2005.02.25棋王戦第3局 谷川VS羽生 相掛り十字架銀
四頭獣65角
実況&分析 マシュダ一家

羽生棋王奪取 不敗伝説復活 No: 7346 [返信][削除]
 投稿者:マシュダ一家  05/02/25 Fri 19:02:35

66桂から二手で終わった。当家に於ては29手目16歩が敗因1。これを手抜きされると角交換を強いられるので33手目33角成の敗因2とセット。敗因3は61手目44歩。だから羽生相手に手拍子は怖い。竜王戦の森内33歩成並の手順前後。羽生の四頭獣65角は谷川の悪手が招いた手なので勝因とは断定できないが勝っても負けても鮮やかな角。54角と引いてからの繰り換えは谷川が強いたと読む。谷川上手く凌いだが手番を握った79手目に決定打が当家にも分からなかった。
羽生も分からなかったので谷川の解答を最大の楽しみにしていたが75桂はない。65金のような脱出阻止があっては上部開拓どころではなかった。最後にハンマー。
谷川羽生戦らしい見せ場満載の気持ちよい将棋。何かありそうでわからない時は仕方ない。谷川ありがとう。やはり羽生は角と歩の使い方が抜群。今回はなぜか感想戦も楽しみ。

日時:2005.02.25
棋戦:棋王戦第3局
戦形:相掛り十字架銀
先手:谷川浩司
後手:羽生善治
▲2六歩 ▽8四歩 ▲2五歩 ▽8五歩 ▲7八金 ▽3二金
▲2四歩 ▽同 歩 ▲同 飛 ▽2三歩 ▲2八飛 ▽3四歩
▲3八銀 ▽8六歩 ▲同 歩 ▽同 飛 ▲8七歩 ▽8四飛
▲2七銀 ▽9四歩 ▲9六歩 ▽4一玉 ▲3六銀 ▽3三角
▲6九玉 ▽6二銀 ▲7六歩 ▽2二銀 ▲1六歩 ▽5二金
▲1五歩 ▽5四歩 ▲3三角成 ▽同 桂 ▲8八銀 ▽7四歩
▲4六歩 ▽7三桂 ▲4七銀 ▽5五歩 ▲3六歩 ▽2四歩
▲5八金 ▽2三銀 ▲3七桂 ▽6四歩 ▲2五歩 ▽同 歩
▲同 桂 ▽同 桂 ▲同 飛 ▽2四歩 ▲2九飛 ▽6三銀
▲4五歩 ▽8一飛 ▲4四歩 ▽同 歩 ▲4五歩 ▽7五歩
▲4四歩 ▽6五角 ▲2八飛 ▽7六歩 ▲6六歩 ▽5四角
▲2五歩 ▽8五桂 ▲5九玉 ▽2五歩 ▲同 飛 ▽3五歩
▲同 飛 ▽4六歩 ▲同 銀 ▽2四銀 ▲5五飛 ▽3六角
▲7五桂 ▽5四銀 ▲5六飛 ▽5三歩 ▲5五銀 ▽4六歩
▲4三歩成 ▽同金左 ▲4六飛 ▽5八角成 ▲同 玉 ▽5五銀
▲4三飛成 ▽同 金 ▲6三角 ▽3二玉 ▲8一角成 ▽4六桂
▲6七玉 ▽6五金 ▲投了
98手で後手の勝ち

持ち時間各4時間 残り=谷川7分、羽生=21分。
終局=午後18時25分


88-93手目 王手飛車でも手番を渡す No: 7345 [返信][削除]
 投稿者:マシュダ一家  05/02/25 Fri 18:31:13

結局46飛は谷川が43歩成で切り込んだために仕方なかった。二重床柱は難しい。いずれ中空三角理論のデュアル形としてまた扱いたい主題。44地点が開放した為に46銀では44桂。54銀では47歩成が詰めろ。飛車サンドは玉サンドより売りサバキにくい。
以下一直線。
88=58角成。誰でも切る。これで玉の早逃げも単なる致命的手損に。
90=55銀。二枚換え。飛車切れと催促。
91=43飛成。逃げては歩で叩かれ桂の両取りでジリ貧。
93=63角。一応王手飛車だが当家ではボツ変化。見るのがつらい。


84-87手目クライマックスへ No: 7344 [返信][削除]
 投稿者:マシュダ一家  05/02/25 Fri 18:21:06

84=46歩。双頭手で角取り阻止。戻るかと催促。クライゼル効果で5筋から4筋へ重心移動。
85=43歩成。歩を切らして飛車交換後の飛車打ち防御の歩を用意+23角の準備。
86=43金左。23角の方をリクエスト。74角の対象形で王手はイヤ。
87=46飛。58角成の二枚換えには43飛車切りから王手飛車が見えるが59玉自体がムダ手に逆行相転化して先手勝てない。46飛変化はかなり前から当家では先手負けしかないが・・・


