【1】双葉町〜765kHz 5kW
送信所全景 中央道双葉サービスエリア脇にあった山梨放送のラジオ送信所です。この日はサービスエリアから見ただけで、直近までは行っていません。けれども鉄塔に「山梨放送」と表示してあったのでそれとなく。ステーの無い自立型の鉄塔の周りに垂直に降ろしたワイヤーがあり、札幌テレビ放送苫小牧ラジオ送信所に似てました。

 ここからでは鉄塔基部が見えなかったので良く見る中波送信アンテナの様に鉄塔を絶縁しているのかどうかはわかりませんが、中にはテレビ送信アンテナ等と同居させた基部接地形というものもあるそうです。この場合複導線をつけて給電するアンテナなどもあると記載(*)されていました。この局がそのものかどうかは今のところ不詳ですが…送信周波数も鉄塔の下の方に表示してあり、送信アンテナと広告塔の両方の役目を果たしている様です。

撮影:2003.02.08 10:14
(*)アンテナ工学ハンドブック(電子情報通信学会;1992.12.30 第1版第7刷)

鉄塔中間部拡大 その後中央道を利用する際に幾度か双葉SAに立ち寄ってました。下り線の駐車場には展望台があり、甲府市街の後方に控える富士山とか良く見ることができます。反対方を見ると双葉送信所の鉄塔も間近に見ることができます(この展望台は下り線側にありますが、上り線側からも歩いて来れます)。

 広告塔の役目を果たす鉄塔ですが、「Y」または「山」の上にあるステージ(リング)を見るとダウンリードを棒状碍子で離隔しながら固定している構造とか、隠れる様にマイクロのアンテナ(演奏所とのリンクでしょうか?/レドームで覆われているので構造が不詳ですが、パラボラ…)が設置してあるのも観察されますので、やっぱり電波塔と思います。ただ、まだ基部まで見に行ってないので上記の課題は残ったままです…

撮影:2012.12.01 13:10

※2004年9月1日に双葉町、竜王町、敷島町が合併し甲斐市になりました。

【2】上野原町〜765kHz 1kW
鉄塔  中央道談合坂サービスエリア(上り)からそれとなく見える、大月上野原局の送信塔です。この日は思いついた様に富士吉田に行き、帰路SAで休んでさあ出発するかと思った矢先目についてしまい、時間も浅かったので散歩がてら歩いて見てきました。SAから甲州街道にはあっさり出れます。その街道をこの鉄塔に向かって歩くとそれ相応の時間で辿り着けます。鉄塔には「山日YBS」とあり、【1】と同じく山梨放送の送信所とわかります。この表示はSAから見える側に設置してあります。

 鉄塔の周りには【1】と同じくワイヤーが張ってあり、同じ形式の空中線と考えられます。ただ、周波数が同じであるのにこちらの方が小振りでした。局名表示の反対側にはSTL用のパラボラが甲府方面を向いていますが、演奏所(甲府市)直接なのか、途中に中継局があるかは不詳です。また、1kWの送信アンテナ…電圧腹ではないでしょうが…に受信用のアンテナを設置しているという、誘導対策をどうしているのかな?とタイヘン興味をもちました。また垂直アンテナであると塔頂は電圧腹になる様ですが、塔頂を見るとカメラらしきのが設置されている様です。これの誘導対策も興味深々です。


鉄塔基部  双葉では見れなかった鉄塔基部も見れました。絶縁はされていなく、コンクリートの基礎にボルトで固定…つまり鉄塔は絶縁されていません。その鉄塔の周りのワイヤーは白い棒で絶縁されて、鉄塔に沿って張られています。四角の鉄塔の周りに8本のワイヤがありましたが、この8本のワイヤは鉄塔の中心部で1本にまとめられ、その先は局舎の碍子(送信機出力)につながっていました。確かSTV苫小牧も同じ様な構造だと思いました。勿論見た目には単に8本集線されているのでしょうが、765kHzの周波数においてはそれ相応の回路になっているのでしょう(どんな種類のアンテナなんでしょうか…?)、たぶん。

