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NEW006 〈増補頭書絵入〉寿徳用文七宝蔵

[年代等] 作者不明。天明2年(1782)刊。[江戸]蔦屋重三郎(耕書堂)板。
[サイズ] 中本1冊 182ミリ×129ミリ。
[内容等] 「年頭に遣状」から「元服之所え遣状」までの25通を収録した用文章。五節句祝儀状や四季贈答の書状などを主とする例文を大字・6行・付訓で記す。また、見返しに「唐子の図」、口絵に「行成卿の伝」を掲げ、頭書に「書法指南」「大日本国尽」「五性名頭字」「偏冠尽」「書状封様図」「書状書初の事・同返事の事」「書留の高下」を載せる。なお、本書後半部に天明5年刊『万用手形鑑』を増補した用文章(書名不明)もある。




NEW007 村子往来

[年代等] 島立徳右衛門(一天)書。明治13年(1880)書
[サイズ] 大本1冊 265ミリ×158ミリ。
[内容等] 農家子弟に必要な基本用語を列挙した往来。「凡童子習覚而可為辨利文字之荒増者、雑穀、粳、糯、早稲、晩稲、古米、新米、拾弐万三千俵、籾四百五拾六石七斗八升九合…」と起筆して、雑穀、青物、食品、通貨、度量衡単位、貢納、算用・勘定、土地売買、農具、交通・夫役、木材・藁、地頭・代官、諸職、学芸、武具・馬具、年貢米、検地・地方等の語句を列記し、最後に「百姓・土民・農人困窮・迷惑不致様、念入不洩可申付候。以上」と結ぶ。なお、裏表紙に「諏訪郡北山村芹沢耕地」、見返しに「一天。六十九才書」と筆者・島立徳右衛門自身の記載がある。




NEW008 女諸礼糸すゝき

[年代等] 池上礒右衛門(守屋汀霍)作・書。天保13年(1842)書
[サイズ] 大本1冊 276ミリ×182ミリ。
[内容等] 異称『女諸礼』。「めしくひやう」以下12カ条に分けて女性礼法の基本を述べた往来。第一条「飯の食べ方」、第二条「湯づけの食べ方」、第三条「通いの事」、第四条「粽の食べ方」、第五条「茶の飲み方」、第六条「人の物語する時などの種々座礼」、第七条「三方の持ち方」、第八条「座敷の整頓、茶の出し方」、第九条「立ち居、歩行、言葉遣い」、第一〇条「酒の汲みよう」、第一一条「香をたく心得」、第一二条「読み書きの修練」について簡潔に説く。第一二条では、「をさなきより百人一首をよみ習ひ侍れとも、歌の心をしれる女すくなし」と戒めて、書物の説く道理や心を学ぶべきことを諭して結ぶ。本文を大字・4行・稀に付訓で記す。




NEW009 大名苗字往来

[年代等] 西戸亀吉書。安政4年(1857)書
[サイズ] 大本1冊 255ミリ×184ミリ。
[内容等] 異称『大名苗字尽往来』『諸大名苗字尽』。天保11年(1840)刊『〈頭紋尽・諸家〉名字往来』†の前半部、大名諸家の苗字を抽出した往来。韻文体をやめて単に大名の苗字を列挙するが、天保11年板の順序と一部異なる。本文を大字・3行・無訓で記す。




NEW010 娘教訓和歌百首(女要歌学選)

[年代等] 簫月子作。吉文字屋市兵衛(定栄堂)編・跋。江戸後期刊。[大阪]吉文字屋市右衛門板。
[サイズ] 大本1冊 255ミリ×188ミリ。
[内容等] 本書は安永9年(1780)初刊で2編6巻6冊の形態であったが、これを合本した形のものは今回が新発見である。異称『女教訓和歌百首』『女要歌学選』。ある筆道家の訓話に共鳴した著者が、その教えを「夙におき夜半に寝とのことはりを、おさなきよりも習はせにせよ」(初編冒頭)、「諺に髪かたちとはいふなれば、はやく奇麗に結ひならふべし」(二編冒頭)といった教訓歌100首に詠み込んだ絵本風の往来。著者は板元・吉文字屋の母。各巻に6〜18首を載せ、二編合計で100首を載せる。初編では、朝起きしてからの生活態度に始まり、外出時や食事中の心得、また、養生や言葉遣いに至る教訓を説く。二編では、身だしなみや遊芸についての心得や、その他、女性としての日常生活上の教訓全般について諭す。いずれも半丁に1首ずつの教訓歌と挿絵を載せ、頭書に解説を添える。なお、見返に『女要歌学選』と記す江戸後期後印の1冊本(吉文字屋市右衛門板)では、収録順序や付録記事が異なり、冒頭に色刷りの「京御所方女中風俗」「京吉田山風景」と、もと二編上巻にあったちかなり序を掲げた後、「人丸明神来由」「女躾方百箇条」「和歌二聖人歌」「絵馬、目録、進物箱・曲もの・樽書様」「三十六歌仙」「進物数書やう」「硯墨筆紙由来」「万積物之法」「短冊・色紙書様」「小笠原流折形」等の記事を載せる。さらに、本文を二編・初編の順に掲げた後、「しうげんの次第」「女の名字づくし」等の後付記事を増補する。従って、後印1冊本では初編上巻のあしくぼの翁序と初編下巻の定栄堂跋を省く。