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2005 日蝕貧乏知恵者猫 |
◆汚染される北極圏 ◆アラスカの片隅で:シシュマレフ村 ◆ANWRで石油採掘を認める法案可決 ◆石油開発か自然保護か 揺れるアラスカ北極自然保護区 ◆拝啓ブッシュJr.さま ◆バッジで禁煙の輪 ◆受動喫煙高まるノー! ◆忍び寄る室内化学物質汚染 ◆ANWRが危ない! ◆化学物質過敏症 ◆ホッキョクグマの涙 |
2005.12.31 汚染される北極圏 BS世界のドキュメンタリー
2000年7月26日、東京で『海洋新世紀フォーラム』が開催されました。『汚染される北極圏』 NHK BS1 6月12日(日) 23:10〜23:59 6月23日(木) 19:10〜20:00 12月31日(土) 14:10〜15:00 最近の調査で、カナダ北部やグリーンランドなどの北極圏に暮らす先住民族の女性から、世界で最高濃度のPCBなどの有害物質が検出されていることがわかった。 北米、ロシア、ヨーロッパの都市部で過去30年間に排出された有害物質が北上する大気や海流に乗って北極圏にたどり着き、プランクトンにとりこまれた。さらにプランクトンが魚に食べられ魚がホッキョクグマに食べられる食物連鎖のなかで濃縮され、ホッキョクグマを食材としてきた先住民族に高濃度で取り込まれたという。 北極圏の知られざる汚染のメカニズムを探る。 Arctic Alert(原題) 制作:2005年 (番組紹介より) テーマは、 ”私達の経済・社会活動とも密接にかかわっている海域として、近年その存在が注目されている北極海。地球温暖化などの環境問題とのかかわり、資源・エネルギー開発や海路としての役割、海のほ乳類の生態など多角的な視点から討議を行い、私達と海が共存する、豊かな未来への指針を探ります。” …というもので、赤祖父氏の講演もあるとのことで、参加してみました。 基調講演 ●赤祖父俊一氏 『北極圏の自然現象と地球温暖化』 パネルディスカッション ●北川弘光氏 『未知なる海〜北極海の真実』1 北極圏航路の開発と必要性について ●宮崎信之氏 『未知なる海〜北極海の真実』2 バイカル湖の淡水アザラシに見る有機塩素系化合物の汚染など ●和泉雅子氏 『未知なる海〜北極海の真実』3 北極圏冒険の楽しみ 内容がてんこ盛りで散漫になってしまったり、もっと突っ込んだ内容も欲しかったというのもありましたが、全般的に興味深い内容のフォーラムでありました。 平日でしたが、会場は熱気に包まれて多くの方が参加されていました。(多くは年配の男性で、女性の数はごくわずか…) レポートを拙サイトに掲載していたのですが(結構なヴォリュームだったかな^^;;)、サイト容量上の問題から現在は公開しておりません。 パネルディスカッションの1&2をかいつまんでご紹介すると… ◆北極海は閉じた海なので、汚染が長くとどまるという特性を持っている。 ◆シロクマとアザラシは、北極海の生態系ピラミッドの頂点に位置する。 (植物性プランクトン→動物性プランクトン→小動物…という形のピラミッド) PCB、DDT、BHCなどの有機塩素系化合物や内分泌攪乱ホルモンなどは、生態系の上記に行くに従って濃縮されるため、上位の水棲哺乳類に及ぶ影響は甚大である。 表層海水<植物プランクトン<動物プランクトン<ハダカイワシ<スルメイカ<スジイルカで比べると、有機塩素系化合物の濃度は、なんと10万倍もの濃度になっている。 ◆有機塩素系化合物は、主に生物の脂肪の中に蓄積される。 (ちなみに、アザラシの脂肪分はイヌイットやエスキモーにとって重要な熱源) ◆海棲哺乳類の有機塩素系化合物汚染を緯度ごとにプロットすると、次のようになる。(かなり簡略化&表示がズレているかも。^^;;) (緯度) (汚染濃度→) 90°N * *** 60°N ******** *************** 30°N ******************** ************ 0° ****** ***** 30°S *** ** 60°S ** * 90°S * ◆北半球の中緯度で有機塩素系化合物による汚染が最も高い(日本の沖合付近)が、生産活動をしていない南氷洋のウェッデルアザラシも汚染されている。 ◆北極海圏では、カラ海(バイカル湖がエニセイ川を通って流れ込む)のDDTとPCBの汚染濃度が最も高い。 カラ海>スバルバール諸島>カナダ・アラスカ沿岸 ◆汚染物質について DDT 殺虫剤として、木材などに多用。 PCB 軍事施設などで使用されていることが多いと思われる。 CHL、HCL 揮発性の殺虫剤。 アメリカなど先進国で大量に作られる。 安価なため、インド、東南アジアで大量に使われ、それが大気中に溶け込み、北極海圏に一様に流れ込む。 作るのは先進国で、使うのは後進国。 しかし、大気による移行で自分たちの上空を汚染するという、自分で自分の首を絞めている状態になっている。 上記の有機塩素系化合物は、水系(陸で使われる→地下水→河川→海)で影響が及ぶと考えられがちだが、それよりも大気中に溶け込んで飛散したり生物に影響を及ぼす度合いの方が高い。 ◆化合物の大気による移行 大気循環→主にジェット気流と大気温度差によって運ばれる。 ◆ワモンアザラシの調査(ロシア白海沿岸ディクソン) ディクソンの灯台には原子力電池が使用されていた。 現在は施設が放棄され、そのまま電池は放置されている。 現地の人達はそこに危険な物質があると知らされていない。 灯台跡から3m離れた所の放射能は1.4マイクロシーベルト、1mで8マイクロシーベルトであった。 (自然界の放射能量は0.03マイクロシーベルト) ◆『ユーラシア大陸の核汚染』(Illesh & Makarov 1992) 軍事・北極海の開発は資源の問題として重要。 核実験基地としての北極海と核廃棄物場としての北極海:ロシアには核最終処分場がなく、核廃棄物は北極海に投棄されているようである。 ロシアに核汚染や廃棄問題の認識をもっと持ってもらうことが、最重要課題かも知れない。 私がその時に抱いた疑問は… ◆有機塩素系化合物は大気によって循環し、極地方に移行 アラスカの北の空にスモッグのような物が貯まっているのを見ることがあります。(アークティック・ヘイズ) 中緯度から排出されたチリ、スモッグなどがジェット気流によって巻き上げられ、極地方に貯まる。 ↓ 何故、一度巻き上げられて極地方に貯まった物が、その環の中から外に出ていけないのか?(極渦) でも、大気循環があるのならば、出ていくことも可能? それとも比重などの問題で無理? チリは日光を遮るので、地球温暖化には負のフィードバックということになると思われますが、現在存在するアークティック・ヘイズは温暖化にどの程度の影響を与えているのでしょうか? アークティック・ヘイズが地上どのくらいの高さに貯まっているのか不明ですが、それらが地表の生態系に及ぼす影響はどのような物なのでしょうか? また、それらの影響でイヌイットやエスキモーなど原住民の癌や化学物質過敏症の発症率の変化など様々な健康障害は起こっていないのか、もしくは今後起こる可能性はないのでしょうか? ◆深層海洋水の汲み上げ ↓ 海流や対流に及ぼす影響は? 上記の変化による温暖化の可能性は? それによって引き起こされる海洋資源の枯渇は考えられないのでしょうか? これらは既に解明されていることかも知れませんし、あれから5年の間に解明されたかも…。 北極海では野生動物界の汚染度トップ(^^;;)はシロクマやアザラシ。 それを食用としている北極圏の先住民族の人達から、高濃度の汚染物質が検出されるのも、(当然これは問題ですが)当たり前と言えることでしょう。 検出されるだけならまだしも、化学物質過敏症やその他の健康被害が危ぶまれると思うのです。 ことは北極圏で起こってはいますが、その多くは、我々が暮らす中緯度地域から排出されたもの。 巡り巡って北極圏に溜まっているのです。 夜光雲や真珠雲の出現率が増えたという話も聞きますが、これも高層大気中に溜まった有害物質による影響とも言われているとか。 オゾンホールもそうですが、今回取り上げられる汚染物質も極渦に溜まり続けていたら、我々の暮らす中緯度地域でも何らかの問題に成り得るかも知れません。 2005.11.5 アラスカの片隅で:シシュマレフ村 ブッシュJr.が"環境を損ねることなく北極圏野生動物保護区(ANWR)内での石油採掘をしてみせる"と言っているその傍で、アラスカの海岸部の村が、海に飲み込まれて消えて行こうとしています。
