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NEW081 〈大日本〉名物尽 (だいにほんめいぶつづくし)
【作者】不明。 【年代】安政三年(一八五六)刊。刊行者不明。 【分類】地理科。 【概要】異称『大日本めいぶつづくし』『日本国尽并名物』。小本二巻二冊。五畿七道の各国毎に名物を列挙し、四色刷りの図解を施した小型絵本風の往来。なお、上下巻の表紙は多色刷りの続き絵になっている。
★全頁に色刷りの挿絵を掲げる奇麗でかわいい往来。



NEW082 〈新刻〉開化商売往来 (かいかいしょうばいおうらい)
【作者】鶴田真容編。 【年代】明治一二年(一八七九)刊。[東京]児玉又七板。 【分類】産業科。 【概要】異称『開化商売往来』。小本一冊。「凡勧商売買取扱文字之大概、先第一両替通用之金銀銅貨・紙幣・洋銀、国立銀行為替局証券、印紙請渡、注文、仕切、当座帳、仕入、出納、算用帳勘考、点検無懈怠…で始まる」全編一通の文章で、雑穀類、金石類、各国発明品および器械、商社・問屋取引、飲食類、家財、布帛、染色、薬種・薬品、魚鳥獣、草木、乾物・青物等を列挙し、最後に商家子弟の心得を説いて、天道を恐れて慎身勉強する者はついに「富貴繁栄、子孫永昌之瑞相」となるだろうと結ぶ。本文をやや大字・六行・付訓で記す。また、見返しに「諸物斤目表」を掲げる。
★この手の明治期改編版の「商売往来」は相当あるようでう、次々に色々なものが出てくる。



NEW083 〈生徒必携〉体操歌 (たいそうか)
【作者】鈴木重義作。 【年代】明治一九年(一八八六)刊。[東京]吉沢富太郎蔵版。小林喜右衛門ほか売出。 【分類】教訓科。 【概要】小本一冊。「体操歌」「伊呂波歌」「和魂の歌」の三編を収録した小本の活版和装教科書。題言に「此書は我邦中古の今様歌に倣ひて普通の詞に綴りなし、学齢児童をして之を謡はしめて薫陶涵養、不知不議(しらずしらず)も善道に導き入れんとての所為なり」と記す。体操歌は「進めや進め皆すゝめ、活溌堅固の躯と為すは、そも体操の術にあり、進めや進め皆すゝめ」で始まる一〇番までの歌。「伊呂波歌」は「(い)一日休めば一日の、損は生涯かへらぬぞ、雨をも風をも厭はずに、かならず勉強致すべし」以下四七編の歌。さらに「和魂の歌」は「日本男児の真情を、地球のうへに輝かせ…」で始まる全三編の歌。
★軍国主義教育の中で生まれた体操の歌。子ども達が丸暗記させられたのであろう。



NEW084 〈実語教・童子教〉講釈 (じつごきょう・どうじきょうこうしゃく)
【作者】不明。 【年代】嘉永四年(一八五一)刊。[江戸]山口屋藤兵衛ほか板(後印)。 【分類】教訓科。 【概要】異称『実語教絵抄・童子教絵抄』。中本一冊。『実語教・童子教』†の頭書絵入り注釈書の一つ。『実語教・童子教』本文を大字・五行・付訓で記し、その大半の語句について、頭書に挿絵を交えた略注を施したもの。。
★挿絵が比較的多い用文章。後半部の単行刊本があるように、前半部のみ抜刷本も存在したと思われる。



NEW085 教訓百人一首戯絵解 (きょうくんひゃくにんいっしゅざれえとき)
【作者】山田佐助(文会堂・久米千寿)作・序。歌川国直(後素園)画。 【年代】江戸後期刊。[江戸]山田佐助板。 【分類】教訓科。 【概要】異称『教訓百首戯絵解』『教訓百人』『田家童蒙教訓百首』。中本一冊。巻末広告に「古今名高き公家・武家・僧俗連俳の達人等のよみおかれし名歌の、をしへとなるべきをあつめし百人一首なり」と紹介するように、「世中の親に孝ある人はたゞ、何につけても頼もしきかな」(荒木田守武)など、先人の著名な道歌一〇〇首を挿絵とともに掲げた往来。なお、本書と同じシリーズの『教訓御代の恩』†が天保一四年(一八四三)に山田佐助より刊行されているため、本書もその頃の出版であろう。
★教訓百首系の往来。各頁に入った挿絵が面白い。