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アラスカ オーロラ便り1994
by 日蝕貧乏知恵者猫/福島 円
『河が開けるっ!』
アイスクラシックのトライポッドの写真
  『Nenana Ice Classic(ネナナ・アイス・クラシック)』というのを聞いたことがありますか?
 フェアバンクスの近くにあるネナナの町にはユーコン河の支流タナナ河が流れていて、1年のうち何ヵ月も凍り付いていますが、その河を使った賭けです。
 ここでは1917年から賭けをして、春の到来を楽しんでいます。

 簡単に説明すると、次のようになります。
 凍った河の上に三脚のようなポールを立てて、川岸までロープを引っ張って固定しておきます。
 春になって氷が溶けると三脚が流されて、固定していたロープも引きちぎられてしまいます。
 その「河が開ける」時刻を当てるのが『アイス・クラシック』です。

 画像はアイス・クラシック・トライポッド(三脚)。
 これと監視塔の間にロープを張って、引きちぎられる日時を当てます。
 まだ寒くて氷が解ける気配すらなかったので、ロープはまだ張られていませんでした。
 毎年ネナナの町で開催されるこのゲームに、アラスカ州内だけでなくアメリカ本土からも沢山の人が一攫千金を夢見て投票をします。

 私もこの年に、初めて投票チケットを買いました。
 1枚2ドルのチケットに自分の名前や住所、そして河が開ける予想日時を書き込むのですが、当選するとかなりの金額が手に入るとか……。
 同じ時刻に投票した人がいれば、賞金は山分け。
 オンタイムに該当者が居ない場合は、その時刻以降でニアリーの人がもらえると聞きました。
 たった2ドル(チケット1枚)で当てようなどというのが大きな間違いだとは思うのですが、「もしも当ったら、みんなを招待してアラスカへ!」などと大きなことを考えて、小さなチケットを赤い投票用ドラム缶に入れました。
 はてさて・・・。
監視塔の写真
アイス・クラシックの三脚監視塔
監視小屋の写真
監視小屋の中の様子
中に時計が見えますが、ロープが切れると自動的にストップする仕組みになっています。
24時間監視員が常駐するようになると、いよいよ春の訪れも間近です。
アラスカ鉄道車内から撮影したネナナアイスクラシックの様子
別の年にアラスカ鉄道車内から撮影した様子。
監視塔から河の上の三脚にロープが伸びているのが分かります。

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