実況&分析 マシュダ一家
逆行歩間パントマイム 黒犬の肖像
2005.01.11&12王将戦第1局 森内俊之VS羽生善治 相振り飛車
2004.01.09NHK杯 谷川VS中原 手損角換り早繰り銀



日時:2005.01.11&12
棋戦:第54期王将戦七番勝負第1局
場所:栃木県塩原町「芳紀庵」
戦型:相振り飛車
先手:森内俊之
後手:羽生善治
▲7六歩    ▽3四歩    ▲6六歩    ▽3二飛    ▲7八銀    ▽6二玉
▲6七銀    ▽3五歩    ▲7七角    ▽5二金左  ▲8八飛    ▽7二銀
▲8六歩    ▽7四歩    ▲3八銀    ▽2四歩    ▲4六歩    ▽2五歩
▲5八金左  ▽7三銀    ▲4八玉    ▽7二金    ▲3九玉    ▽4二銀
▲9六歩    ▽4四歩    ▲4七金    ▽4三銀    ▲9五歩    ▽1四歩
▲6五歩    ▽3三角    ▲5六歩    ▽2二飛    ▲5五歩    ▽2六歩
▲同 歩    ▽同 飛    ▲2七歩    ▽2四飛    ▲5六銀    ▽7一玉
▲2八玉    ▽3四銀    ▲6八飛    ▽1五歩    ▲9七桂    ▽2五銀
▲8五桂    ▽8四銀    ▲6六角    ▽6二金左  ▲9七香    ▽1六歩
▲同 歩    ▽同 銀    ▲同 香    ▽同 香    ▲1七歩    ▽同香成
▲同 玉    ▽1五香    ▲2八玉    ▽1四飛    ▲6四歩    ▽同 歩
▲7五歩    ▽1八香成  ▲3九玉    ▽2八歩    ▲7四歩    ▽2九歩成
▲4八玉    ▽7六桂    ▲7八飛    ▽7七歩    ▲同 飛    ▽7五歩
▲7三香    ▽同 桂    ▲同歩成    ▽同 銀    ▲同桂成    ▽同金直
▲8五桂    ▽6三金寄  ▲7三歩    ▽6一玉    ▲4三銀    ▽7一香
▲7六飛    ▽5一桂    ▲3二銀成  ▽7六歩    ▲7五桂    ▽9八飛
▲5八金    ▽2八成香  ▲6三桂成  ▽3八成香  ▲5七玉    ▽6三桂
▲3三成銀  ▽同 桂    ▲4三角    ▽5二銀    ▲7六角成  ▽9七飛成
▲6七歩    ▽7四香    ▲3二馬    ▽7七銀    ▲同 角    ▽同 龍
▲6六銀    ▽8四角    ▲7五銀打  ▽同 角    ▲同 銀    ▽同 香
▲6六角    ▽同 龍    ▲同 歩    ▽3九角
まで124手で後手勝ち
終了時刻=19時18分
消費時間 森内=7時間59分 羽生=7時間58分

3=66歩。歩間3で手損角換阻止。これで王将も防衛は無理と判る。
4=32飛。羽生の趣向。相振りで後手番三間は不利。
6=62玉。相振りで端は突けないので仕方なく。
8=35歩。逆行歩間2。疑問。
9=77角。好手。
10=52金。「どうするアイフリ」という態度。羽生のアサはダメ。
11=88飛。三間より有利。
12=72銀。目を開けて。
13=86歩。歩間3へ戻す。
14=74歩。即時3-1。
15=38銀。2ndアタック阻止。
16=24歩。今度は羽生が歩間3へ。
17=46歩。先手優勢となる歩間4。
18=25歩。即時4-1で3rd作成。これが羽生の手法。
19=58金。3-3維持で駒組。
