手目16歩は今頃やっても遅い。やるなら35手目まで。74銀を見て76歩では後手の完全作戦勝ち。45手め88玉は島らしい開き直り。島は言葉は丁寧でもこのようにヤクザな手が本性。偶数番原理を知らないので4thアタックもできない。結局塚田が序盤75歩で得た1歩でパーテルポジションから1ポイント獲得。49手目75歩が島の常套句。5thアタックなら島はやるのでひとめ。銀交換で後手勝勢となりチンピラの恫喝手82銀へ至る。
54手め46銀打は今年のやっちゃった賞受賞決定であろう。島はナンチャッテ賞メーカーかもしれない。谷川も島相手に貰った。
こう考えることはできる。島が余りに情けない序盤を披露するので1手ごとに熟慮を重ねた塚田が相手の力量をここで見切ったと。少し危険でもこの相手なら押しきれると。
塚田を堪能したのは久しぶり。嬉しい。200万の価値はある。島には1銭の価値もない。

日時：2005.06.21
棋戦：竜王戦3組 決勝
戦形：相矢倉　ネオ塚田スペシャル
先手：島　　朗
後手：塚田泰明
▲７六歩 ▽３四歩 ▲６六歩 ▽６二銀 ▲６八銀 ▽５四歩
▲５六歩 ▽５二金右 ▲４八銀 ▽４二銀 ▲５八金右 ▽３二金
▲７八金 ▽４一玉 ▲６九玉 ▽３三銀 ▲７七銀 ▽３一角
▲３六歩 ▽４四歩 ▲７九角 ▽４三金右 ▲６七金右 ▽７四歩
▲２六歩 ▽７五歩 ▲４六角 ▽９二飛 ▲７五歩 ▽同　角
▲２五歩 ▽３一玉 ▲７九玉 ▽２二玉 ▲３七銀 ▽９四歩
▲２六銀 ▽４五歩 ▲３七角 ▽７三銀 ▲１六歩 ▽７四銀
▲７六歩 ▽４二角 ▲８八玉 ▽９五歩 ▲８六銀 ▽８四歩
▲７五歩 ▽８五銀 ▲同　銀 ▽同　歩 ▲８二銀 ▽４六銀
▲同　歩 ▽８二飛 ▲２四歩 ▽同　歩 ▲４五歩 ▽６四角
▲４四歩 ▽４二金引 ▲６四角 ▽同　歩 ▲６三角 ▽８六歩
▲同　歩 ▽８五歩 ▲２三歩 ▽１二玉 ▲８五歩 ▽８六歩
▲７六銀 ▽６五歩 ▲５四角成 ▽６六歩 ▲７七金寄 ▽３九角
▲２七飛 ▽４八角成 ▲３五歩 ▽９三桂 ▲８六金 ▽３八馬
▲３七飛 ▽同　馬 ▲同　桂 ▽２八飛 ▲６八歩 ▽６七歩成
▲同　銀 ▽８五桂 ▲５五角 ▽７七歩 ▲７九金 ▽６六歩
▲８二角成 ▽６七歩成 ▲８七玉 ▽６六と ▲７六金 ▽同　と
▲同　玉 ▽２六飛成 ▲５五馬左引▽５三銀 ▲３二馬 ▽同　金
▲５二飛 ▽４二銀打 ▲４三歩成 ▽５四角 ▲同　馬 ▽同　銀
▲同飛成 ▽４三銀 ▲５一龍 ▽５四角 ▲８五玉 ▽５六龍
▲投了
120手で後手の勝ち

飛車など取っているようでは全然ダメ。67歩成が連動手のため。85桂を取っても今度は26銀を取られて収拾がつかない。35歩と突いたからには26銀を取られて先手負け。ここで飛車を取るのは島だけ。

