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アラスカ オーロラ便り1994
by 日蝕貧乏知恵者猫/福島 円
犬が吠えればオーロラが踊る @パクソン
渦巻くオーロラの写真
 宿では犬ゾリの為になのか、何頭かの犬が飼われていました。
 そして、アラスカ州立大で入手したオーロラ解説書通りに、犬が遠吠えを始めてしばらくするとオーロラの動きも活発になるのが印象的でした。
 犬は地磁気を感じているのか、それとも(嘘か本当か)X線や赤外線が見えるという話がありますが、本当のところはどうなのでしょうか?

 この夜も、明け方までオーロラは空を駆け抜け、踊りました。
 すごかったのは、東の空低くに光の塊ができたと思ったら、それがグルグルと渦を巻きながら幾重ものカーテンに成長して西の空に流れて行った物でした。
 光の渦はとてもまぶしくて、肉眼でもその詳細は捕らえられなかった程で、写真も露出オーバーでした。(^^;;)


 オーロラを見るには地磁気緯度が問題で、アラスカでは北緯65度付近がオーロラ・オーバルの黄金地帯だと言われています。しかしオーバルも生き物ですから、そこに居てもダメな時はダメでしょうし、一概には言えないと思うのです。

 今までは何を置いてもフェアバンクスを目指していましたが、それは確率的な問題であり、緯度が下がっても素晴らしいオーロラは見えるように思います。(しかしながら、やはり頭上から降るコロナ状オーロラが見える確率は、緯度が問題のように思うのではあります。)
 アンカレジに戻ってから、小1時間程郊外まで遠征してオーロラを見たF氏の話によっても、それは証明されています。

 しかし緯度が変わることによって、オーロラの全体的な見え方や、オーロラの中に見える流線、構造線の方向が違って見えるらしいのです。
 これは遠近感によるものと(オーロラのカーテンを真下から見上げるか、遠くから翻っている面を眺めるかという違いでしょう)、太陽風が地球の磁気圏に降り注ぐ時の入射角度が、緯度によって異なることが理由だと考えられますが……。(本当かな?)

 また同夜、友人のF氏は飛行場から道路を15分程度歩いた小高い丘の上まで遠征しました。
 私の居た滑走路とはどの程度の標高差があるのか分かりませんが、彼から無線で(アメリカ国内での運用手続き済みデス)「北西の地平線に雲がやって来たよ」という声がしてしばらくしてから滑走路上で確認ができること、また我々が木立&遠景の山と水平方向でオーロラを撮影しているのに比べ、彼の写真を見ると小高い丘から一度スロープを下って(つまり木立を見下ろして)から遠景の山が写っていることなどから、結構な高さではないかと思われます。
 少々歩いただけなのですが、遠景までの距離感、奥行き、広がりなどが感じられる写真になっていました。

 やはりその場のロケハンもしたいので、撮影地には明るい内に着くか、何泊かしないとダメだなぁ……と思った次第。
 欲を言えば、私の場合は車にせよ飛行機にせよ移動だけで疲れてしまうので(軟弱者っ!)、到着日の夜は寝るかボーッと見るだけにして、翌日の昼にロケハンをして……なんてことになると、1カ所に最低3泊したくなります。(^_^;)

 それから、ここには1匹のノラ犬がいて、撮影中に不意に背後から吠えられたりしてちょっと恐い思いもしました。
 「夜はムースが出るかも知れないヨ」と、宿の人に言われてヒヤヒヤしていたのではありますが、幸い取って喰われることはなかったです。
 でも野犬に始まり、狼、ムース、グリズリー(冬眠しないとか)、果ては白熊(バローまで行けばのお話?)など、自然の宝庫のアラスカでは、撮影中にそういった動物に襲われないとも限らないのですよね。ゾゾゾ……。

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