山崎、だからあれほどハブを煽るなと警告したのに。
最初の煽りは羽生も勘弁してくれたが、三回目の煽りは致命傷であった。本譜を見ても分かるとおり羽生は本当は勝ちたくなかった。深浦には今期防衛してもらい住宅ローンを一挙に返済してもらわないとまた貧乏臭い将棋に戻ってしまう。
しかし朝日の担当者も羽生の戦意のナサに気がつきブタセンばかりかタコトラまで控え室中継に入れてしまった。こう言う連中にまでわかってしまう指し手ではさすがにハブもこれ以上緩めるわけにはいかない。
正調矢倉で指せば羽生がうまく仕掛けて難解な所で転んでくれた。本日のハブのMFパロディーは見えない59飛変化。そこで深浦に聞いてみた。
「気分？最高です」
深浦は山崎は危険だが羽生との番勝負は楽勝と言っている。

日時：2004.03.19
棋戦：第21回朝日オープン挑戦者決定戦
戦型：タコ
先手：羽生善治
後手：山崎隆之

▲７六歩 ▽８四歩 ▲６八銀 ▽６二銀 ▲５六歩 ▽５四歩
▲４八銀 ▽５三銀 ▲７八金 ▽３四歩 ▲７七銀 ▽６四銀
▲６九玉 ▽５五歩 ▲同　歩 ▽同　銀 ▲２六歩 ▽５二飛
▲２五歩 ▽４四角 ▲６八銀 ▽３二金 ▲２四歩 ▽同　歩
▲同　飛 ▽２三歩 ▲３四飛 ▽６四銀 ▲４四角 ▽同　歩
▲４三角 ▽２七角 ▲５二角成 ▽同　玉 ▲５九金 ▽４一玉
▲８二飛 ▽７二角 ▲４四飛 ▽４二銀 ▲３九銀 ▽５三銀引
▲２八歩 ▽４四銀 ▲２七歩 ▽８三飛 ▲同飛成 ▽同　角
▲３八角 ▽７一金 ▲７九玉 ▽９四歩 ▲４九金 ▽５三銀引
▲４六歩 ▽４七歩 ▲３六歩 ▽９五歩 ▲３七桂 ▽６二銀
▲２六歩 ▽１四歩 ▲４五桂 ▽５六飛 ▲５三歩 ▽１五歩
▲４七角 ▽５九飛成 ▲同　金 ▽４七角成 ▲５七飛 ▽同　馬
▲同　銀 ▽３七角 ▲４八銀上 ▽２六角成 ▲５二角 ▽３一玉
▲２四歩 ▽２二玉 ▲４一角成 ▽３一銀 ▲２九飛 ▽投了

83手で先手の勝ち

温泉に浸かりすぎて死んだボケ老人。

先手も敵陣の最大の急所へ打ち込む楔歩=トリプル手で対抗。
54歩では取られるが53歩ならば平気。
1=76飛には52歩成から54歩。
2=46飛には44飛打から33桂不成。
3=何もしなければ47角で角交換強要し52角打
これで観戦記もなんとか繋いで修復できるかもしれない。

角筋を遮断することで47歩を自働駒アタリとするトリプル手。46飛&76飛の二重駒アタリも同時に発生。
1=54歩には同飛
2=47角には59飛成の角のスヌキで馬作成
3=何もしなければ76飛で歩の補填。
X=46飛は44飛の中空三角理論で迎撃可能。

16歩と付き合っては16角出の楽しみが消えるばかりか後手に15歩の権利を与えてしまう。この後手の優雅なブランコ運動に圧迫を感じてハブは45桂。
歩切れを狙って54歩までには2手かかる。修復作業場の高所足場で懐からオニギリを取り出すような危険な余裕。

この手は本局で最も気持ちよい手。
千駄ヶ谷ハワイアンセンターで一風呂浴びている気分。

先手はどんどん底無し沼にはまるが、後手はもともとがヘドロの海であったのであとはシャワーで汚れを落とす気分。

羽生がここは先に96歩と受けておくべきだったかなどと言う程マトモな展開ではない。特設会場が春一番の突風で吹き飛ばされたので会場作りから始めないといけない。9筋ブランコに乗ったら遊んでいるとしか周囲に思われない。

羽生が角交換を強いたので最後の1歩で阻止。74歩では75歩でこじ開けられる。キーをなくした時に呼ぶ鍵屋ならば良いが、泥棒さんは困る。

将棋の駒が時間を逆行している。ボリネシアンショーを見て妙にホームシックに浸る南方系の郷愁。

深浦がとうとう怒り始めた。「だから最初から39金にしとけって言っただろ、このタコ」とハブに言いたいらしい。タコは山崎である。
過去の汚点をまた拾い出すから夫婦喧嘩が長引く。弱者は過去に受けた屈辱を生涯忘れないが、強者は過去を振り返らない。香車もウシロは向かない。