80-83手め 5筋中空三角理論 No: 7343 [返信][削除]
 投稿者:マシュダ一家  05/02/25 Fri 17:59:39

80=54銀。谷川の誘いなので素直に5筋中空三角理論へ突入。
81=56飛。次に55銀を狙い角をス抜く。
82=53歩。中空三角理論通り。羽生と中原はすぐに打つ歩。
83=55銀。中空三角理論通り。それでも行くしかない引力。


79手め75桂? No: 7342 [返信][削除]
 投稿者:マシュダ一家  05/02/25 Fri 17:51:25

ここは谷川から駒アタリ奇数番1を取るしかない局面。86歩催促では54桂。もし54桂が成立するなら36角が空間開放手を兼ねた三頭手で逆転していたということになる。そこで谷川は一番贅沢な桂の使い方。54銀と出ろと脅している。それが空間閉塞手となり今度は54桂が打てないだろうと。これは羽生の双頭手+三頭手を緩和する手法なので逆転を自覚して粘りに行った手。


70-78手目 谷川長考中 No: 7341 [返信][削除]
 投稿者:マシュダ一家  05/02/25 Fri 17:32:43

70=25歩。77歩成は桂歩を渡して危険。そこで開き直る。
72=35歩。55飛から飛車切りを許しては負け。ここで逆行奇数番1で歩を返す。3筋に歩が使える好手。
73=同飛。同歩としたいが先手から35歩を突く地点は過ぎた。
74=46歩。羽生の歩の妙技に見えるがここで駒アタリ偶数番2ではまだ不透明。
75=同銀。先手1歩得。
76=24銀。55歩取れと催促。
77=55飛。これで2歩得だが後手はWで歩が立つように。
78=36角。飛車切りから72角阻止しつつ1歩損へ戻す。33地点が二重に利いているので24銀も36角も1歩損だけで連続双頭手だったことになる。ここで谷川に妙手があれば仕方ないが33歩の叩きが24銀双頭手の効果で封印されている。谷川長考中。


67-69手目 玉の早逃げ這っても逃げろ No: 7340 [返信][削除]
 投稿者:マシュダ一家  05/02/25 Fri 16:44:36

67=25歩。63手めに39飛変化でなくてよかったと思う瞬間。44歩の前に先に35歩なら39飛はあったかもしれない。今度は先に35歩としなかった怪我の巧妙。同歩なら同飛24歩55飛で先手勝ち。
68=85桂。こっちに跳びたくないが65歩が間に合わないので仕方ない。
69=59玉。対丸山戦の59手目59玉早逃げを思い出す。ここで24歩は27歩なら先手勝ち
▲2六歩 ▽8四歩 ▲2五歩 ▽8五歩 ▲7八金 ▽3二金
▲2四歩 ▽同 歩 ▲同 飛 ▽2三歩 ▲2八飛 ▽3四歩
▲3八銀 ▽8六歩 ▲同 歩 ▽同 飛 ▲8七歩 ▽8四飛
▲2七銀 ▽9四歩 ▲9六歩 ▽4一玉 ▲3六銀 ▽3三角
▲6九玉 ▽6二銀 ▲7六歩 ▽2二銀 ▲1六歩 ▽5二金
▲1五歩 ▽5四歩 ▲3三角成 ▽同 桂 ▲8八銀 ▽7四歩
▲4六歩 ▽7三桂 ▲4七銀 ▽5五歩 ▲3六歩 ▽2四歩
▲5八金 ▽2三銀 ▲3七桂 ▽6四歩 ▲2五歩 ▽同 歩
▲同 桂 ▽同 桂 ▲同 飛 ▽2四歩 ▲2九飛 ▽6三銀
▲4五歩 ▽8一飛 ▲4四歩 ▽同 歩 ▲4五歩 ▽7五歩
▲4四歩 ▽6五角 ▲2八飛 ▽7六歩 ▲6六歩 ▽5四角
▲2五歩 ▽8五桂 ▲2四歩 ▽2七歩 ▲同 飛 ▽3五桂
▲2三歩成 ▽2七桂成 ▲3二と ▽投了

