2004.03.20 NHK杯決勝羽生VS久保 相振り飛車


2004.03.20NHK杯決勝羽生VS久保  No: 4710 [返信][削除]
 投稿者:マシュダ一家  04/03/22 Mon 00:24:56

最初からウマク握っている駒が記録係に振られ歩が4枚で羽生先手。振り駒は操作できる。

放映:2004.03.21
棋戦:第53回NHK杯決勝
戦形:相振り飛車
先手:羽生善治
後手:久保利明

▲7六歩 ▽3四歩 ▲6六歩 ▽3三角 ▲6八飛 ▽2二飛
▲3六歩 ▽4二銀 ▲2八銀 ▽6二玉 ▲4八玉 ▽5二金左
▲5八金左 ▽7二銀 ▲3七銀 ▽7一玉 ▲3八金 ▽5四歩
▲7八銀 ▽5三銀 ▲6七銀 ▽2四歩 ▲3九玉 ▽1四歩
▲1六歩 ▽2五歩 ▲8六歩 ▽1五歩 ▲同 歩 ▽同 香
▲1七歩 ▽1二飛 ▲4六歩 ▽4四歩 ▲5六銀 ▽2四角
▲6五歩 ▽3三桂 ▲4七金左 ▽4二飛 ▲6六角 ▽4五歩
▲同 歩 ▽同 桂 ▲4六銀 ▽4四銀 ▲2八玉 ▽5五歩
▲同銀直 ▽同 銀 ▲同 角 ▽5四銀 ▲6六角 ▽5六歩
▲4三歩 ▽同 飛 ▲4四歩 ▽5三飛 ▲5六金 ▽6五銀
▲4五金 ▽4六角 ▲同 金 ▽6六銀 ▲同 飛 ▽5七飛成
▲4八角 ▽6六龍 ▲同 角 ▽4九銀 ▲4八金 ▽6八飛
▲4三歩成 ▽同 金 ▲6二歩 ▽5一金 ▲1一飛 ▽4一歩
▲5七銀 ▽6九飛成 ▲4七銀 ▽8九龍 ▲1五飛成 ▽6五桂
▲4五香 ▽5七桂成 ▲同 角 ▽3九銀 ▲同 玉 ▽5八銀成
▲4九桂 ▽5七成銀 ▲同 金 ▽4八角 ▲同 玉 ▽5九角
▲3九玉 ▽1五角成 ▲3八銀 ▽5三金 ▲1六歩 ▽5九馬
▲4八銀 ▽同 馬 ▲同 玉 ▽7八飛 ▲5八桂 ▽6八銀
▲4七金寄 ▽5九銀不成▲3七玉 ▽5八飛成 ▲3九銀 ▽7八龍引
▲3三角 ▽6二金 ▲1五角成 ▽8二玉 ▲2五馬 ▽5四桂
▲5六金寄 ▽2八歩 ▲5七金引 ▽2九歩成 ▲5八金 ▽同 龍
▲2九銀 ▽3三桂 ▲3四馬 ▽4五桂 ▲同 馬 ▽4二香
▲4四歩 ▽同 香 ▲6七角 ▽4七龍 ▲同 玉 ▽4五香
▲同 角 ▽4六金 ▲3八玉 ▽4五金 ▲3二飛 ▽5二歩
▲4八香 ▽6五角 ▲2八玉 ▽3八歩 ▲投了

148手で後手の勝ち


なぜ羽生が相振りを指すようになったか?
1=そのような戦形がすでに存在する。
2=その戦形は不完全であった。
3=不具者も工夫すれば健常者になる。
4=気がついたら不具者の振りをしていた。
相振りの決勝戦はオリンピック放映が突然パラリンピックに差し替えられたようなもの。
羽生は対称四間を望んだが久保は向い飛車で先手四間を笑う。
25手め16歩が敗因1
。内藤がヨタ話をしている間に40秒で指された手。
敗因2となる27手め86歩までの考慮時間は編集でカットされている。内藤のヨタ話が延々と続いていたため。この時点でもまだ玉の囲いあいなどと言っているのが相振りをダメにしてきた内藤世代。B級戦法さえB級棋士は真剣に取り組まなかった為に羽生が洗い直している。
そこで久保に軽くあしらわれて次の28手めで将棋は終わった。久保の15歩を見てオーなどと叫びあう涼子と内藤の声。画面は相変らずこの無頓着な珍獣を映している為にリアルな進行を体感するには安食の読み上げの声だけが頼り。このような聞き手や解説者がいるかぎりラジオやインターネット中継でトップ棋士の指し手だけをリアルタイムに知った方がはるかに醍醐味がある。羽生が27手め86歩に何秒考えたかこの収録では部分カットされているために不明。序盤のあの最重要地点では対局室を映すべき。28手め以後の人間の恐れや葛藤を表現するには将棋である必要がない。内藤にはそれが生涯わからなかった。当家の「淡路の時間」絶賛を米長経由のネタで紹介したつもりであろうが、肝心な所で内藤はこの最も緊迫した時間を台なしにしてしまった。頭でわかっているフリをしても下半身の饒舌がついていかないこの中途半端さは「運」ではない。NHK杯で内藤が決勝に4回も出場していながら1回しか優勝できなかったのはこの中途半端な脳味噌が原因であって決して運ではないと当家も羽生も言っている。羽生はだからこそ過去6回の全てのNHK杯決勝で勝ってきた。死を目前にした村山さえ羽生はNHK杯決勝で容赦なく殺した。
その羽生がなぜ27手め86歩を突いたのか?
一言でポカ。羽生は中途半端なアタマになった証し。羽生ほどの達人になるとどんなに疲労していても序盤のこのような見逃しは有り得ない。