20=73銀。3-3維持だが窮屈な手。結局35歩が突けない。突けば47金から金矢倉。
21=48玉。3-3維持の好手。可塑性に富む布陣。
22=72金。一時的に悪形でも3-3維持しかない。
23=39玉。これで角交換可能。
24=42銀。65歩の急戦に備える。
25=96歩。序盤2開始。歩間4へ。先手優勢。
26=44歩。逆行歩間3で手口は同じ。3-4の構造。ところが今度は4thで角筋遮断の為にすでに主導権は先手が完全掌握。
27=47金。緩手かもしれない。二日制を意識しすぎ。退屈な初日。
28=43銀。森内がヒルめば行く。チャンス発生。
29=95歩。3-4から2-5で5th作成。先手優勢維持。
30=14歩。躊躇の緩手が招いた歩間3。54銀はできなかった。羽生の限界。
31=65歩。力強い双頭手。3-5から2-6へ。
32=33角。ここで9手目に対応するブランコ後進はつらい。三間の欠陥。
33=56歩。初日の封じ手時刻前に羽生が好きな逆行歩間3で森内が挑発。構造は3-6で煮詰まった。これで15歩の7thを待つだけ。
34=22飛。羽生の封じ手。不本意だが6thアタックを見せるしかない。
35=55歩。敵に送る塩。45歩まで完全阻止。これは完封勝ちを狙う最も贅沢な手。問題はこれが7thになってしまったこと。
36=26歩。ここから中盤。森内が土俵に撒いた塩に乗じて7thアタック。
39=27歩打。飛車先歩交換原理で手番を奪還するが。
40=24飛。この位置が45歩を双頭手にする迎撃手。
41=56銀。45歩徹底阻止。
42=71玉。7thアタックも通用しないと諦めて迎撃準備。15歩は仮想8thになる。
43=28玉。顔面受け。45歩の5thアタックは26歩からの十字飛車を嫌った。
44=34銀。45歩阻止の双頭手。82玉のブランコ後進は負け。
45=68飛。後手が1歩あるので警戒。積極性に欠けるようだが隙がない。66角と出て15歩の瞬間に75歩の7thアタックを敢行したいが後手にもう1歩渡すと45歩から46歩と叩かれやはり26歩の十字飛車。
46=15歩。ついに仮想8thでGo。
47=97桂。厳しい。
48=25銀。十字飛車が封印されたら棒銀。
49=85桂。逆襲の7thアタック。
50=84銀。矢倉戦と同じ要領。
51=66角。64歩の第二次7thアタックを敢行するのがフツーの棋士。1歩ないと端攻めがイヤミな為。森内は違う。タメルだけタメル。
52=62金。来ないので離れ駒を締める。
53=97香。ここまでタメルとこれしか指す手がない。
54=16歩。98飛までやられてはお手上げなので行く。
以下お決りの棒銀手順。16香では18歩で挫折なので誰でも16銀。攻めが細いので85桂をなんとか質駒にしたいが66角が好位置のため73桂の裏技は後手即負け。
64=14飛。銀と歩の交換で駒損だが先手の歩切れが後手の救い。
65=64歩。端は受からないので放置。すでに銀得なのであとは歩があれば勝ち。そこで端から順番に94歩、93桂成、75歩、64歩、54歩、45歩、36歩と読んで行くが森内にはソレが面倒臭い。相手の角を働かせずに自分の飛車を活用するには64歩っポイと言うのが森内の大局観。36歩は魅力的だが15角を許してしまう。
66=同歩。ここで歩を渡しては負けなので。
67=75歩。39玉の早逃げには28歩で引き戻される。それでも1歩入手できそうだが7筋で取るのが最も魅力的。