先手：玉より飛車が大好き
後手：やっちゃったＸ3
▲７六歩 ▽３四歩 ▲６六歩 ▽６二銀 ▲６八銀 ▽５四歩
▲５六歩 ▽５二金右 ▲４八銀 ▽４二銀 ▲５八金右 ▽３二金
▲７八金 ▽４一玉 ▲６九玉 ▽３三銀 ▲７七銀 ▽３一角
▲３六歩 ▽４四歩 ▲７九角 ▽４三金右 ▲６七金右 ▽７四歩
▲２六歩 ▽７五歩 ▲４六角 ▽９二飛 ▲７五歩 ▽同　角
▲２五歩 ▽３一玉 ▲７九玉 ▽２二玉 ▲３七銀 ▽９四歩
▲２六銀 ▽４五歩 ▲３七角 ▽７三銀 ▲１六歩 ▽７四銀
▲７六歩 ▽４二角 ▲８八玉 ▽９五歩 ▲８六銀 ▽８四歩
▲７五歩 ▽８五銀 ▲同　銀 ▽同　歩 ▲８二銀 ▽４六銀
▲同　歩 ▽８二飛 ▲２四歩 ▽同　歩 ▲４五歩 ▽６四角
▲４四歩 ▽４二金引 ▲６四角 ▽同　歩 ▲６三角 ▽８六歩
▲同　歩 ▽８五歩 ▲２三歩 ▽１二玉 ▲８五歩 ▽８六歩
▲７六銀 ▽６五歩 ▲５四角成 ▽６六歩 ▲７七金寄 ▽３九角
▲２七飛 ▽４八角成 ▲３五歩 ▽９三桂 ▲８六金 ▽３八馬
▲３七飛 ▽同　馬 ▲同　桂 ▽２八飛 ▲６八歩 ▽６七歩成
▲同　銀 ▽８五桂 ▲５五角 ▽７七歩 ▲７九金 ▽６六歩
▲８二角成 ▽６七歩成 ▲８五金 ▽６八と ▲８七玉 ▽７九と
▲８六玉 ▽２六飛成 ▲投了
解題=みたマンマ

やはり入玉マニアの島らしい。26銀を押さえに使う省エネ路線。
しかし玉から遠いので逆に後手から桂を使われる。矢倉で桂が間に合うと気分は最高。ついに死に場をみつけ前線へ。35歩から当家では点数を数え始める。棋聖戦第1局もあったことなので93桂も挿入して持将棋変化を作成する時が一番楽しい。

先手：持将棋
後手：徹夜で
▲７六歩 ▽３四歩 ▲６六歩 ▽６二銀 ▲６八銀 ▽５四歩
▲５六歩 ▽５二金右 ▲４八銀 ▽４二銀 ▲５八金右 ▽３二金
▲７八金 ▽４一玉 ▲６九玉 ▽３三銀 ▲７七銀 ▽３一角
▲３六歩 ▽４四歩 ▲７九角 ▽４三金右 ▲６七金右 ▽７四歩
▲２六歩 ▽７五歩 ▲４六角 ▽９二飛 ▲７五歩 ▽同　角
▲２五歩 ▽３一玉 ▲７九玉 ▽２二玉 ▲３七銀 ▽９四歩
▲２六銀 ▽４五歩 ▲３七角 ▽７三銀 ▲１六歩 ▽７四銀
▲７六歩 ▽４二角 ▲８八玉 ▽９五歩 ▲８六銀 ▽８四歩
▲７五歩 ▽８五銀 ▲同　銀 ▽同　歩 ▲８二銀 ▽４六銀
▲同　歩 ▽８二飛 ▲２四歩 ▽同　歩 ▲４五歩 ▽６四角
▲４四歩 ▽４二金引 ▲６四角 ▽同　歩 ▲６三角 ▽８六歩
▲同　歩 ▽８五歩 ▲２三歩 ▽１二玉 ▲８五歩 ▽８六歩
▲７六銀 ▽６五歩 ▲５四角成 ▽６六歩 ▲７七金寄 ▽３九角
▲２七飛 ▽４八角成 ▲３五歩 ▽９三桂 ▲８六金 ▽３八馬
▲３七飛 ▽同　馬 ▲同　桂 ▽２八飛 ▲６八歩 ▽６七歩成
▲同　銀 ▽８五桂 ▲５五角 ▽７七歩 ▲７九金 ▽６六歩
▲７六銀 ▽５二飛 ▲４五桂 ▽５四飛 ▲２八角 ▽４四飛
▲３三桂成 ▽同　桂 ▲８五金 ▽４九飛成 ▲６九桂 ▽９三桂
▲８一飛 ▽４一歩 ▲４三歩 ▽８五桂 ▲４二歩成 ▽同　龍
▲８五飛成

塚田節全開。これは39角狙いの駒アタリ偶数番4。
これで勝つには先手のポカしかない。美味しいエサは島が好きな飛車の両取り。そこで桂をエサに後手を釣って島が龍飛車取りをかけた瞬間に詰み筋というオチから作成。