羽生は4分残して25秒を読まれてから73手め43歩成。
久保は3分残して25秒を読まれてから74手め43同金。
その間、涼子が飛車切って金打から角は?などと言っている。
そんなことをしたら以下の単純変化で羽生に即詰みにされる。
▲7六歩 ▽3四歩 ▲6六歩 ▽3三角 ▲6八飛 ▽2二飛
▲3六歩 ▽4二銀 ▲2八銀 ▽6二玉 ▲4八玉 ▽5二金左
▲5八金左 ▽7二銀 ▲3七銀 ▽7一玉 ▲3八金 ▽5四歩
▲7八銀 ▽5三銀 ▲6七銀 ▽2四歩 ▲3九玉 ▽1四歩
▲1六歩 ▽2五歩 ▲8六歩 ▽1五歩 ▲同 歩 ▽同 香
▲1七歩 ▽1二飛 ▲4六歩 ▽4四歩 ▲5六銀 ▽2四角
▲6五歩 ▽3三桂 ▲4七金左 ▽4二飛 ▲6六角 ▽4五歩
▲同 歩 ▽同 桂 ▲4六銀 ▽4四銀 ▲2八玉 ▽5五歩
▲同銀直 ▽同 銀 ▲同 角 ▽5四銀 ▲6六角 ▽5六歩
▲4三歩 ▽同 飛 ▲4四歩 ▽5三飛 ▲5六金 ▽6五銀
▲4五金 ▽4六角 ▲同 金 ▽6六銀 ▲同 飛 ▽5七飛成
▲4八角 ▽6六龍 ▲同 角 ▽4九銀 ▲4八金 ▽6八飛
▲4三歩成 ▽4八飛成 ▲同 角 ▽3八金 ▲1八玉 ▽2八角
▲5二と ▽2九金 ▲6二銀 ▽投了
81手で先手の勝ち
久保の43同金など当たり前。千葉涼子のおかげで久保が寄せをグズったような印象をこの地点から与えているが羽生は必死に受け久保も冷静に対処しているだけ。この地点の羽生からの寄せが一挙に見えたために久保は慎重に指している。3分あればあとは十分。
将棋とは無頓着な解説者のおかげで指し手の印象がまったく換ってしまうことがある。特に内藤の場合は最重要地点でのヨタ話は逆効果。
別に今日のことに限った話ではない。将棋の棋譜はその日暮らしの糞尿にまみれる場合がほとんど。 メディア経由の芸とは大抵ゆがむ。映画会社、レコード会社、出版社、テレビ局の都合で原作が書き換えられることがほとんど。削除された中に作者が一番表現したかったことがある場合がある。本当に目新しいモノは世間で売れないため。
その中でも将棋は抽象芸術の為に周囲のハゲタカにボロボロにされやすい。 棋士が外向けに自己評価を装うこと自体も自虐行為。
しかし棋士はひとつのことだけを信じていればよいので報われている。
棋譜はそのまま残る。誰が何と言おうと棋譜は書き換えられることはない。付着した言葉は消えるが棋譜はそのままの形で再評価される。特に序盤の工夫は棋士の努力の証し。書き換えられたまま出版されて原典扱いされるような楽譜や本とは違う。糞尿の中で泳ぐサカナはやがて大海の水を得る。

映像や嘘の証言がなくとも羽生がポカをしたことは棋譜に刻まれた通り。
このポカの質はNHK杯特有の忘年会風表彰式と似ている。
あのマヌケなファンファーレは25手め16歩に匹敵。
小学校の職員室もどき賞状授与は27手め86歩に匹敵。
羽生は終始立派。ただし中味は初手36歩のシールに驚くだけのブリキのラッパ。
久保は最終盤震えていた。初めての棋戦優勝。その顔を見るだけで満足するのが現世。棋譜は後世の人間をも熱狂させる。