68=18香成。同歩は74香を喰らう。同銀は同角と切られてやはり74香。仕方なく行く。
69=39玉。左辺が広大な自宅プール。
70=28歩。銀損の代償を求める。
71=74歩。待望の歩切れ解消。
72=29歩成。他に手がない。これで銀桂交換と慰める。
73=48玉。森下なら29銀と歩を取るかもしれない。飛車の横利きで受けきり。48玉は攻めあい。
74=76桂。冬の自宅プールにまぎれこんだ黒い犬。
75=78飛。69飛との選択。逆行駒アタリ奇数番1。
76=77歩。7筋の歩が切れたのでこんなタタキが出現。羽生の常套句。
77=同飛。仕方ない。同角では28と。98飛は銀を取られた後に87銀で負け。58飛は65歩同銀68歩。
78=75歩。逆行駒アタリ奇数番1の争奪戦の線路止め。ほぼ負け自認。
79=73香。森内羽生戦にしては珍しいブチコミ。羽生のせい。59金では客が逃げる。以下清算後に85桂と言うバカ進行。
86=63金。金は渡せない。
87=73歩。厳しい楔。
88=61玉。受けがない時は早逃げ。お返し。
89=43銀打。羽生の心理戦にダマされた森内。羽生が放った黒い犬の挟撃を今度は森内が踏襲。玉逃げをマネされて心が乱れた。挟撃をマネせずに72銀のブチコミ連続で先手必勝。金を渡すと後手は受けがなかった。
90=71香。これで72銀解消。
91=76飛。28成香を畏れてついに黒犬の魔方陣へ。同歩なら75桂のはずが・・・
92=51桂。銀取りの攻防手。森内はこれにダマされて持ち時間をすべて失い1分将棋に。谷川のマネして飛車切りで桂取りは無理だったのかと悲観。中原ならバカヤロと扇子を開く。
93=32銀成。飛車取りを避けると要の銀を取られて持将棋。
94=76歩。羽生はイヤでも飛車を取るしかない。
95=75桂。75歩が移動したので待望の桂打ち実現。
96=98飛。取り敢えず王手が先手。68飛は57玉で即負けなので。
97=58金。88歩では豊川。 88銀はもったいない。
98=28成香。38成香でも57玉と逃げられてひとめダメ。
99=63桂成。自陣は詰まないので行く。待望の金取り。
100=38成香。取りあえず受け駒となる銀を入手しつつ王手。
101=57玉。絶好の逃げ場。
102=63桂。同金は33成銀後52からの直撃を喰らいそうなので。ところがこれでも51地点が開いた為に後手苦しい。
103=33成銀。自陣が詰まないのでラク。詰めをかけるなら63桂を咎めて42銀打ち。
104=同桂。先手玉は詰まないので仕方ない。25角の王手飛車を避けたワケではなく単なる銀取り。
105=43角。王手。
106=52銀。せっかく取った銀で受けるのではつらい。
107=76角成。大ポカ。実況&分析手順はNo: 7140
以下大逆転。
羽生の感想=「110手目74香でようやくいい勝負。116手目84角で勝ち」
森内の感想=「終盤はかなり間違えた」
当家の感想=「二日もいらない」

王将戦第1局 森内勝ち変化 No: 7140 [返信][削除]
 投稿者:マシュダ一家  05/01/12 Wed 19:11:17

▲7六歩 ▽3四歩 ▲6六歩 ▽3二飛 ▲6八銀 ▽6二玉
▲6七銀 ▽3五歩 ▲7七角 ▽5二金左 ▲8八飛 ▽7二銀
▲8六歩 ▽7四歩 ▲3八銀 ▽2四歩 ▲4六歩 ▽2五歩
▲5八金左 ▽7三銀 ▲4八玉 ▽7二金 ▲3九玉 ▽4二銀