81手目15銀+飛車切り変化-1
島が後手玉の詰みに二度も気がつかずに負けたい場合
先手：桂をエサに後手を釣って龍飛車取り
後手：39角狙いの駒アタリ偶数番4
▲７六歩 ▽３四歩 ▲６六歩 ▽６二銀 ▲６八銀 ▽５四歩
▲５六歩 ▽５二金右 ▲４八銀 ▽４二銀 ▲５八金右 ▽３二金
▲７八金 ▽４一玉 ▲６九玉 ▽３三銀 ▲７七銀 ▽３一角
▲３六歩 ▽４四歩 ▲７九角 ▽４三金右 ▲６七金右 ▽７四歩
▲２六歩 ▽７五歩 ▲４六角 ▽９二飛 ▲７五歩 ▽同　角
▲２五歩 ▽３一玉 ▲７九玉 ▽２二玉 ▲３七銀 ▽９四歩
▲２六銀 ▽４五歩 ▲３七角 ▽７三銀 ▲１六歩 ▽７四銀
▲７六歩 ▽４二角 ▲８八玉 ▽９五歩 ▲８六銀 ▽８四歩
▲７五歩 ▽８五銀 ▲同　銀 ▽同　歩 ▲８二銀 ▽４六銀
▲同　歩 ▽８二飛 ▲２四歩 ▽同　歩 ▲４五歩 ▽６四角
▲４四歩 ▽４二金引 ▲６四角 ▽同　歩 ▲６三角 ▽８六歩
▲同　歩 ▽８五歩 ▲２三歩 ▽１二玉 ▲８五歩 ▽８六歩
▲７六銀 ▽６五歩 ▲５四角成 ▽６六歩 ▲７七金寄 ▽３九角
▲２七飛 ▽４八角成 ▲１五銀 ▽３八馬 ▲２四飛 ▽同　銀
▲同　銀 ▽５六馬 ▲３七桂 ▽３八飛 ▲６八歩 ▽３七飛成
▲６四馬 ▽７七龍 ▲同　桂 ▽８七銀 ▲同　銀 ▽同歩成
▲同　玉 ▽８六歩 ▲７六玉 ▽８七銀 ▲同　金 ▽同歩成
▲同　玉 ▽８六歩 ▲７六玉 ▽８五飛 ▲同　玉 ▽９三桂打
▲８六玉 ▽８五歩 ▲８七玉 ▽８六金 ▲８八玉 ▽８七金打
▲７九玉 ▽７八金 ▲投了
116手で後手の勝ち
解題=103手目は無論22飛で後手玉は即詰み。

81手目15銀+飛車切り変化-2
先手：桂をエサに後手を釣って龍飛車取り
後手：39角狙いの駒アタリ偶数番4
▲７六歩    ▽３四歩    ▲６六歩    ▽６二銀    ▲６八銀    ▽５四歩
▲５六歩    ▽５二金右  ▲４八銀    ▽４二銀    ▲５八金右  ▽３二金
▲７八金    ▽４一玉    ▲６九玉    ▽３三銀    ▲７七銀    ▽３一角
▲３六歩    ▽４四歩    ▲７九角    ▽４三金右  ▲６七金右  ▽７四歩
▲２六歩    ▽７五歩    ▲４六角    ▽９二飛    ▲７五歩    ▽同　角
▲２五歩    ▽３一玉    ▲７九玉    ▽２二玉    ▲３七銀    ▽９四歩
▲２六銀    ▽４五歩    ▲３七角    ▽７三銀    ▲１六歩    ▽７四銀
▲７六歩    ▽４二角    ▲８八玉    ▽９五歩    ▲８六銀    ▽８四歩
▲７五歩    ▽８五銀    ▲同　銀    ▽同　歩    ▲８二銀    ▽４六銀
▲同　歩    ▽８二飛    ▲２四歩    ▽同　歩    ▲４五歩    ▽６四角
▲４四歩    ▽４二金引  ▲６四角    ▽同　歩    ▲６三角    ▽８六歩
▲同　歩    ▽８五歩    ▲２三歩    ▽１二玉    ▲８五歩    ▽８六歩
▲７六銀    ▽６五歩    ▲５四角成  ▽６六歩    ▲７七金寄  ▽３九角
▲２七飛    ▽４八角成  ▲１五銀    ▽３八馬    ▲２四飛    ▽同　銀
▲同　銀    ▽５六馬    ▲３七桂    ▽３八飛    ▲６八歩    ▽３七飛成
▲６四馬    ▽７八馬    ▲同　玉    ▽８七銀    ▲同　銀    ▽同歩成
▲同　金    ▽６七銀    ▲８八玉    ▽７八金    ▲９八玉    ▽３九龍
▲投了
102手で後手の勝ち
解題=龍飛車取りを掛けさせるオトリは一緒。飛車や金の横に動く駒を先手に渡さなければ後手玉は絶対に詰まないばかりか飛車金がないために受けなし。旧島研でも徹底的に現れた手順。