ところがじっと12銀と我慢されると23桂のような手が緩手なので77歩成以下79歩で耐えても27歩から上記変化のように銀を取られ挟撃を喰らう。そこで先逃げ。


66手目54角 調教成功 No: 7339 [返信][削除]
 投稿者:マシュダ一家  05/02/25 Fri 16:22:13

66=54角。キリは無理なので仕方ない。フツーに飛車イジメから馬作成の方が手堅かった。羽生は夢を追った。
この54角でも四方に効いているが先手には25歩からの十字飛車がある。55飛が実現すれば飛車切りから72角で寄り。先手陣への飛車打が間に合わない。さりとて65歩も間に合わない。


65手目 四頭獣調教66歩の催促に羽生長考中  No: 7338 [返信][削除]
 投稿者:マシュダ一家  05/02/25 Fri 16:05:54

65=66歩。角の利きが四方に効いていては受けても第2第3と続くので第二関門で利きを1方向に絞る。銀の質駒を残すのか43地点を死守しつつ87地点狙いか決めてもらう。次に77桂ブチ込は清算後やはり角が移動かキリ。どうせキリなら77桂より77歩成同桂47角成同金に76歩。ところが77歩成に同金だと後手も困る。85桂が飛車先を止めるため金を逃げられ76桂のV2固めが空を切る。85桂型で47角成は後手負け。


63-64手目 第二の関門へ No: 7337 [返信][削除]
 投稿者:マシュダ一家  05/02/25 Fri 15:44:19

第1の狙いX=28飛25桂に丸山風49桂で逆に25歩を喰らうというオチ。
そこで谷川は命拾いと安心して28飛。39飛変化にはさすがに27桂はない。39飛ならば飛車が使えないので安心して即時76歩。ところが第1の狙いXをクリアーしても39飛変化と同じ76歩がある。
64=76歩。四頭手第二の関門へ。後手1歩得で持ち歩3枚。即時77成り捨て可能。第1関門のXと最終変化が重複して繋がっている所が面白い。


谷川長考中 No: 7336 [返信][削除]
 投稿者:マシュダ一家  05/02/25 Fri 15:22:16

やはりすぐに44歩は軽率だったと反省中の模様。

0の狙いは無論角切りから38銀。従って66歩の催促はない。
第1の狙い2=56歩なら切り札56歩が連動手で逆転。
第1の狙い3=28飛25桂に46角なら45歩。26角なら打損で後手勝勢。
第1の狙い4=28飛25桂に27飛なら47角成同金38銀。


62手目65角!!!! 羽生得意の四頭手 No: 7335 [返信][削除]
 投稿者:マシュダ一家  05/02/25 Fri 15:09:07

第1の狙い=46歩。先手が28飛で先受けなら25桂と言う超筋悪がある。
46銀なら45歩で決まり。


61手目44歩? No: 7334 [返信][削除]
 投稿者:マシュダ一家  05/02/25 Fri 14:56:08

61手目44歩?
谷川はやけに素直に逆行駒アタリ奇数番1。ここは当家では35歩。先に44歩だと後手から46歩の叩き。同銀なら38角で馬作成。


58-60手目 羽生はナツメロ路線 No: 7333 [返信][削除]
 投稿者:マシュダ一家  05/02/25 Fri 14:50:19

58=44同歩。羽生も唖然としたようだがここは1回取るしかない。
59=45歩。継ぎ歩攻め。同歩だけはないがこの瞬間だけが遠い響きなので後手唯一のチャンス。
60=75歩。56歩は最後の切り札なので谷川のように気前よく出さない羽生。同じ駒アタリ偶数番2でも谷川羽生戦で飽きるほど出てきた75歩で。羽生もナツメロ路線。


57手目44歩!!! No: 7332 [返信][削除]
 投稿者:マシュダ一家  05/02/25 Fri 14:30:16

56=81飛。先手からの56歩同歩66角の逆襲を避けた。ここで手を渡すのでは55歩が無理だったと認めるようなモノ。羽生はやけに素直。
57=44歩!!! 強烈な仮想8thアタック。十字架銀+1筋2手損=4の偶数番原理躍動。同歩45歩同歩44桂なら後手壊滅。やはり2歩持たせると危険。端ならなんとか逆襲できるが谷川はイキナリ切り札で来た。
最大の弱点フォローはきつい。


47-55手目 No: 7331 [返信][削除]
 投稿者:マシュダ一家  05/02/25 Fri 14:15:17

47=25歩。仮想6thアタック。先に45歩で63銀を誘ってから25歩が成立すれば理想だが45歩の瞬間に相手にも仮想7thを渡すことを畏れた。
54=63銀。結局MF構想と同じ結果。
55=45歩。谷川一応成功。当家の作図通り。44歩が寄せナンバー。まだ勝勢ではない。十字架銀の2手損分を後手は利用して銀冠を組んでいる。先手は壁銀のために二重に自陣が危険。先手は飛車を渡せない。だから逆に後手は飛車をイジメたい。29飛は相当ムシがよい繰り換え。その弱点をついて羽生らしい超筋悪が見られそうな局面。