▲9六歩 ▽4四歩 ▲4七金 ▽4三銀 ▲9五歩 ▽1四歩
▲6五歩 ▽3三角 ▲5六歩 ▽2二飛 ▲5五歩 ▽2六歩
▲同 歩 ▽同 飛 ▲2七歩 ▽2四飛 ▲5六銀 ▽7一玉
▲2八玉 ▽3四銀 ▲6八飛 ▽1五歩 ▲9七桂 ▽2五銀
▲8五桂 ▽8四銀 ▲6六角 ▽6二金左 ▲9七香 ▽1六歩
▲同 歩 ▽同 銀 ▲同 香 ▽同 香 ▲1七歩 ▽同香成
▲同 玉 ▽1五香 ▲2八玉 ▽1四飛 ▲6四歩 ▽同 歩
▲7五歩 ▽1八香成 ▲3九玉 ▽2八歩 ▲7四歩 ▽2九歩成
▲4八玉 ▽7六桂 ▲7八飛 ▽7七歩 ▲同 飛 ▽7五歩
▲7三香 ▽同 桂 ▲同歩成 ▽同 銀 ▲同桂成 ▽同金直
▲8五桂 ▽6三金寄 ▲7三歩 ▽6一玉 ▲4三銀 ▽7一香
▲7六飛 ▽5一桂 ▲3二銀成 ▽7六歩 ▲7五桂 ▽9八飛
▲5八金 ▽2八成香 ▲6三桂成 ▽3八成香 ▲5七玉 ▽6三桂
▲3三成銀 ▽同 桂 ▲4三角 ▽5二銀 ▲3二角成 ▽6五桂
▲同 銀 ▽9七飛成 ▲6七歩 ▽6五歩 ▲3三馬 ▽5一銀
▲7四桂 ▽7七銀 ▲6二桂成 ▽同 銀 ▲5一金 ▽同 銀
▲7二金 ▽同 香 ▲同歩成 ▽同 玉 ▲7四香 ▽8二玉
▲7三香成 ▽投了

127手で先手の勝ち


2004.01.09NHK杯 谷川VS中原 手損角換り早繰り銀 No: 7139 [返信][削除]
 投稿者:マシュダ一家  05/01/10 Mon 07:33:33

放映:2004.01.09
棋戦:第54回NHK杯三回戦
戦形:手損角換り早繰り銀
先手:谷川浩司棋王
後手:中原誠永世十段
▲7六歩 ▽8四歩 ▲2六歩 ▽3四歩 ▲2五歩 ▽3二金
▲7八金 ▽8八角成 ▲同 銀 ▽2二銀 ▲3八銀 ▽3三銀
▲3六歩 ▽6二銀 ▲3七銀 ▽6四歩 ▲6八玉 ▽6三銀
▲4六銀 ▽4四歩 ▲3五歩 ▽5四銀 ▲3四歩 ▽同 銀
▲2四歩 ▽同 歩 ▲同 飛 ▽2三金 ▲2八飛 ▽2四歩
▲3六歩 ▽6五歩 ▲7七銀 ▽4五歩 ▲3七銀 ▽3三桂
▲7九玉 ▽8五歩 ▲5九金 ▽6四角 ▲6八飛 ▽2五桂
▲2八銀 ▽4六歩 ▲同 歩 ▽同 角 ▲4四角 ▽3八歩
▲5三角成 ▽4三銀右 ▲3八飛 ▽5七角成 ▲6八銀 ▽4六馬
▲3五歩 ▽6二金 ▲5四歩 ▽5二歩 ▲3一馬 ▽4五銀
▲2一馬 ▽5四銀上 ▲1一馬 ▽5六銀 ▲4九香 ▽4七歩
▲5八金 ▽8六歩 ▲同 歩 ▽同 飛 ▲7七馬 ▽8二飛
▲5七歩 ▽4五銀引 ▲4七香 ▽6四馬 ▲4五香 ▽同 銀
▲8四歩 ▽5三金 ▲2六歩 ▽8八歩 ▲同 金 ▽8五香
▲7五銀 ▽同 馬 ▲同 歩 ▽8六歩 ▲4八飛 ▽5四金
▲7六馬 ▽8四飛 ▲9五角 ▽8七歩成 ▲8四角 ▽8八と
▲6九玉 ▽8七香成 ▲2一飛 ▽4一歩 ▲2三飛成 ▽7八成香
▲5九玉 ▽8九と ▲7四歩 ▽4六桂 ▲同 飛 ▽同 銀
▲6二金 ▽投了
109手で先手の勝ち

中原が登場する将棋は飽きない。奇想天外なことが有り得る。
谷川相手に手損角換りは無謀だったかもしれない。谷川はこの戦法での鍛え方が最近違う。64角は2004.10.21A級順位戦でも谷川が丸山相手に指した手。51金からの飛車廻りは丸山が谷川相手に指した手。
中原は谷川が腰掛け銀にすることを期待した。感想戦でそんなことを述べた時点で谷川に盛り上げろと甘えた証し。1年前のNHK杯で中井相手に中井SPを避けたのは中原自身。阿部相手に中原が初めて指した手損角換り腰掛け銀の二番煎じを同シリーズで谷川が付き合うはずはない。