地球温暖化で太平洋の島々が水没の危機! このようなニュースは良く目にしますが、おそらく世界で最初に水没するのは、アメリカの小さな島…アラスカ州のシシュマレフではないでしょうか。 星野道夫さんが古本屋で写真集を手にしたことから村長に手紙を書き、それを縁に、彼が初めてアラスカに渡ることになった地であるベーリング海を望むシシュマレフ村。 地球温暖化によるものと見られる高波により、島の沿岸が毎年15mずつ削られており、このままでは数十年後には島が水没してしまうそうです。 最近は土砂の流出が増えたので、もっと早くなる可能性も…。 島では、海岸線に近い民家が次々に海に飲み込まれていますし、小学校も土砂流出により危険になったために、内陸部に移転を余儀なくされました。 2002年には住民投票により、2008年までに(確かそうだったと思うのですが…2009年だったかも)500人余りの村民全員が対岸のアラスカ本土に移住することが決まりました。 移住費用は数十億円と見積もられているものの、予算の目処は立っておらず、アメリカ政府も州政府も予算削減案を出すばかりで、計画は遅々として進んでいません。 現状では、世界中からの寄付などの支援が頼みの綱という、何とも情けない有様。 ブッシュJr. あなたは何を考えているの? 自分で自分の首を絞めているというのに。 やはり、あなたにとってアラスカはロシアから買った冷凍庫でしかないのでしょうか? ANWRの開発の前に、京都議定書に批准ですっ!! アラスカとカナダをまたがる氷河の溶解速度は年々加速していて、最近では年に琵琶湖3杯分以上の水が海に流れ込んでいるとのこと。 そのため海面は毎年0.27mmのペースで上昇している…と言うと、字面では微々たる量に思えますが、実際起きていることはシシュマレフの状況を見れば分かると思います。 ★☆★ 中緯度地域から出ている様々な排出物は、ジェット気流によって極地方にまで達します。 そして、極渦によって、一度極地方に入り込んだ様々な有害物質はなかなか外には出ていけません。(アークティック・ヘイズ?) フロンが代表的な例ではないでしょうか。 そういった物質は、地球温暖化にも大きな影響を及ぼすことは既に分かっていますが、同時にきっと生物にも直接的に影響を及ぼしているのではないかと、私は心配しています。 極地方の人達の癌発生率が増えたという話も聞きますし(それは食生活の変化も関わっているかも知れませんけれど)、化学物質過敏症や化学傷害と呼ばれる疾患の発生も心配です。 それで以前、赤祖父俊一先生にお尋ねしたことがあります。 折角IARCという総合的な研究をしている施設ができたのだから、環境面だけでなく医療面とも提携して研究していただけたらと思って伺ってみました。 先生は極地方の生態系は微妙なバランスの上で成り立っていること、少しでもバランスが崩れたら一気に崩壊してしまうことも説いていらっしゃいます。 手遅れになってから悔やんでも仕方がない…。 地球温暖化によって海面上昇が起こると南の島が水没するという所に多くの注目が集まっているようだけれど、それは同時にアラスカを含めた極地方の生態系の崩壊も意味する訳で、まさしく自国(アメリカ)の問題ではないのか?と思ったのです。 京都議定書にサインするような働きかけはされないのでしょうか?…と。 緊張していてこんな風に理路整然と話せた訳ではないのですが、なんとも恐れ多いことを申し上げてしまいました。 でも、やっぱり分野の壁というのは、そうそう簡単に崩せる物ではないようなお返事でした。 先生も予算がなければ研究を続けることが出来ないし…政治的なバックボーンやしがらみなど色々おありなのかな、なんていうことも思いましたが。(^^;;) シシュマレフ。 この村の名前を聞くと、星野さんと赤祖父先生のお顔が浮かぶ私。 ANWRと石油採掘、そしてシシュマレフ。 アメリカという国のアンバランスさの象徴のようにも思えます。 2005.11.2 ANWRで石油採掘を認める法案可決 ハリケーン・カトリーナの被害などのからみもあり、きっと無理だろうと思いつつ、もう一縷の望みも叶わないのでしょうか?
