V3効果8-17 クライゼル重心移動の法則

2001年竜王戦第5局から2003年名人戦第3局への道筋

MashduaBBS2003.05.16

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画像をクリック=2001年竜王戦第5局


V3効果17 クライゼルの重心へ 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 5月16日(金)06時13分34秒

さてあとはPLAYボタンをクリックしながら藤井があの48地点の重心をめぐってどんな苦労をしなければならなかったか確認していただきたい。もし桂馬があれば藤井は46桂馬と打てたはずである。70手めに桂馬が手許にあれば35金が威力を発揮する。46桂馬と打てるからである。その桂馬はすでに84地点に投資されていた。ここで藤井は後悔してしまうのである。まだ藤井に勝機はあった。藤井の夢幻35金は36地点へ移動し得たからである。この金は35から57地点の急所へ効果を波及させるべきであった。
102手めの65桂打ちが藤井の凝固した後悔を表現している。ここに至って84桂と65桂は全く機能していない。57地点へまったく波及効果がないのであった。もし藤井が早めに56香を決行していれば藤井が勝っていたというのが局後の結論であったが、それだけでは羽生には勝てない。羽生は得する手だけではなく、相手の手をいかに無効にするかという逆行相を絶えず概念として体験的に把握しているからである。
ここで一旦この項目を終える。90手めと91手めを交互にループしていた諸君は気が付いたであろう。
そう。羽生の桂馬は成り桂から再び桂馬に戻るのであった。


V3効果16 クライゼルの縁=35金 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 5月16日(金)05時44分22秒

藤井の70手め47歩が緩手2であった為に逆転のチャンスに形を与えた。相手の緩手1で逆転のチャンスを探り、相手の緩手2で逆転筋が生じればあとはじっと待つのが羽生。藤井はクライゼルの重心移動の法則を見損じた為に大変な苦労を強いられる。藤井は48地点を攻めるべきではなかった。最初に47地点を攻めたのは正しい。そこが35金の重心だからである。しかし次に羽生の57地点を攻める構図を考えるべきであった。57地点はクライゼルの重心47地点とひとつずれている。ではどうすれば重心移動ができるのか?
35金がクライゼルの縁である。
諸君等はコマを動かす時にふたつの方法があることをご存じだろうか?


V3効果15 思考法の原点は35金 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 5月16日(金)05時21分59秒


局面に戻る。60手め46歩打は藤井の双頭手である。37と金を死守すると同時に47歩成を見せているからである。歩の双頭手は藤井がまだ優勢であることを誇示する。歩一枚の攻防手は先日の朝日オープンでも深浦が見せた。あの時のシーザーは興奮状態だったであろう。あれで逆転されたらシーザーは自殺していたかもしれないというほどの手であった。木村などは藤井の歩だけで完全にイカレてしまったことがある。木村が発狂寸前であった姿はNHKで公開されている。あれは演技などではない。本当に頭に血が昇っておかしくなってしまったのである。藤井に歩使いのお株を奪われた竜王戦第5局のあの日の羽生の怒りは相当なものであったろう。4筋を受ける為に泣く泣く歩を成り捨てたのはいいが素直に48歩とは受けずに22角成としてしまうのであった。アニメならば酔っ払った海賊王が手をグイーンと延ばして敵陣へ殴り込んだ図があの22角成である。羽生が自分に怒っている証しである。さすがに局後は羽生も反省してあの22角成は「ヘンでした」と言っていたことは週間将棋が暴いているが、本人は戴冠式に酔っていたので核心には触れないのである。
69手めの局面。羽生は藤井のプレY字効果をここで明確に緩手と棋譜上で断定している。しかし金を歩で奪われ依然藤井優勢である。ここで基本概念が露出する。藤井は70手めに47歩と打つ。これが緩手2となる。47地点は夢幻35金の重心地点なのであった。羽生は71手めに49歩と打つがこれは羽生の屈辱であろうか?プロ棋士ならばここで挨拶するのは苦しいと判断をする。しかし羽生は逆転のチャンスを感じたはずである。すでに緩手1で藤井の84桂のプレY字効果は消滅した為に金と桂馬二枚の交換をしたとまず考えられる。一枚は酔っ払ったフリをした22角成でなんとかもぎとった桂馬。もう一枚は藤井が打った桂馬のマイナス分となる。桂馬のマイナス分は駒台には乗らないので見えない。羽生は22角成の悪手でこの見えない二枚換えを行なったのである。22角成の悪手のおかげで4筋は後手に制圧された。しかし歩一枚で攻めの継続を遮断しえた為に金一枚の犠牲で済んだのであった。
では藤井はどのように攻めるべきであったのか?
この思考法の原点は35金である。