81手目15銀+飛車切り変化-3
先手：桂のエサはダメと知りいきなり勝負
後手：39角狙いの駒アタリ偶数番4
▲７六歩    ▽３四歩    ▲６六歩    ▽６二銀    ▲６八銀    ▽５四歩
▲５六歩    ▽５二金右  ▲４八銀    ▽４二銀    ▲５八金右  ▽３二金
▲７八金    ▽４一玉    ▲６九玉    ▽３三銀    ▲７七銀    ▽３一角
▲３六歩    ▽４四歩    ▲７九角    ▽４三金右  ▲６七金右  ▽７四歩
▲２六歩    ▽７五歩    ▲４六角    ▽９二飛    ▲７五歩    ▽同　角
▲２五歩    ▽３一玉    ▲７九玉    ▽２二玉    ▲３七銀    ▽９四歩
▲２六銀    ▽４五歩    ▲３七角    ▽７三銀    ▲１六歩    ▽７四銀
▲７六歩    ▽４二角    ▲８八玉    ▽９五歩    ▲８六銀    ▽８四歩
▲７五歩    ▽８五銀    ▲同　銀    ▽同　歩    ▲８二銀    ▽４六銀
▲同　歩    ▽８二飛    ▲２四歩    ▽同　歩    ▲４五歩    ▽６四角
▲４四歩    ▽４二金引  ▲６四角    ▽同　歩    ▲６三角    ▽８六歩
▲同　歩    ▽８五歩    ▲２三歩    ▽１二玉    ▲８五歩    ▽８六歩
▲７六銀    ▽６五歩    ▲５四角成  ▽６六歩    ▲７七金寄  ▽３九角
▲２七飛    ▽４八角成  ▲１五銀    ▽３八馬    ▲２四飛    ▽同　銀
▲同　銀    ▽５六馬    ▲４三銀    ▽２八飛    ▲３二銀成  ▽８七銀
▲同　銀    ▽同歩成    ▲同　玉    ▽８六歩    ▲同　玉    ▽８五飛
▲同　玉    ▽８四歩    ▲同　玉    ▽８三歩    ▲８五玉    ▽９三桂
▲８六玉    ▽８五銀    ▲８七玉    ▽７八馬    ▲同　金    ▽８六金
▲８八玉    ▽投了
109手で先手の勝ち

解題=44歩を活かさないと先手は勝てない。捨て身の43銀で食いつき首を出す。

81手目15銀+飛車切り変化-4
先手：12玉のブランコ後進98玉で大ボケ
後手：ヤケクソのはずが縦横の飛車が最後の主役
▲７六歩    ▽３四歩    ▲６六歩    ▽６二銀    ▲６八銀    ▽５四歩
▲５六歩    ▽５二金右  ▲４八銀    ▽４二銀    ▲５八金右  ▽３二金
▲７八金    ▽４一玉    ▲６九玉    ▽３三銀    ▲７七銀    ▽３一角
▲３六歩    ▽４四歩    ▲７九角    ▽４三金右  ▲６七金右  ▽７四歩
▲２六歩    ▽７五歩    ▲４六角    ▽９二飛    ▲７五歩    ▽同　角
▲２五歩    ▽３一玉    ▲７九玉    ▽２二玉    ▲３七銀    ▽９四歩
▲２六銀    ▽４五歩    ▲３七角    ▽７三銀    ▲１六歩    ▽７四銀
▲７六歩    ▽４二角    ▲８八玉    ▽９五歩    ▲８六銀    ▽８四歩
▲７五歩    ▽８五銀    ▲同　銀    ▽同　歩    ▲８二銀    ▽４六銀
▲同　歩    ▽８二飛    ▲２四歩    ▽同　歩    ▲４五歩    ▽６四角
▲４四歩    ▽４二金引  ▲６四角    ▽同　歩    ▲６三角    ▽８六歩
▲同　歩    ▽８五歩    ▲２三歩    ▽１二玉    ▲８五歩    ▽８六歩
▲７六銀    ▽６五歩    ▲５四角成  ▽６六歩    ▲７七金寄  ▽３九角
▲２七飛    ▽４八角成  ▲１五銀    ▽３八馬    ▲２四飛    ▽同　銀
▲同　銀    ▽５六馬    ▲４三銀    ▽２八飛    ▲３二銀成  ▽７九銀
▲９八玉    ▽３二金    ▲同　馬    ▽７八飛成  ▲同　金    ▽８八金
▲同　金    ▽同銀成    ▲同　玉    ▽７九銀    ▲７七玉    ▽８七金
▲同　銀    ▽６七馬    ▲８六玉    ▽８五飛    ▲投了
106手で後手の勝ち