残念なニュースが入ってきました。(;_;) 米上院、北極圏野生生物保護区での石油採掘認める法案可決 米上院は3日、アラスカ州の北極圏野生生物保護区(ANWR)での原油採掘を認める法案の採決を行い、民主党が予算案の観点から抵抗したものの、小差で可決した。(ロイター) ニュース全文 ▼賛成派の言い分 石油開発をすれば、政府は24億ドルのリース収入を得られる。 輸入原油への依存度を軽減でき、数千人の新規雇用が見込める。 今回は上院で可決された訳ですが、石油採掘に関する予算の削減案が出ており、こちらに関してはまだ承認が降りておらず、上下両院での見通しは立っていないとのこと。 アメリカの議会システムが分からないのですが、予算削減案は個別の事項毎ではなく、全体的に話し合われるのでしょうか? ロイターのニュースの中には『下院では、ANWRでの採掘を認めると同時に、低所得者層向けの食料補助や医療扶助など政治的にセンシティブな問題でも予算削減を求めている』と書いてありました。 『石油開発か自然保護か 揺れるアラスカ北極自然保護区』 『拝啓ブッシュJr.さま』 『ANWRが危ない!』 上記でも色々したためました。 ブッシュJr.がいくら「環境的に責任あるやり方で開発する」と声高に言ったところで、京都議定書すら批准していない国なのです!! 環境云々を言う資格があるのか?と問いたくもなります。 ワシントンD.C.から見たアラスカは、距離的にも政治的にも遥か彼方で、まさしく温度差があるのだと思います。 余談ながら、実際のところアラスカン達もワシントンD.C.の方は向いていないように思います。(^^;;) 既に自然に根ざして生活しているネイティヴはごく僅かな訳で、多くの人たちは石油開発に伴い、生活が潤うことの方が見込まれるという点から言えば、ワシントンD.C.寄りかも知れませんが、まずはアラスカンであり、次にアメリカンというのがアラスカン・ウェイのようです。 環境破壊になろうが、きっと別世界の出来事としか捕らえられない人たちが、何をしようとしているのか…。 この計画が実際に動き出す前に、今一度見直してもらいたい。 そう願って止みません。 2005.10.6 石油開発か自然保護か 揺れるアラスカ北極自然保護区
BS世界のドキュメンタリー 『石油開発か自然保護か 揺れるアラスカ北極自然保護区』 (原題:Oil On Ice) 2005年10月16日(日) 23:10〜24:00 NHK BS1 再放送は10:10〜11:00にあるのですが、随時となっているために正確な日付が分かりません。 NHK BSの番組表などでチェック願います。m(__)m 本欄でも度々ご紹介している、アラスカ北極圏野生動物保護区(ANWR=Arctic National Wildlife Refuge)。 カリブーが子供を産み、育てる場所として知られていますが、多くの石油や天然ガスが埋蔵されているという調査結果もある場所です。 ここはパパ・ブッシュが1989年に開発を推進しようとしたところ、大型タンカー・バルディーズ号がアラスカ南部プリンス・ウィリアム・サウンドで座礁して、自然環境にも大きな被害を及ぼしたために、開発を諦めざるを得なかったといういわくがある地です。 今また、ブッシュJr.は石油の国内での安定確保を目指して、この地の開発を推し進めようとしています。 本作は、2004年にアメリカで作成されたドキュメンタリーで、Pare Lorentz Awardという賞を受賞しており、ANWRの保護と共に、アメリカの車社会からの脱却を糾弾している内容のようです。 原題の『Oil on Ice』という名前の公式サイトがあり、かなり詳しい内容が載っているようです。(英文…で、まだ制覇できていません。^^;;) 興味深く拝見したいと思います。 2005.9.4 拝啓ブッシュJr.さま ハリケーン・カトリーナの残した惨状や政府の対応を見ていると、とてもアメリカ国内のこととは思えなくなってきます。(;_;)
どうなってるの?! ★☆★ メキシコ湾岸の石油・製油施設が大きなダメージを受けたからと言って、アラスカの北極圏野生動物保護区内の油田開発に拍車をかけるようなことは考えないで頂戴ね!! 石油精製施設を作るには莫大な費用が必要なのに、利益が少ないという理由でこの30年新しい施設を全く作らなかったから、設備の老朽化で効率が悪く、原油の備蓄はあっても、製油が間に合っていないとか。株主の利益最優先のお国ですからね…。 あなたも石油で稼いでいるとは言え、いい加減、京都議定書への参加復帰を考えてはいかがでしょう? まさか私がS.MATSUさんと同じように、理路整然と様々なデータを解析して思った訳もないですが、今回のことがきっかけで、そっちに転べば良いのに…と思いました。 ★☆★ 最近良く届く、Donationを呼びかける英文メイル。 中身はジャンク。(*_*;) 溜息…。 日本赤十字社が20万ドルの支援をしたというニュースは耳にしましたが、大国アメリカでの災害だからなのか、私が疎いだけなのか、表立っての経済支援の状況が分かりません。 避難先で飲み水も得られず、熱中症でお年を召した方や赤ちゃん、持病がある方などが次々と亡くなっていくなんて…。 アメリカのNGO "Mercy Corps"(英文サイト)では、日本からクレジット・カードでの寄付を受け付けているとのこと。 ★☆★ 枕崎台風(S20)、キャサリン台風(S22)、キティ台風(S24)、洞爺丸台風(S29)、伊勢湾台風(S34)…など、台風の通過前後はもとより、水が出た後のすさまじさ・大変さを見聞きしていますが、今回は規模が違い過ぎます。 地形が地形だけに、水が引き切るには何ヶ月も必要とのこと。 衛生状態が気がかりですし、今年6月現在、カンザス、ミズーリ、テキサスの各州で1名、サウスダコタ州では4名の患者が出ている(うち一人死亡)ウエスト・ナイル熱の拡大も懸念されると思います。 ワクチンもまだなく、蚊よけをするにも路上での避難生活では無理でしょう。 TVで「俺達は生き延びたいんだ。日本でも中国でも良いから脱出させて欲しい」と言っている人がいましたが、ドでかい輸送機に人を乗せて、一時避難するためのキャンプ村などを設営して移動させることなどは出来ないのだろうか…と思ってしまいます。 見ていて歯がゆいのですが、首都圏直下型地震などが発生した場合の東京の姿のように見えてきて、戦慄が走るのでした。 2005.6.5 バッジで禁煙の輪 『きれいな空気を』バッジで禁煙の輪 国際禁煙デーの5月31日〜6月6日までは、禁煙週間。 禁煙に取り組む『ブルーリボン運動推進協議会』は、禁煙の輪を広げるために『ILCAブルーリボン運動』として青いリボンをデザインしたバッジをつけるキャンペーンしているとのこと。 ILCA=『きれいな空気を吸いたい』=I love Clearn Airだそうです。 このブルーリボン運動は1999年にフィンランドで始まったもので、2003年にフィンランドで行われた世界禁煙会議で紹介されたことをきっかけに、翌年日本にも推進協議会が設置されたそうです。 ブルーリボンを使ったキャンペーンは他にも存在するので、バッジには I Love Clean Airの文字が入っています。 バッジはカード付きで1個500円で販売され、そのうち100円が活動資金として充てられるとのこと。 バッジの問い合わせは、以下へ。 タバコ問題情報センター 東京都千代田区飯田橋2−1−4 九段セントラルビル203 TEL:03−3222−6781 FAX:03−3222−6780 朝日新聞 2005年6月4日(土)の記事よりご紹介でした。 2005.6.5 受動喫煙高まるノー! 受動喫煙高まるノー!
朝日新聞2005年6月4日(土)朝刊 生活面 たばこ被害の防止を目指す取り込みが強まっている。 たばこの有害性を明記し、広告の禁止規定などを盛り込んだ『たばこ規制枠組み条約』(FCTC)が今年2月に発効した。 医師らは、他人のたばこの煙を吸わされる受動喫煙の被害者を支援する診断基準を作り、民間団体もバッジで禁煙を訴えるなどの活動を続けている。(記事より) たばこ規制に取り組む医師らがつくる『日本禁煙推進医師歯科医師連盟』は、非喫煙者の健康被害が受動喫煙の影響かどうかを判断する診断基準を作成。 診断基準では、症状の軽重で0〜5のレヴェルに分類。 レヴェル0:正常 非喫煙者で受動喫煙の機会がない レヴェル1:無症候性急性受動喫煙症 疾患・症状:症候なし 状態:一時的な受動喫煙がある ※患者がタバコの煙に暴露されていることを見過ごしている可能性もある ※コチニンの検出は不要 レヴェル2:無症候性慢性受動喫煙症 疾患・症状:なし 状態:週1時間以上の受動喫煙が繰り返しあり、コチニンが検出される ※患者がタバコの煙に暴露されていることを見過ごしている可能性もある レヴェル3:急性受動喫煙症 疾患・症状:目、鼻、喉、気管の障害、頭痛、せき、喘息、狭心症、心筋梗塞、一過性脳虚血発作、脳梗塞、発疹、アレルギー性皮膚炎、化学物質過敏症 ※目の症状には、かゆみ、痛み、涙目なども含む ※鼻の症状には、くしゃみ、鼻詰まり、かゆみ、鼻水などを含む 状態:症状が受動喫煙後に始まり、喫煙の停止で消えるなどの場合、医師は総合判断で受動喫煙症と診断できる ※患者がタバコの煙に暴露されていることを見過ごしている可能性もある ※コチニンの検出は不要 レヴェル4:慢性受動喫煙症 疾患・症状:化学物質過敏症、アトピー性皮膚炎、気管支喘息、狭心症、心筋梗塞、脳梗塞、COPD(慢性閉塞性肺疾患)、小児肺炎、中耳炎、気管支炎、副鼻腔炎、身体的発育障害など 状態:週1時間以上の受動喫煙が続き、喫煙後24時間以内に尿からコチニンを検出。 ※1日数分であっても、連日避けることができない受動喫煙がある場合でも可の場合あり。 レベル5:重症受動喫煙症 疾患・症状:悪性腫瘍(とくに肺癌、子宮頚癌、白血病など)、乳幼児突然死症候群、COPD(慢性閉塞性肺疾患)、脳梗塞、心筋梗塞(致死性の疾患の場合) 状態:レヴェル4と同じ ※コチニン:ニコチンが体内で代謝されてできる物質 化学物質過敏症を発症した場合、タバコの煙に暴露された場合、症状は瞬時に現れることでしょう。 化学物質過敏症の人が全てタバコに反応するとは限らないのかも知れませんが、ある程度以上の症状の患者ならば、タバコの煙はダメなのではないかと思います。 しかしながら、それから離れれば、症状がすぐに消えるとは限りません。 道をすれ違う喫煙者とすれ違っただけで、頭痛や吐き気がしたり…。 この程度の接触ならば、離れれば状態は良くなるかと思います。 しかし、例えば状態の良くない分煙のお店などに入った後では、その後数日も体調が悪くて、様々な症状で苦しまなければならないことも有り得ます。 『日本禁煙推進医師歯科医師連盟』のサイトには沢山の資料・情報がありますので、喫煙者・非喫煙者共にご一読をお勧めします。 『スモーク・ハラスメント』は、単に煙いだけの問題ではないのですが、中には全く意に介して下さらない方がいらっしゃるのは悲しいことです。(;_;) 職場や住居環境の受動喫煙が問題で、転職や転居を強いられる人もいます。 例えばソバ・アレルギーの方におそばを無理強いして食べさせたら大変なことになるのと同じように、タバコの煙を吸っただけで(受動喫煙者側からすると「吸わされた」という認識)、重篤な場合には呼吸困難や失神に陥るような事態(もっと重篤な状態も起こりえるかも)が身体に起こってしまう人もいるということなのです。 2005.6.3 忍び寄る室内化学物質汚染 『忍び寄る室内化学物質汚染』 6月4日(土) 11:00〜11:30 NHK総合 地球だい好き・環境新時代 建材から発する化学物質が健康被害を引き起こすシックハウス症候群。 国は2年前からホルムアルデヒドなど、いくつかの化学物質について規制や指針を示してきましたが、患者は後を絶ちません。 実はパソコン、カーテン、化粧品、芳香剤など、身の回りのさまざまな製品から、有害な揮発性有機化学物質が出ていることが、最新の研究で分かってきました。 そこで北陸金沢で、「植物」が持つ有害物質の分解能力に目を付け、室内空気の浄化をしようという試みが進んでいます。 建物の高気密化が進む中、新たな化学汚染の実態と、対策を追います。 (番組紹介文より) 梅雨入り間近の今日この頃。 湿度が高くなって、カビなども心配になります。 そのカビが発する胞子もVOCを作るのだそうで(胞子の飛散はカビが目に見えて発生する梅雨時よりも、5月頃の方が多いらしい…)、大きな健康被害をも引き起こします。 室内の換気も方法を誤ると空気の循環が起こらずに、効果はゼロに等しくなってしまうこともあるとか。 換気扇を回せば大丈夫かというと、気圧の変化で建材から有害物質を引き出すような逆効果になってしまうことさえあります。 2005.3.20 ANWRが危ない! CNN 2005年3月17日付け 『アラスカ自然保護区で油田開発解禁へ、上院が可決』 Fairbanks Daily News-Miner 2005年3月16日付け 『ANWR showdown today in Senate』 2005年3月17日付け 『Senate clears way for ANWR drilling』 アメリカ上院本会議で、16日にアラスカの自然保護区内での油田・ガス田を開発する予算案が僅差で可決されたとのことです。賛成51、反対49…本当に僅差。 2年ほど前になるでしょうか、一度は否決されたにもかかわらず!!!!! (その後、アラスカでもガソリン価格が高騰しているので、よもや…とは思っておりましたが。*_*;) この舞台は、カリブーが子どもを産み・育てる場所として知られている北極圏野生動物保護区(Arctic National Wildlife Refuge=ANWR)なのです。 ANWRには膨大な石油や天然ガスが眠っているとされており、その埋蔵量は既に開発されている北極海のプルドーベイ以上だと言われています。それで、原油輸入量を減らすためという理由で、ブッシュ大統領は開発したいと以前から公言していました。 これまでずっと環境保護団体やアラスカを愛する人たちが抗議デモを行うなど様々な反対活動を行ってきたのですが、とうとう上院を通過してしまいましたか…。