V3効果14 クライゼルの重心移動の法則 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 5月16日(金)04時39分07秒

藤井の54手め84桂打はY字効果が一手遅れている為に緩手1であった。次に桂馬のY字固めになりますヨというこのような予備軍には名称が必要である。「前フンドシ」がわかりやすいがそれではアンマリなので「プレY字効果」と呼んでみよう。プレとはビフォアの事である。作図の時は-Yで済むが言葉にするとそのようなものになる。
84桂打でも藤井優勢に変わりないが、羽生に逆転のきっかけを与えている。羽生は最初から将棋は逆転が当たり前と思っている棋士である。ジッチャンならこのような棋士を海賊王と呼ぶであろう。しかしそう呼んだのではまたカルト教団から石を投げつけられる。集団で罵声という石を投げつける快楽地帯が電光掲示板の特性でもあった。そこで我々はこの野蛮なアニメ世界をなんとかしようと海賊王の秘密を理論化しているのである。
「クライゼル重心移動の法則」ならば羽生もアニメのマジシャン扱いではなく科学者並の評価を得るであろう。


V3効果13 トリトススへの打ち込み=53角打と57角打  投稿者:マシュダ一家  投稿日: 5月16日(金)04時10分00秒

先週の名人戦第3局でなぜ羽生は57角とすぐに打てたのか、その構図がここで見える。
2001年竜王戦第5局では55手めに羽生は53角打としている。あの時は羽生が先手であった為に53角となる。名人戦第3局では羽生が後手であった為にその反対側、つまり57角打となる。
驚いたであろうか?
諸君等が知りたい羽生マジックの種明かしをしているのである。
そしてこの構図と共に常に存在する概念1がトリトヌスへの打ち込みであった。この基本概念が羽生には徹底的にたたき込まれている為に事前工作が難なく遂行できたのである。すなわち54歩のただ捨てと57銀引き。自陣のトリトヌスへの打ち込みを阻止すると共に敵のトリトススへの打ち込みを実現する細工が直前に行なわれている。
なぜこれを全てのプロ棋士が見落とすのか?それは84桂打という絶好手が余りに見えすぎている為である。もしトリトススから派生するクライゼルの法則を知っていれば、この手品は見破れたはずであった。
そしてこれが重要なのだが、この思考法は構図としてではなくまず概念として把握するべきなのである。
それがクライゼルの重心移動の法則。



V3効果12 35金の真の意味-クライゼル重心移動 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 5月16日(金)03時41分17秒


桂馬のY字効果は単調である。中原や羽生、そして谷川はこのような手を嫌う。では藤井はここで誰もが打ちたい84桂馬の換りに何を指せばよかったのか?ここで最善手を導き出す為に大局観が必要となる。84桂馬Y字効果のような美味しいデザートを先に作ると子供に先に食べられてしまう。時間がない場合はデザートを先に食べて退出するのもよい。岡崎で羽生に子供扱いされた谷川はそうするべきであった。しかしタイトル戦では奥の厨房でじっくり煮込む行為を中盤と呼ぶ。藤井はここで羽生の57銀のトリトヌス補強が何を意味するか知るべきであった。この銀は46地点、即ち藤井の34金の重心を撹乱するトリプル手だったのである。既に藤井優勢であったがこれを見損じた為に藤井はその後大変な苦労をすることになる。
54手めの最善手は先に35金。これは飛車を追うだけの手ではない。双頭手なのである。そうでなければジッチャンは夢幻金などとは呼ばなかった。35金の真の意味とは先手が阻止した後手のクライゼルの重心をここで46地点から47地点へずらすことである。


V3効果11 回想4 桂馬のY字効果直前の見損じ 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 5月16日(金)03時20分01秒

藤井もあの日この双方のトリトヌス空間効果を見損じていた。その証拠が次の54手め84桂打。この項目で最初に扱った桂馬のY字効果である。これが先手68金型の欠陥であると誰もが思い込んでいるために、この84桂打Y字効果は絶賛された。これで先手は難しくしたのではないかと。このような見損じがあるために悪い手がなかったなどとプロ棋士は局後に思う対局が多いのである。それはそうであろう。84桂打が悪手などとは誰にも言えない。しかしその直前の交換は羽生に利がある。これを見損じているのである。