2004.10.25NHK杯阿部VS中原 手損角換り
この将棋の骨格は先手が77銀の1手を省く所から始まる。
14=62銀。この手が緩手。
15=37銀。62銀型の為に早繰り銀での先攻が可能。37銀とするとこの瞬間に初手の76歩と47歩が浮くが65角打は62銀が壁銀となって後手負け。
16=64歩。従ってこの手は先手に必ず計算される。
17=68玉。丸山以上の慎重さ。中原を畏れている。
20=44歩。江戸時代ならここで65角打ちはあるかもしれない。先手は47角成を避ける一手。76歩を食って後手は1歩得。35歩からの攻めには54角で24歩を無視し23歩成なら27歩と叩く。63銀で飛車の横利きを頼りに攻めあい。ところが連盟将棋ではこのような角打はない。単調になりやすいと確信している。棒銀対策には54角を打つが早繰り銀では歩得から54角の展開を嫌う。早繰り銀でも棒銀でも単調には違いない。完全に研究将棋になってしまい横歩取り85飛以上に序盤で決まりやすい。
もしここで68玉を咎めるなら谷川が丸山相手に指した65歩。歩間2-1で3rd作成による故意の悪手だが21手目の35歩の仕掛けの構造が丸ごと換る。
21=35歩。歩間2からの2ndアタック。以下お決まり。
30=36歩。35歩か36歩の選択。余りに単調。
31=65歩。64角打ちと62飛を見せる双頭手。
32=77銀。先受け緩手。
33=45歩。以下谷川はラク。受けるだけ。逆に後手は守備を放棄して行くのみ。
36=33桂。解説は加藤一二三。贅沢も過ぎると引く。永世名人たちに遠慮している。この桂が跳ねて中原ご満悦のはずがない。44角を打たれたら困るので仕方なく指しているだけ。
37=79玉。谷川はこれで勝ちと思っている。
38=85歩。右も左もやり放題。これで後手負けそうと判る。
39=59金。後手が居玉なので。58金は角打+桂跳ね+38歩で負け。
40=64角。角を打てとの催促に素直に従う。これでは見どころも失せた。谷川のワナにハマッタだけ。勝負手ならいきなり3rdアタック。
41=68飛。当家ではひとめ。59金を双頭手にする手法。谷川は後手番でも山崎経由の42飛を指しているので躊躇ない。
>2004.10.31NHK杯 中川VS谷川 手損角換り 対棒銀42飛
以下中原の玉砕。25桂と跳ねては受けつぶしからどの変化でも最後は必ず26歩で桂を殺される。
47=44角。容赦なし。谷川が中原に同情するなら75角。
48=38歩。負けを察して見せ場を造る。
50=43銀。時間調整してくれと要請。
51=38飛。承諾。
52=57角成。52飛や56歩の勝負手は形作りにならないと遠慮。永世名人になるとカッコつけないといけない。
102=78成香。羽生なら83金と打つかも知れない。加藤一二三なら78と。しかし78とから69金でも後手負け。中原らしく桂を取って首を出す。
谷川が寄せ間違えば大逆転。しかし46桂では誰でも切る。だから終局図を一手違いの形作りにするための演技。そうでないと飛車はすぐに取らない。
第2手の84歩と第4手目の34歩の指し方は全棋士の中で中原が最も美しい。谷川や羽生のようにチョンチョンと直したりしない。そのような様式美が最後まで持続するから中原将棋は飽きない。久しぶりに大扇子も開いた。まだ5年は見たい。