(;_;) 前回、上院で取り上げられた際には、ワシントンD.C.の議員さん達に抗議の手紙やFAXを出そう!というキャンペーンがあって、私も出しました。 私はアラスカで入手したポストカードや自分の写真で作ったオーロラのポストカードを使って…他にも星野道夫さんの写真ハガキを使われた方もいらっしゃいました。 また、ANWRをフィールドとされている写真家の土岐 帆(いずる)さんのサイトでは、E-mailに自由に添付して構わないというANWRで撮影された野生動物の画像なども提供して下さっていたと記憶しています。 今また、同じようなキャンペーンを試みるべきではないでしょうか? あのかけがえのない自然は、壊してしまってからでは遅いのです!! 星野道夫さんは『行くことができない遠い自然』について語っています。 私はまだANWRを訪れたことはありませんが、あの場所を思うとき、心が豊かになるだけでなく、私には生きる糧にすらなっているのかも知れません。 都会の淀んだ空気の底で酸欠金魚になっている時に「あの場所が無事ならば、あの場所があればまだ生きていける」とすら思えるのです。(理由は色々あるけれど、ここでは複雑すぎるので…) ところが、地元アラスカでは冷めた意見が多いのも事実です。 身近にあると分からない…そういうものなのかも知れません。 また下世話なお話ですが、ANWRで新たな油田が開発されれば自分達の懐が豊かになるのですから、損得勘定抜きというのも難しいのかも知れません。(アラスカでは、毎年住民に石油から得たお金を運用して得た利益を還元するボーナスがあるのです!) それこそ損得云々の問題どころではないとも言えるのですが、それでは私自身の生活に即時直結しているのか?というと…確かに心情的にはそうだし、地球温暖化を考えると石化燃料からの脱却は必要なのだと思うのですが…う〜ん。(*_*;) しかし、外からでも声を挙げることが必要ではないかと思うのです。 Arctic National Wildlife Refuge 残された原始の自然を守りたい by Dreamcatcherさん 素晴らしい情報力です! Arctic National Wildlife Refuge by YASさん 上院議員の名簿一覧やメイル宛先などが収録されたページへのリンク集やBBSが設置されています。 『Colors of the Wind』 by 土岐 帆さん 今現在のプルドーベイの状況を見ても、非常に違和感を覚えているのに…。 この風景の中、巨大ポンプが設置されたりパイプラインが通ってしまうなんて、どうしても私には許せないし、想像したくありません。 土岐さん、ご無沙汰しています。まだ昨春のお写真お送りしていなくて…ゴメンナサイ!m(__)m ANWR公式サイト http://www.r7.fws.gov/nwr/arctic/ ANWR http://www.anwr.org/ こちらは開発推進派のサイト。 しかと言い分を聞いて…って、英語だぁ。(^_^;) 2005.1.26 化学物質過敏症 『Dear地球様 16歳からの手紙 〜化学物質過敏症の少女〜』 2005年1月30日(日) 23:00〜23:30 テレビ朝日系列 素敵な宇宙船地球号 化学物質、それは20世紀後半に人間が便利さを求めて作り出したものです。 そして21世紀の今日、地球上には10万種を越える化学物質があると言われています。 今、この物質のせいで新たな環境病に悩まされている人が増加しているのです。その病気とは「化学物質過敏症」というものです。 一度かかったらバスや電車に乗れず、ホテルやオフィスビルにも入れなくなり、極く当たり前の社会生活ができなくなってしまいます。 現在のところ決定的な治療法も特効薬も見当たらないのが現状です。 (番組サイトより) 罹ってからでは遅いのです。 昨日まで使えていた日用品が、突然あなたに牙を剥くのです。 タバコ、排気ガスなどはもちろん、家を出なくても今の季節ならば石油ヒーターやストーブだって使えなくなるでしょう。 気にすることなく使っていた石鹸やシャンプー、化粧品で具合が悪くなるかも知れませんし、大好きだった食べ物も体が受け付けなくなるかも…。 学校に通ったり、仕事を続けることすら難しくなるかも知れません。 化学物質過敏症は、まだ厚生省は『疾病』とは認めていません。 その名称も患者側に問題があるかのような印象を与えていますし、アレルギーと混同されていることも多いようです。 それで『化学傷害』と呼んでいる人たちもいます。 http://homepage3.nifty.com/ci/ 表面上は似通って見えるかも知れませんが、身体の中で起こっているシステムは、アレルギーとは違って『有害物質による中毒状態』なのだそうです。 