解題=91手目は同玉が正解。98玉が好きな島を誘って笑いを取る。

先手が歩切れで切れ負けだったのに逆の立場になってしまった。
この局面は次に無条件で53角成とされると後手勝てない。そこで先手の飛車を苛めてカラメるしかない。当家では49角を急遽作成。15銀には27銀から38角成。54馬前に飛車を苛めないと逆転は困難。

竜王戦ライブ観戦以来ここまで驚いたこともない。
康光でもこんな手を指したことはない。ひとめ大悪手。
ここは逆行駒アタリ奇数番1の64歩で後手は楽勝であった。銀香交換後の65歩には94飛で再度逆行駒アタリ奇数番1を取れる。82銀成なら遊び桂と持ち銀交換でやはり94飛から歩切れの先手はジリ貧。65歩なら46歩仮想駒アタリ奇数番3から同角45銀で千日手狙い。避ければ64地点角交換後連動手64飛+39角狙いで寄り。
なぜ塚田はここで46銀で駒アタリ奇数番3を取るのか？
余りに大差で勝っては芸がないと考えたにしてはその後の指し手も変調。200万円かかっている将棋でこんなことをはしない。
そこでこの46銀は「やっちゃったやっちゃった」であろう。

相も変わらず島は鈍臭い銀打など見せている。逆行奇数番を取れば
塚田の圧勝であろう。形も作れないかもしれない。
なんでこんなに酷い局面になったか経緯は不明。

今日の試合は勝てば200万円。
塚田は勝って高群佐知子にオートクチュールのワンピースを買ってあげたい。当家はその服を着た高群佐知子を竜王戦中継アシスタントとして見たい。これが最後のチャンスかもしれない。
昼過ぎに島は歩を取って46歩。島など分析が簡単。10年前と同じ思考法のため。当家の最善手も92飛なのでここまでは塚田も指している。
31手目25歩は悪手。これを後手は咎めることができる。3-3から奇数番作成解消で1-3まで来たのでイキナリ駒アタリ奇数番1から入るのかタメルのかという選択でしかない。塚田の力量ならタメが正解。そこで31玉。島の実力ではブランコ後進を取るしかない。この交換は後手有利。先手玉が逃げた飛車に近づくため。これを逆行相転化手と当家では呼ぶ。塚田の譲渡2は22玉。1-3構造で奇数番1の権利を掌握しつつ先手の奇数番1解消手の選択を狭める顔面受けの好手。
島も一応元竜王なので再度のブランコ後進では女房だけでなく他の棋士から笑われる。そこで25歩に意味を与える37銀。これで当家では後手勝ちとなる。
塚田はさらにタメル94歩。飛車先不突きの勝利宣言にしては危険。
これは2-3への構造相転化手なので島に局面牽制の権利が譲渡されている。このように譲渡には二重構造があった。

かなりアバウトな序盤からこうなった。
先手：島
後手：塚田
▲７六歩 ▽３四歩 ▲６六歩 ▽６二銀 ▲６八銀 ▽５四歩
▲５六歩 ▽５二金右 ▲４八銀 ▽４二銀 ▲５八金右 ▽３二金
▲７八金 ▽４一玉 ▲６九玉 ▽３三銀 ▲７七銀 ▽３一角
▲３六歩 ▽４四歩 ▲７九角 ▽４三金右 ▲６七金右 ▽７四歩
▲２六歩 ▽７五歩

後手が飛車先不突きなのに先手が逃げて26歩で譲歩したため3-3アタックとなる。取るか放置しかない。放置の場合駒アタリ偶数番2を取る。
そこで後手は逆行奇数番1を取る。3-3構造では先手の迎撃手に整合性を取りにくい。当家は塚田ノリ。たまには往年の塚田を満喫したい。