撮影:2003.04.19 09:50

※2005年2月13日に上野原町、秋山村が合併し上野原市になりました。

【3】富士吉田〜765kHz、1kW
鉄塔含む 前に1年ちょっと居たことのある、富士吉田市にある富士吉田放送局です。このカットは富士見バイパス沿いの(大きめな駐車場のある)ローソンからです。中央付近に見える紅白の鉄塔がそれです。わっかが見え難いですが、典型的な中波送信所です。富士吉田局は結構街中にあり、支局としての機能してます。支局裏はスーパーの駐車場になっていますが、同時に人家もたくさんあります。駐車場のフェンス越しに鉄塔の絶縁部分(碍子)とか、障害灯への電力供給トランスも見えるのですが、焦点距離37mmのデジカメで撮ってもよく見えないしで風景込みの写真でお茶を濁します。富士山と反対方向を見ていますが、場所を捜せば富士山がバックになる、いかにも…という構図のものができたかも知れません。

 また鉄塔のステー基部が庭のど真ん中にある、なんかすごいことになっている個所もありました。またこの局の前の通りをそのまま東進すると富士見バイパスにぶつかり、そのちょっと先にNHK第1放送の富士吉田中継放送所があります。この鉄塔も紅白の単管で、頂部負荷型(わっか付き)です。中央道を富士山に向かって来ると同じ様な型式の紅白鉄塔が2本並んで視界に入って来ます。

撮影:2003.04.19 06:59


山梨放送 富士山ライブカメラがいいかも。
なお、山梨放送(JOJF)は765kHz、5kWです。同じ周波数で上野原と富士吉田に1kWの中継局があります。



 2003年3月の総務省のホームページに山梨放送と京都放送の中継局の出力増力のことが掲示してありました。山梨放送は以前居たことのある地域の、京都放送舞鶴中継局は出生地にある局であることから一層興味をひかれた次第です。後者は建物が障害になるとのことで2kWに増力するとのことですが、中波放送受信に影響を与える高層建築物というのも…どんなのでしょうか?  山梨放送は同期放送として県内でダイヤルを変えることなく、また山間部の受信改善のため増力と同時に富士吉田局の周波数を1,062→765kHzとおおよそ300kHzずらす変更をした訳ですが、波長で言うと284mが392mとこれまた108m近く長くなります。垂直接地アンテナではおおよそ25m伸ばす必要がありそうですが、マッチング回路の定数変更で行くのでしょうか?鉄塔改造をするとすればステーがもう1段必要な気がしないでもない状況でした。→いったみたいです。また100Wから1,000Wへの増力ですから誘導障害対策も大変そうですね。

 また同期放送を別(苫小牧)のページで搬送波の周波数を可聴周波数以下に合致させるとか書いて見ましたが、無線設備規則第5条(周波数の許容偏差)を紐解くと中波放送局においては10Hzとなっていました。さらに法令集を繰っていくと電波法第7条(放送用周波数使用計画)に関連する郵政省告示第661号第1の11項(4)において、下記の様な記述がありました。100倍厳しくなってますね…

 中波放送については、必要と認められる場合には、指向性空中線及び次に掲げる基準に合致する同期放送方式を使用させることができるものとする。

 相互に同期放送の関係にある放送局は、同時に同一番組を放送するものであって、相互に同期放送の関係にある放送局の搬送周波数の差が0.1Hzを越えて変わらないものであること。

 なお、上記の告示条文の中にはこのページの話題から外れますが「1チャンネルから12チャンネルまでのテレビジョン放送の周波数の使用は、平成23年7月24日までに限る。」とさらりと記載してあります。

告示第661号(昭63.10.1) 電波法7条(放送用周波数使用計画)第1 電波関係告示集追18(平成14年8月5日)より



初稿 2004.04.16
訂正 2004.05.13 近畿放送 → 京都放送 ごめんなさい その他、ちょっと修正しました。
訂正 2013.12.26 山梨放送へのリンク、双葉町・上野原町について修正、併せて双葉の送信所の写真追加しました。

ひとつもどります