つまり、アレルギーは本来身体にとって毒ではないものに反応して症状が出るものと言い換えられるとすれば、化学物質過敏症(化学傷害)は、本来身体にとって有害な物(毒)に対して症状が出るものです。 ですから、患者側に問題がある訳ではなく、生体反応としては正常と言えます。 しかし、大多数の人が何も感じないようなごく微量な物質にも反応してしまうので、社会生活を送ることが困難になります。 患者は『カナリヤ』か『麻薬犬』のような感覚に陥ることでしょう。 あんねりあん様のところにも書いたように、化学物質過敏症は人間が作り出した人工の物質だけに症状が現れる訳ではありません。 自然界に存在する天然の物でも人体にとって有害な物はある訳で、それによっても症状は引き起こされます。 地下鉄サリン事件や化学兵器による被災で怖いのは、症状が一過性ではなく、化学物質過敏症を発症してしまえば、一生苦しみ続けなければならないということもあると思います。 それは、単なる後遺症とは違うのです。 一度発症してしまうと、次々に身体が受け付けない物質が増えていくのですから…。 そして、もっと怖いのは、中枢神経…脳機能にも影響が出る可能性が大きいということでしょう。 多くの化学物質過敏症患者は、症状によって脳血流量が減ると聞いたことがあります。 症状の悪化を防いだり軽減するには、清浄な環境、症状が悪化する物質を避けて生活する(これがかなり難しい!)、ビタミンCの摂取(これもサプリメントだと受け付けない人もいるので、食物から天然のものを摂ることが望ましい)、解毒としてサウナや適度な運動による発汗が良いのだそうです。 しかし、根本的な治療法はまだありません。 便利さを求めて、長期的に見て地球環境・生態系にどのような影響を及ぼすのかを考えずに、新たな物質を世に送り出し続けたことへのしっぺ返しのように思えてなりませんが…これは開発したり研究されている側から見たら、きっと違うのでしょうね。 花粉症と同じく、日本でも少なくとも10人に1人は潜伏患者がいるというこの病。 マスコミもスポンサーの手前、歯切れが悪いことが多いのですよね。 『素敵な宇宙船地球号』ではどのように取り上げあげられるのか、切り口も注目です。 2005.1.13 ホッキョクグマの涙 『ホッキョクグマの涙』 〜カナダ・ハドソン湾に迫る危機〜 テレビ朝日『素敵な宇宙船地球号』 1月16日(日) 23:00〜23:30 ナレーター:緒形 拳 カナダ・マニトバ州チャーチル。 ここはハドソン湾に面した、ホッキョクグマ(シロクマ)で有名な町。 いつか訪れてみたいと思っている場所です。 彼らの大好物はアザラシなのですが、夏の間はそのアザラシもハドソン湾沿岸近くには居なくなってしまうため、ホッキョクグマ達は陸の上で何ヶ月もジッと空腹に耐えているしかありません。 砂浜に打ち上げられた海草を口にしたり、時には草原の草花などで飢えをしのいだりしていますが、痩せこけたホッキョクグマは哀愁を漂わせています。 あのホッキョクグマがお花畑に居るという姿だけで、とても奇妙なものですが、夏の間は断食をしているなんて…。 岩合光昭氏が撮影された映像、写真でそれを知って、とても驚きました。 毎年10月中旬になると、あちこちに散らばっていたホッキョクグマ達は一斉にチャーチルに集まってきます。 待ちに待った氷が最初に張り始めるのが、ここチャーチルだからなのです。 氷が張れば、ホッキョクグマ達は沖合いまでアザラシを捕りに行ける訳です。 しかし、何ヶ月も空腹に耐えていたホッキョクグマ達はとても凶暴。 たまたま最初に氷が張り始める場所が街になったのかなど因果関係は分かりませんが、ホッキョクグマ達が目指す所へ行くためには、1,000の人間が暮らす生活の中を通過していかなければなりません。 集まってきたホッキョクグマが町外れのゴミ捨て場を荒らしたり、氷がしっかり厚くなるまでの間に、民家に近づいて口に入るものならば何でも食べようとするために、しばしば問題が起こります。 トラブルを起こしたホッキョクグマは捕らえられ、沖まで氷が張るまでの間は街の外れの檻に収監されて、氷が厚くなったら一頭ずつヘリコプターで運ばれるという映像を見たことがあります。 但し、余りにも人間圏に近づきすぎてしまったホッキョクグマは、残念ながら射殺されてしまいます。 地球温暖化の声が出てどれくらい経つでしょうか。 その影響は、ハドソン湾にも深刻に出ています。 25年前に比べて、ハドソン湾の凍結期間が2週間短くなっているのだそうです。 それはホッキョクグマ達が獲物を得られない期間が増えたということであり、同時に人間との接触機会が増えるということでもあります。 出産率や仔熊の数が減ったとの調査結果があるそうで心配です。 どのような対応策が取られているのでしょうか。 |