しかし深浦はまだブツブツ言っている。49飛ならば59飛と迎撃し47飛成の金取りには83角の龍金取りがあるじゃないかと。そう言うことはハブに直接聞いてもらいたい。

しかし深浦、良く見てごらんなさい。ここを48金などと温泉気分で守っては47角成と切られ同金の一手に49飛で先手陣は崩壊。
夫婦げんかした時にはこのように腰を引いてヨリを戻すのが正しい。

深浦は「そこまでして羽生さんは私と将棋が指したくないのか？」と青筋を立てているであろう。

担当者が羽生にお願いした効果であろう。

羽生の温情を期待した手。
それ以外では43銀か55銀くらいしかない。53銀は一番ムシがよいお願い。

3歩損では馬対龍でも山崎は勝てないどころか将棋ではない。
観戦記が書けない将棋では公開棋譜として恥ずかしいので担当者が羽生にお願いするしかないであろう。

手数がおかしいと思ったら羽生は37手めに82飛を打っていた。山崎に1歩しかないので84飛成からまた82龍を狙う魂胆であろう。83歩と一歩使うなら28歩で2枚換え。

38角成を阻止。深浦は最初から39金に逃げろと怒っているかもしれない。

1歩しかないので仕方ない。28飛で角を殺すとそこで43歩。46飛ならば54角成なので28飛は有り得ない。

ここで45角成は32飛成と金を取って飛車を切る。自陣の傷を消すのは簡単。後手陣の22地点の傷を消すのは大変。

深浦がナンデー？と言っているかもしれない。

ここで飛車を王手で取って59飛の王手&金死守で次の36歩で角が死ぬカモなどと楽観するとすかさず49角成と切られ38金で投了となる。

飛車打は怖くないので金取りと45馬の飛車アテ双頭手。

飛車取りである。しかし52角成-同玉-82飛打には72角打で怖くない。

飛車切りでは28歩Ｇ効果の後の83馬の楽しみが64銀で阻止されている。
66歩では深浦にまで腰抜けと言われる。

トリプル手
1=68銀に呼応する空間開放手
2=飛車切りからの65馬作成防御
3=27角を狙って角交換を強制。自陣の傷は敵の傷

昼食休憩後羽生はキチンと横歩を取る。これを取らなかったら何を言われても仕方ない。
しかし取るのも気が重い。羽生は5番勝負で深浦の顔を本当は見たくない。深浦羽生戦など当家も見たくない。

なお飛車角交換後53歩は後手の狙い筋なので先手はやらない。同飛の1手に82角打は92飛で殺される。

山崎はタコ

飛車角交換後羽生にＧ効果で飛車打阻止の28歩を打たれたら後手はお手上げ。
角を逃げれば84飛で将棋は終わる。83角打を防いでも43地点が開放しては飛車まで風邪をひいてしまう。

34飛と横歩を取られてもいいのであろうか？
28歩と打てない為にただの歩損となる。
それだけではない。
44飛で飛車角交換後28歩で先手陣は鉄壁。後手は83角打の傷が残る。
案の定羽生はここで昼食休憩。
これでは山ちゃんに負けてあげたくても負けられない。

角筋を再度開通させつつ後手が狙う35角を阻止。これで下記の44角は双頭手から単なる22地点空間開放手に逆行相転化。後手が居玉では22地点空間開放手そのものが手損と解釈しその1手分を先手も手損として解消し自陣で調整。対急戦の迎撃手として有効。79玉をも可能とする。
1=角筋開通
2=57地点補強
3=79玉可能

先手は飛車先歩交換で2枚目の歩を手駒にするのは常道。後手は2筋を放棄して攻めの継続を謀るしかない為。20手め44角はトリプル手とは言えない。24飛車の時に34飛と横歩を取り53歩で飛車を叩いてから54飛or84飛と展開される5筋歩交換と84歩のふたつの欠陥補修が三番目の意味の為。
1=22地点空間開放
2=35角で攻防の狙撃
3=44地点空間閉塞で横歩取り変化を阻止

矢倉77銀型で先手が気に入らない手に55歩-同角がある。これは5筋にかけた手数を角の双頭手に換算される為。阿久津はそれをただの恫喝手にする62飛で渡辺明にコテンコテンにされたばかり。
5筋歩交換原理にはもうひとつある。それが本譜のように銀で歩を取り連動手とする指し方。ところが後手はこの急襲を連鎖させるために飛車を振らないといけない。
山崎は5筋に飛車を持ってきた。すると第2手め84歩が傷になる。5筋歩交換原理とは後手にリスクが多い。三浦は逆に57銀で連動手を奪還するマシュダ一家セオリーをみせたばかり。しかしデザートの85歩にすぐに手を出した為に主食を食い残して山崎に負けた。
山崎が23分かけた84歩は極上のデザート。
山崎は53銀で羽生に77銀型を強制したつもりであろうが13手め69玉が自陣駒アタリ解消斥力の発現。この69玉は5筋歩交換で先手も1歩持ったことを誇示し後手のＵの特権放棄84歩を嘲笑する。
5筋歩交換原理
1=角の双頭手に換算　後手の権利
2=銀の連動手　双方の権利
3=歩の等価交換で84歩を停滞させる　先手の権利
羽生は3を選択