46手目昼食後64歩 No: 7330 [返信][削除]
 投稿者:マシュダ一家  05/02/25 Fri 13:29:33

46手目昼食後64歩
ここで控え室の島に唆されて75歩の5thアタックは同歩でも66角でも歩損。先手が45手目に江戸時代風66角ならば46手目75歩で勝ちだったが37桂相手に歩を先手に2枚渡すと危険。十字架銀の強味。
そこで羽生はじっと64歩。丸山と同じ思考法。やはり敵に持ち角があると54飛地獄門は難しい。64歩は52金型の継続手なので自然。ただし84飛型では仮想歩間4とはならないのが弱点。これは後手の弱点44地点に対して先手の弱点66地点を狙う手なので45歩の先攻権利を先手に譲渡した手。


41-45手目 No: 7329 [返信][削除]
 投稿者:マシュダ一家  05/02/25 Fri 12:17:08

41=36歩。仮想7thアタック示唆。右桂を使うのにここから2手必要。これは十字架銀を含めて後手にすべて読まれる手数。
42=24歩。目前の35歩阻止。丸山相手の時のようには取れない歩。取ると以下で負け。
▲2六歩 ▽8四歩 ▲2五歩 ▽8五歩 ▲7八金 ▽3二金
▲2四歩 ▽同 歩 ▲同 飛 ▽2三歩 ▲2八飛 ▽3四歩
▲3八銀 ▽8六歩 ▲同 歩 ▽同 飛 ▲8七歩 ▽8四飛
▲2七銀 ▽9四歩 ▲9六歩 ▽4一玉 ▲3六銀 ▽3三角
▲6九玉 ▽6二銀 ▲7六歩 ▽2二銀 ▲1六歩 ▽5二金
▲1五歩 ▽5四歩 ▲3三角成 ▽同 桂 ▲8八銀 ▽7四歩
▲4六歩 ▽7三桂 ▲4七銀 ▽5五歩 ▲3六歩 ▽2四歩
▲同 飛 ▽2五歩 ▲3四飛 ▽2三銀 ▲5四飛 ▽6五角
▲投了
48手で後手の勝ち
43=58金。上記65角を防いだようでも今度は飛車を渡すと28歩G効果がない。
44=23銀。三頭手。
1=24歩死守
2=壁銀解消
3=14歩逆襲
45=37桂。常識的な流れだが難しい。先手からの25歩が仮想6の為。
後手の弱点は44地点なので45歩が実現すれば仮想7thアタック可能。


40手目55歩 No: 7328 [返信][削除]
 投稿者:マシュダ一家  05/02/25 Fri 11:49:15

40手目55歩
42金型と対の4th。牽制ならば羽生も谷川並に相当なワルだがこの場合は理に適合。相掛りの進化の背景は横歩取り全盛時代。昨年衰退するとその手法が相掛りに組み込まれた。55歩は地獄門のパッセージ。それが完全5thではなく仮想6thで指されたことに注目。


2005.02.25棋王戦第3局 谷川VS羽生 相掛り十字架銀 No: 7327 [返信][削除]
 投稿者:マシュダ一家  05/02/25 Fri 11:35:48

2005.02.25棋王戦第3局 谷川VS羽生 相掛り十字架銀

谷川背水の陣。やはり相掛り十字架銀。相変らず当家の期待を裏切らない。
20=94歩。康光の影響。郷田康光戦では康光の趣向で飛車先歩交換前に9筋交換があった。康光のもっと早めの94歩は対羽生戦を思い出す。18手目なら丸山。
十字架銀に対しての後手からの94歩は意欲的。羽生も2連勝の余裕。
29=16歩。谷川は緩手と思っていない仮想歩間4。
30=52金。羽生の得意形。この金上がりを見ると思い出すのは丸山棒金戦法。丸山は62から直進した。相手はやはり谷川だった。
31=15歩。羽生が1筋を相手にしないので。これで先手は1筋に2手かけた。十字架銀の2手損と併せて4手損の偶数番。
33=33角成。この手自体は悪手。すでに端に2手掛けたので行くしかない。
39=47銀。十字架銀完遂。気持ちよい流れ。羽生の挑発に谷川も精一杯無理して仮想5thで手番を渡す。