V3効果10 回想3 トリトヌス空間への補強 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 5月16日(金)03時11分17秒

藤井の幻想曲35金に至るまでの道筋を遡る。羽生の51手めと53手めが何を意味するのか?
羽生は51手めに54歩と突き捨てたことにより後に59歩と打つことができた。例の「金底の歩岩より固し」という羽生絶賛の村上アナの絶叫へ至る。しかし羽生は金底の歩を打つために54歩としたのではない。これは藤井のトリトヌス空間をこじ開けている手なのである。なぜトリトヌスの原理が諸君等にはわからないのであろう?羽生はそれを体得している。その証拠に羽生が次の53手めに指した手は57銀である。この手が角道を開通する手とのみしか理解できないから羽生に騙される。この57銀は羽生陣の最大の欠陥57トリトヌス空間をG効果で補強している双頭手なのである。この地点に最初のクライゼルの重心がある。


V3効果9 回想2 藤井の夢幻金43-34-35 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 5月16日(金)02時56分53秒

2001年竜王戦第5局は48手めが誰もがクライマックスであると思ったことであろう。藤井が角を見捨てたである。丸山は当時の解説でこの交換が勝負の分岐だったかと疑問を提示した。しかしプロ棋士ならばこのように指すのが当り前なのである。
藤井の角捨ては名人戦第2局の羽生の角捨てと同じである。羽生は藤井とまったく同じ事を角換り腰掛け銀で行ないあの日の丸山にも回答しようとしたのであった。
藤井は35金と出た。これがマシュダ一家における夢幻金のクライマックスである。43-34-35とクライゼルの縁は動いてきた。
羽生が名人戦第2局で用意してきた手は25金。そして名人戦第3局ではついに45金に至った。
これに先々週のタカミチのドブ河15金をオマケに挿入すると15-25-35-45という構図になる。


V3効果8 回想 藤井の夢幻金 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 5月16日(金)02時38分53秒

2001年竜王戦第5局。羽生が二年掛りで藤井システム攻略を思考錯誤した結果は、羽生には後手番藤井システムを打ち破れないという結果に終わった。羽生は竜王を奪取するこの第5局で藤井システムを避け9筋の端歩を早々に受けることになる。この時のツケが先週の名人戦第3局まで持ち越されたのであった。
ジッチャンは目を細める。よくここまでこぎつけたものだと。そして森内はよくもあそこで32歩を指せたものだと。名人森内は第1局第2局と羽生を圧倒した。そして名人戦第3局では藤井に変身していた羽生を32歩で叩きのめした。先週の森内名人が、あの2001年竜王戦第5局の羽生であったならばどうであったろう?
バンパイヤはタイトルと共に乙女の命を奪って闇夜へ消えた。そしてあの日の藤井の顔で名人戦第3局に登場したのであった。
まず下記の58手めを見ていただきたい。藤井の壮大な幻想曲35金が指された瞬間である。
http://www.bekkoame.ne.jp/i/yusai/0111300Ryuo5.html


以下は本項目と無関係


アメリカン・ホルン・カルテット 投稿者:クラシック倶楽部  投稿日: 5月15日(木)11時17分26秒

キワモノQでは楽友会ホールでのロメロ四重奏団以来との絶賛?ありがとうございました。
以下がプログラムです。
「4つのイギリスのマドリガル曲」          ホー編曲
 ▽愉快な楽しい森で              パーセル作曲
 ▽妖精の踊り                 ベネット作曲
 ▽ラヴ・イズ・デインティ            ワード作曲
 ▽ナイチンゲール               バテソン作曲
「フーガ 第5番 ト短調」            バッハ作曲
                       ウインター編曲
「ホルンのための四重奏曲」          ホシリウス作曲
                       ジョンソン編曲
「カルメン組曲」                 ビゼー作曲
                        ターナー編曲
「バーバラ・アレン」              ターナー作曲
「ウエスト・サイド・ストーリー」     バーンスタイン作曲
                       パーキンス編曲
「フリッパーズ No.5」            ショウ作曲
           (演奏)アメリカン・ホルン・カルテット
  〜東京・文京シビックホールで録画〜


第58期本因坊戦第1局 投稿者:転送  投稿日: 5月14日(水)13時41分35秒

第58期本因坊戦第1局 投稿者:マシュダ一家  投稿日: 5月14日(水)09時05分33秒
凄い脇息である。済州島のラブホテルで対局かと思ってしまった。
対局場はピンクスPODOホテルという名前である。