「ヤマザキ。イー加減にしなさい」
羽生を怒らせてしまった。

結核患者の愁いとは咳込むこと。西部劇でドク・ホリデーが咳をするとステキという悲劇のヒロイン嗜好。今日の山崎はマスクして咳込んでいる。風邪を移されたら羽生は名人戦どころではない。イヤーなカンジ、と羽生は初手76歩を指して思っている。しかも山崎はなかなか指さない。
2手め84歩に23分も消費時間が刻まれた。その間羽生はしびれを切らして眠り始める。これが山崎が会得したアワジー流。

悪しき慣習振り駒で記録係りは羽生を先手にした。阿部なら駒を天井まで高く振れと言うが山崎にはソレが言えない。
前回の対三浦戦で山崎は後手であった。晴れの決勝でもまた後手。羽生に有利な振り駒操作など八百長棋戦である。森内もこの10数年何度後手番を引かされてきたことか。
山崎は角道を開けずに4手め62銀。6手め56歩。山崎スぺシャルを示唆。これを挑発と取るか山崎の個性と見るか？
羽生は朝は眠っているので挑発と受け止める。62銀は目覚まし時計。

昨年3月8日の朝日オープン準決勝では羽生VS山崎のゴキゲン中飛車であった。谷川が王位奪取の第1局で勝った手順から青野森下改良手順であったが、ゴキゲン中飛車のこのような変化は研究などしなくとも実戦ですぐに出てくる。だから羽生に舐められる。39手め86香打などひとめ。
日時：2003.03.08朝日オープン準決勝
戦型：ゴキゲン中飛車
先手：羽生 善治
後手：山崎 隆之
▲７六歩 △３四歩 ▲２六歩 △５四歩 ▲２五歩 △５二飛
▲５八金右 △５五歩 ▲２四歩 △同　歩 ▲同　飛 △５六歩
▲同　歩 △８八角成 ▲同　銀 △３三角 ▲２一飛成 △８八角成
▲５五桂 △６二玉 ▲７五角 △３二銀 ▲１一龍 △５一金右
▲２二歩 △７四歩 ▲８六角 △５四歩 ▲９五角 △８四歩
▲同　角 △７三銀 ▲６六角 △同　馬 ▲６三桂成 △同　玉
▲６六歩 △７二玉 ▲８六香 △６四桂 ▲６七金 △７六桂
▲２一歩成 △８八桂成 ▲３一と △９四角 ▲７六歩 △８五歩
▲同　香 △同　角 ▲７七桂 △９四角 ▲６五桂 △６二銀引
▲６四角 △８二銀 ▲３二と △同　飛 ▲５三桂成 △７三銀右
▲６二成桂 △同　飛 ▲５三角成 △５二香 ▲６二馬 △同　銀
▲９五銀 △５五歩 ▲８四銀打 △８三歩 ▲９四銀 △同　歩
▲４一龍 △同　金 ▲８三銀成 △同　玉 ▲６一角 △７二銀
▲８五飛 △７三玉 ▲８三金 △６四玉 ▲７二角成 △５三玉
▲３三銀 △４四歩 ▲５五飛 △４三玉 ▲６二馬 △３三玉
▲５二馬 △同　金 ▲同飛成 △２七角 ▲４三金 △２四玉
▲２二龍 △２三銀 ▲３三龍 △１四玉 ▲２五銀 △同　玉
▲２三龍 △２四桂 ▲２六歩 △３五玉 ▲３六香
まで107手で先手の勝ち

このようなオマヌケ手順同様いまだに横歩取りで87歩を打たないバカが関西に居る。阿部である。三浦が中座飛車など研究するフリしているのはこういう連中が連盟に沢山居るからであった。阿部ならばもともと朝日オープンとはその程度の棋戦であると言うかもしれない。挑発して刈り上げちゃおうという気分で指すのが3時間将棋と言う思い込み。ＮＨＫ杯ではもっとマトモな将棋が沢山ある。実態は時間の問題ではなく軽薄な大受け狙いで目立とうという内藤経由の中流階級路線。
今年の朝日オープンでは阿部がケツ丸だしの対横歩取りを見せた為に三浦が準決勝まで来てしまった。三浦などただのオタッキーである。アノようなバカ将棋に「研究」などと言う者は、「いかにオシリをキレイに拭くか」というトイレ研究家といい勝負であろう。彼らは喫茶店でトイレットペーパーを何枚重ねるか真剣に議論したあげく、やっぱり全駒駆使できそうな将棋は矢倉か角換り腰掛け銀ですねと料亭で語る。それでも毎日トイレに入るたびに「今日は何枚重ねようか」と迷ってしまうのであった。